JP3680816B2 - 誘導加熱式電気炊飯器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、おこげ加熱を行えるようにした誘導加熱式電気炊飯器に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
最近のマイコン制御型電気炊飯器では、その加熱方式がヒータ加熱式、誘導加熱式の何れであるかに関係なく、例えばおこげ炊飯キーその他の何らかのおこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードの設定を可能とし、同おこげ加熱制御モードの設定時におこげ加熱制御手段を作動させることによって、例えば(1)吸水から保温までの炊飯工程中における炊き上げ工程終了時の検知温度を通常炊飯時の検知温度よりも高くする、また(2)同炊き上げ工程終了検知以降のむらし工程におけるむらし温度を通常炊飯時のむらし温度よりも高くする、また(3)同むらし工程における加圧制御終了後に再加熱を行う、また(4)保温工程において通常の再加熱温度よりも高い温度で再加熱を行う、また(5)同保温工程における再加熱時間を通常の再加熱時よりも長くする、などの各種の方法により、適切な色の焦げめを付けることができるおこげ加熱機能を実現しようとする試みがなされてきている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これまでの誘導加熱式の電気炊飯器の場合、ヒータ式の電気炊飯器の場合と異ってヒータプレートを有しないために、余熱作用が小さく、一般に加熱効果が不十分で、上記何れの方法によっても、必ずしも有効に焦げめを付けることができていないのが実情である。
【0005】
このため、例えば上記各おこげ加熱工程における目標加熱温度を更に高くし、かつ同加熱時間を長くすることが考えられる。そして、そのようにすると、確かに焦げめ自体のレベルは向上する。
【0006】
しかし、そのような構成を採用すると、ヒータ式の電気炊飯器に比べて遥かに加熱効率、加熱出力が高い誘導加熱式電気炊飯器の場合には、内鍋の温度が高くなりすぎるので、内鍋を保持している保護枠(ワークコイル等の誘導加熱手段から内鍋に作用する磁束の障害にならないように一般に合成樹脂が採用されている)に対する特別な加熱防止対策が必要となり、実際には採用が難しい。
【0007】
本願発明は、このような課題を解決するためになされたもので、炊き上げ終了等所定のおこげ加熱工程において、加熱停止時間を含めた間欠的なおこげ加熱制御を行わせることにより、保護枠に対する熱影響を所定レベル以下に抑制しながら、しかも効果的な焦げめの形成を可能とした誘導加熱式電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1および2の発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0009】
(1) 請求項1の発明
この発明では、内鍋と、該内鍋を保持する保護枠と、該保護枠を介して上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御モードを設定するおこげ加熱制御モード設定手段と、該おこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時に、上記内鍋の加熱温度が、通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように、上記誘導加熱手段の加熱出力を制御するおこげ加熱制御手段とを備えてなる誘導加熱式電気炊飯器において、上記おこげ加熱工程は、炊き上げ工程の終了検知後、むらし工程に到る間に設けられ、上記おこげ加熱制御手段は、上記おこげ加熱工程において、上記おこげ加熱を所定の加熱時間が経過する毎に一定時間休止するおこげ加熱休止制御を含んでおこげ加熱制御を実行するように構成されていることを特徴としている。
【0010】
この発明の構成では、上記のように、先ずおこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時には、おこげ加熱制御手段が、内鍋の加熱温度が通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように誘導加熱手段の加熱出力を制御するようになっている。
【0011】
そして、そのような高加熱温度のおこげ加熱工程が、炊き上げ工程の終了検知後、むらし工程に到る間に設けられている。
【0012】
このように炊き上げ工程終了検知後、むらし工程に到るまでの間におこげ加熱工程を設けると、吸水工程終了後、フルパワー又はフルパワーに近い高出力での昇温工程、フルパワーに近い高出力での炊き上げ工程を経て、高発熱・高温状態に維持されている内鍋の温度が、さらに内鍋内部の水の減少によって一層大きく上昇するようになり、きわめて加熱効率良く、焦げめ加熱を実行することができ、有効に焦げめを形成することができるようになる。
【0013】
しかも、この発明では、同おこげ加熱工程において、上記おこげ加熱を所定の加熱時間が経過する毎に一定時間休止するおこげ加熱休止制御を挟みながら、上記通常炊飯時よりも高いおこげ加熱温度での安定したおこげ加熱制御が行われるようになっているから、上記内鍋の加熱温度を上げすぎることなく、余熱時間、余熱量を含めて実質的にトータルの 加熱量、加熱時間を増大させることができ、効果的に、かつ確実な焦げめの形成を可能とすることができる。
【0014】
すなわち、同おこげ加熱工程では、上述のように内鍋の温度が上昇しやすい状態であるために、余り長い時間内上記高いおこげ加熱温度で内鍋の加熱状態を継続すると、今度は当該内鍋を保持した保護枠への熱の影響が問題になってくる。
【0015】
ところが、この発明の構成では、そのようなおこげ加熱工程であっても、上述のように所定の加熱時間が経過する毎におこげ加熱そのものを一定時間休止するおこげ加熱休止制御を挟みながら、その余熱を活かした焦げめ加熱が行われるから、有効な焦げめ加熱機能を維持しながら保護枠の耐熱安全限界をも考慮した内鍋温度の適切なコントロールが可能となり、内鍋の温度が上がりすぎることもなく、適切な温度レベルに抑制される。
【0016】
(2) 請求項2の発明
この発明では、内鍋と、該内鍋を保持する保護枠と、該保護枠を介して上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御モードを設定するおこげ加熱制御モード設定手段と、該おこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時に、上記内鍋の加熱温度が、通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように、上記誘導加熱手段の加熱出力を制御するおこげ加熱制御手段とを備え、上記おこげ加熱制御手段は、おこげ加熱そのものを休止するおこげ加熱休止制御時間を含んで、上記おこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御を実行するように構成されている誘導加熱式電気炊飯器において、上記おこげ加熱休止制御は、所定の時間毎に複数回行われるように構成され、一旦加熱が休止される毎に次からの目標となるおこげ加熱温度が、所定温度ずつ低くなるように構成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、先ず上記の構成同様炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程において、おこげ加熱そのものを休止する所定のおこげ加熱休止制御時間を挟みながら、通常炊飯時よりも高いおこげ加熱温度での安定したおこげ加熱制御が行われるようになるから、内鍋の加熱温度を上げすぎることなく、余熱時間、余熱量を含めて実質的にトータルの加熱量、加熱時間を増大させることができ、効果的に、かつ確実な焦げめの形成を可能とすることができる。
【0018】
そして、その場合において、上記おこげ加熱休止制御は、所定の時間毎に複数回行われるように構成されている。
【0019】
もちろん、上記おこげ加熱制御中のおこげ加熱休止制御は1回でも足りるが、要は有効なおこげ加熱を実現できる範囲内において、温度の上りすぎを抑制すればよいので、1回で長い時間内加熱を休止して内鍋の温度を下げすぎるよりも、短時間の加熱停止を必要な回数繰り返すようにした方が、内鍋の温度が下がりすぎず、焦げめ形成効果を高く維持することができる。
【0020】
また、その場合、一旦加熱が停止される毎に次からの目標となるおこげ加熱温度は、所定温度ずつ低くなるように構成されている。
【0021】
上述のようにおこげ加熱休止制御時間を挟んで、間欠的なおこげ加熱を行うようにした場合にあっても、その目標加熱温度は一定である方がプログラムがシンプルになり、ソフト面でのコストは有利である。
【0022】
しかし、おこげ加熱工程に入っておこげ加熱を継続して行くと、上述のような事情もあり、次第に内鍋の温度は上昇して行く。したがって、その間において仮に加熱停止時間を挟んだとしても余熱の関係もあって余り大きくは内鍋温度が下がらない。
【0023】
したがって、もし次の加熱開始時からの目標とするおこげ加熱温度がそれまでの温度と同じであると、実際には加熱後に内鍋温度が当該目標加熱温度よりも高くなる可能性も生じ、そのような場合には必要以上の電力を消費することにもなる。
【0024】
しかし、上記のように次第に目標加熱温度を下げるようにすると、そのような意味での余分な電力消費を避けながら、余熱の活用により実質的に本来の目標加熱温度と略同等の有効な加熱温度でのおこげ加熱作用を確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上の結果、本願発明によると、保護枠等炊飯器本体側への熱影響の問題を確実にクリアしながら、より効果的な焦げめの形成が可能な高品質高性能の誘導加熱式電気炊飯器を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0026】
(実施の形態1)
図1〜図7は、本願発明の実施の形態1に係る誘導加熱式電気炊飯器の炊飯器本体の全体的な構成および同炊飯器本体の要部の構成、並びに白米炊飯、おこげ加熱制御の内容をそれぞれ示している。
【0027】
(全体の特徴:図1〜図3,図6参照)
先ず本実施の形態の電気炊飯器は、その炊飯器本体側において例えば内鍋3として電磁誘導の可能な磁性金属板よりなるものが採用されている一方、当該内鍋3に対する炊飯時の加熱手段として、例えば合成樹脂製の保護枠(内ケース)4を介して当該内鍋3の底壁部3aから側壁部3bの略全体を包み込むように当該内鍋3の底壁部3aの中央部側と側方部側、および側壁部3bの下方側の3ケ所の全周に対応する3組のワークコイルC1,C2,C3より誘導加熱手段が設けられ、また当該内鍋3に対する保温時の加熱手段として、当該内鍋3の側壁部3bの上方側全周に対応する保温ヒータH1が設けられている。そして、それらをマイコン制御ユニット32によって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。なお、上記ワークコイルは、例えば内鍋3の底壁部3aの中央部側のものC1と側方部のものC2のみでもよい。
【0028】
一方、それらの各機能に対するタイマー予約や各種炊飯および蒸し、保温等の各メニューの選択、それら各メニューに対応した加熱出力、加熱パターンの操作設定は、当該電気炊飯器本体の前面側操作パネル部20に設けられた各種入力スイッチ群(操作キー群)22a〜22iを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記ワークコイルC1〜C3および保温ヒータH1が制御されるようになっている。
【0029】
また、上記操作パネル部20の中央部には、各種炊飯、蒸し、保温等の各メニュー、並びに現在時刻および炊飯(おこげ炊飯を含む)完了までの残時間その他の必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。この液晶表示部21は、上記操作パネル部20の内側にあるマイコン基板6B上に設けられている液晶ディスプレイ31のディスプレイ面によって構成されている。
【0030】
そして、上記マイコン制御ユニット32内には、特に炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御モードを設定するおこげ加熱制御モード設定手段と、該おこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時に、上記内鍋の加熱温度が、通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように、上記誘導加熱手段の加熱出力を制御するおこげ加熱制御手段とが設けられており、上記おこげ加熱制御手段は、所定の加熱停止制御時間を含んで間欠的に上記おこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御を実行するように構成されている。
【0031】
(炊飯器本体部分の構成:図1および図2参照)
すなわち、先ず該電気炊飯器の炊飯器本体は、例えば図1に示すように、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な例えばステンレス鋼板等の磁性金属板よりなる内鍋(飯器ないし保温容器)3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された可及的に耐熱性の高い合成樹脂製の有底筒状の保護枠(内ケース)4と、該保護枠(内ケース)4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記保護枠(内ケース)4とを一体化して形成された炊飯器器体Aの上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋)2とから構成されている。
【0032】
上記保護枠(内ケース)4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイル台7が設けられ、その上部には、フェライトコアを介し、上記内鍋3の底壁部(底部)3aの中央部と側方部および内鍋3の側壁部3bの各位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された3組のワークコイルC1,C2,C3が、それぞれ内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る略全体を包み込むように設けられており、それらにより通電時には内鍋3の略全体に均一にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱するようになっている。該ワークコイルC1,C2,C3は、それぞれ相互に直列に接続されている。そして、その一端は、後述するように整流回路および平滑回路を介したワークコイル駆動回路の電源ラインに、また他端は同回路中のIGBT(パワートランジスタ)にそれぞれ接続されている。
【0033】
また、上記側壁部側ワークコイルC3の上方部には、保温時において加熱手段として機能する保温ヒータH1が設けられており、保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。
【0034】
また、上記保護枠(内ケース)4およびコイル台7の前方部側には、上記ワークコイルC1,C2,C3、保温ヒータH1、肩ヒータH2等を駆動制御する上記IGBTやヒータ駆動回路、マイコン制御ユニット、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路、平滑回路などを備えた制御基板6Aおよび制御基板収納ボックス5Aが上下立設状態で設けられている。
【0035】
また上記外ケース1は、例えば耐熱性の合成樹脂材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された耐熱合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された耐熱合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記保護枠(内ケース)4の底壁部4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。そして、該外ケース1の前面部上方には、例えば図2に示すような略V字面形状の操作パネル部20が設けられている。該操作パネル部20面には、十分に広く大きな表示面積をもつ液晶表示部21と炊飯スイッチ22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h、おこげ加熱選択スイッチ22i等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチのタッチキー部)が設けられている。また、必要に応じ、上記肩部材11の肩部内周側には、肩ヒータH2が設けられている。
【0036】
また、上記外ケース1内の上記操作パネル部20の内側部分(裏側空間)には、上記制御基板6Aの上端側位置から斜め前方に下降する格好で、例えばマイコン基板6Bが傾斜設置されている。このマイコン基板6Bは、液晶ディスプレイ31、液晶ディスプレイ支持部材30、炊飯スイッチ22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h、おこげ加熱選択スイッチ22i等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチのON,OFF動作機構部)が設けられた操作基板部と、その下方側にあって、マイコンのバックアップ用電源電池の設置部(ランド部)、ワークコイルの定格出力(定格加熱出力)調節設定用の可変抵抗等を有するマイコン用電源基板部とからなっている。
【0037】
さらに、図示はしないが、上記保護枠(内ケース)4下方側のコイル台7の中央部には、上下方向に同心状に貫通したセンタセンサ収納空間部が形成されており、該センタセンサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で内鍋温度検知センサおよび内鍋検知スイッチを備えたセンタセンサが設けられている。
【0038】
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12と内枠14との間に設けられた金属製の断熱構造体13と、該断熱構造体13の内側にパッキン17を介して設けられた金属製の内カバー15と、該内カバー15の下方に設けられた金属製の放熱板16とによって内側が中空の断熱構造体に形成されている。また、上記断熱構造体13は上下2枚の金属板13a,13bを閉断面構造に対向させて一体化することにより形成されている。
【0039】
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の肩部材11に対してヒンジ機構を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構18が設けられている。
【0040】
したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記3組のワークコイルC1,C2,C3の駆動によりその底壁部3aから側壁部3b側にかけて略全体が均一に発熱し、例えば内鍋3内の水に浸された飯米が断熱部として作用する吸水工程などにおいても内鍋3の上部側をもムラなく加熱して略全体に均一な吸水性能を可能にするとともに、炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して焦げ付きの発生を防止することができる。次に、保温時には、上記内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記保温ヒータH1および肩ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に加熱されて加熱ムラのない保温が実現される。
【0041】
一方、上記制御基板6Aのマイコン制御ユニット32には、上記各入力スイッチ22a〜22iを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて、所望の炊飯およびおこげ炊飯、保温等各メニュー、それら炊飯およびおこげ炊飯、保温等各メニューに対応した所定の加熱出力、加熱パターンを設定して、当該マイコン制御ユニット32内の炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段を適切に作動させて、対応する所望の炊飯およびおこげ炊飯、保温加熱制御を行うようになっている。
【0042】
したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22iを使って炊飯およびおこげ炊飯、保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米、早炊、玄米、おかゆ、炊き込み、おこわ、無洗米、雑炊、ピラフ、等各種メニューの炊き分け、通常保温又は低温保温、その他の各種の炊飯および保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の上記認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御が所望の制御パターンで適切になされるようになる。
【0043】
特に本実施の形態のおこげ炊飯制御は、図2に示すように、専用のおこげ加熱選択スイッチ22iが設けられており、例えばメニュースイッチ22fにより、白米又は無洗米、炊き込みの何れかの炊飯メニューを選択し、その上で上記おこげ加熱選択スイッチ22iを押すことによりおこげ加熱制御モードが選択設定され、その後炊飯スイッチ22a押せば同おこげ炊飯制御が開始されるようになっており、同制御では、例えば図6のタイムチャートに示すように、炊き上げ工程終了検知後、むらし工程に到るまでの間におこげ加熱工程を設けるとともに、同おこげ加熱工程における目標加熱温度を十分に高く設定し、しかも同加熱工程の途中に複数回のOFF時間を挟んで間欠的な加熱を行うことにより、保護枠4の温度の上昇度合をゆるやかにして、その耐熱安全限界温度を超えることがないようにしながら、確実な焦げめ炊飯を実行するようになっている。
【0044】
(炊飯器本体側制御回路部分の構成:図3参照)
次に、図3は、上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯および保温制御用のマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示す。
【0045】
図中、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および蒸し、保温加熱制御手段、残時間設定表示手段に加え、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯・保温制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば内鍋3の温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、内鍋3の検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータおよび肩ヒータ等駆動制御回路部、残時間設定表示制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。
【0046】
そして、先ず上記内鍋3の底壁部3a側センタセンサ部の内鍋温度検知センサS、内鍋検知スイッチLSに対応して設けられた温度検知回路43および鍋検知回路44には、例えば上記内鍋温度検知センサSによる内鍋3の底壁部3aの温度検知信号、内鍋検知スイッチLSによる鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0047】
また、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えばパルス幅変調回路41、同期トリガー回路40、IGBT駆動回路42、IGBT37、共振コンデンサ38によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32のワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、例えば炊飯工程に応じて上記ワークコイルC1,C2,C3の出力値(%)および同出力値でのONデューティー比(n秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯およびおこげ炊飯加熱工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのない御飯の炊き上げおよびおこげ炊飯加熱を実現するための適切な出力制御が行われるようになっている。
【0048】
また同マイコン制御ユニット32の保温ヒータ駆動制御回路部および肩ヒータ駆動制御回路部により、それぞれ保温ヒータ駆動回路33および肩ヒータ駆動回路34を制御することにより、例えば保温又は炊飯、蒸し加熱工程に応じて上記保温ヒータH1、肩ヒータH2の出力値(%)および同出力値でのONデューティー比(n秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、保温又は炊飯、蒸し加熱工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするための適切な出力制御が行われるようになっている。
【0049】
また、符号22a〜22iは上述した各種入力スイッチ部であり、同スイッチの必要なものが適切に操作されると、上記マイコン制御ユニット32側の認識手段によってユーザーの指示内容が認識され、その認識内容に応じて所望の炊飯又は保温加熱パターンを設定して上記炊飯加熱制御手段およびおこげ保温加熱制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温を行うようになっている。
【0050】
したがって、ユーザーは、同入力スイッチ22a〜22iを使用して通常炊飯、おこげ炊飯、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、かため又はやわらかめ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、蒸し、通常保温又は低温保温等の各種の炊飯および保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32の上述した認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯およびおこげ炊飯、保温加熱制御が適切になされる。
【0051】
さらに、符号17は炊飯完了を知らせるブザー報知部、16はリセット回路、21は液晶表示部である。この実施の形態の場合、上記液晶表示部21には、上記入力スイッチ22a〜22iのON操作に対応して所望のメニューや時刻等の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。
【0052】
(炊飯加熱およびおこげ加熱制御:図4〜図6参照)
次に図4のメインフローチャート、図5のサブルーチンのフローチャートおよび図6のタイムチャートは、それぞれ本実施の形態の基本となる炊飯加熱制御およびおこげ加熱制御の内容を示すものである。
【0053】
すなわち、該制御では、先ず上述のメニュースイッチ22fにより「白米」、「無洗米」、「炊き込み」の何れかの焦げめ可能メニューが選択され(図示の例では、白米メニューが選択されている)、さらに、その上で上述のおこげ加熱選択スイッチ22iが押されることによって、当該選択されたメニューに対応した焦げめ加熱制御プログラムが設定されるようになっている。
【0054】
(炊飯制御)
次に、図4のフローチャートは、メニュースイッチにより白米メニューが選択された場合におけるおこげ加熱工程を含む本願発明の実施の形態に係る炊飯加熱制御の内容を示している。
【0055】
すなわち、該炊飯加熱制御は、先ずメニュースイッチにより「白米炊飯メニュー」が選択されたことを前提としてスタートする。
【0056】
そして、同制御開始後、先ずステップS1で、例えばIGBT、ダイオードブリッジ等を冷却する冷却ファンを駆動し、さらに白米メニュー選択後、ステップS2で無洗米コース(例えば白米メニューが選択された状態において、上述の炊飯スイッチ22aを2度押しすることにより選択される)が選択されるのを待つ無洗米選択可能時間内にあるか否かを判定し、YESの場合には必要に応じステップS3で無洗米コースを選択設定した後にステップS4に、他方NOの場合にはそのままステップS3の操作をジャンプしてステップS4にそれぞれ進み、さらに連続炊飯の場合に上記内鍋3の温度が60℃以下になるのを待っている60℃待ち状態であるか否かを判定する。
【0057】
その結果、連続炊飯時ではなく、60℃待ち状態でないNOの時は、そのままステップS6に移って、吸水工程の開始を前提とした初期水温測定中か否かの判定動作に進む。他方、YESの連続炊飯時であって内鍋部温度が60℃以下に下がるのを待っている60℃待ち状態である時には、ステップS7に進んで60℃以下への低下待ち処理(冷却ファンON継続)を行なって、内鍋部の温度を速かに60℃以下に低下させた上で、ステップS6に進む。
【0058】
ステップS6では、内鍋部の温度が60℃以下の状態にあって、適正に吸水工程に入ることを前提として初期水温を測定している状態であるか否かを判定する。その結果、YESの初期水温測定中の時は、ステップS7を経て初期水温の測定を継続する一方、NOの初期水温の測定が完了している時は、ステップS8に進んで、現在の工程が図6の吸水工程であるか否かを判定し、YESの時はステップS9を経て同吸水工程を継続する一方、NOの吸水工程が完了している時は、そのままステップS10に進み吸水工程完了後、合数判定を目的として最初にフルパワー(ワークコイル出力100%、デューティー比16/16)で炊き上げ加熱を実行する図6の昇温1工程であるか否かを判定する。そして、その結果、同昇温1工程であるYESの場合には、さらにステップS11で、それが初回のものであるか否かを順次判定する。
【0059】
それらの結果、それぞれYESの時は、ステップS12に進んで、最大炊飯量での炊き上げ終了検知までの所要時間に対応した設定所要炊飯時間(30分)の経過をカウントする安全用炊飯タイマーのカウント動作をスタートさせた上で、ステップS13で上記フルパワー(100%、16/16)の昇温1加熱を実行し、さらにステップS14で合数判定中であるか否かを判定する。
【0060】
他方、上記ステップS10でNOの昇温1工程(100%、16/16)中でない昇温1工程が終了している時は、そのままステップS14に進んで、合数判定中であるか否かの判定を行う。また、上記ステップS11でNOの昇温1工程ではあるが、初回の判定ではない時には、そのままステップS13に進んで、昇温1工程を実行する。
【0061】
そして、その後、ステップS14に進む。
【0062】
ステップS14では、現在合数判定中であるか否かを判定し、YESの時は、ステップS15を経て合数判定処理を継続する一方、NOの合数判定が終了している時は、ステップS16に進んで、現在の工程がワークコイル出力80%、デューティー比16/16の図6の昇温2工程(合数判定後、沸とう状態までの加熱工程)にあるか否かを判定する。
【0063】
その結果、YESの昇温2工程中の場合には、ステップS17を経て同ワークコイル出力80%、デューティー比16/16の昇温2工程を継続する一方、NOの昇温2工程が終了している時は、そのままステップS18に進んで、上記安全用炊飯タイマーの設定時間(30分)が経過(タイムアップ)したか否かを判定する。その結果、NOの未だ炊飯タイマーの設定時間が経過していない時は、さらにステップS19に進んで現在の炊飯工程が炊き上げ中であるか否かを判定する一方、同設定時間が経過している時は、直ちにステップS20に進んでワークコイル出力をOFFにし、通常炊飯を前提したむらし1工程にセットした上で、ステップS19の炊き上げ中か否かの判定に進む。
【0064】
そして、ステップS19の炊き上げ中か否かの判定において、YESの場合にはステップS21を経て炊き上げ加熱を継続する一方、NOの炊き上げ工程が終了している場合(ステップS20のむらし1工程を含む)には、次にステップS22のおこげ加熱の選択判定動作に進む。同おこげ加熱の選択判定では、前述のおこげ加熱選択スイッチ22iがON操作されているか否かに基いて、おこげ炊飯コース(おこげ加熱制御モード)の選択設定状態を判定し、おこげ炊飯コースが選択設定されているYESの時には、ステップS23を経て異物検知を行うとともに先ず図6のタイムチャートに示す最初の「おこげ1」段階のおこげ加熱制御を実行した上で、ステップS24,S25,S26,S27の通常炊飯のむらし1,2の各工程およびその判定動作を各々ジャンプしてステップS28のむらし3工程中か否かの判定動作に進む一方、NOのおこげ炊飯コースが選択されていない時は、そのまま同ステップS24,S26,S28の通常炊飯時のむらし1,2,3工程の判定に進む。
【0065】
そして、上記ステップS22でYESと判定され、ステップS23で「おこげ加熱制御」を行った後、ステップS28でYESと判定された時はむらし3工程(図6のおこげ加熱終了後のむらし工程)を実行する。また上記ステップS22でNOと判定され、かつステップS24,S26,S28の判定でそれぞれYESの時は、それぞれステップS25,S27,S29で順次むらし1,2,3の3段階の各工程を全て実行して行く。
【0066】
そして、それら「むらし3工程」のみ、又は「むらし1〜3」の全ての工程がそれぞれ終了すると、何れの場合にも、さらにステップS30に進んで、炊飯器本体内に内鍋があるか否かを判断し、YESの内鍋がある時にはステップS31に進んで最終的に保温工程に移行する一方、他方、NOの内鍋が取り出されているときには、ステップS32に進んで上記ワークコイル等をそれぞれOFFにして炊飯制御を終える。
【0067】
(おこげ炊飯制御:図5および図6参照)
次に図5のフローチャートは、上記ステップS23の「おこげ炊飯制御」の具体的な内容を示すサブルーチンのフローチャートである。
【0068】
本実施の形態における「おこげ炊飯制御」では、例えば図6のタイムチャートに示すように、炊き上げ工程の終了検知後、むらし工程(図4のフローチャートのむらし3工程に相当)までの間において「おこげ加熱工程」を設けるとともに、該おこげ加熱工程における目標加熱温度T(T1〜T3)を十分に高くし、かつ所定の休止時間tbを挟みながら余熱を利用して間欠的に加熱することによって、前述した炊飯器本体の保護枠部の温度を耐熱レベル以上に上げることなく有効に焦げめを形成できるようにしたことを特徴としている。
【0069】
該「おこげ炊飯制御」では、先ずステップS1で、おこげ加熱休止判定、すなわち、現在の制御タイミングが図6のタイムチャートに示す「おこげ加熱」工程中の休止(OFF)期間中であるか否かの判定を行う。その結果、NOの時はステップS2に進んで、図6のおこげ1〜3各工程の「おこげ加熱時間ta」を設定してある「おこげタイマ」の計時動作(タイマカウント動作)をスタートさせた上で、さらにステップS3に進んで、現在の内鍋温度が実際に図6に示す「おこげ加熱温度(目標とするおこげ加熱温度)T(T1,T2,T3)」以上となっているか否かを判断する。
【0070】
その結果、未だ同おこげ加熱温度T(T1,T2,T3)に達していない時には、ステップS4に進んで、上記ワークコイルを出力80%、デューティー比14/16、保温ヒータのデューティー比を(0/16)に制御して同おこげ加熱温度まで上げる。他方、すでに同目標とするおこげ加熱温度以上に達しているYESの時は、ステップS5で上記ワークコイルおよび保温ヒータをそれぞれOFFに制御する。
【0071】
そして、それら何れの場合にも続いてステップS6に進み、肩ヒータをゼロ出力(0/16)に維持した後に、ステップS7に進んで上記おこげタイマの加熱設定時間taが経過したか否かを判定する。その結果、、YESの時は、おこげ加熱回数(ワークコイルをta時間内ON制御した回数)を判定し、同回数が1回目か、2回目か、3回目かによって、ステップS9,S10,S11の「おこげ休止1セット」、「おこげ休止2セット」、「おこげ休止3セット」の何れかを選択して、対応した休止時間tb内おこげ加熱を休止し、再びステップS1にリターンして上述の「おこげ加熱休止」判定を行う。
【0072】
そして、先の最初の休止判定の場合を含めて、同休止判定でYES(休止タイミング)と判定された場合には、上記の場合と異なり、ステップS12の方に移って当該おこげ加熱休止タイミングの到来が初回(第1回目)のものであるか否かを判定し、初回(第1回目)であるYESの時には、ステップS13に進んで、図6のおこげ加熱休止時間tbの経過を計時する「おこげ加熱休止タイマ」の計時動作をスタートさせた上で次のステップS14の動作に進む一方、初回でないNOの時には、そのままステップS14の動作に進む。
【0073】
ステップS14では、上述のワークコイル、保温ヒータ、肩ヒータをそれぞれ出力ゼロに制御して「おこげ加熱」を休止する。そして、その上で、ステップS15に進み、上記おこげ加熱休止タイマのタイムアップ、すなわち設定された加熱休止時間tbが経過したか否かを判定し、YESの時は、さらにステップS16に進んで、当該おこげ加熱休止回数が何回目であるかを判定し、その判定回数1回又は2回に応じてステップS17又はステップS18に進んで、「おこげ加熱2セット」又は「おこげ加熱1セット」を行って上述のステップS1にリターンする。他方、おこげ加熱休止タイマがタイムアップしていない上記ステップS15の判定でNOの時は、そのまま上記ステップS1にリターンし、上述の制御を繰り返す。
【0074】
以上のように、本実施の形態のおこげ加熱制御では、内鍋と、該内鍋を保持する保護枠と、該保護枠を介して上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御モードを設定するおこげ加熱制御モード設定手段と、該おこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時に、上記内鍋の加熱温度が、通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように、上記誘導加熱手段の加熱出力を制御するおこげ加熱制御手段とを備えてなる誘導加熱式電気炊飯器において、上記おこげ加熱制御手段は、所定の加熱停止制御時間を含んで上記おこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御を実行するように構成されている。
【0075】
このような構成によると、炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程において、所定の加熱停止状態を挟みながら通常炊飯時よりも高いおこげ加熱温度での安定したおこげ加熱制御が行われるようになるから、内鍋の加熱温度を上げすぎることなく、余熱時間、余熱量を含めて実質的にトータルの加熱量、加熱時間を増大させることができ、効果的に、かつ確実な焦げめの形成を可能とすることができる。
【0076】
そして、上記のように、同おこげ加熱工程を炊き上げ工程終了検知後、むらし工程に到るまでの間に設けるようにすると、吸水工程終了後、フルパワーの高出力での昇温1工程、フルパワーに近い高出力での昇温2工程、フルパワーに近い高出力での炊き上げ工程を経て、高発熱・高温状態に維持されている内鍋の温度が、さらに内鍋内部の水の減少によって一層大きく上昇するようになり、きわめて加熱効率良く、おこげ加熱を実行することができ、有効に焦げめを形成することができるようになる。
【0077】
一方、同おこげ加熱工程では、そのように内鍋温度が上昇しやすい状態であるために、余り長い時間内上記高いおこげ加熱温度で内鍋の加熱状態を継続すると、今度は当該内鍋を保持した保護枠への熱の影響が問題になってくる。
【0078】
ところが、以上の構成では、上述のように所定の加熱停止状態を挟みながら、その余熱を活かした間欠的な焦げめ加熱制御が行われるから、内鍋および保護枠温度のコントロールが可能となり、例えば図6のタイムチャートから明らかなように、特に内鍋の温度を目標とするおこげ加熱温度T1〜T3に維持しながら、保護枠の温度を適切な耐熱安全限界温度以下に抑制することが可能となる。
【0079】
また、以上の構成では、上記加熱停止制御は、所定の時間毎に複数回(例えば2回)行われるように構成されている。
【0080】
もちろん、上記焦げめ加熱制御中の加熱停止制御は1回でも足りるが、要は有効なおこげ加熱を実現できる範囲内において、内鍋、なかんづく保護枠の温度の上りすぎを抑制すればよいので、1回で長い時間内加熱を停止して内鍋の温度を下げすぎるよりも、短時間の加熱停止を必要な回数繰り返すようにした方が、内鍋の温度が下がりすぎず、余熱により焦げめ形成効果を高く維持することができる。
【0081】
さらに、以上の構成では、上記の構成において、例えば図6のタイムチャートから理解されるように、一旦加熱が休止される毎に次からの目標となるおこげ加熱温度Tは、T1〜T2〜T3と所定温度ΔT1,ΔT2ずつ低くなるように構成されている。
【0082】
上述のように加熱休止時間を挟んで、間欠的なおこげ加熱を行うようにした場合にあっても、その目標加熱温度は一定である方が制御プログラムがシンプルになり、ソフト面でのコストは有利である。
【0083】
しかし、おこげ加熱工程に入っておこげ加熱を継続して行くと、内鍋内の水分の減少と余熱の蓄積により、次第に内鍋の温度は上昇して行く。したがって、その間において仮に加熱休止時間を挟んだとしても同蓄積された余熱の関係もあって余り大きくは内鍋温度が下がらない。したがって、もし次の加熱開始時からの目標とするおこげ加熱温度がそれまでの温度と同じであると、実際には加熱後に内鍋温度が当該目標加熱温度よりも高くなる可能性も生じ、必要以上の電力を消費することにもなる。
【0084】
しかし、次第に目標加熱温度Tを図6のT1,T2,T3と次第に少しづつ下げるようにすると、そのような意味での余分な電力消費を避けながら余熱の活用により実質的に本来の目標加熱温度と略同等の有効な加熱温度でのおこげ加熱作用を確保することができるようになる。
【0085】
以上の結果、上記のおこげ加熱制御によると、保護枠等炊飯器本体側への熱影響の問題をクリアしながら、ヒータ式の電気炊飯器と同様の効果的な焦げめの形成が可能な高品質の誘導加熱式電気炊飯器を提供することができる。
【0086】
(変形例)
なお、もちろん上記目標とする「おこげ加熱温度T℃」は、例えば制御プログラムのシンプル化、低コスト化の見地から、上述のようにT1,T2,T3℃と次第に低くすることなく、例えば図7のタイムチャートに示すように、T=T℃(一定)に設定してもよいことはいうまでもない。
【0087】
そして、その場合にも上記実施の形態のものと同様の作用効果を実現することができる。
【0088】
(実施の形態2)
次に図8は、本願発明の実施の形態2に係る誘導加熱式電気炊飯器の操作パネル部の構成を示している。
【0089】
上述の実施の形態1の構成では、炊飯に際して「おこげ加熱制御モード」を選択設定するのに、全く新しく別に専用のおこげ加熱選択スイッチ(おこげ加熱制御モード設定専用操作キー)22iを設け、同スイッチ22iを1回押すと「おこげ加熱制御モードが選択設定されるように構成した。
【0090】
しかし、これは例えば図8に示すように、再加熱スイッチ22eを兼用して構成するようにしてもよい。
【0091】
そして、その場合にも、上記実施の形態1の場合と全く同様のおこげ加熱制御を実現することができる。
【0092】
(実施の形態3)
次に図9は、本願発明の実施の形態3に係る誘導加熱式電気炊飯器の操作パネル部の構成を示している。
【0093】
この実施の形態の構成では、炊飯に際して「おこげ加熱制御モード」を選択設定するのに、例えば図9に示すように、炊飯スイッチ(通常炊飯時の炊飯開始操作キー)22aを兼用し、同炊飯スイッチ22aを1回押すと通常の白米炊飯加熱制御モードが選択設定され、同スイッチ22aを続けて2回押すと無洗米メニューが、さらに同スイッチ22aを続けて3回押すと「おこげ加熱制御モード」が選択設定されるようにした。
【0094】
もちろん、この場合、上述した無洗米メニューがない場合には、同炊飯スイッチ22aの続けて2回のON操作で「おこげ加熱制御モード」となるように構成してもよい。
【0095】
そして、その何れの場合にも、上記実施の形態1の場合と略同様のおこげ加熱制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】 本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器本体の全体的な構成を示す一部切欠側面図である。
【図2】 同電気炊飯器本体の要部である操作パネル部分の拡大正面図である。
【図3】 同電気炊飯器本体内の要部であるマイコン制御ユニットを中心とする制御回路部分のブロック図である。
【図4】 同電気炊飯器の炊飯制御の内容を示すフローチャートである。
【図5】 同電気炊飯器の「おこげ炊飯」制御の内容を示すフローチャートである。
【図6】 同おこげ炊飯制御の内容を示すタイムチャートである。
【図7】 同電気炊飯器の変形例に係る図6と同様のタイムチャートである。
【図8】 本願発明の実施の形態2に係る誘導加熱式電気炊飯器の操作パネル部の構成を示す図である。
【図9】 本願発明の実施の形態3に係る誘導加熱式電気炊飯器の操作パネル部の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、4は内ケース、6Aは制御基板、6Bはマイコン基板、21は液晶表示部、31は液晶ディスプレイ、32はマイコン制御ユニット、C1〜C3はワークコイル、H1は保温ヒータ、H2は肩ヒータである。

Claims (2)

  1. 内鍋と、該内鍋を保持する保護枠と、該保護枠を介して上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御モードを設定するおこげ加熱制御モード設定手段と、該おこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時に、上記内鍋の加熱温度が、通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように、上記誘導加熱手段の加熱出力を制御するおこげ加熱制御手段とを備えてなる誘導加熱式電気炊飯器において、上記おこげ加熱工程は、炊き上げ工程の終了検知後、むらし工程に到る間に設けられ、上記おこげ加熱制御手段は、上記おこげ加熱工程において、上記おこげ加熱を所定の加熱時間が経過する毎に一定時間休止するおこげ加熱休止制御を含んでおこげ加熱制御を実行するように構成されていることを特徴とする誘導加熱式電気炊飯器。
  2. 内鍋と、該内鍋を保持する保護枠と、該保護枠を介して上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、炊飯工程中の所定のおこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御モードを設定するおこげ加熱制御モード設定手段と、該おこげ加熱制御モード設定手段によっておこげ加熱制御モードが設定された時に、上記内鍋の加熱温度が、通常の炊飯加熱制御モードにおける加熱温度よりも高いおこげ加熱温度となるように、上記誘導加熱手段の加熱出力を制御するおこげ加熱制御手段とを備え、上記おこげ加熱制御手段は、おこげ加熱そのものを休止するおこげ加熱休止制御時間を含んで、上記おこげ加熱工程におけるおこげ加熱制御を実行するように構成されている誘導加熱式電気炊飯器において、上記おこげ加熱休止制御は、所定の時間毎に複数回行われるように構成され、一旦加熱が休止される毎に次からの目標となるおこげ加熱温度が、所定温度ずつ低くなるように構成されていることを特徴とする誘導加熱式電気炊飯器。
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