JPWO2006078023A1 - バイオマス固形物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

(要約)(課題) 石炭コークスの代替燃料並びにマテリアル素材としても利用可能であるバイオマス固形物及びその製造方法の提供。(解決手段) 光合成に起因するバイオマス原料を加熱・加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物であって、最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであるバイオマス固形物、並びに光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程と、粉砕された原料を筒に充填する工程と、原料が充填された筒にピストンを装填する工程と、原料を加熱すると共にピストンで加圧成形する工程と、加熱・加圧を一定時間維持して半炭化前或いは半炭化固形物を得る工程と、半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持して冷却する工程と、冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備え、筒内径とピストン外径とが略同一であるバイオマス固形物の製造方法。(選択図) 図2

Description

本発明は、バイオマス固形物及びその製造方法に関し、より詳しくは、石炭コークスの代替燃料並びにマテリアル素材としても利用可能であるバイオマス固形物及びその製造方法に関する。
尚、本発明における最高圧縮強度(MPa)とは、木材の圧縮試験法(JISZ2111)の規格に基づく硬度の度合いを示している。
近年、地球環境問題は、より一層深刻なものになっており、先の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において採択された京都議定書による温室効果ガスの削減や、将来的に予測されている化石燃料の枯渇を見据え、一次エネルギー資源の確保とクリーン且つ再生可能なエネルギーの開発が急務となっている。
上記打開策として、現在バイオマスが注目されている。
しかしながら、未加工のバイオマスは素材内部の空隙率が非常に高いため、嵩張って輸送効率が非常に悪く、且つ発熱量も少ないという問題点を有しているため付加価値の高い物への転換技術の開発が望まれている。
一方、昨今の中国における急速な鉄鋼需要により、石炭コークスのコストが急上昇し、我が国の鋳物或いは鉄鋼メーカーの経営を著しく圧迫している。これは、石炭コークスの国内生産が乏しく、ほぼ中国産に頼っていることに起因している。
この実状に鑑み、鋳物製造或いは製鉄において、石炭コークスの数%〜数十%程度を代替できるバイオマスを原料とする高硬度固形燃料を開発し、燃料コストを削減すると共に、バイオマスのカーボンニュートラルな性質によって温室効果ガスを削減することが切望されている。
また、石炭コークス代替に際して、地金の品質を低下させないことも重要である。
バイオマスを熱利用するための手法としては、従来、広く知られる炭化物の焼成の他に、ペレット製造技術(例えば、下記特許文献1参照)、オガライト製造技術(例えば、下記特許文献2参照)を挙げることができる。
ペレットやオガライトは、木質内部に含まれる自由水を蒸発過程(100℃)により脱水し、輸送性及び燃焼性を向上させた圧密燃料である。
また、最近では、炭化物を効率良く得るべく原料を細片化し炭化させる製造技術(例えば、下記特許文献3参照)、高いエネルギー収率で木炭よりも容積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の高い固形燃料を製造する技術(例えば、下記特許文献4参照)、木質バイオマスのエネルギー輸送特性をより高めるための半炭化圧密燃料(Bio-Carbonized-Densified-Fuel)(以下、BCDFと称する)製造技術(例えば、下記特許文献5参照)が、それぞれ報告されている。
BCDFは、木質内部に含まれる自由水に加え、セルロース等に含まれる化学的結合水の一部を脱水し、輸送性と燃焼性を更に改善させたものである。
上記特許文献1乃至5の開示技術による固形燃料はいずれも木質バイオマスを熱源として利用するための熱エネルギー収率の向上に焦点が置かれている。
しかしながら、これら従来技術による木質系バイオマス固形燃料は、石炭コークスに比して充分な発熱量を有しているとはいい難く、更に硬度性能についても充分ではなかったため、鋳物製造や製鉄において石炭コークスと混焼する際に炉内の環境に耐え切れず破壊/燃焼され、代替コークスとしての機能を発揮することは困難であった。
また、バイオマスの中には、木質系バイオマスに比べ水分量が多く、空隙が大きい等、固形燃料としての利用にあまり適さず未利用のまま処理されるバイオマス、例えば草本系バイオマス(草、ヒマワリ等)や食品廃棄物系バイオマス(オカラ、籾殻等)が存在しており、このようなバイオマスを有効利用するための手法が模索されている。
特開昭52−101202号公報 実公平8−8085号公報 特開2004−43517号公報 特開2003−213273号公報 特開2003−206490号公報
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであって、石炭コークスの代替燃料並びにマテリアル素材としても利用可能であるバイオマス固形物及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求の範囲第1項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなり、最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第2項に記載の発明は、前記半炭化前或いは半炭化固形物のみかけ比重が1.2〜1.38であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第3項に記載の発明は、前記半炭化前或いは半炭化固形物を再度加熱しながら加圧成形してなる炭化物からなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第4項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料に金属粒子を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第5項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等からなる炭化物を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第6項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等からなる灰分を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第7項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程と、該粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する工程と、該バイオマス原料が充填された筒に加圧ピストンを装填する工程と、前記バイオマス原料を加熱すると共に前記加圧ピストンにより加圧成形する工程と、前記加熱及び加圧を一定時間維持して半炭化前或いは半炭化固形物を得る工程と、該半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持しながら冷却する工程と、該冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備えるバイオマス固形物の製造方法であって、前記筒の内径と前記加圧ピストンの外径とが略同一であることを特徴とするバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第8項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以下であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第9項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が115〜230℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第10項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階において金属粒子を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第11項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマス等からなる炭化物を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第12項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマス等からなる灰分を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第13項に記載の発明は、前記冷却及び乾燥された半炭化前或いは半炭化固形物を大気開放下において加熱すると共に加圧成形する工程と、該加熱及び加圧を一定時間維持して炭化物を得る工程とを備えることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第14項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が250〜350℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜16MPaであることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第1項に記載の発明によれば、最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであることにより、鋳物製造或いは製鉄において炉内で石炭コークスと混焼し得る石炭コークス代替燃料としての機能を有することが可能となる。また、最高圧縮強度が60〜200MPaであることにより、マテリアル素材としての機能を有することが可能となる。
請求の範囲第2項に記載の発明によれば、半炭化前或いは半炭化固形物のみかけ比重が1.2〜1.38であることにより、バイオマス原料の真比重1.4と大差がない、つまり内部空隙がほとんど存在しないので、単位体積当たりの炭素比率を略最大にすることが可能となる。また、輸送性も最大限に向上する。
請求の範囲第3項に記載の発明によれば、半炭化前或いは半炭化固形物を再度加熱しながら加圧成形することにより、短時間で備長炭レベルの固体燃焼特性を得ることが可能となる。
請求の範囲第4項に記載の発明によれば、光合成に起因するバイオマス原料に金属粒子を添加することにより、外部加熱を効率良く受熱し、半炭化前或いは半炭化固形物の均質成形が可能となる。また、元来石炭コークスに含まれている元素或いは新規元素を溶解と同時に溶湯することが可能となる。
請求の範囲第5項に記載の発明によれば、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等からなる炭化物を添加することにより、単位重量及び単位体積当たりの炭素比率が高くなり、燃焼持続時間及び発熱量の向上を得ることが可能となる。すなわち、固体表面燃焼特性の向上が可能となる。
請求の範囲第6項に記載の発明によれば、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等からなる灰分を添加することにより、鋳物製造或いは製鉄において発熱量を変化させることなく溶湯中における珪素(シリコン)分の含有比率を調整することが可能となる。
請求の範囲第7項に記載の発明によれば、筒の内径と加圧ピストンの外径とが略同一であることにより、加熱・加圧成形する際、バイオマス原料から発生する水蒸気及びガス化成分を前記筒内部に留めることが可能となり、前記バイオマス原料の過熱水蒸気改質が可能となる。これにより、高硬度及び高発熱量を有する半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。また、この固形物は、例えば、杭、法面板等のマテリアル素材としても利用することが可能である。
請求の範囲第8項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以下であることにより、前記バイオマス原料を均質に筒に充填することが可能となる。
請求の範囲第9項に記載の発明によれば、加熱における温度条件が115〜230℃、加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることにより、過剰なプロセスエネルギーを必要とせず、高硬度及び高発熱量を有する半炭化前或いは半炭化固形物を得ることができる。
請求の範囲第10項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階において金属粒子を添加することにより、外部加熱を効率良く受熱することが可能となり、均質に成形された半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。また、元来石炭コークスに含まれている元素或いは新規元素を溶解時に同時に溶湯できる半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。
請求の範囲第11項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマス等からなる炭化物を添加することにより、燃焼持続時間及び発熱量が向上する半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。
請求の範囲第12項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマス等からなる灰分を添加することにより、鋳物製造や製鉄において発熱量を変化させることなく溶湯中の珪素(シリコン)分の含有比率を調整することができる半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。
請求の範囲第13項に記載の発明によれば、前記冷却及び乾燥された半炭化前或いは半炭化固形物を大気開放下において加熱すると共に加圧成形する工程と、該加熱及び加圧を一定時間維持して炭化物を得る工程とを備えることにより、短時間で備長炭レベルの炭化物を得ることが可能となる。
請求の範囲第14項に記載の発明によれば、加熱における温度条件が250〜350℃、前記加圧成形における圧力条件が8〜16MPaであることにより、炭化ムラがなく、密着性の高い炭化物を短時間で得ることが可能となる。
以下、本発明に係るバイオマス固形物(以下、バイオコークスと称する)及びその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るバイオコークス(1)の外観の一例を示している。
本発明に係るバイオコークス(1)は、光合成に起因する全バイオマスを原料対象としている。光合成に起因するバイオマスとしては、例えば、木質類、草本類、農作物類、厨芥類等のバイオマスを挙げることができる。
木質類としては、木、枯葉或いはその廃棄物である林地残渣、剪定・葉刈り材、流木、紙等を例示することができる。
草本類としては、ケナフ、ヒマワリの茎等を例示することができる。
農作物類としては、オオバ茎、ゴマ茎、芋づる、籾殻等の非食部位を例示することができる。
厨芥類としては、コーヒー粕、茶殻、オカラ等を例示することができる。
これらのバイオマスは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分として構成されている。
このバイオマスの主成分の大気圧下での耐熱性は、まず100℃程度で大部分の自由水が蒸発により脱水され、リグニン(280〜550℃)>セルロース(240〜400℃)>ヘミセルロース(180〜300℃)の順に、それぞれこの温度以上で変色、分解あるいは軟化、ガス化、更には発熱し炭化が進行する。
ここで、セルロースは、明確な秩序正しい結合構造を持ち、重合度2000〜15000を有する高度に結晶化した鎖状ポリマーであるためバイオマス全体の硬度性能に重要な役割を担っている。
リグニンも極めて複雑な三次元的な結合構造を有する為、硬度性能への貢献度が高い。
一方、ヘミセルロースは重合度50〜200とセルロースに比して小さく、分岐した構造を有するため、硬度貢献度は小さい。
本発明では、構造的に脆く、耐熱性に弱い、ヘミセルロースに照準を当て、ヘミセルロースを熱分解し接着効果を発現させ、セルロース及びリグニンは骨格を保ったまま圧密し、熱硬化反応を発現させ、固体表面燃焼特性を向上させることにより、非常に硬く、燃焼特性に優れた固形物、つまりバイオコークスが製造できることを見出した。
熱硬化反応は、リグニン等に含まれるフェノール性の高分子間で反応活性点が誘発することにより進行する。
このことは、原料にクレゾールを加えて作成したバイオコークスから抽出したリグニン−クレゾール反応物のH−NMR分析によってリグニン分子中にクレゾールの存在を確認できたこと、すなわち、リグニンとクレゾールが反応し、リグニン分子中にクレゾールが導入されたことによって証明される。
このことにより、フェノール間で熱硬化反応が起こり、比較的均質で強固な分子間ネットワークが形成されることになる。
また、材料の調合でこの熱硬化反応を活発化することが可能であり、加工成形温度を10〜60℃、更に低下することが可能となる。
これにより、バイオマスを炭化させることなく、低温で熱硬化反応を誘起することができ、固体燃焼時での石炭コークスを代替できる燃焼特性を実現することが可能となる。
図2は、本発明に係るバイオコークスの製造工程を示す概略フローチャートである。以下、図2を参照しつつバイオコークスの製造方法について詳しく説明する。
図2に示される如く、バイオコークスの製造は、大きく三つの工程を経ることで達成される。
工程1では、バイオマスを3mm以下に粉砕する。
工程2では、工程1において粉砕されたバイオマスを115〜230℃の範囲で加熱すると共に8〜25MPaの範囲で圧力制御しながら成形する。
工程3では、工程2における加熱及び加圧状態を10〜20分間保持する。
この後、加圧状態で冷却し、取り出した後に乾燥を行い、バイオコークスが完成する。
上記製造工程をより詳しく説明する。
バイオコークスの原料となるバイオマスは、そのままの状態では空隙が非常に大きいことと、受熱表面積が小さいため、加熱・加圧成形に適さない。従って、均質な成形を行うため、先ずバイオマスをミキサー等の粉砕手段により粉砕する。このとき、粉砕後のバイオマスの粒子径が3mm以下、好ましくは0.1mm以下となるように粉砕すれば良い。
これにより、バイオマスを成形用の筒(後述する)に充填する際、嵩密度が向上し均質な充填が可能となり、加熱成形においてバイオマス間の接触が高まり、成形後の硬度も向上する。
次いで、粉砕したバイオマスを加熱・加圧成形するために、シリンダー等の成形用筒に充填し、その後、加圧用ピストンを装填する。
成形用筒或いは加圧用ピストンの形状において特に指定はないが、断面円形状であることがより好ましい。これにより、成形中に成形用筒或いは加圧用ピストンに少々のねじれが生じたとしても、成形工程を維持することが可能となる。
ここで、成形用筒の内径と加圧用ピストンの外径が略同一であることにより、加熱・加圧成形時において、バイオマスから発生する水蒸気及びガス化成分を成形用筒の内部に留めることが可能となり、バイオマスの過熱水蒸気改質が可能となり、高硬度及び高発熱量を有するバイオコークスを得ることが可能となる。
以上の初期充填の後、上述した如く115〜230℃、8〜25MPaの条件で、バイオマスの加熱及び加圧成形を行い、この加熱・加圧状態を10〜20分間程度保持する。 加熱方法としては、例えば、成形用筒の外周を覆うようにして電気炉等の加熱手段を配設し、成形用筒を介してバイオマスを加熱するようにすれば良い。また、加圧成形は、上述した加圧用ピストンにより行う。加圧方法としては油圧ジャッキ等の加圧手段を用いて機械的に加圧すれば良いが、バイオマス原料に含まれる水分量の若干の違いにより、筒内部で発生する蒸気圧がピストンによる加圧圧力を超える場合があるので注意する必要がある。
ここで、加熱・加圧成形を上述した条件で行うことにより、過剰なプロセスエネルギーを必要とせず、高硬度及び高発熱量を有するバイオコークスを得ることができる。
これは、115〜230℃の温度条件において加熱を行うことにより、ヘミセルロースが熱分解し、成形用筒内部に発生する過熱水蒸気によりセルロース及びリグニンがその骨格を保持したまま低温で反応し、圧密効果と相乗的に作用することによって、より硬度が増すことに起因している。
より好ましくは、加熱は180℃〜230℃の範囲で、加圧は12〜19MPaの範囲で成形を行うことが望ましい。
この後、加圧状態を維持したまま、バイオコークスが40〜50℃以下になるまで30〜60分程度冷却し、その後、成形用筒よりバイオコークスを取り出す。この温度より高い温度でバイオコークスを取り出す、或いは加圧維持しなかったりすると、ヘミセルロースによる接着効果が低下する。また、冷却方法としては、大気による自然冷却が好ましい。冷却時間があまりにも短いと、表面にひび割れ等が生じ、硬度を低下させる原因となるからである。
また、成形用筒より取り出した直後のバイオコークスには、製造時、密閉に近い、つまり略真空状態で成形されているため、重量割合で5〜10%の水蒸気が再度凝縮している。これを乾燥により脱水することで硬度の向上を図ることができる。
乾燥の方法としては、特に限定はないが、例えば、大気放置にて自然乾燥を行う、或いは80〜100℃程度の恒温室で乾燥させる方法が挙げられる。
以上の工程を経て製造されたバイオコークスは、比重1.2〜1.38、最高圧縮強度60〜200MPa、発熱量18〜23MJ/kgの物性値を示す硬度・燃焼性共に優れた性能を有しており、例えば、未加工の木質バイオマスが、みかけ比重約0.4〜0.6、発熱量約17MJ/kg、最高圧縮強度約30MPaであるのと比べると、発熱量及び硬度の点において格段に優れていることが判る。
また、石炭コークスの物性値、みかけ比重約1.85、最高圧縮強度約15MPa、発熱量約29MJ/kgに比しても、本発明に係るバイオコークスは、燃焼性・硬度とも遜色ない性能を有する。
また、本発明に係るバイオコークスは、みかけ比重1.2〜1.38で形成されており、バイオマスの真比重1.4と大差がない。このことより、本発明に係るバイオコークスは、内部空隙がほとんど存在しないため、単位体積当たりの炭素比率を略最大にすることが可能となり、略最大の熱エネルギー発生量約30GJ/mを得ている。また、その輸送性も最大限に向上する。
次に、本発明に係るバイオコークスとその製造方法の変更例について以下に記述する。尚、以下に挙げる変更例は、製造工程自体の変更は行わず、原料に対しての変更のみ行っている。
第一の変更例としては、原料となるバイオマスに金属粒子を添加して加熱・加圧成形を行う。
金属粒子としては、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Mn(マンガン)等を例示することができる。
金属粒子の粒子径は、細かいほど好ましく、約3mm以下(より好ましくは0.1mm以下)のものを混入することが好ましい。これは、先の製造工程でも述べたように、成形に際して、成形用筒に均質な充填を行うと共に原料のバイオマスに対して満遍なく金属粒子を接触させるためである。
これにより製造されたバイオコークスは、最高圧縮強度60〜200MPa、発熱量1〜23MJ/kgに加え、みかけ比重1.3〜6.0の物性値を示す。
このバイオコークスは、原料中に含まれる金属粒子の存在により、外部から加熱される熱を効率よく受熱し、バイオマス間の接触反応を促進するため、ムラの少ない均質加工を実現できる。また、このことは、成型後の圧縮強度の向上につながる。
また、原材料中に含まれる金属粒子は、鋳物製造や製鉄において溶解と同時に溶湯することが可能である。
従来、鋳物や鉄鋼は使用される用途に応じて要求される特性が異なるので、製造の最終段階で必要な成分調整処理を行う必要があるが(例えば、転炉処理等)、バイオマスに添加する金属粒子を予め調整配合しておくことにより、この処理工程を省略できると共にコストを削減することが可能となる。
第二の変更例としては、原料となるバイオマスにバイオマス等からなる炭化物を添加して加熱・加圧成形を行う。
バイオコークスは生化学的な観点から、成分中、重量割合にして炭素分が40〜50%程度であるので、溶解エネルギーとしての固体表面反応によるチャー燃焼特性が石炭コークスに比して、50〜60%程度劣る。このことは、発熱量、発熱温度の評価には影響を及ぼさないが、発熱持続時間に関わってくる。
この対策として、原料のバイオマスにバイオマス等からなる炭化物(発熱量33〜42MJ/kg)をコンパウンドして(包み込むようにして)バイオコークスを成形する。
これにより、単位重量及び単位体積当たりの炭素比率が高くなり、燃焼持続時間及び発熱量の向上を得ることが可能となる。すなわち、固体表面燃焼特性の向上が可能となる。
バイオマス等からなる炭化物の形状は、3mm以下(好ましくは0.1mm以下)に粉砕した炭粉であることが好ましい。
この炭化物は、バイオマスだけに留まらず、化石資源由来の廃棄物から作られる炭粉等でも好適に使用することができる。
以上より製造された炭化物コンパウンド型バイオコークスは、最高圧縮強度60〜200MPa、発熱量18〜27MJ/kg、みかけ比重1.3〜1.4の物性値を示す。
このことにより、例えば、バイオマス炭粉を50%重量割合で混入すると、バイオコークスの炭素比率が75%程度向上し、発熱量が24.5MJ/kgと15%程度向上すると共に燃焼持続時間も向上する。
第三の変更例としては、原料となるバイオマスにバイオマス等からなる灰分を添加して加熱・加圧成形を行う。
灰分の原料としては、例えば、廃棄された野菜食品、CCA(クローム、銅、砒素)塗布されていない建築廃材、断熱材等を挙げることができる。
鋳物製造や製鉄においては、成分調整として珪素(シリコン)分を添加するために、Fe−Siとして石炭コークスと共に投入する等の処理を行っている。原料のバイオマスはその成分中に珪素(シリコン)分を含んでいるが、これにバイオマス等からなる灰分を添加して加熱・加圧成形することにより、鋳物製造や製鉄において、バイオコークスの有する発熱量や硬度を低下させることなく、珪素(シリコン)分の含有比率を調整することが可能となる。
第四の変更例としては、原料となるバイオマスに天然硫黄分等を多く含むバイオマスを添加して加熱・加圧成形を行う。
バイオマスの中には、リグニンスルホン酸等の光合成に起因する硫黄分やリン分等が体積割合にして10%以上含有されるものがある。これは、バイオマスが生育する土壌に硫黄分やリン分等が多く含まれていることによる。
上述したが、従来、鋳物或いは鉄鋼は使用される用途に応じて要求される特性が異なるので、製造の最終段階で必要な成分調整処理を行う必要があり、硫黄分、リン分等もこの例外ではない。
従って、この天然硫黄分等が体積割合にして10%以上含有されるバイオマスを、原料となるバイオマスに同一粒子径で添加して加熱・加圧成形することで、鋳物製造或いは製鉄において、バイオコークスの有する発熱量や硬度を低下させることなく、バイオコークス中の硫黄分等の含有比率を調整することが可能となる。これは、化石燃料に元来含まれる硫黄分、リン分等を使用せず、天然の添加剤をコンパウンドするため、自然環境へ与える負荷が少ない利点を併せ持つ。
尚、硫黄分等が多量に必要な鋳物製造等がある場合は、この天然硫黄分等を多量に含むバイオマスのみを原料として、バイオコークスを製造すれば良い。
以上より、本発明に係るバイオコークスは、鋳物製造或いは製鉄においてキュポラ、高炉における熱源・還元剤等として使用可能であり、また、高い圧縮強度等の特性を活かして、マテリアル素材としての使用も可能である。この際、その種々の用途に適応できるように、本発明に係るバイオコークスは直径0.1〜250mm、高さ1〜1000mm程度までの成形が可能である。
ここで先ず、石炭コークス代替バイオコークスの使用例として、キュポラ用代替コークスとしての利用について説明する。
キュポラ型溶融炉(2)の概略断面図を図3に、その特性を図4に、キュポラ型溶融炉(2)の一部切欠外観図を図5に示す。
図3及び図5に示したキュポラ型溶融炉(2)は、外面が鋼板(3)で覆われ、内面が耐火煉瓦(4)で形成された縦長の有底円筒形状の炉であって、上方に装入口(5)を有し、炉底付近に出湯口(6)及び出滓口(7)を有している。装入口(5)の下方には、装入作業者が載るための装入作業床(8)が設けられている。また、出湯口(6)のやや上方には送風管(9)及び風箱(10)と連通接続された羽口(11)が設けられている。更に炉底(12)には扉(13)が設けられている。
このようなキュポラ型溶融炉(2)を用いて鋳物或いは鉄鋼を製造する場合、先ず炉底(12)部分にベッドコークス(14)を敷設し、その上に地金(15)と追込コークス(16)を載設する。このとき、地金(15)と追込コークス(16)が交互に層を形成するように且つ各層に隙間が形成されるようにする。
ここで、ベッドコークス(14)と追込コークス(16)の両方において、本発明に係るバイオコークス(1)を数〜50%の範囲で石炭コークス(17)と混合して用いる。
図4(a)は、炉内の温度分布を示す図である。
炉内における温度は、下方に向かうにつれて、地金(15)と追込コークス(16)が配された上方域(A)では約500℃から約1000℃まで緩やかに上昇し、ベッドコークス(14)が配された下方域(B)では約1800℃まで急激に上昇した後、約1600℃まで下降する分布となる。
図4(b)の左側は、炉内を地金(15)の状態により区分した図である。
図示される如く、地金(15)と追込コークス(16)が交互に載設された炉の上方部分は地金(15)が予熱される予熱帯を形成し、その下のベッドコークス(14)との境界付近は地金(15)が溶解される溶解帯を形成し、ベッドコークス(14)が敷設されて温度がピークに達する炉の下方部分は溶解された地金(15)が過熱される過熱帯を形成し、羽口(11)より下方の炉底部分は溶湯(18)がたまる湯だまり帯を形成している。
予熱帯では、コークスが燃焼ガス或いは空気が通過する空隙を形成しているが、本発明に係るバイオコークス(1)は石炭コークス(17)の約10倍前後の圧縮強度を有しているので、上方からの加重に対して破壊されることなく空隙を形成することができる。
図4(b)の右側は、炉内をコークスと炉内ガスとの反応により区分した図である。
上記した溶解帯及び過熱帯は、図示される如く、還元帯と酸化帯に区分される。
具体的には、溶解帯と過熱帯の上方領域は還元帯となり、過熱帯の下方領域は酸化帯となる。
還元帯は、酸化帯での燃焼反応によるCOはもちろんバイオコークス(1)がガス化することにより形成される還元領域であり、より詳しくはバイオコークス(1)のセルロース及びリグニンが熱分解してガス化(CO、H等を発生)することにより形成される。即ち、バイオコークス(1)が還元剤としても効果を有することを示している。
このような還元領域、即ち、バイオコークス(1)のガス化が起こる領域が炉内のベッドコークス(14)上方部分で生じる理由は、還元雰囲気下でバイオマスが加熱される場合、発熱反応でガス化が生じ、更に自己ガス化反応が進行することによる。
酸化帯は、雰囲気が600℃以上に達する過熱帯であって、バイオコークス(1)が完全にガス化或いは酸化燃焼して灰分となる領域であり、地金(15)を溶解する熱源が生成される。
このような酸化領域、即ち、バイオコークス(1)の完全ガス化或いは酸化燃焼が起こる領域が炉内のベッドコークス(14)下方部分で生じる理由は、羽口(11)を通して炉下方より吹き込まれる空気による燃焼反応が生じることによる。
ここで、バイオコークス(1)の燃焼特性について説明する。
石炭コークス(17)の発熱量は、約29MJ/kgの温度一定の発熱量を放出する。これに対し、バイオコークス(1)は、18〜23MJ/kgと石炭コークス(17)に比してやや低いが、ガス化・炭化過程による重量変化に伴い発熱温度と発熱量に変化が見られる。
先ず、常温〜250℃までは、加熱されるのみで発熱反応は生じない。
250〜600℃位までは、バイオマスのガス化によりCO、Hなどのガス成分を排出しながら、発熱を行うが、全体の発熱温度はやや低くなる傾向にある。
しかしながら、600℃以上において、固体表面反応によりチャー燃焼が生じ、石炭コークス(17)に匹敵する発熱温度を得ることができ、瞬間的には石炭コークス(17)を超え、石炭燃焼に匹敵する33〜42MJ/kg程度の発熱量を得ることが可能となる。
従って、溶解エネルギーとしての代替バイオコークス(1)の真価は、600℃以上の雰囲気において発揮される。
以下、上記の如く構成されたキュポラ型溶融炉(2)を用いた鋳物或いは鉄鋼の製造工程について説明する。
先ず、キュポラ型溶融炉(2)の装入口(5)から地金(15)及び追込コークス(16)として、石炭コークス(17)と本発明に係るバイオコークス(1)を適切な割合、例えば、全コークス中、バイオコークス(1)を数〜50%で投入し、その内部を図3及び図5に示されたように形成する。
次いで、羽口(11)から空気を送りながら炉内を加熱すると、還元帯のベッドコークス(14)はガス化し、揮発ガスを発生して還元領域を形成し、酸化帯のベッドコークス(14)は完全にガス化或いは酸化燃焼する。
このような炉内下方領域にあるベッドコークス(14)のガス化或いは酸化燃焼に伴って、炉の上方部分に交互に載設された地金(15)と追込コークス(16)は予熱されながら崩れ落ちるように下方へと移動する。
そして、下方へと移動した地金は、酸化帯におけるコークスから発生する熱によって溶解され、羽口(11)から供給される空気によって還元された後、出湯口(6)から溶湯(18)として取り出される。
溶湯(18)は、上述したバイオコークス(1)の高温域での燃焼特性により、従来の石炭コークス燃焼により得られる溶湯温度に比して遜色なく、或いは、より高温で得ることが可能となる。
尚、本発明に係るバイオコークスは、製造初期の段階で、成分調整をすることが可能であるため、転炉等を用いて成分調整を行う必要はない。これにより、全製造工程の省略化並びに省略に伴うコストの削減が可能となる。
以上のように、本発明に係るバイオコークスは、鋳物製造或いは製鉄において、石炭コークスの数〜50%程度に代替して用いることが可能であり、この場合においても石炭コークスを用いた場合と同様或いはそれ以上の効果を得ることが可能となる。
また、本発明に係るバイオコークスは、比較的簡単な構成で作成することができるため、石炭コークスに対して低コスト化を図ることが可能となる。
更に、石炭コークス代替による、地球環境負荷の低減を達成することが可能となる。
次に、本発明に係るバイオコークスのマテリアル素材としての利用例について説明する。
身近に存在するバイオマスの資源量は膨大で常に生産されるため、食品残渣や河川敷の草等の利用価値の乏しいバイオマスは、ごみとして扱かわれることが多く、埋め立てや焼却処分等することを余儀なくされる。
バイオマスが光合成を通して炭素固定していることや秩序正しい組織構造を構築することなどを鑑みると、その特性を活かしてマテリアル素材へと転換することで、カスケード構造を有する持続的な循環、すなわちゼロ・エミッションの構築が可能となる。
本発明に係るバイオコークスは、鉄よりも高い最高圧縮強度60〜200MPaを有しており、また、食品残渣や河川敷の草等も原料として利用できるため、マテリアル素材としての利用価値が非常に高い。
マテリアル素材としては、ガーデンフェンス・園芸杭・釘等の杭状体、コースター・法面及び遮断壁用パネル等のプレート体を例示することができる。
尚、本発明に係るバイオコークスを杭状体として利用するときは、それなりの耐衝撃力が必要となるので、例えば、原料のバイオマスに金属粒子を添加しバイオマス間の反応性を向上させる、或いはバイオマスの繊維性を活かして粗く粉砕したバイオマスを添加して連続性を向上させる等の手段を講じることがより好ましい。
以上により、従来、未利用のまま処理されるバイオマスを有効利用することが可能となり、人体に悪影響を及ぼすプラスチック等の化学物質からなる物品を、持続的に循環可能なバイオマス資源からなる物品に代替できる方向性を示すことが可能となった。
尚、マテリアル素材として利用するバイオコークスは、熱源としての利用が当然可能であるので、マテリアルとしての使用が済めば、例えば、炭粉化してバイオコークスの中にコンパウンドし、カスケード利用すれば良い。また、自然にはそのまま腐朽されるため、自然帰化することも可能である。
次に、本発明に係るバイオコークスの更なる利用例について説明する。
上記したバイオコークス製造方法を拡大し、短時間で高硬度な炭化物の製造を行う。
バイオコークスを大気開放下において、再度、加熱・加圧成形する。加熱条件を250〜350℃、加圧条件を8〜16MPaに設定して、重量収率を10〜30%前後に維持して製造を行う。
これにより、短時間で略100%の炭化物を得ることが可能となる。
ここで、加熱条件を250〜350℃、加圧条件を8〜16MPaに設定することにより、炭化ムラがなく、密着性の高い炭化物を短時間で得ることが可能となる。
この製造方法において、バイオコークスはガス化及び発熱反応を生じながら、炭化進行に従い重量減少を続け、完全な炭化が得られた時点で炭としての固形物を得ることが可能となる。生木を用いて、同設定条件で炭化を行うと、加圧効果によりガス化が急激に進行し、炭として固形化されず灰分のみが得られる。
以上により得られる炭化物は30〜35MJ/kgの発熱量を有し、木炭に比して高硬度な固形物に転換され、備長炭に近い熱源としての固体燃焼特性を有することが可能となる。
以下、実施例を挙げて、本発明に係るバイオコークスとその製造方法について詳述する。
(実施例1)
スギのおがくずを粉砕機(松下電工社製)により、0.1mm程度に粉砕した。
この粉砕物を自作の成形用筒(直径40mm×高さ250mmの円柱形本体)に入れ、加圧用ピストンを装填し、210℃、16MPa付近で加熱・加圧を同時制御しながら10分間保持した。
その後、加圧状態を維持しながら60分間放冷し、バイオコークスを取り出し、大気乾燥を行った。
製造されたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約100MPa、発熱量約21MJ/kgを示した。
(実施例2)
加熱温度を180℃とした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約80MPa、発熱量約20MJ/kgを示した。
(実施例3)
加熱温度を220℃とした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約120MPa、発熱量約23MJ/kgを示した。
(実施例4)
直径20mmの成形用筒を用い加熱温度220℃、加圧圧力20MPaとした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約200MPa、発熱量約23MJ/kgを示した。
(実施例5)
成形材料をヒノキの樹皮とした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
ヒノキの樹皮は、スギのおがくずより固形化し易く、また、得られたバイオコークスの性状は、発熱量約21MJ/kg、最高圧縮強度約100MPaを示した。
(実施例6)
成形材料をスギのおがくず10%・樹皮90%とし、115℃、21MPa付近で加熱・加圧を同時制御しながら15分間保持した以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、発熱量約21MJ/kg、最高圧縮強度約83MPaを示した。樹皮に含まれるフェノール性の高い高分子、ポリフェノール等により加工成形温度を50℃近く下げることができた。
(比較例1)
加熱温度240℃とした以外は実施例1と同様の処理をしたが、全炭化し固形化することができなかった。
上記実施例及び比較例より、加熱温度が115℃〜230℃においては、発熱量、最高圧縮強度共に優れたバイオコークスが得られた。しかしながら、加熱温度が230℃を超えた場合、急激に炭化及びガス化が進行し、バイオコークスを得ることはできなかった。
従って、230℃から240℃の極めて少ない温度差で急激に炭化及びガス化が進行するため、適切な温度範囲の上限を230℃とした。
最高圧縮強度約100MPa、発熱量約21MJ/kgのバイオコークスを用い、炉内径300mmの実機キュポラ(ナニワ炉機研究所所有)により石炭コークス代替実証実験を行った。
(実施例7)
全コークス中の10%をバイオコークスで代替し、キュポラを操業した。
操業状態としては、石炭コークス100%による操業と大差なく出湯できることが分かった。
操業後の、鋳鉄の引張試験では、120〜160MPaの値を示した。
(実施例8)
全コークス中の50%をバイオコークスで代替したところ、実施例4と略同等の結果が得られた。
これにより、全コークス中の50%をバイオコークスで代替しても、石炭コークス100%操業と変わりのない操業ができることを実証した。
(実施例9)
最高圧縮強度約100MPa、発熱量約21MJ/kgのバイオコークスを再度、大気圧下で300℃、8MPa付近で加熱・加圧を同時制御しながら20分間保持した。
これにより得られた人工備長炭とも言うべき炭化物は、重量収率が約20%、発熱量が約34MJ/kgを示した。
(実施例10)
成形材料を河川敷の草とし、加圧用ピストンの加圧面を円錐穴状に加工し、実施例1と同様の条件処理を行って、杭状体を得た。
得られた杭状体の性状は、最高圧縮強度約80MPaを示した。
本発明は、石炭コークス代替燃料及びマテリアル素材並びにその製造方法として好適に利用可能である。
本発明に係るバイオコークスの外観の一例を示す斜視図である。 本発明に係るバイオコークスの製造工程を示す概略フローチャートである。 本発明に係るバイオコークスをキュポラ用代替コークスとして利用した場合におけるキュポラ型溶融炉を示す概略断面図である。 本発明に係るバイオコークスをキュポラ用代替コークスとして利用した場合におけるキュポラ型溶融炉の特性を示す図である。 本発明に係るバイオコークスをキュポラ用代替コークスとして利用した場合におけるキュポラ型溶融炉を示す一部切欠外観斜視図である。
符号の説明
1 バイオコークス
14 ベッドコークス
16 追込コークス
17 石炭コークス
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであって、石炭コークスの代替燃料並びにマ
テリアル素材としても利用可能であるバイオマス固形物及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
請求の範囲第1項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を略密閉状態にて
加熱しながら加圧成形して、該バイオマス原料の主成分であるリグニン、セルロース及び
ヘミセルロースを熱分解させると共にセルロース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反
応させてなる半炭化或いは半炭化前固形物からなり、最高圧縮強度60〜200MPa及
び発熱量18〜23MJ/kgであることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第2項に記載の発明は、前記半炭化前或いは半炭化固形物のみかけ比重が1
.2〜1.38であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物に関
する。
請求の範囲第3項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を略密閉状態にて
加熱しながら加圧成形して、該バイオマス原料の主成分であるリグニン、セルロース及び
ヘミセルロースを熱分解させると共にセルロース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反
応させてなる最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgである半
炭化或いは半炭化前固形物を、大気開放下において再度加熱しながら加圧成形してなる炭
化物であることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第4項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料に金属粒子を添加
したものを略密閉状態にて加熱しながら加圧成形して、該バイオマス原料の主成分である
リグニン、セルロース及びヘミセルロースを熱分解させると共にセルロース及びリグニン
の骨格を保持しつつ低温反応させてなる半炭化或いは半炭化前固形物からなり、最高圧縮
強度60〜200MPa及び発熱量1〜23MJ/kgであることを特徴とするバイオマ
ス固形物に関する。
請求の範囲第5項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマ
【0004】
ス等からなる炭化物を添加したものを略密閉状態にて加熱しながら加圧成形して、該バイ
オマス原料の主成分であるリグニン、セルロース及びヘミセルロースを熱分解させると共
にセルロース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反応させてなる半炭化或いは半炭化前
固形物からなり、最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜27MJ/kgであ
ることを特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第6項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等か
らなる灰分を添加したものを略密閉状態にて加熱しながら加圧成形して、該バイオマス原
料の主成分であるリグニン、セルロース及びヘミセルロースを熱分解させると共にセルロ
ース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反応させてなる半炭化或いは半炭化前固形物か
らなり、最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであることを
特徴とするバイオマス固形物に関する。
請求の範囲第7項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程と
、該粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する工程と、該バイオマス原料が充填された筒
に加圧ピストンを装填する工程と、前記バイオマス原料を略密閉状態にて加熱すると共に
前記加圧ピストンにより加圧成形する工程と、前記加熱及び加圧を一定時間維持して、前
記バイオマス原料の主成分であるリグニン、セルロース及びヘミセルロースを熱分解させ
ると共にセルロース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反応させて半炭化或いは半炭化
前固形物を得る工程と、該半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持しながら冷却する工程
と、該冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備えるバイオ
マス固形物の製造方法であって、前記筒の内径と前記加圧ピストンの外径とが略同一であ
ることを特徴とするバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第8項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以
下であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関す
る。
請求の範囲第9項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が115〜230℃であ
り、前記加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることを特徴とする請求の範囲
第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第10項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段
階において金属粒子を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固
形物の製造方法に関する。
請求の範囲第11項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段
階においてバイオマス等からなる炭化物を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に
記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第12項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段
階においてバイオマス等からなる灰分を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記
載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第13項に記載の発明は、前記冷却及び乾燥された半炭化前或いは半炭化固
形物を大気開放下において加熱すると共に加圧成形する工程と、該加熱及び加圧を一定時
間維持して炭化物を得る工程と、該炭化物を加圧維持しながら冷却する工程と、該冷却さ
れた炭化物を取り出し乾燥する工程とを備えることを特徴とする請求の範囲第7項に記載
のバイオマス固形物の製造方法に関する。
請求の範囲第14項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が250〜350℃で
あり、前記加圧成形における圧力条件が8〜16MPaであることを特徴とする請求の範
囲第13項に記載のバイオマス固形物の製造方法に関する。
【発明の効果】
本発明は、バイオマス固形物及びその製造方法に関し、より詳しくは、石炭コークスの代替燃料並びにマテリアル素材としても利用可能であるバイオマス原料から製造されたバイオマス固形物及びその製造方法に関する。
尚、本発明におけるバイオマス原料とは再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源 を除いたものと定義する。又最高圧縮強度(MPa)とは、木材の圧縮試験法(JISZ2111)の規格に基づく硬度の度合いを示している。
又バイオマス原料の炭化技術(全炭化)は木材、樹皮、竹、もみ殻などのバイオマス原 料を空気(酸素)の供給を遮断または制限した状態で加熱し、気体(木ガス)、液体(酢 酸、タール)、固体(炭)の生成物を得る技術である。特に本発明の半炭化とは完全に炭 化する手前で止め、可燃性の気体や液体を放出させずにバイオマスを炭化させることをい う。(固体状のために輸送性とエネルギー効率が高められる。)
近年、地球環境問題は、より一層深刻なものになっており、先の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において採択された京都議定書による温室効果ガスの削減や、将来的に予測されている化石燃料の枯渇を見据え、一次エネルギー資源の確保とクリーン且つ再生可能なエネルギーの開発が急務となっている。
上記打開策として、現在バイオマスが注目されている。
しかしながら、未加工のバイオマスは素材内部の空隙率が非常に高いため、嵩張って輸送効率が非常に悪く、且つ発熱量も少ないという問題点を有しているため付加価値の高い物への転換技術の開発が望まれている。
一方、昨今の中国における急速な鉄鋼需要により、石炭コークスのコストが急上昇し、我が国の鋳物或いは鉄鋼メーカーの経営を著しく圧迫している。これは、石炭コークスの国内生産が乏しく、ほぼ中国産に頼っていることに起因している。
この実状に鑑み、鋳物製造或いは製鉄において、石炭コークスの数%〜数十%程度を代替できるバイオマスを原料とする高硬度固形燃料を開発し、燃料コストを削減すると共に、バイオマスのカーボンニュートラルな性質によって温室効果ガスを削減することが切望されている。
また、石炭コークス代替に際して、地金の品質を低下させないことも重要である。
バイオマスを熱利用するための手法としては、従来、広く知られる炭化物の焼成の他に、ペレット製造技術(例えば、下記特許文献1参照)、オガライト製造技術(例えば、下記特許文献2参照)を挙げることができる。
ペレットやオガライトは、木質内部に含まれる自由水を蒸発過程(100℃)により脱水し、輸送性及び燃焼性を向上させた圧密燃料である。
また、最近では、炭化物を効率良く得るべく原料を細片化し炭化させる製造技術(例えば、下記特許文献3参照)、高いエネルギー収率で木炭よりも容積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の高い固形燃料を製造する技術(例えば、下記特許文献4参照)、木質バイオマスのエネルギー輸送特性をより高めるための半炭化圧密燃料(Bio-Carbonized-Densified-Fuel)(以下、BCDFと称する)製造技術(例えば、下記特許文献5参照)が、それぞれ報告されている。
BCDFは、木質内部に含まれる自由水に加え、セルロース等に含まれる化学的結合水の一部を脱水し、輸送性と燃焼性を更に改善させたものである。
上記特許文献1乃至5の開示技術による固形燃料はいずれも木質バイオマスを熱源として利用するための熱エネルギー収率の向上に焦点が置かれている。
しかしながら、これら従来技術による木質系バイオマス固形燃料は、石炭コークスに比して充分な発熱量を有しているとはいい難く、更に硬度性能についても充分ではなかったため、鋳物製造や製鉄において石炭コークスと混焼する際に炉内の環境に耐え切れず破壊/燃焼され、代替コークスとしての機能を発揮することは困難であった。
また、バイオマスの中には、木質系バイオマスに比べ水分量が多く、空隙が大きい等、固形燃料としての利用にあまり適さず未利用のまま処理されるバイオマス、例えば草本系バイオマス(草、ヒマワリ等)や食品廃棄物系バイオマス(オカラ、籾殻等)が存在しており、このようなバイオマスを有効利用するための手法が模索されている。
特開昭52−101202号公報 実公平8−8085号公報 特開2004−43517号公報 特開2003−213273号公報 特開2003−206490号公報
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであって、石炭コークスの代替燃料並びにマテリアル素材としても利用可能であるバイオマス固形物及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求の範囲第1項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を加熱しながら加圧成形して、可燃性の気体や液体を放出させずにバイオマスを炭化させてなる半炭化固形 物若しくは前記半炭化前の固形状態にある半炭化固形物からなり、
前記半炭化前或いは半炭化固形物は最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであることを特徴とするバイオマス固形物を提案する。
請求の範囲第2項に記載の発明は、前記半炭化前或いは半炭化固形物のみかけ比重が1.2〜1.38であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物を提 案する。
請求の範囲第3項に記載の発明は、前記半炭化前或いは半炭化固形物を再度加熱しながら加圧成形してなる炭化物からなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物を提案する。
請求の範囲第4項に記載の発明は、前記半炭化前或いは半炭化固形物は光合成に起因するバイオマス原料に金属粒子を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物を提案する。
請求の範囲第5項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマスを主 成分とする粒子状炭化物を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物を提案する。
請求の範囲第6項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料に、バイオマス 主成分として灰化された灰分を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物を提案する。
請求の範囲第7項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程と
該粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する工程と、
該筒に充填されたバイオマス原料に加圧力を付勢する加圧体を装填する工程と、
前記バイオマス原料を加熱すると共に前記加圧体により加圧力を付勢して加圧成形する 工程と、
前記加熱及び加圧を一定時間維持して前記バイオマス原料より可燃性の気体や液体を放 出させずにバイオマスを炭化させてなる半炭化固形物若しくは前記半炭化前の固形状態に ある半炭化前固形物を得る工程と、
該半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持しながら冷却する工程と、
該冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備えることを特 徴とするバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第8項に記載の発明は、前記加圧成形工程でバイオマス原料を加熱・加圧成 形する際に、前記加圧体を介して該バイオマス原料から発生する水蒸気及びガス化成分を 前記筒内部に留めることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造 方法を提案する。
請求の範囲第9項に記載の発明は、前記加圧体が円筒状の前記筒の内径に摺動自在に嵌 合する円筒体であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造 方法を提案する。
請求の範囲第10項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程 と、
該粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する工程と、
該バイオマス原料が充填された筒に加圧ピストンを装填する工程と、
前記バイオマス原料を略密閉状態にて加熱すると共に前記加圧ピストンにより加圧成形 する工程と、
前記加熱及び加圧を一定時間維持して、前記バイオマス原料の主成分であるリグニン、 セルロース及びヘミセルロースを熱分解させると共にセルロース及びリグニンの骨格を保 持しつつ低温反応させて半炭化或いは半炭化前固形物を得る工程と、
該半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持しながら冷却する工程と、
該冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備えるバイオマ ス固形物の製造方法であって、
前記筒の内径と前記加圧ピストンの外径とが略同一であることを特徴とするバイオマス 固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第11項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以下であることを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第12項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が115〜230℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第13項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階において金属粒子を添加することを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第14項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマスを主成分とする粒子状炭化物を添加することを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第15項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマスを主成分として灰化された灰分を添加することを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第16項に記載の発明は、前記冷却及び乾燥された半炭化前或いは半炭化固形物を大気開放下において加熱すると共に加圧成形する工程と、該加熱及び加圧を一定時間維持して炭化物を得る工程と、該炭化物を加圧維持しながら冷却する工程と、該冷却された炭化物を取り出し乾燥する工程とを備えることを特徴とする請求の範囲第7項又は第 10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第17項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が250〜350℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜16MPaであることを特徴とする請求の範囲第16項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第1項に記載の発明によれば、最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであることにより、鋳物製造或いは製鉄において炉内で石炭コークスと混焼し得る石炭コークス代替燃料としての機能を有することが可能となる。また、最高圧縮強度が60〜200MPaであることにより、マテリアル素材としての機能を有することが可能となる。
請求の範囲第2項に記載の発明によれば、半炭化前或いは半炭化固形物のみかけ比重が1.2〜1.38であることにより、バイオマス原料の真比重1.4と大差がない、つまり内部空隙がほとんど存在しないので、単位体積当たりの炭素比率を略最大にすることが可能となる。また、輸送性も最大限に向上する。
請求の範囲第3項に記載の発明によれば、半炭化前或いは半炭化固形物を再度加熱しながら加圧成形することにより、短時間で備長炭レベルの固体燃焼特性を得ることが可能となる。
請求の範囲第4項に記載の発明によれば、光合成に起因するバイオマス原料に金属粒子を添加することにより、外部加熱を効率良く受熱し、半炭化前或いは半炭化固形物の均質成形が可能となる。また、元来石炭コークスに含まれている元素或いは新規元素を溶解と同時に溶湯することが可能となる。
請求の範囲第5項に記載の発明によれば、光合成に起因するバイオマス原料にバイオマスを主成分とする粒子状炭化物を添加することにより、単位重量及び単位体積当たりの炭素比率が高くなり、燃焼持続時間及び発熱量の向上を得ることが可能となる。すなわち、固体表面燃焼特性の向上が可能となる。
請求の範囲第6項に記載の発明によれば、光合成に起因するバイオマス原料を主成分と して灰化された灰分を添加することにより、鋳物製造或いは製鉄において発熱量を変化させることなく溶湯中における珪素(シリコン)分の含有比率を調整することが可能となる。
請求の範囲第7項乃至第10項に記載の発明によれば、前記加圧体が円筒状の前記筒の 内径に摺動自在に嵌合する円筒体(筒の内径と加圧ピストンの外径とが略同一)であり、 また加熱・加圧成形する際、加圧体を介してバイオマス原料から発生する水蒸気及びガス化成分を前記筒内部に留めることにより、前記バイオマス原料の過熱水蒸気改質が可能となる。これにより、高硬度及び高発熱量を有する半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。また、この固形物は、例えば、杭、法面板等のマテリアル素材としても利用することが可能である。
請求の範囲第11項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以下であることにより、前記バイオマス原料を均質に筒に充填することが可能となる。
請求の範囲第12項に記載の発明によれば、加熱における温度条件が115〜230℃、加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることにより、過剰なプロセスエネルギーを必要とせず、高硬度及び高発熱量を有する半炭化前或いは半炭化固形物を得ることができる。
請求の範囲第13項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階において金属粒子を添加することにより、外部加熱を効率良く受熱することが可能となり、均質に成形された半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。また、元来石炭コークスに含まれている元素或いは新規元素を溶解時に同時に溶湯できる半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。
請求の範囲第14項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマスを主成分とする炭化物を添加することにより、燃焼持続時間及び発熱量が向上する半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。
請求の範囲第15項に記載の発明によれば、粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマスを主成分として灰化された灰分を添加することにより、鋳物製造や製鉄過程において発熱量を変化させることなく溶湯中の珪素(シリコン)分の含有比率を調整することができる半炭化前或いは半炭化固形物を得ることが可能となる。
請求の範囲第16項に記載の発明によれば、前記冷却及び乾燥された半炭化前或いは半炭化固形物を大気開放下において加熱すると共に加圧成形する工程と、該加熱及び加圧を一定時間維持して炭化物を得る工程と、該炭化物を加圧維持しながら冷却する工程と、該冷却された炭化物を取り出し乾燥する工程とを備えることにより、短時間で備長炭レベルの炭化物を得ることが可能となる。
請求の範囲第17項に記載の発明によれば、加熱における温度条件が250〜350℃、前記加圧成形における圧力条件が8〜16MPaであることにより、炭化ムラがなく、密着性の高い炭化物を短時間で得ることが可能となる。
以下、本発明に係るバイオマス固形物(以下、バイオコークスと称する)及びその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るバイオコークス(1)の外観の一例を示している。
本発明に係るバイオコークス(1)は、光合成に起因する全バイオマスを原料対象としている。光合成に起因するバイオマスとしては、例えば、木質類、草本類、農作物類、厨芥類等のバイオマスを挙げることができる。
木質類としては、木、枯葉或いはその廃棄物である林地残渣、剪定・葉刈り材、流木、紙等を例示することができる。
草本類としては、ケナフ、ヒマワリの茎等を例示することができる。
農作物類としては、オオバ茎、ゴマ茎、芋づる、籾殻等の非食部位を例示することができる。
厨芥類としては、コーヒー粕、茶殻、オカラ等を例示することができる。
これらのバイオマスは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分として構成されている。
このバイオマスの主成分の大気圧下での耐熱性は、まず100℃程度で大部分の自由水が蒸発により脱水され、リグニン(280〜550℃)>セルロース(240〜400℃)>ヘミセルロース(180〜300℃)の順に、それぞれこの温度以上で変色、分解あるいは軟化、ガス化、更には発熱し炭化が進行する。
ここで、セルロースは、明確な秩序正しい結合構造を持ち、重合度2000〜15000を有する高度に結晶化した鎖状ポリマーであるためバイオマス全体の硬度性能に重要な役割を担っている。
リグニンも極めて複雑な三次元的な結合構造を有する為、硬度性能への貢献度が高い。
一方、ヘミセルロースは重合度50〜200とセルロースに比して小さく、分岐した構造を有するため、硬度貢献度は小さい。
本発明では、構造的に脆く、耐熱性に弱い、ヘミセルロースに照準を当て、ヘミセルロースを熱分解し接着効果を発現させ、セルロース及びリグニンは骨格を保ったまま圧密し、熱硬化反応を発現させ、固体表面燃焼特性を向上させることにより、非常に硬く、燃焼特性に優れた固形物、つまりバイオコークスが製造できることを見出した。
熱硬化反応は、リグニン等に含まれるフェノール性の高分子間で反応活性点が誘発することにより進行する。
このことは、原料にクレゾールを加えて作成したバイオコークスから抽出したリグニン−クレゾール反応物のH−NMR分析によってリグニン分子中にクレゾールの存在を確認できたこと、すなわち、リグニンとクレゾールが反応し、リグニン分子中にクレゾールが導入されたことによって証明される。
このことにより、フェノール間で熱硬化反応が起こり、比較的均質で強固な分子間ネットワークが形成されることになる。
また、材料の調合でこの熱硬化反応を活発化することが可能であり、加工成形温度を10〜60℃、更に低下することが可能となる。
これにより、バイオマスを炭化させることなく、低温で熱硬化反応を誘起することができ、固体燃焼時での石炭コークスを代替できる燃焼特性を実現することが可能となる。
図2は、本発明に係るバイオコークスの製造工程を示す概略フローチャートである。以下、図2を参照しつつバイオコークスの製造方法について詳しく説明する。
図2に示される如く、バイオコークスの製造は、大きく三つの工程を経ることで達成される。
工程1では、バイオマスを3mm以下に粉砕する。
工程2では、工程1において粉砕されたバイオマスを115〜230℃の範囲で加熱すると共に8〜25MPaの範囲で圧力制御しながら成形する。
工程3では、工程2における加熱及び加圧状態を10〜20分間保持する。
この後、加圧状態で冷却し、取り出した後に乾燥を行い、バイオコークスが完成する。
上記製造工程をより詳しく説明する。
バイオコークスの原料となるバイオマスは、そのままの状態では空隙が非常に大きいことと、受熱表面積が小さいため、加熱・加圧成形に適さない。従って、均質な成形を行うため、先ずバイオマスをミキサー等の粉砕手段により粉砕する。このとき、粉砕後のバイオマスの粒子径が3mm以下、好ましくは0.1mm以下となるように粉砕すれば良い。
これにより、バイオマスを成形用の筒(後述する)に充填する際、嵩密度が向上し均質な充填が可能となり、加熱成形においてバイオマス間の接触が高まり、成形後の硬度も向上する。
次いで、粉砕したバイオマスを加熱・加圧成形するために、シリンダー等の成形用筒に充填し、その後、加圧用ピストンを装填する。
成形用筒或いは加圧用ピストンの形状において特に指定はないが、断面円形状であることがより好ましい。これにより、成形中に成形用筒或いは加圧用ピストンに少々のねじれが生じたとしても、成形工程を維持することが可能となる。
ここで、成形用筒の内径と加圧用ピストンの外径が略同一であることにより、加熱・加圧成形時において、バイオマスから発生する水蒸気及びガス化成分を成形用筒の内部に留めることが可能となり、バイオマスの過熱水蒸気改質が可能となり、高硬度及び高発熱量を有するバイオコークスを得ることが可能となる。
以上の初期充填の後、上述した如く115〜230℃、8〜25MPaの条件で、バイオマスの加熱及び加圧成形を行い、この加熱・加圧状態を10〜20分間程度保持する。
加熱方法としては、例えば、成形用筒の外周を覆うようにして電気炉等の加熱手段を配設し、成形用筒を介してバイオマスを加熱するようにすれば良い。また、加圧成形は、上述した加圧用ピストンにより行う。加圧方法としては油圧ジャッキ等の加圧手段を用いて機械的に加圧すれば良いが、バイオマス原料に含まれる水分量の若干の違いにより、筒内部で発生する蒸気圧がピストンによる加圧圧力を超える場合があるので注意する必要がある。
ここで、加熱・加圧成形を上述した条件で行うことにより、過剰なプロセスエネルギーを必要とせず、高硬度及び高発熱量を有するバイオコークスを得ることができる。
これは、115〜230℃の温度条件において加熱を行うことにより、ヘミセルロースが熱分解し、成形用筒内部に発生する過熱水蒸気によりセルロース及びリグニンがその骨格を保持したまま低温で反応し、圧密効果と相乗的に作用することによって、より硬度が増すことに起因している。
より好ましくは、加熱は180℃〜230℃の範囲で、加圧は12〜19MPaの範囲で成形を行うことが望ましい。
この後、加圧状態を維持したまま、バイオコークスが40〜50℃以下になるまで30〜60分程度冷却し、その後、成形用筒よりバイオコークスを取り出す。この温度より高い温度でバイオコークスを取り出すと、ヘミセルロースによる接着効果が低下する。また、冷却方法としては、大気による自然冷却が好ましい。冷却時間があまりにも短いと、表面にひび割れ等が生じ、硬度を低下させる原因となるからである。
また、成形用筒より取り出した直後のバイオコークスには、製造時、密閉に近い、つまり略真空状態で成形されているため、重量割合で5〜10%の水蒸気が再度凝縮している。これを乾燥により脱水することで硬度の向上を図ることができる。
乾燥の方法としては、特に限定はないが、例えば、大気放置にて自然乾燥を行う、或いは80〜100℃程度の恒温室で乾燥させる方法が挙げられる。
以上の工程を経て製造されたバイオコークスは、比重1.2〜1.38、最高圧縮強度60〜200MPa、発熱量18〜23MJ/kgの物性値を示す硬度・燃焼性共に優れた性能を有しており、例えば、未加工の木質バイオマスが、みかけ比重約0.4〜0.6、発熱量約17MJ/kg、最高圧縮強度約30MPaであるのと比べると、発熱量及び硬度の点において格段に優れていることが判る。
また、石炭コークスの物性値、みかけ比重約1.85、最高圧縮強度約15MPa、発熱量約29MJ/kgに比しても、本発明に係るバイオコークスは、燃焼性・硬度とも遜色ない性能を有する。
また、本発明に係るバイオコークスは、みかけ比重1.2〜1.38で形成されており、バイオマスの真比重1.4と大差がない。このことより、本発明に係るバイオコークスは、内部空隙がほとんど存在しないため、単位体積当たりの炭素比率を略最大にすることが可能となり、略最大の熱エネルギー発生量約30GJ/mを得ている。また、その輸送性も最大限に向上する。
次に、本発明に係るバイオコークスとその製造方法の変更例について以下に記述する。尚、以下に挙げる変更例は、製造工程自体の変更は行わず、原料に対しての変更のみ行っている。
第一の変更例としては、原料となるバイオマスに金属粒子を添加して加熱・加圧成形を行う。
金属粒子としては、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Mn(マンガン)等を例示することができる。
金属粒子の粒子径は、細かいほど好ましく、約3mm以下(より好ましくは0.1mm以下)のものを混入することが好ましい。これは、先の製造工程でも述べたように、成形に際して、成形用筒に均質な充填を行うと共に原料のバイオマスに対して満遍なく金属粒子を接触させるためである。
これにより製造されたバイオコークスは、最高圧縮強度60〜200MPa、発熱量1〜23MJ/kgに加え、みかけ比重1.3〜6.0の物性値を示す。
このバイオコークスは、原料中に含まれる金属粒子の存在により、外部から加熱される熱を効率よく受熱し、バイオマス間の接触反応を促進するため、ムラの少ない均質加工を実現できる。また、このことは、成型後の圧縮強度の向上につながる。
また、原材料中に含まれる金属粒子は、鋳物製造や製鉄において溶解と同時に溶湯することが可能である。
従来、鋳物や鉄鋼は使用される用途に応じて要求される特性が異なるので、製造の最終段階で必要な成分調整処理を行う必要があるが(例えば、転炉処理等)、バイオマスに添加する金属粒子を予め調整配合しておくことにより、この処理工程を省略できると共にコストを削減することが可能となる。
第二の変更例としては、原料となるバイオマスにバイオマス等からなる炭化物を添加して加熱・加圧成形を行う。
バイオコークスは生化学的な観点から、成分中、重量割合にして炭素分が40〜50%程度であるので、溶解エネルギーとしての固体表面反応によるチャー燃焼特性が石炭コークスに比して、50〜60%程度劣る。このことは、発熱量、発熱温度の評価には影響を及ぼさないが、発熱持続時間に関わってくる。
この対策として、原料のバイオマスにバイオマス等からなる炭化物(発熱量33〜42MJ/kg)をコンパウンドして(包み込むようにして)バイオコークスを成形する。
これにより、単位重量及び単位体積当たりの炭素比率が高くなり、燃焼持続時間及び発熱量の向上を得ることが可能となる。すなわち、固体表面燃焼特性の向上が可能となる。
バイオマス等からなる炭化物の形状は、1〜数mm以下(好ましくは0.1mm以下)に粉砕した炭粉であることが好ましい。
この炭化物は、バイオマスだけに留まらず、化石資源由来の廃棄物から作られる炭粉等でも好適に使用することができる。
以上より製造された炭化物コンパウンド型バイオコークスは、最高圧縮強度60〜200MPa、発熱量18〜27MJ/kg、みかけ比重1.3〜1.4の物性値を示す。
このことにより、例えば、バイオマス炭粉を50%重量割合で混入すると、バイオコークスの炭素比率が75%程度向上し、発熱量が24.5MJ/kgと15%程度向上すると共に燃焼持続時間も向上する。
第三の変更例としては、原料となるバイオマスにバイオマス等からなる灰分を添加して加熱・加圧成形を行う。
灰分の原料としては、例えば、廃棄された野菜食品、CCA(クローム、銅、砒素)塗布されていない建築廃材、断熱材等を挙げることができる。
鋳物製造や製鉄においては、成分調整として珪素(シリコン)分を添加するために、Fe−Siとして石炭コークスと共に投入する等の処理を行っている。原料のバイオマスはその成分中に珪素(シリコン)分を含んでいるが、これにバイオマス等からなる灰分を添加して加熱・加圧成形することにより、鋳物製造や製鉄において、バイオコークスの有する発熱量や硬度を低下させることなく、珪素(シリコン)分の含有比率を調整することが可能となる。
第四の変更例としては、原料となるバイオマスに天然硫黄分等を多く含むバイオマスを添加して加熱・加圧成形を行う。
バイオマスの中には、リグニンスルホン酸等の光合成に起因する硫黄分やリン分等が体積割合にして10%以上含有されるものがある。これは、バイオマスが生育する土壌に硫黄分やリン分等が多く含まれていることによる。
上述したが、従来、鋳物或いは鉄鋼は使用される用途に応じて要求される特性が異なるので、製造の最終段階で必要な成分調整処理を行う必要があり、硫黄分、リン分等もこの例外ではない。
従って、この天然硫黄分等が体積割合にして10%以上含有されるバイオマスを、原料となるバイオマスに同一粒子径で添加して加熱・加圧成形することで、鋳物製造或いは製鉄において、バイオコークスの有する発熱量や硬度を低下させることなく、バイオコークス中の硫黄分等の含有比率を調整することが可能となる。これは、化石燃料に元来含まれる硫黄分、リン分等を使用せず、天然の添加剤をコンパウンドするため、自然環境へ与える負荷が少ない利点を併せ持つ。
尚、硫黄分等が多量に必要な鋳物製造等がある場合は、この天然硫黄分等を多量に含むバイオマスのみを原料として、バイオコークスを製造すれば良い。
以上より、本発明に係るバイオコークスは、鋳物製造或いは製鉄においてキュポラ、高炉における熱源・還元剤等として使用可能であり、また、高い圧縮強度等の特性を活かして、マテリアル素材としての使用も可能である。この際、その種々の用途に適応できるように、本発明に係るバイオコークスは直径0.1〜250mm、高さ1〜1000mm程度までの成形が可能である。
ここで先ず、石炭コークス代替バイオコークスの使用例として、キュポラ用代替コークスとしての利用について説明する。
キュポラ型溶融炉(2)の概略断面図を図3に、その特性を図4に、キュポラ型溶融炉(2)の一部切欠外観図を図5に示す。
図3及び図5に示したキュポラ型溶融炉(2)は、外面が鋼板(3)で覆われ、内面が耐火煉瓦(4)で形成された縦長の有底円筒形状の炉であって、上方に装入口(5)を有し、炉底付近に出湯口(6)及び出滓口(7)を有している。装入口(5)の下方には、装入作業者が載るための装入作業床(8)が設けられている。また、出湯口(6)のやや上方には送風管(9)及び風箱(10)と連通接続された羽口(11)が設けられている。更に炉底(12)には扉(13)が設けられている。
このようなキュポラ型溶融炉(2)を用いて鋳物或いは鉄鋼を製造する場合、先ず炉底(12)部分にベッドコークス(14)を敷設し、その上に地金(15)と追込コークス(16)を載設する。このとき、地金(15)と追込コークス(16)が交互に層を形成するように且つ各層に隙間が形成されるようにする。
ここで、ベッドコークス(14)と追込コークス(16)の両方において、本発明に係るバイオコークス(1)を数〜50%の範囲で石炭コークス(17)と混合して用いる。
図4(a)は、炉内の温度分布を示す図である。
炉内における温度は、下方に向かうにつれて、地金(15)と追込コークス(16)が配された上方域(A)では約500℃から約1000℃まで緩やかに上昇し、ベッドコークス(14)が配された下方域(B)では約1800℃まで急激に上昇した後、約1600℃まで下降する分布となる。
図4(b)の左側は、炉内を地金(15)の状態により区分した図である。
図示される如く、地金(15)と追込コークス(16)が交互に載設された炉の上方部分は地金(15)が予熱される予熱帯を形成し、その下のベッドコークス(14)との境界付近は地金(15)が溶解される溶解帯を形成し、ベッドコークス(14)が敷設されて温度がピークに達する炉の下方部分は溶解された地金(15)が過熱される過熱帯を形成し、羽口(11)より下方の炉底部分は溶湯(18)がたまる湯だまり帯を形成している。
予熱帯では、コークスが燃焼ガス或いは空気が通過する空隙を形成しているが、本発明に係るバイオコークス(1)は石炭コークス(17)の約10倍前後の圧縮強度を有しているので、上方からの加重に対して破壊されることなく空隙を形成することができる。
図4(b)の右側は、炉内をコークスと炉内ガスとの反応により区分した図である。
上記した溶解帯及び過熱帯は、図示される如く、還元帯と酸化帯に区分される。
具体的には、溶解帯と過熱帯の上方領域は還元帯となり、過熱帯の下方領域は酸化帯となる。
還元帯は、酸化帯での燃焼反応によるCOはもちろんバイオコークス(1)がガス化することにより形成される還元領域であり、より詳しくはバイオコークス(1)のセルロース及びリグニンが熱分解してガス化(CO、H等を発生)することにより形成される。即ち、バイオコークス(1)が還元剤としても効果を有することを示している。
このような還元領域、即ち、バイオコークス(1)のガス化が起こる領域が炉内のベッドコークス(14)上方部分で生じる理由は、還元雰囲気下でバイオマスが加熱される場合、発熱反応でガス化が生じ、更に自己ガス化反応が進行することによる。
酸化帯は、雰囲気が600℃以上に達する過熱帯であって、バイオコークス(1)が完全にガス化或いは酸化燃焼して灰分となる領域であり、地金(15)を溶解する熱源が生成される。
このような酸化領域、即ち、バイオコークス(1)の完全ガス化或いは酸化燃焼が起こる領域が炉内のベッドコークス(14)下方部分で生じる理由は、羽口(11)を通して炉下方より吹き込まれる空気による燃焼反応が生じることによる。
ここで、バイオコークス(1)の燃焼特性について説明する。
石炭コークス(17)の発熱量は、約29MJ/kgの温度一定の発熱量を放出する。これに対し、バイオコークス(1)は、18〜23MJ/kgと石炭コークス(17)に比してやや低いが、ガス化・炭化過程による重量変化に伴い発熱温度と発熱量に変化が見られる。
先ず、常温〜250℃までは、加熱されるのみで発熱反応は生じない。
250〜600℃位までは、バイオマスのガス化によりCO、Hなどのガス成分を排出しながら、発熱を行うが、全体の発熱温度はやや低くなる傾向にある。
しかしながら、600℃以上において、固体表面反応によりチャー燃焼が生じ、石炭コークス(17)に匹敵する発熱温度を得ることができ、瞬間的には石炭コークス(17)を超え、石炭燃焼に匹敵する33〜42MJ/kg程度の発熱量を得ることが可能となる。
従って、溶解エネルギーとしての代替バイオコークス(1)の真価は、600℃以上の雰囲気において発揮される。
以下、上記の如く構成されたキュポラ型溶融炉(2)を用いた鋳物或いは鉄鋼の製造工程について説明する。
先ず、キュポラ型溶融炉(2)の装入口(5)から地金(15)及び追込コークス(16)として、石炭コークス(17)と本発明に係るバイオコークス(1)を適切な割合、例えば、全コークス中、バイオコークス(1)を数〜50%で投入し、その内部を図3及び図5に示されたように形成する。
次いで、羽口(11)から空気を送りながら炉内を加熱すると、還元帯のベッドコークス(14)はガス化し、揮発ガスを発生して還元領域を形成し、酸化帯のベッドコークス(14)は完全にガス化或いは酸化燃焼する。
このような炉内下方領域にあるベッドコークス(14)のガス化或いは酸化燃焼に伴って、炉の上方部分に交互に載設された地金(15)と追込コークス(16)は予熱されながら崩れ落ちるように下方へと移動する。
そして、下方へと移動した地金は、酸化帯におけるコークスから発生する熱によって溶解され、羽口(11)から供給される空気によって還元された後、出湯口(6)から溶湯(18)として取り出される。
溶湯(18)は、上述したバイオコークス(1)の高温域での燃焼特性により、従来の石炭コークス燃焼により得られる溶湯温度に比して遜色なく、或いは、より高温で得ることが可能となる。
尚、本発明に係るバイオコークスは、製造初期の段階で、成分調整をすることが可能であるため、転炉等を用いて成分調整を行う必要はない。これにより、全製造工程の省略化並びに省略に伴うコストの削減が可能となる。
以上のように、本発明に係るバイオコークスは、鋳物製造或いは製鉄において、石炭コークスの数〜50%程度に代替して用いることが可能であり、この場合においても石炭コークスを用いた場合と同様或いはそれ以上の効果を得ることが可能となる。
また、本発明に係るバイオコークスは、比較的簡単な構成で作成することができるため、石炭コークスに対して低コスト化を図ることが可能となる。
更に、石炭コークス代替による、地球環境負荷の低減を達成することが可能となる。
次に、本発明に係るバイオコークスのマテリアル素材としての利用例について説明する。
身近に存在するバイオマスの資源量は膨大で常に生産されるため、食品残渣や河川敷の草等の利用価値の乏しいバイオマスは、ごみとして扱かわれることが多く、埋め立てや焼却処分することを余儀なくされる。
バイオマスが光合成を通して炭素固定していることや秩序正しい組織構造を構築することなどを鑑みると、その特性を活かしてマテリアル素材へと転換することで、カスケード構造を有する持続的な循環、すなわちゼロ・エミッションの構築が可能となる。
本発明に係るバイオコークスは、鉄よりも高い最高圧縮強度60〜200MPaを有しており、また、食品残渣や河川敷の草等も原料として利用できるため、マテリアル素材としての利用価値が非常に高い。
マテリアル素材としては、ガーデンフェンス・園芸杭・釘等の杭状体、コースター・法面及び遮断壁用パネル等のプレート体を例示することができる。
尚、本発明に係るバイオコークスを杭状体として利用するときは、それなりの耐衝撃力が必要となるので、例えば、原料のバイオマスに金属粒子を添加しバイオマス間の反応性を向上させる、或いはバイオマスの繊維性を活かして粗く粉砕したバイオマスを添加して連続性を向上させる等の手段を講じることがより好ましい。
以上により、従来、未利用のまま処理されるバイオマスを有効利用することが可能となり、人体に悪影響を及ぼすプラスチック等の化学物質からなる物品を、持続的に循環可能なバイオマス資源からなる物品に代替できる方向性を示すことが可能となった。
尚、マテリアル素材として利用するバイオコークスは、熱源としての利用が当然可能であるので、マテリアルとしての使用が済めば、例えば、炭粉化してバイオコークスの中にコンパウンドし、カスケード利用すれば良い。また、自然にはそのまま腐朽されるため、自然帰化することも可能である。
次に、本発明に係るバイオコークスの更なる利用例について説明する。
上記したバイオコークス製造方法を拡大し、短時間で高硬度な炭化物の製造を行う。
バイオコークスを大気開放下において、再度、加熱・加圧成形する。加熱条件を250〜350℃、加圧条件を8〜16MPaに設定して、重量収率を10〜30%前後に維持して製造を行う。
これにより、短時間で略100%の炭化物を得ることが可能となる。
ここで、加熱条件を250〜350℃、加圧条件を8〜16MPaに設定することにより、炭化ムラがなく、密着性の高い炭化物を短時間で得ることが可能となる。
この製造方法において、バイオコークスはガス化及び発熱反応を生じながら、炭化進行に従い重量減少を続け、完全な炭化が得られた時点で炭としての固形物を得ることが可能となる。生木を用いて、同設定条件で炭化を行うと、加圧効果によりガス化が急激に進行し、炭として固形化されず灰分のみが得られる。
以上により得られる炭化物は30〜35MJ/kgの発熱量を有し、木炭に比して高硬度な固形物に転換され、備長炭に近い熱源としての固体燃焼特性を有することが可能となる。
以下、実施例を挙げて、本発明に係るバイオコークスとその製造方法について詳述する。
(実施例1)
スギのおがくずを粉砕機(松下電工社製)により、0.1mm程度に粉砕した。
この粉砕物を自作の成形用筒(直径40mm×高さ250mmの円柱形本体)に入れ、加圧用ピストンを装填し、210℃、16MPa付近で加熱・加圧を同時制御しながら10分間保持した。
その後、加圧状態を維持しながら60分間放冷し、バイオコークスを取り出し、大気乾燥を行った。
製造されたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約100MPa、発熱量約21MJ/kgを示した。
(実施例2)
加熱温度を180℃とした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約80MPa、発熱量約20MJ/kgを示した。
(実施例3)
加熱温度を220℃とした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約120MPa、発熱量約23MJ/kgを示した。
(実施例4)
直径20mmの成形用筒を用い加熱温度220℃、加圧圧力20MPaとした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、最高圧縮強度約200MPa、発熱量約23MJ/kgを示した。
(実施例5)
成形材料をヒノキの樹皮とした以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
ヒノキの樹皮は、スギのおがくずより固形化し易く、また、得られたバイオコークスの性状は、発熱量約21MJ/kg、最高圧縮強度約100MPaを示した。
(実施例6)
成形材料をスギのおがくず10%・樹皮90%とし、115℃、21MPa付近で加熱・加圧を同時制御しながら15分間保持した以外は実施例1と同様の処理をし、バイオコークスを得た。
得られたバイオコークスの性状は、発熱量約21MJ/kg、最高圧縮強度約83MPaを示した。樹皮に含まれるフェノール性の高い高分子、ポリフェノール等により加工成形温度を50℃近く下げることができた。
(比較例1)
加熱温度240℃とした以外は実施例1と同様の処理をしたが、全炭化し固形化することができなかった。
上記実施例及び比較例より、加熱温度が115℃〜230℃においては、発熱量、最高圧縮強度共に優れたバイオコークスが得られた。しかしながら、加熱温度が230℃を超えた場合、急激に炭化及びガス化が進行し、バイオコークスを得ることはできなかった。
従って、230℃から240℃の極めて少ない温度差で急激に炭化及びガス化が進行するため、適切な温度範囲の上限を230℃とした。
最高圧縮強度約100MPa、発熱量約21MJ/kgのバイオコークスを用い、炉内径300mmの実機キュポラ(ナニワ炉機研究所所有)により石炭コークス代替実証実験を行った。
(実施例7)
全コークス中の10%をバイオコークスで代替し、キュポラを操業した。
操業状態としては、石炭コークス100%による操業と大差なく出湯できることが分かった。
操業後の、鋳鉄の引張試験では、120〜160MPaの値を示した。
(実施例8)
全コークス中の50%をバイオコークスで代替したところ、実施例4と略同等の結果が得られた。
これにより、全コークス中の50%をバイオコークスで代替しても、石炭コークス100%操業と変わりのない操業ができることを実証した。
(実施例9)
最高圧縮強度約100MPa、発熱量約21MJ/kgのバイオコークスを再度、大気圧下で300℃、8MPa付近で加熱・加圧を同時制御しながら20分間保持した。
これにより得られた人工備長炭とも言うべき炭化物は、重量収率が約20%、発熱量が約34MJ/kgを示した。
(実施例10)
成形材料を河川敷の草とし、加圧用ピストンの加圧面を円錐穴状に加工し、実施例1と同様の条件処理を行って、杭状体を得た。
得られた杭状体の性状は、最高圧縮強度約80MPaを示した。
本発明は、石炭コークス代替燃料及びマテリアル素材並びにその製造方法として好適に利用可能である。
本発明に係るバイオコークスの外観の一例を示す斜視図である。 本発明に係るバイオコークスの製造工程を示す概略フローチャートである。 本発明に係るバイオコークスをキュポラ用代替コークスとして利用した場合におけるキュポラ型溶融炉を示す概略断面図である。 本発明に係るバイオコークスをキュポラ用代替コークスとして利用した場合におけるキュポラ型溶融炉の特性を示す図である。 本発明に係るバイオコークスをキュポラ用代替コークスとして利用した場合におけるキュポラ型溶融炉を示す一部切欠外観斜視図である。
符号の説明
1 バイオコークス
14 ベッドコークス
16 追込コークス
17 石炭コークス
請求の範囲第10項に記載の発明は、光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程と、
該粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する工程と、
該バイオマス原料が充填された筒に加圧ピストンを装填する工程と、
前記バイオマス原料を略密閉状態にて加熱すると共に前記加圧ピストンにより加圧成形する工程と、
前記加熱及び加圧を一定時間維持して、前記バイオマス原料の主成分であるリグニン、セルロース及びヘミセルロースのうち、ヘミセルロースを熱分解させると共にセルロース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反応させて半炭化或いは半炭化前固形物を得る工程と、
該半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持しながら冷却する工程と、
該冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備えるバイオマス固形物の製造方法であって、
前記筒の内径と前記加圧ピストンの外径とが略同一であることを特徴とするバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第11項に記載の発明は、前記粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以下であることを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
請求の範囲第12項に記載の発明は、前記加熱における温度条件が115〜230℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることを特徴とする請求の範囲第7項又は第10項に記載のバイオマス固形物の製造方法を提案する。
本発明は、バイオマス固形物及びその製造方法に関し、より詳しくは、石炭コークスの代替燃料並びにマテリアル素材としても利用可能であるバイオマス固形物及びその製造方法に関する。
尚、本発明における最高圧縮強度(MPa)とは、木材の圧縮試験法(JISZ2111)の規格に基づく硬度の度合いを示している

Claims (14)

  1. 光合成に起因するバイオマス原料を加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなり、
    最高圧縮強度60〜200MPa及び発熱量18〜23MJ/kgであることを特徴とするバイオマス固形物。
  2. 前記半炭化前或いは半炭化固形物のみかけ比重が1.2〜1.38であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物。
  3. 前記半炭化前或いは半炭化固形物を再度加熱しながら加圧成形してなる炭化物からなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のバイオマス固形物。
  4. 光合成に起因するバイオマス原料に金属粒子を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物。
  5. 光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等からなる炭化物を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物。
  6. 光合成に起因するバイオマス原料にバイオマス等からなる灰分を添加したものを加熱しながら加圧成形してなる半炭化前或いは半炭化固形物からなることを特徴とするバイオマス固形物。
  7. 光合成に起因するバイオマス原料を粉砕する工程と、
    該粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する工程と、
    該バイオマス原料が充填された筒に加圧ピストンを装填する工程と、
    前記バイオマス原料を加熱すると共に前記加圧ピストンにより加圧成形する工程と、
    前記加熱及び加圧を一定時間維持して半炭化前或いは半炭化固形物を得る工程と、
    該半炭化前或いは半炭化固形物を加圧維持しながら冷却する工程と、
    該冷却された半炭化前或いは半炭化固形物を取り出し乾燥する工程とを備えるバイオマス固形物の製造方法であって、
    前記筒の内径と前記加圧ピストンの外径とが略同一であることを特徴とするバイオマス固形物の製造方法。
  8. 前記粉砕されたバイオマス原料の粒子径が3mm以下であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
  9. 前記加熱における温度条件が115〜230℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜25MPaであることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
  10. 前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階において金属粒子を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
  11. 前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマス等からなる炭化物を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
  12. 前記粉砕されたバイオマス原料を筒に充填する段階においてバイオマス等からなる灰分を添加することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
  13. 前記冷却及び乾燥された半炭化前或いは半炭化固形物を大気開放下において加熱すると共に加圧成形する工程と、
    該加熱及び加圧を一定時間維持して炭化物を得る工程とを備えることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
  14. 前記加熱における温度条件が250〜350℃であり、前記加圧成形における圧力条件が8〜16MPaであることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のバイオマス固形物の製造方法。
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