JP3760228B2 - 高発熱量炭化物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料を超え、かつ木炭をも超えるエネルギー密度の高い高発熱量と木炭を超える高エネルギー収率とを発揮する炭化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
将来的に予測されている化石燃料の枯渇、大気中CO2濃度の上昇を一因とする地球温暖化現象などを考慮して、化石燃料に対する依存度を低下させるために、再生可能なエネルギー源であるバイオマスを、エネルギー収率が高く、かつエネルギー密度の高い燃料に変換する新しい技術が求められている。
従来、バイオマスを原料とする木炭の製造方法は、簡単な加熱乾留設備を用いて、低カロリーのバイオマス(約4.5Gcal/t・乾物)のエネルギーを高密度化(約8Gcal/t・木炭)させることができるので、低発熱量のバイオマス起源のエネルギー輸送性および貯蔵性を改善させる技術として、一応認知されている。すなわち、木炭製造方法は、他のバイオマス変換法、例えば、ガス化法、液化法などが、バイオマス生産地点に建設することが困難である大型のプラントを必要とし、しかもエネルギー収率が必ずしも高くはないという難点を有しているのに対して、大きな利点を有している。しかしながら、既存のバイオマス木炭化技術には、次の様な難点がある。
先ず、バイオマスの加熱炭化物である木炭においては、炭化過程で発生する揮発分が外界へ放出されるので、原料に対する炭化物の収率は、重量基準で20%程度、エネルギー基準で40%弱に留まり、原料バイオマスエネルギーの大きな損失を伴う。
木炭自体の重量当たりカロリー(重量エネルギー密度)は、白炭で約7.5Gcal/t、黒炭で約8Gcal/tであり、油類の10Gcal/tに比して、著しく低いわけではない。しかしながら、木炭は、空隙率が大きいために、容積当たりカロリー(容積エネルギー密度)では、2〜4Gcal/m3と著しく低く、油類の約9Gcal/m3には遠く及ばないので、燃料としての輸送性にいちじるしく劣る。
換言すれば、従来のバイオマスの加熱乾留による燃料製造技術に求められていながら、未だ実現していない特性は、主に次の3点に要約される(以下それぞれを要求特性(1)、(2)および(3)という)。
(1)エネルギー収率の向上:これを達成するためには、バイオマス重量の半分近くを占める揮発分の喪失防止あるいは取り込みが必要である。しかしながら、本来、木炭は、“バイオマスから加熱乾留により揮発分を除去した固体残留物”として観念され或いは定義されているので、従来の手法により、エネルギー収率の飛躍的な向上をはかることは、困難である。
(2)容積エネルギー密度の増大:原理的には、得られた木炭を圧密化することにより、容積エネルギー密度を改善することは、可能である。しかしながら、木炭は、粘着性成分含有量が少ないため、木炭から生成した圧密炭は、もろく、強度的に不安定である。この様な欠点を解消して、形状的・強度的に安定したバイオペレット(タドンなどの成形炭)を得るためには、木炭に糊剤を配合した後、成形する操作が必要であり、製造コストが高くなる。
(3)重量エネルギー密度の増大:また、仮に上記の圧密化処理を行ったとしても、重量エネルギー密度の増大は、達成されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、バイオマスを原料として、高いエネルギー収率で、木炭よりも容積エネルギー密度および重量エネルギー密度の高い固形燃料を製造する技術を提供することを主な目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術の問題点ならびに上記要求特性(1)、(2)および(3)に留意しつつ、研究を重ねてきた。その過程において、従来の木炭製造においては、バイオマスの加熱時に揮散して、失われていた揮発分を炭化物に循環吸収させることを着想した。しかしながら、バイオマスの加熱処理により生成される炭化物と揮発分(主として水分と揮発性有機物とからなる)とを低温で、例えば常温で接触させる場合には、炭化物が揮発分中の木酢液などの主成分である水分を大量に吸着するので、その重量当りの発熱量は激減する。これに対し、両生成物をあまり高温で接触させる場合には、炭化物への有機性揮発分の吸着が十分に行われなかったり、或いは吸着された有機性揮発分が炭化物から再度揮発して、所望量の揮発分を炭化物に保持させることができないことが判明した。換言すれば、炭化物と揮発分との接触操作により、前者に後者を保持させるためには、水分の吸着を抑制しつつ、かつ炭化物内に有機性揮発分を選択的に残留させるための適切な温度域があることを示唆する事実が明らかとなった。
本発明者は、上記の様な知見に基づいて、バイオマスを加熱乾留した後、相互に分離した炭化物と揮発分との接触を行う温度につき、さらに研究を進めた。
先ず、低温側に関して、(1)炭化物と揮発分との接触を100℃付近で行う場合には、炭化物重量の30〜60%程度にも達する大量の水分が吸着されること、(2)110℃付近から吸着水分量が激減し始めること、(3)120℃以上においては、水分の吸着は殆ど生じなくなることを見出した。
【0005】
一方、高温側に関して、(1)500℃或いはそれ以上の温度では、赤熱した炭化物から揮発分が盛んに放出されるので、この様な高温度域で揮発分を接触させても、その吸着は全く望めないこと、(2)400℃では、外部からの揮発分の取り込みは殆ど認められないこと、(3)350℃以下になると、揮発分中の高沸点成分であるタールなどが吸収され始めること、(4)木酢液の有機性主成分である酢酸(沸点=117.8℃)は、沸点よりも若干高い温度(120〜140℃程度)でも、炭化物に吸着されることなどを見出した。
【0006】
以上の結果から、本発明者は、バイオマスを原料として、加熱乾留により、高発熱量炭化物を効率良く製造するためには、生成した揮発分の形態に応じて、炭化物と揮発分との接触を特定の温度範囲で行うことが望ましいことを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記のバイオマスを原料とする高発熱量炭化物の製造方法を提供する。
1.バイオマスを加熱乾留することにより得られる炭化物に対し、加熱時に発生する揮発分を循環吸収させることを特徴とする高発熱量炭化物の製造法。
2.バイオマスを200〜500℃で加熱乾留することにより得られる炭化物に対し、加熱時に発生する揮発分を循環吸収させる上記項1に記載の高発熱量炭化物の製造法。
3.バイオマスを加熱乾留することにより得られる炭化物と揮発分とを分離回収した後、冷却により生成した液状揮発分に120〜350℃の炭化物を浸積して、揮発分を吸収させる上記項1に記載の高発熱量炭化物の製造法。
4.バイオマスを加熱乾留することにより得られる炭化物と揮発分とを分離回収した後、ガス状揮発分に250℃以下に冷却した炭化物を接触させて、水より高沸点の揮発分を吸収させる上記項1に記載の高発熱量炭化物の製造法。
5.バイオマスを加熱乾留するに際し、加熱初期に発生する水蒸気を、炉内雰囲気と混合させることなく加熱装置外に排出して、実質的に水蒸気により希釈されていないガス状で回収し、これに250℃以下に冷却した炭化物を接触させて、水より高沸点の揮発分を吸収させる上記項1に記載の高発熱量炭化物の製造法。
6.バイオマスを加熱乾留することにより得られる炭化物と揮発分とを分離回収し、冷却した揮発分に冷却した炭化物を接触させた後、120〜350℃で加熱することにより水分を除去する請求項1に記載の高発熱量炭化物の製造法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においては、バイオマスを加熱乾留することにより、炭化物と揮発分とを生成させた後、揮発分中の有効成分(主として木酢液と木タールからなる)を炭化物に循環吸収させる。
バイオマスの加熱乾留は、常法に従って行えば良く、実質的に大気を遮断した状態で、200〜500℃程度(より好ましくは250〜350℃程度)の温度で行う。
【0009】
本発明において使用するバイオマスは、加熱乾留により炭化物と揮発分とを生成する植物系材料である限り、限定されない。より具体的には、木、製材残渣、林地残渣、草、枝葉(剪定材、葉苅材など)、古紙などが例示される。なお、以下においては、説明を簡略化するために、伐採木を加熱乾留し、炭化物と揮発分とを生成させる事例を想定して説明を行う。
本発明によれば、揮発分に含まれる有機性の有効成分を炭化物に循環吸収させることにより、「エネルギー収率の向上」という前記要求特性(1)が充足される。
特に、油分である木タールなどを選択的に炭化物に含浸させることにより、炭化物の発熱量を油類の発熱量(約10000kcal/kg)に近づけることができるので、「重量エネルギー密度の増大」という前記要求特性(3)が得られる。
また、有機性の有効成分を含浸させた炭化物を、公知のバイオペレットと同様に、圧密化することにより、「容積エネルギー密度の増大」という前記要求特性(2)を達成することができる。この場合には、揮発分に含まれる有機性の有効成分の粘着性により、圧密炭の成形性および形状安定性が改善される。
本発明によるバイオマスの加熱乾留により生成する揮発分の主成分は、水分、木ガス、木酢液および木タールである。これらの成分中、炭化物に循環吸収させることにより、炭化物の発熱量増大、圧密炭の安定化などに寄与する“有効成分”は、木酢液と木タールである。炭化物に接触吸着させるための有効成分は、冷却前の蒸気の形態であっても、或いはいったん冷却した液体の形態であっても、良い。
【0010】
炭化物の性状は、上記の木酢液および木タールを吸着しうる細孔を有する限り、特に限定されない。例えば、500℃を超える高温域での加熱により形成され、有機揮発分の少ない炭化物(黒炭、白炭などの木炭)および500℃以下の比較的低温域での加熱により形成され、有機揮発分を多量に含有する半炭化物のいずれであっても良い。但し、実質的に炭化が進行していない200℃以下の熱処理バイオマスは、有機揮発分を吸着すべき細孔を殆ど有していないので、本発明では、使用することはできない。
また、本発明の目的である高エネルギー収率を達成するためには、一度徹底的に有機揮発分を揮発させた木炭に対し有機揮発分を再度吸着させることは不利であり、半炭化物に対し有機揮発分を再度吸着させることが、より合理的である。
【0011】
本発明は、以下に詳述するバッチ方式および連続方式のいずれの方式によっても、実施出来る。
1.バッチ法
この方法の一態様においては、バイオマスの加熱乾留を行った後、揮発分を冷却し、木酢液/木タール液状混合物を分離回収する。次いで、まだ冷却していない中高温の炭化物または半炭化物に対し、液状混合物を流下或いは滴下させることにより、炭化物または半炭化物と液状混合物とを接触させて、水よりも高沸点の有機成分を炭化物または半炭化物に吸着させる。この接触操作においては、吸着の最終段階における炭化物または半炭化物の温度が、120℃を下回らないように、留意する必要がある。この温度が120℃未満となる場合には、炭化物または半炭化物への水分の吸着が始まり、110℃以下となる場合には、水分の吸着量が急増する。
一般に、木材乾留時の収率(重量)は、樹種による相違はあまりなく、炭化物が約25%であり、木酢液/木タール混合物が約50%であるので、熱的バランスなどを考慮して、炭化物と液状混合物との接触開始温度は、許容下限値の120℃よりはかなり高めに、より具体的には200〜500℃程度に設定することが好ましい。
【0012】
バッチ法における他の一態様として、木酢液/木タール液状混合物を沸騰させて、その気体と炭化物とを接触させることができる場合には、接触操作開始時の炭化物の温度は、約200〜300℃というより低い温度域であっても良い。
【0013】
さらに、バッチ法における他の一態様として、半炭化物に対して、木酢液/木タール液状混合物を接触させることができる。バイオマスを原料して半炭化物を製造する場合には、半炭化物と木酢液/木タール混合物の収率が、いずれも約40%とほぼ等しい。従って、半炭化物と液状混合物との接触開始温度が約200〜400℃、接触最終温度が約200℃となる様に、設定する。
【0014】
さらにまた、炭化物の場合と同様に、木酢液/木タール液状混合物を沸騰させて、その気体と半炭化物とを接触させることができる場合には、接触操作開始時の半炭化物の温度は、あまり制約されず、接触最終温度が約200℃となる様に設定することが重要である。
また、冷却した炭化物或いは半炭化物に木酢液/木タール液状混合物を含浸させた後、120〜350℃程度(より好ましくは125〜180℃程度)で乾燥することによっても、水分が選択的に除去されるので、実質的に水分を含まない本発明による高発熱量炭化物が得られる。
II.連続法
この方法においては、バイオマスの加熱乾留時に発生する揮発分を冷却することなく、蒸気として回収し、これと約250〜120℃に冷却した炭化物または半炭化物とを接触させる。この場合には、炭化物または半炭化物には、水よりも高沸点の揮発分のみが吸収される。
図1は、連続法において使用する乾留炉の一例の概要を示す模式的な断面図である。この連続方式による乾留炉は、原料BM(バイオマス)の処理段階に対応して、乾燥部、乾留部、冷却部、接触部および送出部を備えており、それぞれの段階は、シャッターa、b、cおよびdにより遮断することが可能である。なお、図1中の種々の段階における温度条件は、原料BMの寸法、乾燥度などに応じて適宜選択されるものであり、単なる例示である。
原料BMは、乾留炉の乾燥部に導入され、110〜130℃程度の温度において、乾燥される。この乾燥処理により、湿潤水分が除去される。
次いで、乾燥されたBMは、シャッターaが開かれた状態で、乾留部に導入された後、シャッターaが閉じられた状態で、例えば、200〜400℃程度の温度で乾留される。ここで発生した揮発分(例えば、400〜300℃程度)は、その最大発生部位で抜き出して、後述するように、実質的に冷却による析出を生じさせることなく、冷却温炭化物と接触させるために、誘導路を経て接触部に供給される。
次いで、乾留炭化物は、シャッターbが開かれた状態で、冷却部に導入された後、シャッターbが閉じられた状態で、所定の温度(例えば、120〜250℃程度)まで、冷却される。
冷却された乾留炭化物は、シャッターcが開かれた状態で、接触部に導入された後、シャッターcおよびdが閉じられた状態で、前述の高温揮発分と接触して、有機性揮発分を吸着する。この様にして接触部で得られた高発熱量炭化物は、シャッターdを開いて、乾留炉外に送出される。
高沸点の有機性揮発分が炭化物上に析出した後のガス(例えば、150℃程度)は、主として水蒸気と木ガスからなっているので、これを排気孔から乾留炉外に取り出す。この排ガスは、水蒸気を凝縮除去した後、乾留炉の加熱燃料などとして用いることができる。
乾留炉内部に設置する複数個のシャッターは、それぞれ配置された位置に応じて種々の機能を発揮する。例えば、シャッターaは、乾燥部での昇温初期に大量に放出される水蒸気を乾留部で発生する有機性揮発分と混合させないように、順方向へのガス移動を制御する機能を発揮する。また、シャッターbおよびcは、冷却部および接触部からのガスが乾留部へ逆流することを防止する機能を発揮する。さらに、シャッターdは、接触部に送給された高温揮発分が順方向に流出することを防止する。
【0015】
なお、乾留部で発生する揮発分が少ない場合には、乾留部と接触部とを連絡する高温揮発分誘導路内に送風機を設置し、間欠的に吸引操作を行うことにより、高温の揮発分をまとめて、冷却した乾留炭化物へ誘導して接触させることも、できる。
【0016】
上記の手法により得られた高発熱量炭化物をさらに公知の方法により圧密化処理に供する場合には、重量エネルギー密度を高めた圧密炭が得られる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
実施例1
通常の炭焼き炉から回収した木酢液/木タール混合液中に、生成した木炭(黒炭)を漬した後、120℃で熱風乾燥して、高エネルギー収率で高発熱量炭(8.5Gcal/m3)を得た。原料バイオマスに対するエネルギー収率は、黒炭の30%に比して、40〜55%と向上した。
実施例2
外熱式の炭焼き炉において、炉温を250〜500℃に制御して半炭化物を得た。原料バイオマスに対するエネルギー収率は、約45%であった。
次に回収した木酢液/木タール混合液を、未冷却の半炭化物堆積物(約300〜400℃)中に注入し、生成した水蒸気は放出した。得られた揮発分含浸炭のエネルギー収率は、約65%であった.
実施例3
外熱式の連続炭化炉において、バイオマスの乾留後120℃に冷却した炭化物を排出する直前に、揮発分を接触させ、吸着させた。揮発分は、炭化炉の中央部から抜き出して、蒸気の形態で冷却炭化物へ導いた。大部分の水蒸気は、高温のため炭化物に吸着されることなく、揮散した。得られた揮発分含浸炭のエネルギー収率は、約60%であった。
実施例4
実施例3と同様な炉において、原料バイオマスの昇温初期に大量に放出される水蒸気を炉内シャッターによって炉内雰囲気と混合することを妨げつつ、間欠的に炉外へ排出した。炭化炉の中央部から抜き出した揮発分は、有機分濃度が十分に高く、水蒸気濃度が70%以下となり、ガス容積が小さく、炭化物に吸着され易くなっていた。得られた揮発分含浸炭のエネルギー収率は、約65%であった。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、剪定材、間伐材、製材残渣などにより代表される種々の廃棄系バイオマスを、高いエネルギー収率と高い重量当たり発熱量とを確保した炭化物燃料に変換させることにより、高効率燃料として活用することが可能となる。より具体的には、本発明によれば、バイオマスの加熱生成物である炭化物に同じく加熱生成物である有機揮発分を還元吸収させることができるので、理論的には、木ガス以外のすべての有機揮発分を回収することにより、80%以上のエネルギー収率を達成しうる。実用的には、木酢液、木タールなどによるエネルギーロスは避けられないが、それでも60%前後の高エネルギー収率を得ることは容易である。
本発明による生成物は、高いエネルギー収率と高い重量当たり発熱量とを確保した炭化物であり、かつ安定しているので、貯蔵性、輸送性などに優れている。従って、本発明によれば、木炭に比べて、バイオマス資源をより高度に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例において使用するバイオマスの連続炭化炉の概要を示す図面である。
Claims (4)
- バイオマスを200〜500℃で加熱乾留することにより得られる炭化物と揮発分とを分離回収した後、冷却により生成した液状揮発分に120〜350℃の炭化物を浸積して、揮発分を吸収させることを特徴とする高発熱量炭化物の製造法。
- バイオマスを200〜500℃で加熱乾留することにより得られる炭化物と揮発分とを分離回収した後、ガス状の揮発分に250℃以下に冷却した炭化物を接触させて、水より高沸点の揮発分を吸収させることを特徴とする高発熱量炭化物の製造法。
- バイオマスを200〜500℃で加熱乾留するに際し、加熱初期に発生する水蒸気を、炉内雰囲気と混合させることなく加熱装置外に排出して、実質的に水蒸気により希釈されていない揮発分をガス状で回収し、これに250℃以下に冷却した炭化物を接触させて、水より高沸点の揮発分を吸収させることを特徴とする高発熱量炭化物の製造法。
- バイオマスを200〜500℃で加熱乾留することにより得られる炭化物と揮発分とを分離回収し、冷却した揮発分に冷却した炭化物を接触させた後、120〜350℃で加熱することにより水分を除去することを特徴とする高発熱量炭化物の製造法。
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