JP3686974B2 - シリコーン系樹脂組成物及び該樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン系樹脂組成物及び該樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応基として加水分解性ポリアルコキシリル基を有する液状ポリマーは、一般に変成シリコーンと呼ばれている(以下これを「変成シリコーン」という)。変成シリコーンに、硬化触媒、シランカップリング剤、無機充填材、粘性改良剤、更に必要に応じてエポキシ樹脂とその硬化剤等の他の液状樹脂を配合した樹脂組成物は、接着剤、シーラント、塗料、コーティング剤等に広く用いられている。特に接着剤・シーラントにおいては、1液使用で常温にて大気中の水分等で硬化する特性を与えることができ、硬化物が弾力に富む可撓性を発現すること、有機溶剤を用いることなく塗布作業可能な流動性を保つことから、安全且つ便利で使い易い1液常温湿気硬化型接着剤として、最近注目を浴びている。
【0003】
しかしながら、斯かる樹脂組成物は、硬化に長時間を必要とし、深部まで硬化するのにかなりの日数を要し、且つ、凝集力が不足する故に強固な接着強さを得ることができず、そのために上記のような優れた特性を持ちながら、広範な用途を得るための障害となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の変成シリコーンを用いた各種製品の難点である速硬化性及び深部硬化性が根本的に改良されれば、その有用性は飛躍的に向上する。とり分け無溶剤型の接着剤の一つとして、変成シリコーンを1液常温湿気硬化型として用いた場合、弾性接着という新しいコンセプトの下で、1液タイプで使用できる便利さと無溶剤型という安全性に加え、更に速硬化性及び深部まで硬化する特性(以下「深部硬化性」という)が加われば接着作業は飛躍的に向上し、厚塗りしても深部まで硬化が速やかに進行し、仮に外部から水分を供給し難い金属同士等の非多孔質同志の接着ですら可能となる。従来の変成シリコーン系製品は硬化に数時間を要することから、これを数10分、もし可能なら5〜10分で硬化に至らしめ、しかも深部硬化性において、1日程度で5割増近くまで硬化が進行すれば、その特性は飛躍的に改良したと言える。その場合、せっかくの弾性という新しいコンセプトに基づく特性を失わせることなく、接着強度をも向上させることができれば、接着に対する信頼性も益々高めることができる。
【0005】
本発明者は、変成シリコーンの構造的な変革に頼ることなく、量産され安定供給されている現状の変成シリコーンを、そのまま素材的に活用して、上記所望の特性を備えた変成シリコーンの開発を試みた。変成シリコーンはポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応基としてポリアルコキシシリル基を有するポリマーであり、今日まで様々な改質方法が提案されている。その中で変成シリコーン中で重合性ビニルモノマーを重合させる技術は、特公昭63−65086号公報、特公平2−44845号公報、特公平2−42367号公報、特公平2−35793号公報、特公平2−56066号公報、特公平2−52935号公報、特公平3−31726号公報、特開平7−238143号公報等に広く開示されている。これら公報に記載されている技術は、変成シリコーンのポリマー物性を向上させること、接着強度を向上させること、又は粘着剤のような感圧性能の付与、粘着から接着に移行する機能を付与させることが目的である。しかし速硬化性の付与や深部硬化性の改良といった、どのようにすれば硬化が促進されるかに関する提案は、上記各公報のいずれにも見当たらない。
【0006】
本発明者等は、この現状を鑑み、従来から提案された技術を再吟味し、速硬化性及び深部硬化性が大幅に改良されたシリコーン樹脂の開発に努める内、次のような事実を見い出した。即ち、変成シリコーン中でそのホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマー(以下これを「ハードモノマー」ということもある)を単独で重合させて得られる改質変成シリコーン及びそのホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマー(以下これを「ソフトモノマー」ということもある)をそれぞれ単独で重合させて得られる改質変成シリコーンは、そのいずれにおいても、これら改質変成シリコーンが配合された樹脂組成物の速硬化性や深部硬化性は、改質前の変成シリコーンが配合された樹脂組成物の速硬化性や深部硬化性に比べて、むしろ低下傾向を示した。ところが、ハードモノマーとソフトモノマーとを特定の割合で併用し、しかも得られる改質後の変成シリコーンの数平均分子量及び重量平均分子量/数平均分子量の比率(以下これを「分散度」という)をある特定の範囲内とする場合に限り、該改質変成シリコーンが配合された樹脂組成物は速硬化性と深部硬化性とが大幅に改善され、また斯かる変成シリコーンを接着剤として用いた場合、改質前の変成シリコーンに比し遥かに優れた接着強度を発現できた。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー中で、ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマー100重量部及びホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマー20〜150重量部の混合物を重合させて得られ、数平均分子量が5000〜30000の範囲にあり且つ重量平均分子量/数平均分子量比が2.0〜3.0の範囲にある変成シリコーンを含有するシリコーン系樹脂組成物が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー中で、ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマー100重量部及びホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマー20〜150重量部の混合物を重合させ、数平均分子量が5000〜30000の範囲にあり且つ重量平均分子量/数平均分子量比が2.0〜3.0の範囲にある変成シリコーンを得ることを特徴とする変成シリコーンの製造方法が提供される。
【0009】
本発明のシリコーン系樹脂組成物は、速硬化性と深部硬化性とが大幅に改善され、また一段と優れた接着強度が発現できるものである。そのため、本発明の樹脂組成物は、接着剤、シーラント等の分野で好適に使用され得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコーン系樹脂組成物に配合される変成シリコーンは、ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー中で、疎水性重合性モノマーを重合させて製造される。
【0011】
上記液状ポリマーは、ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を分子内に少なくとも1個以上有するものであり、このような液状ポリマーは、例えば特公昭45−36319号公報、特公昭46−12154号公報、特公昭49−32673号公報、特開昭50−156599号公報、特開昭51−73561号公報、特開昭54−6096号公報等に記載されている。
【0012】
ポリエーテル化合物としては、実質的にポリオキシアルキレン構造である化合物が、後述する疎水性重合性モノマーの重合体(以下「疎水性ポリマー」という)との相溶性並びに懸濁安定性に優れるので好ましく、特に実質的にポリオキシプロピレン構造のものがその特性に優れるため最も好ましい。
【0013】
分子内に少なくとも1個以上有するシリコーン反応性基であるポリアルコキシシリル基は、珪素原子に結合したアルコキシ数が1〜3個であって、アルコキシの炭素数が1〜4の範囲にあるものが用いられるが、大気中の湿気等による加水分解のし易さ及び液状ポリマーの貯蔵安定性の双方からアルコキシ数が2〜3個であって、アルコキシの炭素数が1であるトリメトキシシリル基及びアルキルジメトキシシリル基が好ましい。最も好ましくは、疎水性ポリマーとの相溶性や懸濁安定性が良好であるアルキルジメトキシシリル基の内、メチルジメトキシシリル基である。
【0014】
液状ポリマーの分子量としては、本発明の変成シリコーン(液状ポリマーと疎水性ポリマーとの混合物)の数平均分子量が5000〜30000の範囲にあることから、元のマトリックスに用いる液状ポリマーの数平均分子量もこの範囲のものを用いればよいが、本発明変成シリコーンの数平均分子量範囲の中央付近にある10000〜20000のものが、疎水性ポリマーとの相溶性及び懸濁安定性に優れるために好ましい。尚、本発明において、分子量の特定化はGPCによるRI法を用いて行われ、上記数平均分子量はポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0015】
本発明においては、主鎖構造が実質的にポリオキシプロピレン構造であって、シリコーン反応性基としてメチルジメトキシシリル基を分子内に2〜3個を有し、その数平均分子量が10000〜20000の範囲にある液状ポリマーが、湿気による加水分解のし易さ、疎水性ポリマーとの相溶性及び懸濁安定性とその疎水性ポリマーを含有した時の貯蔵安定性を得る上で最も好ましいものである。
【0016】
本発明においては、上記液状ポリマー中で、ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマー(ハードポリマー)100重量部及びホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマー(ソフトモノマー)20〜150重量部の混合物を重合させる。
【0017】
本発明に用いるハードモノマーとは液状ポリマー中でそのモノマー自身を単独重合させた場合、外観として懸濁分散状態となるもので、そのホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にあるものである。斯かるハードモノマーとしては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、テトラヒドロフランメタクリレート等のメタクリレート系モノマー、塩化ビニル、アクリロニトリル等を例示できる。これらハードモノマーは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0018】
一方、本発明に用いるソフトモノマーとは液状ポリマー中でそのモノマー自身を単独重合させた場合、外観として透明相溶状態にあるもので、そのホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にあるものである。斯かるソフトモノマーとしては、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアクリル系モノマー、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー等を例示できる。これらソフトモノマーは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0019】
これらハードモノマーとソフトモノマーを共重合させるに際し、ハードモノマーとしてスチレン、メタクリル酸メチル及びテトラヒドロフランメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種を選択し、またソフトモノマーとしてアルキル基の炭素数が2〜20の範囲にあるアクリル酸アルキルエステルを選択した場合、得られる改質変成シリコーンは、相溶性及び懸濁安定性が優れるため、50℃にて3ヶ月のように高温にて長期間保存しても増粘、分離等の経時変化も認められず、好ましい。特にハードモノマーとしてメタクリル酸メチル及びテトラヒドロフランメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種を選択し、ソフトモノマーとしてアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれた少なくとも1種を選択して得られる改質変成シリコーンは上記の効果に加え、接着強度等の接着性も格段に優れるため、最も好ましい。
【0020】
本発明においては、ハードモノマーとソフトモノマーとの使用割合は、前者100重量部当たり後者を20〜150重量部とする。ソフトモノマーが20重量部より少ない場合及び150重量部より多い場合のいずれにおいても、速硬化性や深部硬化性は改善されず、また得られる改質変成シリコーンが配合された樹脂組成物は接着強度が乏しくなり、所望の改質変成シリコーンを製造し得なくなる。本発明では、特にハードモノマー100重量部当たりソフトモノマーを30〜100重量部使用するのが好ましい。
【0021】
更に本発明では、液状ポリマー100重量部当たり、疎水性重合性モノマー(ハードモノマー及びソフトモノマー)を10〜100重量部配合することが必要である。この範囲を逸脱すると、速硬化性及び深部硬化性が改善された改質変成シリコーンが得られ難くなる。本発明では、液状ポリマー100重量部当たり、疎水性重合性モノマーを20〜50重量部配合することが望ましい。
【0022】
特定割合のハードモノマーとソフトモノマーとの混合物を液状ポリマー中で重合させるに当たっては、公知の方法を広く適用することができ、例えば特公昭63−65086号公報に示された方法で容易に行うことができる。その代表的な方法としては、変成シリコーンを予め釜に仕込み、重合性モノマー、開始剤、連鎖移動剤等の混合溶液又は分散液を連続滴下して重合していく方法が挙げられる。この重合は、通常の重合方法を選択して行えばよいが、簡便な方法としてはラジカル開始剤を用いる方法で、開始剤としてベンゾイルパーオキサイドのような過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、過硫酸塩等の公知のラジカル重合開始剤を用いればよい。この通常の方法において重合を行う場合、混合物の数平均分子量と分散度を調整するために連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の種類及び使用量としては、特に限定されるものではないが、一般的によく用いられるメルカプタン類、含ハロゲン化合物等の非シリコーン系化合物等が好ましい。連鎖移動剤においては、本発明の目指すところが無溶剤型接着剤であることから、揮発性の高いものよりも、揮発し難いラウリルメルカプタンのような長鎖アルキル系メルカプタン類等を、得られる改質変成シリコーンの分子量が本発明の分子量範囲となるように適量使用するのがよい。
【0023】
上記ハードモノマー、ソフトモノマー、開始剤及び連鎖移動剤にシリコーン反応性基が含有されていると、得られる改質変成シリコーンの速硬化性や深部硬化性が低下する傾向になる。従って、本発明で使用されるハードモノマー、ソフトモノマー、開始剤及び連鎖移動剤には、シリコーン反応性基が含有されていないのが望ましい。
【0024】
また、上記の重合方法では、液状ポリマー中でそのまま疎水性重合性モノマーを付加重合させればよいので、無溶剤型接着剤等にするために有機溶剤を除去する必要がなく、しかも液状ポリマー中で疎水性重合性モノマーの重合体が形成される時の重合熱によって相溶化と懸濁化の両方を促進できるため、上記方法は優れた方法といえる。
【0025】
これら疎水性重合性モノマーであるハードモノマーとソフトモノマーは、重合初期から混合して用いる方法と、どちらか一方のモノマーを先に重合させた途中に、他方のモノマーを重合させる段階的な方法とがあるが、重合初期からハードモノマー及びソフトモノマーを混合して共重合させた方が、ソフトモノマーとハードモノマーの連結した共重合ポリマーが多く形成されるため、段階的な重合方法に比べて透明感を与え、初期タックが増強され、速硬化性が一層向上するため、好ましい。
【0026】
上記で得られる改質変成シリコーンは、数平均分子量が5000〜30000の範囲にあり且つ分散度が2.0〜3.0の範囲にあるものである。改質変成シリコーンの数平均分子量が5000より小さくなると、低粘度とはなるが、凝集力の低下により接着強度が低下すると共に、目指す速硬化性も得られなくなる。また、数平均分子量が30000より大きくなると、高粘度で液状を保つことが難しくなり、速硬化性は幾分向上するものの、深部硬化性は改質前の変成シリコーンと同程度に過ぎない。更に分散度が2.0より小さいと、初期タックが低下するため初期接着の立ち上がりが遅れ、逆に分散度が3.0より大きくなると、深部硬化性が低下し、いずれの場合も不都合が生ずる。本発明の改質変成シリコーンは、数平均分子量が10000〜20000の範囲にあり且つ分散度が2.0〜2.5の範囲にあるものが好ましい。
【0027】
本発明のシリコーン系樹脂組成物は、上記変成シリコーンを含有するものである。本発明においては、上記重合方法で得られた改質変成シリコーンを含む組成物をそのまま本発明の樹脂組成物として使用することができる。本発明のシリコーン系樹脂組成物100重量部中には、上記変成シリコーンが通常約90〜100重量部、好ましくは95〜99重量部含有されているのがよい。
【0028】
本発明のシリコーン系樹脂組成物には、湿気との硬化を促進させるために硬化触媒を配合することができる。硬化触媒としては、従来公知のシラノール縮合触媒(硬化触媒)を広く使用することができる。その具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン系エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ラウリン酸スズ、フェルザチック酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズコードオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート、アルミニウムトリアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ナフテン酸鉄;ビスマス−トリス(ネオデカノエート)、ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)等のビスマス化合物を例示できる。これら触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。更にラウリルアミンのような公知のアミン系触媒を使用してもよい。硬化触媒の配合量としては、特に限定されるものではないが、本発明のシリコーン系樹脂組成物100重量部中に通常0.1〜10重量部程度配合するのがよい。
【0029】
また、本発明のシリコーン系樹脂組成物には、接着性、貯蔵安定性の改良のため、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を配合することができる。シランカップリング剤の配合量としては、特に限定されるものではないが、本発明のシリコーン系樹脂組成物100重量部中に通常0.1〜15重量部程度配合するのがよい。
【0030】
本発明のシリコーン系樹脂組成物には、更に必要に応じて充填材、可塑剤、粘性改良剤、その他添加剤等が配合され得る。
【0031】
充填材としては公知の充填材が使用でき、具体的にはフュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラックのような充填材、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油及びガラスバルーン等の充填材、石綿、ガラス繊維及びフィラメント等の繊維状充填材が使用できる。
【0032】
可塑剤としては、公知の可塑剤が使用でき、具体的にはフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン等が単独又は2種以上の混合物で使用できる。また、ポリオキシプロピレンモノオール、ポリオキシプロピレンジオール及びその末端変性物等も使用しうる。末端変性物には、例えば、末端水酸基をアルコキシ基、アルケニルオキシ基に変性した化合物やウレタン結合、エステル結合、尿素結合又はカーボネート結合を介して炭化水素基で封鎖された化合物等が挙げられる。
【0033】
粘性改良剤としては、例えばアマイドワックス等の脂肪酸アミド化物が挙げられる。
【0034】
更に、その他添加剤としては、例えば顔料、各種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が使用できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明をより一層明らかにする。尚、以下において、「部」とあるのは「重量部」、「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0036】
まず変成シリコーンの合成例を掲げる。
【0037】
参考例1
主鎖構造がポリオキシプロピレンで分子内にシリコーン反応基としてメチルジメトキシシリル基を3個程度有する市販の変成シリコーン(カネカMSポリマーS303、設計分子量10000、粘度 200Pa・s/23℃、鐘淵化学工業製)をGPC(RI計、ポリスチレンゲル100Å、500Å、103Å、104Å(4本直列)、溶出溶剤テトラヒドロフラン、流量1.0ml/分、カラム温度40℃、ウォータズリミテッド製)にて分子量測定したところ、ポリスチレン換算で数平均分子量(以下「Mn」と略記)=13000、重量平均分子量(以下「Mw」と略記)=22000、分散度(Mw/Mn)=1.69、水分50ppm、蒸発残分99.5%、吸水量 140mg/100gであった。尚、蒸発残分の測定はアルミ皿にそれぞれの変成シリコーンを1g程度を精秤し、150℃にて1時間放置後の残量から算出した。吸水量はプリンカップにそれぞれの変成シリコーンを約100gを精秤し、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置後の増量分を吸水量とした。この変成シリコーンを「変成シリコーンA」と表記する。
【0038】
実施例1
攪拌機、滴下ロート、還流管、温度計、窒素気流装置、減圧装置を備えた2リットルの四ツ口セパラブルフラスコに変成シリコーンAを1000部仕込み、窒素気流下で攪拌しながら90℃に調温した。予めハードモノマーとしてメタクリル酸メチル(以下「MMA」と略記)200部及びソフトモノマーとしてアクリル酸ブチル(以下「BA」と略記)200部の混合液に、開始剤としてアソビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と略記)4部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン(以下「LM」と略記)6部を添加して溶解させた重合性モノマー混合液を滴下ロートに移し、反応温度90〜100℃にて3時間を要して滴下し、ラジカル重合を行った。更に未反応モノマーを削減するために100℃にて3時間熟成を行い、未反応モノマーを除去するため同温にて10〜20mmHgにて1時間減圧蒸留を行った後、冷却して取り出して本発明の変成シリコーン樹脂組成物を得た。この混合物は外観上僅かに乳濁した粘稠液で、粘度430Pa・s/23℃、蒸発残分98.8%、水分量40ppm、吸水量80mg/100gであった。また参考例1と同様にGPCによる分子量測定を行ったところ、Mn=15000、分散度=2.20であった。この組成物を「変成シリコーンB」と表記する。
【0039】
実施例2
実施例1と同様の方法で、ハードモノマーとソフトモノマーの組み合せ量のみ変えて、変成シリコーンAをマトリックスとしたラジカル重合を行った。即ち、実施例1と異なったところはMMA300部に対しBA100部の混合モノマーを使用し、開始剤量、連鎖移動剤量及びマトリックスに対する混合モノマー総量は実施例1と同じである。実施例1と同様の操作・方法で得た本発明の変成シリコーン樹脂組成物の外観は、実施例1より明らかに白度が高い粘稠液で、粘度480Pa・s/23℃、蒸発残分98.5%、水分量50ppm、吸水量80mg/100gであった。また参考例1と同様にGPCによる分子量測定を行ったところ、Mn=15000、分散度=2.24であった。この組成物を「変成シリコーンC」と表記する。
【0040】
比較例1
実施例1と同様の方法で、ハードモノマーとソフトモノマーの組み合せ量のみ変えて、変成シリコーンAをマトリックスとしたラジカル重合を行った。即ち、実施例1と異なったところはMMA350部に対しBA50部の混合モノマーを使用し、開始剤量、連鎖移動剤量及びマトリックスに対する混合モノマー総量は実施例1と同じである。実施例1と同様の操作・方法で得たこの変成シリコーン樹脂組成物の外観は、実施例1より明らかに白度が高い粘稠液で、粘度630Pa・s/23℃、蒸発残分 98.5%、水分量50ppm、吸水量90mg/100gであった。また参考例1と同様にGPCによる分子量測定を行ったところ、Mn=16000、分散度=2.38であった。この組成物を「変成シリコーンD」と表記する。
【0041】
比較例2
実施例1と同様の方法で、ハードモノマーとソフトモノマーの組み合せ量のみ変えて、変成シリコーンAをマトリックスとしたラジカル重合を行った。即ち、実施例1と異なったところはMMA100部に対しBA300部の混合モノマーを使用し、開始剤量、連鎖移動剤量及びマトリックスに対する混合モノマー総量は実施例1と同じである。実施例1と同様の操作・方法で得たこの変成シリコーン樹脂組成物の外観は、僅かに乳濁した粘稠液で、粘度220Pa・s/23℃、蒸発残分98.6%、水分量40ppm、吸水量70mg/100gであった。また参考例1と同様にGPCによる分子量測定を行ったところ、Mn=18000、分散度=2.35であった。この組成物を「変成シリコーンE」と表記する。
【0042】
比較例3
実施例1と同様の方法で、重合度調節剤である連鎖移動剤の量のみを変えて、変成シリコーンAをマトリックスとしたラジカル重合を行った。即ち、実施例1と異なったところは、ラウリルメルカプタン量を0.5部としたことで、混合モノマー比とその総量、開始剤量は実施例1と同じである。実施例1と同様の操作・方法で得たこの変成シリコーン樹脂組成物の外観は、実施例1と同程度の乳濁状態であったが、更に粘稠で、粘度1300Pa・s/23℃、蒸発残分99.0%、水分量40ppm、吸水量75mg/100gであった。また参考例1と同様にGPCによる分子量測定を行ったところ、Mn=45000、分散度=3.14であった。この組成物を「変成シリコーンF」と表記する。
【0043】
比較例4
実施例1と同様の方法で、重合調節剤である連鎖移動剤の量のみを変えて、変成シリコーンAをマトリックスとしたラジカル重合を行った。即ち、実施例1と異なったところは、ラウリルメルカプタン量を20部としたことで、混合モノマー比とその総量、開始剤量は実施例1と同じである。実施例1と同様の操作・方法で得たこの変成シリコーン樹脂組成物の外観は透明な粘稠液となり粘度180Pa・s/23℃、蒸発残分97.3%、水分量50ppm、吸水量60mg/100gであった。また参考例1と同様にGPCによる分子量測定を行ったところ、Mn=4000、分散度=1.86であった。この組成物を「変成シリコーンG」と表記する。
【0044】
参考例1、実施例1〜2及び比較例1〜4の配合、性状並びに分子量の測定結果をまとめて表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
以上の結果から、親水性の高い変成シリコーンA(参考例1)の吸水量に比べ、疎水性モノマーを重合した変成シリコーンB(実施例1)、変成シリコーンC(実施例2)、変成シリコーンD(比較例1)、変成シリコーンE(比較例2)、変成シリコーンF(比較例3)及び変成シリコーンG(比較例4)は、いずれも吸水量が同程度に低下していることが判った。
【0047】
上記の方法で得た変成シリコーンを用い、2リットルのプラネタリーミクサー(井上製作所製)を用いて、それぞれの変成シリコーンA〜G1000部当り、加熱乾燥により水分を除去した重質炭酸カルシウム300部、硬化触媒(ジブチルスズジラウリレート)50部、接着性付与剤としてアミノシラン(N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20部、希釈剤としてジオクチルアジペート50部を配合して、それぞれの接着剤を得た。尚、例えば変成シリコーンBを用いた接着剤は変成シリコーン接着剤Bと表記し、変成シリコーンA〜Gと変成シリコーン接着剤A〜Gは対応するものとする。
【0048】
これらの接着剤を用い、下記に示す方法でそれぞれの効果を確認した。
【0049】
(i)固着時間の測定:
23℃、相対湿度50%の雰囲気にて300mm角(厚み3mm)のアルミ板に、25mm角(厚み10mm)に切り出した木片(アサダ材)の平面にそれぞれの接着剤を、接着層の厚みが0.2mm程度になるように塗布し、その木片をアルミ板上に圧着させて、どの程度の時間で固着できるかを測定した。尚、測定は2分毎に行い、指で動かして容易に動かなくなった時間を固着時間とした。
【0050】
(ii)初期接着強さの立ち上り時間の測定:
23℃、相対湿度50%の雰囲気にて300mm角の合板に、それぞれの接着剤をバーコーターにて厚みが0.1mm程度となるように塗布し、直ちにコロナ放電処理したポリエステル透明フィルム(厚さ50μ)をラミネートしてゴムロールで圧着し、そのフィルムに25mm巾の切り込みを入れて、ばね秤りを用いて時間の経過と共に、その剥離強さを測定した。その剥離強さは中央部付近の中央値を読み取った。尚、最大強さが2kg・fを超えた時を終点とし、その時間を記録した。
【0051】
(iii)30分後の引張り剪断接着強さの測定:
23℃、相対湿度50%の雰囲気にて長さ100mm、巾25mm巾、厚み5mmのアサダ材(木材)同士を用い接着面積が25mm×25mmで、接着層が0.2mm程度となるように各接着剤を片面塗布し、直ちに重ね合わせて密着させ、30分間放置し、その引張り剪断接着強さを測定した。測定時の引張り速度は5mm/分とし、試験片個数は5個で、それぞれの最大接着強さの平均値を接着強さとした。試験機器はオートグラフAG5000(島津製作所製)を用いた(単位N/cm2)。
(iv)深部硬化性の測定:
23℃、相対湿度50%の雰囲気で50ccのPP製プリンカップに、それぞれの接着剤を山盛りになるように配合した後、パテナイフで表面を均質になるように掻き取り、試験体とした。この試験体を24時間後に表層の硬化部を皮を剥ぐようにめくり取り未硬化の付着部分をよく拭き取ったものの厚みをノギスで5点測定し、その平均値を深部硬化度とした(単位mm)。
【0052】
(v)内部硬化性の判断のための引張り剪断接着強さの測定:
23℃、相対湿度50%の雰囲気にて巾25mm、長さ100mm、厚み3mmのアルミニウム板同士を用い、接着面積が25mm×25mmで、スペーサーを用いて接着層が5mmの厚みになるように厚塗りした後、直ちに片方のアルミニウム板を重ねて密着させ、同条件で7日間放置後、その引張り剪断接着強さの測定と内部の硬化状態の程度を観察した。測定時の引張速度は5mm/分とし、試験片個数は5個で、それぞれの最大接着強さの平均値を接着強さとし、中央に未硬化状態の部分があれば、それぞれの未硬化面積の平均値を表記した。但し、既に硬化状態が得られておれば完全硬化と表記した。試験機器はオートグラフAG5000(島津製作所製)を用いた(単位N/cm2、硬化状態は目視で未硬化状態の面積%を割り出し、その平均で表記)。
【0053】
(vi)各種材料による引張り剪断接着強さの測定:
23℃、相対湿度50%の雰囲気にて巾25mm、長さ100mm、厚み3mmのアルミニウム板(「アルミ」と表記)、硬質ポリ塩化ビニル板(PVCと表記)、ポリカーボネート板(「ポリカ」と表記)同士の接着を行った。接着面積は25mm×25mmで、接着層が0.2mm程度となるように各接着剤を片面に塗布し、塗布後30秒ほどで片方の試験片を重ね合わせて密着させ、同条件で7日間放置後、引張り剪断接着強さを測定した。測定時の引張り速度は5mm/分とし、試験片個数は5個で、それぞれの最大接着強さの平均値を接着強さとした。試験機器はオートグラフAG5000(島津製作所製)を用いた(単位N/cm2)。
【0054】
【表2】
【0055】
このように実施例1及び実施例2で得られた変成シリコーンを含有する接着剤は、マトリックスに用いた変成シリコーン(参考例1)及び比較例1〜4の変成シリコーンを含有する各々の接着剤のいずれに比べても初期接着強さの発現が速く、且つ深部及び内部まで硬化が進んでおり、各種材料による接着強さも優れていた。
【0056】
実施例3
実施例1と同様の方法で、ハードモノマーを先に重合し、引き続きソフトモノマーを重合した。即ち変成シリコーンAを1000部仕込み、ハードモノマーとしてMMA200部、AIBN2部及びLM3部からなるモノマー混合液を反応温度90〜100℃で1時間30分を要して滴下し、すぐに予め用意していたソフトモノマーとしてBA200部、AIBN2部及びLM3部からなるモノマー混合液を同温、同時間でラジカル重合を行い、実施例1と同様の方法で熟成、減圧蒸留、冷却を行い取り出した。この混合物は実施例1とより少し白度の高い粘稠液で、粘度470Pa・s/23℃、蒸発残分98.6%、水分量50ppm、吸水量75mg/100gであった。また参考例1と同様の方法で分子量測定を行ったところ、Mn=13000、分散度=2.15であった。
【0057】
この組成物を「変成シリコーンH」とし、上記と同様の方法で硬化触媒等を配合した接着剤を「変成シリコーン接着剤H」と表記する。
【0058】
実施例4
実施例1と同様の方法で、ソフトモノマーを先に重合し、引き続きハードモノマーを重合した。実施例3と異なるところはハードモノマーとソフトモノマーの滴下順を変えたことのみで、実施例3と同様の方法で、実施例1より少し透明度の高い粘稠液で、粘度 560Pa・s/23℃、蒸発残分99.2%、水分量50ppm、吸水量60mg/100gであった。また参考例1と同様の方法で分子量測定を行ったところ、Mn=18000、分散度=2.45であった。
【0059】
この組成物を「変成シリコーンI」とし、上記と同様の方法で硬化触媒等を配合した接着剤を「変成シリコーン接着剤I」と表記する。
【0060】
尚、これら実施例3及び実施例4に実施例1を加えて、重合方法の違い、性状並びに分子量の測定結果を判りやすくするため、下記表3にまとめて示す。
【0061】
【表3】
【0062】
次いでそれぞれの変成シリコーンを接着剤に加工した変成シリコーン接着剤Hと変成シリコーン接着剤Jを変成シリコーン接着剤Bに比較する形で、上記と同様の試験を行った。結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
Claims (8)
- ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー中で、ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマー100重量部及びホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマー20〜150重量部の混合物を重合させて得られ、数平均分子量が5000〜30000の範囲にあり且つ重量平均分子量/数平均分子量比が2.0〜3.0の範囲にある変成シリコーンを含有するシリコーン系樹脂組成物。
- ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー100重量部当たりの疎水性重合性モノマーの配合量が、疎水性重合モノマー総量で10〜100重量部である請求項1記載の変成シリコーン系樹脂組成物。
- ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマーがスチレン、メタクリル酸メチル及びテトラヒドロフランメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、ホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマーがアルキル基の炭素数が2〜20の範囲にあるアクリル酸アルキルエステルである請求項1又は請求項2に記載の変成シリコーン系樹脂組成物。
- ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー中で、ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマー100重量部及びホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマー20〜150重量部の混合物を重合させ、数平均分子量が5000〜30000の範囲にあり且つ重量平均分子量/数平均分子量比が2.0〜3.0の範囲にある変成シリコーンを得ることを特徴とする変成シリコーンの製造方法。
- ポリエーテル化合物を主鎖とし、シリコーン反応性基として加水分解性ポリアルコキシシリル基を有する液状ポリマー100重量部当たり、疎水性重合性モノマーを、疎水性重合モノマー総量で10〜100重量部配合する請求項4記載の変成シリコーンの製造方法。
- ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマーがスチレン、メタクリル酸メチル及びテトラヒドロフランメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、ホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマーがアルキル基の炭素数が2〜20の範囲にあるアクリル酸アルキルエステルである請求項4又は請求項5に記載の変成シリコーンの製造方法。
- ホモポリマーのガラス転位温度が50〜150℃の範囲にある疎水性重合性モノマーとホモポリマーのガラス転位温度が−100〜10℃の範囲にある疎水性重合性モノマーとを重合初期に混合して重合を行うことを特徴とする請求項4に記載の変成シリコーンの製造方法。
- 重合を行うに際し、反応系内にシリコーン反応性基を有さない、重合性モノマー、開始剤及び重合度調節剤を存在させる請求項4に記載の変成シリコーンの製造方法。
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