JP2004267253A - 電気圧力鍋 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力制御を伴う本来の圧力調理に加え、圧力制御を伴わない普通調理の両方の機能を備えさせ、それらを任意に選択できるようにするとともに、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から通常調理を行ったような場合にも安全に調理を行うことができるようにした電気圧力鍋を提供する。
【解決手段】耐圧構造の圧力鍋と、該圧力鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段による上記圧力鍋の加熱又は昇圧状態を制御する制御手段と、上記圧力鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、上記制御手段が、上記圧力鍋内の圧力制御を行う圧力調理制御機能と上記圧力鍋内の圧力制御を行わない普通調理制御機能との選択可能な複数の制御機能を備えるように構成した。
【選択図】 図6
【解決手段】耐圧構造の圧力鍋と、該圧力鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段による上記圧力鍋の加熱又は昇圧状態を制御する制御手段と、上記圧力鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、上記制御手段が、上記圧力鍋内の圧力制御を行う圧力調理制御機能と上記圧力鍋内の圧力制御を行わない普通調理制御機能との選択可能な複数の制御機能を備えるように構成した。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、電気圧力鍋の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、ガス火式のもののように調理状態監視の必要がなく、手軽で、マイコンやタイマーにより火加減、圧力状態を正確かつ容易にコントロールできることから、電気式の調理用圧力鍋(以下、単に電気圧力鍋という)が注目されつつある。
【0003】
従来、このような電気圧力鍋は、一般に▲1▼煮る、▲2▼蒸す、▲3▼炊く、▲4▼ゆでる等の各種調理メニューに広く使用されているが、高圧・高温で調理することから、例えば「肉じゃが」のじゃがいも等にも十分に火を通すことができ、固い「すね肉」なども比較的短時間で軟かく煮込むことができる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−43047号公報(第2〜第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電気圧力鍋は、圧力レベル自体の選択(高圧/低圧)は可能ではあるが、専用の圧力鍋を使用した圧力調理専用のものとなっており、同じ圧力鍋を使用して圧力制御を伴う圧力調理と圧力制御を伴わない普通調理とを任意に行えるようにしたものは存在しない。そのため電気圧力鍋の汎用性が低く、調理できるメニューの種類も自ずと限られたものとなっていた。
【0006】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上述のような圧力制御を伴う本来の圧力調理に加え、圧力制御を伴わない普通調理の両方の調理機能を備えさせ、それらを任意に選択できるようにするとともに、その場合において、圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全に調理を行うことができるようにした電気圧力鍋を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0008】
(1) 第1の課題解決手段
この発明の第1の課題解決手段は、耐圧構造の圧力鍋と、該圧力鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段による上記圧力鍋の加熱又は昇圧状態を制御する制御手段と、上記圧力鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、上記制御手段が、上記圧力鍋内の圧力制御を行う圧力調理制御機能と上記圧力鍋内の圧力制御を行わない普通調理制御機能との選択可能な複数の制御機能を備えて構成されていることを特徴としている。
【0009】
したがって、該構成によれば、圧力鍋を圧力調理専用のものとすることなく、圧力制御を伴わない普通調理にも兼用することができ、電気圧力鍋を一般の電気調理器と同様に広い用途に使用することができるようになる。
【0010】
したがって、汎用性が高くなり、調理できるメニューの種類も多くなる。
【0011】
(2) 第2の課題解決手段
この発明の第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を終了させた場合、圧力鍋の温度が所定の温度以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
圧力鍋を共用して、圧力調理機能と普通調理機能とを兼備させた場合、高圧状態になったままの圧力調理工程から十分な減圧工程を経ずに普通調理工程に調理モードが変更されることも考えられる。
【0013】
そして、普通調理モードでは、圧力制御(出力可変制御)が行われることなく、ユーザーが設定した一定の加熱出力で、加熱停止操作がなされるまで連続した加熱が行われる。したがって、圧力鍋本体の圧力調整機構による圧力のリリーフ作用が働くとしても、圧力鍋内の圧力が、さらに高くなることも想定される。
【0014】
そこで、そのような場合に対応し、圧力調理制御を途中で又は圧力調理時間の経過により、終了させたような場合には、圧力鍋の温度が所定の温度以下に低下して圧力鍋内の圧力が所定の圧力以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにして、不必要な圧力の上昇を避け、適切なかつ安全普通調理の実現を図る。
【0015】
(3) 第3の課題解決手段
この発明の第3の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を終了させた場合、同終了時から所定の時間が経過するまでは、普通調理を行えないようにしたことを特徴としている。
【0016】
圧力鍋を共用して、圧力調理機能と普通調理機能とを兼備させた場合、高圧状態になったままの圧力調理工程から十分な減圧工程を経ずに普通調理工程に調理モードが変更されることも考えられる。
【0017】
そして、普通調理モードでは、圧力制御(出力可変制御)が行われることなく、ユーザーが設定した一定の加熱出力で、加熱停止操作がなされるまで連続した加熱が行われる。したがって、圧力鍋本体の圧力調整機構による圧力のリリーフ作用が働くとしても、圧力鍋内の圧力が、さらに高くなることも想定される。
【0018】
そこで、そのような場合に対応し、圧力調理制御を途中で又は圧力調理時間の経過により、終了させたような場合には、同終了時から所定の時間が経過して圧力鍋内の圧力が所定値以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにして、不必要な圧力の上昇を避け、適切かつ安全な普通調理の実現を図る。
【0019】
(4) 第4の課題解決手段
この発明の第4の課題解決手段は、上記第1,第2又は第3の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を終了させた場合、最大加熱出力を所定値以下に低下させることを条件として普通調理を行えるようにしたことを特徴としている。
圧力鍋を共用して、圧力調理機能と普通調理機能とを兼備させた場合、高圧状態になったままの圧力調理工程から十分な減圧工程を経ずに普通調理工程に調理モードが変更されることも考えられる。
【0020】
そして、普通調理モードでは、圧力制御(出力可変制御)が行われることなく、ユーザーが設定した一定の加熱出力で、加熱停止操作がなされるまで連続した加熱が行われる。したがって、圧力鍋本体の圧力調整機構による圧力のリリーフ作用が働くとしても圧力鍋内の圧力が、さらに高くなることも想定される。
【0021】
そこで、そのような場合に対応し、圧力調理制御を途中で又は圧力調理時間の経過により、終了させたような場合には、その後、圧力鍋内の圧力を所定値以上に以上させないように、最大加熱出力を所定値以下に低下させることを条件として普通調理を行えるようにして、圧力の上昇を避けながら、しかも適切な普通調理の実現を図る。
【0022】
(5) 第5の課題解決手段
この発明の第4の課題解決手段は、上記第2,第3又は第4の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を途中で終了させた場合、再度元の圧力調理制御への復帰が可能であるように構成したことを特徴としている。
【0023】
一旦圧力制御を途中で終了させた後、再び元の圧力制御へ復帰させたとしても、圧力調理制御では圧力の調整がなされるから、何の問題もない。したがって、再加熱等特に必要がある時には、元の圧力調理制御に戻れるようにすると便利である。
【0024】
【発明の効果】
以上の結果、本願発明の電気圧力鍋によると、1台の電気圧力鍋において共通の圧力鍋を使用しながら、圧力制御を伴う圧力調理と圧力制御を伴わない普通調理の両方の機能を任意に選択できるので非常に便利になる。
【0025】
そして、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全かつ適切に調理を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の幾つかの実施の形態について説明する。
【0027】
(各実施の形態に共通する電気圧力鍋本体および制御装置部分の構成)
先ず図1〜図5は、以下に述べる本願発明の各実施の形態に共通な電気圧力鍋本体部分および制御装置部分の構成を示している。
【0028】
すなわち、同電気圧力鍋は、例えば図1および図2に示すように、全体を大きく分けて、掛け替えおよび持ち運び可能な圧力鍋1と、該圧力鍋1を載置し、同載置状態において鍋本体11部分を電磁誘導加熱する加熱台2とから構成されている。そして、圧力鍋1は、その鍋本体11部分が、電磁誘導加熱可能な磁性金属材料(一例としてステンレス)により形成されている一方、加熱台2は、それに対応して電磁誘導加熱手段としてのワークコイル21を備えて構成されている。
【0029】
圧力鍋1の鍋本体11部分は、底部11aが略フラットに形成されているとともに側壁部11bは上下方向に略等径とされ、全体として有底の筒状構造をなしている。そして、その上端側外方への開口縁部11cには全周に亘って蓋14との間の隙間をシールするためのパッキン12が嵌合されているとともに、その下部側開口部の外周面両端位置には、例えば耐熱性の合成樹脂材よりなる把手部13,13が一体に取り付けられている。
【0030】
この圧力鍋1には、さらに上記開口縁部11cに対して蓋14が着脱可能に取り付けられるようになっている。蓋14は、断面略ハット形の逆皿構造をなし、その側壁部14bの外周面両端位置には、ヘリコイド係合完了状態において上記鍋本体11側の把手部13,13位置に対応して重合状態に維持される把手部15,15が一体に取り付けられている。また、その天板部14aの上面側中央部には、圧力調整弁(おもり)を介して上下方向に連通する圧力調整機構(圧力調整ノズル)16が、また、その外周寄りには、鍋内の圧力に応じて昇降する圧力表示ピンを有する圧力表示機構17が、それぞれ設けられている。
【0031】
他方、加熱台2は、本体ケース22の上板23側中央部23aを所定半径内凹状に凹ませてワークコイル設置部とし、同部分に上述のワークコイル21を半径方向内方部分と外方部分の同心構造の2層面に分けて平面状態に設置している。そして、その上方には、上述の圧力鍋1を載置するための、上記鍋本体11の直径に対応した直径の円板状のセラミックプレート(加熱プレート)24が設けられている。このセラミックプレート24の中央部には、上下方向に貫通したセンターセンサー収納口が設けられており、上記ワークコイル(内方部側ワークコイル)21の中心軸部分に位置して上下方向に昇降自在に支持された、上記圧力鍋1の温度を検出する筒状の温度検知センサ(一例としてサーミスタ)25が所定高さ上方に臨まされている。
【0032】
本体ケース22は、その下板26と上記上板23側との間に冷却ファンを介して通風可能な部品等設置空間27を形成し、同通風可能な部品等設置空間27内に、放熱用のヒートシンク28を有して電源基板および制御基板29を設置している。
【0033】
この電源基板および制御基板29には、上記ワークコイル21等を駆動制御するIGBTやIGBT駆動回路、電源電圧整流用のダイオードブリツジよりなる整流回路、平滑回路、共振回路などが備えられている。
【0034】
また、本体ケース22の前面側には、図示のような操作パネル30が設けられている。
【0035】
この操作パネル30部分には、操作部として、調理(圧力調理・普通調理・オートメニュー調理)を開始する調理スタートスイッチSW1、調理種別、調理メニューその他の操作、設定状態を取り消す取消スイッチSW2、圧力調理工程モード又は普通調理工程モードを選択設定する圧力選択スイッチSW3、自動(オート)調理メニューを選択設定するオートメニュー選択スイッチSW4、圧力調理工程における仕上りレベルを強める方向に設定するアップスイッチUSW、同仕上りレベルを弱め方向に設定するダウンスイッチDSW等と液晶ディスプレイよりなる表示部31とが設けられている。
【0036】
そして、上記表示部31には、上記圧力選択スイッチSW3で選択された圧力調理又は普通調理、オートメニュー選択スイッチSW4で選択された白米、玄米、おこわ、煮豆、おでん、煮込み等のマークMによる指示表示、保温状態の表示、調理完了残時間の表示などが任意に行われるようになっている。なお、図3は全データ点灯表示状態の図、図4は調理開始前の初期表示状態の図である。
【0037】
また、該操作パネル30の裏側には、図示はしないが操作基板およびマイコン基板が設けられ、マイコン基板にはマイコン制御ユニットが設けられている。
【0038】
次に、図5は、上述のように構成された電気圧力鍋の圧力制御を行う圧力調理および圧力制御を行わない普通調理制御用のマイコン制御ユニットを中心とする制御回路部分の構成を示す。
【0039】
図中、符号40が上述のような圧力調理時および普通調理時の加熱制御手段に加え、鍋温度検知手段、鍋温度判定手段、ブザー報知手段等を備えた調理制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット40はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、発振回路部、リセット回路部、残時間設定表示制御回路部、ブザー報知制御回路部等を各々有して構成されている。
【0040】
そして、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えば図5に示されるように、パルス幅変調回路41、同期トリガー回路42、IGBT駆動回路43、IGBT44、共振コンデンサ45によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット40の上記ワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、初期状態から100℃での沸とう状態、100℃での沸とう状態から圧力制御温度130℃での沸とう状態までの昇温工程、圧力調理工程、その後の又は圧力調理工程とは別個に行われる普通調理工程の各々に応じて上記ワークコイル21の出力(%)をそれぞれ適切に変え、又は一定値に設定することによって、それら各工程における圧力鍋の加熱温度、圧力状態を適切にコントロールし、速やかな昇温作用と加熱ムラのない高温・高圧状態下での圧力調理およびその後の適度な温度・圧力下での普通調理を実現するための適切な加熱出力、加熱時間の設定制御が行われるようになっている。
【0041】
なお、図5中の符号46は平滑回路を構成する平滑コンデンサ、47はAC電源、48は整流回路、49はブザーである。
【0042】
(実施の形態1)
次に、図6のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態1に係る電気圧力鍋の圧力調理制御と圧力調理中止後の普通調理制御の内容について説明する。
【0043】
この実施の形態では、電気圧力鍋において、圧力制御を伴う本来の圧力調理に加え、圧力制御を伴わない普通調理の両方の調理機能を備えさせ、それらを任意に選択できるようにするとともに、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全かつ適切に調理を行うことができるようにしたことを特徴とするものである。
【0044】
すなわち、該制御は、同図6のフローチャートに示すように、調理スタートスイッチSW1のONによりスタートする。
【0045】
そして、先ずステップS1で、加熱手段であるワークコイル21の出力をフルパワー100%に設定してONにする。これにより初期状態からの「昇温工程」が開始され、鍋の温度が、先ず通常気圧の下での沸とう温度100℃に達し、その後しばらくの間温度上昇率が小さくなる状態を経て、やがて高圧状態(2気圧程度)を示す高温の圧力制御温度130℃付近まで効率良く上昇して行く。
【0046】
そして、やがて圧力鍋の温度が目標とする圧力制御温度(圧力調理温度)130℃に近付き、圧力調理に適した高圧状態(2気圧付近)になる。
【0047】
そこで、次にステップS2で、実際に鍋の温度が同目標とする圧力制御温度130℃以上になったか否かを検出判定する。その結果、YESの場合には、鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になったと判定して、続くステップS3で圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタート(ON)させて、「圧力調理工程」に入る。
【0048】
そして、その後、同「圧力調理工程」では、ステップS4〜S8に示すように、圧力調理を中止するための取消スイッチが押されないか、または上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS7でNO、ステップS8でYESとなる)までの間、上記圧力鍋の温度が上記圧力制御温度130℃以上になればワークコイル21をOFF(ステップS5)に、他方同温度130℃よりも低下すればワークコイル21を例えば出力70%でON(ステップS6)にするON,OFF制御を繰り返すことにより、圧力鍋の温度を上記圧力制御温度130℃に維持して圧力調理を実行する。
【0049】
そして、それにより鍋内の調理物(食材)がグツグツと煮込まれ、「肉じゃが」のじゃがいも等の相当に煮えにくいものにも十分に火が通される。
【0050】
そして、やがてステップS8で、上記圧力調理設定時間の経過(圧力調理タイマーOFF)が判定されると、圧力調理工程終了と判定して、ステップS9で上記ワークコイル21をOFFにするとともに、ステップS10で調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【0051】
一方、上記ステップS7でYESと判定された、上記圧力調理工程の途中で取消スイッチが押された時は、上記の場合と異なり、ステップS11の方に進んで、まず圧力鍋内の圧力が所定の安全圧力(安全温度)に低下するのに要する待機時間をカウント時間として設定してある「取消しタイマー」のタイマー動作をスタートさせる。そして、その上でステップS12に進み、ユーザーが上述の「圧力調理」に変えて圧力制御を伴わない「普通調理」を選択スタートさせたか否かを判定する。
【0052】
その結果、NOの時は、ステップS13で上記取消しタイマーの設定待機時間が経過(タイムアップ)したことが判定されるまでの間(YESになるまでの間)、上記「普通調理」の選択判定を繰り返す。
【0053】
そして、同待機時間が経過するまでの間に「普通調理」が選択設定されなかったYES場合には、そのまま全ての制御を終了する。
【0054】
他方、上記取消しタイマーの設定待機時間が経過するまでの間にユーザーにより「普通調理」が選択設定されて、調理スタートした場合には、先ずステップS14に進んで、同普通調理が可能で、かつ鍋内圧力をも有効に下げることができる上記ワークコイル21の加熱出力として、同出力を定格出力の最大80%に小さく設定し、ステップS15で普通調理加熱(圧力制御を行わない一定出力での連続加熱)を行う。
【0055】
そして、同調理が終了すると、ステップS16で上記ワークコイル21をOFFにして全ての制御を終える。
【0056】
以上のような電気圧力鍋によると、圧力制御を伴う圧力調理と圧力制御を伴わない普通調理の両機能を任意に選択できるので非常に便利になる。そして、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全かつ適切に調理を行うことができるようになる。
【0057】
すなわち、同構成によれば、圧力鍋を圧力調理専用のものとすることなく、普通調理にも兼用することができ、電気圧力鍋を一般の電気調理器的に広い用途に使用することができるようになる。
【0058】
したがって、汎用性が高くなり、調理できるメニューの種類も多くなる。
【0059】
(実施の形態2)
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態2に係る電気圧力鍋の圧力調理制御と同制御中止後の普通調理制御の内容について説明する。
【0060】
この実施の形態では、上記実施の形態1同様に、圧力調理中にユーザーが調理停止の操作をした場合において、上述の温度検出手段の検出温度が所定の温度以下まで低下するに必要な時間が経過するまでは、ワークコイル21の加熱出力を同温度まで低下させるのに有効で、しかも安全な所定値以下の出力での調理を行わせるようにしたことを特徴としている。
【0061】
該制御は、まず図7のフローチャートに示す自動圧力調理制御フロー(サブルーチン)と、図8に示すマニュアル加熱普通調理制御フロー(サブルーチン)とを備え、それらをメインルーチンで接続して構成されている。
【0062】
すなわち、該制御は、先ず図7のフローチャートに示すように、前述の調理スタートスイッチSW1のONによりスタートする。
【0063】
そして、先ずステップS1で、ワークコイル21の出力をフルパワー100%に設定してONにする。そして、それにより、同ワークコイル21フルパワーでの「昇温工程」が開始され、圧力鍋の温度が通常気圧の下での沸とう温度100℃を超えて高圧状態(2気圧程度)を示す高温の圧力制御温度130℃付近まで効率良く上昇して行く。
【0064】
そこで、次にステップS2で、実際に圧力鍋の温度が同温度130℃以上になったか否か、すなわち高圧調理を行うための加圧調理条件が成立したか否かを判定する。その結果、YESの場合には、圧力鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になり、加圧調理条件が成立したと判定して、続くステップS3で上記ワークコイル21の出力を圧力調理に適した出力(例えば70%)に設定して出力電力制御を行うとともに同圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタートさせ、圧力調理工程を行う。
【0065】
この「圧力調理工程」における電力制御では、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS4でYESとなる)か、又は圧力調理停止スイッチが押されるまでの間、上記鍋の温度が130℃以上になればワークコイル21をOFF、130℃よりも低下すればワークコイル21を出力70%でONにするON,OFF制御を繰り返すことにより、鍋の温度を上記圧力調理に適した高圧状態(2気圧程度)に維持できる略130℃に維持する制御がなされる。
【0066】
そして、上記ステップS4でYESとなり、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過したことが判定されると、同「圧力調理工程」を終了して、ワークコイル21をOFFにし、圧力鍋内の圧力を低下させる「減圧工程」に移行する。
【0067】
一方、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過しなくても(ステップS4でNOでも)、上記圧力調理停止スイッチが押されたステップS5でYESの時は、マニュアル加熱による普通調理(連続加熱調理)の選択が予想されるので、先ずステップS6で「連続調理フラグ」を立て、その上でステップS7で上記実施の形態1と同様の所定の温度降下待機時間をセットした待機タイマーの計時動作をスタートさせる。
【0068】
そして、その後、メインルーチンを経て図8のマニュアル普通調理制御フローに進む。
【0069】
同フローでは、先ずステップS1で、上記待機タイマーの待機設定時間内にマニュアル普通調理メニューが選択されたか否かを判定する。
【0070】
その結果、NOの場合には再びメインルーチンに戻るが、YESのマニュアル普通調理が選択された場合には、次にステップS2で上記設定時間以内であるか否かを判定し、その判定結果に基き、YESの時には定格出力よりも所定終了低い低電力制御モードに、他方NOの時には通常出力での電力制御モードに各々設定する。そして、その上でステップS5に進んで加熱を開始し、ステップS6で同加熱調理を実行する。
【0071】
(変形例)
なお、この場合において、上記所定の待機時間が経過するまでの間は、仮にユーザーがマニュアル操作を行って普通加熱を行おうとしても、それによる加熱を全く行うことができないようにすることもできる。このようにすると、より安全である。
【0072】
(実施の形態3)
次に、図9のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態3に係る電気圧力鍋の圧力調理制御と普通調理制御の内容について説明する。
【0073】
この実施の形態は、図9のフローチャートに示すように圧力鍋1を専用鍋として加熱制御する制御手段と、上記圧力鍋1の温度を検出する温度検知センサー25と、圧力鍋加熱用のワークコイル21とを備えた電気圧力鍋において、油炒め等の前調理により加熱されて高温になった圧力鍋1が、セラミックプレート(加熱プレート)24上に載置された状態で圧力調理コースが選択された場合に、調理開始後に上記温度検知センサー25が読み込んだ温度検出データT(ステップS1)の値が高温状態を示す(ステップS2でYES)所定の温度tよりも高い時には、同図9のフローチャートのステップS2からステップS4に示すように定格電力で加熱するステップS3の昇温工程をとばして、そのままステップS4の加熱調理工程に進み、定格電力以下の連続した電力で加熱制御(高圧制御)する加圧工程(圧力調理工程)に移行させるようにしたことを特徴とするものである。そして、加圧が終わると減圧工程(ステップS5)を経て全ての制御を終える。
【0074】
このような構成によると、前調理の終わった高温の圧力鍋1を、高出力で急激に加熱する危険性を確実に回避することができる。
【0075】
(実施の形態4)
次に、図10のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態4に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容について説明する。
【0076】
この実施の形態は、専用の圧力鍋1と、ワークコイル21と、圧力鍋1を監視する温度検知センサ25と、液晶等の表示部31と、圧力あり/なしを選択する圧力選択スイッチSW3と、アップスイッチ(加算キー)USWと、ダウンスイッチ(減算キー)DSWとを備え、圧力調理「圧力あり」が選択されている場合は、液晶等表示部31に温度データを表示し、上記アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで圧力調理加熱時の圧力制御温度を所定のレベル選択できるようにする一方、普通調理「圧力なし」が選択されている場合には、液晶等表示部31に火力(加熱量)を表示するようにし、アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで、火力(加熱量)の大小を任意に選択できるようにしたこと特徴とするものである。
【0077】
すなわち、該制御では、図10のフローチャートに示されるように、電源ON状態において制御を開始し、先ず最初にステップS1で圧力選択スイッチSW3が押されたか否かを判定する。その結果、YESの時は、ステップS2で、そのON操作回数に応じて調理機能が「圧力あり」、「圧力なし」に順次反転される。
【0078】
次にステップS3に進み、上記圧力選択スイッチSW3のON操作による設定が、「圧力あり」設定であるか否かを判定する。その結果、YESの「圧力あり」が選ばれている時は、次にステップS4に進んで、図11のように表示部31に「圧力制御温度」を表示する一方、NOの「圧力なし」が選ばれている時は、ステップS5に進んで図12のように表示部31に「火力」のレベルを表示する。
【0079】
そして、その後、ステップS6に進んで、上述のアップスイッチUSWが押されたか否かを判定する。そして、その結果がYESの時は、さらにステップS7で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS8に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力制御温度」を1ステップ分アップする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS9に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分アップする。そして、それらを行った上で、さらにステップS10に進む。
【0080】
一方、上記判定でアップスイッチUSWが押されなかったNOの場合には、そのまま同じステップS10に進む。そして、ステップS10では、それぞれダウンスイッチDSWが押されたか否かを判定する。
【0081】
その結果がYESの時は、さらにステップS11で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS12に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力制御温度」を1ステップ分ダウンする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS13に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分ダウンる。
【0082】
そして、それらを行った上で、さらにステップS14に進んで、調理スタートスイッチSW1のON状態を確認した上で、「圧力あり」の圧力調理又は「圧力なし」の普通調理をそれぞれ開始・実行する。
【0083】
(実施の形態5)
次に、図13のフローチャートおよび図14、図15の表示形態を参照して、本願発明の実施の形態5に係る電気圧力鍋の圧力調理および普通調理制御の内容について説明する。
【0084】
この実施の形態は、上述のような圧力鍋1と、ワークコイル21と、圧力鍋1の温度を監視する温度検知センサ25と、液晶等の表示部31と、圧力あり/なしを選択する圧力選択スイッチSW3と、アップスイッチ(加算キー)USWと、ダウンスイッチ(減算キー)DSWとを備え、圧力選択スイッチSW3により圧力調理「圧力あり」が選択されている場合は、液晶等表示部31に圧力調理時間を表示して、アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで圧力調理加熱時の圧力調理時間を任意に選択できるようにする一方、普通調理「圧力なし」が選択されている場合は、液晶等表示部31に火力(加熱量)を表示するようにし、アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで、同火力(加熱量)の大小を選択できるようにしたこと特徴とするものである。
【0085】
(圧力調理時および普通調理時の操作、表示制御)
先ず、該制御では、例えば図13のフローチャートに示されるように、電源ON状態において制御を開始し、先ず最初にステップS1で圧力選択スイッチSW3が押されたか否かを判定する。その結果、YESの時は、ステップS2で、そのON操作回数に応じて調理機能が「圧力あり」、「圧力なし」に順次反転される。
【0086】
次にステップS3に進み、上記圧力選択スイッチSW3のON操作による設定が、「圧力あり」設定であるか否かを判定する。その結果、YESの「圧力あり」が選ばれている時は、次にステップS4に進んで、例えば図14のように「圧力調理時間」を表示する一方、NOの「圧力なし」が選ばれている時は、ステップS5に進んで、例えば図15のように「火力」を表示する。
【0087】
そして、その後、ステップS6に進んで、上述のアップスイッチUSWが押されたか否かを判定する。そして、その結果がYESの時は、さらにステップS7で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS8に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力調理時間」を1ステップ分アップする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS9に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分アップする。そして、それらを行った上で、さらにステップS10に進む。
【0088】
一方、上記判定でアップスイッチUSWが押されなかったNOの場合には、そのまま同じステップS10に進む。そして、それぞれステップS10では、ダウンスイッチDSWが押されたか否かを判定する。
【0089】
その結果がYESの時は、さらにステップS11で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS12に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力調理時間」を1ステップ分ダウンする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS13に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分ダウンる。
【0090】
そして、それらを行った上で、さらにステップS14に進んで、調理スタートスイッチSW1のON状態を確認した上で、「圧力あり」の圧力調理又は「圧力なし」の普通調理をそれぞれ開始する。
【0091】
(圧力調理制御および普通調理制御)
次に、図16及び図17のフローチャートを参照して、同実施の形態に係る電気圧力鍋の圧力調理制御および普通調理制御の内容について説明する。
【0092】
同制御では、例えば上述のようにして「圧力あり」が選択されている場合には、アップスイッチ(加算キー)USWとダウンスイッチ(減算キー)DSWにて圧力調理時間を変更し、定格電力で100℃以上の所定の温度まで加熱した後電力を下げて上記所定の温度で温度調節を行う。他方、「圧力なし」が選択されている場合には、アップスイッチ(加算キー)USWとダウンスイッチ(減算キー)DSWで火力加熱量の大小を選択し、あくまでも設定された火力(加熱量)で100℃にて温度調節を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0093】
このような構成にすると、仮に誤って圧力がかかる状態で「圧力なし」設定での加熱を行った場合でも、100℃までの温度で温度調節されるために安全になる。
【0094】
(圧力調理)
すなわち、先ず該制御での圧力調理は、例えば図16のフローチャートに示すように、調理スタートスイッチSW1のONによりスタートする。
【0095】
そして、先ずステップS1で、ワークコイル21の出力をフルパワー100%に設定してONにする。これにより「昇温工程」が開始され、圧力鍋の温度が通常気圧の下での沸とう温度100℃を超えて圧力調理可能な高圧状態(2気圧程度)となったことを示す圧力制御温度130℃付近まで効率良く上昇して行く。
【0096】
そこで、次にステップS2で、実際に現在の圧力鍋の温度が同圧力制御温度130℃以上になったか否かを判定する。その結果、YESの場合には、圧力鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になったと判定して、続くステップS3で圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタートさせ、実際に「圧力調理工程」に入る。
【0097】
「圧力調理工程」では、ステップS4〜S7に示されるように、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS7でYESとなる)までの間、圧力鍋の温度が圧力制御温度130℃以上になればワークコイル21をOFF(ステップS5)、130℃よりも低下すればワークコイル21を定格出力の50%でON(ステップS6)にするON,OFF制御を繰り返すことにより、圧力鍋の温度を上記圧力調理に適した高圧状態(2気圧程度)に維持できる略130℃に維持する。
【0098】
そして、それにより「圧力調理メニュー」における調理物(食材)の各々に十分に火を通す。この結果、固いすね肉等も短時間で軟かくなり、必要に応じ、続けて行われる「煮込み調理工程」などでの味のしみ込み効果も高くなる。
【0099】
そして、上記ステップS7でYESとなり、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過したことが判定されると、次にステップS8に進み「圧力調理工程」を終了して、ワークコイル21をOFFにし、さらにステップS9で調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【0100】
(普通調理)
他方、「圧力なし」の「普通調理」が選ばれている時は、例えば図17のフローチャートのように、上述のアップスイッチUSW又はダウンスイッチDSWによって火力(加熱量)の大小を選択し、それにより設定された火力で、100℃以下で以降の連続加熱工程の鍋温度を適切に調節する。
【0101】
すなわち、該「普通調理」の制御では、調理開始後、先ずステップS1で、上記圧力鍋の温度が100℃以下であるか否かを判定し、100℃を超えているNOの場合にはステップS4に進んで、上記ワークコイル21をOFFにして温度を100℃よりも下げる。
【0102】
一方、100℃以下のYESの場合には、順次ステップS2,S3に進んで、上述のようにして設定されている火力が1であるか、2であるかを順次判定する。そして、その結果、設定火力が1である場合にはステップS5に進んで、上記ワークコイル21の出力を定格出力の50%(最小出力)でONにして加熱を行う一方、設定火力が2である場合には、ステップS6に進んで、上記ワークコイル21の出力を定格出力の70%(中間出力)でONにして加熱を行う一方、設定火力が1でも2でもない場合には、ステップS7に進んで、上記ワークコイル21の出力を定格出力100%(最大出力)でONにして加熱を行う。
【0103】
そして、それぞれ調理が進行して、ステップS8で取消スイッチSW2のON操作が確認されると、調理終了と判定して、ステップS9で上記ワークコイル21をOFFにするとともに、ステップS10で調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【0104】
(実施の形態6)
次に、図18のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態6に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容について説明する。
【0105】
以上の各実施の形態における電気圧力鍋のようなワークコイルを用いた誘導加熱手段の特徴はヒータによる加熱方式とは異なり、低電力による連続加熱が可能であることである。
【0106】
そこで、この実施の形態では、そのような特徴を活用し、上述のような圧力鍋を専用鍋とした当該電気圧力鍋の圧力調理時の電力制御について、定格電力の少なくとも50%以下の範囲で、かつ加圧にいたるまでに(圧力制御温度130℃になるまでに)要した昇温時間によって定められた設定電力により通電制御を行うようにすることによって、加熱中の蒸気の発生量を最小限に抑えるようにしたことを特徴とするものである。
【0107】
すなわち、該制御では、先ずステップS1で圧力調理メニューを設定し、ステップS2で調理スタートスイッチSW1を押し、ステップS3でワークコイル21を定格出力100%で圧力調理を開始する。
【0108】
次にステップS4で、所定時間内の温度上昇幅ΔTが、所定の基準幅Δtよりも小さくなったか否かを判定する。
【0109】
上記のように調理開始後、昇温工程における加熱を継続して行くと、やがて圧力鍋の温度Tが同100℃の通常気圧下における沸とう温度に達して、圧力鍋内の調理物が沸とうを開始するようになる。
【0110】
そして、該沸とうが始まると、次第に鍋内の圧力が高まって行くが、沸とう開始後(100℃到達後)の所定の時間内は、同じ出力での加熱を継続しても、圧力鍋の温度Tは上昇せず、所定の時間内は同温度上昇率ΔTが小さい状態が続く。
【0111】
そして、同温度上昇率の小さい状態が続く時間は、その時の調理物の量に比例し、調理物の量が多いほど長くなり、同時間が経過すると再び急に温度が上昇して圧力調理時の圧力制御温度t0(例えばt0=130℃)に近付いてゆく。
【0112】
そこで、次にステップS5で、実際に圧力鍋の温度Tを読み込み、ステップS6で同温度Tが上記t0(130℃)以上になったか否かを判定する。その結果、YESの場合には、鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になったと判定して、圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタートさせて「圧力調理工程」に入る。
【0113】
「圧力調理工程」では、ステップS6〜S9に示されるように、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS7でYESとなる)までの間、鍋の温度Tが圧力制御温度t0℃以上になればワークコイル21をOFF(ステップS7)、t0℃よりも低下すればワークコイル21を定格出力の50%でON(ステップS8)にするON,OFF制御を繰り返すことにより、鍋の温度を上記圧力調理に適した高圧状態(2気圧程度)に維持できる略t0(130℃)に維持する。
【0114】
そして、それにより「煮込み調理メニュー」における調理物(食材)の各々に十分に火を通す。この結果、固いすね肉等も短時間で軟かくなる。
【0115】
そして、上記ステップS9でYESとなり、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過したことが判定されると、次にステップS10に進んで上記ワークコイル21をOFFにするとともに、調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態1〜6に係る電気圧力鍋に共通な電気圧力鍋本体部分の構成を示す外部正面図である。
【図2】同電気圧力鍋本体の構成を示す断面図である。
【図3】同電気圧力鍋本体の操作パネル表示部の構成を示す全表示部を点灯させた状態の正面図である。
【図4】同電気圧力鍋本体の操作パネル部分の調理開始前の初期状態の点灯内容を示す正面図である。
【図5】同電気圧力鍋本体内制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本願発明の実施の形態1に係る電気圧力鍋の圧力調理および普通調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図7】本願発明の実施の形態2に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図8】同実施の形態に係る電気圧力鍋の普通調理制御の内容を示すタイムチャートである。
【図9】本願発明の実施の形態3に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すタイムチャートである。
【図10】本願発明の実施の形態4に係る電気圧力鍋の圧力調理時および普通調理時の操作、表示制御の内容を示すフローチャートである。
【図11】同電気圧力鍋の圧力調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図12】同電気圧力鍋の普通調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図13】本願発明の実施の形態5に係る電気圧力鍋の圧力調理時および普通調理時の操作、表示制御の内容を示すすタイムチャートである。
【図14】同電気圧力鍋の圧力調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図15】同電気圧力鍋の普通調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図16】同電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図17】同電気圧力鍋の普通調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図18】本願発明の実施の形態6に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は圧力鍋、2は加熱台、11は鍋本体、12はパッキン、13は把手部、14は蓋、15は把手部、16は圧力調整機構、17は圧力表示機構、21はワークコイル、22は本体ケース、29は電源基板および制御基板、30は操作パネル、31は表示部である。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、電気圧力鍋の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、ガス火式のもののように調理状態監視の必要がなく、手軽で、マイコンやタイマーにより火加減、圧力状態を正確かつ容易にコントロールできることから、電気式の調理用圧力鍋(以下、単に電気圧力鍋という)が注目されつつある。
【0003】
従来、このような電気圧力鍋は、一般に▲1▼煮る、▲2▼蒸す、▲3▼炊く、▲4▼ゆでる等の各種調理メニューに広く使用されているが、高圧・高温で調理することから、例えば「肉じゃが」のじゃがいも等にも十分に火を通すことができ、固い「すね肉」なども比較的短時間で軟かく煮込むことができる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−43047号公報(第2〜第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電気圧力鍋は、圧力レベル自体の選択(高圧/低圧)は可能ではあるが、専用の圧力鍋を使用した圧力調理専用のものとなっており、同じ圧力鍋を使用して圧力制御を伴う圧力調理と圧力制御を伴わない普通調理とを任意に行えるようにしたものは存在しない。そのため電気圧力鍋の汎用性が低く、調理できるメニューの種類も自ずと限られたものとなっていた。
【0006】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上述のような圧力制御を伴う本来の圧力調理に加え、圧力制御を伴わない普通調理の両方の調理機能を備えさせ、それらを任意に選択できるようにするとともに、その場合において、圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全に調理を行うことができるようにした電気圧力鍋を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0008】
(1) 第1の課題解決手段
この発明の第1の課題解決手段は、耐圧構造の圧力鍋と、該圧力鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段による上記圧力鍋の加熱又は昇圧状態を制御する制御手段と、上記圧力鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、上記制御手段が、上記圧力鍋内の圧力制御を行う圧力調理制御機能と上記圧力鍋内の圧力制御を行わない普通調理制御機能との選択可能な複数の制御機能を備えて構成されていることを特徴としている。
【0009】
したがって、該構成によれば、圧力鍋を圧力調理専用のものとすることなく、圧力制御を伴わない普通調理にも兼用することができ、電気圧力鍋を一般の電気調理器と同様に広い用途に使用することができるようになる。
【0010】
したがって、汎用性が高くなり、調理できるメニューの種類も多くなる。
【0011】
(2) 第2の課題解決手段
この発明の第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を終了させた場合、圧力鍋の温度が所定の温度以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
圧力鍋を共用して、圧力調理機能と普通調理機能とを兼備させた場合、高圧状態になったままの圧力調理工程から十分な減圧工程を経ずに普通調理工程に調理モードが変更されることも考えられる。
【0013】
そして、普通調理モードでは、圧力制御(出力可変制御)が行われることなく、ユーザーが設定した一定の加熱出力で、加熱停止操作がなされるまで連続した加熱が行われる。したがって、圧力鍋本体の圧力調整機構による圧力のリリーフ作用が働くとしても、圧力鍋内の圧力が、さらに高くなることも想定される。
【0014】
そこで、そのような場合に対応し、圧力調理制御を途中で又は圧力調理時間の経過により、終了させたような場合には、圧力鍋の温度が所定の温度以下に低下して圧力鍋内の圧力が所定の圧力以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにして、不必要な圧力の上昇を避け、適切なかつ安全普通調理の実現を図る。
【0015】
(3) 第3の課題解決手段
この発明の第3の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を終了させた場合、同終了時から所定の時間が経過するまでは、普通調理を行えないようにしたことを特徴としている。
【0016】
圧力鍋を共用して、圧力調理機能と普通調理機能とを兼備させた場合、高圧状態になったままの圧力調理工程から十分な減圧工程を経ずに普通調理工程に調理モードが変更されることも考えられる。
【0017】
そして、普通調理モードでは、圧力制御(出力可変制御)が行われることなく、ユーザーが設定した一定の加熱出力で、加熱停止操作がなされるまで連続した加熱が行われる。したがって、圧力鍋本体の圧力調整機構による圧力のリリーフ作用が働くとしても、圧力鍋内の圧力が、さらに高くなることも想定される。
【0018】
そこで、そのような場合に対応し、圧力調理制御を途中で又は圧力調理時間の経過により、終了させたような場合には、同終了時から所定の時間が経過して圧力鍋内の圧力が所定値以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにして、不必要な圧力の上昇を避け、適切かつ安全な普通調理の実現を図る。
【0019】
(4) 第4の課題解決手段
この発明の第4の課題解決手段は、上記第1,第2又は第3の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を終了させた場合、最大加熱出力を所定値以下に低下させることを条件として普通調理を行えるようにしたことを特徴としている。
圧力鍋を共用して、圧力調理機能と普通調理機能とを兼備させた場合、高圧状態になったままの圧力調理工程から十分な減圧工程を経ずに普通調理工程に調理モードが変更されることも考えられる。
【0020】
そして、普通調理モードでは、圧力制御(出力可変制御)が行われることなく、ユーザーが設定した一定の加熱出力で、加熱停止操作がなされるまで連続した加熱が行われる。したがって、圧力鍋本体の圧力調整機構による圧力のリリーフ作用が働くとしても圧力鍋内の圧力が、さらに高くなることも想定される。
【0021】
そこで、そのような場合に対応し、圧力調理制御を途中で又は圧力調理時間の経過により、終了させたような場合には、その後、圧力鍋内の圧力を所定値以上に以上させないように、最大加熱出力を所定値以下に低下させることを条件として普通調理を行えるようにして、圧力の上昇を避けながら、しかも適切な普通調理の実現を図る。
【0022】
(5) 第5の課題解決手段
この発明の第4の課題解決手段は、上記第2,第3又は第4の課題解決手段の構成において、圧力調理制御を途中で終了させた場合、再度元の圧力調理制御への復帰が可能であるように構成したことを特徴としている。
【0023】
一旦圧力制御を途中で終了させた後、再び元の圧力制御へ復帰させたとしても、圧力調理制御では圧力の調整がなされるから、何の問題もない。したがって、再加熱等特に必要がある時には、元の圧力調理制御に戻れるようにすると便利である。
【0024】
【発明の効果】
以上の結果、本願発明の電気圧力鍋によると、1台の電気圧力鍋において共通の圧力鍋を使用しながら、圧力制御を伴う圧力調理と圧力制御を伴わない普通調理の両方の機能を任意に選択できるので非常に便利になる。
【0025】
そして、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全かつ適切に調理を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の幾つかの実施の形態について説明する。
【0027】
(各実施の形態に共通する電気圧力鍋本体および制御装置部分の構成)
先ず図1〜図5は、以下に述べる本願発明の各実施の形態に共通な電気圧力鍋本体部分および制御装置部分の構成を示している。
【0028】
すなわち、同電気圧力鍋は、例えば図1および図2に示すように、全体を大きく分けて、掛け替えおよび持ち運び可能な圧力鍋1と、該圧力鍋1を載置し、同載置状態において鍋本体11部分を電磁誘導加熱する加熱台2とから構成されている。そして、圧力鍋1は、その鍋本体11部分が、電磁誘導加熱可能な磁性金属材料(一例としてステンレス)により形成されている一方、加熱台2は、それに対応して電磁誘導加熱手段としてのワークコイル21を備えて構成されている。
【0029】
圧力鍋1の鍋本体11部分は、底部11aが略フラットに形成されているとともに側壁部11bは上下方向に略等径とされ、全体として有底の筒状構造をなしている。そして、その上端側外方への開口縁部11cには全周に亘って蓋14との間の隙間をシールするためのパッキン12が嵌合されているとともに、その下部側開口部の外周面両端位置には、例えば耐熱性の合成樹脂材よりなる把手部13,13が一体に取り付けられている。
【0030】
この圧力鍋1には、さらに上記開口縁部11cに対して蓋14が着脱可能に取り付けられるようになっている。蓋14は、断面略ハット形の逆皿構造をなし、その側壁部14bの外周面両端位置には、ヘリコイド係合完了状態において上記鍋本体11側の把手部13,13位置に対応して重合状態に維持される把手部15,15が一体に取り付けられている。また、その天板部14aの上面側中央部には、圧力調整弁(おもり)を介して上下方向に連通する圧力調整機構(圧力調整ノズル)16が、また、その外周寄りには、鍋内の圧力に応じて昇降する圧力表示ピンを有する圧力表示機構17が、それぞれ設けられている。
【0031】
他方、加熱台2は、本体ケース22の上板23側中央部23aを所定半径内凹状に凹ませてワークコイル設置部とし、同部分に上述のワークコイル21を半径方向内方部分と外方部分の同心構造の2層面に分けて平面状態に設置している。そして、その上方には、上述の圧力鍋1を載置するための、上記鍋本体11の直径に対応した直径の円板状のセラミックプレート(加熱プレート)24が設けられている。このセラミックプレート24の中央部には、上下方向に貫通したセンターセンサー収納口が設けられており、上記ワークコイル(内方部側ワークコイル)21の中心軸部分に位置して上下方向に昇降自在に支持された、上記圧力鍋1の温度を検出する筒状の温度検知センサ(一例としてサーミスタ)25が所定高さ上方に臨まされている。
【0032】
本体ケース22は、その下板26と上記上板23側との間に冷却ファンを介して通風可能な部品等設置空間27を形成し、同通風可能な部品等設置空間27内に、放熱用のヒートシンク28を有して電源基板および制御基板29を設置している。
【0033】
この電源基板および制御基板29には、上記ワークコイル21等を駆動制御するIGBTやIGBT駆動回路、電源電圧整流用のダイオードブリツジよりなる整流回路、平滑回路、共振回路などが備えられている。
【0034】
また、本体ケース22の前面側には、図示のような操作パネル30が設けられている。
【0035】
この操作パネル30部分には、操作部として、調理(圧力調理・普通調理・オートメニュー調理)を開始する調理スタートスイッチSW1、調理種別、調理メニューその他の操作、設定状態を取り消す取消スイッチSW2、圧力調理工程モード又は普通調理工程モードを選択設定する圧力選択スイッチSW3、自動(オート)調理メニューを選択設定するオートメニュー選択スイッチSW4、圧力調理工程における仕上りレベルを強める方向に設定するアップスイッチUSW、同仕上りレベルを弱め方向に設定するダウンスイッチDSW等と液晶ディスプレイよりなる表示部31とが設けられている。
【0036】
そして、上記表示部31には、上記圧力選択スイッチSW3で選択された圧力調理又は普通調理、オートメニュー選択スイッチSW4で選択された白米、玄米、おこわ、煮豆、おでん、煮込み等のマークMによる指示表示、保温状態の表示、調理完了残時間の表示などが任意に行われるようになっている。なお、図3は全データ点灯表示状態の図、図4は調理開始前の初期表示状態の図である。
【0037】
また、該操作パネル30の裏側には、図示はしないが操作基板およびマイコン基板が設けられ、マイコン基板にはマイコン制御ユニットが設けられている。
【0038】
次に、図5は、上述のように構成された電気圧力鍋の圧力制御を行う圧力調理および圧力制御を行わない普通調理制御用のマイコン制御ユニットを中心とする制御回路部分の構成を示す。
【0039】
図中、符号40が上述のような圧力調理時および普通調理時の加熱制御手段に加え、鍋温度検知手段、鍋温度判定手段、ブザー報知手段等を備えた調理制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット40はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、発振回路部、リセット回路部、残時間設定表示制御回路部、ブザー報知制御回路部等を各々有して構成されている。
【0040】
そして、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えば図5に示されるように、パルス幅変調回路41、同期トリガー回路42、IGBT駆動回路43、IGBT44、共振コンデンサ45によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット40の上記ワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、初期状態から100℃での沸とう状態、100℃での沸とう状態から圧力制御温度130℃での沸とう状態までの昇温工程、圧力調理工程、その後の又は圧力調理工程とは別個に行われる普通調理工程の各々に応じて上記ワークコイル21の出力(%)をそれぞれ適切に変え、又は一定値に設定することによって、それら各工程における圧力鍋の加熱温度、圧力状態を適切にコントロールし、速やかな昇温作用と加熱ムラのない高温・高圧状態下での圧力調理およびその後の適度な温度・圧力下での普通調理を実現するための適切な加熱出力、加熱時間の設定制御が行われるようになっている。
【0041】
なお、図5中の符号46は平滑回路を構成する平滑コンデンサ、47はAC電源、48は整流回路、49はブザーである。
【0042】
(実施の形態1)
次に、図6のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態1に係る電気圧力鍋の圧力調理制御と圧力調理中止後の普通調理制御の内容について説明する。
【0043】
この実施の形態では、電気圧力鍋において、圧力制御を伴う本来の圧力調理に加え、圧力制御を伴わない普通調理の両方の調理機能を備えさせ、それらを任意に選択できるようにするとともに、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全かつ適切に調理を行うことができるようにしたことを特徴とするものである。
【0044】
すなわち、該制御は、同図6のフローチャートに示すように、調理スタートスイッチSW1のONによりスタートする。
【0045】
そして、先ずステップS1で、加熱手段であるワークコイル21の出力をフルパワー100%に設定してONにする。これにより初期状態からの「昇温工程」が開始され、鍋の温度が、先ず通常気圧の下での沸とう温度100℃に達し、その後しばらくの間温度上昇率が小さくなる状態を経て、やがて高圧状態(2気圧程度)を示す高温の圧力制御温度130℃付近まで効率良く上昇して行く。
【0046】
そして、やがて圧力鍋の温度が目標とする圧力制御温度(圧力調理温度)130℃に近付き、圧力調理に適した高圧状態(2気圧付近)になる。
【0047】
そこで、次にステップS2で、実際に鍋の温度が同目標とする圧力制御温度130℃以上になったか否かを検出判定する。その結果、YESの場合には、鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になったと判定して、続くステップS3で圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタート(ON)させて、「圧力調理工程」に入る。
【0048】
そして、その後、同「圧力調理工程」では、ステップS4〜S8に示すように、圧力調理を中止するための取消スイッチが押されないか、または上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS7でNO、ステップS8でYESとなる)までの間、上記圧力鍋の温度が上記圧力制御温度130℃以上になればワークコイル21をOFF(ステップS5)に、他方同温度130℃よりも低下すればワークコイル21を例えば出力70%でON(ステップS6)にするON,OFF制御を繰り返すことにより、圧力鍋の温度を上記圧力制御温度130℃に維持して圧力調理を実行する。
【0049】
そして、それにより鍋内の調理物(食材)がグツグツと煮込まれ、「肉じゃが」のじゃがいも等の相当に煮えにくいものにも十分に火が通される。
【0050】
そして、やがてステップS8で、上記圧力調理設定時間の経過(圧力調理タイマーOFF)が判定されると、圧力調理工程終了と判定して、ステップS9で上記ワークコイル21をOFFにするとともに、ステップS10で調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【0051】
一方、上記ステップS7でYESと判定された、上記圧力調理工程の途中で取消スイッチが押された時は、上記の場合と異なり、ステップS11の方に進んで、まず圧力鍋内の圧力が所定の安全圧力(安全温度)に低下するのに要する待機時間をカウント時間として設定してある「取消しタイマー」のタイマー動作をスタートさせる。そして、その上でステップS12に進み、ユーザーが上述の「圧力調理」に変えて圧力制御を伴わない「普通調理」を選択スタートさせたか否かを判定する。
【0052】
その結果、NOの時は、ステップS13で上記取消しタイマーの設定待機時間が経過(タイムアップ)したことが判定されるまでの間(YESになるまでの間)、上記「普通調理」の選択判定を繰り返す。
【0053】
そして、同待機時間が経過するまでの間に「普通調理」が選択設定されなかったYES場合には、そのまま全ての制御を終了する。
【0054】
他方、上記取消しタイマーの設定待機時間が経過するまでの間にユーザーにより「普通調理」が選択設定されて、調理スタートした場合には、先ずステップS14に進んで、同普通調理が可能で、かつ鍋内圧力をも有効に下げることができる上記ワークコイル21の加熱出力として、同出力を定格出力の最大80%に小さく設定し、ステップS15で普通調理加熱(圧力制御を行わない一定出力での連続加熱)を行う。
【0055】
そして、同調理が終了すると、ステップS16で上記ワークコイル21をOFFにして全ての制御を終える。
【0056】
以上のような電気圧力鍋によると、圧力制御を伴う圧力調理と圧力制御を伴わない普通調理の両機能を任意に選択できるので非常に便利になる。そして、その場合において、圧力調理終了後又は圧力調理の途中から普通調理を行ったような場合にも安全かつ適切に調理を行うことができるようになる。
【0057】
すなわち、同構成によれば、圧力鍋を圧力調理専用のものとすることなく、普通調理にも兼用することができ、電気圧力鍋を一般の電気調理器的に広い用途に使用することができるようになる。
【0058】
したがって、汎用性が高くなり、調理できるメニューの種類も多くなる。
【0059】
(実施の形態2)
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態2に係る電気圧力鍋の圧力調理制御と同制御中止後の普通調理制御の内容について説明する。
【0060】
この実施の形態では、上記実施の形態1同様に、圧力調理中にユーザーが調理停止の操作をした場合において、上述の温度検出手段の検出温度が所定の温度以下まで低下するに必要な時間が経過するまでは、ワークコイル21の加熱出力を同温度まで低下させるのに有効で、しかも安全な所定値以下の出力での調理を行わせるようにしたことを特徴としている。
【0061】
該制御は、まず図7のフローチャートに示す自動圧力調理制御フロー(サブルーチン)と、図8に示すマニュアル加熱普通調理制御フロー(サブルーチン)とを備え、それらをメインルーチンで接続して構成されている。
【0062】
すなわち、該制御は、先ず図7のフローチャートに示すように、前述の調理スタートスイッチSW1のONによりスタートする。
【0063】
そして、先ずステップS1で、ワークコイル21の出力をフルパワー100%に設定してONにする。そして、それにより、同ワークコイル21フルパワーでの「昇温工程」が開始され、圧力鍋の温度が通常気圧の下での沸とう温度100℃を超えて高圧状態(2気圧程度)を示す高温の圧力制御温度130℃付近まで効率良く上昇して行く。
【0064】
そこで、次にステップS2で、実際に圧力鍋の温度が同温度130℃以上になったか否か、すなわち高圧調理を行うための加圧調理条件が成立したか否かを判定する。その結果、YESの場合には、圧力鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になり、加圧調理条件が成立したと判定して、続くステップS3で上記ワークコイル21の出力を圧力調理に適した出力(例えば70%)に設定して出力電力制御を行うとともに同圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタートさせ、圧力調理工程を行う。
【0065】
この「圧力調理工程」における電力制御では、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS4でYESとなる)か、又は圧力調理停止スイッチが押されるまでの間、上記鍋の温度が130℃以上になればワークコイル21をOFF、130℃よりも低下すればワークコイル21を出力70%でONにするON,OFF制御を繰り返すことにより、鍋の温度を上記圧力調理に適した高圧状態(2気圧程度)に維持できる略130℃に維持する制御がなされる。
【0066】
そして、上記ステップS4でYESとなり、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過したことが判定されると、同「圧力調理工程」を終了して、ワークコイル21をOFFにし、圧力鍋内の圧力を低下させる「減圧工程」に移行する。
【0067】
一方、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過しなくても(ステップS4でNOでも)、上記圧力調理停止スイッチが押されたステップS5でYESの時は、マニュアル加熱による普通調理(連続加熱調理)の選択が予想されるので、先ずステップS6で「連続調理フラグ」を立て、その上でステップS7で上記実施の形態1と同様の所定の温度降下待機時間をセットした待機タイマーの計時動作をスタートさせる。
【0068】
そして、その後、メインルーチンを経て図8のマニュアル普通調理制御フローに進む。
【0069】
同フローでは、先ずステップS1で、上記待機タイマーの待機設定時間内にマニュアル普通調理メニューが選択されたか否かを判定する。
【0070】
その結果、NOの場合には再びメインルーチンに戻るが、YESのマニュアル普通調理が選択された場合には、次にステップS2で上記設定時間以内であるか否かを判定し、その判定結果に基き、YESの時には定格出力よりも所定終了低い低電力制御モードに、他方NOの時には通常出力での電力制御モードに各々設定する。そして、その上でステップS5に進んで加熱を開始し、ステップS6で同加熱調理を実行する。
【0071】
(変形例)
なお、この場合において、上記所定の待機時間が経過するまでの間は、仮にユーザーがマニュアル操作を行って普通加熱を行おうとしても、それによる加熱を全く行うことができないようにすることもできる。このようにすると、より安全である。
【0072】
(実施の形態3)
次に、図9のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態3に係る電気圧力鍋の圧力調理制御と普通調理制御の内容について説明する。
【0073】
この実施の形態は、図9のフローチャートに示すように圧力鍋1を専用鍋として加熱制御する制御手段と、上記圧力鍋1の温度を検出する温度検知センサー25と、圧力鍋加熱用のワークコイル21とを備えた電気圧力鍋において、油炒め等の前調理により加熱されて高温になった圧力鍋1が、セラミックプレート(加熱プレート)24上に載置された状態で圧力調理コースが選択された場合に、調理開始後に上記温度検知センサー25が読み込んだ温度検出データT(ステップS1)の値が高温状態を示す(ステップS2でYES)所定の温度tよりも高い時には、同図9のフローチャートのステップS2からステップS4に示すように定格電力で加熱するステップS3の昇温工程をとばして、そのままステップS4の加熱調理工程に進み、定格電力以下の連続した電力で加熱制御(高圧制御)する加圧工程(圧力調理工程)に移行させるようにしたことを特徴とするものである。そして、加圧が終わると減圧工程(ステップS5)を経て全ての制御を終える。
【0074】
このような構成によると、前調理の終わった高温の圧力鍋1を、高出力で急激に加熱する危険性を確実に回避することができる。
【0075】
(実施の形態4)
次に、図10のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態4に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容について説明する。
【0076】
この実施の形態は、専用の圧力鍋1と、ワークコイル21と、圧力鍋1を監視する温度検知センサ25と、液晶等の表示部31と、圧力あり/なしを選択する圧力選択スイッチSW3と、アップスイッチ(加算キー)USWと、ダウンスイッチ(減算キー)DSWとを備え、圧力調理「圧力あり」が選択されている場合は、液晶等表示部31に温度データを表示し、上記アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで圧力調理加熱時の圧力制御温度を所定のレベル選択できるようにする一方、普通調理「圧力なし」が選択されている場合には、液晶等表示部31に火力(加熱量)を表示するようにし、アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで、火力(加熱量)の大小を任意に選択できるようにしたこと特徴とするものである。
【0077】
すなわち、該制御では、図10のフローチャートに示されるように、電源ON状態において制御を開始し、先ず最初にステップS1で圧力選択スイッチSW3が押されたか否かを判定する。その結果、YESの時は、ステップS2で、そのON操作回数に応じて調理機能が「圧力あり」、「圧力なし」に順次反転される。
【0078】
次にステップS3に進み、上記圧力選択スイッチSW3のON操作による設定が、「圧力あり」設定であるか否かを判定する。その結果、YESの「圧力あり」が選ばれている時は、次にステップS4に進んで、図11のように表示部31に「圧力制御温度」を表示する一方、NOの「圧力なし」が選ばれている時は、ステップS5に進んで図12のように表示部31に「火力」のレベルを表示する。
【0079】
そして、その後、ステップS6に進んで、上述のアップスイッチUSWが押されたか否かを判定する。そして、その結果がYESの時は、さらにステップS7で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS8に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力制御温度」を1ステップ分アップする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS9に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分アップする。そして、それらを行った上で、さらにステップS10に進む。
【0080】
一方、上記判定でアップスイッチUSWが押されなかったNOの場合には、そのまま同じステップS10に進む。そして、ステップS10では、それぞれダウンスイッチDSWが押されたか否かを判定する。
【0081】
その結果がYESの時は、さらにステップS11で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS12に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力制御温度」を1ステップ分ダウンする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS13に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分ダウンる。
【0082】
そして、それらを行った上で、さらにステップS14に進んで、調理スタートスイッチSW1のON状態を確認した上で、「圧力あり」の圧力調理又は「圧力なし」の普通調理をそれぞれ開始・実行する。
【0083】
(実施の形態5)
次に、図13のフローチャートおよび図14、図15の表示形態を参照して、本願発明の実施の形態5に係る電気圧力鍋の圧力調理および普通調理制御の内容について説明する。
【0084】
この実施の形態は、上述のような圧力鍋1と、ワークコイル21と、圧力鍋1の温度を監視する温度検知センサ25と、液晶等の表示部31と、圧力あり/なしを選択する圧力選択スイッチSW3と、アップスイッチ(加算キー)USWと、ダウンスイッチ(減算キー)DSWとを備え、圧力選択スイッチSW3により圧力調理「圧力あり」が選択されている場合は、液晶等表示部31に圧力調理時間を表示して、アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで圧力調理加熱時の圧力調理時間を任意に選択できるようにする一方、普通調理「圧力なし」が選択されている場合は、液晶等表示部31に火力(加熱量)を表示するようにし、アップスイッチUSWとダウンスイッチDSWで、同火力(加熱量)の大小を選択できるようにしたこと特徴とするものである。
【0085】
(圧力調理時および普通調理時の操作、表示制御)
先ず、該制御では、例えば図13のフローチャートに示されるように、電源ON状態において制御を開始し、先ず最初にステップS1で圧力選択スイッチSW3が押されたか否かを判定する。その結果、YESの時は、ステップS2で、そのON操作回数に応じて調理機能が「圧力あり」、「圧力なし」に順次反転される。
【0086】
次にステップS3に進み、上記圧力選択スイッチSW3のON操作による設定が、「圧力あり」設定であるか否かを判定する。その結果、YESの「圧力あり」が選ばれている時は、次にステップS4に進んで、例えば図14のように「圧力調理時間」を表示する一方、NOの「圧力なし」が選ばれている時は、ステップS5に進んで、例えば図15のように「火力」を表示する。
【0087】
そして、その後、ステップS6に進んで、上述のアップスイッチUSWが押されたか否かを判定する。そして、その結果がYESの時は、さらにステップS7で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS8に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力調理時間」を1ステップ分アップする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS9に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分アップする。そして、それらを行った上で、さらにステップS10に進む。
【0088】
一方、上記判定でアップスイッチUSWが押されなかったNOの場合には、そのまま同じステップS10に進む。そして、それぞれステップS10では、ダウンスイッチDSWが押されたか否かを判定する。
【0089】
その結果がYESの時は、さらにステップS11で、その時の調理機能が「圧力あり」であるか否かを確認の上、YESの「圧力あり」の場合にはステップS12に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「圧力調理時間」を1ステップ分ダウンする。他方、NOの「圧力なし」の場合にはステップS13に進んで、上記一旦設定表示された基本となる「火力」を1ステップ分ダウンる。
【0090】
そして、それらを行った上で、さらにステップS14に進んで、調理スタートスイッチSW1のON状態を確認した上で、「圧力あり」の圧力調理又は「圧力なし」の普通調理をそれぞれ開始する。
【0091】
(圧力調理制御および普通調理制御)
次に、図16及び図17のフローチャートを参照して、同実施の形態に係る電気圧力鍋の圧力調理制御および普通調理制御の内容について説明する。
【0092】
同制御では、例えば上述のようにして「圧力あり」が選択されている場合には、アップスイッチ(加算キー)USWとダウンスイッチ(減算キー)DSWにて圧力調理時間を変更し、定格電力で100℃以上の所定の温度まで加熱した後電力を下げて上記所定の温度で温度調節を行う。他方、「圧力なし」が選択されている場合には、アップスイッチ(加算キー)USWとダウンスイッチ(減算キー)DSWで火力加熱量の大小を選択し、あくまでも設定された火力(加熱量)で100℃にて温度調節を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0093】
このような構成にすると、仮に誤って圧力がかかる状態で「圧力なし」設定での加熱を行った場合でも、100℃までの温度で温度調節されるために安全になる。
【0094】
(圧力調理)
すなわち、先ず該制御での圧力調理は、例えば図16のフローチャートに示すように、調理スタートスイッチSW1のONによりスタートする。
【0095】
そして、先ずステップS1で、ワークコイル21の出力をフルパワー100%に設定してONにする。これにより「昇温工程」が開始され、圧力鍋の温度が通常気圧の下での沸とう温度100℃を超えて圧力調理可能な高圧状態(2気圧程度)となったことを示す圧力制御温度130℃付近まで効率良く上昇して行く。
【0096】
そこで、次にステップS2で、実際に現在の圧力鍋の温度が同圧力制御温度130℃以上になったか否かを判定する。その結果、YESの場合には、圧力鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になったと判定して、続くステップS3で圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタートさせ、実際に「圧力調理工程」に入る。
【0097】
「圧力調理工程」では、ステップS4〜S7に示されるように、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS7でYESとなる)までの間、圧力鍋の温度が圧力制御温度130℃以上になればワークコイル21をOFF(ステップS5)、130℃よりも低下すればワークコイル21を定格出力の50%でON(ステップS6)にするON,OFF制御を繰り返すことにより、圧力鍋の温度を上記圧力調理に適した高圧状態(2気圧程度)に維持できる略130℃に維持する。
【0098】
そして、それにより「圧力調理メニュー」における調理物(食材)の各々に十分に火を通す。この結果、固いすね肉等も短時間で軟かくなり、必要に応じ、続けて行われる「煮込み調理工程」などでの味のしみ込み効果も高くなる。
【0099】
そして、上記ステップS7でYESとなり、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過したことが判定されると、次にステップS8に進み「圧力調理工程」を終了して、ワークコイル21をOFFにし、さらにステップS9で調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【0100】
(普通調理)
他方、「圧力なし」の「普通調理」が選ばれている時は、例えば図17のフローチャートのように、上述のアップスイッチUSW又はダウンスイッチDSWによって火力(加熱量)の大小を選択し、それにより設定された火力で、100℃以下で以降の連続加熱工程の鍋温度を適切に調節する。
【0101】
すなわち、該「普通調理」の制御では、調理開始後、先ずステップS1で、上記圧力鍋の温度が100℃以下であるか否かを判定し、100℃を超えているNOの場合にはステップS4に進んで、上記ワークコイル21をOFFにして温度を100℃よりも下げる。
【0102】
一方、100℃以下のYESの場合には、順次ステップS2,S3に進んで、上述のようにして設定されている火力が1であるか、2であるかを順次判定する。そして、その結果、設定火力が1である場合にはステップS5に進んで、上記ワークコイル21の出力を定格出力の50%(最小出力)でONにして加熱を行う一方、設定火力が2である場合には、ステップS6に進んで、上記ワークコイル21の出力を定格出力の70%(中間出力)でONにして加熱を行う一方、設定火力が1でも2でもない場合には、ステップS7に進んで、上記ワークコイル21の出力を定格出力100%(最大出力)でONにして加熱を行う。
【0103】
そして、それぞれ調理が進行して、ステップS8で取消スイッチSW2のON操作が確認されると、調理終了と判定して、ステップS9で上記ワークコイル21をOFFにするとともに、ステップS10で調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【0104】
(実施の形態6)
次に、図18のフローチャートを参照して、本願発明の実施の形態6に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容について説明する。
【0105】
以上の各実施の形態における電気圧力鍋のようなワークコイルを用いた誘導加熱手段の特徴はヒータによる加熱方式とは異なり、低電力による連続加熱が可能であることである。
【0106】
そこで、この実施の形態では、そのような特徴を活用し、上述のような圧力鍋を専用鍋とした当該電気圧力鍋の圧力調理時の電力制御について、定格電力の少なくとも50%以下の範囲で、かつ加圧にいたるまでに(圧力制御温度130℃になるまでに)要した昇温時間によって定められた設定電力により通電制御を行うようにすることによって、加熱中の蒸気の発生量を最小限に抑えるようにしたことを特徴とするものである。
【0107】
すなわち、該制御では、先ずステップS1で圧力調理メニューを設定し、ステップS2で調理スタートスイッチSW1を押し、ステップS3でワークコイル21を定格出力100%で圧力調理を開始する。
【0108】
次にステップS4で、所定時間内の温度上昇幅ΔTが、所定の基準幅Δtよりも小さくなったか否かを判定する。
【0109】
上記のように調理開始後、昇温工程における加熱を継続して行くと、やがて圧力鍋の温度Tが同100℃の通常気圧下における沸とう温度に達して、圧力鍋内の調理物が沸とうを開始するようになる。
【0110】
そして、該沸とうが始まると、次第に鍋内の圧力が高まって行くが、沸とう開始後(100℃到達後)の所定の時間内は、同じ出力での加熱を継続しても、圧力鍋の温度Tは上昇せず、所定の時間内は同温度上昇率ΔTが小さい状態が続く。
【0111】
そして、同温度上昇率の小さい状態が続く時間は、その時の調理物の量に比例し、調理物の量が多いほど長くなり、同時間が経過すると再び急に温度が上昇して圧力調理時の圧力制御温度t0(例えばt0=130℃)に近付いてゆく。
【0112】
そこで、次にステップS5で、実際に圧力鍋の温度Tを読み込み、ステップS6で同温度Tが上記t0(130℃)以上になったか否かを判定する。その結果、YESの場合には、鍋内の圧力状態が圧力調理を行うに適した高圧状態(2気圧程度)になったと判定して、圧力調理を行う圧力調理タイマーの計時動作をスタートさせて「圧力調理工程」に入る。
【0113】
「圧力調理工程」では、ステップS6〜S9に示されるように、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過する(ステップS7でYESとなる)までの間、鍋の温度Tが圧力制御温度t0℃以上になればワークコイル21をOFF(ステップS7)、t0℃よりも低下すればワークコイル21を定格出力の50%でON(ステップS8)にするON,OFF制御を繰り返すことにより、鍋の温度を上記圧力調理に適した高圧状態(2気圧程度)に維持できる略t0(130℃)に維持する。
【0114】
そして、それにより「煮込み調理メニュー」における調理物(食材)の各々に十分に火を通す。この結果、固いすね肉等も短時間で軟かくなる。
【0115】
そして、上記ステップS9でYESとなり、上記圧力調理タイマーの圧力調理設定時間が経過したことが判定されると、次にステップS10に進んで上記ワークコイル21をOFFにするとともに、調理終了をブザー報知して、全ての調理制御を終了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態1〜6に係る電気圧力鍋に共通な電気圧力鍋本体部分の構成を示す外部正面図である。
【図2】同電気圧力鍋本体の構成を示す断面図である。
【図3】同電気圧力鍋本体の操作パネル表示部の構成を示す全表示部を点灯させた状態の正面図である。
【図4】同電気圧力鍋本体の操作パネル部分の調理開始前の初期状態の点灯内容を示す正面図である。
【図5】同電気圧力鍋本体内制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本願発明の実施の形態1に係る電気圧力鍋の圧力調理および普通調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図7】本願発明の実施の形態2に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図8】同実施の形態に係る電気圧力鍋の普通調理制御の内容を示すタイムチャートである。
【図9】本願発明の実施の形態3に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すタイムチャートである。
【図10】本願発明の実施の形態4に係る電気圧力鍋の圧力調理時および普通調理時の操作、表示制御の内容を示すフローチャートである。
【図11】同電気圧力鍋の圧力調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図12】同電気圧力鍋の普通調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図13】本願発明の実施の形態5に係る電気圧力鍋の圧力調理時および普通調理時の操作、表示制御の内容を示すすタイムチャートである。
【図14】同電気圧力鍋の圧力調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図15】同電気圧力鍋の普通調理選択時の操作パネル部の表示部における表示内容を示す図である。
【図16】同電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図17】同電気圧力鍋の普通調理制御の内容を示すフローチャートである。
【図18】本願発明の実施の形態6に係る電気圧力鍋の圧力調理制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は圧力鍋、2は加熱台、11は鍋本体、12はパッキン、13は把手部、14は蓋、15は把手部、16は圧力調整機構、17は圧力表示機構、21はワークコイル、22は本体ケース、29は電源基板および制御基板、30は操作パネル、31は表示部である。
Claims (5)
- 耐圧構造の圧力鍋と、該圧力鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段による上記圧力鍋の加熱又は昇圧状態を制御する制御手段と、上記圧力鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、上記制御手段が、上記圧力鍋内の圧力制御を行う圧力調理制御機能と上記圧力鍋内の圧力制御を行わない普通調理制御機能との選択可能な複数の制御機能を備えて構成されていることを特徴とする電気圧力鍋。
- 圧力調理制御を終了させた場合、圧力鍋の温度が所定の温度以下に低下するまでは、普通調理を行えないようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気圧力鍋。
- 圧力調理制御を終了させた場合、同終了時から所定の時間が経過するまでは、普通調理を行えないようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気圧力鍋。
- 圧力調理制御を終了させた場合、最大加熱出力を所定値以下に低下させることを条件として普通調理を行えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気圧力鍋。
- 圧力調理制御を途中で終了させた場合、再度元の圧力調理制御への復帰が可能であるように構成したことを特徴とする請求項2,3又は4記載の電気圧力鍋。
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