JP3976029B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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本発明はヒータや電磁誘導などの電気的な加熱によって炊飯を行う電気炊飯器に関するものである。
電気炊飯器は、加熱方式の違いにかかわらずその基本構成は概ね共通している。本実施の形態を示す図1を参照して説明すると、蓋1で閉じた状態の器体2内で加熱されるかまたはおよび発熱されて加熱による炊飯を行う飯器3と、前記加熱を行う加熱手段4と、飯器3の温度を検出する温度センサ5と、温度センサ5が検出する飯器温度に基づき加熱手段4を炊飯モードで制御して炊飯を行う炊飯制御手段6とを備えている。電気炊飯器は古くから提供され美味しいご飯を炊くべく日進月歩してきた。例えば、近時では図7に示すように、弱火で米に吸水させる吸水工程、強火とファジーな火力で沸騰させてから水分が無くなり温度が急上昇し始めるまでの炊き上げ工程、130℃程度まで加熱して余分な水分をさらに飛ばす焼き工程、その後115℃までの降温を図って一定時間それを維持する高温蒸らしを経てさらに110℃まで降温させてそれを維持することにより余分な蒸気を飛ばしご飯のα化をさらに促進して甘味を増す蒸らし工程、を順次行い炊飯を終える。炊飯後は所定の保温温度にまで降温させてそれを維持する保温工程に移行する。
また、電気炊飯器は高機能化、多機能化するなか、本発明の実施の形態を示す図2に例示しているように、炊飯に関しても白米、早炊き、分づき、発芽玄米、玄米、おかゆ、すしめし、炊込み、おこわ蒸しの別があり、水加減が同じでも普通、かため、やわらか、おこげ、の違いが設定できる。また、無洗米対応メニューや、パンの醗酵、焼き、飯器および蓋のクエン酸洗浄を行うクリーニングといった炊飯以外のメニューも設けられている。
また、炊飯合数を判定して炊飯温度の理想炊飯曲線を設定し、合数に応じた理想的な炊飯ができるようにすることも知られている(例えば、特許文献1)。
一方、電気炊飯器の多機能化は、調理機器を増やさずに自動調理できる種類数が多くなる利点があり、さらに進む傾向にある。例えば、炊く前のご飯の状態や出し汁の状態にかかわらず、ご飯から雑炊などを上手に炊き上げられるようにした電気炊飯器も既に知られている(例えば、特許文献2)。
特開平5−176837号公報 特開2001−333857号公報
本発明者はさらに新たな自動調理について研究、開発を進めるなか、煮物類を行う煮込み調理は、材料を柔らかくする加減、煮崩れや焦げつき、味の浸透、特に薄味での浸透などの面から、火加減が難しかったり、火加減などのために人が長時間束縛されてしまう問題があり、自動で煮込み調理ができればユーザへの貢献度が高いことに着眼し、新たな調理には新たな工夫のいるところ、電気炊飯器の構造を利用して首尾よく煮込み調理できる手法を見出した。
本発明の目的は、そのような新たな知見に基づき、煮物類を行う煮込み調理をセンサの検出温度に基づき首尾よく自動調理できる電気炊飯器を提供することにある。
上記のような目的を達成するため、本発明の電気炊飯器は、蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を炊飯モードで制御して炊飯を行う炊飯制御手段とを備えた電気炊飯器において、煮物類を行う煮込みモードと、煮込みモードを選択する選択手段とを備え、煮込みモードの選択により、所定の初期加熱温度T1まで初期加熱した後、それよりも低い温度T2(<T1)に低温加熱する煮込みモードにて加熱手段を制御する煮込み制御手段を設け、初期加熱は、前記初期加熱温度T1よりも低い判定温度T3(≦T2)に達するまで加熱する昇温1の工程と、判定温度T3にて調理進行度を数回判定する判定工程と、この数回の判定結果に基づき初期加熱温度T1まで加熱する昇温2の工程とを備え、初期加熱温度T1への到達時に所定の調理進行度を満足するよう加熱手段の加熱出力を制御することを特徴としている。
このような構成では、蓋閉じ状態の器体内に煮込み材料を入れた飯器を収容して加熱手段を働かせることにより、煮込みの自動調理を行うことができる状態となる。このような自動調理は煮込みモード選択手段によるモード選択に従い煮込み制御手段が、温度センサが検出する飯器温度に基づきながらも、炊飯モードなどとは別に、加熱手段を煮込みモードで加熱することにより実行する。まず、初期加熱にて所定の初期加熱温度T1まで加熱して煮汁とそれを介した煮込み材料との昇温を煮汁の対流や攪乱を伴いむらなく図って、煮込み材料をある程度柔らかくする初期調理を行うが、温度センサの検出温度に対する煮込み材料の調理進行度が遅れ勝ちとなる初期加熱の過程において、前記初期加熱温度T1よりも低い判定温度T3(≦T2)に達するまで加熱する昇温1に続く、判定温度T3にて調理進行度を数回判定する間の初期加熱温度T1に達しない加熱により煮込み材料を柔らかくするなどの調理の進行を図りながら、判定に有利な温度条件による数回の判定結果に基づくきめ細かな加熱手段の加熱出力の制御によって、煮込み材料が初期加熱温度T1への到達時に所定の調理進行度となるようにすることができ、その後、初期加熱温度T1よりも低い温度T2(<T1)に降温させて低温加熱することにより、煮込み材料の種類や量の違いなどによる調理負荷にかかわらず前記初期調理の目的を確実に達成して、低温加熱に移行することができ、蒸気の発生を抑え、また、煮崩れや焦げ付きを防止しながら味の十分な染み込みと煮込み材料をさらに柔らかくする低温加熱との組合せによって、煮込み調理を電気炊飯器によって自動的に設定通りに達成させられる。
所定の調理進行度は、判定温度T3での加熱の停止または低下による降温度合が所定値以上を満足した状態での初期加熱温度への到達点である、さらなる構成では、
前記経験則から、降温度合が所定値以上であることにより煮込み材料が温度センサの検出温度にほぼ見合う調理進行度に達しており、無理のない加熱出力にていたずらに時間を掛けることなく煮込み材料を所定の調理進行度にて所定の初期加熱温度に到達させられる。
判定した調理進行度とこれを判定した判定温度T3との関係から煮込み材料の量を主体とした調理負荷を判定し、判定した調理負荷に応じて低温加熱の条件を設定する、さらなる構成では、
温度センサの検出温度に対する煮込み材料の調理進行度の遅れが、煮込み材料の調理負荷の大小と相関している経験則から、判定した調理進行度とこれを判定した判定温度T3との関係に基づき煮込み材料の調理負荷が判定でき、それに見合った条件の低温加熱によって煮込み調理ができる。それには、低温加熱する調理時間またはおよび温度を調節することができる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発明の各特徴は可能な限りそれ単独で、あるいは種々な組合せで複合して採用することができる。
本発明の電気炊飯器によれば、所定の初期加熱温度T1へ到達する途中の初期加熱温度T1よりも低い判定温度T3で調理進行度を数回判定する間の加熱により煮込み材料を柔らかくするといった調理の進行を図りながら、その判定した数回の調理進行度を基にしたきめ細かな加熱制御によって所定の初期加熱温度T1への到達時点で、煮込み材料をある程度柔らかくしておくといった所定の調理進行度を確保して、煮崩れや焦げ付きを防止しながら味の十分な染み込みと煮込み材料をさらに柔らかくする初期加熱温度T1よりも低い温度T2(≧T3)での低温加熱へ移行することにより、煮込み調理を電気炊飯器によって自動的に設定通りに達成できる。
所定の調理進行度は、判定温度T3での加熱の停止または低下による降温度合が所定値以上を満足した状態での初期加熱温度への到達点である、さらなる構成によれば、
無理なくいたずらに時間を掛けることなく所定の初期温度到達時に煮込み材料を確実に所定の調理進行度にすることができ、調理の過不足による失敗を回避することができる。
判定した調理進行度とこれを判定した判定温度T3との関係から煮込み材料の量を主体とした調理負荷を判定し、判定した調理負荷に応じて低温加熱の条件を設定する、さらなる構成によれば、
煮込み材料の調理負荷に見合った条件の低温加熱によって煮込み調理ができ、調理負荷に対する調理の過不足を解消できる。
以下、本発明に係る電気炊飯器の実施の形態について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明し本発明の理解に供する。
本実施の形態の電気炊飯器は、図1を参照して既述した基本的構成を有しているが、加熱手段4として、主に飯器3を電磁誘導にて発熱させて内容物を加熱する加熱コイル11を用いたものであり、加熱コイル11は飯器3の底部とその外まわり部を発熱させるように配置している。加熱手段4は他に飯器3の胴部を加熱する保温ヒータ12、器体2を閉じる蓋1の内側で飯器3の口部をシールパッキン13aにより閉じる金属製の内蓋13を器体2の肩部にて加熱する肩ヒータ14を組合せ備え、前記炊飯時の各種加熱工程や炊飯後の保温を行うようにしている。しかし、これに限られることはなく、飯器3および内蓋13の全体を各部に配置した加熱コイルからの電磁誘導にて発熱させ加熱を行うようにしてもよいし、全体をヒータにより加熱するものでもよい。
加熱コイル11は駆動基板15によってそれに搭載したIGBT16のスイッチング機能を利用した高周波駆動を受け、その時々に必要な加熱容量で出力されるようにしている。駆動基板15上にはIGBT16を始めとする発熱素子が搭載されており、それらを冷却する冷却ファン17が器体2内に設けられている。また、特に発熱の大きなIGBT16等はその冷却効果を高めるためにヒートシンク18に接触させて冷却しやすくしている。保温ヒータ12および肩ヒータ14には電源回路19を通じて100Vの交流電流をそのまま給電し、駆動基板15および肩部の前部に設けた操作パネル31の内側に設けたマイクロコンピュータ22を搭載した制御回路23にはそれぞれに必要な直流電流を給電するようにしており、これらは制御手段6を構成している。
器体2に施された蓋1は器体2の後部にヒンジピン131により起伏できるように枢支されたヒンジ片32に対し着脱できるように嵌め合わされ、ヒンジ片32と一体になった回動によって器体2の上端を開閉できるようになっている。ヒンジ片32には蓋1を開き方向に付勢するばね33が器体2との間に働かされている。ばね33の付勢による開き動作を制動する制動機構が必要に応じて設けられるし、蓋1が勝手に開かないように閉じ位置にロックするよう図示しないばねにて付勢したロック爪34が設けられ、ロック爪34をばねに抗して回動させることにより蓋1がばね33の付勢によって自動的に開かれる。
肩ヒータ14は器体2の肩部上面に形成した溝35内に収容して金属カバー36が施され、蓋1の内側に設けた内蓋13の外周部が金属カバー36に当接して肩ヒータ14の熱を伝導されて飯器3の開口部全域を上方からむら無く加熱するようにしている。蓋1の中央部には蒸気を適度に外部に逃がす弁37が設けられ美味しいご飯が炊けるようにしている。器体2の外壁41と内壁42とはそれらの上端部が肩部材43によって連結一体化され合成樹脂製の器体を構成している。なお、合成樹脂は透磁性を有し、加熱コイル11などが飯器3を電磁誘導加熱させる範囲に設ければ有効であるが、他の部分にそのような有効性はなく、他の部材と代替することができる。
蓋1は合成樹脂製の上板44と下板45の間の空間に断熱材46を充填した断熱構造をなし、その中央部の貫通孔47にその上側から前記弁37が挿入され、下側には内蓋13のツマミ兼用の蒸気逃がし筒48が弾性ブッシュ49によって着脱できるように弾性係合している。器体2にはさらに電源コードの巻取りリール51が内蔵され、手提げハンドル52が起伏できるように枢支して外付けされている。
器体2の内壁42の底部まわりには、合成樹脂製の放射状をしたコイル台53が配置され、加熱コイル11を下方から保持するようにしている。コイル台53の各放射状部に形成した下向きの内にはフェライトコア54が設けられて加熱コイル11の働きを助けている。コイル台53の中央部には内壁42の中央穴55を前記温度センサ5が貫通して飯器3の底部に当接し飯器3の温度を検出するようにしている。
操作パネル31には図2に示すように、炊飯や保温のメニューや動作状態、時刻、その他のメッセージを表示する液晶表示部61が中央部に設けられ、これの左右両側まわり、前側まわりに炊飯をスタートさせ、また無洗米炊飯を選択する炊飯/無洗米キー62、炊飯の時間予約を行う予約キー63、各種入力の取消キー64、保温を人為的にスタートさせ、また保温状態を選択する保温/選択キー65、炊飯のメニューを設定するメニューキー66、炊飯のたきわけを選択する炊きわけキー67、調理1、2、3や、パンの醗酵、焼き、クリーニング、予約吸水などのモードを選択するパン/調理キー68、時間設定用の時キー69、分キー70など、各種設定に必要な操作キーが設けられる。調理1、2、3の1つは例えば、比較的長い時間降温操作する本煮込みモードであり、他は特に降温による煮込みを行わない煮物モード、煮込みを行ってもその時間が短い準煮込みモードなどとする。もっとも、煮物類を行う煮込みモード1つを選択した後、ユーザの調理時間の変更によって煮物の種類や材料、量の違いに対応できるようにし、他は煮物以外の調理モードを設定するようにもできる。液晶表示部61およびそのまわりには、設定モード、調理時間、予約時間、調理や予約の残り時間、調理状態などを記述表示、点灯表示、ローテーション表示などするようにしてある。
マイクロコンピュータ22は図3に示すように、操作パネル31からの入力に従って、炊飯や煮込み調理などを行うべく、温度センサ5からの温度情報を基に、加熱コイル11、保温ヒータ12、肩ヒータ14、および冷却ファン17をそれぞれのドライバ71、72、73、74を介して駆動する。このために、マイクロコンピュータ22は内部機能として炊飯のための炊飯制御手段75や煮込み調理のための煮込み制御手段76などを有し、設定状態や動作状態、時間経過、残り時間などを操作パネル31上に表示するようにしている。これにより、蓋1を閉じた状態の器体2内に煮込み材料を入れた飯器3を収容して加熱手段4を働かせることにより、煮込みの自動調理を行うことができる状態となる。対象となる煮込み調理は、シチュー、スープ、肉じゃが、おでん、野菜の煮物など煮物類全般であるが、本実施の形態の既述では、特に蒸気の発生を抑えられる温度以下で加熱を継続する煮込み操作を含む調理を主たる対象としている。このような自動調理は煮込みモード選択手段であるパン/調理キー68によるモード選択に従い煮込み制御手段76が、温度センサ5が検出する飯器温度に基づきながらも、既述した炊飯モードなどとは別に、加熱手段4を煮込みモードで加熱することにより実行する。
本実施の形態では、パン/調理キー68によって煮込みモードが選択されると、煮込み制御手段76により、図4に示すように所定の初期加熱温度T1まで加熱した後、それよりも低い温度で、例えば温度T2まで降温させて維持する低温加熱をする煮込みモードにて加熱手段4を制御する。
所定の初期加熱温度T1までの初期加熱は、煮汁とそれを介した煮込み材料との昇温を煮汁の対流や攪乱を伴いむらなく図って調理を早期に立ち上げ、殺菌や煮込み材料をある程度柔らかくすることを満足し、その後の、初期加熱温度T1よりも低い温度T2に降温させての低温加熱により、蒸気の発生を抑え、また、煮崩れや焦げ付きを防止しながら味の十分な染み込みと煮込み材料をさらに柔らかくする加熱傾向が安定して得られる。その結果、煮込み調理を電気炊飯器によって自動的に達成させられる。つまり、煮崩れや焦げつき、味の浸透、特に薄味での浸透などの面から、火加減が難しかったり、人が長時間束縛されてしまう問題がある煮込み調理を、電気炊飯器を共用した独自の煮込みモードでの加熱制御によって自動的に首尾よく、また手間が掛かったり拘束されたりすることなく達成できる。
ここで、低温加熱は煮込み材料の味が染み込みやすいかどうか、あるいは柔らかくなりやすいかどうかといった違い、あるいは低温加熱において、煮込み調理の味の染み込みを余り図らないかどうか、材料を余り柔らかくしないのかどうか、水分をあまり飛ばさないのかどうかといった調理の種類や目的の違いによって種々な加熱態様で行うことができる。例えば、低温加熱での維持温度を段階的に下げて行う。降温は加熱なしにて自然に行うか、加熱しながらまたはおよび所定時間掛けて行う。なお、第1の温度T1は高温雑菌対策ができればそれ以降の低温加熱操作で加熱は補えるので、沸騰温度である例えば100℃に到達する必要はない。このため、初期加熱温度T1を図4に例示するように95℃程度として降温操作に移行しても問題はなく、それにより高温蒸気の発生や蒸気の多量発生を有効に抑えることができる。また、煮崩れしやすい材料の煮崩れを防止するのにも有利である。また、降温温度T2は図4の場合85℃としてあるが、煮込み材料、煮込み調理、煮込み目的の違いによって種々に変更できる。低温加熱による調理進行度は温度T2の設定温度、および調理時間tの一方または双方の組み合わせによって種々に設定することができる。
ところで、上記のような煮込み調理が設定通り、思う通りに達成するには、本発明者の経験によれば、初期加熱温度T1への到達時に煮込み材料が既述した初期加熱の目的に見合う所定の調理進行度になっていることが重要である。しかし、所定の初期加熱温度T1、および降温させた温度T2は温度センサ5の検出温度であり、特に初期加熱温度T1に対して煮込み材料の実調理温度は遅れ気味になる。これは、調理立ち上げのために高出力の加熱を行うために飯器3の昇温が先行し、煮込み材料の昇温が追いつかないことによる。これを初期加熱温度T1までの立ち上げ速度を落すのであれば時間が掛かり過ぎるし、それによって調理を失敗することもある。また、煮込み材料の量や種類などによる調理負荷の違いによってほとんど遅れなかったり、遅れ度に違いが生じる。図7に温度センサ5の温度変化例(a)と内容物を単純化して水としたときの温度変化例(b)とを比較して示しているように温度センサ5の検出温度と内容物の温度とに昇温時も、降温時も認められるし、そのずれ度合は1500ccから200ccまで5段階に内容物量を変化させたことによっても変化している。
そこで、本実施の形態では、煮込み制御手段76により、初期加熱の過程、つまり初期加熱進行時間t0中において煮込み材料の調理進行度を判定し、この判定結果に基づき初期加熱温度T1への到達時に所定の調理進行度を満足するよう加熱手段4の加熱出力を制御するようにしている。このように、温度センサ5の検出温度に対する煮込み材料の調理進行度が遅れ勝ちとなる初期加熱の過程、つまり初期加熱進行時間t0中において、煮込み材料の調理進行度を判定し、この判定結果に基づいた加熱手段4の加熱出力を制御することによって、煮込み材料が初期加熱温度T1への到達時に所定の調理進行度となるようにするので、その後、初期加熱温度T1よりも低い温度T2に降温させて低温加熱することにより、煮込み材料の種類や量の違いなどによる調理負荷にかかわらず前記初期調理の目的を確実に達成して、低温加熱に移行することができ、蒸気の発生を抑え、また、煮崩れや焦げ付きを防止しながら味の十分な染み込みと煮込み材料をさらに柔らかくする低温加熱との組合せによって、煮込み調理を電気炊飯器によって自動的に設定通りに首尾よく達成させられる。
このような調理進行度は、初期加熱時間t0中に加熱手段4の加熱出力を停止または低下させたときの降温度合により判定することができる。これは、本発明者が知見した初期加熱で生じた温度センサ5の検出温度に対する煮込み材料の調理進行度の遅れは昇温遅れとして現れ、初期加熱している加熱手段4の出力を停止または低下させたときの、温度センサ5の検出温度の図4に示す降温度合ΔT/Δtに相関するのを利用したもので、煮込み材料の調理度合を前記降温度合ΔT/Δtから適確に判定することができ、1つの例として所定の調理進行度は、降温度合ΔT/Δtが所定値以上を満足した状態での初期加熱温度への到達点とする。これにより、前記経験則から、降温度合ΔT/Δtが所定値以上であることにより煮込み材料が温度センサの検出温度にほぼ見合う調理進行度に達しており、無理のない加熱出力にていたずらに時間を掛けることなく煮込み材料を所定の調理進行度にて所定の初期加熱温度に到達させられる。降温度合ΔT/Δtは図4に示す降温線L1〜L3の傾斜角として見ることもできる。ここで、高温度合ΔT/Δt代えて、所定時間例えば1分で温度が何度下がったかで判定することもできる。
図4に示す例では、初期加熱温度T1の手前に設定する調理進行度の判定温度T3、例えば85℃に到達するまでは煮物類での最大限となる1050Wの加熱出力にて初期加熱して昇温1を行い、判定温度T3に達すると加熱出力を600Wに低下させて所定時間t1の間降温を図り、そのときの降温度合ΔT/Δtを判定し、それが所定値α以上でなければ再度1050Wの加熱出力での初期加熱を行うことを繰り返し、所定値α以上の降温度合ΔT/Δtが検出されると加熱出力を800Wにした初期加熱に切り替えそのまま判定温度点を通過して初期加熱温度T1に到達させる昇温2を行い、初期加熱温度T1に到達するのと同時に煮込み材料が所定の調理進行度に達しているようにしている。判定のための降温操作は常に一定時間t1の間行って判定にばらつきがないようにするが、判定後の再初期加熱によって判定温度T3にまで昇温するのに必要な時間は回を重ねる都度短くなる。図4では3回判定を行っているが、所定値α以上の降温度合ΔT/Δtを検出するのに要する時間は1分程度である。これは煮込み材料の量が多いことによる。本例では3回目の降温線L3がほぼ水平に近づいていることにより温度センサ5による検出温度に見合う調理進行度に到達しているとみなしている。図5に示す例では、煮込み材料の量が少なく初回の判定で降温度合ΔT/Δt、つまり降温線L1が既に昇温に反転していることにより、800Wの加熱出力にして初期加熱温度T1までの昇温を図っている。以上のように、煮込み材料の量などによって降温度合ΔT/Δtがなかなか所定値α以上にならないことに対して、前記のような調理進行度の判定を数回行うことによって、判定回数に見合ってきめ細かに対応し、無理なく、遅滞なく煮込み材料を所定の調理進行度とすることができる。昇温2の加熱出力を下げるのは初期加熱温度T1への昇温過程で煮込み材料の調理進行度が再び温度センサ5の検出温度に見合わなくなるのを防止することができる。また、調理進行度判定時の加熱は判定に有利な降温条件を設定するのに有効であるし、煮込み材料を柔らかくするなどの調理の進行にも役立つ。以上から、調理進行度の判定は初期加熱温度T1に達するまでの昇温操作間、具体的には昇温1と昇温2との間で行い、所定温度間、具体的には判定温度T3以降初期加熱温度T1未満の温度範囲で行い、また判定操作はこれらの範囲において高出力加熱と低出力加熱との繰り返しによりほぼ連続して行うのが好適である。
また、温度センサ5の検出温度に対する煮込み材料の調理進行度の遅れが、煮込み材料の調理負荷の大小と相関している経験則から、煮込み材料の調理負荷が判定できる。そこで、煮込み制御手段76は、判定した調理負荷に応じて低温加熱の条件を設定するようにするのが好適である。これにより、それに見合った条件の低温加熱によって煮込み調理ができる。それには、低温加熱する調理時間tまたはおよび温度T2を調節して対応できる。
ここで、煮込み制御手段76による図4に示す例での具体的制御例につき、図6に示すフローチャートに従って説明する。まず、煮込み調理がセットされると、初期設定されている標準調理時間、例えば120分が液晶表示部61に表示される。これによりユーザは選択した煮込みモードに応じた調理時間が表示されて調理の必要時間や終了時点判断の目安に段取りをすることができ、他の調理の進行とのバランスといった段取りが採りやすくなる。また、調理時間が初期設定されていることによっては、ユーザ側の手間なく、初期設定された調理時間による標準条件で煮込み調理が自動的に達成することができる。しかも、これを標準としてユーザが調理の種類や好みなどに応じて変更したい場合は、時キー69と分キー70とによって設定時間を設定し直すことができる。それには、標準の調理時間を煮込み調理の種類と量とによる最長の時間を設定しておくと、ユーザはそれを必要に応じ短く設定し直す簡単な操作で対応することができる。もっとも、最短時間でも最長時間と最短時間との中間の時間設定でもよい。5秒など所定時間の間変更操作がないか、炊飯/無洗米キー62が操作されると調理時間が特定し、炊飯/無洗米キー62が操作と同時に特定した調理時間での煮込み調理が開始して調理タイマがスタートし、前記調理時間の表示から残時間の表示に切り替わる。
次いで、昇温1の操作が開始し、加熱コイル11の16/16の比率での出力、保温ヒータ12、肩ヒータ14の6/16の比率での出力とし、IH90%での高出力によって判定温度T3に到達するまで初期加熱をする。判定温度T3以上になると判定タイマt1をスタートさせ、加熱コイル11の10/16の比率での出力、保温ヒータ12および肩ヒータ14の6/16の比率での出力とし、IH80%駆動での低出力によって降温を図り、判定タイマのタイムアップによってそのときの降温度合ΔT/Δtが所定値α以上かどうかを判定し、そうでなければ前記昇温1以下の判定操作を繰り返す。
降温度合ΔT/Δtが所定値α以上であると昇温2の初期加熱に移行し、初期加熱温度T1に向けた加熱を開始し、初期加熱温度T1に到達すると、低温加熱温度T2以上で加熱コイル11の8/16での出力、および保温ヒータ12のオフと、肩ヒータ14の6/16の比率での出力とし、IH80%での低出力による加熱を行い、低温加熱温度T2以上でないと加熱コイル11および保温ヒータ12のオフ、肩ヒータ14の6/16の比率での出力とし低温加熱温度T2への降温とその維持を図り、調理タイマがタイムアップすると、設定通りの煮込み調理は終了し、調理の終了を報知した後、調理の保温工程に移行する。報知は液晶表示部61にて視覚表示すればよいが、これに代わって、あるいはそれと共に、ブザーや擬似音声など聴覚報知を行うことができる。なお、その時の出来上がり具合によってユーザはさらに煮込み調理を必要時間、必要温度で継続できるようにすることもできる。
本発明は、電気炊飯器での煮物調理に実用でき、温度センサの検出温度を基に失敗なく調理できる。
本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の断面図である。 図1の電気炊飯器の操作パネルを示す平面図である。 図1の電気炊飯器の制御回路を示すブロック図である。 図1の電気炊飯器での煮込みモードの、加熱制御の1つの例を示すタイムチャートである。 図1の電気炊飯器での煮込みモードの、加熱制御の別の例を示すタイムチャートである。 図4の加熱制御の具体例を示すフローチャートである。 図1の電気炊飯器での温度センサと内容物を水としたときの、昇温特性および降温特性を内容物量の違い別に対比したタイムチャートである。 図1の電気炊飯器での炊飯モードの、加熱制御例を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 蓋
2 器体
3 飯器
4 加熱手段
5 温度センサ
6 制御手段
11 加熱コイル
12 保温ヒータ
13 内蓋
14 肩ヒータ
22 マイクロコンピュータ
31 操作パネル
62 炊飯/無洗米キー
68 パン/調理キー
61 液晶表示部
66 メニューキー
69 時キー
70 分キー
T1 初期加熱温度
T2 低温加熱温度
T3 判定温度
t1 判定用の降温操作の時間

Claims (3)

  1. 蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を炊飯モードで制御して炊飯を行う炊飯制御手段とを備えた電気炊飯器において、
    煮物類を行う煮込みモードと、煮込みモードを選択する選択手段とを備え、煮込みモードの選択により、所定の初期加熱温度T1まで初期加熱した後、それよりも低い温度T2(<T1)に低温加熱する煮込みモードにて加熱手段を制御する煮込み制御手段を設け、初期加熱は、前記初期加熱温度T1よりも低い判定温度T3(≦T2)に達するまで加熱する昇温1の工程と、判定温度T3にて調理進行度を数回判定する判定工程と、この数回の判定結果に基づき初期加熱温度T1まで加熱する昇温2の工程とを備え、初期加熱温度T1への到達時に所定の調理進行度を満足するよう加熱手段の加熱出力を制御することを特徴とする電気炊飯器。
  2. 所定の調理進行度は、判定温度T3での加熱の停止または低下による降温度合が所定値以上を満足した状態での初期加熱温度への到達である請求項に記載の電気炊飯器。
  3. 判定した調理進行度とこれを判定した判定温度T3との関係から煮込み材料の量を主体とした調理負荷を判定し、判定した調理負荷に応じて低温加熱の条件を設定する請求項1、2のいずれか1項に記載の電気炊飯器。
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