JP2004063199A - 電磁誘導加熱調理方法とこれに用いる誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】調理の終了や次の段階への移行のタイミングを調理者が逸した場合でも調理を失敗しないで済むようにする。
【解決手段】加熱調理体1の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることによって、上記のような目的を達成する。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱調理体1の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることによって、上記のような目的を達成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導を利用して発熱させた加熱調理体にて、被調理物を加熱調理する電磁誘導加熱調理方法とこれに用いる誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱調理器は誘導作用側である器体と被誘導側である調理容器などの加熱調理体とが別体で電気的にも機械的にも接続されていない。しかも、用いられる加熱調理体はその形態や大きさ、材質、載置位置などが様々で一定していない。また、加熱調理体は深鍋や浅鍋の形状、パン形状、鉄板形状、やかん形状などしたそれ自体が発熱する単純なもので、何らの電気装備も有していないのが普通である。
【0003】
これらのため、器体は設定された通りに加熱調理体を誘導加熱しようとする機能を有していても、加熱調理体での調理やその状態をモニタして調理の状態を制御するようなことは一般的に行われてないし、加熱調理体でもそのような制御は行われない。
【0004】
一方、特開平5−347181号公報は加熱モードと温調モードとを持った電磁誘導加熱調理器を開示している。その加熱モードは高周波電源の入力電力が設定出力と一致するように制御する器体側での一方的な制御である。その温調モードは加熱調理体の温度を器体側からモニタして、検出温度が設定温度になるように高周波電源の入力電力を制御する。加熱調理体側の温度をモニタして目標温度になるように器体の側から自動制御するものである。この温調モードにより、目標温度やこれに近づいていく現在温度などを表示することもでき、調理に便利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示の温調モードは、調理状態の適、不適をモニタして対応できるものではない。従って、首尾よく調理するには調理者が気を付ける以外にない。ところが誘導加熱調理器による加熱調理はガスコンロのように火炎による火力状態や加熱状態が目視できない。このため、調理していることの実感が薄くガスコンロの場合よりも調理中であることを忘れやすいし、調理の終了や保温への移行、煮上がり時点での煮込み状態への移行などの各種タイミングを逸しやすく、調理を失敗する原因になる。場合によっては危険でもある。
【0006】
前記温度の設定や温度表示は天ぷらやフライなどの揚げ物調理、焼き肉、お好み焼きといった鉄板焼きの場合に通常行われるが、煮炊き調理や魚焼きなどにおいて温度を設定する例はなく、加熱状態を実感するには向かず前記のようなタイミングの判断を逸しないための役には立たない。しかも、遠目になると視認しにくかったり視認できなかったりする。
【0007】
本発明の目的は、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを調理者が逸した場合でも調理を失敗しないで済む電磁誘導加熱調理方法とこれに用いる誘導加熱調理器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電磁誘導加熱調理方法は、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることを1つの特徴としている。
【0009】
このような構成では、検出される加熱調理体の温度が1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止温度に至ったかどうかで、調理が異常防止が必要な状態かどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止が必要な状態の検出に基づき加熱コイルからの電磁誘導を低減または停止する異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、異常状態に至ってしまって焦げ付きなど調理を失敗したり、異常の継続や進行によって空焚きやそれによる赤熱、発火などの危険な状態に至るのを未然に防止することができる。
【0010】
このような方法を達成する誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される加熱調理体の温度が、設定されまたは判定した調理の種類とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったとき加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを1つの特徴とするもので足りる。
【0011】
本発明の電磁誘導加熱調理方法は、また、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をすることを別の特徴としている。
【0012】
このような構成では、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかで、沸騰を伴う調理が沸騰を上回る異常防止の必要状態に達しているかどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止の必要状態の検出に基づいて沸騰温度と異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、焦げ付きを防止する温度に保つ状態に自動的に移行して適正に調理を終えた調理物を、焦げ付かせない保証の基に加熱を停止して冷め切ってしまうようなことを防止し、調理者が気付いた時点で、出来上がり状態で喫食に供せるようにすることができる。
【0013】
このような方法を達成するための誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったことが判定されたとき沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを別の特徴とするもので足りる。
【0014】
焦げ付き防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度である、さらなる構成では、
異常防止の措置によって加熱を終了してしまったり、沸騰温度を上回っていることによって残り水分が減少しやすい加熱状態に置くのでなく、沸騰温度を下回る保温温度、好適には調理の種類に応じた保温温度に保つことによって、調理者に代わって調理終了に伴う次の段階としての保温状態に自動的に移行させることになるので、調理を適正なタイミングで自動的に終わらせて調理者に調理を失敗させない上に、続く保温への自動移行にて適正に調理し終えた調理物を沸騰温度以下の保温状態に保って水分の減少を抑えながら、調理者が意識した時点で調理物をそのまま、あるいは少し加温するだけで喫食に供せるようにすることができる。
【0015】
本発明の電磁誘導加熱調理方法は、また、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、検出される温度が沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に至ったときに加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることを他の特徴としている。
【0016】
このような構成では、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは沸騰を伴わない調理での沸騰温度を上回った昇温時であって、沸騰を伴う調理を判定する基準になる沸騰温度はもとより、沸騰を伴う調理での第1の異常防止判定温度を上回る焼き上がり温度例えば280℃程度となる焼き物調理などに対応でき、この場合調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して明らかに高く設定される例えば280℃程度以上の第2の異常防止判定温度に至ることによって、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止することができる。
【0017】
このような方法を達成する誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度情報から沸騰を判定する沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを他の特徴とするもので足りる。
【0018】
本発明の電磁誘導加熱調理方法は、また、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度と第1の異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に達したときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、調理完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保って異常防止をすることを今1つの特徴としている。
【0019】
このような構成により、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、焦げ付き防止温度を保つようにするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、焦げ付きを防止する程度の加熱を持続する異常防止の措置を取って対応しながら、適正に調理を終えた調理物が冷め切らないようにしておくことができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは既述した場合同様に沸騰を伴う調理でないことに対応して、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、対応する調理の完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保つ異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止しながら、適正に調理した調理物が冷め切ってしまうようなことをなくし、調理者が気付いた時点で、そのまま、あるいは軽く加温して喫食に供せるようにすることができる。
【0020】
このような方法を達成する誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度情報から沸騰を判定する沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに調理完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを今1つの特徴するもので足りる。
【0021】
焦げ付き防止温度または過剰焼け焦げ防止温度は沸騰温度よりも低い保温温度とするのが、調理者が意識したときにそのまま、あるいは少し加温して喫食に供せる利点があり、調理の種類に合った保温温度とするのが好適である。
【0022】
沸騰を伴う調理は湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理である、さらなる構成では、
少なくとも調理を代表する煮炊き調理と焼き物調理の2つの調理を、調理者の判断を待たずに、失敗や危険なく首尾よく達成することができる。
【0023】
沸騰の判定を、昇温特性が沸騰対応値以下を継続するか複数回到達することにより行う、さらなる構成では、
沸騰温度は気圧との関係でその時々で変動するが、湯沸し、蒸し調理、煮炊きといった水の沸騰を伴う調理では、一旦沸騰するとこの状態が特段の昇温なしに継続するので、沸騰に対応する昇温特性値が一定時間以上継続して、あるいは複数回検出することにより沸騰に至ったことを正確に判定することができる。
【0024】
焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、またはおよび保温温度は、調理物の量に応じて設定する、さらなる構成では、
調理物の量の違いが熱の消費量の違いをもたらすので、調理物の量の多少に応じて焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、保温温度を設定することによって、調理物の量によって加熱に過不足が生じ、目標通りに加温できなくなるのを防止することができる。
【0025】
誘導加熱調理器において、検出される温度の昇温速度から調理量を判定する調理量判定手段を備え、異常防止制御手段は、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定する、さらなる構成では、
調理量に応じた必要温度の設定を自動的に行うことができ、人手によるような手間がいらないし、人の誤操作に基づく失敗を防止することができる。
【0026】
温度検出手段が、接触型またはおよび非接触型のものとすることができ、双方を併用することにより、互いの特徴を活かして、より誤差のない温度や調理状態の検出をすることができる。
【0027】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ自体単独で、あるいは可能な限り種々な組合せで複合して採用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜図16を参照して説明し本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例を示すものであって、特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
【0029】
本実施例の誘導加熱調理器は、図1にその全体構成を示すように、トッププレート13の下に加熱コイル14を備え、トッププレート13上に置かれた加熱調理体である鍋1などを加熱コイル14からの電磁誘導作用を利用して発熱させ、その鍋1に入れられた魚や肉、野菜などの被調理物2を加熱し調理をするものである。なお、加熱調理体としてはプレートタイプやパンタイプ、ポットタイプ等、電磁調理が可能なものであれば他の調理具でもよく、図1に示すように蓋1a付きのもの、あるいは蓋のないもの、蓋があってもそれを用いない使用、蓋のないものでも適当な蓋を用いる使用も可能である。
【0030】
図1では加熱コイル14は1つしか示していないが、図1の紙面に直交する方向に2つ併置してあり、器体12内には図1に示すように左右の加熱コイル14のために2つの駆動・制御基板20を設け、図2に示す全体の動作制御用の制御回路9を通じ制御する。加熱コイル14からの電磁作用は距離の2乗に反比例するので、できるだけトッププレート13の下面に密着させてトッププレート13の上に置かれる鍋1などの加熱調理体との距離が大きくならないように配慮している。トッププレート13上で直接焼き物、煮炊き、揚げ物など各種の調理が行われ、煮汁などの吹きこぼれを受けたり、水などがこぼされたりすることがあるので、器体12とトッププレート13との間はシール材22を挟み込んでシールして器体12内に水気や湿気が進入しないようにしている。
【0031】
また、2つの駆動・制御基板20には図2に片方だけを代表して示すように加熱コイル14に所定の高周波電流を与えるIGBT素子18等の発熱素子があるので、これらを冷却するための図1に示すようなヒートシンク19を設けて、これらをファン21からの送風によって冷却するようにしてある。器体12の底部11には図示しない吸気口が設けられ、前記ファン21の駆動によって外気が吸引され、図1に示す矢印のように流れて2つのヒートシンク19と熱交換して冷却した後、器体12の側部や背部などに設けられる図示しない排気口から外部に排出するようにしている。このような冷却のために、加熱コイル14の支持基台15の下を上ガイド17aと下ガイド17bとによってファン21からの送風外気を上下2つの駆動・制御基板20に向け分岐案内する冷却通路26を形成している。
【0032】
また、加熱コイル14の中央位置にはトッププレート13の裏面に接触した温度検知手段としての温度センサ8が設けられ、鍋1などの温度を検出し、制御回路9に入力することによって、その時々の調理実温度、実際には鍋1などの被加熱調理体の実温度から調理の進行状態をモニタし、またこのモニタ結果によって調理の進行状態を種々に制御できるようにしている。
【0033】
器体12の前面には図1、図2に示す操作パネル10が設けられ、その裏面にある操作基板29上のスイッチ28などを外部キーにて操作する操作手段6、操作基板29上に設けられたランプや液晶表示部27などによる外部への表示を行う表示手段4、さらに、動作状態や操作ガイド、警告などを外部にブザー25の音や音声にて報知する報知手段7を有している。操作基板29の側は駆動・制御基板20の側とは仕切壁16により仕切って、駆動・制御基板20側の熱が操作基板29側に影響するのを防止している。加熱コイル14には共振用のコンデンサ30が並列に設けられている。
【0034】
操作パネル10は図3に示す1つの具体例の場合、その左右方向の中央部に左右の加熱コイル14が形成する左右のコンロに共通な前記液晶表示部27を有し、この液晶表示部27の左側に左コンロ用の操作部41aとしてオン、オフキー42と加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー43、44が設けられ、前記液晶表示部27の右側に右側コンロ用の操作部41bとしてオン、オフキー45と加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー46、47が設けられている。また、左側の操作部41aの下には肉両面焼きキー51、魚両面焼きキー52、および保温キー53のメニュー選択キーと、加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー54、55と、選択した調理をスタートしまたは停止するオン、オフキー56とが設けられ、右側の操作部41bの下には、揚げ物キー57、湯沸しキー58、および自動調理キー59のメニュー選択キーと、加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー61、62と、選択した調理をスタートしまたは停止するオン、オフキー63とが設けられている。さらに、液晶表示部27にはメニューの選択状態表示部64、その調理の残時間や設定したタイマ時間、その他の時間情報を表示する時間表示部65、調理条件として被調理物2のボリュームをg単位などで表示するボリューム表示部60、タイマ設定中、左コンロ使用中、右コンロ使用中、揚げ物調理中であることを示す特定状態表示部67、およびタイマ設定されることがあるメニューの選択状態を示す複数の指標表示部68が設けられている。その上液晶表示部27の前記指標表示部68の下には各指標に対応した調理の選択メニューである炊飯、あたため、蒸し、煮炊などのメニュー項目表示部69と、このメニュー項目表示部69の下にタイマ選択キー70と、タイマ設定時間のアップ、ダウンキー71a、71bとが設けられている。
【0035】
しかし、これら選択する調理のメニュー、調理状態、調理の具体的な方法や制御はその目的に応じて設定し採用すればよい。なお、制御回路9は商用交流電源23からの給電を整流および変圧した電源電流によって駆動され、制御基板20、20は商用交流電源23からの給電をインバータ回路24によってインバータ制御した高周波電流を加熱コイル14に供給してこれを駆動するようにしている。
【0036】
ここで、調理には沸騰を伴う調理と、沸騰を伴わない調理とがある。沸騰を伴う調理は煮炊き調理で代表される。煮炊き調理は炊飯の他、煮立ち後そのまま、あるいは若干火力を落として内部までの熱の通りや味の必要域までのしみ込みを図るしばらくの時間を置いて調理を終えるような一般煮物調理、煮立ち後そのまま、あるいは若干火力を落として内部までの熱の通りや味のしみ込みを図るしばらくの時間を置いて、弱火による加熱に移行して、さらに味をしみ込ませ、また煮含めるおでんや、煮込みうどん、豆類の煮物、さらに煮詰める佃煮類、または、牛タンや豚のバラ肉、牛筋などの素材が柔らかくなるように煮込むといった、各種の煮込み調理などがある。いずれの場合も調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸すると調理は失敗するし、放置したままでは焦げ付きや水切れによる空焚き、赤熱といった危険状態になりかねない。一方、沸騰を伴う調理として、前記のほか、広義には湯沸しや蒸し調理などがあり、これらにおいても類似した失敗や危険がある。これらの場合の調理の失敗は一旦沸騰があって後の、沸騰温度を上回る異常温度に達してしまうことであり、この異常温度の継続または上昇が危険に繋がる。
【0037】
また、沸騰を伴わない調理には焼き物調理や揚げ物調理がある。焼き物調理は人がその場から離れて失敗しやすいものとして魚焼き調理がある。魚焼きはまた、途中で表裏を返して両面を首尾よく焼き上げる必要があるので、失敗の確率が倍加する。しかし、これに限らず各種の焼き物調理においても類似した失敗や危険がある。この場合沸騰状態がなく、しかも調理は表面に焼き目や焦げ目を付けるために水の沸騰温度を上回る高い温度で行われるもので、調理の失敗は沸騰温度を上回るのは勿論、煮物調理の場合の異常温度を上回る別の異常温度に達してしまうことであり、この異常温度の継続または上昇が危険に繋がる。
【0038】
揚げ物調理には天ぷらやフライ物などがある。これらは油を設定温度に保ち続けないと調理を失敗する。また、油の温度がなかなか上がらないので、その場を離れている間に適正温度とされる170℃〜180℃を超えて危険温度とされる360℃程度に達してしまうとか、使用後の油を凝固剤で凝固させて廃棄するのに、油の温度が低下していたり、冷めているときに凝固剤が溶ける温度にまで油温を上げようとしている間に、温度が上がり過ぎたりして危険状態になる。これらによる発火事故が現に報告されている。
【0039】
このように、各種調理には調理失敗の条件と危険な温度条件とがそれぞれに固有のものとして見られる。いずれにしても、調理の失敗は通常調理温度からの立ち上がりないしは立ち下がりとして捉えることができるし、危険な状態は通常調理温度からの異常な立ち上がりとして捉えることができる。
【0040】
煮物調理では図4(a)に見られるように、鍋1はほぼ直線状に昇温して沸騰温度100℃に達した後、これをほぼ維持しながら水切れ状態になって以降、焦げ付きを生じながら320℃程度にまで昇温して危険状態になり、給電を停止することで鍋1の温度が降温し始める。一方温度センサ8が検出する温度は鍋1の実温度に対し、やや時間遅れを持ったやや低い目の温度となっていて最高温度は280℃弱である。
【0041】
焼き物調理では図4(b)に見られるように、鍋1が170℃程度まで昇温したときに魚を入れて焼き始め、これ以降鍋1が入れた魚によって一旦100℃近くまで降温した後、鍋1は再度昇温して魚を焼き焦がしながら330℃程度まで達して焼き上がり状態になり、これを上回ると調理は失敗するし、危険状態になっていく。ここで、給電を停止すると鍋1の温度が降温し始める。一方、温度センサ8が検出する温度は鍋1の実温度に対し、やや時間遅れを持ったやや低い目の温度となっていて最高温度、つまり焼き上がり温度が280℃である。
【0042】
ここに、煮物調理、特に煮込み調理について好ましい調理条件の一例を示すと図5に示す通りである。煮汁が沸騰するまでの昇温工程は加熱コイル14に16/16のフル通電を行う。沸騰温度は温度センサ8の検出温度で96℃とするが、昇温特性が沸騰対応値になるか、これがある時間維持するか、あるいはある時間の間に数回検出するかで判定することもできる。また別に、この工程での昇温特性から沸騰に至るに必要な残り時間を演算し、その後残り時間が経過することによって沸騰時点を判定することもできる。いずれにしても沸騰の検出ないしは判定があって後、加熱コイル14の通電率を12/16に低下させて沸騰を維持する維持工程に移る。この工程を継続する時間は調理の目的、種類によって選択または判定したものとする。例えば、選択は調理者による直接の時間設定により行えるし、判定は調理者が設定した調理の種類や目的に対応して予め設定してあるテーブルなどに従って制御回路9によって自動的に時間を判定することにより行える。この維持工程では万一の空焚きを検出して通電を停止する異常防止温度として115℃を設定しておき、これが検出されると通電を停止する。維持工程を異常防止温度到達なしに必要時間行った後は保温に移行し、通電率をさらに3/16に低下させる。これにより、焦げ付きや極端な水分の発散なしに調理物を加温状態におき、そのまま、あるいは少しの温め作業後に喫食に供せるようにする。これにより手間が省けるし、一旦冷め切った調理物を必要温度まで再度加温することによる食味の低下を回避することができる。
【0043】
もっとも、佃煮のように煮詰める調理であれば、前記維持工程は焦げ付き無く水分を飛ばすさらに弱火による水分飛ばし工程に変わり、水切れと同時に調理は終了し、保温工程は設けないことにより対応する。
【0044】
また、魚焼き調理について調理条件の好ましい一例を示すと図6に示す通りである。鍋1を300℃程度に昇温させた時点で魚を入れて表焼きを開始し、鍋1の220℃程度への降温を見た後、280℃程度に達して表焼きを終了する。この時点で魚を裏返して裏焼きに移行する。ここでも鍋1の前記と同様な降温を見た後、鍋1の280℃への昇温を伴い焼き上がる。ここで、表焼きと裏焼きとで昇温特性が異なっていてそれぞれの必要調理時間t2とt3とに差がある。t1は鍋1の温度の初期立ち上がりに要する時間である。
【0045】
図7に、代表される煮物調理および焼き物調理双方での、調理を首尾よく遂行する通常調理状態と、調理を失敗し、危険への入り口となる異常状態とを模式図に示して比較してある。実線が煮込み調理で前記した115℃程度以上への昇温を異常状態としてあり、破線が焼き物調理で前記した適正焼き上がり温度280℃程度以上への昇温を異常状態としてある。
【0046】
なお、煮込み調理では鍋1の実温度で見て、沸騰下限温度と沸騰上限温度が示す沸騰温度域まで立ち上がって後、沸騰温度域に保つことによって煮込みが行われる。しかし、これが何らかの理由で放置されると水切れ状態に至ってしまい、短時間で煮物異常温度になり、加熱コイル14への通電を低下させるか停止して初めて鍋1が降温する。沸騰を煮込みほどに継続しない一般の煮物調理においても沸騰持続状態が短いだけで通常調理状態と異常状態との違いは共通している。
【0047】
焼き物調理では煮汁の沸騰がないので、鍋1の温度は前記沸騰温度域を短時間で通過する。ほとんどの場合破線で示すようにほぼ直線的な昇温状態で通過する。そこで、沸騰がないか、沸騰温度域を煮込み調理や煮物調理の場合よりも短い時間で通過することにより、制御回路9は焼き物調理であると判定し、沸騰が検出されるか、ある時間以上に沸騰状態が持続されると煮物調理ないしは煮込み調理と判定することができる。
【0048】
もっとも、維持工程での維持温度は沸騰温度に限られることはなく、人手によると、制御回路9の自動設定によるとを問わず、上回って設定しても、下回って設定してもよい。人手操作による場合の煮込み調理の設定または判定において、昇温工程で沸騰が検出された後、一定時間の間に加熱コイル14への通電が低下されなくても沸騰温度維持を図るモードではこれを検出温度から判断できないが、通電が低下されたかどうかを判定して低下されていないと煮込み段階への移行異常と判断してこれを警告し、またはおよび、自動的に通電を低下させて中途での調理異常が生じないようにすることもできる。このように調理異常を示す温度や時間、通電状態などをモニタして各種の調理異常に対応することができる。
【0049】
鍋1の温度を検出する温度センサ8は図1、図8に示すようにガラス製のトッププレート13の裏面に当てがって、その上の鍋1の温度を間接的な接触方式での熱伝導にて検出している。しかし、図9に示すようにトッププレート13の裏面に設けた凹部13a内に配置すると、凹部13aの深さ分だけ温度センサ8が鍋1に近づくので、鍋1の温度をより応答性よく、より正確に検出することができる。また、図10に示すようにトッププレート13の上面に温度センサ8のカバーとなり、あるいはカバーを兼ねるシリコンゴムシート13cなどを被せておき、トッププレート13に設けた穴13bを通じて温度センサ8をシリコンゴムシート13cの裏面に当てがうことによって、温度センサ8をさらに鍋1に近付けられる。もっとも、図11に示すように器体12の加熱コイル14、14およびヒータ114に載置される鍋1などの加熱調理体に対応して、それら鍋1等の温度を非接触に検出する赤外線などを利用した非接触型の温度センサ111を器体12の上面などに設けておいてもよく、接触型、非接触型双方の温度センサ8、111を併用してもよい。
【0050】
本実施例の誘導加熱調理器は、調理の失敗や危険を防止するために以下のような電磁誘導加熱調理方法を採用している。1つの例は、鍋1の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする。
【0051】
このように、検出される鍋1の温度が1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した例えば図7に示す115℃程度の異常防止温度に至ったかどうかで、調理が異常防止が必要な状態かどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な器体12側で自動的に行うことができる。特に、この異常防止の必要状態の検出に基づき加熱コイル14からの電磁誘導を低減または停止する異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、異常状態に至ってしまって焦げ付きなど調理を失敗したり、異常の継続や進行によって空焚きやそれによる赤熱などの危険な状態に至るのを未然に防止することができる。
【0052】
このような方法を達成するのに、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記のような誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される鍋1の温度が、設定されまたは判定した調理の種類とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した前記115℃程度の異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったとき加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段とを備えたもので足りる。
【0053】
また、別の例として、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理するのに、鍋1の温度を検出し、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度例えば100℃と異常防止判定温度例えば前記115℃程度との間に設定した焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃程度を保つように加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減して異常防止をする。
【0054】
このように、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した、沸騰温度例えば100℃を上回る異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったかどうかで、沸騰を伴う調理が沸騰を上回る異常防止の必要状態に達しているかどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な器体12の側で自動的に行うことができる。併せ、このような異常防止の必要状態の検出に基づいて沸騰温度例えば100℃と異常防止判定温度例えば115℃程度との間の焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃を保つように加熱コイル14からの電磁誘導を低減して異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、焦げ付きを防止する温度に保つ状態に自動的に移行して適正に調理を終えた調理物を、焦げ付かせない保証の基に加熱を停止して冷め切ってしまうようなことを防止し、調理者が気付いた時点で、出来立ての状態で喫食に供せるようにすることができる。焦げ付き防止温度は低いほど焦げ付きや水分の発散を抑えられ、高いほど調理完了温度近くに保てることになり、調理者が選択できれば好適である。
【0055】
このような方法を達成するために、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度例えば100℃を上回る異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったかどうかを判定する前記制御回路9の内部機能などである異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったことが判定されたとき沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃程度を保つように加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減して異常防止をする制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段とを備えたもので足りる。しかし、焦げ付き防止温度の選択手段を備えると好適である。
【0056】
焦げ付き防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度例えば60℃前後、70℃前後とすることもできる。このようにすると、異常防止の措置によって調理を終了してしまったり、沸騰温度を上回っていることによって残り水分が減少しやすい加熱状態に置くのでなく、沸騰温度を下回る60℃前後、70℃前後といった保温温度、好適には調理の種類に応じた、つまり残り水分の多少や焦げ付き易さなどを配慮した100℃未満の保温温度に保つことによって、調理者に代わって調理終了に伴う次の段階としての保温状態に自動的に移行させることになるので、調理を適正なタイミングで自動的に終わらせて調理者に調理を失敗させない上に、続く保温への自動移行にて適正に調理し終えた調理物を沸騰温度以下の保温状態に保って水分の減少を抑えながら、調理者が意識した時点で調理物をそのまま、あるいは少し加温するだけで喫食に供せるようにすることができる。
【0057】
また、他の例として、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理するのに、鍋1の温度を検出し、検出される温度情報から既述したようにして沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、検出される温度が沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度115℃程度に至ったときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度115℃程度よりも高い第2の異常防止判定温度例えば前記280℃程度以上に至ったときに加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする。
【0058】
このように、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度100℃を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。また、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは沸騰を伴わない調理での沸騰温度を上回った昇温時であって、沸騰を伴う調理を判定する基準になる沸騰温度はもとより、沸騰を伴う調理での第1の異常防止判定温度例えば115℃程度を上回る、焼き上がり温度が例えば280℃程度と高い温度設定にて行われる魚焼きの焼き物調理などに対応でき、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して明らかに高く設定される第2の異常防止判定温度例えば280℃程度以上に至ることによって、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止することができる。
【0059】
このような方法を達成するのに、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される温度情報から沸騰を判定する制御回路9の内部機能などである沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度例えば280℃以上に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度例えば280℃程度以上が判定されたときに加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段とを備えたもので足りる。
【0060】
また、今1つの例では、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体である鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理するのに、鍋1の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度100℃を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったとき、沸騰温度と第1の異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃程度を保つように加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に達したときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度例えば280℃以上に至ったとき、少なくとも対応する調理の完了温度よりも低く過剰な焼け焦げが生じない過剰焼け焦げ防止温度例えば115℃以下、好ましくは110℃以下に保って異常防止をする。
【0061】
このような構成により、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、焦げ付き防止温度を保つようにするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、焦げ付きを防止する程度の加熱を持続する異常防止の措置を取って対応しながら、適正に調理を終えた調理物が冷め切らないようにしておくことができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは既述した場合同様に沸騰を伴う調理でないことに対応して、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して高い第2の異常防止判定温度例えば対応する調理の完了温度に対応する290℃程度に至ったとき、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、過剰焼け焦げ防止温度に保つ異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいても、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止しながら、適正に調理した調理物が冷め切ってしまうようなことをなくし、調理者が気付いた時点で、そのまま、あるいは軽く加温して喫食に供せるようにすることができる。
【0062】
このような方法を達成するのに、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体である鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される温度情報から沸騰を判定する制御回路9の内部機能などである沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度例えば115℃よりも高い第2の異常防止判定温度例えば280℃以上に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能としての第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、焦げ付き防止温度を保つように加熱コイル14からの電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに調理完了温度例えば280℃よりも低い過剰焼け焦げ防止温度例えば115℃以下、好ましくは110℃以下を保つように加熱コイル14からの電磁誘導を低減して異常防止をする制御回路9の内部機能などとしての異常防止制御手段とを備えたもので足りる。
【0063】
沸騰を伴う調理が湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理であるように限っても、少なくとも調理を代表する煮炊き調理と焼き物調理の2つの調理を、調理者の判断を待たずに、失敗や危険なく首尾よく達成することができる。
【0064】
焦げ付き防止温度またはおよび過剰焼け焦げ防止温度は、調理物の量に応じて設定することにより、調理物の量の違いが熱の消費量の違いをもたらすので、調理物の量の多少に応じて焦げ付き防止温度またはおよび焼け焦げ防止温度を設定することによって、調理物の量によって加熱に過不足が生じ、目標通りに加温できなくなるのを防止することができる。
【0065】
焦げ付き防止温度またはおよび過剰焼け焦げ防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度、例えば90℃や80℃では、さらなる乾燥や残り水分の早期発散を防止して、しかも、調理物が冷め切ってしまうのを防止して、食味が低下したりしないで、調理者が意識したときにそのまま、あるいは少しの加温をして喫食に供せるようにすることができるので、より好適である。
【0066】
誘導加熱調理器において、検出される温度の昇温速度から調理量を判定する制御回路9の内部機能などである調理量判定手段を備え、制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段が、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、保温温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定するようにすると、調理量に応じた必要温度の設定を自動的に行うことができ、人手によるような手間がいらないし、人の誤操作に基づく失敗を防止することができる。
【0067】
以下に具体的な制御例を示す。図12に示す例では、煮込み調理において沸騰検出まで昇温工程を調理者の設定または調理の種類設定に応じてした自動設定に応じた電力、通電率で実行し、沸騰が検出されると先の維持工程、つまり煮込み工程に移行する。この煮込み工程では調理者がした、または調理の種類に設定に応じて自動でした電力設定、つまり火力設定によって焦げ付きに対する許容度ないしは意図する調理の水切り度が異なることに対応するため焦げ付きを基準にした異常防止判定温度の設定を変える。具体的には200W未満の場合105℃、200W〜300W未満の場合108℃、300W以上では110℃に設定する。次いで加熱コイル14を設定電力にてオンして煮込み工程を実行し、設定した異常防止判定温度が検出されたとき加熱コイル14をオフして調理を終える。
【0068】
図13に示す例では、沸騰までの昇温工程を調理者の設定または調理の種類設定に応じてした自動設定に応じた電力、通電率で実行し、沸騰やある温度からある温度までの昇温に要する時間、あるいは昇温特性などを検出して調理量対応値とし、あるいは調理量に換算しておく。沸騰が検出されると先に検出している昇温時間ないしは調理量に対応するため焦げ付きを基準にした異常防止判定温度の設定を変える。具体的には昇温時間10分未満の場合105℃、10分〜15分未満の場合108℃、15分以上の場合110℃に設定する。次いで加熱コイル14を調理者の設定または調理の種類設定に応じてした自動設定に応じた電力、通電率で設定電力にてオンして煮込み工程を実行し、設定した異常防止判定温度が検出されたとき加熱コイル14をオフして調理を終える。
【0069】
図14、図15に2通りの異常防止判定温度検出の具体例を示している。図14の例では、調理の種類および段階に応じた加熱制御をして調理を進めながら、鍋1の底部に対応する接触型の温度センサ8の検出温度と鍋1の側面に対応する非接触型の温度センサ111の検出温度とを取り込み、双方の温度センサ8、111共に異常防止判定温度以上を検出していないとき、以上の制御を繰り返し、温度センサ8、111のいずれかが異常防止判定温度以上を検出しているときは加熱を停止する。
【0070】
図15の例では、調理の種類および段階に応じた加熱制御をして調理を進めながら、鍋1の底部に対応する接触型の温度センサ8の検出温度と鍋1の側面に対応する非接触型の温度センサ111の検出温度とを取り込み、双方の鍋1に対する温度検出位置が異なり、鍋1は発熱する底部の方が側面よりも温度が上り気味であるところ、水切れに近づくほどこの差が小さくなる傾向を示すので、温度センサ8の検出温度に対するセンサ温度111の検出温度の差が、異常防止が必要な時点に対応する異常防止判定値A以下であるかどうか判定し、以下でなければ初期からの制御を繰り返し、以下であれば加熱を停止して調理を終える。
【0071】
図16では、吹きこぼれを調理の異常として判定する具体例を示している。調理の種類や段階に応じた加熱制御を行って調理を進めながら、温度センサ8、111の検出温度を取り込むことを、温度センサ8が吹きこぼれの生じる調理温度、例えば沸騰温度100℃にするまで繰り返し、沸騰温度に到達すると温度センサ111の検出温度を2秒間隔にてA、B・・と取り込み、現在の検出温度Bから先の検出温度Aを差し引いた差が−5℃以下であるとき、吹きこぼれがあったと判定して加熱を停止する。
【0072】
以上において、異常防止時点である旨の検出を行なったとき、加熱停止に代えて、またはそれとともに音や擬似音による警告またはおよび文字やランプの点灯などによって表示を行なうと異常や危険の防止、あるいはそれを調理者に気付かせる上で好適である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の1つの特徴によれば、検出される加熱調理体の温度が1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止温度に至ったかどうかで、調理が異常防止が必要な状態かどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止の必要状態の検出に基づき加熱コイルからの電磁誘導を低減または停止する異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、異常状態に至ってしまって焦げ付きなど調理を失敗したり、異常の継続や進行によって空焚きやそれによる赤熱、発火などの危険な状態に至るのを未然に防止することができる。
【0074】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の別の特徴によれば、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかで、沸騰を伴う調理が沸騰を上回る異常防止の必要状態に達しているかどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止の必要状態の検出に基づいて沸騰温度と異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、焦げ付きを防止する温度に保つ状態に自動的に移行して適正に調理を終えた調理物を、焦げ付かせない保証の基に加熱を停止して冷め切ってしまうようなことを防止し、調理者が気付いた時点で、出来上がり状態で喫食に供せるようにすることができる。
【0075】
焦げ付き防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度である、さらなる構成によれば、異常防止の措置によって加熱を終了してしまったり、沸騰温度を上回っていることによって残り水分が減少しやすい加熱状態に置くのでなく、沸騰温度を下回る保温温度、好適には調理の種類に応じた保温温度に保つことによって、調理者に代わって調理終了に伴う次の段階としての保温状態に自動的に移行させることになるので、調理を適正なタイミングで自動的に終わらせて調理者に調理を失敗させない上に、続く保温への自動移行にて適正に調理し終えた調理物を沸騰温度以下の保温状態に保って水分の減少を抑えながら、調理者が意識した時点で調理物をそのまま、あるいは少し加温するだけで喫食に供せるようにすることができる。
【0076】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の他の特徴によれば、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは沸騰を伴わない調理での沸騰温度を上回った昇温時であって、沸騰を伴う調理を判定する基準になる沸騰温度はもとより、沸騰を伴う調理での第1の異常防止判定温度を上回る焼き上がり温度例えば280℃程度となる焼き物調理などに対応でき、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して明らかに高く設定される例えば280℃程度以上の第2の異常防止判定温度に至ることによって、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止することができる。
【0077】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の今1つの特徴によれば、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、焦げ付き防止温度を保つようにするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、焦げ付きを防止する程度の加熱を持続する異常防止の措置を取って対応しながら、適正に調理を終えた調理物が冷め切らないようにしておくことができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは既述した場合同様に沸騰を伴う調理でないことに対応して、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、対応する調理の完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保つ異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止しながら、適正に調理した調理物が冷め切ってしまうようなことをなくし、調理者が気付いた時点で、そのまま、あるいは軽く加温して喫食に供せるようにすることができる。
【0078】
沸騰を伴う調理は湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理である、さらなる構成によれば、少なくとも調理を代表する煮炊き調理と焼き物調理の2つの調理を、調理者の判断を待たずに、失敗や危険なく首尾よく達成することができる。
【0079】
沸騰の判定が、昇温特性が沸騰対応値以下を継続するか複数回到達することにより行う、さらなる構成によれば、沸騰温度は気圧との関係でその時々で変動するが、湯沸し、蒸し調理、煮炊きといった水の沸騰を伴う調理では、一旦沸騰するとこの状態が継続するので、沸騰に対応する昇温特性値が一定時間以上継続して、あるいは複数回検出することにより沸騰に至ったことを正確に判定することができる。
【0080】
焦げ付き防止温度またはおよび保温温度は、調理物の量に応じて設定する、さらなる構成によれば、調理物の量の違いが熱の消費量の違いをもたらすので、調理物の量の多少に応じて焦げ付き防止温度またはおよび保温温度を設定することによって、調理物の量によって加熱に過不足が生じ、目標通りに加温できなくなるのを防止することができる。
【0081】
検出される温度の昇温速度から調理量を判定する調理量判定手段を備え、異常防止制御手段は、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、保温温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定する、さらなる構成によれば、調理量に応じた必要温度の設定を自動的に行うことができ、人手によるような手間がいらないし、人の誤操作に基づく失敗を防止することができる。
【0082】
温度検出手段が、接触型またはおよび非接触型のものとすることができ、双方を併用することにより、互いの特徴を活かして、より誤差のない温度検出をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る誘導加熱調理器を実施形態で示す縦断側面図。
【図2】図1の調理器の制御ブロック図。
【図3】図1の調理器の操作パネルを示す正面図。
【図4】図1に示す調理器および鍋にて煮物調理と焼き物調理を行ったときの鍋およびセンサの温度変化を示し、(a)は煮物調理、(b)は焼き物調理である。
【図5】煮込み調理の場合の好ましい調理プログラム例を示すグラフである。
【図6】魚を両面焼きする焼き物調理の場合の好ましい調理プログラム例を示すグラフである。
【図7】図5と図6に示す煮込み調理と焼き物調理での異常防止判定原理例を比較して示すグラフである。
【図8】図1の調理器における接触型の温度センサの設置状態を示す断面図である。
【図9】図1、図8とは異なった温度センサの設置状態を示す断面図である。
【図10】温度センサのさらに別の設置状態を示す断面図である。
【図11】非接触型の温度センサの設置状態を示す斜視図である。
【図12】煮込み調理の場合の異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図13】煮込み調理の場合の別の異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図14】接触型および非接触型の各温度センサを用いた異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図15】接触型および非接触型の各温度センサを用いた他の異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図16】接触型および非接触型の各温度センサを用いた吹きこぼれによる異常防止判定例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 鍋
2 被調理物
4 表示手段
6 操作手段
7 報知手段
8、111 温度センサ
9 制御回路
10 操作パネル
12 器体
14 加熱コイル
20 駆動・制御基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導を利用して発熱させた加熱調理体にて、被調理物を加熱調理する電磁誘導加熱調理方法とこれに用いる誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱調理器は誘導作用側である器体と被誘導側である調理容器などの加熱調理体とが別体で電気的にも機械的にも接続されていない。しかも、用いられる加熱調理体はその形態や大きさ、材質、載置位置などが様々で一定していない。また、加熱調理体は深鍋や浅鍋の形状、パン形状、鉄板形状、やかん形状などしたそれ自体が発熱する単純なもので、何らの電気装備も有していないのが普通である。
【0003】
これらのため、器体は設定された通りに加熱調理体を誘導加熱しようとする機能を有していても、加熱調理体での調理やその状態をモニタして調理の状態を制御するようなことは一般的に行われてないし、加熱調理体でもそのような制御は行われない。
【0004】
一方、特開平5−347181号公報は加熱モードと温調モードとを持った電磁誘導加熱調理器を開示している。その加熱モードは高周波電源の入力電力が設定出力と一致するように制御する器体側での一方的な制御である。その温調モードは加熱調理体の温度を器体側からモニタして、検出温度が設定温度になるように高周波電源の入力電力を制御する。加熱調理体側の温度をモニタして目標温度になるように器体の側から自動制御するものである。この温調モードにより、目標温度やこれに近づいていく現在温度などを表示することもでき、調理に便利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示の温調モードは、調理状態の適、不適をモニタして対応できるものではない。従って、首尾よく調理するには調理者が気を付ける以外にない。ところが誘導加熱調理器による加熱調理はガスコンロのように火炎による火力状態や加熱状態が目視できない。このため、調理していることの実感が薄くガスコンロの場合よりも調理中であることを忘れやすいし、調理の終了や保温への移行、煮上がり時点での煮込み状態への移行などの各種タイミングを逸しやすく、調理を失敗する原因になる。場合によっては危険でもある。
【0006】
前記温度の設定や温度表示は天ぷらやフライなどの揚げ物調理、焼き肉、お好み焼きといった鉄板焼きの場合に通常行われるが、煮炊き調理や魚焼きなどにおいて温度を設定する例はなく、加熱状態を実感するには向かず前記のようなタイミングの判断を逸しないための役には立たない。しかも、遠目になると視認しにくかったり視認できなかったりする。
【0007】
本発明の目的は、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを調理者が逸した場合でも調理を失敗しないで済む電磁誘導加熱調理方法とこれに用いる誘導加熱調理器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電磁誘導加熱調理方法は、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることを1つの特徴としている。
【0009】
このような構成では、検出される加熱調理体の温度が1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止温度に至ったかどうかで、調理が異常防止が必要な状態かどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止が必要な状態の検出に基づき加熱コイルからの電磁誘導を低減または停止する異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、異常状態に至ってしまって焦げ付きなど調理を失敗したり、異常の継続や進行によって空焚きやそれによる赤熱、発火などの危険な状態に至るのを未然に防止することができる。
【0010】
このような方法を達成する誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される加熱調理体の温度が、設定されまたは判定した調理の種類とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったとき加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを1つの特徴とするもので足りる。
【0011】
本発明の電磁誘導加熱調理方法は、また、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をすることを別の特徴としている。
【0012】
このような構成では、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかで、沸騰を伴う調理が沸騰を上回る異常防止の必要状態に達しているかどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止の必要状態の検出に基づいて沸騰温度と異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、焦げ付きを防止する温度に保つ状態に自動的に移行して適正に調理を終えた調理物を、焦げ付かせない保証の基に加熱を停止して冷め切ってしまうようなことを防止し、調理者が気付いた時点で、出来上がり状態で喫食に供せるようにすることができる。
【0013】
このような方法を達成するための誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったことが判定されたとき沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを別の特徴とするもので足りる。
【0014】
焦げ付き防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度である、さらなる構成では、
異常防止の措置によって加熱を終了してしまったり、沸騰温度を上回っていることによって残り水分が減少しやすい加熱状態に置くのでなく、沸騰温度を下回る保温温度、好適には調理の種類に応じた保温温度に保つことによって、調理者に代わって調理終了に伴う次の段階としての保温状態に自動的に移行させることになるので、調理を適正なタイミングで自動的に終わらせて調理者に調理を失敗させない上に、続く保温への自動移行にて適正に調理し終えた調理物を沸騰温度以下の保温状態に保って水分の減少を抑えながら、調理者が意識した時点で調理物をそのまま、あるいは少し加温するだけで喫食に供せるようにすることができる。
【0015】
本発明の電磁誘導加熱調理方法は、また、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、検出される温度が沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に至ったときに加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることを他の特徴としている。
【0016】
このような構成では、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは沸騰を伴わない調理での沸騰温度を上回った昇温時であって、沸騰を伴う調理を判定する基準になる沸騰温度はもとより、沸騰を伴う調理での第1の異常防止判定温度を上回る焼き上がり温度例えば280℃程度となる焼き物調理などに対応でき、この場合調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して明らかに高く設定される例えば280℃程度以上の第2の異常防止判定温度に至ることによって、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止することができる。
【0017】
このような方法を達成する誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度情報から沸騰を判定する沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを他の特徴とするもので足りる。
【0018】
本発明の電磁誘導加熱調理方法は、また、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理するのに、加熱調理体の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度と第1の異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に達したときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、調理完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保って異常防止をすることを今1つの特徴としている。
【0019】
このような構成により、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、焦げ付き防止温度を保つようにするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、焦げ付きを防止する程度の加熱を持続する異常防止の措置を取って対応しながら、適正に調理を終えた調理物が冷め切らないようにしておくことができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは既述した場合同様に沸騰を伴う調理でないことに対応して、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、対応する調理の完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保つ異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止しながら、適正に調理した調理物が冷め切ってしまうようなことをなくし、調理者が気付いた時点で、そのまま、あるいは軽く加温して喫食に供せるようにすることができる。
【0020】
このような方法を達成する誘導加熱調理器としては、通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度情報から沸騰を判定する沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに調理完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを今1つの特徴するもので足りる。
【0021】
焦げ付き防止温度または過剰焼け焦げ防止温度は沸騰温度よりも低い保温温度とするのが、調理者が意識したときにそのまま、あるいは少し加温して喫食に供せる利点があり、調理の種類に合った保温温度とするのが好適である。
【0022】
沸騰を伴う調理は湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理である、さらなる構成では、
少なくとも調理を代表する煮炊き調理と焼き物調理の2つの調理を、調理者の判断を待たずに、失敗や危険なく首尾よく達成することができる。
【0023】
沸騰の判定を、昇温特性が沸騰対応値以下を継続するか複数回到達することにより行う、さらなる構成では、
沸騰温度は気圧との関係でその時々で変動するが、湯沸し、蒸し調理、煮炊きといった水の沸騰を伴う調理では、一旦沸騰するとこの状態が特段の昇温なしに継続するので、沸騰に対応する昇温特性値が一定時間以上継続して、あるいは複数回検出することにより沸騰に至ったことを正確に判定することができる。
【0024】
焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、またはおよび保温温度は、調理物の量に応じて設定する、さらなる構成では、
調理物の量の違いが熱の消費量の違いをもたらすので、調理物の量の多少に応じて焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、保温温度を設定することによって、調理物の量によって加熱に過不足が生じ、目標通りに加温できなくなるのを防止することができる。
【0025】
誘導加熱調理器において、検出される温度の昇温速度から調理量を判定する調理量判定手段を備え、異常防止制御手段は、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定する、さらなる構成では、
調理量に応じた必要温度の設定を自動的に行うことができ、人手によるような手間がいらないし、人の誤操作に基づく失敗を防止することができる。
【0026】
温度検出手段が、接触型またはおよび非接触型のものとすることができ、双方を併用することにより、互いの特徴を活かして、より誤差のない温度や調理状態の検出をすることができる。
【0027】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ自体単独で、あるいは可能な限り種々な組合せで複合して採用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜図16を参照して説明し本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例を示すものであって、特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
【0029】
本実施例の誘導加熱調理器は、図1にその全体構成を示すように、トッププレート13の下に加熱コイル14を備え、トッププレート13上に置かれた加熱調理体である鍋1などを加熱コイル14からの電磁誘導作用を利用して発熱させ、その鍋1に入れられた魚や肉、野菜などの被調理物2を加熱し調理をするものである。なお、加熱調理体としてはプレートタイプやパンタイプ、ポットタイプ等、電磁調理が可能なものであれば他の調理具でもよく、図1に示すように蓋1a付きのもの、あるいは蓋のないもの、蓋があってもそれを用いない使用、蓋のないものでも適当な蓋を用いる使用も可能である。
【0030】
図1では加熱コイル14は1つしか示していないが、図1の紙面に直交する方向に2つ併置してあり、器体12内には図1に示すように左右の加熱コイル14のために2つの駆動・制御基板20を設け、図2に示す全体の動作制御用の制御回路9を通じ制御する。加熱コイル14からの電磁作用は距離の2乗に反比例するので、できるだけトッププレート13の下面に密着させてトッププレート13の上に置かれる鍋1などの加熱調理体との距離が大きくならないように配慮している。トッププレート13上で直接焼き物、煮炊き、揚げ物など各種の調理が行われ、煮汁などの吹きこぼれを受けたり、水などがこぼされたりすることがあるので、器体12とトッププレート13との間はシール材22を挟み込んでシールして器体12内に水気や湿気が進入しないようにしている。
【0031】
また、2つの駆動・制御基板20には図2に片方だけを代表して示すように加熱コイル14に所定の高周波電流を与えるIGBT素子18等の発熱素子があるので、これらを冷却するための図1に示すようなヒートシンク19を設けて、これらをファン21からの送風によって冷却するようにしてある。器体12の底部11には図示しない吸気口が設けられ、前記ファン21の駆動によって外気が吸引され、図1に示す矢印のように流れて2つのヒートシンク19と熱交換して冷却した後、器体12の側部や背部などに設けられる図示しない排気口から外部に排出するようにしている。このような冷却のために、加熱コイル14の支持基台15の下を上ガイド17aと下ガイド17bとによってファン21からの送風外気を上下2つの駆動・制御基板20に向け分岐案内する冷却通路26を形成している。
【0032】
また、加熱コイル14の中央位置にはトッププレート13の裏面に接触した温度検知手段としての温度センサ8が設けられ、鍋1などの温度を検出し、制御回路9に入力することによって、その時々の調理実温度、実際には鍋1などの被加熱調理体の実温度から調理の進行状態をモニタし、またこのモニタ結果によって調理の進行状態を種々に制御できるようにしている。
【0033】
器体12の前面には図1、図2に示す操作パネル10が設けられ、その裏面にある操作基板29上のスイッチ28などを外部キーにて操作する操作手段6、操作基板29上に設けられたランプや液晶表示部27などによる外部への表示を行う表示手段4、さらに、動作状態や操作ガイド、警告などを外部にブザー25の音や音声にて報知する報知手段7を有している。操作基板29の側は駆動・制御基板20の側とは仕切壁16により仕切って、駆動・制御基板20側の熱が操作基板29側に影響するのを防止している。加熱コイル14には共振用のコンデンサ30が並列に設けられている。
【0034】
操作パネル10は図3に示す1つの具体例の場合、その左右方向の中央部に左右の加熱コイル14が形成する左右のコンロに共通な前記液晶表示部27を有し、この液晶表示部27の左側に左コンロ用の操作部41aとしてオン、オフキー42と加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー43、44が設けられ、前記液晶表示部27の右側に右側コンロ用の操作部41bとしてオン、オフキー45と加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー46、47が設けられている。また、左側の操作部41aの下には肉両面焼きキー51、魚両面焼きキー52、および保温キー53のメニュー選択キーと、加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー54、55と、選択した調理をスタートしまたは停止するオン、オフキー56とが設けられ、右側の操作部41bの下には、揚げ物キー57、湯沸しキー58、および自動調理キー59のメニュー選択キーと、加熱の強弱を設定するアップ、ダウンキー61、62と、選択した調理をスタートしまたは停止するオン、オフキー63とが設けられている。さらに、液晶表示部27にはメニューの選択状態表示部64、その調理の残時間や設定したタイマ時間、その他の時間情報を表示する時間表示部65、調理条件として被調理物2のボリュームをg単位などで表示するボリューム表示部60、タイマ設定中、左コンロ使用中、右コンロ使用中、揚げ物調理中であることを示す特定状態表示部67、およびタイマ設定されることがあるメニューの選択状態を示す複数の指標表示部68が設けられている。その上液晶表示部27の前記指標表示部68の下には各指標に対応した調理の選択メニューである炊飯、あたため、蒸し、煮炊などのメニュー項目表示部69と、このメニュー項目表示部69の下にタイマ選択キー70と、タイマ設定時間のアップ、ダウンキー71a、71bとが設けられている。
【0035】
しかし、これら選択する調理のメニュー、調理状態、調理の具体的な方法や制御はその目的に応じて設定し採用すればよい。なお、制御回路9は商用交流電源23からの給電を整流および変圧した電源電流によって駆動され、制御基板20、20は商用交流電源23からの給電をインバータ回路24によってインバータ制御した高周波電流を加熱コイル14に供給してこれを駆動するようにしている。
【0036】
ここで、調理には沸騰を伴う調理と、沸騰を伴わない調理とがある。沸騰を伴う調理は煮炊き調理で代表される。煮炊き調理は炊飯の他、煮立ち後そのまま、あるいは若干火力を落として内部までの熱の通りや味の必要域までのしみ込みを図るしばらくの時間を置いて調理を終えるような一般煮物調理、煮立ち後そのまま、あるいは若干火力を落として内部までの熱の通りや味のしみ込みを図るしばらくの時間を置いて、弱火による加熱に移行して、さらに味をしみ込ませ、また煮含めるおでんや、煮込みうどん、豆類の煮物、さらに煮詰める佃煮類、または、牛タンや豚のバラ肉、牛筋などの素材が柔らかくなるように煮込むといった、各種の煮込み調理などがある。いずれの場合も調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸すると調理は失敗するし、放置したままでは焦げ付きや水切れによる空焚き、赤熱といった危険状態になりかねない。一方、沸騰を伴う調理として、前記のほか、広義には湯沸しや蒸し調理などがあり、これらにおいても類似した失敗や危険がある。これらの場合の調理の失敗は一旦沸騰があって後の、沸騰温度を上回る異常温度に達してしまうことであり、この異常温度の継続または上昇が危険に繋がる。
【0037】
また、沸騰を伴わない調理には焼き物調理や揚げ物調理がある。焼き物調理は人がその場から離れて失敗しやすいものとして魚焼き調理がある。魚焼きはまた、途中で表裏を返して両面を首尾よく焼き上げる必要があるので、失敗の確率が倍加する。しかし、これに限らず各種の焼き物調理においても類似した失敗や危険がある。この場合沸騰状態がなく、しかも調理は表面に焼き目や焦げ目を付けるために水の沸騰温度を上回る高い温度で行われるもので、調理の失敗は沸騰温度を上回るのは勿論、煮物調理の場合の異常温度を上回る別の異常温度に達してしまうことであり、この異常温度の継続または上昇が危険に繋がる。
【0038】
揚げ物調理には天ぷらやフライ物などがある。これらは油を設定温度に保ち続けないと調理を失敗する。また、油の温度がなかなか上がらないので、その場を離れている間に適正温度とされる170℃〜180℃を超えて危険温度とされる360℃程度に達してしまうとか、使用後の油を凝固剤で凝固させて廃棄するのに、油の温度が低下していたり、冷めているときに凝固剤が溶ける温度にまで油温を上げようとしている間に、温度が上がり過ぎたりして危険状態になる。これらによる発火事故が現に報告されている。
【0039】
このように、各種調理には調理失敗の条件と危険な温度条件とがそれぞれに固有のものとして見られる。いずれにしても、調理の失敗は通常調理温度からの立ち上がりないしは立ち下がりとして捉えることができるし、危険な状態は通常調理温度からの異常な立ち上がりとして捉えることができる。
【0040】
煮物調理では図4(a)に見られるように、鍋1はほぼ直線状に昇温して沸騰温度100℃に達した後、これをほぼ維持しながら水切れ状態になって以降、焦げ付きを生じながら320℃程度にまで昇温して危険状態になり、給電を停止することで鍋1の温度が降温し始める。一方温度センサ8が検出する温度は鍋1の実温度に対し、やや時間遅れを持ったやや低い目の温度となっていて最高温度は280℃弱である。
【0041】
焼き物調理では図4(b)に見られるように、鍋1が170℃程度まで昇温したときに魚を入れて焼き始め、これ以降鍋1が入れた魚によって一旦100℃近くまで降温した後、鍋1は再度昇温して魚を焼き焦がしながら330℃程度まで達して焼き上がり状態になり、これを上回ると調理は失敗するし、危険状態になっていく。ここで、給電を停止すると鍋1の温度が降温し始める。一方、温度センサ8が検出する温度は鍋1の実温度に対し、やや時間遅れを持ったやや低い目の温度となっていて最高温度、つまり焼き上がり温度が280℃である。
【0042】
ここに、煮物調理、特に煮込み調理について好ましい調理条件の一例を示すと図5に示す通りである。煮汁が沸騰するまでの昇温工程は加熱コイル14に16/16のフル通電を行う。沸騰温度は温度センサ8の検出温度で96℃とするが、昇温特性が沸騰対応値になるか、これがある時間維持するか、あるいはある時間の間に数回検出するかで判定することもできる。また別に、この工程での昇温特性から沸騰に至るに必要な残り時間を演算し、その後残り時間が経過することによって沸騰時点を判定することもできる。いずれにしても沸騰の検出ないしは判定があって後、加熱コイル14の通電率を12/16に低下させて沸騰を維持する維持工程に移る。この工程を継続する時間は調理の目的、種類によって選択または判定したものとする。例えば、選択は調理者による直接の時間設定により行えるし、判定は調理者が設定した調理の種類や目的に対応して予め設定してあるテーブルなどに従って制御回路9によって自動的に時間を判定することにより行える。この維持工程では万一の空焚きを検出して通電を停止する異常防止温度として115℃を設定しておき、これが検出されると通電を停止する。維持工程を異常防止温度到達なしに必要時間行った後は保温に移行し、通電率をさらに3/16に低下させる。これにより、焦げ付きや極端な水分の発散なしに調理物を加温状態におき、そのまま、あるいは少しの温め作業後に喫食に供せるようにする。これにより手間が省けるし、一旦冷め切った調理物を必要温度まで再度加温することによる食味の低下を回避することができる。
【0043】
もっとも、佃煮のように煮詰める調理であれば、前記維持工程は焦げ付き無く水分を飛ばすさらに弱火による水分飛ばし工程に変わり、水切れと同時に調理は終了し、保温工程は設けないことにより対応する。
【0044】
また、魚焼き調理について調理条件の好ましい一例を示すと図6に示す通りである。鍋1を300℃程度に昇温させた時点で魚を入れて表焼きを開始し、鍋1の220℃程度への降温を見た後、280℃程度に達して表焼きを終了する。この時点で魚を裏返して裏焼きに移行する。ここでも鍋1の前記と同様な降温を見た後、鍋1の280℃への昇温を伴い焼き上がる。ここで、表焼きと裏焼きとで昇温特性が異なっていてそれぞれの必要調理時間t2とt3とに差がある。t1は鍋1の温度の初期立ち上がりに要する時間である。
【0045】
図7に、代表される煮物調理および焼き物調理双方での、調理を首尾よく遂行する通常調理状態と、調理を失敗し、危険への入り口となる異常状態とを模式図に示して比較してある。実線が煮込み調理で前記した115℃程度以上への昇温を異常状態としてあり、破線が焼き物調理で前記した適正焼き上がり温度280℃程度以上への昇温を異常状態としてある。
【0046】
なお、煮込み調理では鍋1の実温度で見て、沸騰下限温度と沸騰上限温度が示す沸騰温度域まで立ち上がって後、沸騰温度域に保つことによって煮込みが行われる。しかし、これが何らかの理由で放置されると水切れ状態に至ってしまい、短時間で煮物異常温度になり、加熱コイル14への通電を低下させるか停止して初めて鍋1が降温する。沸騰を煮込みほどに継続しない一般の煮物調理においても沸騰持続状態が短いだけで通常調理状態と異常状態との違いは共通している。
【0047】
焼き物調理では煮汁の沸騰がないので、鍋1の温度は前記沸騰温度域を短時間で通過する。ほとんどの場合破線で示すようにほぼ直線的な昇温状態で通過する。そこで、沸騰がないか、沸騰温度域を煮込み調理や煮物調理の場合よりも短い時間で通過することにより、制御回路9は焼き物調理であると判定し、沸騰が検出されるか、ある時間以上に沸騰状態が持続されると煮物調理ないしは煮込み調理と判定することができる。
【0048】
もっとも、維持工程での維持温度は沸騰温度に限られることはなく、人手によると、制御回路9の自動設定によるとを問わず、上回って設定しても、下回って設定してもよい。人手操作による場合の煮込み調理の設定または判定において、昇温工程で沸騰が検出された後、一定時間の間に加熱コイル14への通電が低下されなくても沸騰温度維持を図るモードではこれを検出温度から判断できないが、通電が低下されたかどうかを判定して低下されていないと煮込み段階への移行異常と判断してこれを警告し、またはおよび、自動的に通電を低下させて中途での調理異常が生じないようにすることもできる。このように調理異常を示す温度や時間、通電状態などをモニタして各種の調理異常に対応することができる。
【0049】
鍋1の温度を検出する温度センサ8は図1、図8に示すようにガラス製のトッププレート13の裏面に当てがって、その上の鍋1の温度を間接的な接触方式での熱伝導にて検出している。しかし、図9に示すようにトッププレート13の裏面に設けた凹部13a内に配置すると、凹部13aの深さ分だけ温度センサ8が鍋1に近づくので、鍋1の温度をより応答性よく、より正確に検出することができる。また、図10に示すようにトッププレート13の上面に温度センサ8のカバーとなり、あるいはカバーを兼ねるシリコンゴムシート13cなどを被せておき、トッププレート13に設けた穴13bを通じて温度センサ8をシリコンゴムシート13cの裏面に当てがうことによって、温度センサ8をさらに鍋1に近付けられる。もっとも、図11に示すように器体12の加熱コイル14、14およびヒータ114に載置される鍋1などの加熱調理体に対応して、それら鍋1等の温度を非接触に検出する赤外線などを利用した非接触型の温度センサ111を器体12の上面などに設けておいてもよく、接触型、非接触型双方の温度センサ8、111を併用してもよい。
【0050】
本実施例の誘導加熱調理器は、調理の失敗や危険を防止するために以下のような電磁誘導加熱調理方法を採用している。1つの例は、鍋1の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする。
【0051】
このように、検出される鍋1の温度が1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した例えば図7に示す115℃程度の異常防止温度に至ったかどうかで、調理が異常防止が必要な状態かどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な器体12側で自動的に行うことができる。特に、この異常防止の必要状態の検出に基づき加熱コイル14からの電磁誘導を低減または停止する異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、異常状態に至ってしまって焦げ付きなど調理を失敗したり、異常の継続や進行によって空焚きやそれによる赤熱などの危険な状態に至るのを未然に防止することができる。
【0052】
このような方法を達成するのに、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記のような誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される鍋1の温度が、設定されまたは判定した調理の種類とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した前記115℃程度の異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったとき加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段とを備えたもので足りる。
【0053】
また、別の例として、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理するのに、鍋1の温度を検出し、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度例えば100℃と異常防止判定温度例えば前記115℃程度との間に設定した焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃程度を保つように加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減して異常防止をする。
【0054】
このように、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した、沸騰温度例えば100℃を上回る異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったかどうかで、沸騰を伴う調理が沸騰を上回る異常防止の必要状態に達しているかどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な器体12の側で自動的に行うことができる。併せ、このような異常防止の必要状態の検出に基づいて沸騰温度例えば100℃と異常防止判定温度例えば115℃程度との間の焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃を保つように加熱コイル14からの電磁誘導を低減して異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、焦げ付きを防止する温度に保つ状態に自動的に移行して適正に調理を終えた調理物を、焦げ付かせない保証の基に加熱を停止して冷め切ってしまうようなことを防止し、調理者が気付いた時点で、出来立ての状態で喫食に供せるようにすることができる。焦げ付き防止温度は低いほど焦げ付きや水分の発散を抑えられ、高いほど調理完了温度近くに保てることになり、調理者が選択できれば好適である。
【0055】
このような方法を達成するために、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度例えば100℃を上回る異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったかどうかを判定する前記制御回路9の内部機能などである異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったことが判定されたとき沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃程度を保つように加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減して異常防止をする制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段とを備えたもので足りる。しかし、焦げ付き防止温度の選択手段を備えると好適である。
【0056】
焦げ付き防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度例えば60℃前後、70℃前後とすることもできる。このようにすると、異常防止の措置によって調理を終了してしまったり、沸騰温度を上回っていることによって残り水分が減少しやすい加熱状態に置くのでなく、沸騰温度を下回る60℃前後、70℃前後といった保温温度、好適には調理の種類に応じた、つまり残り水分の多少や焦げ付き易さなどを配慮した100℃未満の保温温度に保つことによって、調理者に代わって調理終了に伴う次の段階としての保温状態に自動的に移行させることになるので、調理を適正なタイミングで自動的に終わらせて調理者に調理を失敗させない上に、続く保温への自動移行にて適正に調理し終えた調理物を沸騰温度以下の保温状態に保って水分の減少を抑えながら、調理者が意識した時点で調理物をそのまま、あるいは少し加温するだけで喫食に供せるようにすることができる。
【0057】
また、他の例として、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理するのに、鍋1の温度を検出し、検出される温度情報から既述したようにして沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、検出される温度が沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度115℃程度に至ったときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度115℃程度よりも高い第2の異常防止判定温度例えば前記280℃程度以上に至ったときに加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする。
【0058】
このように、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度100℃を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。また、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは沸騰を伴わない調理での沸騰温度を上回った昇温時であって、沸騰を伴う調理を判定する基準になる沸騰温度はもとより、沸騰を伴う調理での第1の異常防止判定温度例えば115℃程度を上回る、焼き上がり温度が例えば280℃程度と高い温度設定にて行われる魚焼きの焼き物調理などに対応でき、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して明らかに高く設定される第2の異常防止判定温度例えば280℃程度以上に至ることによって、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止することができる。
【0059】
このような方法を達成するのに、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体としての鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される温度情報から沸騰を判定する制御回路9の内部機能などである沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度例えば280℃以上に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度例えば280℃程度以上が判定されたときに加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段とを備えたもので足りる。
【0060】
また、今1つの例では、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体である鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理するのに、鍋1の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度100℃を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に至ったとき、沸騰温度と第1の異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度例えば102℃〜110℃程度を保つように加熱コイル14からの前記電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に達したときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度例えば280℃以上に至ったとき、少なくとも対応する調理の完了温度よりも低く過剰な焼け焦げが生じない過剰焼け焦げ防止温度例えば115℃以下、好ましくは110℃以下に保って異常防止をする。
【0061】
このような構成により、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、焦げ付き防止温度を保つようにするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、焦げ付きを防止する程度の加熱を持続する異常防止の措置を取って対応しながら、適正に調理を終えた調理物が冷め切らないようにしておくことができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは既述した場合同様に沸騰を伴う調理でないことに対応して、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して高い第2の異常防止判定温度例えば対応する調理の完了温度に対応する290℃程度に至ったとき、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、過剰焼け焦げ防止温度に保つ異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいても、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止しながら、適正に調理した調理物が冷め切ってしまうようなことをなくし、調理者が気付いた時点で、そのまま、あるいは軽く加温して喫食に供せるようにすることができる。
【0062】
このような方法を達成するのに、通電した加熱コイル14からの電磁誘導により加熱調理体である鍋1を発熱させ、この鍋1の発熱にて被調理物2を加熱調理する上記誘導加熱調理器は、鍋1の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ8と、検出される温度情報から沸騰を判定する制御回路9の内部機能などである沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度例えば115℃程度に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能などである第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度例えば115℃よりも高い第2の異常防止判定温度例えば280℃以上に達したかどうかを判定する制御回路9の内部機能としての第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、焦げ付き防止温度を保つように加熱コイル14からの電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに調理完了温度例えば280℃よりも低い過剰焼け焦げ防止温度例えば115℃以下、好ましくは110℃以下を保つように加熱コイル14からの電磁誘導を低減して異常防止をする制御回路9の内部機能などとしての異常防止制御手段とを備えたもので足りる。
【0063】
沸騰を伴う調理が湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理であるように限っても、少なくとも調理を代表する煮炊き調理と焼き物調理の2つの調理を、調理者の判断を待たずに、失敗や危険なく首尾よく達成することができる。
【0064】
焦げ付き防止温度またはおよび過剰焼け焦げ防止温度は、調理物の量に応じて設定することにより、調理物の量の違いが熱の消費量の違いをもたらすので、調理物の量の多少に応じて焦げ付き防止温度またはおよび焼け焦げ防止温度を設定することによって、調理物の量によって加熱に過不足が生じ、目標通りに加温できなくなるのを防止することができる。
【0065】
焦げ付き防止温度またはおよび過剰焼け焦げ防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度、例えば90℃や80℃では、さらなる乾燥や残り水分の早期発散を防止して、しかも、調理物が冷め切ってしまうのを防止して、食味が低下したりしないで、調理者が意識したときにそのまま、あるいは少しの加温をして喫食に供せるようにすることができるので、より好適である。
【0066】
誘導加熱調理器において、検出される温度の昇温速度から調理量を判定する制御回路9の内部機能などである調理量判定手段を備え、制御回路9の内部機能などである異常防止制御手段が、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、保温温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定するようにすると、調理量に応じた必要温度の設定を自動的に行うことができ、人手によるような手間がいらないし、人の誤操作に基づく失敗を防止することができる。
【0067】
以下に具体的な制御例を示す。図12に示す例では、煮込み調理において沸騰検出まで昇温工程を調理者の設定または調理の種類設定に応じてした自動設定に応じた電力、通電率で実行し、沸騰が検出されると先の維持工程、つまり煮込み工程に移行する。この煮込み工程では調理者がした、または調理の種類に設定に応じて自動でした電力設定、つまり火力設定によって焦げ付きに対する許容度ないしは意図する調理の水切り度が異なることに対応するため焦げ付きを基準にした異常防止判定温度の設定を変える。具体的には200W未満の場合105℃、200W〜300W未満の場合108℃、300W以上では110℃に設定する。次いで加熱コイル14を設定電力にてオンして煮込み工程を実行し、設定した異常防止判定温度が検出されたとき加熱コイル14をオフして調理を終える。
【0068】
図13に示す例では、沸騰までの昇温工程を調理者の設定または調理の種類設定に応じてした自動設定に応じた電力、通電率で実行し、沸騰やある温度からある温度までの昇温に要する時間、あるいは昇温特性などを検出して調理量対応値とし、あるいは調理量に換算しておく。沸騰が検出されると先に検出している昇温時間ないしは調理量に対応するため焦げ付きを基準にした異常防止判定温度の設定を変える。具体的には昇温時間10分未満の場合105℃、10分〜15分未満の場合108℃、15分以上の場合110℃に設定する。次いで加熱コイル14を調理者の設定または調理の種類設定に応じてした自動設定に応じた電力、通電率で設定電力にてオンして煮込み工程を実行し、設定した異常防止判定温度が検出されたとき加熱コイル14をオフして調理を終える。
【0069】
図14、図15に2通りの異常防止判定温度検出の具体例を示している。図14の例では、調理の種類および段階に応じた加熱制御をして調理を進めながら、鍋1の底部に対応する接触型の温度センサ8の検出温度と鍋1の側面に対応する非接触型の温度センサ111の検出温度とを取り込み、双方の温度センサ8、111共に異常防止判定温度以上を検出していないとき、以上の制御を繰り返し、温度センサ8、111のいずれかが異常防止判定温度以上を検出しているときは加熱を停止する。
【0070】
図15の例では、調理の種類および段階に応じた加熱制御をして調理を進めながら、鍋1の底部に対応する接触型の温度センサ8の検出温度と鍋1の側面に対応する非接触型の温度センサ111の検出温度とを取り込み、双方の鍋1に対する温度検出位置が異なり、鍋1は発熱する底部の方が側面よりも温度が上り気味であるところ、水切れに近づくほどこの差が小さくなる傾向を示すので、温度センサ8の検出温度に対するセンサ温度111の検出温度の差が、異常防止が必要な時点に対応する異常防止判定値A以下であるかどうか判定し、以下でなければ初期からの制御を繰り返し、以下であれば加熱を停止して調理を終える。
【0071】
図16では、吹きこぼれを調理の異常として判定する具体例を示している。調理の種類や段階に応じた加熱制御を行って調理を進めながら、温度センサ8、111の検出温度を取り込むことを、温度センサ8が吹きこぼれの生じる調理温度、例えば沸騰温度100℃にするまで繰り返し、沸騰温度に到達すると温度センサ111の検出温度を2秒間隔にてA、B・・と取り込み、現在の検出温度Bから先の検出温度Aを差し引いた差が−5℃以下であるとき、吹きこぼれがあったと判定して加熱を停止する。
【0072】
以上において、異常防止時点である旨の検出を行なったとき、加熱停止に代えて、またはそれとともに音や擬似音による警告またはおよび文字やランプの点灯などによって表示を行なうと異常や危険の防止、あるいはそれを調理者に気付かせる上で好適である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の1つの特徴によれば、検出される加熱調理体の温度が1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止温度に至ったかどうかで、調理が異常防止が必要な状態かどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止の必要状態の検出に基づき加熱コイルからの電磁誘導を低減または停止する異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、異常状態に至ってしまって焦げ付きなど調理を失敗したり、異常の継続や進行によって空焚きやそれによる赤熱、発火などの危険な状態に至るのを未然に防止することができる。
【0074】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の別の特徴によれば、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかで、沸騰を伴う調理が沸騰を上回る異常防止の必要状態に達しているかどうかを判定するが、この判定は前記温度の検出が可能な誘導加熱調理器の器体側で自動的に行うことができ、このような異常防止の必要状態の検出に基づいて沸騰温度と異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止の措置をするので、調理者が調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、焦げ付きを防止する温度に保つ状態に自動的に移行して適正に調理を終えた調理物を、焦げ付かせない保証の基に加熱を停止して冷め切ってしまうようなことを防止し、調理者が気付いた時点で、出来上がり状態で喫食に供せるようにすることができる。
【0075】
焦げ付き防止温度が、沸騰温度よりも低い保温温度である、さらなる構成によれば、異常防止の措置によって加熱を終了してしまったり、沸騰温度を上回っていることによって残り水分が減少しやすい加熱状態に置くのでなく、沸騰温度を下回る保温温度、好適には調理の種類に応じた保温温度に保つことによって、調理者に代わって調理終了に伴う次の段階としての保温状態に自動的に移行させることになるので、調理を適正なタイミングで自動的に終わらせて調理者に調理を失敗させない上に、続く保温への自動移行にて適正に調理し終えた調理物を沸騰温度以下の保温状態に保って水分の減少を抑えながら、調理者が意識した時点で調理物をそのまま、あるいは少し加温するだけで喫食に供せるようにすることができる。
【0076】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の他の特徴によれば、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは沸騰を伴わない調理での沸騰温度を上回った昇温時であって、沸騰を伴う調理を判定する基準になる沸騰温度はもとより、沸騰を伴う調理での第1の異常防止判定温度を上回る焼き上がり温度例えば280℃程度となる焼き物調理などに対応でき、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して明らかに高く設定される例えば280℃程度以上の第2の異常防止判定温度に至ることによって、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が、沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止することができる。
【0077】
本発明の電磁誘導加熱調理方法の今1つの特徴によれば、沸騰の検出を条件に、従って沸騰まで至った調理である保証の基に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、焦げ付き防止温度を保つようにするので、沸騰を伴う調理であることに対応してそれに見合った沸騰後の異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、焦げ付きを防止する程度の加熱を持続する異常防止の措置を取って対応しながら、適正に調理を終えた調理物が冷め切らないようにしておくことができるし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは既述した場合同様に沸騰を伴う調理でないことに対応して、調理物に焼き目や焦げ目を与えながらもそれが過剰にならない程度の、沸騰温度および第1の異常防止判定温度に比して高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰を伴わない調理に見合った異常防止の必要時点を自動的に的確に判定し、対応する調理の完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保つ異常防止の措置を取ることができる。従って、調理者が沸騰を伴う調理と沸騰を伴わない調理とのいずれにおいて、調理の終了や次の段階への移行のタイミングを逸しても、調理を失敗したり、危険な状態になったりするのを防止しながら、適正に調理した調理物が冷め切ってしまうようなことをなくし、調理者が気付いた時点で、そのまま、あるいは軽く加温して喫食に供せるようにすることができる。
【0078】
沸騰を伴う調理は湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理である、さらなる構成によれば、少なくとも調理を代表する煮炊き調理と焼き物調理の2つの調理を、調理者の判断を待たずに、失敗や危険なく首尾よく達成することができる。
【0079】
沸騰の判定が、昇温特性が沸騰対応値以下を継続するか複数回到達することにより行う、さらなる構成によれば、沸騰温度は気圧との関係でその時々で変動するが、湯沸し、蒸し調理、煮炊きといった水の沸騰を伴う調理では、一旦沸騰するとこの状態が継続するので、沸騰に対応する昇温特性値が一定時間以上継続して、あるいは複数回検出することにより沸騰に至ったことを正確に判定することができる。
【0080】
焦げ付き防止温度またはおよび保温温度は、調理物の量に応じて設定する、さらなる構成によれば、調理物の量の違いが熱の消費量の違いをもたらすので、調理物の量の多少に応じて焦げ付き防止温度またはおよび保温温度を設定することによって、調理物の量によって加熱に過不足が生じ、目標通りに加温できなくなるのを防止することができる。
【0081】
検出される温度の昇温速度から調理量を判定する調理量判定手段を備え、異常防止制御手段は、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、保温温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定する、さらなる構成によれば、調理量に応じた必要温度の設定を自動的に行うことができ、人手によるような手間がいらないし、人の誤操作に基づく失敗を防止することができる。
【0082】
温度検出手段が、接触型またはおよび非接触型のものとすることができ、双方を併用することにより、互いの特徴を活かして、より誤差のない温度検出をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る誘導加熱調理器を実施形態で示す縦断側面図。
【図2】図1の調理器の制御ブロック図。
【図3】図1の調理器の操作パネルを示す正面図。
【図4】図1に示す調理器および鍋にて煮物調理と焼き物調理を行ったときの鍋およびセンサの温度変化を示し、(a)は煮物調理、(b)は焼き物調理である。
【図5】煮込み調理の場合の好ましい調理プログラム例を示すグラフである。
【図6】魚を両面焼きする焼き物調理の場合の好ましい調理プログラム例を示すグラフである。
【図7】図5と図6に示す煮込み調理と焼き物調理での異常防止判定原理例を比較して示すグラフである。
【図8】図1の調理器における接触型の温度センサの設置状態を示す断面図である。
【図9】図1、図8とは異なった温度センサの設置状態を示す断面図である。
【図10】温度センサのさらに別の設置状態を示す断面図である。
【図11】非接触型の温度センサの設置状態を示す斜視図である。
【図12】煮込み調理の場合の異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図13】煮込み調理の場合の別の異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図14】接触型および非接触型の各温度センサを用いた異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図15】接触型および非接触型の各温度センサを用いた他の異常防止判定例を示すフローチャートである。
【図16】接触型および非接触型の各温度センサを用いた吹きこぼれによる異常防止判定例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 鍋
2 被調理物
4 表示手段
6 操作手段
7 報知手段
8、111 温度センサ
9 制御回路
10 操作パネル
12 器体
14 加熱コイル
20 駆動・制御基板
Claims (15)
- 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する電磁誘導加熱調理方法において、
加熱調理体の温度を検出し、検出される温度が、1種以上の調理とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることを特徴とする電磁誘導加熱調理方法。 - 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する電磁誘導加熱調理方法において、
加熱調理体の温度を検出し、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をすることを特徴とする電磁誘導加熱調理方法。 - 焦げ付き防止温度は沸騰温度よりも低い保温温度である請求項2に記載の電磁誘導加熱調理方法。
- 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する電磁誘導加熱調理方法において、
加熱調理体の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をし、検出される温度が沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に至ったときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に至ったときに加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をすることを特徴とする電磁誘導加熱調理方法。 - 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する電磁誘導加熱調理方法において、
加熱調理体の温度を検出し、検出される温度情報から沸騰を検出した後に、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に至ったとき、沸騰温度と第1の異常防止判定温度との間の焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の検出なしに第1の異常防止判定温度に達したときは異常防止をせず、その後沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定した、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に至ったとき、調理完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度に保って異常防止をすることを特徴とする電磁誘導加熱調理方法。 - 沸騰を伴う調理は湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は、焼き物調理である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱調理方法。
- 沸騰の判定は、昇温特性が沸騰対応値以下を継続するか複数回到達することにより行う請求項4〜6のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱調理方法。
- 焦げ付き防止温度、過剰焼け焦げ防止温度、保温温度は、調理物の量に応じて設定する請求項2〜7のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱調理方法。
- 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、
加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される加熱調理体の温度が、設定されまたは判定した調理の種類とその調理状態に応じて設定しまたはおよび判定した異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったとき加熱コイルからの前記電磁誘導を低減または停止して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、
加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度が、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る異常防止判定温度に至ったかどうかを判定する異常防止判定手段と、異常防止温度に至ったことが判定されたとき沸騰温度と異常防止判定温度との間に設定した焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの前記電磁誘導を低減して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 通電した加熱コイルからの電磁誘導により加熱調理体を発熱させ、この加熱調理体の発熱にて被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器において、
加熱調理体の温度を検出する温度検出手段と、検出される温度情報から沸騰を判定する沸騰判定手段と、沸騰を伴う調理を対象に設定されたまたはおよび判定した異常防止が必要かどうかを判定するための、沸騰温度を上回る第1の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第1の異常防止判定手段と、沸騰を伴わない調理を対象に設定されまたは判定された異常防止が必要かどうかを判定するための、第1の異常防止判定温度よりも高い第2の異常防止判定温度に達したかどうかを判定する第2の異常防止判定手段と、沸騰の判定後に第1の異常防止温度が判定されたとき、焦げ付き防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止をし、沸騰の判定なしに第1の異常温度が判定されたときは異常防止をせず、その後第2の異常防止判定温度が判定されたときに調理完了温度よりも低い過剰焼け焦げ防止温度を保つように加熱コイルからの電磁誘導を低減して異常防止をする異常防止制御手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 焦げ付き防止温度または過剰焼け焦げ防止温度は沸騰温度よりも低い保温温度である請求項10、11のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
- 沸騰を伴う調理は湯沸し、蒸し調理、煮炊調理のうち少なくとも煮炊調理であり、沸騰を伴わない調理は焼き物調理である請求項9〜11のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
- 検出される温度の昇温速度から調理量を判定する調理量判定手段を備え、異常防止制御手段は、異常防止のための電磁誘導の低減度合、あるいは保つべき焦げ付き防止温度、焼け焦げ防止温度、またはおよび保温温度を、調理量に応じて設定する請求項9〜13のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
- 温度検出手段は、接触型またはおよび非接触型のものである請求項9〜14のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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