JPWO2005061188A1 - 部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び吸着ノズルの製造方法 - Google Patents

部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び吸着ノズルの製造方法 Download PDF

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Abstract

吸着ノズル(3)における部品(1)の吸着保持面(14)を、半導体セラミックスにて形成することにより、吸着保持の際に上記部品と直接的に接触される上記吸着保持面に半導体としての特性を備えさせて、上記吸着ノズルにて静電気が発生することに伴う弊害、及び上記吸着ノズルと上記部品とが電気的に導通状態とされることに伴う弊害の発生を防止する。

Description

本発明は、吸着ノズルにて部品を吸着保持して、基板上の部品装着位置に配置し、吸着保持の解除を行なうことで上記部品を上記基板に装着する部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び当該吸着ノズルの製造方法に関する。
従来、このような吸着ノズルを装備する部品装着ヘッドを備える部品装着装置においては、基板に装着されるべき部品の上方に吸着ノズルが位置されるように、当該部品に対して上記部品装着ヘッドを相対的に移動させて、その後、吸着ノズルを下降させることにより、当該吸着ノズルの吸着保持面に上記部品を当接させるとともに、上記吸着保持面にて上記部品を吸引することで、上記吸着ノズルによる上記部品の吸着保持を行なうことが可能に構成されている。また、このように部品が吸着保持された状態の吸着ノズルを装備する部品装着ヘッドを、基板の上方に移動させ、その後、吸着ノズルを下降させて、上記基板における部品装着位置に上記部品を配置させるとともに、上記吸着ノズルによる吸引を停止して吸着解除を行なうことで、上記部品を上記基板に装着することが可能に構成されている。
近年、部品が基板に装着されることにより形成された電子回路を内蔵する電子機器においては、益々、高機能化、多様化、あるいは小型化が図られている。このような電子機器における高機能化、多様化、あるいは小型化に伴って、上記部品や上記基板自体についても高機能化、多様化、あるいは小型化が図られ、上記基板への上記部品の装着の際に求められる諸条件についても、より多様化された様々な条件が求められるようになりつつあるとともに、夫々の条件自体がより厳しい条件となりつつある。
このような部品装着に求められる条件としては、例えば、多様化されて様々な形状を有する部品を、吸着ノズルの吸着保持面で確実に吸着保持できること、上記高機能化されたことで、より外的負荷に対して弱体化された上記部品に対して、損傷等を発生させないこと等がある。このような外的負荷としては、例えば、静電気等の電気的負荷や、周囲環境等の清浄度に起因して与えられる汚染等の影響等がある。さらには、繰り返し行なわれる部品装着に対応するために吸着ノズルや部品装着ヘッドが耐久性等を有していること等も上記条件として求められることもある。
このような部品装着ヘッドに装備される吸着ノズルにおいては、上記様々な諸条件の内の少しでも多くの条件に適合することができるように、様々な種類のものが開発されている。
このような従来における様々な種類の吸着ノズルとして、例えば、セラミックス材料により形成された吸着ノズルがある(例えば、特開2000−151200号公報参照)。このような吸着ノズルにおいては、セラミックスを用いて形成されていることにより、吸着ノズルの繰り返し使用における耐久性や耐磨耗性を向上させることができるという利点がある。
また、従来の別の種類の吸着ノズルとしては、例えば、様々な形状の部品、特に大型部品を確実に吸着保持できることを目的として形成された吸着ノズルがある(例えば、特開2002−233983号公報参照)。このような吸着ノズル114の模式断面図を図13に示す。
図13に示すように、吸着ノズル114は、部品装着ヘッドの一部である中空シャフト111に取付けられた中空軸状のヘッド本体112の内部に上下動可能に配置されて備えられている。また、吸着ノズル114には、この吸着ノズル114内の貫通孔117に上下動可能かつ下方に付勢された状態で保持された突き出しピン128が備えられている。さらに、吸着ノズル114は、そのノズル本体114aの下方先端に設けられたパッド部122を有している。このパッド部122は、その外周側において下方側に向けてラッパ状に突出するスカート部171を有し、軟弾性体からなる。
また、吸着ノズル114は、その下方先端面に部品を吸着する吸着面が形成されている。この吸着面には、ノズル本体114aの先端面に開口する吸気口181の周囲に下方に突出するようにノズル本体114aに一体となるように剛体により形成された吸着保持部125が略環状に形成されている。なお、パッド部122のスカート部171は、この吸着保持部125より僅かに下方にラッパ状に突出するように配置されて形成されている。また、この吸着保持部125の表面には約15μmのダイヤモンド粒子が電着されている。なお、吸着ノズル114は、その機械的強度や製作加工の容易性等を考慮して、金属材料により形成されている。部品の吸着保持時の吸着面は、スカート部171が部品の表面に押し広げられる一方、吸着保持部125は、部品の表面と当接した状態とされる。
次に、このような構成を有する上記部品装着ヘッドにおいて、吸着ノズル114により部品の吸着保持を行なう動作について、図14A、図14B、及び図14Cを参照しながら説明する。
図14Aに示すように、上記部品装着ヘッドは、部品に接触していない通常時には、パッド部122の吸着面はそれ自体の弾性により通常状態、すなわち、スカート部171が吸着保持部125より僅かに下方に突出した状態を保持している。また、突き出しピン128は付勢力により吸気口181から所定長さだけ突出した状態を保持し、且つ吸着ノズル114が下限位置に保持されている。この状態から、図14Bに示すように、部品装着ヘッドが部品供給部104内の部品109の表面に向かい下降して、吸着面が部品109の表面に押し付けられた際、部品109が傾斜している状態であってもスカート部171が部品109の傾斜に追従して押し広げられて外側に開くことで、吸着面と部品109の表面との密封度を高めることができる。この状態において、真空発生装置を作動させることによって、その吸引力により部品109が吸着保持部125に保持される。
上記のように部品109を吸着した部品装着ヘッドは、図14Cに示すように、基板103の所定の装着位置上に位置決めされたのちに下降して、部品109を基板103上に装着する。
このような吸着ノズル114を備える部品装着ヘッドによれば、大型部品を確実に吸着保持することができ、このような大型部品の部品装着に対応することが可能となる。
しかしながら、特開2000−151200号公報に記載されているようなセラミック材料にて形成された吸着ノズルでは、当該セラミック材料が一般的には電気的絶縁材料であることにより、吸着ノズル本体において静電気を発生し易く、当該静電気により吸着ノズルへの塵埃等の付着を誘引して、吸着ノズル自体あるいは吸着保持された部品をも汚染してしまう恐れがある。また、このような静電気が吸着保持の際に部品に伝達付加されることで、吸着保持されたあるいは吸着ノズルと接触された部品を破壊させる恐れがある。このような場合にあっては、確実かつ安定した部品の吸着保持を行なうことができないばかりか、保持される部品を汚染あるいは破壊させてしまうという問題がある。
また、特開2002−233983号公報に記載されている吸着ノズル114のように、電気的絶縁材料ではなく、導電性材料により形成されているような場合にあっては、吸着ノズル114により吸着保持されている部品とこの吸着ノズル114との間で通電する恐れがあり、このような場合にあっては、当該部品を破壊させる場合がある。特に、部品の高機能化により当該部品が電気的負荷に対して弱体化されているような場合にあっては、このような問題はより顕著なものとなる。
さらに、この吸着ノズル114では、部品の多様化に対応するために、特にQFP等の大型部品の吸着保持に対応するために、吸着ノズル114は、軟弾性体により形成されたパッド部122を備えているが、このパッド部122におけるスカート部171の先端部が、吸着ノズル114の吸着面よりも下方に位置されていることにより、例えば、部品における吸着可能な面が小さいが部品全体としてパッド部122の箇所に及ぶ大きさの部品が吸着保持されるような場合にあっては、パッド部122が、吸着面よりも先に部品に当接され、その後、スカート部171が部品に押し付けられて弾性変形されることで、上記吸着面が部品と当接されるものの、スカート部171が上記弾性変形された状態にあるため、上記吸着面と部品との当接状態を引き離す力が働くこととなり、上記吸着面による十分な吸引保持力を得ることができない場合がある。このような場合にあっては、多様化された様々な形状を有する部品の吸着保持に柔軟に対応することができない場合があるという問題がある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、吸着ノズルにて部品を吸着保持して、基板上の部品装着位置に配置し、吸着保持の解除を行なうことで上記部品を上記基板に装着する部品装着において、高機能化及び多様化された部品の装着に確実かつ円滑に対応することができる部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び吸着ノズルの製造方法を提供することにある。
具体的には、(1)吸着保持の際に、部品に対して外的負荷の影響を与えない吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することを目的とする。
また、(2)多様化された様々な形状を有する部品の吸着保持に確実かつ柔軟に対応することができる吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、部品の吸着保持面を有する吸着ノズルを備え、当該吸着ノズルの上記吸着保持面にて部品を吸着保持して、基板における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッドにおいて、
上記吸着ノズルにおける上記吸着保持面を有する部分が、半導体セラミックスにて形成されている部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第2態様によれば、上記半導体セラミックスは、10〜10Ω・cmの範囲の体積固有抵抗値を有する第1態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第3態様によれば、上記吸着ノズルにおいて、当該吸着ノズルの軸心をその中心として形成された略円形状孔部と、当該円形状孔部の端部の一部がその径方向に拡大された複数の端部拡大部とにより一体的に形成され、当接された状態の上記部品の吸引を行う吸着孔部が、上記吸着保持面に形成されている第2態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第4態様によれば、上記吸着ノズルは、
上記吸着保持面よりも内側にその先端部が位置される格納位置と、上記吸着保持面よりも当該先端部が突出される突出位置との間で摺動可能に、上記略円形状孔部内に挿入配置された突出部材と、
上記突出部材を上記突出位置側に常時付勢する付勢部材とを備える第3態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第5態様によれば、上記突出部材の上記先端部は、上記半導体セラミックスで形成されている第4態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第6態様によれば、上記吸着ノズルの上記吸着保持面は、略10〜20μmの範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部を有するように、表面加工が施されている第3態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第7態様によれば、上記多数の凹凸部は、上記吸着保持面において、上記吸着孔部と当該吸着保持面の外周端部とを連通するように形成された多数の溝部である第6態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第8態様によれば、当該吸着ノズルの外周部に密着して配置される内周端部と、上記吸着保持面の周部よりも外側に向けて突出して形成され、上記吸着保持面と略同じ高さ位置あるいは上記吸着保持面よりも僅かに後退された位置に配置された外周端部とを有する弾性材料により形成された補助吸着部をさらに備える第1態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第9態様によれば、上記吸着ノズルは、その外周部において上記補助吸着部の上記内周端部が脱着可能に装備する補助吸着部取付部を備え、上記補助吸着部は、吸着保持される上記部品の大きさに応じて選択的に上記補助吸着部取付部に装備される第8態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第10態様によれば、部品を吸着保持して、基板における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッドが備える吸着ノズルにおいて、
上記部品を解除可能に吸着保持する吸着保持面を有する部分が、半導体セラミックスにて形成されていることを特徴とする吸着ノズルを提供する。
本発明の第11態様によれば、部品を吸着保持して、基板における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッドが備える吸着ノズルの製造方法であって、
上記吸着ノズルにおける上記部品の吸着保持面に相当する箇所に、多数の硬質粒子を固着した金型を用いて、当該金型内に半導体セラミックスを注入することにより上記吸着ノズルを成型して、当該吸着保持面に上記夫々の硬質粒子に応じた多数の凹凸部を形成する吸着ノズルの製造方法を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記金型は、上記吸着保持面に相当する箇所に、略10〜20μmの径を有するダイヤモンド粒子を含む上記硬質粒子を電着して形成され、上記吸着保持面に形成される上記凹凸部は、略10〜20μmの範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する第11態様に記載の吸着ノズルの製造方法を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、部品装着ヘッドにおいて、吸着ノズルが、電気的絶縁性を有するセラミックスにより形成されている(例えば、特開2000−151200号公報のように)のではなく、例えば、カーボン粒子とセラミックスが混合されること等により作成される半導体セラミックスを用いて形成されていることにより、当該形成された吸着ノズルに半導体としての特性を備えさせることができる。これにより、上記吸着ノズルにおいて静電気が発生する(絶縁性材料にて形成されている場合のように)ことを防止することができ、当該静電気の発生に伴って生ずる塵埃等の付着による部品の汚染や当該静電気を上記吸着ノズルに接触された部品に伝達付加して当該部品に電気的損傷を与えることを、確実に防止することができる。また、導電性としての特性を有さず、半導体としての特性を有していることで、上記吸着ノズルに接触された部品との間で、電気的導通が生じることもなく、吸着保持された部品に上記導通によって電気的損傷を与えることを確実に防止することができる。従って、高機能化、高精度化、そして多様化された部品の吸着保持及び装着に、確実かつ安定して対応することができる吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することができる。
本発明の上記第2態様によれば、このような上記半導体セラミックスを用いる場合に、その体積固有抵抗値を、10〜10Ω・cmの範囲とすることで、上記半導体としての特性を確実に得ることが可能となる。
本発明の上記第3態様によれば、上記吸着ノズルに形成される吸着孔部が、略円形状孔部とこの略円形状孔部の端部よりその径方向に当該端部を部分的に拡大する複数の端部拡大部とにより一体的に形成されていることにより、より大きな部品の吸着保持に際して安定して対応することができる。また、小型の部品を吸着保持する際に、保持姿勢が斜め吸着となるような場合であっても、吸着保持された部品が上記吸着ノズルの上記吸着孔部内に嵌まり込むような事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、小型部品から大型部品、さらに異形部品をも確実かつ安定して吸着保持することが可能となる。
本発明の上記第4態様によれば、上記吸着ノズルの上記吸着孔部内を摺動する突出部材が装備されるような場合であっても、この上記突出部材は、上記略円形状孔部内を摺動し、上記夫々の長孔部内には配置されないため、上記吸着孔部よりの塵埃等の吸引によって、上記突出部材の摺動が阻害される事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、上記突出部材の動作を安定して行なうことが可能となる。
また、このような上記突出部材が備えられていることにより、上記吸着ノズルにおける吸引動作を補助することができるとともに、吸着保持された部品の吸着保持解除動作を補助することができる。従って、より確実かつ安定した吸着保持動作及び装着動作を行なうことができる。
本発明の上記第5態様によれば、上記突出部材が上記半導体セラミックスにて形成されていることにより、上記吸着ノズルが上記半導体セラミックスにて形成されている場合と同様な効果を得ることができる。
本発明の上記第6態様によれば、上記吸着ノズルにおいて、上記部品と当接される上記吸着保持面に、略10〜20μm程度の範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部が形成されるように、表面加工が施されていることにより、上記部品を吸着保持する際に、上記部品と上記吸着保持面との間で滑りの発生を少なくすることができ、確実かつ安定した吸着保持を実現することができる。また、このように上記吸着保持面に上記凹凸部を形成することで、上記部品が吸着保持された状態の画像を、上記吸着ノズルの下方より撮像するような場合に、上記吸着保持面に照射された光を上記凹凸部により乱反射することができ、部品の画像を確実に撮像することができる。従って、多様化された様々な形状を有する部品を確実かつ安定して吸着保持しながら、その吸着保持姿勢を正確に認識することができ、高精度な部品の装着に対応することができる。
本発明の上記第7態様によれば、上記それぞれの凹凸部が、上記吸着保持面において、上記吸着孔部と当該吸着保持面の外周端部とを連通するように形成された多数の溝部であることにより、上記部品と上記吸着保持面とが接触された状態において、両者の間に部分的に隙間を積極的に形成することができる。このような隙間が形成されることにより、上記吸着孔部の負圧吸引作用によりこの隙間(溝部)内の微小な空間に流体(例えば、エア)が急速に流れることとなり、ベルヌーイの法則によって、上記部品と上記吸着保持面との間の当該隙間に負圧を生じさせることができる(隙間負圧効果)。上記吸着孔部の吸引による負圧(例えば、真空源負圧効果)に加えて、上記隙間負圧効果を用いることができることにより、より大きな吸引力でもって確実に部品保持を行うことができる。
本発明の上記第8態様によれば、上記吸着ノズルにさらに補助吸着部が備えられていることで、この上記補助吸着部が備える外周端部が、上記吸着保持面による上記部品の吸着保持を補助することができる。
特に、上記外周端部の高さ位置が、上記吸着保持面と略同じ高さ位置あるいは僅かに後退された位置に位置されていることにより形成されていることで、上記吸着ノズルによる部品の吸着保持の際に、上記外周端部の先端部が上記吸着保持面よりも先に上記部品に当接して、上記吸着保持面による上記部品の吸着保持を阻害するという事態が発生することを確実に防止することができる。このような吸着保持の阻害という事態は、上記外周端部が上記吸着保持面よりも突出するような高さ位置に位置されるように形成されている場合に発生する可能性がある。
また、上記外周端部が弾性変形可能な弾性材料にて形成され、上記部品の上部に近接された状態で、上記外周端部と上記部品の上部とで挟まれた空間の圧力が低下されることで、上記外周端部を内向き下方に弾性変形させることができ、このような弾性変形を行なうことで、上記外周端部を上記部品に確実に当接させることができる。従って、上記補助吸着部により上記部品を確実に吸着保持することができる。このような吸着保持が実現されることで、上記吸着ノズルにおける吸着保持可能領域を、上記補助吸着部の上記外周端部にて囲まれた領域にまで拡大することができ、大型の部品や異形部品の吸着保持に対応することが可能となる。また、上記外周端部に当接されることがないような小型の部品に対しては、上記吸着保持面を当接させることで、上記補助吸着部の存在に拘らず、確実な吸着保持を行なうことができる。よって、小型部品から大型部品、さらに異形部品まで、多様化された様々な形状の部品の吸着保持に柔軟かつ迅速に対応することができる。
本発明の上記第9態様によれば、上記補助吸着部が、吸着保持される上記部品の大きさに応じて着脱可能とされていることにより、上記部品が、小型部品である場合や大型部品である場合等に応じて、上記補助吸着部の装備を選択することができる。
本発明の上記第10態様によれば、上記第1態様と同様な効果を得ることができる吸着ノズルを提供することができる。
本発明の上記第11態様及び上記第12態様によれば、吸着ノズルの吸着保持面における凹凸部の形成にあたって、上記吸着ノズルが半導体セラミックスで形成されていることを考慮すれば、例えば、特開2000−151200号公報にようにセラミックスにショットブラストを行なって上記凹凸部を形成すると、割れが発生したり、加工面が安定せず、端部に垂れが発生しやすく、さらに加工時間がかかる等の問題が発生する。また、特開2002−233983号公報のように、上記吸着ノズルにダイヤモンド粒子を電着して上記凹凸部を形成することは、上記吸着ノズルが金属材料等により形成されている場合には可能であるが、セラミックスにて形成されている場合には上記電着を行なうことができないという問題がある。
このような問題点を解決すべく、金型自体に硬質粒子を固着、例えば、略10〜20μmの径を有するダイヤモンド粒子を電着して、この上記金型を用いて上記半導体セラミックスにより上記吸着ノズルを成型することで、上記吸着保持面に上記凹凸部を確実かつ容易に形成することが可能となる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、図1は、本発明の一の実施形態にかかる部品装着ヘッドを備える部品装着装置の外観斜視図であり、 図2は、上記部品装着ヘッドの下部側面図及び装備される吸着ノズルの部分縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが装備された状態を示す図であり、 図3は、上記部品装着ヘッドの下部側面図及び装備される吸着ノズルの部分縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが取り外された状態を示す図であり、 図4は、上記部品装着ヘッドの下部側面透過図及び装備される吸着ノズルの全体縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが装備された状態を示す図であり、 図5は、上記部品装着ヘッドの下部側面透過図及び装備される吸着ノズルの全体縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが取り外された状態を示す図であり、 図6は、図4の吸着ノズルを下方から見た下面図であり、 図7は、図5の吸着ノズルを下方から見た下面図であり、 図8は、吸着ノズル本体の縦断面図であり、 図9は、吸着ノズル本体の側面図であり、 図10は、吸着ノズルの下部の拡大断面図であり、 図11は、大型部品を吸着保持している状態を示す吸着ノズルの模式断面図であり、 図12は、コネクタ部品を吸着保持している状態を示す吸着ノズルの模式断面図であり、 図13は、従来の部品装着ヘッド及び吸着ノズルの縦断面図であり、 図14Aは、従来の吸着ノズルによる部品の吸着保持及び装着動作を示す模式図であって、吸着ノズルが下降されている状態を示す図であり、 図14Bは、従来の吸着ノズルによる部品の吸着保持及び装着動作を示す模式図であって、部品が傾斜されている状態において吸着保持が行われている状態を示す図であり、 図14Cは、従来の吸着ノズルによる部品の吸着保持及び装着動作を示す模式図であって、吸着保持した部品を基板に装着している状態を示す図であり、 図15は、上記実施形態にかかる吸着ノズルの吸着面の凹凸部を示す模式図であり、 図16は、図15の吸着ノズルにより部品の吸着保持を行う原理について説明する模式説明図である。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態にかかる部品装着ヘッド10を備える部品装着装置100の模式的な構成を示す模式斜視図を図1に示す。
図1に示すように、部品装着装置100は、複数の部品1を取り出し可能に供給する部品供給部の一例である部品供給装置6と、上記供給される夫々の部品1が装着される基板2を解除可能に保持する基板保持部の一例であるステージ5と、部品供給装置6から取り出し可能に供給される夫々の部品1を保持して取り出すとともに、ステージ5にて保持された基板2に、上記保持した夫々の部品1の装着を行なう部品装着ヘッド10と、この部品装着ヘッド10の基板2の大略表面沿いの方向の移動動作を行うヘッド移動装置の一例であるXYロボット8とを備えている。
また、図1に示すように、部品装着ヘッド10の下面には、部品1をその上面において解除可能に吸着保持する部品保持部材の一例である吸着ノズル3が備えられている。また、吸着ノズル3は、基板2の表面に大略直交する方向沿いに、昇降することが可能となっている。
また、図1に示すように、XYロボット8は、部品装着ヘッド10を支持するとともに、図示X軸方向に部品装着ヘッド10を進退移動させるX軸ロボット8aと、X軸ロボット8aを支持するとともに、図示Y軸方向にX軸ロボット8aを進退移動させるY軸ロボット8bとを備えている。これにより、部品装着ヘッド10、すなわち、部品装着ヘッド10が備える吸着ノズル3の図示X軸方向又はY軸方向の移動を行なうことが可能となっている。なお、図示X軸方向とY軸方向とは、基板2の表面に大略平行な方向であって、かつ、互いに直交する方向である。
また、部品供給装置6は、複数の部品1をキャリアテープに取り出し可能に収納されたいわゆるテーピング部品を装備するとともに、上記装備されたテーピング部品を送り移動させることで、収納されている部品1を取り出し可能な状態とさせる複数の部品供給カセット7を、図示X軸方向沿いに互いに隣接させて備えている。また、夫々の部品供給カセット7は、上記取り出し可能な状態とされる部品1を位置させる部品取出し位置7aを、X軸方向に沿って1列に配列されるように配置されて備えている。なお、本実施形態においては、部品供給装置6が部品供給カセット7より上記テーピング部品を供給するような場合について説明したが、本実施形態はこのような場合にのみ限られるものではない。このような場合に代えて、例えば、部品供給装置6に部品供給トレイが配置されて、QFP等の比較的大型の部品、あるいは、コネクタ部品等の大型かつ異形の部品の供給が行なわれるような場合であってもよい。
また、ステージ5は部品装着装置100の機台4上に配置されており、また、ステージ5の上部には、図示X軸方向右側より基板2をステージ5に搬送して供給するとともに、ステージ5より図示X軸方向左側へ基板2を搬送して排出する基板搬送装置9が備えられている。
また、部品装着装置100は、部品装着装置100が備える夫々の構成部であるヘッド部4、部品供給装置6、XYロボット8、基板搬送装置9等の夫々の動作を互いに関連付けながら、夫々の動作の制御を行う制御システム(図示しない)を備えている。
次に、このような部品装着装置100が備える部品装着ヘッド10、特に、部品装着ヘッド10が装備する吸着ノズル3の構造について詳細に説明する。このような部品装着ヘッド10が備える吸着ノズル3の模式的な構成を示す模式構成図として、部品装着ヘッド10の下部の側面図及び吸着ノズル3の部分縦断面図を図2及び図3に示し、さらに、図2及び図3において、部品装着ヘッドの下部を透過させた吸着ノズル3の全体縦断面図を図4及び図5に示す。なお、図2及び図4は、後述するパッド部及び突出ノズルを吸着ノズル3に取り付けた状態であり、図3及び図5は、上記パッド部及び上記突出ノズルを吸着ノズル3より取り外した状態を示す。また、図2及び図4の吸着ノズル3の下面である吸着保持面を図6に示し、図3及び図5の吸着ノズル3の上記吸着保持面を図7に示す。以下に、図2から図7を用いて、特に、吸着ノズル3の内部構造と部品装着ヘッド10の内部構造との関係が明確に判る図4を主として用いて、吸着ノズル3の構造について説明する。
図2から図5に示すように、特に図4に示すように、この部品装着ヘッド10は、真空発生装置(図示せず)側に接続された中空シャフト11に取付けられるとともに、中心部に小径保持孔20および大径保持孔13が形成された中空軸状のヘッド本体12と、このヘッド本体12の大径保持孔13に上下動可能に配置された吸着ノズル3と、この吸着ノズル3内の貫通孔17に上下動可能かつ下方に付勢した状態で保持された突出ノズル28(突出部材の一例である)と、ヘッド本体12と吸着ノズル3との間に設置されて吸着ノズル3を常時下方に付勢するコイルスプリング37とを備えている。吸着ノズル3は、そのノズル本体3aの下方先端に取り付けられたパッド部22(補助吸着部)を有している。このパッド部22は、その外周側において下方にラッパ状に突出するスカート部71(外周端部の一例である)を有し、弾性材料、より好ましくは軟弾性体からなる。
また、吸着ノズル3は、その下方先端面に部品を吸着保持する吸着保持面の一例である吸着面14が形成されている。この吸着面14は、ノズル本体3の先端面に開口する吸着孔部の一例である吸引口81の周囲に略環状の平面として形成されている。また、この吸着面14の表面は、略10〜20μm程度、例えば、15μm程度の高さ寸法又は深さ寸法を有する微細な凹凸部が形成されるように、表面加工が施されている。
また、突出ノズル28は、その軸芯に軸方向に貫通する吸引孔18が形成されており、その下端部に傾斜状に形成された傾斜吸引口29を備えている。さらに突出ノズル28の略中間高さ位置付近の側周部には、周回するように凸状に隆起された係止部30が形成されている。この係止部30は、付勢部材(弾性体)の一例である突出ノズル用圧縮バネ21によって下方に常時付勢されており、吸着ノズル3の貫通孔17内に設けられた係止段部31に常時押し付けられている。このような状態において、突出ノズル28の先端部が吸気口81より所定長さだけ突出されている。なお、突出ノズル用圧縮バネ21の上端は、吸着ノズル3の内部に配置されたバネ座19に固定されており、このバネ座19はコイルスプリング37によりその取り付け位置が規制された状態で常時下方に付勢された状態とされている。さらに、突出ノズル28がこのように取り付けられていることにより、突出ノズル28を部品の上面に押し付けることで、上記突出された突出位置と、その先端部が吸着ノズル3の吸引口81に格納された位置である格納位置との間で、突出ノズル28を進退移動することが可能とされている。
また、部品装着ヘッド10においては、突出ノズル28の吸引孔18、吸着ノズル3の貫通孔17、ヘッド本体12の大径保持孔13、小径保持孔20及び中空シャフト11を通じて真空発生装置に連通する一連の真空吸気経路が形成されている。
なお、この部品装着ヘッド10は、部品の厚みの相違を吸収できるように構成されている。すなわち、ヘッド本体12に上下動可能かつ下方に付勢した状態で保持させた吸着ノズル3の一側面に、軸方向に延びるガイド溝33を形成し、ヘッド本体12に貫通して取り付けられたガイドピン34の先端部がガイド溝33に摺動自在に係合した構成となっている。通常時には、コイルスプリング37により、吸着ノズル3は、ガイドピン34がガイド溝33の上端部に当接する下限位置に保持されている。また、コイルスプリング37は、ねじりコイルバネ体となっており、ねじり復元力によってガイドピン34をガイド溝33の一側面に常時当接させている。吸着ノズル3は、ガイドピン34とガイド溝33とにより上下動範囲を規制されており、上記下限位置からガイドピン34がガイド溝33の下端面に当接する上限位置までヘッド本体12内に入り込めるようになっている。
ここで、図6及び図7を用いて、吸着ノズル3の吸着面14及び吸引口81の形状等について詳細に説明する。
図7に示すように(突出ノズル28及びパッド部22が吸着ノズル3に装備されていない状態)、吸着ノズル3の吸引口81は、吸着ノズル3の軸心をその中心として形成された略円形状孔部の一例である主孔部81aと、吸着面14において、主孔部81aの端部よりその径方向に延在して、主孔部81aの外周円端部を部分的に拡大するような複数の端部拡大部、例えば、略均等な角度ピッチで放射状に5方向に延在するように形成された複数の長孔部81bとにより一体的に形成されている。
また、図6に示す状態においては(突出ノズル28及びパッド部22が吸着ノズル3に装備されている状態)、突出ノズル28は、吸引口81における主孔部81a内に収容された状態で吸着ノズル3に装備されており、突出ノズル28の周囲には、夫々の長孔部81bが配置されている。さらに、吸着ノズル3の吸着面14の外周全体を取り囲むように、パッド部22のスカート部71が環状に配置されている。
また、このような吸引口81の形状の寸法例としては、例えば、主孔部81aを直径1.5mm、夫々の長孔部81bを幅0.6mmで5個、さらに夫々の長孔部81bの外周端部を結ぶ仮想円の直径を3mmとして、形成することができる。また、吸着面14の外周円の直径を5mm、パッド部22のスカート部71の外周端部の直径を8mmとして形成することができる。
ここで、部品装着ヘッド10より取り外された状態の吸着ノズル3の縦断面図を図8に、外観側面図を図9に示す。
図8に示すように、吸着ノズル3においては、その下端面である吸着面14に形成された主孔部81a及び複数の長孔部81bからなる吸引口81と、この吸引口81に連通して形成された貫通孔17と、係止段部31の形成位置にてこの貫通孔17と連通された中間孔41と、バネ座19の設置位置を規制するために設けられたバネ座規制段部43の形成位置にてこの中間孔41と連通されるとともに、吸着ノズル3の上部にて開放された上部孔42とが一連にて連通されるように形成されている。
また、図8及び図9に示すように、吸着ノズル3の下部近傍における周面には、パッド部22の取付用溝部44(補助吸着部取付部の一例である)が、上記周面を周回するように形成されている。さらに、パッド部22が装備された状態の吸着ノズル3の部分拡大断面図である図10に示すように、吸着ノズル3の周面に形成された取付用溝部44の底部には、パッド部22の内周端部72が当接可能であるとともに、パッド部22の取付高さを調整可能に、その形成幅がパッド部22の内周端部72の幅よりも大きくなるように取付用溝部44が形成されている。さらに、パッド部22の内周端部72は、固定用ネジ73により所望の取付高さ位置にて取付用溝部44に固定することが可能となっている。このようにパッド部22の内周端部72と吸着ノズル3の取付用溝部44とが形成されていることにより、パッド部22の外周端部であるスカート部71の先端高さ位置を、吸着ノズル3の吸着面14との関係で調整しながら固定することが可能となっている。なお、本実施形態においては、パッド部22のスカート部71の先端の高さ位置が、吸着ノズル3の吸着面14の高さ位置と略同じ位置、あるいは、僅かに後退された位置(すなわち、スカート部71の先端位置が吸着面14よりも僅かに上方に位置される)に調整される。
また、本実施形態にかかる吸着ノズル3は、半導体セラミックスにて形成されている。ここで半導体セラミックスとは、一般的に電気的絶縁性を有するセラミックスに、カーボン等の半導体材料を混合させることで形成することができ、上記半導体材料の混合比率により、半導体としての特性を有するセラミックスのことである。半導体としての特性を有するためには、その体積固有抵抗値が、1〜10Ω・cm程度の範囲内にある必要があるが、確実に半導体としての特性を有するべく、10〜10Ω・cmの範囲の体積固有抵抗値を有する半導体セラミックスにより、吸着ノズル3が形成されることが望ましい。
このように、吸着ノズル3を半導体セラミックスで形成することにより、吸着ノズル3における静電気発生を抑制することができ、吸着ノズル3と部品との接触の際に、塵埃等の付着による部品の汚染防止や部品への静電気印加防止に効果があるとともに、導電性を備えていないため、吸着ノズル3から部品への電気的な導通による部品に対する電気的損傷を与えてしまうことを防止することができるという効果がある。
なお、本実施形態においては、吸着ノズル3全体が、半導体セラミックスにて形成されるような場合について説明したが、このような場合にのみ本実施形態が限られるものではない。このような場合に代えて、吸着ノズル3における吸着面14の部分が半導体セラミックスにて形成されているような場合であってもよい。この吸着ノズル3において、少なくとも部品と接触する部分である吸着面14が、上記半導体としての特性を備えていることで、上述の夫々の効果を得ることができるからである。
また、吸着ノズル3において、突出ノズル28が装備されるような場合にあっては、この突出ノズル28も部品と当接されることから、半導体セラミックスにて形成されることが望ましい。また、同様に、突出ノズル28全体が半導体セラミックスにて形成されるような場合に代えて、突出ノズル28の少なくとも先端部である傾斜吸引口29が半導体セラミックスで形成されているような場合であってもよい。
また、このように吸着ノズル3が半導体セラミックスにて形成されるような場合には、吸着ノズル3は、例えば金型を用いて成型されることで形成されることとなる。この場合、図10に示すように、金型の抜き方向を図示上向きとして、吸着ノズル3の貫通孔17に図示上向きに僅かに広がるような傾斜(テーパ)を設けることが好ましい。このような傾斜は成型加工の際に必要となるところ、吸着ノズル3の貫通孔17に挿入配置される突出ノズル28は、図示下方先端部分にてガタツキが発生しなければその機能を十分に達成することができるからである。
また、このような吸着ノズル3の成型加工による製造の際には、成型金型における吸着ノズル3の吸着面14に相当する箇所に多数の硬質粒子を固着して、当該成型金型を用いて半導体セラミックスにより吸着ノズル3を成型することで、吸着面14に上記夫々の硬質粒子に応じた多数の凹凸部を形成するように、表面加工を施すことができる。より具体的には、上記硬質粒子として、略10〜20μm程度の径を有するダイヤモンド粒子を用いて、上記箇所にダイヤモンド粒子を電着して形成された成型金型を用いることで、略10〜20μmの範囲、例えば、15μm程度の高さ寸法又は深さ寸法を有する上記凹凸部を形成することができる。なお、上記硬質粒子には、少なくとも上記ダイヤモンド粒子が主成分として含まれていればよい。
次に、このような構成を有する吸着ノズル3を備えた部品装着ヘッド10による部品の吸着保持動作について、図11及び図12を用いて説明する。
本実施形態の部品装着ヘッド10は、チップ部品や小型のIC部品等のいわゆる小型部品や、一般的に異形部品と称される電子部品、例えば、アルミ電解コンデンサ(例えば、8〜10mm程度の径、及び10mm程度の高さの円筒形状を有するもの)、コネクタ部品(例えば、矩形等の種々の形状を有するもの)、さらに、QFP等の大型のIC部品等の吸着保持による基板への装着に対応することが可能となっている。図11は、これらの部品のなかでも、QFP(例えば、28mm角×4mm厚)のような大型部品を吸着ノズル3の吸着面14だけでなく、パッド部22においても吸着保持している状態を示している。
図11においては、吸着ノズル3により部品1が既に吸着保持されている状態を示しているが、吸着ノズル3の吸着面14が部品1の被吸着面1a(図示上面)に接触していない状態においては、パッド部22のスカート部71の先端部は、吸着面14と略同じ高さ位置あるいは吸着面14よりも僅かに上方に位置されるように調整されているため、上記上方に位置されているような場合、例えば、0.1mm程度上方に位置されているような場合にあっては、部品1の被吸着面1aにスカート部71の先端部が当接されていない状態にある。
まず、部品装着ヘッド10をXYロボット8により移動させることで、吸着ノズル3と部品1の位置合わせを行なう。その後、部品装着ヘッド10において、吸着ノズル3の下降を開始する。吸着ノズル3の下降が行なわれると、その吸着面14よりも突出された状態にある(すなわち、突出位置に位置された状態にある)突出ノズル28の傾斜吸引口29の先端と、部品1の被吸着面1aとが当接される。この当接とともに、吸着ノズル3の貫通孔17及び突出ノズル28の傾斜吸引口29を通して、真空吸引が開始される。さらに、吸着ノズル3を下降させることで、上記当接状態にある突出ノズル28を常時下方に付勢している突出ノズル用圧縮バネ21が圧縮されることで、突出ノズル28が吸着ノズル3の貫通孔17に対して相対的に上昇されて、その傾斜吸引口29が貫通孔17内に格納される(すなわち、格納位置に位置された状態とされる)。
突出ノズル28の傾斜吸引口29の貫通孔17への格納が行なわれる際に、部品1の被吸着面1aと、吸着ノズル3の吸着面14及びパッド部22のスカート部71とで挟まれた空間内の圧力が、上記吸引動作により急激に低下されることとなる。この圧力の低下は、吸着面14と部品1の被吸着面14との距離が近づくにつれて顕著なものとなる。この圧力の低下により、弾性材料にて形成されているパッド部22のスカート部71が、図示下方内向きに弾性変形され、この弾性変形により、スカート部71の先端部と部品1の被吸着面1aとが近接されることとなる。これにより、上記空間の密閉度が高められ、さらに圧力が低下されることとなって、図11に示すように、吸着ノズル3の吸着面14と部品1の被吸着面1aとが当接されるとともに、パッド部22のスカート部1がさらに弾性変形されて、部品1の被吸着面1aと当接されることとなる。これにより、部品1が吸着ノズル3及びパッド部22により吸着保持された状態となる。
このようなパッド部22が備えられていることにより、吸着保持面積を大きく保つことができ、大型かつ大重量の部品1に対しても確実かつ安定した吸着保持を行なうことができる。また、このようなスカート部71が備えられていることで、吸着ノズル3の吸着面14と当接される部分における部品1の被吸着面1aに多少の凹凸や傾斜面が存在するような場合であっても、上記圧力の低下によるスカート部71の弾性変形を利用して、確実な吸着保持を行なうことができる。また、このようなスカート部71の弾性変形動作を可能とするべく、スカート部71は弾性変形可能な形状にて弾性材料により形成されていることが望ましく、スカート部71の先端部が吸着面14よりも僅かに上方に位置される場合には、当該位置は、スカート部71の上記弾性変形により上記先端部が吸着面14と略同じ高さに位置される程度の位置に配置されていることが好ましい。このような位置としては、例えば、吸着面14より上方に0.1mm程度の位置とすることができる。
その後、部品1を吸着保持した状態で、吸着ノズル3を上昇させるとともに、XYロボット8により部品装着ヘッド10が基板2の上方に移動され、基板2における部品1の装着位置と吸着ノズル3との位置合わせが行なわれる。この位置合わせの後、部品装着ヘッド10において吸着ノズル3の下降が開始される。その後、吸着保持された状態の部品1が基板2に当接されて押圧状態とされると、真空吸引が停止される。この停止の後、吸着ノズル3の上昇が開始されるが、この上昇動作とともに、上記圧縮状態にあった突出ノズル用圧縮バネ21が引き伸ばされて、突出ノズル28の先端部が吸着ノズル3の吸着面14よりも突出されることとなる。この突出ノズル28の突出により、部品1の被吸着面1aと吸着面14及びスカート部71の先端部との当接状態を円滑にかつ強制的に解除することができ、吸着ノズル3と部品1とを離間して吸着保持が解除状態とされる。これにより、基板2の装着位置に部品1を装着することができる。
一方、上記異形部品、例えば、コネクタ部品91を吸着ノズル3により吸着保持している状態を図12に示す。図12に示すように、コネクタ部品91は、例えば、全体的には略矩形状の形状を有しているような場合であっても、その被吸着面91aには平坦部だけでなく、凹凸状の部分91bもが含まれているような場合もある。図12に示すように、このような凹凸状の部分91bが、パッド部22のスカート部71の内側に配置されるような場合にあっては、スカート部71の先端部とコネクタ部品91とが当接された状態にあっても、凹凸状の部分91bが例えば溝状に開放されていれば、スカート部71の内側の空間の圧力を低下させることができず、スカート部71にて吸着機能を達成することができない。
しかしながら、このような場合であっても、吸着ノズル3の吸着面14とコネクタ部品91の被吸着面91aにおける平坦部が確実に当接されていれば、環状の吸着面14の内側空間の圧力を低下させることができ、コネクタ部品91を確実に吸着保持することができる。なお、このようなコネクタ部品91は、その形状は大型部品であるものの、凹凸状の部分91bや中空形状に形成されていることが多く、その重量は比較的軽量であることが多い。特に、スカート部71の先端部の高さ位置が、吸着面14と略同じ高さ位置、あるいはそれよりも僅かに後退された位置に調整されていることにより、このような凹凸状の部分91bを有するコネクタ部品91の吸着保持を行なうような場合であっても、スカート部71の先端部が、吸着面14よりも先にコネクタ部品91と当接して、吸着面14とコネクタ部品91の当接を阻害するような事態が発生することを回避することができる。
なお、上記説明においては、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28が装備された場合において、大型部品や異形部品の吸着保持及び基板2への装着が行なわれるような場合について説明したが、このような場合に代えて、吸着ノズル3にパッド部22又は突出ノズル28のいずれか一方のみが装備されているような場合、あるいは、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28のいずれもが装備されていないような場合であってもよい。このようなパッド部22や突出ノズル28の装備は、吸着保持される部品の種類に応じて選択的に決定することができ、例えば、小型のチップ部品等の吸着保持を行なうような場合にあっては、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28のいずれをも装備しない状態で行なうことができる。ただし、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28を装備した状態であっても、チップ部品の吸着保持に問題なく対応することができ、このような装備状態においては、より様々な形状や種類の部品の吸着保持に柔軟かつ安定して対応することができる。
ここで、上記説明における吸着ノズル3の吸着面14に形成された微細な凹凸の特徴、機能、及びその効果についてさらに詳細に以下に説明する。
本実施形態における吸着ノズル3の吸着面14の表面には、略10〜20μm程度、例えば、15μm程度の高さ寸法又は深さ寸法を有する微細な凹凸部が形成されるように、その表面が仕上げられている。このような凹凸部は、例えば、図15に示すように、その深さ寸法が15μm程度となる一方向に配列された溝52aを吸着面14の表面沿いに形成することにより形成することができる。あるいは、このように一方向の溝52aが形成されるような場合に代えて、図15に示すように、吸着面14の表面に沿って互いに交差するような方向(すなわち、2方向)に配列されたクロス状の溝52bが形成されるような場合であってもよい。
このような溝52a、52bは、例えば吸着面14に研削を行うことで形成することができるが、吸着ノズル3の材質が半導体セラミックであることを考慮すれば、金型(焼結型)における吸着面14に相当する箇所に、それぞれの溝52a、52bに対応する凹凸部を予め設けておくことで形成することが好ましい。また、それぞれの溝52a、52bは、吸引口81と吸着面14の外周端部とを連通するように形成されることが好ましい。なお、図15においては、吸着面14に形成された溝52a、52bの一部を例示的に示したものであり、これらの溝52a、52bは吸着面14において略全面的に形成されている。
このように吸着面14において凹凸部となるそれぞれの溝52a、52bが形成されていることにより、吸着面14への部品1の吸着保持力を、当該凹凸部が形成されていない場合と比べて、増大させることができる。
この吸着保持力の増大効果について図16に示す吸着ノズル3の吸着面14付近の部分拡大断面を表す模式説明図を用いて説明する。図16に示すように、吸着面14にて部品1を吸着保持した場合、吸着面14の表面と部品1の表面との間に、それぞれの溝部52a(あるいは52b)の形成深さに相当する寸法の部分的な隙間δが生じることとなる。このように隙間δが形成されることと、部品吸着時における吸引口81の負圧吸引作用とによって、矢印51に示すようにこの微小な隙間δをエアが急速に流れて吸引口81内に至ることとなる。狭い隙間を流体が急速に流れる場合に負圧が発生する原理(ベルヌーイの法則)により、この部品1と吸着面14との間に負圧が発生し、部品1は吸着面14に吸引保持される。このような負圧発生による吸引効果を「隙間負圧効果」という。
また、吸着ノズル3においては、部品1を吸引保持するために真空源の吸引により吸引口81内を負圧にし、この負圧力で吸着面14に接する部品1を吸引するという従来から用いられている吸引保持力(矢印50で示す)、すなわち「真空源負圧効果」に加えて、上述の隙間負圧効果による吸引保持力を積極的に利用することで、吸引保持力の増大を図ることができる。ただし、部品装着装置100においては、空間スペースの効率的な活用の観点から、吸着保持させる部品1よりも大きな吸着面14を有するような吸着ノズル3を用いることはできない。従って、限られたスペースで負圧吸引作用を生じる吸引口81と、隙間負圧効果を生じる吸着面14とのバランスを取り、かつ部品1が吸引口81に落ち込まないような孔形状を採用することが望ましい。このような考え方を具現化したのが、図7に示すような吸引口81と吸着面14の組合せ形状と寸法である。すなわち、図7に示す吸着ノズル3において、例えば、吸着面14の外周円の直径5mm、桜花びら型の吸引口81の外周仮想円の直径3mmとするような構成である。また、このような隙間負圧効果は、吸着面14における外周端部近傍において最も効果的に生じることとなるため、例えば、部品1を吸着保持した状態で吸着ノズル3をその軸心回りに回転させたような場合であっても、当該部品1の吸着保持位置の位置ズレを効果的に抑制することができる。
また、このような凹凸部は、上記一方向に配列された溝52aやクロス状に配列された溝52bとして形成されるような場合にのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、例えば、吸着面14において不規則に配列された多数の凹凸部が形成され、このような凹凸部の存在により、吸引口81と吸着面14の外周端部とを連通するような通路(隙間)が形成されるような場合であってもよい。当該通路を通じて流体を急速に流すことができ、ベルヌーイの法則により「隙間負圧効果」を生じさせることができるからである。
また、このような不規則な凹凸部は、吸着ノズル3の成型金型における吸着面14に該当する面に、例えばショットブラストを施すことで、深さ15μm程度の凹凸部を形成し、当該成型金型を用いて、上記不規則な凹凸部が吸着面14に形成された吸着ノズル3を成型することができる。
また、上述においては、図7に示すように、吸着ノズル3の吸着面14には、略円形状の主孔部81aとその周囲に配置された5つの長孔部81bにより、大略桜の花びら型形状(すなわち、5つの花びら形状)を有する開口部が吸引口81として形成されるような場合について説明した。
例えば、吸引口81をこのような桜花びら形状とし、かつ、1つの花びら(すなわち、長孔部81b)の形成方向を、Y軸方向に一致させるように吸着ノズル3を部品装着ヘッド10に装備させることで、Y軸方向に吸着保持すべき部品1の位置ズレが生じるような場合があっても、吸引孔81において大気開放される面積が、X軸方向に比べて少なくなるようにすることができる。
一般的に、部品装着装置100においては、部品供給カセット7により供給されるテーピング部品より部品1が取り出される場合、図1に示すように、それぞれの部品供給カセット7は図示Y軸方向に配置される。この部品供給カセット7は、Y軸方向にテーピング部品を送り出すという特性上、当該Y軸方向への位置決め精度はX軸方向の位置決め精度と比べて低くなってしまう。そのため、部品供給カセット7より供給される部品1を吸着ノズル3により吸着保持する際には、当該部品1の吸着保持位置がY軸方向に位置ズレするような場合が多くなる。このようなY軸方向の位置ズレが生じるような場合であっても、上述のような吸着ノズル3の配置を採用することで、位置ズレに伴う大気開放面積を最小限とすることができ、部品1の吸着不良発生率を低減することが可能となる。
このような吸着ノズル3の吸引口81の形状は、次のようなそれぞれの特徴を有するように形成されることが好ましい。
まず、略円形状の主孔部81aの周囲に形成されるそれぞれの長孔部81bは、同じ形状を有し、かつ、等角度ピッチにて配列されるようにすることが好ましい。このようにすることで、吸引口81を通して部品1の表面に付加される吸着保持力の均一性を高めることができる。また、このような吸着保持力の均一性という観点からは、吸引口81をその中心回りに4等分の領域に分けた場合に、それぞれの領域内に長孔部81bが配置されるようにすることが好ましい。
また、それぞれの長孔部81bは、主孔部81aの中心について点対称にて配列されないようにすることが好ましい。吸着面14に対する部品1の吸着保持位置の位置ズレは、主孔部81aの中心に対して一方向に生じることとなるが、このような位置ズレが生じた場合に、その位置ズレの程度によっては、吸引口81が部分的に大気開放されてしまう場合がある。しかしながら、非点対称に配置されているような場合には、点対称に配置されているような場合に比して、上記大気開放される面積をより小さくできる場合が多いからである。
また、それぞれの長孔部81bの幅寸法は、主孔部81aの直径よりも小さくすることが好ましい。このようなすることで、比較的小型の部品1が斜め姿勢等にて吸引保持されてしまうような場合が生じても、当該部品1が吸引口81内に入り込んでしまうことを確実に防止できるからである。
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、部品装着ヘッド10において、吸着ノズル3が、電気的絶縁性を有するセラミックスにより形成されている(例えば、特開2000−151200号公報のように)のではなく、例えば、カーボン粒子とセラミックスが混合されること等により作成される半導体セラミックスを用いて形成されていることにより、当該形成された吸着ノズル3に半導体としての特性を備えさせることができる。これにより、吸着ノズル3において静電気が発生することを防止することができ、当該静電気の発生に伴って生ずる塵埃等の付着による部品の汚染や当該静電気を吸着ノズル3に接触された部品に伝達付加して当該部品に電気的損傷を与えることを、確実に防止することができる。また、導電性としての特性を有さず、半導体としての特性を有していることで、吸着ノズル3に接触された部品との間で、電気的導通が生じることもなく、吸着保持された部品に上記導通によって電気的損傷を与えることを確実に防止することができる。従って、高機能化、高精度化、そして多様化された部品の吸着保持及び装着に、確実かつ安定して対応することができる吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することができる。
また、このような半導体セラミックスを用いる場合に、その体積固有抵抗値を、10〜10Ω・cmの範囲とすることで、上記半導体としての特性を確実に得ることが可能となる。
また、吸着ノズル3の下面に形成される吸引口81が、主孔部81aとこの主孔部81aより径方向に延在するように主孔部81aと一体的に形成された長孔部81bとを有して形成されていることにより、より大きな部品の吸着保持に安定して対応することができる。また、小型の部品を吸着保持する際に、保持姿勢が斜め吸着となるような場合であっても、吸着保持された部品が吸着ノズル3の吸引口81内に嵌まり込むような事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、小型部品から大型部品、さらに異形部品をも確実かつ安定して吸着保持することが可能となる。
また、吸着ノズル3の貫通孔17を摺動する突出ノズル28が装備されるような場合であっても、この突出ノズル28は、上記主孔部81aに相当する貫通孔17の部分を摺動し、夫々の長孔部81bに相当する貫通孔17の部分には突出ノズル28が配置されないため、吸引口81よりの塵埃等の吸引によって、突出ノズル28の摺動が阻害される事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、突出ノズル28の動作を安定して行なうことが可能となる。また、このような突出ノズル28が備えられていることにより、吸着ノズル3における吸引動作を補助することができるとともに、吸着保持された部品の吸着保持解除動作を補助することができる。また、この突出ノズル28が上記半導体セラミックスにて形成されていることにより、上記吸着ノズル3の場合と同様な効果を得ることができる。
また、吸着ノズル3において、部品と当接される吸着面14に、略10〜20μm程度の範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部が形成されるように、表面加工が施されていることにより、部品を吸着保持する際に、部品と吸着面14との間で滑りの発生を少なくすることができ、確実かつ安定した吸着保持を実現することができる。さらに、このような凹凸部を形成することで、上述して真空源負圧効果に加えて、上記隙間負圧効果を利用することができ、より確実な吸着保持を実現することができる。
また、このように吸着面14に凹凸部を形成することで、部品が吸着保持された状態の画像を、吸着ノズル3の下方より撮像するような場合に、吸着面14に照射された光を上記凹凸部により乱反射することができ、部品の画像を確実に撮像することができるという効果もある。特に、通常のセラミックスが用いられるような場合では、当該セラミックスが光易く、部品を反射認識する際に、吸着ノズルの吸着面が光ってしまい、部品画像を鮮明に撮像することができない場合があるという問題がある。従って、上述のような工夫を施すことで、このような問題を解決することができる。
また、吸着ノズル3の吸着面14を黒色とすることや、矩形形状の部品1が多いということを考慮して、吸着面14の形状を円形状とすることも、上記部品の画像の確実な撮像のためには有効な手段である。
また、このような凹凸部の形成にあたっては、吸着ノズル3が半導体セラミックスで形成されていることを考慮すれば、例えば、特開2000−151200号公報にようにセラミックスにショットブラストを行なって上記凹凸部を形成すると、割れが発生したり、加工面が安定せず、端部に垂れが発生しやすく、さらに加工時間がかかる等の問題が発生する。また、特開2002−233983号公報のように、吸着ノズル3にダイヤモンド粒子を電着して凹凸部を形成することは、吸着ノズルが金属材料等により形成されている場合には可能であるが、セラミックスにて形成されている場合には上記電着を行なうことができないという問題がある。
このような問題点を解決すべく、上記実施形態においては、金型自体にダイヤモンド粒子を電着して、この金型を用いて半導体セラミックスにより吸着ノズル3を成型することで、上記凹凸部を確実かつ容易に形成することが可能となる。
また、吸着ノズル3にさらにパッド部22が備えられていることで、このパッド部22が備えるスカート部71が、吸着面14による部品の吸着保持を補助することができる。特に、スカート部71の先端の高さ位置が、吸着面14と略同じ高さ位置あるいは僅かに後退された位置に位置されていること、及び、スカート部71が弾性部材により形成されていることで、吸着ノズル3による部品の吸着保持の際に、スカート部71の先端部が吸着面14よりも先に部品に当接して、吸着面14による部品の吸着を阻害するという事態が発生することを確実に防止することができる。
また、スカート部71は上記弾性材料にて形成され、部品の上部に近接された状態で、スカート部71と部品上部とで挟まれた空間の圧力が低下されることで、スカート部71の先端部を内向き下方に弾性変形させることが可能とされているため、当該変形によりスカート部71の先端部を部品の上部に確実に当接させることができる。従って、スカート部71により部品を確実に吸着保持することができる。このような吸着保持が実現されることで、吸着ノズル3における吸着保持可能領域をスカート部71の外周端部にて囲まれた領域にまで拡大することができ、大型の部品や異形部品の吸着保持に対応することが可能となる。また、スカート部71の先端部に当接されることがないような小型の部品に対しては、吸着面14を当接させることで、スカート部71の存在に拘らず、確実な吸着保持を行なうことができる。よって、小型部品から大型部品、さらに異形部品まで、多様化された様々な形状の部品の吸着保持に柔軟かつ迅速に対応することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2003年12月19日に出願された日本国特許出願No.2003−422209号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
本発明は、吸着ノズルにて部品を吸着保持して、基板上の部品装着位置に配置し、吸着保持の解除を行なうことで上記部品を上記基板に装着する部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び当該吸着ノズルの製造方法に関する。
従来、このような吸着ノズルを装備する部品装着ヘッドを備える部品装着装置においては、基板に装着されるべき部品の上方に吸着ノズルが位置されるように、当該部品に対して上記部品装着ヘッドを相対的に移動させて、その後、吸着ノズルを下降させることにより、当該吸着ノズルの吸着保持面に上記部品を当接させるとともに、上記吸着保持面にて上記部品を吸引することで、上記吸着ノズルによる上記部品の吸着保持を行なうことが可能に構成されている。また、このように部品が吸着保持された状態の吸着ノズルを装備する部品装着ヘッドを、基板の上方に移動させ、その後、吸着ノズルを下降させて、上記基板における部品装着位置に上記部品を配置させるとともに、上記吸着ノズルによる吸引を停止して吸着解除を行なうことで、上記部品を上記基板に装着することが可能に構成されている。
近年、部品が基板に装着されることにより形成された電子回路を内蔵する電子機器においては、益々、高機能化、多様化、あるいは小型化が図られている。このような電子機器における高機能化、多様化、あるいは小型化に伴って、上記部品や上記基板自体についても高機能化、多様化、あるいは小型化が図られ、上記基板への上記部品の装着の際に求められる諸条件についても、より多様化された様々な条件が求められるようになりつつあるとともに、夫々の条件自体がより厳しい条件となりつつある。
このような部品装着に求められる条件としては、例えば、多様化されて様々な形状を有する部品を、吸着ノズルの吸着保持面で確実に吸着保持できること、上記高機能化されたことで、より外的負荷に対して弱体化された上記部品に対して、損傷等を発生させないこと等がある。このような外的負荷としては、例えば、静電気等の電気的負荷や、周囲環境等の清浄度に起因して与えられる汚染等の影響等がある。さらには、繰り返し行なわれる部品装着に対応するために吸着ノズルや部品装着ヘッドが耐久性等を有していること等も上記条件として求められることもある。
このような部品装着ヘッドに装備される吸着ノズルにおいては、上記様々な諸条件の内の少しでも多くの条件に適合することができるように、様々な種類のものが開発されている。
このような従来における様々な種類の吸着ノズルとして、例えば、セラミックス材料により形成された吸着ノズルがある(例えば、特許文献1参照)。このような吸着ノズルにおいては、セラミックスを用いて形成されていることにより、吸着ノズルの繰り返し使用における耐久性や耐磨耗性を向上させることができるという利点がある。
また、従来の別の種類の吸着ノズルとしては、例えば、様々な形状の部品、特に大型部品を確実に吸着保持できることを目的として形成された吸着ノズルがある(例えば、特許文献2参照)。このような吸着ノズル114の模式断面図を図13に示す。
図13に示すように、吸着ノズル114は、部品装着ヘッドの一部である中空シャフト111に取付けられた中空軸状のヘッド本体112の内部に上下動可能に配置されて備えられている。また、吸着ノズル114には、この吸着ノズル114内の貫通孔117に上下動可能かつ下方に付勢された状態で保持された突き出しピン128が備えられている。さらに、吸着ノズル114は、そのノズル本体114aの下方先端に設けられたパッド部122を有している。このパッド部122は、その外周側において下方側に向けてラッパ状に突出するスカート部171を有し、軟弾性体からなる。
また、吸着ノズル114は、その下方先端面に部品を吸着する吸着面が形成されている。この吸着面には、ノズル本体114aの先端面に開口する吸気口181の周囲に下方に突出するようにノズル本体114aに一体となるように剛体により形成された吸着保持部125が略環状に形成されている。なお、パッド部122のスカート部171は、この吸着保持部125より僅かに下方にラッパ状に突出するように配置されて形成されている。また、この吸着保持部125の表面には約15μmのダイヤモンド粒子が電着されている。なお、吸着ノズル114は、その機械的強度や製作加工の容易性等を考慮して、金属材料により形成されている。部品の吸着保持時の吸着面は、スカート部171が部品の表面に押し広げられる一方、吸着保持部125は、部品の表面と当接した状態とされる。
次に、このような構成を有する上記部品装着ヘッドにおいて、吸着ノズル114により部品の吸着保持を行なう動作について、図14A、図14B、及び図14Cを参照しながら説明する。
図14Aに示すように、上記部品装着ヘッドは、部品に接触していない通常時には、パッド部122の吸着面はそれ自体の弾性により通常状態、すなわち、スカート部171が吸着保持部125より僅かに下方に突出した状態を保持している。また、突き出しピン128は付勢力により吸気口181から所定長さだけ突出した状態を保持し、且つ吸着ノズル114が下限位置に保持されている。この状態から、図14Bに示すように、部品装着ヘッドが部品供給部104内の部品109の表面に向かい下降して、吸着面が部品109の表面に押し付けられた際、部品109が傾斜している状態であってもスカート部171が部品109の傾斜に追従して押し広げられて外側に開くことで、吸着面と部品109の表面との密封度を高めることができる。この状態において、真空発生装置を作動させることによって、その吸引力により部品109が吸着保持部125に保持される。
上記のように部品109を吸着した部品装着ヘッドは、図14Cに示すように、基板103の所定の装着位置上に位置決めされたのちに下降して、部品109を基板103上に装着する。
このような吸着ノズル114を備える部品装着ヘッドによれば、大型部品を確実に吸着保持することができ、このような大型部品の部品装着に対応することが可能となる。
特開2000−151200号公報 特開2002−233983号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなセラミック材料にて形成された吸着ノズルでは、当該セラミック材料が一般的には電気的絶縁材料であることにより、吸着ノズル本体において静電気を発生し易く、当該静電気により吸着ノズルへの塵埃等の付着を誘引して、吸着ノズル自体あるいは吸着保持された部品をも汚染してしまう恐れがある。また、このような静電気が吸着保持の際に部品に伝達付加されることで、吸着保持されたあるいは吸着ノズルと接触された部品を破壊させる恐れがある。このような場合にあっては、確実かつ安定した部品の吸着保持を行なうことができないばかりか、保持される部品を汚染あるいは破壊させてしまうという問題がある。
また、特許文献2に記載されている吸着ノズル114のように、電気的絶縁材料ではなく、導電性材料により形成されているような場合にあっては、吸着ノズル114により吸着保持されている部品とこの吸着ノズル114との間で通電する恐れがあり、このような場合にあっては、当該部品を破壊させる場合がある。特に、部品の高機能化により当該部品が電気的負荷に対して弱体化されているような場合にあっては、このような問題はより顕著なものとなる。
さらに、この吸着ノズル114では、部品の多様化に対応するために、特にQFP等の大型部品の吸着保持に対応するために、吸着ノズル114は、軟弾性体により形成されたパッド部122を備えているが、このパッド部122におけるスカート部171の先端部が、吸着ノズル114の吸着面よりも下方に位置されていることにより、例えば、部品における吸着可能な面が小さいが部品全体としてパッド部122の箇所に及ぶ大きさの部品が吸着保持されるような場合にあっては、パッド部122が、吸着面よりも先に部品に当接され、その後、スカート部171が部品に押し付けられて弾性変形されることで、上記吸着面が部品と当接されるものの、スカート部171が上記弾性変形された状態にあるため、上記吸着面と部品との当接状態を引き離す力が働くこととなり、上記吸着面による十分な吸引保持力を得ることができない場合がある。このような場合にあっては、多様化された様々な形状を有する部品の吸着保持に柔軟に対応することができない場合があるという問題がある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、吸着ノズルにて部品を吸着保持して、基板上の部品装着位置に配置し、吸着保持の解除を行なうことで上記部品を上記基板に装着する部品装着において、高機能化及び多様化された部品の装着に確実かつ円滑に対応することができる部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び吸着ノズルの製造方法を提供することにある。
具体的には、(1)吸着保持の際に、部品に対して外的負荷の影響を与えない吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することを目的とする。
また、(2)多様化された様々な形状を有する部品の吸着保持に確実かつ柔軟に対応することができる吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、部品の吸着保持面を有する吸着ノズルを備え、当該吸着ノズルの上記吸着保持面にて部品を吸着保持して、基板における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッドにおいて、
上記吸着ノズルにおける上記吸着保持面を有する部分が、半導体セラミックスにて形成されている部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第2態様によれば、上記半導体セラミックスは、10〜10Ω・cmの範囲の体積固有抵抗値を有する第1態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第3態様によれば、上記吸着ノズルにおいて、当該吸着ノズルの軸心をその中心として形成された略円形状孔部と、当該円形状孔部の端部の一部がその径方向に拡大された複数の端部拡大部とにより一体的に形成され、当接された状態の上記部品の吸引を行う吸着孔部が、上記吸着保持面に形成されている第2態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第4態様によれば、上記吸着ノズルは、
上記吸着保持面よりも内側にその先端部が位置される格納位置と、上記吸着保持面よりも当該先端部が突出される突出位置との間で摺動可能に、上記略円形状孔部内に挿入配置された突出部材と、
上記突出部材を上記突出位置側に常時付勢する付勢部材とを備える第3態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第5態様によれば、上記突出部材の上記先端部は、上記半導体セラミックスで形成されている第4態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第6態様によれば、上記吸着ノズルの上記吸着保持面は、略10〜20μmの範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部を有するように、表面加工が施されている第3態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第7態様によれば、上記多数の凹凸部は、上記吸着保持面において、上記吸着孔部と当該吸着保持面の外周端部とを連通するように形成された多数の溝部である第6態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第8態様によれば、当該吸着ノズルの外周部に密着して配置される内周端部と、上記吸着保持面の周部よりも外側に向けて突出して形成され、上記吸着保持面と略同じ高さ位置あるいは上記吸着保持面よりも僅かに後退された位置に配置された外周端部とを有する弾性材料により形成された補助吸着部をさらに備える第1態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第9態様によれば、上記吸着ノズルは、その外周部において上記補助吸着部の上記内周端部が脱着可能に装備する補助吸着部取付部を備え、上記補助吸着部は、吸着保持される上記部品の大きさに応じて選択的に上記補助吸着部取付部に装備される第8態様に記載の部品装着ヘッドを提供する。
本発明の第10態様によれば、部品を吸着保持して、基板における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッドが備える吸着ノズルにおいて、
上記部品を解除可能に吸着保持する吸着保持面を有する部分が、半導体セラミックスにて形成されていることを特徴とする吸着ノズルを提供する。
本発明の第11態様によれば、部品を吸着保持して、基板における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッドが備える吸着ノズルの製造方法であって、
上記吸着ノズルにおける上記部品の吸着保持面に相当する箇所に、多数の硬質粒子を固着した金型を用いて、当該金型内に半導体セラミックスを注入することにより上記吸着ノズルを成型して、当該吸着保持面に上記夫々の硬質粒子に応じた多数の凹凸部を形成する吸着ノズルの製造方法を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記金型は、上記吸着保持面に相当する箇所に、略10〜20μmの径を有するダイヤモンド粒子を含む上記硬質粒子を電着して形成され、上記吸着保持面に形成される上記凹凸部は、略10〜20μmの範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する第11態様に記載の吸着ノズルの製造方法を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、部品装着ヘッドにおいて、吸着ノズルが、電気的絶縁性を有するセラミックスにより形成されている(例えば、特許文献1のように)のではなく、例えば、カーボン粒子とセラミックスが混合されること等により作成される半導体セラミックスを用いて形成されていることにより、当該形成された吸着ノズルに半導体としての特性を備えさせることができる。これにより、上記吸着ノズルにおいて静電気が発生する(絶縁性材料にて形成されている場合のように)ことを防止することができ、当該静電気の発生に伴って生ずる塵埃等の付着による部品の汚染や当該静電気を上記吸着ノズルに接触された部品に伝達付加して当該部品に電気的損傷を与えることを、確実に防止することができる。また、導電性としての特性を有さず、半導体としての特性を有していることで、上記吸着ノズルに接触された部品との間で、電気的導通が生じることもなく、吸着保持された部品に上記導通によって電気的損傷を与えることを確実に防止することができる。従って、高機能化、高精度化、そして多様化された部品の吸着保持及び装着に、確実かつ安定して対応することができる吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することができる。
本発明の上記第2態様によれば、このような上記半導体セラミックスを用いる場合に、その体積固有抵抗値を、10〜10Ω・cmの範囲とすることで、上記半導体としての特性を確実に得ることが可能となる。
本発明の上記第3態様によれば、上記吸着ノズルに形成される吸着孔部が、略円形状孔部とこの略円形状孔部の端部よりその径方向に当該端部を部分的に拡大する複数の端部拡大部とにより一体的に形成されていることにより、より大きな部品の吸着保持に際して安定して対応することができる。また、小型の部品を吸着保持する際に、保持姿勢が斜め吸着となるような場合であっても、吸着保持された部品が上記吸着ノズルの上記吸着孔部内に嵌まり込むような事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、小型部品から大型部品、さらに異形部品をも確実かつ安定して吸着保持することが可能となる。
本発明の上記第4態様によれば、上記吸着ノズルの上記吸着孔部内を摺動する突出部材が装備されるような場合であっても、この上記突出部材は、上記略円形状孔部内を摺動し、上記夫々の長孔部内には配置されないため、上記吸着孔部よりの塵埃等の吸引によって、上記突出部材の摺動が阻害される事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、上記突出部材の動作を安定して行なうことが可能となる。
また、このような上記突出部材が備えられていることにより、上記吸着ノズルにおける吸引動作を補助することができるとともに、吸着保持された部品の吸着保持解除動作を補助することができる。従って、より確実かつ安定した吸着保持動作及び装着動作を行なうことができる。
本発明の上記第5態様によれば、上記突出部材が上記半導体セラミックスにて形成されていることにより、上記吸着ノズルが上記半導体セラミックスにて形成されている場合と同様な効果を得ることができる。
本発明の上記第6態様によれば、上記吸着ノズルにおいて、上記部品と当接される上記吸着保持面に、略10〜20μm程度の範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部が形成されるように、表面加工が施されていることにより、上記部品を吸着保持する際に、上記部品と上記吸着保持面との間で滑りの発生を少なくすることができ、確実かつ安定した吸着保持を実現することができる。また、このように上記吸着保持面に上記凹凸部を形成することで、上記部品が吸着保持された状態の画像を、上記吸着ノズルの下方より撮像するような場合に、上記吸着保持面に照射された光を上記凹凸部により乱反射することができ、部品の画像を確実に撮像することができる。従って、多様化された様々な形状を有する部品を確実かつ安定して吸着保持しながら、その吸着保持姿勢を正確に認識することができ、高精度な部品の装着に対応することができる。
本発明の上記第7態様によれば、上記それぞれの凹凸部が、上記吸着保持面において、上記吸着孔部と当該吸着保持面の外周端部とを連通するように形成された多数の溝部であることにより、上記部品と上記吸着保持面とが接触された状態において、両者の間に部分的に隙間を積極的に形成することができる。このような隙間が形成されることにより、上記吸着孔部の負圧吸引作用によりこの隙間(溝部)内の微小な空間に流体(例えば、エア)が急速に流れることとなり、ベルヌーイの法則によって、上記部品と上記吸着保持面との間の当該隙間に負圧を生じさせることができる(隙間負圧効果)。上記吸着孔部の吸引による負圧(例えば、真空源負圧効果)に加えて、上記隙間負圧効果を用いることができることにより、より大きな吸引力でもって確実に部品保持を行うことができる。
本発明の上記第8態様によれば、上記吸着ノズルにさらに補助吸着部が備えられていることで、この上記補助吸着部が備える外周端部が、上記吸着保持面による上記部品の吸着保持を補助することができる。
特に、上記外周端部の高さ位置が、上記吸着保持面と略同じ高さ位置あるいは僅かに後退された位置に位置されていることにより形成されていることで、上記吸着ノズルによる部品の吸着保持の際に、上記外周端部の先端部が上記吸着保持面よりも先に上記部品に当接して、上記吸着保持面による上記部品の吸着保持を阻害するという事態が発生することを確実に防止することができる。このような吸着保持の阻害という事態は、上記外周端部が上記吸着保持面よりも突出するような高さ位置に位置されるように形成されている場合に発生する可能性がある。
また、上記外周端部が弾性変形可能な弾性材料にて形成され、上記部品の上部に近接された状態で、上記外周端部と上記部品の上部とで挟まれた空間の圧力が低下されることで、上記外周端部を内向き下方に弾性変形させることができ、このような弾性変形を行なうことで、上記外周端部を上記部品に確実に当接させることができる。従って、上記補助吸着部により上記部品を確実に吸着保持することができる。このような吸着保持が実現されることで、上記吸着ノズルにおける吸着保持可能領域を、上記補助吸着部の上記外周端部にて囲まれた領域にまで拡大することができ、大型の部品や異形部品の吸着保持に対応することが可能となる。また、上記外周端部に当接されることがないような小型の部品に対しては、上記吸着保持面を当接させることで、上記補助吸着部の存在に拘らず、確実な吸着保持を行なうことができる。よって、小型部品から大型部品、さらに異形部品まで、多様化された様々な形状の部品の吸着保持に柔軟かつ迅速に対応することができる。
本発明の上記第9態様によれば、上記補助吸着部が、吸着保持される上記部品の大きさに応じて着脱可能とされていることにより、上記部品が、小型部品である場合や大型部品である場合等に応じて、上記補助吸着部の装備を選択することができる。
本発明の上記第10態様によれば、上記第1態様と同様な効果を得ることができる吸着ノズルを提供することができる。
本発明の上記第11態様及び上記第12態様によれば、吸着ノズルの吸着保持面における凹凸部の形成にあたって、上記吸着ノズルが半導体セラミックスで形成されていることを考慮すれば、例えば、特許文献1のようにセラミックスにショットブラストを行なって上記凹凸部を形成すると、割れが発生したり、加工面が安定せず、端部に垂れが発生しやすく、さらに加工時間がかかる等の問題が発生する。また、特許文献2のように、上記吸着ノズルにダイヤモンド粒子を電着して上記凹凸部を形成することは、上記吸着ノズルが金属材料等により形成されている場合には可能であるが、セラミックスにて形成されている場合には上記電着を行なうことができないという問題がある。
このような問題点を解決すべく、金型自体に硬質粒子を固着、例えば、略10〜20μmの径を有するダイヤモンド粒子を電着して、この上記金型を用いて上記半導体セラミックスにより上記吸着ノズルを成型することで、上記吸着保持面に上記凹凸部を確実かつ容易に形成することが可能となる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態にかかる部品装着ヘッド10を備える部品装着装置100の模式的な構成を示す模式斜視図を図1に示す。
図1に示すように、部品装着装置100は、複数の部品1を取り出し可能に供給する部品供給部の一例である部品供給装置6と、上記供給される夫々の部品1が装着される基板2を解除可能に保持する基板保持部の一例であるステージ5と、部品供給装置6から取り出し可能に供給される夫々の部品1を保持して取り出すとともに、ステージ5にて保持された基板2に、上記保持した夫々の部品1の装着を行なう部品装着ヘッド10と、この部品装着ヘッド10の基板2の大略表面沿いの方向の移動動作を行うヘッド移動装置の一例であるXYロボット8とを備えている。
また、図1に示すように、部品装着ヘッド10の下面には、部品1をその上面において解除可能に吸着保持する部品保持部材の一例である吸着ノズル3が備えられている。また、吸着ノズル3は、基板2の表面に大略直交する方向沿いに、昇降することが可能となっている。
また、図1に示すように、XYロボット8は、部品装着ヘッド10を支持するとともに、図示X軸方向に部品装着ヘッド10を進退移動させるX軸ロボット8aと、X軸ロボット8aを支持するとともに、図示Y軸方向にX軸ロボット8aを進退移動させるY軸ロボット8bとを備えている。これにより、部品装着ヘッド10、すなわち、部品装着ヘッド10が備える吸着ノズル3の図示X軸方向又はY軸方向の移動を行なうことが可能となっている。なお、図示X軸方向とY軸方向とは、基板2の表面に大略平行な方向であって、かつ、互いに直交する方向である。
また、部品供給装置6は、複数の部品1をキャリアテープに取り出し可能に収納されたいわゆるテーピング部品を装備するとともに、上記装備されたテーピング部品を送り移動させることで、収納されている部品1を取り出し可能な状態とさせる複数の部品供給カセット7を、図示X軸方向沿いに互いに隣接させて備えている。また、夫々の部品供給カセット7は、上記取り出し可能な状態とされる部品1を位置させる部品取出し位置7aを、X軸方向に沿って1列に配列されるように配置されて備えている。なお、本実施形態においては、部品供給装置6が部品供給カセット7より上記テーピング部品を供給するような場合について説明したが、本実施形態はこのような場合にのみ限られるものではない。このような場合に代えて、例えば、部品供給装置6に部品供給トレイが配置されて、QFP等の比較的大型の部品、あるいは、コネクタ部品等の大型かつ異形の部品の供給が行なわれるような場合であってもよい。
また、ステージ5は部品装着装置100の機台4上に配置されており、また、ステージ5の上部には、図示X軸方向右側より基板2をステージ5に搬送して供給するとともに、ステージ5より図示X軸方向左側へ基板2を搬送して排出する基板搬送装置9が備えられている。
また、部品装着装置100は、部品装着装置100が備える夫々の構成部であるヘッド部4、部品供給装置6、XYロボット8、基板搬送装置9等の夫々の動作を互いに関連付けながら、夫々の動作の制御を行う制御システム(図示しない)を備えている。
次に、このような部品装着装置100が備える部品装着ヘッド10、特に、部品装着ヘッド10が装備する吸着ノズル3の構造について詳細に説明する。このような部品装着ヘッド10が備える吸着ノズル3の模式的な構成を示す模式構成図として、部品装着ヘッド10の下部の側面図及び吸着ノズル3の部分縦断面図を図2及び図3に示し、さらに、図2及び図3において、部品装着ヘッドの下部を透過させた吸着ノズル3の全体縦断面図を図4及び図5に示す。なお、図2及び図4は、後述するパッド部及び突出ノズルを吸着ノズル3に取り付けた状態であり、図3及び図5は、上記パッド部及び上記突出ノズルを吸着ノズル3より取り外した状態を示す。また、図2及び図4の吸着ノズル3の下面である吸着保持面を図6に示し、図3及び図5の吸着ノズル3の上記吸着保持面を図7に示す。以下に、図2から図7を用いて、特に、吸着ノズル3の内部構造と部品装着ヘッド10の内部構造との関係が明確に判る図4を主として用いて、吸着ノズル3の構造について説明する。
図2から図5に示すように、特に図4に示すように、この部品装着ヘッド10は、真空発生装置(図示せず)側に接続された中空シャフト11に取付けられるとともに、中心部に小径保持孔20および大径保持孔13が形成された中空軸状のヘッド本体12と、このヘッド本体12の大径保持孔13に上下動可能に配置された吸着ノズル3と、この吸着ノズル3内の貫通孔17に上下動可能かつ下方に付勢した状態で保持された突出ノズル28(突出部材の一例である)と、ヘッド本体12と吸着ノズル3との間に設置されて吸着ノズル3を常時下方に付勢するコイルスプリング37とを備えている。吸着ノズル3は、そのノズル本体3aの下方先端に取り付けられたパッド部22(補助吸着部)を有している。このパッド部22は、その外周側において下方にラッパ状に突出するスカート部71(外周端部の一例である)を有し、弾性材料、より好ましくは軟弾性体からなる。
また、吸着ノズル3は、その下方先端面に部品を吸着保持する吸着保持面の一例である吸着面14が形成されている。この吸着面14は、ノズル本体3の先端面に開口する吸着孔部の一例である吸引口81の周囲に略環状の平面として形成されている。また、この吸着面14の表面は、略10〜20μm程度、例えば、15μm程度の高さ寸法又は深さ寸法を有する微細な凹凸部が形成されるように、表面加工が施されている。
また、突出ノズル28は、その軸芯に軸方向に貫通する吸引孔18が形成されており、その下端部に傾斜状に形成された傾斜吸引口29を備えている。さらに突出ノズル28の略中間高さ位置付近の側周部には、周回するように凸状に隆起された係止部30が形成されている。この係止部30は、付勢部材(弾性体)の一例である突出ノズル用圧縮バネ21によって下方に常時付勢されており、吸着ノズル3の貫通孔17内に設けられた係止段部31に常時押し付けられている。このような状態において、突出ノズル28の先端部が吸気口81より所定長さだけ突出されている。なお、突出ノズル用圧縮バネ21の上端は、吸着ノズル3の内部に配置されたバネ座19に固定されており、このバネ座19はコイルスプリング37によりその取り付け位置が規制された状態で常時下方に付勢された状態とされている。さらに、突出ノズル28がこのように取り付けられていることにより、突出ノズル28を部品の上面に押し付けることで、上記突出された突出位置と、その先端部が吸着ノズル3の吸引口81に格納された位置である格納位置との間で、突出ノズル28を進退移動することが可能とされている。
また、部品装着ヘッド10においては、突出ノズル28の吸引孔18、吸着ノズル3の貫通孔17、ヘッド本体12の大径保持孔13、小径保持孔20及び中空シャフト11を通じて真空発生装置に連通する一連の真空吸気経路が形成されている。
なお、この部品装着ヘッド10は、部品の厚みの相違を吸収できるように構成されている。すなわち、ヘッド本体12に上下動可能かつ下方に付勢した状態で保持させた吸着ノズル3の一側面に、軸方向に延びるガイド溝33を形成し、ヘッド本体12に貫通して取り付けられたガイドピン34の先端部がガイド溝33に摺動自在に係合した構成となっている。通常時には、コイルスプリング37により、吸着ノズル3は、ガイドピン34がガイド溝33の上端部に当接する下限位置に保持されている。また、コイルスプリング37は、ねじりコイルバネ体となっており、ねじり復元力によってガイドピン34をガイド溝33の一側面に常時当接させている。吸着ノズル3は、ガイドピン34とガイド溝33とにより上下動範囲を規制されており、上記下限位置からガイドピン34がガイド溝33の下端面に当接する上限位置までヘッド本体12内に入り込めるようになっている。
ここで、図6及び図7を用いて、吸着ノズル3の吸着面14及び吸引口81の形状等について詳細に説明する。
図7に示すように(突出ノズル28及びパッド部22が吸着ノズル3に装備されていない状態)、吸着ノズル3の吸引口81は、吸着ノズル3の軸心をその中心として形成された略円形状孔部の一例である主孔部81aと、吸着面14において、主孔部81aの端部よりその径方向に延在して、主孔部81aの外周円端部を部分的に拡大するような複数の端部拡大部、例えば、略均等な角度ピッチで放射状に5方向に延在するように形成された複数の長孔部81bとにより一体的に形成されている。
また、図6に示す状態においては(突出ノズル28及びパッド部22が吸着ノズル3に装備されている状態)、突出ノズル28は、吸引口81における主孔部81a内に収容された状態で吸着ノズル3に装備されており、突出ノズル28の周囲には、夫々の長孔部81bが配置されている。さらに、吸着ノズル3の吸着面14の外周全体を取り囲むように、パッド部22のスカート部71が環状に配置されている。
また、このような吸引口81の形状の寸法例としては、例えば、主孔部81aを直径1.5mm、夫々の長孔部81bを幅0.6mmで5個、さらに夫々の長孔部81bの外周端部を結ぶ仮想円の直径を3mmとして、形成することができる。また、吸着面14の外周円の直径を5mm、パッド部22のスカート部71の外周端部の直径を8mmとして形成することができる。
ここで、部品装着ヘッド10より取り外された状態の吸着ノズル3の縦断面図を図8に、外観側面図を図9に示す。
図8に示すように、吸着ノズル3においては、その下端面である吸着面14に形成された主孔部81a及び複数の長孔部81bからなる吸引口81と、この吸引口81に連通して形成された貫通孔17と、係止段部31の形成位置にてこの貫通孔17と連通された中間孔41と、バネ座19の設置位置を規制するために設けられたバネ座規制段部43の形成位置にてこの中間孔41と連通されるとともに、吸着ノズル3の上部にて開放された上部孔42とが一連にて連通されるように形成されている。
また、図8及び図9に示すように、吸着ノズル3の下部近傍における周面には、パッド部22の取付用溝部44(補助吸着部取付部の一例である)が、上記周面を周回するように形成されている。さらに、パッド部22が装備された状態の吸着ノズル3の部分拡大断面図である図10に示すように、吸着ノズル3の周面に形成された取付用溝部44の底部には、パッド部22の内周端部72が当接可能であるとともに、パッド部22の取付高さを調整可能に、その形成幅がパッド部22の内周端部72の幅よりも大きくなるように取付用溝部44が形成されている。さらに、パッド部22の内周端部72は、固定用ネジ73により所望の取付高さ位置にて取付用溝部44に固定することが可能となっている。このようにパッド部22の内周端部72と吸着ノズル3の取付用溝部44とが形成されていることにより、パッド部22の外周端部であるスカート部71の先端高さ位置を、吸着ノズル3の吸着面14との関係で調整しながら固定することが可能となっている。なお、本実施形態においては、パッド部22のスカート部71の先端の高さ位置が、吸着ノズル3の吸着面14の高さ位置と略同じ位置、あるいは、僅かに後退された位置(すなわち、スカート部71の先端位置が吸着面14よりも僅かに上方に位置される)に調整される。
また、本実施形態にかかる吸着ノズル3は、半導体セラミックスにて形成されている。ここで半導体セラミックスとは、一般的に電気的絶縁性を有するセラミックスに、カーボン等の半導体材料を混合させることで形成することができ、上記半導体材料の混合比率により、半導体としての特性を有するセラミックスのことである。半導体としての特性を有するためには、その体積固有抵抗値が、1〜10Ω・cm程度の範囲内にある必要があるが、確実に半導体としての特性を有するべく、10〜10Ω・cmの範囲の体積固有抵抗値を有する半導体セラミックスにより、吸着ノズル3が形成されることが望ましい。
このように、吸着ノズル3を半導体セラミックスで形成することにより、吸着ノズル3における静電気発生を抑制することができ、吸着ノズル3と部品との接触の際に、塵埃等の付着による部品の汚染防止や部品への静電気印加防止に効果があるとともに、導電性を備えていないため、吸着ノズル3から部品への電気的な導通による部品に対する電気的損傷を与えてしまうことを防止することができるという効果がある。
なお、本実施形態においては、吸着ノズル3全体が、半導体セラミックスにて形成されるような場合について説明したが、このような場合にのみ本実施形態が限られるものではない。このような場合に代えて、吸着ノズル3における吸着面14の部分が半導体セラミックスにて形成されているような場合であってもよい。この吸着ノズル3において、少なくとも部品と接触する部分である吸着面14が、上記半導体としての特性を備えていることで、上述の夫々の効果を得ることができるからである。
また、吸着ノズル3において、突出ノズル28が装備されるような場合にあっては、この突出ノズル28も部品と当接されることから、半導体セラミックスにて形成されることが望ましい。また、同様に、突出ノズル28全体が半導体セラミックスにて形成されるような場合に代えて、突出ノズル28の少なくとも先端部である傾斜吸引口29が半導体セラミックスで形成されているような場合であってもよい。
また、このように吸着ノズル3が半導体セラミックスにて形成されるような場合には、吸着ノズル3は、例えば金型を用いて成型されることで形成されることとなる。この場合、図10に示すように、金型の抜き方向を図示上向きとして、吸着ノズル3の貫通孔17に図示上向きに僅かに広がるような傾斜(テーパ)を設けることが好ましい。このような傾斜は成型加工の際に必要となるところ、吸着ノズル3の貫通孔17に挿入配置される突出ノズル28は、図示下方先端部分にてガタツキが発生しなければその機能を十分に達成することができるからである。
また、このような吸着ノズル3の成型加工による製造の際には、成型金型における吸着ノズル3の吸着面14に相当する箇所に多数の硬質粒子を固着して、当該成型金型を用いて半導体セラミックスにより吸着ノズル3を成型することで、吸着面14に上記夫々の硬質粒子に応じた多数の凹凸部を形成するように、表面加工を施すことができる。より具体的には、上記硬質粒子として、略10〜20μm程度の径を有するダイヤモンド粒子を用いて、上記箇所にダイヤモンド粒子を電着して形成された成型金型を用いることで、略10〜20μmの範囲、例えば、15μm程度の高さ寸法又は深さ寸法を有する上記凹凸部を形成することができる。なお、上記硬質粒子には、少なくとも上記ダイヤモンド粒子が主成分として含まれていればよい。
次に、このような構成を有する吸着ノズル3を備えた部品装着ヘッド10による部品の吸着保持動作について、図11及び図12を用いて説明する。
本実施形態の部品装着ヘッド10は、チップ部品や小型のIC部品等のいわゆる小型部品や、一般的に異形部品と称される電子部品、例えば、アルミ電解コンデンサ(例えば、8〜10mm程度の径、及び10mm程度の高さの円筒形状を有するもの)、コネクタ部品(例えば、矩形等の種々の形状を有するもの)、さらに、QFP等の大型のIC部品等の吸着保持による基板への装着に対応することが可能となっている。図11は、これらの部品のなかでも、QFP(例えば、28mm角×4mm厚)のような大型部品を吸着ノズル3の吸着面14だけでなく、パッド部22においても吸着保持している状態を示している。
図11においては、吸着ノズル3により部品1が既に吸着保持されている状態を示しているが、吸着ノズル3の吸着面14が部品1の被吸着面1a(図示上面)に接触していない状態においては、パッド部22のスカート部71の先端部は、吸着面14と略同じ高さ位置あるいは吸着面14よりも僅かに上方に位置されるように調整されているため、上記上方に位置されているような場合、例えば、0.1mm程度上方に位置されているような場合にあっては、部品1の被吸着面1aにスカート部71の先端部が当接されていない状態にある。
まず、部品装着ヘッド10をXYロボット8により移動させることで、吸着ノズル3と部品1の位置合わせを行なう。その後、部品装着ヘッド10において、吸着ノズル3の下降を開始する。吸着ノズル3の下降が行なわれると、その吸着面14よりも突出された状態にある(すなわち、突出位置に位置された状態にある)突出ノズル28の傾斜吸引口29の先端と、部品1の被吸着面1aとが当接される。この当接とともに、吸着ノズル3の貫通孔17及び突出ノズル28の傾斜吸引口29を通して、真空吸引が開始される。さらに、吸着ノズル3を下降させることで、上記当接状態にある突出ノズル28を常時下方に付勢している突出ノズル用圧縮バネ21が圧縮されることで、突出ノズル28が吸着ノズル3の貫通孔17に対して相対的に上昇されて、その傾斜吸引口29が貫通孔17内に格納される(すなわち、格納位置に位置された状態とされる)。
突出ノズル28の傾斜吸引口29の貫通孔17への格納が行なわれる際に、部品1の被吸着面1aと、吸着ノズル3の吸着面14及びパッド部22のスカート部71とで挟まれた空間内の圧力が、上記吸引動作により急激に低下されることとなる。この圧力の低下は、吸着面14と部品1の被吸着面14との距離が近づくにつれて顕著なものとなる。この圧力の低下により、弾性材料にて形成されているパッド部22のスカート部71が、図示下方内向きに弾性変形され、この弾性変形により、スカート部71の先端部と部品1の被吸着面1aとが近接されることとなる。これにより、上記空間の密閉度が高められ、さらに圧力が低下されることとなって、図11に示すように、吸着ノズル3の吸着面14と部品1の被吸着面1aとが当接されるとともに、パッド部22のスカート部1がさらに弾性変形されて、部品1の被吸着面1aと当接されることとなる。これにより、部品1が吸着ノズル3及びパッド部22により吸着保持された状態となる。
このようなパッド部22が備えられていることにより、吸着保持面積を大きく保つことができ、大型かつ大重量の部品1に対しても確実かつ安定した吸着保持を行なうことができる。また、このようなスカート部71が備えられていることで、吸着ノズル3の吸着面14と当接される部分における部品1の被吸着面1aに多少の凹凸や傾斜面が存在するような場合であっても、上記圧力の低下によるスカート部71の弾性変形を利用して、確実な吸着保持を行なうことができる。また、このようなスカート部71の弾性変形動作を可能とするべく、スカート部71は弾性変形可能な形状にて弾性材料により形成されていることが望ましく、スカート部71の先端部が吸着面14よりも僅かに上方に位置される場合には、当該位置は、スカート部71の上記弾性変形により上記先端部が吸着面14と略同じ高さに位置される程度の位置に配置されていることが好ましい。このような位置としては、例えば、吸着面14より上方に0.1mm程度の位置とすることができる。
その後、部品1を吸着保持した状態で、吸着ノズル3を上昇させるとともに、XYロボット8により部品装着ヘッド10が基板2の上方に移動され、基板2における部品1の装着位置と吸着ノズル3との位置合わせが行なわれる。この位置合わせの後、部品装着ヘッド10において吸着ノズル3の下降が開始される。その後、吸着保持された状態の部品1が基板2に当接されて押圧状態とされると、真空吸引が停止される。この停止の後、吸着ノズル3の上昇が開始されるが、この上昇動作とともに、上記圧縮状態にあった突出ノズル用圧縮バネ21が引き伸ばされて、突出ノズル28の先端部が吸着ノズル3の吸着面14よりも突出されることとなる。この突出ノズル28の突出により、部品1の被吸着面1aと吸着面14及びスカート部71の先端部との当接状態を円滑にかつ強制的に解除することができ、吸着ノズル3と部品1とを離間して吸着保持が解除状態とされる。これにより、基板2の装着位置に部品1を装着することができる。
一方、上記異形部品、例えば、コネクタ部品91を吸着ノズル3により吸着保持している状態を図12に示す。図12に示すように、コネクタ部品91は、例えば、全体的には略矩形状の形状を有しているような場合であっても、その被吸着面91aには平坦部だけでなく、凹凸状の部分91bもが含まれているような場合もある。図12に示すように、このような凹凸状の部分91bが、パッド部22のスカート部71の内側に配置されるような場合にあっては、スカート部71の先端部とコネクタ部品91とが当接された状態にあっても、凹凸状の部分91bが例えば溝状に開放されていれば、スカート部71の内側の空間の圧力を低下させることができず、スカート部71にて吸着機能を達成することができない。
しかしながら、このような場合であっても、吸着ノズル3の吸着面14とコネクタ部品91の被吸着面91aにおける平坦部が確実に当接されていれば、環状の吸着面14の内側空間の圧力を低下させることができ、コネクタ部品91を確実に吸着保持することができる。なお、このようなコネクタ部品91は、その形状は大型部品であるものの、凹凸状の部分91bや中空形状に形成されていることが多く、その重量は比較的軽量であることが多い。特に、スカート部71の先端部の高さ位置が、吸着面14と略同じ高さ位置、あるいはそれよりも僅かに後退された位置に調整されていることにより、このような凹凸状の部分91bを有するコネクタ部品91の吸着保持を行なうような場合であっても、スカート部71の先端部が、吸着面14よりも先にコネクタ部品91と当接して、吸着面14とコネクタ部品91の当接を阻害するような事態が発生することを回避することができる。
なお、上記説明においては、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28が装備された場合において、大型部品や異形部品の吸着保持及び基板2への装着が行なわれるような場合について説明したが、このような場合に代えて、吸着ノズル3にパッド部22又は突出ノズル28のいずれか一方のみが装備されているような場合、あるいは、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28のいずれもが装備されていないような場合であってもよい。このようなパッド部22や突出ノズル28の装備は、吸着保持される部品の種類に応じて選択的に決定することができ、例えば、小型のチップ部品等の吸着保持を行なうような場合にあっては、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28のいずれをも装備しない状態で行なうことができる。ただし、吸着ノズル3にパッド部22及び突出ノズル28を装備した状態であっても、チップ部品の吸着保持に問題なく対応することができ、このような装備状態においては、より様々な形状や種類の部品の吸着保持に柔軟かつ安定して対応することができる。
ここで、上記説明における吸着ノズル3の吸着面14に形成された微細な凹凸の特徴、機能、及びその効果についてさらに詳細に以下に説明する。
本実施形態における吸着ノズル3の吸着面14の表面には、略10〜20μm程度、例えば、15μm程度の高さ寸法又は深さ寸法を有する微細な凹凸部が形成されるように、その表面が仕上げられている。このような凹凸部は、例えば、図15に示すように、その深さ寸法が15μm程度となる一方向に配列された溝52aを吸着面14の表面沿いに形成することにより形成することができる。あるいは、このように一方向の溝52aが形成されるような場合に代えて、図15に示すように、吸着面14の表面に沿って互いに交差するような方向(すなわち、2方向)に配列されたクロス状の溝52bが形成されるような場合であってもよい。
このような溝52a、52bは、例えば吸着面14に研削を行うことで形成することができるが、吸着ノズル3の材質が半導体セラミックであることを考慮すれば、金型(焼結型)における吸着面14に相当する箇所に、それぞれの溝52a、52bに対応する凹凸部を予め設けておくことで形成することが好ましい。また、それぞれの溝52a、52bは、吸引口81と吸着面14の外周端部とを連通するように形成されることが好ましい。なお、図15においては、吸着面14に形成された溝52a、52bの一部を例示的に示したものであり、これらの溝52a、52bは吸着面14において略全面的に形成されている。
このように吸着面14において凹凸部となるそれぞれの溝52a、52bが形成されていることにより、吸着面14への部品1の吸着保持力を、当該凹凸部が形成されていない場合と比べて、増大させることができる。
この吸着保持力の増大効果について図16に示す吸着ノズル3の吸着面14付近の部分拡大断面を表す模式説明図を用いて説明する。図16に示すように、吸着面14にて部品1を吸着保持した場合、吸着面14の表面と部品1の表面との間に、それぞれの溝部52a(あるいは52b)の形成深さに相当する寸法の部分的な隙間δが生じることとなる。このように隙間δが形成されることと、部品吸着時における吸引口81の負圧吸引作用とによって、矢印51に示すようにこの微小な隙間δをエアが急速に流れて吸引口81内に至ることとなる。狭い隙間を流体が急速に流れる場合に負圧が発生する原理(ベルヌーイの法則)により、この部品1と吸着面14との間に負圧が発生し、部品1は吸着面14に吸引保持される。このような負圧発生による吸引効果を「隙間負圧効果」という。
また、吸着ノズル3においては、部品1を吸引保持するために真空源の吸引により吸引口81内を負圧にし、この負圧力で吸着面14に接する部品1を吸引するという従来から用いられている吸引保持力(矢印50で示す)、すなわち「真空源負圧効果」に加えて、上述の隙間負圧効果による吸引保持力を積極的に利用することで、吸引保持力の増大を図ることができる。ただし、部品装着装置100においては、空間スペースの効率的な活用の観点から、吸着保持させる部品1よりも大きな吸着面14を有するような吸着ノズル3を用いることはできない。従って、限られたスペースで負圧吸引作用を生じる吸引口81と、隙間負圧効果を生じる吸着面14とのバランスを取り、かつ部品1が吸引口81に落ち込まないような孔形状を採用することが望ましい。このような考え方を具現化したのが、図7に示すような吸引口81と吸着面14の組合せ形状と寸法である。すなわち、図7に示す吸着ノズル3において、例えば、吸着面14の外周円の直径5mm、桜花びら型の吸引口81の外周仮想円の直径3mmとするような構成である。また、このような隙間負圧効果は、吸着面14における外周端部近傍において最も効果的に生じることとなるため、例えば、部品1を吸着保持した状態で吸着ノズル3をその軸心回りに回転させたような場合であっても、当該部品1の吸着保持位置の位置ズレを効果的に抑制することができる。
また、このような凹凸部は、上記一方向に配列された溝52aやクロス状に配列された溝52bとして形成されるような場合にのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、例えば、吸着面14において不規則に配列された多数の凹凸部が形成され、このような凹凸部の存在により、吸引口81と吸着面14の外周端部とを連通するような通路(隙間)が形成されるような場合であってもよい。当該通路を通じて流体を急速に流すことができ、ベルヌーイの法則により「隙間負圧効果」を生じさせることができるからである。
また、このような不規則な凹凸部は、吸着ノズル3の成型金型における吸着面14に該当する面に、例えばショットブラストを施すことで、深さ15μm程度の凹凸部を形成し、当該成型金型を用いて、上記不規則な凹凸部が吸着面14に形成された吸着ノズル3を成型することができる。
また、上述においては、図7に示すように、吸着ノズル3の吸着面14には、略円形状の主孔部81aとその周囲に配置された5つの長孔部81bにより、大略桜の花びら型形状(すなわち、5つの花びら形状)を有する開口部が吸引口81として形成されるような場合について説明した。
例えば、吸引口81をこのような桜花びら形状とし、かつ、1つの花びら(すなわち、長孔部81b)の形成方向を、Y軸方向に一致させるように吸着ノズル3を部品装着ヘッド10に装備させることで、Y軸方向に吸着保持すべき部品1の位置ズレが生じるような場合があっても、吸引孔81において大気開放される面積が、X軸方向に比べて少なくなるようにすることができる。
一般的に、部品装着装置100においては、部品供給カセット7により供給されるテーピング部品より部品1が取り出される場合、図1に示すように、それぞれの部品供給カセット7は図示Y軸方向に配置される。この部品供給カセット7は、Y軸方向にテーピング部品を送り出すという特性上、当該Y軸方向への位置決め精度はX軸方向の位置決め精度と比べて低くなってしまう。そのため、部品供給カセット7より供給される部品1を吸着ノズル3により吸着保持する際には、当該部品1の吸着保持位置がY軸方向に位置ズレするような場合が多くなる。このようなY軸方向の位置ズレが生じるような場合であっても、上述のような吸着ノズル3の配置を採用することで、位置ズレに伴う大気開放面積を最小限とすることができ、部品1の吸着不良発生率を低減することが可能となる。
このような吸着ノズル3の吸引口81の形状は、次のようなそれぞれの特徴を有するように形成されることが好ましい。
まず、略円形状の主孔部81aの周囲に形成されるそれぞれの長孔部81bは、同じ形状を有し、かつ、等角度ピッチにて配列されるようにすることが好ましい。このようにすることで、吸引口81を通して部品1の表面に付加される吸着保持力の均一性を高めることができる。また、このような吸着保持力の均一性という観点からは、吸引口81をその中心回りに4等分の領域に分けた場合に、それぞれの領域内に長孔部81bが配置されるようにすることが好ましい。
また、それぞれの長孔部81bは、主孔部81aの中心について点対称にて配列されないようにすることが好ましい。吸着面14に対する部品1の吸着保持位置の位置ズレは、主孔部81aの中心に対して一方向に生じることとなるが、このような位置ズレが生じた場合に、その位置ズレの程度によっては、吸引口81が部分的に大気開放されてしまう場合がある。しかしながら、非点対称に配置されているような場合には、点対称に配置されているような場合に比して、上記大気開放される面積をより小さくできる場合が多いからである。
また、それぞれの長孔部81bの幅寸法は、主孔部81aの直径よりも小さくすることが好ましい。このようなすることで、比較的小型の部品1が斜め姿勢等にて吸引保持されてしまうような場合が生じても、当該部品1が吸引口81内に入り込んでしまうことを確実に防止できるからである。
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、部品装着ヘッド10において、吸着ノズル3が、電気的絶縁性を有するセラミックスにより形成されている(例えば、特許文献1のように)のではなく、例えば、カーボン粒子とセラミックスが混合されること等により作成される半導体セラミックスを用いて形成されていることにより、当該形成された吸着ノズル3に半導体としての特性を備えさせることができる。これにより、吸着ノズル3において静電気が発生することを防止することができ、当該静電気の発生に伴って生ずる塵埃等の付着による部品の汚染や当該静電気を吸着ノズル3に接触された部品に伝達付加して当該部品に電気的損傷を与えることを、確実に防止することができる。また、導電性としての特性を有さず、半導体としての特性を有していることで、吸着ノズル3に接触された部品との間で、電気的導通が生じることもなく、吸着保持された部品に上記導通によって電気的損傷を与えることを確実に防止することができる。従って、高機能化、高精度化、そして多様化された部品の吸着保持及び装着に、確実かつ安定して対応することができる吸着ノズル及び部品装着ヘッドを提供することができる。
また、このような半導体セラミックスを用いる場合に、その体積固有抵抗値を、10〜10Ω・cmの範囲とすることで、上記半導体としての特性を確実に得ることが可能となる。
また、吸着ノズル3の下面に形成される吸引口81が、主孔部81aとこの主孔部81aより径方向に延在するように主孔部81aと一体的に形成された長孔部81bとを有して形成されていることにより、より大きな部品の吸着保持に安定して対応することができる。また、小型の部品を吸着保持する際に、保持姿勢が斜め吸着となるような場合であっても、吸着保持された部品が吸着ノズル3の吸引口81内に嵌まり込むような事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、小型部品から大型部品、さらに異形部品をも確実かつ安定して吸着保持することが可能となる。
また、吸着ノズル3の貫通孔17を摺動する突出ノズル28が装備されるような場合であっても、この突出ノズル28は、上記主孔部81aに相当する貫通孔17の部分を摺動し、夫々の長孔部81bに相当する貫通孔17の部分には突出ノズル28が配置されないため、吸引口81よりの塵埃等の吸引によって、突出ノズル28の摺動が阻害される事態が発生する可能性を大幅に低減することができる。従って、突出ノズル28の動作を安定して行なうことが可能となる。また、このような突出ノズル28が備えられていることにより、吸着ノズル3における吸引動作を補助することができるとともに、吸着保持された部品の吸着保持解除動作を補助することができる。また、この突出ノズル28が上記半導体セラミックスにて形成されていることにより、上記吸着ノズル3の場合と同様な効果を得ることができる。
また、吸着ノズル3において、部品と当接される吸着面14に、略10〜20μm程度の範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部が形成されるように、表面加工が施されていることにより、部品を吸着保持する際に、部品と吸着面14との間で滑りの発生を少なくすることができ、確実かつ安定した吸着保持を実現することができる。さらに、このような凹凸部を形成することで、上述して真空源負圧効果に加えて、上記隙間負圧効果を利用することができ、より確実な吸着保持を実現することができる。
また、このように吸着面14に凹凸部を形成することで、部品が吸着保持された状態の画像を、吸着ノズル3の下方より撮像するような場合に、吸着面14に照射された光を上記凹凸部により乱反射することができ、部品の画像を確実に撮像することができるという効果もある。特に、通常のセラミックスが用いられるような場合では、当該セラミックスが光易く、部品を反射認識する際に、吸着ノズルの吸着面が光ってしまい、部品画像を鮮明に撮像することができない場合があるという問題がある。従って、上述のような工夫を施すことで、このような問題を解決することができる。
また、吸着ノズル3の吸着面14を黒色とすることや、矩形形状の部品1が多いということを考慮して、吸着面14の形状を円形状とすることも、上記部品の画像の確実な撮像のためには有効な手段である。
また、このような凹凸部の形成にあたっては、吸着ノズル3が半導体セラミックスで形成されていることを考慮すれば、例えば、特許文献1のようにセラミックスにショットブラストを行なって上記凹凸部を形成すると、割れが発生したり、加工面が安定せず、端部に垂れが発生しやすく、さらに加工時間がかかる等の問題が発生する。また、特許文献2のように、吸着ノズル3にダイヤモンド粒子を電着して凹凸部を形成することは、吸着ノズルが金属材料等により形成されている場合には可能であるが、セラミックスにて形成されている場合には上記電着を行なうことができないという問題がある。
このような問題点を解決すべく、上記実施形態においては、金型自体にダイヤモンド粒子を電着して、この金型を用いて半導体セラミックスにより吸着ノズル3を成型することで、上記凹凸部を確実かつ容易に形成することが可能となる。
また、吸着ノズル3にさらにパッド部22が備えられていることで、このパッド部22が備えるスカート部71が、吸着面14による部品の吸着保持を補助することができる。特に、スカート部71の先端の高さ位置が、吸着面14と略同じ高さ位置あるいは僅かに後退された位置に位置されていること、及び、スカート部71が弾性部材により形成されていることで、吸着ノズル3による部品の吸着保持の際に、スカート部71の先端部が吸着面14よりも先に部品に当接して、吸着面14による部品の吸着を阻害するという事態が発生することを確実に防止することができる。
また、スカート部71は上記弾性材料にて形成され、部品の上部に近接された状態で、スカート部71と部品上部とで挟まれた空間の圧力が低下されることで、スカート部71の先端部を内向き下方に弾性変形させることが可能とされているため、当該変形によりスカート部71の先端部を部品の上部に確実に当接させることができる。従って、スカート部71により部品を確実に吸着保持することができる。このような吸着保持が実現されることで、吸着ノズル3における吸着保持可能領域をスカート部71の外周端部にて囲まれた領域にまで拡大することができ、大型の部品や異形部品の吸着保持に対応することが可能となる。また、スカート部71の先端部に当接されることがないような小型の部品に対しては、吸着面14を当接させることで、スカート部71の存在に拘らず、確実な吸着保持を行なうことができる。よって、小型部品から大型部品、さらに異形部品まで、多様化された様々な形状の部品の吸着保持に柔軟かつ迅速に対応することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2003年12月19日に出願された日本国特許出願No.2003−422209号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
本発明の一の実施形態にかかる部品装着ヘッドを備える部品装着装置の外観斜視図である。 上記部品装着ヘッドの下部側面図及び装備される吸着ノズルの部分縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが装備された状態を示す図である。 上記部品装着ヘッドの下部側面図及び装備される吸着ノズルの部分縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが取り外された状態を示す図である。 上記部品装着ヘッドの下部側面透過図及び装備される吸着ノズルの全体縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが装備された状態を示す図である。 上記部品装着ヘッドの下部側面透過図及び装備される吸着ノズルの全体縦断面図であって、パッド部及び突出ノズルが取り外された状態を示す図である。 図4の吸着ノズルを下方から見た下面図である。 図5の吸着ノズルを下方から見た下面図である。 吸着ノズル本体の縦断面図である。 吸着ノズル本体の側面図である。 吸着ノズルの下部の拡大断面図である。 大型部品を吸着保持している状態を示す吸着ノズルの模式断面図である。 コネクタ部品を吸着保持している状態を示す吸着ノズルの模式断面図である。 従来の部品装着ヘッド及び吸着ノズルの縦断面図である。 従来の吸着ノズルによる部品の吸着保持及び装着動作を示す模式図であって、吸着ノズルが下降されている状態を示す図である。 従来の吸着ノズルによる部品の吸着保持及び装着動作を示す模式図であって、部品が傾斜されている状態において吸着保持が行われている状態を示す図である。 従来の吸着ノズルによる部品の吸着保持及び装着動作を示す模式図であって、吸着保持した部品を基板に装着している状態を示す図である。 上記実施形態にかかる吸着ノズルの吸着面の凹凸部を示す模式図である。 図15の吸着ノズルにより部品の吸着保持を行う原理について説明する模式説明図である。

Claims (12)

  1. 部品(1、91)の吸着保持面(14)を有する吸着ノズル(3)を備え、当該吸着ノズルの上記吸着保持面にて部品を吸着保持して、基板(2)における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッド(10)において、
    上記吸着ノズルにおける上記吸着保持面を有する部分が、半導体セラミックスにて形成されている部品装着ヘッド。
  2. 上記半導体セラミックスは、10〜10Ω・cmの範囲の体積固有抵抗値を有する請求項1に記載の部品装着ヘッド。
  3. 上記吸着ノズルにおいて、当該吸着ノズルの軸心をその中心として形成された略円形状孔部(81a)と、当該円形状孔部の端部の一部がその径方向に拡大された複数の端部拡大部(81b)とにより一体的に形成され、当接された状態の上記部品の吸引を行う吸着孔部(81)が、上記吸着保持面に形成されている請求項2に記載の部品装着ヘッド。
  4. 上記吸着ノズルは、
    上記吸着保持面よりも内側にその先端部(29)が位置される格納位置と、上記吸着保持面よりも当該先端部が突出される突出位置との間で摺動可能に、上記略円形状孔部内に挿入配置された突出部材(28)と、
    上記突出部材を上記突出位置側に常時付勢する付勢部材(21)とを備える請求項3に記載の部品装着ヘッド。
  5. 上記突出部材の上記先端部は、上記半導体セラミックスで形成されている請求項4に記載の部品装着ヘッド。
  6. 上記吸着ノズルの上記吸着保持面は、略10〜20μmの範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する多数の凹凸部(52a、52b)を有するように、表面加工が施されている請求項3に記載の部品装着ヘッド。
  7. 上記多数の凹凸部は、上記吸着保持面において、上記吸着孔部と当該吸着保持面の外周端部とを連通するように形成された多数の溝部(52a、52b)である請求項6に記載の部品装着ヘッド。
  8. 当該吸着ノズルの外周部に密着して配置される内周端部(72)と、上記吸着保持面の周部よりも外側に向けて突出して形成され、上記吸着保持面と略同じ高さ位置あるいは上記吸着保持面よりも僅かに後退された位置に配置された外周端部(71)とを有する弾性材料により形成された補助吸着部(22)をさらに備える請求項1に記載の部品装着ヘッド。
  9. 上記吸着ノズルは、その外周部において上記補助吸着部の上記内周端部が脱着可能に装備する補助吸着部取付部(44)を備え、上記補助吸着部は、吸着保持される上記部品の大きさに応じて選択的に上記補助吸着部取付部に装備される請求項8に記載の部品装着ヘッド。
  10. 部品(1、91)を吸着保持して、基板(2)における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッド(10)が備える吸着ノズル(3)において、
    上記部品を解除可能に吸着保持する吸着保持面(14)を有する部分が、半導体セラミックスにて形成されていることを特徴とする吸着ノズル。
  11. 部品(1、91)を吸着保持して、基板(2)における部品装着位置に当該吸着保持された部品を配置するとともに、当該部品の吸着保持を解除することで、上記部品装着位置に上記部品を装着する部品装着ヘッド(10)が備える吸着ノズル(3)の製造方法であって、
    上記吸着ノズルにおける上記部品の吸着保持面(14)に相当する箇所に、多数の硬質粒子を固着した金型を用いて、当該金型内に半導体セラミックスを注入することにより上記吸着ノズルを成型して、当該吸着保持面に上記夫々の硬質粒子に応じた多数の凹凸部(52a、52b)を形成する吸着ノズルの製造方法。
  12. 上記金型は、上記吸着保持面に相当する箇所に、略10〜20μmの径を有するダイヤモンド粒子を含む上記硬質粒子を電着して形成され、上記吸着保持面に形成される上記凹凸部は、略10〜20μmの範囲の高さ寸法又は深さ寸法を有する請求項11に記載の吸着ノズルの製造方法。
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