JP2019065203A - バイオコークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストをかけることなく燃焼時における結晶性シリカの大気中への放出を抑制できるバイオコークスの製造方法を提供する。【解決手段】籾殻M1を微粉砕して200μm以下の粉状体M2にする。粉状体M2を250℃以上の温度で加熱しながら10kg/cm2以上の圧力で圧縮することによって所定の形状に固形化してバイオコークス10を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、籾殻や藁等のバイオマス原料からバイオコークスを製造する方法に関する。
近年、地球の温暖化といった環境問題や将来的な化石燃料の枯渇問題に対応するために、石炭コークスの代替燃料としてバイオコークスが注目されている。このバイオコークスは、一般的に、籾殻等からなるバイオマス原料を基に作られることが知られている。
バイオマス原料である籾殻は、ケイ酸を多く含むケイ酸植物と呼ばれ、その有機質中に非常に細かな非晶質シリカが分散している(非特許文献1)。詳述すると、籾殻は、その断面観察の結果等より、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンからなる柔組織や表皮下繊維組織からなる中間層と、該中間層の両側に存在する2つの表皮層とを備え、両表皮層の外側に位置するクチクラにおいて非常に細かな非晶質シリカが分散していることが知られている。
また、籾殻には、上述の非晶質シリカと共に肥料を由来とするカリウム成分も含まれていて、800℃以上の温度で燃焼させると、含まれているカリウム成分によってクリストバライト等の結晶性シリカが生成されることが知られている(非特許文献2)。籾殻の燃焼灰に含まれる結晶性シリカは、約90wt%であり、結晶化する際においてその表面が溶融し、燃焼後、凝固する形態が観察される。これは、籾殻に含まれる13.2〜29.0wt%の無機質の中にカリウム成分であるKOが0.58〜2.5wt%含まれていて、そのカリウム成分の作用によってポリケイ酸カリウムKSi2n+1が生成されることにより、800℃以上の温度になると非晶質シリカの表面が溶融し、溶融した状態で非晶質シリカの格子が動き易くなって結晶性シリカへと結晶化するものと考えられている。
ところで、直径が7μm以下の吸引性粉塵の中に含まれる結晶性シリカは、その粒子が肺胞といった人体の呼吸器深部にまで到達可能な大きさであるため、多量に吸い込むと塵肺や肺癌を引き起こし易くなってしまう(非特許文献3及び非特許文献4)。
一方、乾燥させた籾殻の柔組織や表皮下繊維組織は、薄片状をなしており、各薄片間には、多くの空間が存在している。このような籾殻を燃焼させると、セルロース等からなる有機質の組織やクチクラが焼失し、クチクラ内に分布するシリカが焼け残る。つまり、両表皮層の外側において機械的強度が著しく低いシリカの残る灰の層が形成され、この脆くなった灰の層によってシリカが細かな粒子になり易くなってしまうので、もし仮に、乾燥籾殻を800℃以上の温度で燃焼させると、細かな粒子となった結晶性シリカが浮遊粉塵として大気中に放出されてしまうことになる。したがって、バイオコークスとなるバイオマス原料として籾殻を用いる場合には、バイオコークスを燃焼させた際において出来るだけ結晶性シリカが大気中に放出されないようにすることが好ましい。
これに対応するために、例えば、非特許文献5乃至7には、籾殻等のケイ酸植物を燃焼させる際、800℃以下の燃焼温度において非晶質シリカの結晶化を抑制してそのまま大気中に放出することが可能な流動床燃焼の技術が開示されている。
しかし、バイオコークスの燃焼方法には、非特許文献5乃至7の如き流動床燃焼によるものの他に、火格子燃焼、固定床燃焼、及び、浮遊旋回燃焼などがある。そして、これらの燃焼方法により燃焼させる燃焼炉は、一般的に800〜1000℃になるとともに、局所的には1300℃以上にもなるので、バイオコークスの燃焼時において結晶性シリカの発生を抑制する上述の如き流動床燃焼の技術を利用することができない。したがって、籾殻を燃焼させて生成される結晶性シリカは、集塵機によって除去するしかないという考えが一般的になっている。
P.K.Basu,C.J.King and S.Linn,"Manufacture of SiliconTetrachloride from Rice Hulls" ,AIChE Journal,19,p.439-445(1973) 中田、鈴木、奥谷、菊池、秋山、「籾殻からのSiO2の製造及びその性状」、日本セラミックス協会学術論文誌、97、p.842−849(1989) Shuchun Liu,Ning Liu and Jie Li,"Silicosis Caused by Rice Husk Ashes" ,Journal of Occupational Health,38,p.57-62(1996) 日本産業衛生学会、「許容濃度等の勧告(2012年度)」、産業衛生学雑誌、48、p.194−224(2012) L.Amesto,A.Bahillo,K.Veijonen,A.Cabanillas,J.Otero,"Combustion begaviour f rice husk in a bubbling fluidized bed",Biomass and Bioenergy,23,p.171-170(2002) M.Fang,L.Yang,G.Chen,Z.Shi,Z.Luo,K.Chen,"Experimental study on rice husk combustion in a circulating fluidizedbed",Fuel Processing Technology,85,p.1273-1282(2004) M.Rozainee,S.P.Ngo,A.A.Salema,K.G.Tan,M.Ariffin,Z.N.Zainura,"Effect of fluidizing velocity on the combustion of rice huskin a bench-scale fluidized bed combustor for the production of amorphous ricehusk ash",Bioresource Technology,99,p.703-713(2008)
しかし、ケイ酸植物からなる多量のバイオコークスを燃焼させる場合、生成される結晶性シリカの全てを補足するためには、集塵機を大型化するか、或は、高性能化してその集塵能力を高める必要がある。したがって、集塵機の価格が高騰してしまい、小規模な企業や家庭においてバイオコークスを使用し難いという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストをかけることなく燃焼時における結晶性シリカの大気中への放出を抑制できるバイオコークスの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、所定の条件下において、ケイ酸植物を粉状体にするとともに、当該粉状体を加熱及び圧縮して所定の形状に固形化してバイオコークスを得るようにしたことを特徴とする。
すなわち、第1の発明では、ケイ酸植物を粉砕して200μm以下の粉状体にした後、当該粉状体を250℃以上の温度で加熱しながら10kg/cm以上の圧力で圧縮することによって所定の形状に固形化してバイオコークスを得ることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記粉状体を圧縮して加熱する際の温度を、400℃以上とすることを特徴とする。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記ケイ酸植物は、イネの籾殻か、或いは、藁であることを特徴とする。
第1の発明では、粉状体に粉砕したケイ酸植物を適切な温度及び圧力で加熱をしながら圧縮すると、空隙の多い組織からなる比較的脆い中間層だけでなく硬いクチクラも破壊された状態で固形化されたバイオコークスになる。すると、バイオコークスを燃焼させた際、当該バイオコークス全体が空隙の少ない機械的強度の高まった燃焼灰になるので、もし仮に、バイオコークスを800℃以上の温度で燃焼させたとしても、非晶質シリカが結晶化する際に溶融し、燃焼後においてそのままの状態で凝固するようになり、脆く崩れ去った灰と共に結晶性シリカが細かな粒子になって大気中に放出されるといったことがない。したがって、バイオコークスを燃焼させる際に粉塵回収用の集塵機を用意する必要がないので、コストがかからない。
第2の発明では、バイオコークスを燃焼させた際の燃焼温度が低くなるので、籾殻における非晶質シリカの結晶化が停止されるか、或は、非晶質シリカの結晶化が困難になり、結晶性シリカの大気中の放出を確実に防ぐことができる。
第3の発明では、資源量が多く、材料費が安くなるので、低コストなバイオコークスにすることができる。
本発明の実施形態におけるバイオコークス製造装置の断面図である。 本発明の実施形態におけるロータの側面図である。 図1のIII−III線における断面図である。 図1のIV−IV線における断面図である。 燃焼実験の際に使用した粉塵捕集装置の概略正面図である。 バイオコークスの燃焼実験の際における燃焼時間及び燃焼温度の関係を表したグラフである。 実験1の燃焼実験の際に発生する浮遊粉塵の遊離ケイ酸含有率について粉塵捕集条件を変更しながらそれぞれ調べた結果を示す表である。 実験1における燃焼実験の際のバイオコークスの状態を示す表である。 実験1の燃焼実験後のバイオコークスの燃焼灰における各成分を示す表である。 実験1の燃焼実験後のバイオコークスにおける燃焼灰の組織を拡大した写真である。 籾殻を浮遊旋回燃焼炉で燃焼させて生成された燃焼灰の組織を拡大した写真である。 実験2の燃焼実験時における600℃のときのバイオコークスの燃焼灰の組織を拡大した写真である。 実験2の燃焼実験時における900℃のときのバイオコークスの燃焼灰の組織を拡大した写真である。 実験3の燃焼実験時における720℃のときのバイオコークスの燃焼灰の組織を拡大した写真である。 実験3の燃焼実験時における800℃のときのバイオコークスの燃焼灰の組織を拡大した写真である。 実験3の燃焼実験時における1000℃のときのバイオコークスの燃焼灰の組織を拡大した写真である。 製造温度の異なるバイオコークスを燃焼させた際の燃焼灰に含まれる結晶性シリカの含有量をそれぞれ示した表である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1は、本発明の実施形態に係るバイオコークス10を製造する製造装置1を示す。該製造装置1は、籾殻M1(バイオマス原料)を微粉砕する微粉砕機2と、該微粉砕機2により微粉砕された籾殻M1を加熱しながら圧縮して上記バイオコークス10を製造する加熱圧縮機3とを備えている。
微粉砕機2は、ロータ軸21a周りに回転可能なロータ21と、水平方向に開口する収容凹部22dを有するハウジング22とを備え、ロータ21は、ロータ軸21aが水平方向に向く姿勢となるように収容凹部22dにその先端側から収容されている。
ロータ21は、先端に行くにつれて次第に縮径する円錐状をなし、その外周面には、図2に示すように、ロータ軸21aに沿って所定の捩れ角で螺旋状に延びる突条部21cがロータ軸21a周りに複数形成されている。
ハウジング22の内周面には、図3に示すように、ロータ軸21aに沿って所定の捩れ角で螺旋状に延びる切刃22aがロータ軸21a周りに複数形成され、各切刃22aは、各突条部21cとは反対向きの螺旋状になっている。
ハウジング22の上部には、図1に示すように、上下に延びて収容凹部22dに連通する連通孔22bが形成されている。
連通孔22bの上部開口周縁には、籾殻M1を案内可能な上下に開口する漏斗形状のホッパ23が取り付けられ、該ホッパ23に上方から籾殻M1を投入すると、当該籾殻M1が連通孔22bを介して収容凹部22dに供給されるようになっている。
ハウジング22におけるロータ21の先端部分に対応する位置には、ロータ軸21aに沿って延びて収容凹部22dに連通する断面円形状の排出孔22cが形成されている。
一方、ハウジング22には、ロータ21をロータ軸21a周りに回転駆動させるギアボックス24が収容凹部22dの開口部分を覆うように固定され、ハウジング22とギアボックス24とでロータ収容空間S1が形成されるようになっている。
そして、微粉砕機2は、矢印X1のように、連通孔22bからロータ収容空間S1に供給された籾殻M1をロータ21の回転動作により各突条部21c及び各切刃22aで微粉砕して粉状体M2にするとともに、当該粉状体M2を排出孔22cに向かって移動させるようになっている。
加熱圧縮機3は、筒中心線がロータ軸21aの中心線に一致する円筒31と、該円筒31を収容する円筒収容空間32aを有する略長方形状の収容ケース32とを備えている。
円筒31の一端周縁部分は、ハウジング22の排出孔22cに接続され、円筒31の内部とロータ収容空間S1とが連通している。
また、円筒31の内周面における中途部には、円筒31の一端側よりも他端側の内径を小さくする段差部31aが設けられている。尚、円筒31の他端側の内径は、50mmとなっている。
さらに、円筒31の内周面には、図4に示すように、円筒31の一端から他端に亘って連続的に延びる凹条溝31bが筒中心線周りに等間隔に4つ形成されている。
円筒31の一端側内方には、図1に示すように、スクリューコンベア33が配設されている。
該スクリューコンベア33は、回転軸心がロータ軸21aの回転軸心と同軸上にある軸部33aと、該軸部33aの外周面に螺旋状に延びる羽根部33bとを備え、軸部33aは、ロータ軸21aに回転一体に取り付けられている。尚、軸部33aの径は、15mmとなっている。
収容ケース32の円筒収容空間32aには、電気ヒータ34が配設され、該電気ヒータ34は、円筒収容空間32aの雰囲気温度を250℃以上に高めるようになっている。
ギアボックス24には、図示しない駆動モータが接続され、該駆動モータの回転駆動でロータ21を回転させるようになっている。そして、ロータ21と共に一体に回転するスクリューコンベア33の回転動作によって粉状体M2をロータ収容空間S1から排出孔22cを介して円筒31の内部に順次押し込み、当該円筒31内部に位置する粉状体M2を少しずつ移動させながら加熱及び圧縮するようになっている。その際、円筒収容空間32aの雰囲気温度を250℃以上に高めておくと、粉状体M2内部のセルロース等の有機物が熱分解して液状のタール分が生成されるようになっている。
また、駆動モータの回転数を変更することによって円筒31内部に位置する粉状体M2に加わる圧力を、10kg/cm以上に変更できるようになっている。そして、本発明では、円筒31内部の粉状体M2に10kg/cmの圧力が加わるように設定され、これにより、粉状体M2が円筒31内部を120kg/hrで進むようになっている。
尚、本発明の加熱圧縮機3では、粉状体M2が円筒31内部を120kg/hrで進むよう設定されているが、ロータ21の回転数を変更させることにより、粉状体M2は、円筒31の内部を80〜150kg/hrで進めることができるようになっている。
そして、粉状体M2は、円筒31の他端から順次押し出されて冷却され、粉状体M2内部のタール分が固化することによってバイオコークス10が得られるようになっている。
その後、バイオコークス10は、図示しない切断機によって所定の間隔で切断されるようになっている。尚、切断後のバイオコークス10は、径が50mm、長さが350mmとなっていて、その中心に径が15mmの貫通孔が形成された形状になっている。
次に、製造装置1によるバイオコークス10の製造について詳述する。
まず、籾殻M1をホッパ23の上端開口から順次投入する。すると、籾殻M1は、ホッパ23に案内されて連通孔22bを介してロータ収容空間S1に供給される。
ロータ収容空間S1に供給された籾殻M1は、回転するロータ21の各突条部21c及び各切刃22aによって微粉砕されて粉状体M2になるとともに、回転するスクリューコンベア33によって排出孔22cを介して円筒31内部に順次供給される。このとき、粉状体M2は、200μm以下となるように微粉砕される。
円筒31の内部に位置する粉状体M2は、電気ヒータ34によって加熱されながらスクリューコンベア33の回転動作によって円筒31の一端から他端に向かって順次押し込まれ、移動しながら圧縮されてバイオコークス10に固形化される。このとき、円筒31の内部の圧力が10kg/cmとなるようにスクリューコンベア33を回転させる。
しかる後、円筒31の他端から順次押し出されるバイオコークス10を図示しない切断機によって順次切断して所定の長さのバイオコークス10を得る。
次に、上述の如き製造したバイオコークス10の燃焼実験(実験1)について詳述する。燃焼実験に際し、図5に示すような、粉塵捕集装置4を用意する。尚、この調査は、平成17年4月1日に一部改正になった作業環境測定基準に則して行っている。
粉塵捕集装置4は、バイオコークス10を燃焼させる際に発生する浮遊粉塵中に結晶性シリカがどのくらい存在するかを調査するためのものであり、上方に開口する燃焼用凹部41aを有する七輪41と、該七輪41の側方に配置された測定ユニット42とを備えている。
七輪41の燃焼用凹部41aにおける中途部には、火皿41bがセットされ、該火皿41bには、小分けにされた複数のバイオコークス10が載置されている。
また、七輪41の側壁下部には、燃焼用凹部41aにおける火皿41bの下方の空間に連通する通風孔41cが形成されている。
測定ユニット42は、フロアに設置された吸引ポンプ42aと、浮遊粉塵を案内する正面視で略L字状をなす配管42bとを備え、該配管の一端は、上記吸引ポンプ42aに接続されている。
配管42bの他端は、七輪41の上方に位置しており、フィルタ42cとPM4分粒装置42dとが順に取り付けられている。
フィルタ42cは、テフロンバインダーフィルタであり、0.3μmのステアリン酸を98%捕集可能な能力となっている。
また、PM4分粒装置42dは、径が7μm以上の粒子を捕集可能となっていて、その取付位置は、七輪41の上側開口部分から上方に1200mmの位置となっている。
さらに、配管42bの中途部には、当該配管42b内を流れる流体の流量を測定可能な流量計42eが取り付けられている。
そして、まず初めに、製造装置1における円筒収容空間32aの雰囲気温度を310℃として製造した複数のバイオコークス10を4kg分用意し、当該バイオコークス10の大きさが100mm程度となるよう切断して小分けにした後、小分けにしたバイオコークス10を七輪41に逐次投入しながら燃焼させた。しかる後、吸引ポンプ42aを20L/minの吸引力で起動させるとともに、発生する浮遊粉塵をフィルタ42cにて捕集した。具体的には、図6は、横軸を燃焼時間、縦軸を燃焼温度としたグラフであり、測定ユニット42を用いることによってバイオコークス10が830〜870℃の温度で燃焼している燃焼開始後80分から270分の間の浮遊粉塵を捕集した。そして、PM4分粒装置42dによって除去されてフィルタ42cに捕集された7μm未満の浮遊粉塵(4.55mg)についてX線回析を行い、フィルタ42cに捕集された浮遊粉塵の遊離ケイ酸含有率を調べた(以下、この実験の捕集条件をAとする)。
また、バイオコークス10の燃焼開始後80分から270分の間において、10分毎に七輪41における通風孔41cに50L/minの風を送風し、その際にフィルタ42cに捕集された7μm未満の浮遊粉塵(7.10mg)についてもX線回析を行い、フィルタ42cに捕集された浮遊粉塵の遊離ケイ酸含有率を調べた(以下、この実験の捕集条件をBとする)。
図7は、上述の測定条件A、Bにおいて捕集した浮遊粉塵の遊離ケイ酸含有率を示したものである。この結果より、バイオコークス10を燃焼させた際において発生する浮遊粉塵には、クリストバライト等の結晶性シリカが含まれていないことが分かった。
次に、バイオコークス10を七輪41で燃焼させて燃焼灰を得るとともに、当該燃焼灰のケイ酸含有率及び燃焼灰に含まれる各成分を調べた。
図8は、上述の如き七輪41によって燃焼させることにより形成されたバイオコークス10の燃焼灰における結晶性シリカの含有率を示したものである。この結果より、バイオコークス10の燃焼灰には、10.8%のクリストバライト(結晶性シリカ)が含まれることが分かった。
図9は、上述の如き七輪41によって燃焼させることにより形成されたバイオコークス10の燃焼灰の成分を示したものである。この結果より、酸化カリウム(KO)が1.92%含まれることが分かった。
図10は、バイオコークス10の燃焼灰の組織を走査電子顕微鏡によって観察した結果を示す写真である。燃焼時において、クチクラ部分にあったシリカが結晶化する際に溶融し、その後、燃焼が終わるとそのままの形で凝固していることが分かった。
これに対し、図11は、籾殻M1を浮遊旋回燃焼炉において1000℃の温度で燃焼させたときの燃焼灰の組織を走査電子顕微鏡によって観察した結果を示す写真である。籾殻M1に含まれるシリカがほぼ全量においてクリストバライトに結晶化していることが分かった。また、籾殻M1のクチクラ内に分散していたシリカの表面が滑らかになっている一方、各シリカの径が細かくなっていて、その一部の径が7μm未満の吸引性粒子になっていることが分かった。これは、籾殻M1が浮遊旋回燃焼炉内において互いにぶつかり合ったり、或いは、壁に衝突したりして粉砕され、細かくなったものと考えられる。
ここで、バイオコークス10を800℃以上の温度で燃焼させた際に、籾殻M1(粉状体M2)に含まれるカリウム成分がシリカの結晶化を促進させているか否かの確認実験(実験2)を行った。
まず、25g分のバイオコークス10を5〜10mmの大きさとなるように小分けにするとともに蒸留水で洗浄し、その後、乾燥させた。
次に、乾燥させたバイオコークス10を1規定塩酸溶液0.5Lに浸すとともに、バイオコークス10が中性(pH7)になるまで100℃の温度で2時間還流処理を行い、その後、そのバイオコークス10を80℃の温度で1時間真空乾燥させることによって、バイオコークス10におけるカリウムなどの不純物を取り除いた。
次いで、塩酸によって洗浄されたバイオコークス10を所定の量の水酸化カリウム水溶液に浸し、その後、水を蒸発させ、且つ、乾燥させることによってシリカに対するカリウムの重量%が5wt%となるようにバイオコークス10にカリウムが含まれるようにした。
しかる後、このバイオコークス10を燃焼ボートに充填するとともに、空気気流100mL/minで、且つ、昇温温度5℃/minで600℃から1300℃まで昇温した。そして、バイオコークス10の燃焼灰のX線回析を行って結晶相を同定するとともに、その形態を走査電子顕微鏡にて観察した。
図12は、燃焼温度が600℃のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰の組織である。一方、図13は、燃焼温度が900℃のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰の組織である。これらを比較すると、バイオコークス10の燃焼温度が800℃を超えると、クリストバライトが発生することが観察された。したがって、バイオコークス10にカリウム成分が含まれると、燃焼温度が800℃を超えた際にシリカの結晶化が促進されることが分かった。
また、燃焼温度が900℃のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰には、クリストバライトが発生してはいるものの、そのクリストバライトは、溶融した後、凝固して灰の中に留まっていることが観察された。つまり、バイオコークス10を800℃以上で燃焼させてもクリストバライトが浮遊粉塵として放出されないことが分かった。
次に、バイオコークス10にカリウムではなくナトリウムが含まれる場合において、バイオコークス10を800℃以上の温度で燃焼させると、バイオコークス10におけるシリカの結晶化が促進されるか否かの確認実験を行った(実験3)。
尚、塩酸によって洗浄されたバイオコークス10を所定の量の炭酸ナトリウム水溶液に浸し、その後、水を蒸発させ、且つ、乾燥させることによってシリカに対するナトリウムの重量%が5wt%となるようにバイオコークス10にナトリウムが含まれるようにした点を除いて上述と同様の実験を実施した。
図14は、燃焼温度が720℃のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰の組織である。また、図15は、燃焼温度が800℃のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰の組織である。さらに、図16は、燃焼温度が1000℃のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰の組織である。これらを比較すると、バイオコークス10の燃焼温度が800℃を超えると、クリストバライトが発生することが観察された。したがって、バイオコークス10にナトリウム成分が含まれると、燃焼温度が800℃を超えた際にシリカの結晶化が促進されることが分かった。つまり、バイオコークス10にアルカリ金属が含まれると、燃焼温度が800℃を超えた際にシリカの結晶化が促進されると言える。
また、燃焼温度が800℃以上のときにおけるバイオコークス10の燃焼灰には、クリストバライトが発生してはいるものの、そのクリストバライトは、溶融した後、凝固して灰の中に留まっていることが観察された。つまり、ナトリウムが添加されたバイオコークス10を800℃以上で燃焼させてもクリストバライトが浮遊粉塵として放出されないことが分かった。
次に、製造装置1における円筒収容空間32aの雰囲気温度を変えながら製造した各バイオコークス10について、それぞれ燃焼実験を行った際における燃焼後の燃焼灰に含まれるクリストバライトの発生量について調査した。
図17は、製造温度の異なるバイオコークス10の燃焼灰に含まれるクリストバライトの変化を示した表である。バイオコークス10の製造温度を400℃以上にすると、バイオコークス10の燃焼灰にクリストバライトがほとんど含まれなくなることが分かった。これは、バイオコークス10の製造温度を高くすると、籾殻M1(粉状体M2)に含まれるセルロール等の有機質の分解が進み、燃焼温度を高める働きのあるタール分やメタンガスなどが少なくなるので、バイオコークス10を燃焼させた際に燃焼温度が低くなってシリカが結晶化し難くなったものと考えられる。
このように、上述した通り、籾殻M1を800℃以上の温度で燃焼させると、籾殻M1に含まれるカリウム成分によって結晶性シリカが生成されるのが一般的に知られている。しかし、本発明の実施形態によると、粉状体M2に粉砕した籾殻M1を適切な温度及び圧力で加熱しながら圧縮すると、空隙の多い組織からなる比較的脆い中間層だけでなく硬いクチクラも破壊された状態で固形化されたバイオコークス10になるので、当該バイオコークス10を燃焼させた際、バイオコークス10の全体が空隙の少ない機械的強度の高まった燃焼灰になる。したがって、もし仮に、バイオコークス10を800℃以上の温度で燃焼させたとしても、非晶質シリカ(クリストバライト)が結晶化する際に溶融し、燃焼後においてそのままの状態で凝固するようになるので、脆く崩れ去った灰と共に結晶性シリカが細かな粒子になって大気中に放出されるといったことがない。よって、バイオコークス10を燃焼させる際に粉塵回収用の集塵機を用意する必要がなくなり、コストがかからない。
また、バイオコークス10を400℃以上の温度で製造すると、当該バイオコークス10を燃焼させた際の燃焼温度が低くなるので、籾殻M1(粉状体M2)における非晶質シリカの結晶化が停止されるか、或は、非晶質シリカの結晶化が困難になり、結晶性シリカの大気中の放出を確実に防ぐことができる。
尚、本発明の実施形態の製造装置1は、籾殻M1以外のバイオマス原料からもバイオコークス10を製造することができる。例えば、稲、小麦、大麦、ライ麦、ハト麦、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ及びススキなどのイネ科の植物が挙げられ、その中においても、ケイ酸含有率が高い籾殻や藁などをバイオマス原料として用いるのが好ましい。これら籾殻や藁から製造したバイオコークス10は、資源量が多く、材料費が安くなるので、コストが嵩まない。
また、本発明の実施形態1では、略三角錐状のロータ21を用いているが、これに限らず、例えば、石臼型粉砕機や擂潰機などを用いて擂り潰してもよい。
本発明は、籾殻や藁等のバイオマス原料からバイオコークスを製造する方法に適している。
1 製造装置
10 バイオコークス
M1 籾殻(ケイ酸植物)
M2 粉状体

Claims (3)

  1. ケイ酸植物を粉砕して200μm以下の粉状体にした後、当該粉状体を250℃以上の温度で加熱しながら10kg/cm以上の圧力で圧縮することによって所定の形状に固形化してバイオコークスを得ることを特徴とするバイオコークスの製造方法。
  2. 請求項1に記載のバイオコークスの製造方法において、
    上記粉状体を圧縮して加熱する際の温度を、400℃以上とすることを特徴とするバイオコークスの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のバイオコークスの製造方法において、
    上記ケイ酸植物は、イネの籾殻か、或いは、藁であることを特徴とするバイオコークスの製造方法。
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