JPWO2009008245A1 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009008245A1
JPWO2009008245A1 JP2009522565A JP2009522565A JPWO2009008245A1 JP WO2009008245 A1 JPWO2009008245 A1 JP WO2009008245A1 JP 2009522565 A JP2009522565 A JP 2009522565A JP 2009522565 A JP2009522565 A JP 2009522565A JP WO2009008245 A1 JPWO2009008245 A1 JP WO2009008245A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
hydrolyzable silyl
silyl group
acrylic acid
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009522565A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5338664B2 (ja
Inventor
望月 克信
克信 望月
河合 道弘
道弘 河合
米田 耕太郎
耕太郎 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2009522565A priority Critical patent/JP5338664B2/ja
Publication of JPWO2009008245A1 publication Critical patent/JPWO2009008245A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5338664B2 publication Critical patent/JP5338664B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L43/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing boron, silicon, phosphorus, selenium, tellurium or a metal; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L43/04Homopolymers or copolymers of monomers containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/09Carboxylic acids; Metal salts thereof; Anhydrides thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2205/00Polymer mixtures characterised by other features
    • C08L2205/02Polymer mixtures characterised by other features containing two or more polymers of the same C08L -group
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2312/00Crosslinking
    • C08L2312/08Crosslinking by silane
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L71/02Polyalkylene oxides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

硬化性樹脂組成物は、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)とを含み、適宜、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)や、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)を含む。分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)が含まれることにより、製造から長期間経た後における硬化速度を、製造直後の硬化速度とさほど変わらないものとすることができる。

Description

本発明は、硬化遅延が低減された常温硬化可能な樹脂組成物に係り、特に高耐候性が求められるシーリング材、外装タイル用接着剤などに好適に用いられる硬化性樹脂組成物に関するものである。
室温硬化型の反応性基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物は、建築物のシーリング材や接着剤として利用されている。例えば、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体をベースとする硬化性組成物は、作業性が良好で、破断伸びや破断強度などの機械的物性のバランスが良く、建築用シーリング材として広く利用されている。かかる建築用シーリング材は、サイディング材や金属カーテンウォールなどの経時的に伸縮する部材の隙間に充填されるものであるため、高い破断伸びが求められる。また、長期にわたり性能を維持する耐久性、耐侯性も必要であり、これらの要求性能を満たすよう、これまでにもさまざまな検討がなされている。
従来、例えば加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体と加水分解性シリル基を有するビニル系重合体とを併用する技術がある(例えば、特許文献1等参照)。
また、加水分解性シリル基を有するビニル系重合体として、高温・高圧の連続塊状重合によって得られるものが、特に耐侯性に優れることが開示されたものもある(例えば、特許文献2等参照)。
さらに、反応性ケイ素基を有するビニル系重合体、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体およびアクリル成分を有する可塑剤からなる硬化性組成物が開示されたものもある(例えば、特許文献3等参照)。
特開昭59−122541号公報 特開2004−18748号公報 特開2004−2604号公報
しかしながら、上述した各技術のように、加水分解性シリル基を有するビニル系重合体を含有する硬化性組成物には、経時的に、硬化速度が遅くなる場合があった。すなわち、かかる硬化性組成物を密封状態で保存しておいたとしても、例えば1ヶ月、或いは半年といった長期間経過した後に使用に供しようとした場合には、製造直後に使用に供する場合に比べて、硬化が完了するのに要する時間が長くなってしまうおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、経時的な硬化速度の遅延が少ない硬化性組成物を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らが検討を重ねた結果、特定のカルボキシル基を有する化合物を含有させることで、硬化速度が経時的に安定なものとなることを見出し、本発明に至った。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、
分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)と
を含んでなる硬化性樹脂組成物。
尚、本明細書において、アクリル及びメタクリルを合わせて(メタ)アクリルともいう。
手段1によれば、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)がいわばベース樹脂として機能する。さらに、手段1の硬化性樹脂組成物中には、分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)が含まれている。これにより、製造から長期間経た後における硬化速度を、製造直後の硬化速度とさほど変わらないものとすることができる。
手段2.構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、
分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)と、
加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)と
を含んでなる硬化性樹脂組成物。
手段2によれば、手段1で述べた組成に加え、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)が含まれている。このため、当該加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)もベース樹脂として機能することとなる。
手段3.構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、
分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)と、
加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)と、
加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)とを含んでなる硬化性樹脂組成物。
手段3によれば、手段2で述べた組成に加え、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)が含まれている。このため、当該加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)が可塑剤として機能し、その存在により、耐候性の向上が図られる。
手段4.前記加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体が、150℃〜300℃の温度で重合されることで得られることを特徴とする手段3に記載の硬化性樹脂組成物。
手段4のように、比較的高温下で重合が行われることで、比較的短時間で、かつ、比較的均一な組成を有する前記加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)を得ることができる。
手段5.前記構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体が、150℃〜300℃の温度で重合されることで得られることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
手段5のように、比較的高温下で重合が行われることで、比較的短時間で、かつ、比較的均一な組成を有する前記構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)を得ることができる。
手段6.前記カルボキシル基を有する化合物(B)の分子量が、150以上であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
カルボキシル基を有する化合物(B)の分子量が比較的小さい場合には、特有の臭気によって作業者への悪影響が懸念される。この点、手段6によれば、前記カルボキシル基を有する化合物(B)の分子量が、150以上であり、特有の臭気が比較的生じにくい。そのため、作業者への悪影響等を懸念しなくて済む。
<加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)について>
本発明における、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、加水分解性シリル基を有するビニル単量体と、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な、(メタ)アクリル酸エステル以外のビニル単量体とを共重合することにより得られる。
加水分解性シリル基は、具体的には、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基およびジイソプロポキシメチルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシ基等のアルコキシシリル基が挙げられる。
アルコキシシリル基を有するビニル単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリエトキシシリルプロピルおよびアクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有アクリル酸エステル類、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリエトキシシリルプロピルおよびメタクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル等のシリル基含有メタクリル酸エステル類、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類、トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合性や、共重合体の柔軟性より、メトキシシリル基またはエトキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくは、メタクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸メチルジエトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリエトキシシリルプロピルである。これらのうち、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸脂肪族アルキル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチルおよび(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のヘテロ原子含有(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられるが、これらに限らない。
(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な、(メタ)アクリル酸エステル以外のビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン、α−オレフィン類、ビニルエステル類およびビニルエーテル類などのビニル単量体が挙げられる。
全単量体に含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体の割合は、全単量体を100質量部とした場合、50質量部以上になることが好ましい。50質量部より低い場合は、耐候性が悪くなるおそれがある。
全単量体に含まれるアルコキシシリル基を有するビニル単量体の割合は、全単量体を100質量部とした場合、0.1質量部〜50質量部になることが好ましい。0.1質量部未満であると硬化性が悪くなるおそれがあり、50質量部を超えると、伸び率などの引張物性が低下するおそれがある。より好ましくは、1質量部〜30質量部である。
構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)の分子量は、特に制限されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で、重量平均分子量が、1500〜100000になることが好ましい。1500未満では耐候性が悪くなり、100000を超えると、組成物が高粘度になり、塗布時に作業性が悪くなる。
また、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)は、任意の方法で、単量体を重合することにより得ることができる。具体的には、有機溶剤中での溶液重合、水性媒体中での懸濁重合や乳化重合や分散重合、非水系媒体中での分散重合、塊状重合などが挙げられる。また、溶液重合においては、リビングラジカル重合を用いてもよい。上記重合方法において、より好ましいのは、塊状重合である。重合温度としては、特に制限はないが、上記手段5でも述べたように、150℃〜300℃といった比較的高温下で行うことが好ましい。また、生産方式として、連続式とバッチ式があり、いずれを用いてもよいが、生産性の向上という観点からは、連続式の方が好ましい。
連続塊状重合法としては、特開昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報および特開昭60−215007号公報等に開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応機を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に設定した後、各単量体および必要に応じて重合溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応機へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法が挙げられる。また、単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その配合する場合の配合量としては、単量体混合物100質量部に対して0.001質量部〜2質量部であることが好ましい。
<カルボキシル基を有する化合物(B)>について
本発明における、分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。これらの化合物は、1種類または2種類以上を併用してもよい。これらのうち、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の分子量150未満の化合物は、上述したとおり特有の臭気がある。このため、臭気の比較的少ない分子量150以上の化合物が特に好適に用いられる。また、分子量が1000以上になると、硬化速度の安定性が損なわれてしまう。より好ましくは、分子量150以上500以下である。
カルボキシル基を有する化合物(B)の含有量は、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)と、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)との総和[但し、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)については、「0」の場合もありうる]100質量部に対し、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。化合物(B)の含有量が0.01質量部未満であると、経時的な硬化速度の安定化が図られにくくなることが懸念され、化合物(B)の配合量が10質量部を超える場合には、硬化物の伸び縮みが繰り返されることに起因する伸び率の低下が懸念される。上記伸び率の低下は硬化物のひび割れの原因となる。なお、前記ビニル重合体(A)等の100質量部に対する前記カルボキシル基を有する化合物(B)のより好ましい配合量は、0.1質量部以上1.0質量部以下であり、0.13質量部以上0.5質量部以下であることがより一層好ましい。
<加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)>について
本発明における、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)は、末端に加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン化合物の重合体を意味し、いわばベース樹脂として機能する。当該加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)は、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)だけでは、引張強度、伸び率などの引張物性が低い場合に好適に添加される。
加水分解性シリル基としては特に限定されないが、例えば、アルコキシシリル基が挙げられる。アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、メチルジメトキシエトキシシリル基が挙げられ、硬化速度と柔軟性のバランスの観点から、トリメトキシシリル基又はメチルジメトキシシリル基が好ましい。
オキシアルキレン化合物の重合体としては、以下のオキシアルキレン単位が複数個連なったポリオキシアルキレン骨格を含むものが例示される。
−(CH2)n−O−(nは1〜10の整数)
−CH2CH(CH3)−O−
−CH2CH(C25)−O−
−CH2C(CH32−O−
−CH2CH(CH=CH2)−O−
ポリオキシアルキレン重合体には上記の繰り返し単位を1種または2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、作業性に優れる点で、−CH2CH(CH3)−O−のポリオキシアルキレン単位を有する化合物が好ましい。
また、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体の1分子あたりの加水分解性シリル基の数は2〜4個が好ましい。4個を超えると得られる組成物が硬くなるおそれがあり、2個未満では得られる組成物の硬化が不十分になるおそれがある。
加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体の重量平均分子量は、GPCによるポリスチレン換算で2000〜50000であることが好ましい。重量平均分子量が2000未満では、シーリング材として用いたときの柔軟性が不足する場合があり、重量平均分子量が50000を超えると組成物の粘度が高くなるため、塗布時に作業性が低下する場合がある。
加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体の具体例としては、株式会社カネカ製 商品名「MSポリマーS202」、「MSポリマーS303」、「サイリルSAT200」、「サイリルSAT350」および「サイリルSAT30」、旭硝子株式会社製 商品名「エクセスターES2410」、「エクセスターES2410」および「エクセスターES3430]等が例示される。
オキシアルキレン重合体(C)の含有量は、特に限定されないが、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)との総和を100質量部とした場合、0質量部〜90質量部であることが好ましい。90質量部を超えると、耐候性が悪くなるおそれがある。
<加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)について>
本発明における、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)は、主に可塑剤として添加される場合がある。かかる(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)は、任意の方法で、(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合することにより得ることができる。具体的には、有機溶剤中での溶液重合、水性媒体中での懸濁重合や乳化重合や分散重合、非水系媒体中での分散重合、塊状重合などが挙げられる。また、溶液重合においては、リビングラジカル重合を用いてもよい。上記重合方法において、より好ましいのは、塊状重合である。重合温度としては、特に制限はないが、上記手段4でも述べたように、150℃〜300℃といった比較的高温下で行うことが好ましい。また、生産方式として、連続式とバッチ式があり、いずれを用いてもよいが、生産性の向上という観点からは、連続式の方が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシルおよび(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルおよび(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル等の(メタ)アクリル酸脂環式アルキル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン付加反応物等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチルおよび(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、3−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2―イル)−4−ヒドロキシフェネチルメタクリレート等のヘテロ原子含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのうちの1種類または2種類以上を重合してもよい。
また、(メタ)アクリル酸エステル以外の共重合可能な単量体を共重合させることも可能である。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−オレフィン類、ビニルエステル類およびビニルエーテル類などのビニル単量体が挙げられる。
全単量体に含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体の割合は、全単量体を100質量部とした場合、50質量部以上になることが好ましい。50質量部より低い場合は、耐候性が悪くなることが懸念される。
重量分子量としては、GPCによるポリスチレン換算で、1000〜20000が好ましい。1000より低くなると、耐候性が悪くなるおそれがあり、20000を超えると高粘度になり、組成物を塗布する場合に作業性が悪くなってしまうおそれがある。より好ましくは、1500〜8000、更に好ましくは、2000〜5000である。粘度としては、25℃において、10000mPa・s以下になることが好ましい。10000を超えると、組成物を塗布する場合に作業性が悪くなるおそれがある。
加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)、すなわち、アクリル系可塑剤としては、東亞合成株式会社製の「ARUFON UP−1000」、「UP−1010」、「UP−1020」、「UP−1060」、「UP−1080」、「UP−1110」、「UP−1180」、「UH−2000」、「UH−2130」等が例示される(「ARUFON」は東亞合成株式会社の登録商標である。)。
加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)の含有量は、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)との総和を100質量部としたとき、0質量部〜200質量部であることが好ましい、200質量部を超えると、引張強度が低下してしまうおそれがある。より好ましくは、10質量部〜100質量部である。
<その他>
本発明の硬化性組成物には、前記(A)〜(D)の各成分以外にも、可塑剤、充填剤、硬化触媒、密着性付与剤、脱水剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、チクソ性付与剤等が含まれてもよい。
可塑剤としては、前述のとおり可塑剤として機能する「加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)」の他に、ポリプロピレングリコール系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤などが挙げられる。ポリプロピレングリコール系可塑剤としては、重量平均分子量が1000〜50000のポリプロピレングリコールである市販品をそのまま使用することができる。好ましい重量平均分子量としては3000〜20000である。1000未満では耐候性が不十分となってしまうおそれがあり、50000を超えると粘度が高く、作業性が低下してしまうおそれがある。市販品としては、旭硝子株式会社製 商品名「プレミノール4010」、「プレミノール5005」、「プレミノール3010」、日本油脂株式会社製 商品名「ユニオールD4000」、「ユニオールTG4000」などが使用可能である。フタル酸エステル系可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソウンデカニルフタレート、ジウンデカニルフタレートなどが挙げられる。
充填材としては、平均粒径0.02μm〜2.0μm程度の軽質炭酸カルシウム、平均粒径1.0μm〜5.0μm程度の重質炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、合成ケイ酸、タルク、ゼオライト、マイカ、シリカ、焼成クレー、カオリン、ベントナイト、水酸化アルミニウムおよび硫酸バリウム、ガラスバルーン、シリカバルーン、ポリメタクリル酸メチルバルーン等が例示される。これら充填剤により、力学的性質の改善を図ったり、強度や伸度の向上を図ったりすることができる。これらの中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンを用いるのが好ましい。かかる充填材の添加量としては、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)との総和を100質量部としたとき、50質量部〜500質量部であることが好ましい。さらに好ましくは、75質量部〜300質量部である。充填材の量が少なすぎても多すぎてもシーリング材の力学的性質が損なわれてしまうおそれがある。
さらに、硬化触媒としては、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、スズジオクタノエート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジバーサテート、オクチル酸ビスマスなどが挙げられる。
また、密着性付与剤としてはアミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、メチルシラン類などが挙げられる。脱水剤としては、オルト蟻酸メチル、オルト酢酸メチル、ビニルシランなどが挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、蓚酸アニリド系化合物などが挙げられる。チクソ性付与剤としてはアマイドワックス系化合物、シリカ系化合物などが挙げられる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系化合物などが挙げられる。さらに、老化防止剤および有機溶剤を配合しても良い。
これら添加物の市販品として、紫外線吸収剤としては「チヌビン571」、「チヌビン1130」、「チヌビン327」(いずれもチバスペシャリティー製の商品名)が例示される。光安定剤としては、「チヌビン292」、「チヌビン144」、「チヌビン123」(いずれもチバスペシャリティー製の商品名)、「サノール770」(三共製の商品名)等が例示される。熱安定剤としては、「イルガノックス1135」、「イルガノックス1520」、「イルガノックス1330」(いずれもチバスペシャリティー製の商品名)が例示される。また、紫外線吸収剤/光安定剤/熱安定剤の混合物「チヌビンB75」(チバスペシャリティー製の商品名)を使用しても良い。
硬化触媒としては、「U28」、「U100」、「U200」、「U220H」、「U303」(いずれも日東化成株式会社製の商品名)、「SCAT−7」、「SCAT−46A」、「No918」(三共有機合成株式製の商品名)が例示される。
チクソ性付与剤としては、「ディスパロン3600N」、「ディスパロン3800」、「ディスパロン305」、「ディスパロン6500」(いずれも楠本化成株式会社製の商品名)が例示される。
以下に、合成例および実施例を挙げて具体的に説明する。
<構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)の合成例>
[合成例1]
還流冷却器のついた2Lフラスコに、酢酸ブチル(937.5g、100部)を入れ、オイルバスで内温を100℃に保ち、攪拌を行った。滴下ロートにて、アクリル酸n−ブチル(以下BAという)(664.5g、88.6部)、メタクリル酸メチル(以下MMAという)(75g、10部)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下、MSiという)(10.5g、1.4部)、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(303g、4部)の混合液を、4時間かけて滴下した。さらに100℃に保ちながら、2時間攪拌した。その後、反応液を、エバポレーターで、90℃、10mmHgの状態で、脱溶剤を行い、加水分解性シリル基を有する重合体(A1)を得た。
溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは9700、数平均分子量Mnは4800であった。
[合成例2]
電熱式ヒーターを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器のジャケット温度を201℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、メタクリル酸メチル(10部)、アクリル酸ブチル(85部)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(5部)、イソプロピルアルコール(以下、IPAという)(8部)、オルト酢酸トリメチル(以下、MOAという)(4部)、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(後記する「パーヘキシルD」)(0.2部)からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、ヒーターを制御することにより、反応器の内温を196℃〜198℃に保持した。単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して、加水分解性シリル基を有する重合体(A2)を得た。
GPC測定の結果、加水分解性シリル基を有する重合体(A2)の重量平均分子量Mwは6800、数平均分子量Mnは3200であった。
<上記とは別の、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)の合成例、及び、分子量1000以上のカルボキシル基を有する化合物(B′)の合成例>、
[合成例3,4,5]
温度制御および原料組成を表1のように変更する以外は、上記合成例2と同じ方法により、一部または全部が(メタ)アクリル酸エステルからなり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A3)、(A4)、及び、分子量1000以上のカルボキシル基を有する重合体(B′1;比較例)を得た。尚、表中各成分の数値はモル換算の部数として記されている。また、表中、「パーヘキシルD」とあるのは、日本油脂製のジターシャリーヘキシルパーオキサイドの商品名であり、「パーブチルD」とあるのは、日本油脂製のジターシャリーブチルパーオキサイドの商品名である。
Figure 2009008245
<試料調製及び評価>
次に、上述の合成例1,2,3,4で得た加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、合成例5で得た分子量1000以上のカルボキシル基を有する重合体(B′1)等を用いて、次述のとおり硬化性樹脂組成物を得た。そして、硬化速度に関する試験を行った。
より詳しくは、プラネタリーミキサーを用いて、表2及び表3に示すような組成で各成分を混合し、直ちにカートリッジに詰めて配合物(硬化性樹脂組成物)を得た。
そして、初期(配合直後)サンプルと、密封状態で50℃で1ヶ月間貯蔵したサンプルとについて、JIS・A−1439に基づいて、タックフリー試験(指触によりタックフリーと認められるまでに要する時間の測定)を行った。その結果を表2、表3に示す。
尚、表中、各成分の数値は[質量%]を表し、タックフリー時間の数値は[時間]を表す。また、表中、変性シリコーンとあるのは、本発明の加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)に相当するものであって、旭硝子製 商品名「エクセスターES2420」が用いられている。また、重合体(A1)〜(A4)は、上述の合成例1〜4で合成されたものであって、構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)に相当するものである。
また、重合体(B′1)は、上述の合成例5で合成されたものであって、分子量1000以上のカルボキシル基を有する重合体に相当するものである(比較例7参照)。
また、アクリル系可塑剤(D1)、(D2)とあるのは、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)に相当するものであって、アクリル系可塑剤(D1)としては、東亞合成製 商品名「ARUFON UP−1000」(重量平均分子量Mw=2800、25℃における粘度=1000mPa・s)が用いられ、アクリル系可塑剤(D2)としては、東亞合成製 商品名「ARUFON UP−1110」(重量平均分子量Mw=2400、25℃における粘度=3000mPa・s)が用いられている。また、ポリプロピレングリコールとしては、日本油脂製 商品名「D−2000」が用いられている。つまり、当該ポリプロピレングリコールが添加された実施例13及び比較例9は、アクリル系可塑剤(D1)又は(D2)が添加されていない例を示すものである。
また、炭酸カルシウム、酸化チタンは、充填剤に相当するものであって、炭酸カルシウムとしては、白石カルシウム製 商品名「白艶華CCR」が用いられ、酸化チタンとしては、石原産業製 商品名「タイペークCR−97」が用いられている。
また、密着性付与剤としては、東レ・ダウコーニング製 商品名「SH−6020」が用いられている。
また、硬化触媒αとしては、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成製 商品名「ネオスタンU220H」)が用いられ、硬化触媒βとしては、ジブチル錫ジアセテートが用いられ、硬化触媒γとしては、ジブチル錫ジラウレートが用いられている。
また、脱水剤としては、東レ・ダウコーニング製 商品名「SZ−6300」が用いられている。
また、ラウリン酸、酢酸、オレイン酸、水添ダイマー酸、オクタン酸は、それぞれ本発明の分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)に相当するものであって、特に、水添ダイマー酸としては、ユニケマ製 商品名「Pripol1009(分子量約560)が用いられている。
Figure 2009008245
Figure 2009008245
表2、表3に示すように、分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)が含まれている実施例1〜13に関しては、初期(配合直後)、密封状態で50℃で1ヶ月間貯蔵した場合とで、タックフリー時間(タックフリーと認められるまでに要する時間)にほとんど差はなかった。すなわち、本発明の構成を採用することで、長期間経過した後に使用に供しようとした場合でも、硬化速度の低下を招くことがなく、安定した硬化速度を維持できていることがわかる。
これに対し、分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)が含まれていない比較例1〜9に関しては、初期(配合直後)のサンプルと、密封状態で50℃で1ヶ月間貯蔵したサンプルとで、タックフリー時間に大きく差が生じてしまうことが明らかとなった。すなわち、長期保存した場合、タックフリー時間が長いもの、つまり、硬化速度が著しく遅くなってしまうことが明らかとなった。また、カルボキシル基を有する化合物が含まれていても、その分子量が1000を超えてしまうと、タックフリー時間に差が生じてしまった(比較例7参照)。

Claims (6)

  1. 構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、
    分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)と
    を含んでなる硬化性樹脂組成物。
  2. 構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、
    分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)と、
    加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)と
    を含んでなる硬化性樹脂組成物。
  3. 構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)と、
    分子量1000以下のカルボキシル基を有する化合物(B)と、
    加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(C)と、
    加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)とを含んでなる硬化性樹脂組成物。
  4. 前記加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体(D)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体が、150℃〜300℃の温度で重合されることで得られることを特徴とする請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記構成単量体単位の一部または全部が(メタ)アクリル酸エステル単位であり、かつ、加水分解性シリル基を有するビニル重合体(A)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体が、150℃〜300℃の温度で重合されることで得られることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記カルボキシル基を有する化合物(B)の分子量が、150以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
JP2009522565A 2007-07-12 2008-06-13 硬化性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP5338664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009522565A JP5338664B2 (ja) 2007-07-12 2008-06-13 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182817 2007-07-12
JP2007182817 2007-07-12
PCT/JP2008/060877 WO2009008245A1 (ja) 2007-07-12 2008-06-13 硬化性樹脂組成物
JP2009522565A JP5338664B2 (ja) 2007-07-12 2008-06-13 硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009008245A1 true JPWO2009008245A1 (ja) 2010-09-02
JP5338664B2 JP5338664B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=40228424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009522565A Expired - Fee Related JP5338664B2 (ja) 2007-07-12 2008-06-13 硬化性樹脂組成物

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP2180016B1 (ja)
JP (1) JP5338664B2 (ja)
WO (1) WO2009008245A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6531651B2 (ja) * 2013-12-04 2019-06-19 株式会社スリーボンド 湿気硬化性組成物
JP2016094499A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 東亞合成株式会社 ビニル系重合体及びその製造方法、並びに、硬化性組成物

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0233041B2 (ja) 1982-01-21 1990-07-25 Johnson & Son Inc S C Binirutanryotainorenzokukaijokyojugohooyobisonoseiseibutsu
US4529787A (en) 1982-06-15 1985-07-16 S. C. Johnson & Son, Inc. Bulk polymerization process for preparing high solids and uniform copolymers
JPS59122541A (ja) 1982-12-28 1984-07-16 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 硬化性組成物
US4546160A (en) 1984-02-29 1985-10-08 S. C. Johnson & Son, Inc. Bulk polymerization process for preparing high solids and uniform copolymers
JP2993059B2 (ja) * 1990-06-27 1999-12-20 大日本インキ化学工業株式会社 樹脂組成物
JP3078003B2 (ja) * 1990-08-30 2000-08-21 鐘淵化学工業株式会社 熱硬化性組成物
JP3021034B2 (ja) * 1990-11-30 2000-03-15 ナトコ株式会社 水性合成樹脂組成物
JP3448835B2 (ja) * 1994-09-09 2003-09-22 大日本インキ化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法
JPH0912906A (ja) * 1995-06-27 1997-01-14 Toagosei Co Ltd 硬化性エマルジョン組成物の製造方法
JP3684705B2 (ja) * 1995-10-25 2005-08-17 大日本インキ化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物
JP3415091B2 (ja) * 2000-02-10 2003-06-09 コニシ株式会社 シリコーン系コンタクト型接着剤
AU2001250648A1 (en) * 2000-04-28 2001-11-12 Toagosei Co., Ltd. Plasticizer
JP2004002604A (ja) 2001-04-19 2004-01-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 硬化性組成物
JP3880426B2 (ja) * 2002-03-27 2007-02-14 化薬アクゾ株式会社 アクリル樹脂の製造法
JP4834276B2 (ja) 2002-06-18 2011-12-14 東亞合成株式会社 高耐候性シーリング材組成物
JP3953995B2 (ja) * 2002-09-13 2007-08-08 セメダイン株式会社 1液型硬化性組成物
EP1550701B1 (en) * 2002-10-02 2014-06-25 Kaneka Corporation One-part curable composition
JP2004231758A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Shiseido Co Ltd 反応性シリル基含有共重合体及びこれを含有する組成物
JP2004307836A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Sekisui Chem Co Ltd 硬化性組成物、シーリング材及び接着剤、並びに目地構造体
JP4503939B2 (ja) * 2003-04-24 2010-07-14 コニシ株式会社 反応性ホットメルト接着剤組成物
WO2004099318A1 (ja) * 2003-05-12 2004-11-18 Kaneka Corporation 硬化性組成物
US20070203297A1 (en) * 2004-04-01 2007-08-30 Kaneka Corporation Curable Composition
WO2008059873A1 (fr) * 2006-11-16 2008-05-22 Toagosei Co., Ltd. Composition pour matériau d'étanchéité

Also Published As

Publication number Publication date
JP5338664B2 (ja) 2013-11-13
EP2180016A1 (en) 2010-04-28
EP2180016A4 (en) 2010-09-22
WO2009008245A1 (ja) 2009-01-15
EP2180016B1 (en) 2012-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4533842B2 (ja) 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法
JP5245541B2 (ja) 接着剤用硬化性組成物
JP5338664B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5228350B2 (ja) 湿気硬化性組成物、それを含有する接着剤組成物及びシーリング剤組成物
JP4277679B2 (ja) シーリング材組成物
JP5222467B2 (ja) 組成物
JP4905459B2 (ja) シーリング材組成物
JP4161864B2 (ja) シーリング材組成物
JPS5978222A (ja) 室温硬化性弾性組成物
JP5793491B2 (ja) 硬化性組成物
JP5177131B2 (ja) 湿気硬化性組成物、該組成物を含有する接着剤組成物及びシーリング剤組成物
CN111655796B (zh) 固化性树脂组合物
JP5003686B2 (ja) シーリング材組成物
JP5423672B2 (ja) 硬化性組成物
JP2014118502A (ja) シリル基含有ビニル重合体、及びこれを含む硬化性樹脂組成物
JP2005179559A (ja) シーリング材組成物
JPWO2009008242A1 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5484869B2 (ja) 硬化性組成物
JP6950818B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP4739457B2 (ja) 硬化性組成物
WO2010044367A1 (ja) 硬化性組成物
JP2005105041A (ja) エポキシ基を有する重合体を含有するシーリング材組成物
JP2004124092A (ja) 硬化性組成物
JP3686974B2 (ja) シリコーン系樹脂組成物及び該樹脂の製造方法
JP2012046698A (ja) 硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5338664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees