JP2023050145A - 電子部品の実装装置及び電子部品の実装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品を非接触でピックアップしつつ、実装位置における位置決めができる電子部品の実装装置及び電子部品の実装方法を提供する。【解決手段】実装装置1は、吸引保持した電子部品Cを基板Sに実装する実装ヘッド31と、電子部品Cを非接触で保持する多孔質部材を有し、供給部6から電子部品Cをピックアップし、実装ヘッド31へ渡すピックアップコレット700と、実装ヘッド31とピックアップコレット700とを相対移動させる移動装置7と、多孔質部材からの気体噴出とともに、多孔質部材に設けられた吸引孔の負圧による電子部品Cの非接触保持状態で、移動装置7による実装ヘッド31とピックアップコレット700との所定間隔までの接近と実装ヘッド31による吸引を行わせ、所定時間経過後にピックアップコレット700の吸引を解除して実装ヘッド31に電子部品Cを吸引保持させる制御装置8と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の実装装置及び電子部品の実装方法に関する。
ロジック、メモリ、画像センサなどの半導体素子である電子部品を、基板に実装する際には、半導体素子が形成されたウェーハを、切断することにより個片化したチップとする。そして、このチップを一つずつピックアップし、基板へ移送して実装することが行われている。
チップの一方の面である表面は、微細な回路が形成された機能面となっている。このチップをウェーハからピックアップする際に、ピックアップする部材が機能面に直接接触すると、回路等が破損する虞があるため、接触を避けたいという要求がある。
なお、非接触吸着技術として、代表的なものとしてベルヌーイチャックがあるが、大きなエアー流量を必要とする割に吸着力は非常に小さい。そのため、チップを、UVテープに保持された状態からピックアップをする際、UVテープからチップを引きはがすだけの吸着保持力が得られない。
また、チップの表面の接続端子と、基板の接続端子とを対向させて接合することも行われている。この時、接続端子同士の接合性を確保、向上させるため、チップの表面に対して、プラズマ処理や表面活性化処理などの表面処理が行われる場合がある。このような処理をされたチップの表面の状態を維持するためにも、ピックアップする部材がチップの表面に直接接触することを避けたいという要求がある。
チップの表面に、部材を接触させないという要求に対応するため、従来、チップをピックアップする部材であるコレットにおいて、チップを保持する面をテーパー面として、チップの表面ではなく周辺部のみが、コレットのテーパー面に接触した状態で、チップの中央から吸引保持されるようにしていた(特許文献1参照)。
実開昭63-124746号公報
しかしながら、上記のような従来技術においては、チップの周辺部においてのみコレットと接触し、チップの中央部から吸引している。このため、チップに歪みが生じ易く、チップの欠け、割れが生じる可能性がある。また、チップ周辺のエッジ部分にコレットが接触し、その接触部分で吸引されるチップを支持するので、周辺部に応力が集中して、欠け、割れが生じやすい。さらに、吸引保持された状態でチップの保持位置が固定されてしまうため、吸引保持した時にずれや傾きが生じていた場合には、その後、実装装置に受け渡す際に補正できない。
本発明の実施形態は、上述のような課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、電子部品を非接触でピックアップしつつ、実装位置における位置決めができる電子部品の実装装置及び電子部品の実装方法を提供することにある。
本発明の実施形態の電子部品の実装装置は、吸引孔の負圧により吸引保持した電子部品を基板に実装する実装ヘッドと、細孔から気体を噴出しつつ、吸引孔の負圧により電子部品を非接触で保持する多孔質部材を有し、前記電子部品を供給する供給部から前記電子部品をピックアップし、前記実装ヘッドへ受け渡すピックアップコレットと、前記実装ヘッドと前記ピックアップコレットとを相対移動させる移動装置と、前記多孔質部材からの気体の噴出とともに、前記吸引孔の負圧によって前記電子部品を非接触で保持している状態で、前記移動装置による前記実装ヘッドと前記ピックアップコレットとの所定間隔までの接近及び前記実装ヘッドによる吸引を行わせ、前記所定間隔で所定時間経過後に前記ピックアップコレットの吸引を解除させて前記実装ヘッドに前記電子部品を吸引保持させる制御装置と、を有する。
本発明の実施形態の電子部品の実装方法は、細孔から気体を噴出しつつ、吸引孔の負圧により電子部品を非接触で保持する多孔質部材を有するピックアップコレットが、前記電子部品の供給部から前記電子部品を非接触で保持してピックアップし、移動装置が、前記電子部品を基板に実装する実装ヘッドと前記電子部品をピックアップして反転した前記ピックアップコレットとを所定間隔まで接近させ、前記実装ヘッドに設けられた吸引孔の負圧による吸引を開始し、前記所定間隔で所定時間経過後に前記ピックアップコレットの吸引を解除することにより、前記実装ヘッドが前記電子部品を吸引保持する。
本発明の実施形態は、電子部品を非接触でピックアップしつつ、実装位置における位置決めができる電子部品の実装装置及び電子部品の実装方法を提供することができる。
実施形態の実装装置の概略構成を示す正面図である。 電子部品と基板を示す平面図である。 実装装置の平面図(A)、実装箇所の拡大平面図(B)である。 ピックアップコレットによる電子部品の保持原理を示す断面模式図(A)、ベースを示す底面側斜視図(B)である。 ピックアップコレット及び着脱部を示す底面側斜視図である。 ピックアップコレット及び着脱部を示す上面側斜視図である。 電子部品の反転動作を示す拡大図であり、左側が正面図、右側が平面図である。 電子部品のピックアップ動作を示す説明図である。 電子部品の受け渡し動作を示す説明図である。 実装ヘッドがピックアップコレットに第1の間隔まで接近した状態(A)、実装ヘッドの吸引を開始した状態(B)、ピックアップコレットの吸引を弱めた状態(C)、第2の間隔まで接近して電子部品を保持した状態(D)を示す説明図である。 ピックアップコレットが実装ヘッドに位置決めされた状態(A)、電子部品が中央に位置決めされた状態(B)を示す説明図である。 実装装置の実装動作を示す説明図である。 電子部品のピックアップ動作と受け渡し動作の手順を示すフローチャートである。 電子部品の実装手順を示すフローチャートである。 噴出口を設けた実装ヘッドを示す説明図である。 ガイド部の配置の変形例を示す底面図である。 第2実施形態の吸引孔の配置と電子部品の引き寄せ状態を示す模式化した平面図である。((A)電子部品がズレている状態、(B)電子部品が中央に引き寄せられた状態) 第2実施形態の吸引孔の配置を示す断面図である。((A)電子部品がズレている状態、(B)電子部品が中央に引き寄せられた状態) 吸引孔の配置例(A)~(0)に示す説明図である。
1.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、図1及び図2に示すように、電子部品Cを基板Sに実装する実装装置1である。図1は実装装置1の概略構成を示す正面図である。図2は、電子部品C及び基板Sを示す平面図である。なお、図面は模式的なものであり、各部のサイズ(以下、寸法とも呼ぶ)、形状、各部の相互のサイズの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
[電子部品]
まず、本実施形態の実装対象となる電子部品Cは、例えば、ICやLSI等の半導体素子を挙げることができる。本実施形態は、図2に示すように、半導体素子として、直方体形状の半導体チップを用いる。半導体チップは、半導体ウェーハをさいの目状に切断するダイシングにより個片化したベアチップである。ベアチップは、表裏のうち一面に半導体素子として機能する機能面を有する。機能面側の表面にバンプ或いはバンプレスの電極が設けられており、基板S上の電極パッドに接合するフリップチップ接続により実装される。
電子部品Cには、位置決めのための複数のマークmが設けられている。本実施形態では、2つのマークmが、矩形状の電子部品Cの対角となる一対の角部に1つずつ設けられている。マークmは、電子部品Cの電極が形成された面、つまりフェイスに設けられている。本実施形態は、フェイス側を基板Sに向けて実装するフェイスダウン実装のための装置の一例である。
[基板]
本実施形態において、上記のような電子部品Cが実装される基板Sは、図2に示すように、プリント配線等が形成された樹脂製等の板状部材、或いは、回路パターンが形成されたシリコン基板等である。基板Sには、基板Sが実装される領域である実装領域Bが設けられ、実装領域Bの外側に、位置決めのための複数のマークMが設けられている。本実施形態では、2つのマークMが、実装領域Bの外側の位置であって電子部品Cのマークmに対応する位置に設けられている。
[実装装置]
本実施形態の実装装置1は、高精度、例えば、±0.2μm以下の実装精度の実装を実現可能とする実装装置1で、図1及び図3に示すように、基板支持機構2、実装機構3、第1の撮像部4、第2の撮像部5、供給部6、移動装置7、制御装置8を有する。図3(A)は実装装置1の平面図、図3(B)は後述する実装ヘッド31を透過したマークMを示す平面図である。
なお、以下の説明中において、実装機構3が電子部品Cを基板Sに実装するために移動させる方向をZ軸、これに直交する平面において互いに直交する2軸をX軸及びY軸とする。本実施形態では、Z軸は鉛直であり、重力に従う方向を下方、重力に抗する方向を上方とし、Z軸における位置を高さと呼ぶ。また、X軸及びY軸は水平面上にあり、図1の正面側から見て、X軸は左右方向、Y軸は奥行方向である。但し、本発明は、この設置方向に限定するものではない。設置方向にかかわらず、基板S又は基板支持機構2を基準として、電子部品Cが実装される側を上側、その反対側を下側と呼ぶ。
基板支持機構2は、電子部品Cが実装される基板Sを支持する機構であり、所謂、基板ステージである。実装機構3は、電子部品Cを基板Sに実装する機構である。実装機構3は、実装ヘッド31を有する。実装ヘッド31は、電子部品Cを保持した状態で、電子部品Cに対向する基板SのマークMを、透過して認識可能とする透過部を有する。
第1の撮像部4は、実装ヘッド31が電子部品Cを基板Sに実装する実装位置OAにおいて基板支持機構2よりも下側に配置されており、基板支持機構2によって基板Sが実装位置OAから退避された状態で、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを、電子部品Cに対向する位置、つまり、下方から撮像する。実装位置OAは、基板Sに電子部品Cが実装される位置であり、図中、実装される電子部品Cの領域内のXY座標上の点(例えば、中心点)を通るZ軸に沿う方向の一点鎖線で示す。実装位置OAは、後述するように、第1の撮像部4、第2の撮像部5のカメラの光軸に一致する。第2の撮像部5は、実装位置OAにおいて実装ヘッド31よりも上側に配置されており、基板SのマークMを、実装ヘッド31の透過部を通して撮像する(以下、このことを「実装ヘッド31越しに撮像する」と言う)。このように撮像された画像に基づいて、マークm、Mの検知、つまりマークm、Mの認識が可能となる。
なお、基板支持機構2、実装機構3は、それぞれ位置決め機構を有する。位置決め機構は、第1の撮像部4、第2の撮像部5が撮像したマークm、Mの画像から求められた基板Sと電子部品Cの位置に基づいて、基板Sと電子部品Cとの位置決めを行う。以上のような実装装置1の各部は、設置面に設置された支持台11に搭載されている。支持台11の天面は水平面となっている。
供給部6は、電子部品Cを供給する。移動装置7は、電子部品Cを供給部6から実装位置OAに移送する。移動装置7は、移送ヘッド71、移送機構73を有する。移送ヘッド71は、供給部6から電子部品Cを非接触でピックアップし、反転させて実装ヘッド31に渡す。移送機構73は、基板支持機構2が基板Sを実装位置OAから退避させることでできた空間に、移送ヘッド71を移動させ実装位置OAに位置付ける。
制御装置8は、実装装置1の動作を制御する。この制御装置8は、例えば、電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成される。つまり、制御装置8は、PLCやCPUなどの処理装置が、記憶装置からプログラム及びデータ等を読み出して、実装装置1の制御を実行する。以下、各部を詳述する。
(基板支持機構)
図1及び図3(A)に示すように、基板支持機構2は、支持台11に配置され、ステージ21、駆動機構22を有する。ステージ21は、基板Sを載置する板状の部材である。駆動機構22は、例えば、X軸方向のガイドレール22a、Y軸方向のガイドレール22bを有し、図示しないモータを駆動源としてベルト又はボールねじによりステージ21を水平面内で移動させる2軸移動機構である。この駆動機構22は、基板Sを位置決めする位置決め機構として機能する。なお、駆動機構22は、図示を省略しているが、ステージ21を水平面内で回転移動させるθ駆動機構を備える。
駆動機構22は、ガイドレール22bに沿ってY軸方向に移動する移動板23を含み構成されている。この移動板23には、第1の撮像部4が電子部品Cを撮像可能となるように、貫通孔23aが形成されている。
なお、図示はしないが、基板支持機構2のステージ21のX軸方向における移動端の一方(具体的には、図示右側の移動端)には、基板Sをステージ21に供給/格納するローダ/アンローダが設けられている。そこで、基板支持機構2は、上記移動端にステージ21を移動させた状態で、ローダから基板Sの供給を受けたり、アンローダに基板Sを渡したりする。
(実装機構)
実装機構3は、実装ヘッド31、駆動機構32を有する。実装ヘッド31は、概略、直方体形状であり、透過部としての、中空部31a及び保持部31bを有する。中空部31aは、Z軸方向を軸として形成された円柱形状の貫通孔である。保持部31bは、撮像のための光を透過可能な板状部材であり、中空部31aにおける基板Sに向かう側の開口を塞ぐように取り付けられている。例えば、透明なガラス板を保持部31bとして用いる。保持部31bは、所謂、実装ツールであり、電子部品Cを保持する。
保持部31bの中央には、図3(B)に示すように、電子部品Cを吸着保持するための吸着領域Dが設けられている。この吸着領域Dは、保持部31bによる電子部品Cの保持位置である。吸着領域Dには、吸引孔31cが形成されている。つまり、保持部31bの中央に、保持部31b内に形成した吸引経路につながる吸引孔31cが形成されている。ここでいう中央は、吸着領域Dの中心を含むある程度の幅を持った領域である。保持部31bの内部の吸引経路は、吸引孔31cを負圧源に連通させるための流路であり、吸引孔31cに負圧を発生させることにより、電子部品Cを吸着保持可能に設けられている。
保持部31bの吸着領域D及びその周囲は、ピックアップコレット700に保持された電子部品Cを、透過して撮像可能な透過領域Tとなっている。また、吸着領域Dが電子部品Cを吸着保持した場合であっても、吸着領域Dの周囲の透過領域Tによって、基板SのマークMを透過して撮像可能となっている。つまり、実装ヘッド31は、第2の撮像部5によって、基板SのマークMを撮像可能となるように、透明な部分を有する。なお、保持部31bの電子部品Cを保持する保持面(吸着面)を、下端面と呼ぶ。
駆動機構32は、移動体33、34、35を含み構成され、実装ヘッド31を駆動する機構である。移動体33は、支持台11に設けられたY軸方向のガイドレール33aに沿って移動可能に設けられている。移動体34は、移動体33の天面に設けられたX軸方向のガイドレール34aに沿って移動可能に設けられている。移動体35は、移動体34の正面に設けられたZ軸方向のガイドレール35aに沿って移動可能に設けられている。移動体35は、平面視で概略凹形状に形成されている。これらの移動体33、34、35は、モータを駆動源とするボールねじやリニアモータ又はシリンダ等により駆動される。
実装ヘッド31は、Z軸方向に移動する移動体35の下部に設けられている。このため、移動体35は、実装ヘッド31の保持部31bに保持された電子部品Cを基板Sに実装するための動作を行う。また、実装ヘッド31が設けられた移動体35は、移動体33、34の移動により、X軸方向、Y軸方向に移動する。このため、駆動機構32は、実装ヘッド31が保持する電子部品Cを位置決めする位置決め機構として機能する。なお、駆動機構32は、図示を省略しているが、実装ヘッド31を水平面内で回転移動させるθ駆動機構を備える。
なお、本実施形態においては、駆動機構32によるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の移動量は、移動誤差を防止する観点から極力短く設定することが好ましい。例えば、移動体33、34によるX軸方向、Y軸方向の移動量を、それぞれ数mm~十数mmに設定する。また、移動体35によるZ軸方向の移動量も、数mm~十数mm程度に設定する。すなわち、実装ヘッド31は、ステージ21に載置された基板Sの上面に対して、保持部31bの下端面が数mm、例えば、1~2mmの対向間隔(上下方向の離間距離)となる高さ位置において、電子部品Cの受け取りや、受け取った電子部品Cのマークmの撮像が行われるようになっている。そのため、移動体35のZ軸方向の移動量に関しては、少なくとも、この高さ位置から、保持部31bに保持した電子部品Cを基板Sに所定の加圧力で加圧して実装させることができる移動量が確保できればよい。
(第1の撮像部)
第1の撮像部4は、カメラ、レンズ、鏡筒、光源等を有し、支持台11に設けられた収容孔11aに固定されている。第1の撮像部4は、カメラの光軸が、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを、撮像可能となる方向で配置されている。具体的には、光軸が垂直方向となるように配置されている。第1の撮像部4は、電子部品Cの実装位置OAに対して不動である。本実施形態において、第1の撮像部4は、基板支持機構2の下側の位置である支持台11の収容孔11a内に、カメラの光軸を実装位置OAに一致させた状態で、上向きで配置されている。第1の撮像部4は、ピックアップコレット700が電子部品Cを渡すために実装ヘッド31に対向した場合に、電子部品Cが撮像視野に収まるように支持台11に固定されている。また、第1の撮像部4は、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを撮像して位置認識する精度が、必要な精度となるように撮像の倍率が設けられる。もちろん、マークmが撮像できるだけの視野範囲を有する。また、この視野範囲は、電子部品Cが実装ヘッド31に保持される位置のばらつき、すなわち保持位置精度も考慮されて設定される。さらに、複数のマークmを撮像して実装ヘッド31に保持される電子部品Cの位置を認識する場合、複数のマークmを同時に撮像できるような視野範囲とすることも出来る。このような倍率や視野範囲は必要な位置決め精度に基づいて適宜決定される。
ここで、不動とは、第1の撮像部4(後述する第2の撮像部5も同様)がマークm、Mの撮像を行なうときに移動しないことを意味する。例えば、撮像部4、5がX、Y軸方向(水平方向)の駆動装置やZ軸方向(上下方向)の駆動装置を備えていて、これらの駆動装置によって装置の稼働準備作業として撮像部4、5の水平方向位置の調整や上下方向位置の調整を行ない、その後の装置の稼働中には移動しないような構成は、不動に含まれる。
(第2の撮像部)
第2の撮像部5は、カメラ、レンズ、鏡筒、光源等を有し、支持台11の上方、より具体的には、実装ヘッド31の上方の位置に、図示しないフレーム等により支持されて固定されている。第2の撮像部5は、カメラの光軸が、実装ヘッド31の保持部31bを透過して、基板Sの実装領域Bの周囲のマークMを、撮像可能となる方向で配置されている。すなわち、本実施形態において、第2の撮像部5は、実装ヘッド31の直上の位置に、カメラの光軸を実装位置OAに一致させた状態で、下向きで配置されている。第2の撮像部5は、第1の撮像部4と同様に、電子部品Cの実装位置OAに対して不動である。つまり、第2の撮像部5は、ステージ21に載置された基板Sの実装領域Bに対して付されたマークMを撮像して位置認識する精度が、必要な精度となるように撮像の倍率が設けられる。また同時に、第2の撮像部5の撮像視野は、基板Sの実装領域Bに対して、少なくともその対角に付された2つのマークMが含まれるように設定されている。さらに、この撮像視野の範囲は、基板Sがステージ21に載置される位置のばらつき、すなわち載置位置精度も考慮されて設定される。
(供給部)
供給部6は、支持機構61、駆動機構62を有する。支持機構61は、電子部品Cが貼り付けられたウェーハシートWSを支持する装置である。駆動機構62は、支持機構61をX軸方向およびY軸方向に沿って移動させる。供給部6において、電子部品Cが搭載された面(領域)を載置面Fと呼ぶ。本実施形態では、電子部品Cは、ウェーハシートWSに貼り付けられたウェーハが、ダイシングにより個片に分割されたものである。したがって、ウェーハシートWSの電子部品Cが貼り付けられた面(ウェーハの面)が、載置面Fである。ウェーハシートWSは、図示しないウェーハリングに貼り付けられている。支持機構61は、ウェーハリングを装着するリングホルダ61aを有する。つまり、支持機構61におけるウェーハシートWSを支持する面が載置面Fとも言える。
なお、図示はしないが、支持機構61のY軸方向における移動端の一方(具体的には、図示正面側の移動端)には、ウェーハリングをリングホルダ61aに供給/格納するローダ/アンローダが設けられている。支持機構61は、上記移動端に移動した状態で、ローダからウェーハリングの供給を受けたり、アンローダにウェーハリングを渡したりする。
また、図示はしないが、支持機構61は、ウェーハシートWSを伸張することにより、電子部品Cの間に隙間を空けるエキスパンド機構、伸張したウェーハシートWSを挟んで、電子部品Cを個別に突き上げることにより分離する突上機構を有する。さらに、支持機構61は、リングホルダ61aを水平面内で回転移動させるθ駆動機構を備える。なお、突上機構は、支持台11上に固定配置されていて、移動装置7による供給部6からの電子部品Cの受け取り、つまりピックアップは、この位置(ピックアップ位置)で行われる。
駆動機構62は、支持機構61を所定の方向に移動させる。例えば、駆動機構62は、X軸方向のガイドレール62aおよびY軸方向のガイドレール62bを有し、図示しないモータを駆動源としてベルト又はボールねじにより支持機構61を水平面内でX軸、Y軸方向に移動させる機構である。この駆動機構62は、電子部品Cを移送ヘッド71に対して位置決めする位置決め機構として機能する。なお、駆動機構62は、載置面Fの高さ位置L(図5参照)よりも低い位置に配置されている。
(移動装置)
移動装置7は、実装ヘッド31とピックアップコレット700とを相対移動させる。移動装置7は、移送ヘッド71、アーム部72、移送機構73を有する。移送ヘッド71は、図3(A)に示すように、ピックアップコレット700、反転駆動部710を有する。ピックアップコレット700は、図4~図6に示すように、電子部品Cを吸引保持し、また吸引保持を解除して電子部品Cを解放する部材である。ピックアップコレット700は、多孔質部材701、ベース702、ガイド部703を有する。本実施形態においては、移動装置7によって、ピックアップコレット700が移動して実装ヘッド31に電子部品Cを受け渡す。但し、受け渡しのための移動は相対的であればよく、ピックアップコレット700及び実装ヘッド31のいずれか一方又は双方が移動してもよい。
多孔質部材701は、通気性を有し、内部に供給された気体を、電子部品Cに対向する対向面701aの細孔を介して供給する部材である(なお、以下の説明では、電子部品Cに向けて供給される気体にGの符号を付して図示する)。本実施形態の多孔質部材701は、直方体の板形状であり、全体として連通する微細な空間が緻密にほぼ均一に形成されている。多孔質部材701は、この構造によって通気性を有するが、そのコンダクタンスは非常に小さい。多孔質部材701は、いずれか一つの面が対向面701aとなり、対向面701aと反対側の背面701bから内部に気体が供給されると、対向面701aの緻密で均等に存在する細孔から気体が噴出する。この噴出は、噴き出した対向面701aの全面に広がった実質的に面状の噴出となる。この噴出は極めて緩やかなもので、いわばにじみ出てくるような感じであり、指を近づけてわずかに気流を感じる程度のものである。なお、対向面701aと背面701b以外の面は、細孔が塞がっていてもよい。
多孔質部材701は、前述のように内部の微細な空間である細孔が互いに連通しており、気体が細孔間を通過可能な連続構造体である。このような多孔質部材701としては、焼結金属、セラミック、樹脂などを用いることができる。内部の粒子が分離して流出し難いという観点からは、焼結金属とすることが好ましい。
さらに、多孔質部材701には、図4及び図5に示すように、対向面701aに開口701dを有し、負圧により電子部品Cを吸引する貫通孔である吸引孔701cが設けられている。本実施形態の吸引孔701cは、背面701bの中央から対向面701aの中央に直線状に貫通している。
ベース702は、対向面701a以外の多孔質部材701の面を覆う部材である。本実施形態のベース702は、下方が開口した直方体形状の箱である。多孔質部材701は、ベース702の開口から、底面が対向面701aとなって露出するように挿入され、ベース702内に組み付けられて固定されている。
ベース702の天面には、図4及び図6に示すように、給気孔702a、排気孔702b、取付穴702cが設けられている。給気孔702aは、多孔質部材701に給気するための貫通孔である。給気孔702aは、給気孔702aに接続される配管のためにベース702の外縁に寄った位置に形成されている。排気孔702bは、吸引孔701cを介して開口701dに負圧を発生させるための貫通孔である。排気孔702bは下方に延びて、多孔質部材701の吸引孔701cに合うように形成されている。排気孔702bの周囲におけるベース702の内面と多孔質部材701との間には、気体溜まりの空間が形成されている。なお、排気孔702bは、吸引孔701cを貫通して、対向面701aに達していてもよい。この場合、多孔質部材701の吸引孔701c、開口701dは、多孔質部材701の対向面701aに達した排気孔702bの外側に密着するように設けられる。取付穴702cは、後述する着脱部704との接続時に、ずれを防止するための一対の窪み穴である。
給気孔702aは、図示しない配管を介して気体の供給回路に接続されている。供給回路は気体の供給源、ポンプ、バルブ等を含み構成されている。ここで、給気孔702aを介して多孔質部材701に供給される気体は、不活性ガスとする。排気孔702bは、図示しない配管を介して、真空ポンプ、バルブ等を含む負圧発生回路と連通している。
ガイド部703は、電子部品Cの外縁に沿うように、矩形のベース702の側面の4辺に沿って配置され、対向面701aに保持された電子部品Cの移動を規制する部材である。ガイド部703は、例えば、図4、図5及び図6に示すように、ベース702の4側面、つまり矩形の対向面701aの4辺に沿って設けられた複数の板状体である。本実施形態のガイド部703は、対向面701aの各辺に1つずつ設けられているが、これには限定されない。また、ベース702によって構成されるピックアップコレット700の外縁は、矩形には限定されない。ガイド部703は、電子部品Cの移動を規制できる位置、例えば電子部品Cの外縁に沿う方向に配置されていればよく、ベース702の側面に沿って配置されている態様には限定されない。
各ガイド部703は、対向面701aよりも突出した突出部分を有している。ガイド部703が対向面701aから突出する距離(突出量)は、気体層を介して対向面701aに保持される電子部品Cの移動が規制できればよく、少なくとも対向面701aから、気体層を介して保持される電子部品Cにかかる程度以上であれば良い。ただし、このガイド部703の突出部分が、気体層を介して対向面701aに保持される電子部品Cを超えて突出する距離となる場合、ウェーハから非接触でピックアップする際に、ピックアップする電子部品Cの周囲の電子部品Cに接触しないよう考慮する必要がある。したがって、ガイド部703の突出部分が対向面701aから突出する距離は、気体層を介して対向面701aに保持される電子部品Cの側面内とするのが好ましい。ただし、ピックアップのためにピックアップコレット700がウェーハシートWSに接近する前に、上記の突上機構によってウェーハシートWSを介して電子部品Cを個別に突き上げておくことにより、様々な突出量に対応して周囲の電子部品Cに接触しないようにすることができる。
なお、以下の説明では、一方の直交するガイド部703を703K、703L、他方の直交するガイド部703を703M、703Nとし、これらを区別しない場合には、ガイド部703として説明する。ここでいう直交とは、隣り合う辺の2つのガイド部703が接触していたり、連続したりして直角を形成している場合も、1辺にガイド部703が複数あって、それらのガイド部703が分離していて、両者が沿う直線(平面)が直交している場合も含む(図16参照)。
反転駆動部710は、図7(A)、(B)に示すように、ピックアップコレット700が吸着保持した電子部品Cを上下方向に反転させる。つまり、ピックアップコレット700は、反転駆動部710によって、ウェーハシートWSに向く方向と、実装ヘッド31に向く方向との間で回動可能に設けられている。反転駆動部710は、例えば回転モータを用いることができる。
ピックアップコレット700は、回転体720、着脱部704を介して、反転駆動部710に取り付けられている。回転体720は、反転駆動部710に接続され、Y方向の軸を中心に回転可能に設けられている。着脱部704は、回転体720に取り付けられ、回転体720とともに回転可能に設けられている。着脱部704は、内部に磁石を備え、磁石の吸引力によってピックアップコレット700のベース702を吸着保持する。図5及び図6に示すように、着脱部704のベース702との接触面には、一対のピン704aが設けられている。ピン704aが、ベース702に設けられた取付穴702cに嵌ることにより、着脱部704に対するピックアップコレット700のずれが防止される。なお、図示はしないが、排気孔702bに接続される配管は着脱部704内を通り、給気孔702aに接続される配管は着脱部704に支持されている。
また、図示はしないが、移送ヘッド71は、ピックアップコレット700を上下方向に駆動するとともに、ピックアップコレット700の先端が電子部品Cに接触したときに、適切な荷重を加え、過大な荷重を吸収する緩衝部材を有する。緩衝部材としては、例えば、バネ、ゴムなどの弾性部材、磁石、エアシリンダ、ダンパ、ボイスコイルモータ等を用いることができる。
アーム部72は、一端に移送ヘッド71が設けられた部材である。アーム部72は、図3(A)に示すように、延出部72a、基体部72bを有する。延出部72aは、正面に向かうY軸方向に、直線状に延びた直方体形状の部材と、実装機構3に向うX軸方向に、直線状に延びた直方体形状の部材によって、L字状に形成された部材である。延出部72aの実装機構3に向かう一端には、反転駆動部710が、回動軸がY軸方向となるように設けられている。反転駆動部710の回動軸に、ピックアップコレット700が取り付けられることにより、ピックアップコレット700が回動可能に設けられている。基体部72bは、X軸方向に平行な板状体であり、延出部72aの他端に固定されている(図8参照)。
ピックアップコレット700に接続された負圧の供給のためのチューブ、反転駆動部710、緩衝部材に接続された電気的な接続のためのケーブルは、アーム部72に内蔵されている。内蔵されているとは、アーム部72の外装に覆われることにより、外部に露出していないことをいう。本実施形態においては、アーム部72の内部に形成された中空部に、チューブ及びケーブルが挿入されている。
移送機構73は、アーム部72を駆動することにより、供給部6と実装位置OAとの間で移送ヘッド71を移動させる。移送機構73は、平面視で載置面Fに重なりの無い位置に設けられた摺動部SLを有する。言い換えれば、移送機構73の摺動部SLは、支持機構61の移動範囲の外側に設けられる。移送機構73は、摺動部SLの摺動に従って、アーム部72を駆動する。ここでいう摺動部SLとは、部材同士が接触しながら移動する構成部をいう。このような摺動部SLは、塵埃の発生源となる。本実施形態の摺動部SLは、図5に示すように、後述する第1の摺動部732b、第2の摺動部734bを含み構成されている。第1の摺動部732b、第2の摺動部734bは、載置面Fの高さ位置Lよりも低い位置(下方)に設けられている。
移送機構73は、図8に示すように、固定体731、第1の駆動部732、移動体733、第2の駆動部734を有する。固定体731は、支持台11(図3(A)参照)に固定され、X軸方向に延びた直方体形状の部材である。固定体731の位置は、実装位置OAに対して固定である。
第1の駆動部732は、アーム部72をX軸方向に駆動する。第1の駆動部732は、第1の駆動源732a、第1の摺動部732bを有する。第1の駆動源732aは、X軸方向に延びたリニアモータであり、固定体731の上面(XY平面に平行な面)に沿って設けられている。第1の摺動部732bは、X軸方向に延びたリニアガイドであり、固定体731の正面(XZ平面に平行な面)に設けられている。なお、リニアモータは、可動子が固定子と非接触で移動するため、第1の駆動源732aは摺動部SLを有していない。
移動体733は、直方体形状のブロックであり、第1の駆動源732aの可動子が取り付けられるとともに、第1の摺動部732bのスライダが取り付けられることにより、第1の駆動源732aの作動に従って、X軸方向にスライド移動可能に設けられている。
第2の駆動部734は、アーム部72をZ軸方向に駆動する。第2の駆動部734は、第2の駆動源734a、第2の摺動部734bを有する。第2の駆動源734aは、Z軸方向に延びたリニアモータであり、移動体733に設けられている。第2の摺動部734bは、Z軸方向に延びたリニアガイドであり、移動体733に設けられている。
アーム部72の基体部72bは、第2の駆動源734aの可動子が取り付けられるとともに、第2の摺動部734bのスライダが取り付けられることにより、Z軸方向にスライド移動可能に設けられている。このように、本実施形態の摺動部SLは、直交する2軸に沿って直線状にスライド移動する第1の摺動部732b及び第2の摺動部734bを有している。そして、第1の摺動部732b及び第2の摺動部734bは、共通の移動体733の表裏で向かい合う2側面に高さ方向で重なる位置関係で配置されている。つまり、直交する2軸の位置は、接近した位置となっている。また、移動体733の2側面の距離が短い、つまり移動体733は薄いことが好ましい。
(ステージ上の基板及び実装ヘッドの対向間隔と、移送ヘッドの寸法との関係)
本実施形態では、図1に示すように、移送ヘッド71が実装位置OAに移動するために、基板Sの退避が必要となるように、実装位置OAにある基板Sと実装ヘッド31との対向間隔が設定されている。言い換えれば、移送ヘッド71が実装位置OAに移動するために、基板Sの退避が必要となるほどに、基板支持機構2に支持された基板Sの上面の高さ位置に近接して、実装位置OAにおいて電子部品Cを受け取る際の実装ヘッド31の高さ位置が設定されている。より具体的には、実装位置OAにある基板支持機構2のステージ21に載置された基板Sの上面の高さ位置と、電子部品Cを受け取る際の実装ヘッド31の下端面とが対向したときの間隔hが、アーム部72の先端の移送ヘッド71の高さ方向の寸法Hよりも短い(h<H)。ここで、上記のように、保持部31bの下端面から基板Sの上面の高さ位置までの距離は、例えば、数mmである。
(アーム部の寸法)
アーム部72の延出部72aは、図1、図3(A)、図7(A)に示すように、Y軸方向に直線状に延びた部材の幅w、X軸方向に直線状に延びた部材の幅dが、いずれもZ軸方向の厚さtよりも長くなっている(w>t、d>t)。これにより、アーム部72の高さ方向の寸法の拡大を抑えつつ、比較的長くなるアーム部72の剛性を確保して、移送ヘッド71によって移送される電子部品Cの位置を安定させることができる。アーム部72の高さ方向の寸法の拡大を抑えることにより、実装ヘッド31の受取位置を高くする必要がなくなる。
(制御装置)
制御装置8は、吸着領域Dに保持された電子部品Cが、実装位置OAに位置決めされるように、移動装置7、負圧発生回路、位置決め機構等を制御する。まず、制御装置8は、ピックアップコレット700における多孔質部材701からの気体の噴出とともに、吸引孔701cの負圧によって電子部品Cを非接触で保持している状態で、移送機構73が、実装ヘッド31とピックアップコレット700とを所定間隔まで接近させた後、実装ヘッド31の吸引を開始させ、所定間隔で所定時間経過後にピックアップコレット700の吸引を解除させて実装ヘッド31に電子部品Cを吸引保持させる。
所定間隔は、第1の間隔(図10(A)、(B)、(C)のd1参照)と、第1の間隔d1より小さい第2の間隔(図10(D)のd2参照)とが設定されている。本実施形態の第1の間隔d1、第2の間隔d2は、対向面701aと保持部31bとの間隔である。この所定間隔は、実験等によりあらかじめ求めたものを設定しておく。第1の間隔d1は、実装ヘッド31の中央に、ピックアップコレット700に保持された電子部品Cを、所定の許容範囲内で、保持部31bの吸引孔31cの吸引により引き寄せることができる間隔、第2の間隔d2は、電子部品Cが実装ヘッド31の保持部31bに吸着保持される間隔である。また、第2の間隔d2は、保持部31bがガイド部703に接触しない、あるいはちょうどガイド部703に接触する間隔としている。
所定時間は、実装ヘッド31の中央に、ピックアップコレット700に保持された電子部品Cが、所定の許容範囲内で引き寄せられるのに必要な時間である。この所定時間は、実験等によりあらかじめ求めたものを設定しておく。所定の許容範囲内とは、実装時に、後述する基板Sに対する位置決めが可能となる領域内をいう。制御装置8は、第1の間隔d1の状態で、実装ヘッド31の吸引を開始させ、所定時間経過後に第2の間隔d2の状態で、ピックアップコレット700の吸引を解除させる。
また、制御装置8は、第1の撮像部4及び第2の撮像部5により撮像されたマークm、Mに基づいて、基板Sと電子部品Cとが位置決めされるように、位置決め機構を制御する。つまり、制御装置8には、電子部品Cが正確に実装されるべき位置に対応して、設計上の電子部品CのマークmのXY座標上の位置、設計上の基板SのマークMのXY座標上の位置が、それぞれの基準位置として記憶装置に記憶されている。
この基準位置は、設計上の位置ではなく、あらかじめ電子部品Cの基板Sへの実装を試行した結果、正確に実装された場合のマークm、Mの位置とすることもできる。制御装置8は、第1の撮像部4により撮像されたマークmと、第2の撮像部5により撮像されたマークMと、基準位置とのずれを求め、ずれが補正される方向と移動量で電子部品C及び基板Sが移動するように、位置決め機構(駆動機構22および駆動機構32)を制御する。
また、制御装置8は、ウェーハシートWS上の電子部品Cの位置座標を示すマップ情報に基づいて、移動装置7の移送機構73、供給部6の駆動機構62を制御することにより、ピックアップの対象となる電子部品Cをピックアップ位置に順次位置決めする。なお、ここでいうピックアップとは、電子部品Cが載置された部材、例えばウェーハシートWSから、電子部品Cを離脱させて受け取ることをいう。さらに、制御装置8は、移送ヘッド71のピックアップコレット700による電子部品Cの保持、反転駆動部710によるピックアップコレット700の反転、移送機構73による移送ヘッド71の実装ヘッド31が待機する実装位置OAへの移動、ピックアップコレット700から実装ヘッド31への電子部品Cの受け渡し等を制御する。
[ピックアップコレットによる吸引保持の原理]
次に、上記のようなピックアップコレット700によって、電子部品Cを吸引保持できる原理を説明する。図4(A)に示すように、給気孔702aから供給される気体は、対向面701aの細孔から面状に噴出することによって、電子部品Cとの間に気体の層が形成される。この層は、例えば、2~10μmとなる。そして、負圧発生回路により吸引孔701cに負圧を作用させた状態で、対向面701aを電子部品Cに接近させることにより、電子部品Cが吸引保持される。このとき、対向面701aと電子部品Cとの間には、気体の層が形成されているので、対向面701aと電子部品Cとは非接触な状態が維持される。また、負圧発生回路による負圧を解除することで、吸引孔701cに負圧が作用しなくなるので、ピックアップコレット700から電子部品Cが解放される。
[動作]
以上のような本実施形態の動作を、上記の図1~図7に加えて、図8~図12の説明図、図13及び図14のフローチャートを参照して説明する。なお、初期状態において、基板Sはローダから基板支持機構2のステージ21に渡されているが、実装ヘッド31に対向する位置、つまり、実装位置OAからはステージ21とともに退避している。
[電子部品の移送]
電子部品Cの移送動作を、図8~図12の説明図、図13のフローチャートを参照して説明する。供給部6における支持機構61のリングホルダ61aには、オートローダによって、ウェーハシートWSが貼り付けられたウェーハリングが装着されている(図3参照)。このウェーハシートWSには、ダイシングにより個片に分割された電子部品Cが貼り付けられている。なお、図8においては、ピックアップされる電子部品C以外は図示を省略している。
まず、図8(A)、図3(A)に示すように、支持機構61がX軸、Y軸方向に移動し、実装対象となる電子部品Cをピックアップ位置に位置付ける。また、アーム部72をX軸方向に移動することにより、移送ヘッド71のピックアップコレット700の先端を、実装対象となる電子部品Cの直上、つまり、ピックアップ位置に位置決めする(ステップS101)。
このときのウェーハシートWSのX軸、Y軸方向の移動は、供給部6の駆動機構62により行われる。アーム部72のX軸方向の移動は、第1の駆動部732の第1の駆動源732aが作動することにより、第1の摺動部732bに沿って移動体733が移動することにより行われる。
図8(B)に示すように、突上機構(不図示)が、実装対象となる電子部品Cを突き上げる。そして、移送ヘッド71のピックアップコレット700が、電子部品Cをピックアップする(ステップS102)。このとき、ピックアップコレット700の多孔質部材701には給気孔702aを介して、加圧された気体が供給されており、対向面701aから気体が吹き出している。また、排気孔702bから排気しておらず、開口701dからの吸引はしていない。このように、対向面701aから気体が供給されているピックアップコレット700が降下して、電子部品Cに接近して行く。ピックアップコレット700が電子部品Cに近接すると、対向面701aの気体が、対向面701aと電子部品Cとに挟持されて、気体層を形成する。この時の挟持された気体層は、粘性流層になっていると考えられる。そして、ピックアップコレット700は、それ以上圧縮されない気体層によって電子部品Cに対する下降が停止する。
このように、気体層を介してピックアップコレット700が停止した状態で、排気孔702bからの排気によって、吸引孔701cによる吸引を開始するので、電子部品Cが対向面701aに吸着保持される。このとき、吸着保持された電子部品Cが中央からずれている場合もあるが、後述するように、実装ヘッド31へ渡される際に中央に位置決めされる。
このように、アーム部72がウェーハシートWSに接近する方向に移動して、ピックアップコレット700が電子部品Cを吸着保持した後、ウェーハシートWSから離れる方向に移動することにより、図8(C)に示すように、電子部品CをウェーハシートWSから離脱させる。
このときのアーム部72の移動は、第2の駆動部734の第2の駆動源734aが作動して、第2の摺動部734bに沿って基体部72bが移動することにより行われる。そして、図7(A)、(B)、図8(C)、(D)に示すように、反転駆動部710が、ピックアップコレット700を180°回動させて、電子部品Cを反転させる(ステップS103)。反転の時の電子部品Cに作用する慣性力によって、吸着保持された電子部品Cが中央からずれる場合もあるが、後述するように、電子部品Cは実装ヘッド31へ渡される際に中央に位置決めされる。
次に、図9(A)、(B)に示すように、アーム部72がX軸方向に移動することにより、移送ヘッド71を、実装位置OAに位置決めする(ステップS104)。つまり、移送ヘッド71のピックアップコレット700が、実装機構3における実装ヘッド31の保持部31bに対向する位置に来る。このときのアーム部72のX軸方向の移動は、第1の駆動部732の第1の駆動源732aが作動することにより、第1の摺動部732bに沿って、ピックアップ位置から実装位置OAまでの距離を、移動体733が移動することにより行われる。なおこのとき、実装ヘッド31は、保持部31bの下端面と基板Sの上面との間の対向間隔が数mmの距離となる高さ位置で待機する。このときの対向間隔は、第1の間隔d1よりも大きい。移送ヘッド71の移動により電子部品Cに作用する慣性力によって、吸着保持された電子部品Cが中央からずれる場合もあるが、後述するように、電子部品Cは実装ヘッド31へ渡される際に中央に位置決めされる。
そして、図9(C)、図10(A)に示すように、アーム部72がZ軸方向に移動することにより、実装ヘッド31の保持部31bとピックアップコレット700の対向面701aとの距離を第1の間隔d1とする(ステップS105)。このときのアーム部72の移動は、第2の駆動部734の第2の駆動源734aが作動して、第2の摺動部734bに沿って基体部72bが移動することにより行われる(図8参照)。そして、図10(B)、図11(A)に示すように、負圧発生回路によって実装ヘッド31の吸引を開始し(ステップS106)、ピックアップコレット700の吸引力を弱めて、所定時間の経過を待つ(ステップS107のNO)。
すると、実装ヘッド31の吸引孔31cからの吸引によって、図中、一点鎖線の矢印に示すように、吸引孔31cがある中央に引き寄せる吸引流Qが電子部品Cに働く。つまり、吸引孔31cから吸引すると、水平方向の全周から周囲の気体を吸引する吸引流Qを生じる。この吸引流Qは、実装ヘッド31の保持部31bと電子部品Cとの間の狭い間隔を流れる(図10(B)、(C)参照)。この時、吸引流Qと電子部品Cの表面との間には両者の摩擦により電子部品Cを実装ヘッド31の外周から吸引孔31cに向かって押圧する力が発生する。この力は、吸引流Qと電子部品Cとの対向している面積が広い部分ほど大きくなることから、電子部品Cが中央からずれている場合には、ずれた方向の電子部品Cの面の面積が広くなるので、反対側の面積が狭くなる部分よりも、この押圧する力が大きくなる(押圧力を図中点線の矢印で示す)。このため、図10(C)、図11(B)に示すように、電子部品Cは、中央に寄せられるように位置決めされる。このとき、ピックアップコレット700の対向面701aに吸着させる吸引力は弱まっているため、よりスムーズに電子部品Cが移動する。なお、多孔質部材701の開口701dからの吸引は弱められつつも継続しているため、電子部品Cには、開口701dがある中央に引き寄せる力が働き、中央に寄せる力が強められる。
所定時間の経過後(ステップS107のYES)、図10(D)に示すように、ピックアップコレット700の吸引を解除するとともに、アーム部72がZ軸方向に移動することにより、保持部31bと対向面701aとの距離を第2の間隔d2とする(ステップS108)。すると、電子部品Cが実装ヘッド31の保持部31bに引き寄せられて保持される(ステップS109)。このとき、電子部品Cは、吸引孔31cからの吸引により保持部31bの中央に寄せられる力が作用し、また、電子部品Cと保持部31bとの距離は非常に近いため、電子部品Cが保持部31bに保持されるときに、電子部品Cの位置がずれることはほとんどないか、僅かである。その後、図9(D)に示すように、アーム部72が保持部31bから離れる方向に移動することにより電子部品Cを解放する。このときのアーム部72の移動は、第2の駆動部734の第2の駆動源734aが作動して、第2の摺動部734bに沿って基体部72bが移動することにより行われる(図8参照)。
さらに、図9(E)に示すように、アーム部72が、供給部6に向かって移動することにより、移送ヘッド71が保持部31bの直下から退避する。このときのアーム部72の移動は、第1の駆動部732の第1の駆動源732aが作動することにより、第1の摺動部732bに沿って移動体733がX軸方向に移動することにより行われる(図2、図8参照)。なお、移動装置7による保持部31bに対する電子部品Cの受け渡しは実装位置OAで行なわれるので、受け渡しの際には、ステージ21は、移送機構73との干渉を避けるため、退避したままである。
[電子部品の実装]
次に、電子部品Cの実装動作を、図12の説明図、図14のフローチャートを参照して説明する。ここで、図12(A)に示すように、上記のように電子部品Cを保持した実装ヘッド31の保持部31bは、第2の撮像部5の直下に位置している。第1の撮像部4は、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを撮像する(ステップS201)。制御装置8は、第1の撮像部4により撮像されたマークmの位置と、基準位置との位置のずれ量を求め、ずれ量が解消されるように、駆動機構32を動作させることにより、電子部品Cを位置決めする(ステップS202)。
次に、図12(B)に示すように、基板支持機構2が、基板Sの実装領域B(今回、電子部品Cが実装される実装領域B)が、実装ヘッド31に保持された電子部品Cに対向する位置、つまり、実装領域Bの中心が実装位置OAに来るように、ステージ21を移動させる(ステップS203)。そして、図3(B)に示すように、第2の撮像部5が、実装ヘッド31越しに、電子部品Cの周囲の透過領域Tに見える基板SのマークMを撮像する(ステップS204)。
制御装置8は、第2の撮像部5により撮像されたマークMの位置と、基準位置との位置のずれ量を求め、ずれ量が解消されるように、駆動機構22を動作させることにより、基板Sを位置決めする(ステップS205)。さらに、図12(C)に示すように、駆動機構32によって、実装ヘッド31が基板Sに向かって駆動され、実装ヘッド31に保持された電子部品Cが基板Sに実装される(ステップS206)。
このように、ウェーハシートWSからの電子部品Cの移送、実装ヘッド31への電子部品Cの受け渡し、電子部品C及び基板Sの位置決め、実装の動作を繰り返すことで、基板Sの各実装領域Bには、電子部品Cが順次実装される。所定数の電子部品Cが実装された基板Sは、基板支持機構2によって搬送されて、アンローダに格納される。
[作用効果]
(1)本実施形態の電子部品Cの実装装置1は、吸引孔31cの負圧により吸引保持した電子部品Cを基板Sに実装する実装ヘッド31と、細孔から気体を噴出しつつ、吸引孔701cの負圧により電子部品Cを非接触で保持する多孔質部材701とを有し、電子部品Cを供給する供給部6から電子部品Cをピックアップし、実装ヘッド31へ受け渡すピックアップコレット700と、実装ヘッド31とピックアップコレット700とを相対移動させる移動装置7と、多孔質部材701からの気体の噴出とともに、吸引孔701cの負圧によって電子部品Cを非接触で保持している状態で、移動装置7による実装ヘッド31とピックアップコレット700との所定間隔までの接近及び実装ヘッド31による吸引を行わせ、所定間隔で所定時間経過後にピックアップコレット700の吸引を解除させて実装ヘッド31に電子部品Cを吸引保持させる制御装置8と、を有する。
また、本実施形態の電子部品Cの実装方法は、細孔から気体を噴出しつつ、吸引孔701cの負圧により電子部品Cを非接触で保持する多孔質部材701を有するピックアップコレット700が、電子部品Cの供給部6から電子部品Cを非接触で保持してピックアップし、移動装置7が、電子部品Cを基板Sに実装する実装ヘッド31と電子部品Cをピックアップして反転したピックアップコレット700とを所定間隔まで接近させ、実装ヘッド31に設けられた吸引孔31cの負圧による吸引を開始し、所定間隔で所定時間経過後に前記ピックアップコレット700の吸引を解除することにより、実装ヘッド31が電子部品Cを吸引保持する。
このため、本実施形態では、ピックアップコレット700によって電子部品Cを非接触でピックアップしつつ、実装ヘッド31への受け渡し時に、吸引孔31cに位置決めができる。ここで、多孔質部材701から気体を噴出しつつ、吸引孔31cによる吸引によって、電子部品Cを非接触でピックアップした場合、ガイド部703で囲まれる領域の中で電子部品Cが移動し易くなる。
しかし、本実施形態では、実装ヘッド31が、ずれが発生した電子部品Cに対して、吸引孔31cに引き寄せて位置決めした上で電子部品Cを受け取るため、実装ヘッド31による電子部品Cの保持位置を一定として、電子部品Cのマークmの撮像による位置認識、その後の補正移動において、時間がかかったり、誤差が増大したりすることを抑制できる。ひいては、実装時の位置ずれを低減できる。なお、実装ヘッド31による保持位置の水平方向やθ方向のずれが完全に補正されていなくても、その後、上記のように、マークm、Mによる電子部品Cの位置決め等により位置補正を行う際の移動量を低減でき、より正確な実装が可能となる。
また、実装ヘッド31が電子部品Cを受け取る前から、継続的に吸引を行っていると、周囲の塵埃を吸引し続けることになり、近づいた電子部品Cに影響を与える。しかし、本実施形態では、実装ヘッド31とピックアップコレット700とが所定間隔まで接近した後、吸引孔31cの負圧による吸引を開始するので、塵埃を吸引する時間を極力抑えて、電子部品Cに対する影響を低減できる。
(2)吸引孔31cは、実装ヘッド31の電子部品Cの吸着領域Dの中央に設けられ、所定時間は、吸着領域Dの中央に、ピックアップコレット700に保持された電子部品Cの中央が、所定の許容範囲内で引き寄せられる時間である。このため、電子部品Cが、実装ヘッド31の保持部31bに対して水平移動可能となって、中央に位置決めされる時間を確保した上で、実装ヘッド31に渡すことができる。このため、吸着領域Dの中央に位置決めされる可能性を高めることができる。
(3)所定間隔は、第1の間隔d1と、第1の間隔d1より小さい第2の間隔d2とが設定され、制御装置8は、移動装置7に、実装ヘッド31とピックアップコレット700とを、第1の間隔d1から第2の間隔d2となるように移動させ、第1の間隔d1の状態で、所定時間、実装ヘッド31の吸引により吸引させ、第2の間隔d2の状態で、ピックアップコレット700の吸引を解除させる。
このため、第1の間隔d1とすることにより電子部品Cが保持部31bに対して水平移動可能となって、吸引孔31cに吸引されて位置決めされる状態を確保した上で、第2の間隔d2とすることにより、非常に近接した状態で電子部品Cを実装ヘッド31に保持させることができる。したがって、電子部品Cの受け渡しでの電子部品Cの姿勢(XYθ)の変化を極力少なくすることができ、マークm、Mによる電子部品Cの位置決め等により位置補正を行う際の移動量を低減でき、より正確な実装が可能となる。
また、実装ヘッド31の吸引の開始時には、電子部品Cに対する吸引力が瞬間的に強くなる場合がある。このような場合、電子部品Cが踊ってしまい、実装ヘッド31への意図しない接触や、ピックアップコレット700からの外れによる落下等が発生する可能性がある。このため、実装ヘッド31の電子部品Cに対する距離が比較的遠い第1の間隔d1において、実装ヘッド31の吸引を開始することにより、電子部品Cに瞬間的に強い吸引力が働くことを抑えて、安定した状態で位置決めした上で、第2の間隔d2とすることにより実装ヘッド31が保持することができる。
なお、実装ヘッド31の吸引の開始は、吸引力の開始に伴い、急激に吸引が始まることで吸引力が瞬間的に強くなる期間を避けることができればよい。このため、第1の間隔d1に到達する前から、吸引を開始してもよい。第1の間隔d1に到達する直前でも、瞬間的に強くなる期間を過ぎていれば、かなり近接しているので、周囲の塵埃を吸引し続けることで、近づいた電子部品Cに影響を与えることもない。したがって、「移動装置による実装ヘッドとピックアップコレットとの所定間隔までの接近及び実装ヘッドによる吸引を行わせ」とは、実装ヘッド31の吸引の開始が、所定間隔になる直前や、所定間隔になった時を含む。
また、必ずしも第2の間隔d2を設定しなくてもよい。第1の間隔d1のままで電子部品Cを吸着保持してもよい。ピックアップコレット700の吸引を停止して、保持部31bに電子部品Cが吸着されるときに、電子部品Cへのダメージが許容される範囲内の場合や、ずれが生じたとしても許容される範囲内であれば、第2の間隔d2に移行することなく、吸着保持することができる。また、ピックアップコレット700の吸引の停止を徐々に行うことで、吸着されるときの電子部品Cの動きを緩慢にでき、衝撃や位置ずれは抑制できる。この時、吸引をコントロールする流量調整機構あるいは吸引圧力調整機構を設けて、保持部31bでの吸引を弱めてもよい。保持部31bの吸引を弱めることと、ピックアップコレット700の吸引を徐々に弱めて停止することを同時並行に行ってもよい。この場合、第2の間隔d2への移動、停止をしなくて済むので、タクトタイムを短くすることができる。なお、電子部品のダメージや位置ずれと、タクトタイムとのどちらを優先するかによって、第1の間隔d1で吸着保持するか、第2の間隔d2で吸着保持するかを、選択できるモードを制御装置8に設定してもよい。
(4)本実施形態では、電子部品Cの受け渡しの際、実装ヘッド31が所定間隔で吸引する際、ピックアップコレット700の吸引力を弱める。このため、ピックアップコレット700に垂直方向に引き寄せる力が弱まり、電子部品Cが水平移動し易くなるとともに、実装ヘッド31による電子部品Cの吸着保持がスムーズとなる。
[変形例]
(1)上記の態様では、実装ヘッド31が電子部品Cに接近した状態で、電子部品Cを引き寄せる吸引を保持部31bが行うが、電子部品Cと保持部31bとの隙間の距離によっては、気体の流動する時の抵抗が大きく、電子部品Cのサイズによっては十分な気流が得られない虞もある。このため、図15に示すように、実装ヘッド31に、電子部品Cの外周に気体を噴出する噴出口31dを設けてもよい。例えば、実装ヘッド31の保持部31bに、電子部品Cの外周に向かう方向に傾斜した貫通孔を噴出口31dとする。噴出口31dには、図示しない気体の供給回路が接続され、保持部31bの底面側から電子部品Cの外周に向けて気体を噴出する。これにより、電子部品Cをより中央に寄せ易くなる。このように、保持部31bの外周側から気体を噴出させて、電子部品Cの外周部に気体を供給し気圧を高めることで、必要な気流を確保しやすくすることができる。したがって、必要な気体の供給ができればよく、必ずしも電子部品Cの外周に向かうように噴出口31dが傾斜していなくてもよい。
(2)上記の態様では、移動装置7は、実装位置OAにおいて、ピックアップコレット700を移動させることにより、実装ヘッド31に近づけていた(図9参照)。但し、移動は相対的であればよく、実装ヘッド31を移動させる移動装置によって、ピックアップコレット700に近づけてもよいし、両者を移動させる移動装置によって、両者を近づけてもよい。例えば、ピックアップコレット700が反転した位置で、高さが固定され、実装ヘッド31が下降して受け渡しを行うように構成してもよい。
(3)ピックアップコレット700のガイド部703は、電子部品Cの移動が規制できるように、対向面701aの外縁に沿って設けられていればよい。すなわち、ピックアップコレット700の移動や反転によって、ピックアップコレット700から電子部品Cが脱落するほどの、電子部品Cの移動を規制できればよい。このため、ガイド部703は、対向面701aの4辺に設けられていればよく、対向面701aの全周にわたって設けてもよいし、各辺の一部に設けてもよい。例えば、図16(A)に示すように角部を挟んで、又は図16(B)に示すように角部に沿って連続してガイド部703を配置してもよい。なお、図16(B)に示すように、一方の直交するガイド部703と他方の直交するガイド部703とが連続している場合もある。
さらに、ガイド部703が無いピックアップコレット700を用いてもよい。この場合、電子部品Cのずれが生じ易くなるが、上記の吸引による位置決めによって、大きなずれを補正することができる。
(4)吸引孔701c、開口701dの数やサイズは、上記の態様には限定されない。多孔質部材701の対向面701aにおいて、電子部品Cが気体の層に支持される面積と開口701dの総面積とのバランスによって、吸引保持状態と非接触状態の維持を実現できる。
(5)吸引孔701c、開口701dの位置や形状も、上記の態様には限定されない。例えば、開口701dの形状は、円形、矩形であってもよく、その他の楕円形、多角形、角丸多角形、星形等であってもよい。
(6)ピックアップコレット700は交換可能に設けることにより、電子部品Cの形状、サイズに応じて交換することができる。この交換可能とする構成としては、磁石によって吸引保持できる構造が簡単であり、交換作業も容易となる。但し、ピックアップコレット700を交換可能な構成であれば良い。例えば、負圧を使った吸着保持でも良いし、機械的に保持する構造でも良い。
(7)供給部6は、ウェーハシートWSに貼り付けられた電子部品Cを供給する装置には限定されない。例えば、トレイ上に配列された電子部品Cを供給する装置であってもよい。また、移送機構73の構成についても、供給部6から電子部品Cを個別にピックアップして移送できればよい。このため、アーム部72がX軸及びY軸方向に移動する構成であっても、支持機構61がX軸及びY軸方向に移動する構成であってもよい。
(8)移送機構73において、アーム部72を駆動させる駆動部は、リニアモータを駆動源とする機構には限定されない。軸が回転するモータを駆動源とするボールねじやベルトによる機構であってもよい。このような機構の場合、摺動部SLを含むことになるので、平面視で載置面Fに重なりの無い位置に設けることが好ましい。さらに、摺動部SLを、載置面Fの高さ位置よりも低い位置に設けることが好ましい。なお、摺動部SLが複数ある場合に、一部の摺動部SLが、平面視で載置面Fに重なりの無い位置に設けられていなくてもよい。また、一部の摺動部SLが、載置面Fの高さ位置よりも低い位置に設けられていなくてもよい。このような場合、摺動部SLと載置面Fとの間に、外装、壁、他の構成部等の遮蔽物を設けることが好ましい。また、摺動部SLと載置面Fとの距離を長くすることが好ましい。
(9)実装ヘッド31は、第2の撮像部5が、基板SのマークMを撮像できる構成となっていればよい。このため、実装ヘッド31の透過部が、透明な材料で形成されていなくても、マークMに対応する箇所に貫通孔が形成されていてもよい。より具体的には、保持部31bが不透明な部材で形成されていて、マークMに対応する箇所に貫通孔が形成されていてもよいし、中空部31aが存在せず、かつ、保持部31bが不透明な部材で形成されていて、実装ヘッド31及び保持部31bのマークMに対応する箇所に貫通孔が形成されていてもよい。つまり、このような貫通孔も実装ヘッド31の透過部である。
(10)第1の撮像部4や第2の撮像部5は、電子部品Cが実装される位置(実装位置OA)に対して移動可能に設けられていてもよい。つまり、電子部品Cの複数のマークmや基板Sの複数のマークMを一括して撮像することができない場合には、第1の撮像部4や第2の撮像部5がマークm間又はマークM間を移動して撮像するように構成してもよい。すなわち、第1の撮像部4にマークm間で移動させるための移動装置を設けたり、第2の撮像部5にマークM間で移動させるための移動装置を設けたりしてもよい。この場合であっても、移動距離は電子部品Cや基板Sの実装領域Bの大きさの範囲に留まり短いため、誤差や発塵を抑えることができる。必要な実装精度に応じた撮像倍率を選択できるので、位置認識精度を高めることができる。
(11)上記の態様では、電子部品Cのマークmの位置と基板Sの実装領域BのマークMの位置をそれぞれ基準位置(実装位置OA)に位置合わせするものとしたが、これに限られるものではなく、電子部品Cの位置に実装領域Bの位置を合わせたり、実装領域Bの位置に電子部品Cの位置を合わせたりしてもよい。要は、基板Sの実装領域Bの位置と電子部品Cの位置を合わせることができればよい。ステージ21は位置合わせのための補正量移動はせずに、基板Sと電子部品Cとの位置合わせをする場合、比較的大きくて重たいステージ21を個々の実装領域Bの位置合わせにおいて移動させる必要がないので、より実装精度を高めつつ、位置補正のための時間も短縮することができる。
(12)基板支持機構2のステージ21に対する基板Sの受け渡しは、実装位置OAで行なうようにしてもよい。この場合には、ステージ21に基板Sが供給された後、第1の撮像部4による電子部品Cのマークmの撮像に先立って、基板Sを実装位置OAから退避させるようにするとよい。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態を、図17、図18、図19を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態とは異なる実装ヘッド31を採用したものである。他の部分については、第1実施形態と同様であるため、実装ヘッド31以外の部分の説明は省略する。
図17は、第2実施形態で採用する実装ヘッド31の一例であって、実装ヘッド31に、電子部品Cを非接触で保持したピックアップコレット700が近接している様子を平面図で示している。図18は、その様子を示す断面図である。図17は、実装ヘッド31側から実装ヘッド31を透過して示している模式図である。
[構成]
第2実施形態においては、図17に示すように、実装ヘッド31に設けられた保持部31bには2個の吸引孔311cと吸引孔312cが設けられる。吸引孔311cと吸引孔312cは、実装ヘッド31における吸着領域Dの中心に対して対称に配置される。例えば、2個の吸引孔311cと吸引孔312cは、吸着領域Dの中心を通る直線に対して対称(線対称)の位置に配置される。このとき、吸着領域Dの中心を通る直線は、基板Sに電子部品Cを実装する際に必要な向きとなる方向に延びるものとできる。図17においては、図中上下に延びる中心線で示しているものと直交する図示しない線となる。
また、線対称であれば、保持部31bに設けられる吸引孔の数は、2個でなくてもよく、電子部品Cの大きさに合わせて数を増減しても良い。その際、ピックアップコレット700から実装ヘッド31を受け渡す直前の、電子部品Cの想定する最大のずれ状態において、吸引孔311cと312cが電子部品Cからはみ出ない位置とするのが良い。また、吸引力のバランスを取る為には吸引孔の数と中心からの距離を同じにするのが良い。また、吸着領域Dの中心を通る直線に沿った方向において、吸引孔の数に差があるようにした場合でも、吸引孔の数に応じて中心点からの距離を調整することで吸引力のバランスを取ってもよい。なお、吸着領域Dの中心を通る直線に交差する方向の場合でも同様である。
各吸引孔の配置は、吸引された電子部品が実装ヘッド31の吸着領域Dの中心方向に移動するものが好ましく、吸着領域Dの縦横の中心線と一致する方向の直線を基準とした線対称であって、吸着領域Dの中心点に対して等距離、等角度の点対称が好ましい。
さらに、第2実施形態では、図20(A)が示すように、吸着領域の中心から等距離、等角(180度)で吸引孔を設けたが、図20の(B~H)に示すように、2個よりも多く設ける場合でも、各吸引孔は吸着領域の中心から等距離、等角の位置に配置してもよい。例えば、図20(C)に示すように、4個の場合には、90度などでもよい。
[作用]
このような構成を有する第2実施形態では、実装ヘッド31の中心に対して対称に設けられた吸引孔311cと吸引孔312cから気体を吸引すると、実装ヘッド31は、水平方向全周から周囲の気体を吸引するため、実装ヘッド31の外周から中心側の吸引孔311cと吸引孔312cに向かって流れる吸引流Qが発生する。この吸引流Qは、図18に示すように、多孔質部材701の細孔から吹き出す気流Gによって支持されている電子部品Cの表面と、実装ヘッド31の保持部31bとの隙間を流れる。
この時、吸引流Qと電子部品Cの表面との間には両者の摩擦により電子部品Cを実装ヘッド31の外周から吸引孔311cと吸引孔312cに向かって押圧する力が発生する。この力は、吸引流Qと電子部品Cとの対向している面積が広い部分ほど大きくなることから、図18(A)のように電子部品Cと実装ヘッド31の中心がずれている場合、図中右側のようにずれ幅が大きく吸引流Qとの接触面積の広い側ほど吸引流Qの力を受けて、電子部品Cは吸引孔311cと吸引孔312c側、即ち実装ヘッド31の中心側に強く押圧される。
この作用は、図17(A)に示すように、電子部品Cの全周囲にわたって発生することから、結果として、電子部品Cは、図17(B)のように、実装ヘッド31の中心に配置されることになる。特に、第2実施形態では、2つ以上の吸引孔311cと吸引孔312cを保持部31bの中心に対して対称に設けることで、電子部品Cが一定方向に回転ずれをしていたとしても、電子部品Cの位置や回転ずれに応じて、それぞれの吸引孔311c、312cが持つ電子部品Cを吸い寄せる力Vのバランスが自然と取られるように作用する。なお、吸引孔の間隔が広いほど支点から力点までの距離が長くなり、角度の補正(引き寄せ)力は大きくなる。
その結果、実装ツールの中心に対して対称な2つの吸引孔からの吸引流Qによって、実装ツールの中心に引き寄せられつつ、回転方向のずれも2つの吸引孔にてバランスが取られ、必要な姿勢の状態を取り電子部品Cが寄せられて回転ずれが解消する。
[効果]
このように、実装ヘッド31の保持部31bに吸引孔を保持部31bの中心に対して対称に2つ以上設けることにより、電子部品Cを、ピックアップコレット700から実装ヘッド31に受け渡しする時に、ピックアップコレット700に非接触で保持された電子部品Cの姿勢(水平方向の位置や回転)を、保持部31bの中心に保持部31bの形状に応じた角度に修正した状態とすることができる。したがって、吸引孔が1つの時よりも2つ以上ある方が、実装ヘッド31の保持部31bにおいて、電子部品Cをより適切な位置でピックアップコレットから受け取ることが可能となる。ピックアップコレット700に非接触で保持されている電子部品Cは、移送時や反転時に移動、又は回転が起きやすいが、これらの移動や回転があっても、必要な姿勢の状態とすることができる。また、保持部31bで保持している電子部品Cが自由に回転をしてしまうのを防止できる。これにより、実装ヘッド31は、常に一定の位置・回転位置で電子部品Cを保持が可能となり、より精度の高い実装が可能となる。
さらに、複数の吸引孔を用いて、電子部品Cの姿勢を必要なものとするので、電子部品Cに作用する力が増大し、吸着領域Dの中央に、ピックアップコレット700に保持された電子部品Cの中央が、所定の許容範囲内で引き寄せられる時間である所定時間を短くすることができる。これにより、タクトタイムを短くすることができ、生産性を向上することができる。
特に、複数の吸引孔を、実装に必要な向きに応じた吸着領域Dの中心を通る直線、すなわち、保持部31bの中心を通る直線に対して対称な状態(線対称)に配置することで、より確実に速く電子部品Cの姿勢(位置、向き)を、必要とする状態に矯正することができる。これにより、より精度の高い実装を行うことができる。
3.他の実施形態
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
吸引孔の他の配置例を図19に示す。なお、各吸引孔は、図19の(A)~(O)に丸印で示している。図19の(A)~(O)に示すように横一列、縦一列に並べてもよいし、クロスするように並べてもよい、また、複数の吸引孔が、正方形、長方形、ひし形などの頂点位置やそれらの辺に沿った位置でもよい。さらに、図19に含まれないその他さまざまな線対称になるように配置してもよい。電子部品Cが、吸引によって、ピックアップコレット700から保持部31bに受け渡される際に、基板Sに電子部品Cを実装するのに必要な姿勢(位置、向き)に引き寄せられる配置であればよい。
例えば、複数の吸引孔を直線上に並べて配置した場合、その直線の延びる方向に対して交差するように回転方向に電子部品Cがずれている場合、吸引孔が並んだ直線に沿うように電子部品Cの向きが矯正される。また、電子部品Cの水平方向(XY方向)のずれは、複数の吸引孔の並びの中心位置に、電子部品Cの中心位置が引き寄せられる。このような作用は、図17、図18に示すものと同じである。図19(A)の配置は、向きが90°変化した図17の配置と同じである。同様の効果を奏する。図19(D)の配置は、図17と同じと見なせる。よって同様の効果を奏する。
図19(B)、(E)、(J)もこれらと同じと見なせ、同様の効果を奏する。ただし、吸引孔の数が多い分、水平方向や回転方向の矯正力は強く働く。したがって、このような矯正力は、図19(A)に対して図19(B)の方が強く、図19(B)に対して図19(J)の方が強く働く。図19(D)に対して図19(E)の方が強く働く。これにより、より確実に速く姿勢を矯正することができる。
図19(C)、(D)は、図19中に点線で示す線(吸着領域Dの中心を通る線)に対して、その線の延びる方向と、その線に交差する方向、この場合、直交する方向に対して対称になるように、四つの吸引孔を配置したものを示している。そして、四つの吸引孔の中心は吸着領域Dの中心と一致するように配置されている。いずれの場合も、図17同様に、電子部品Cを吸着領域Dの中心を通る線に沿った方向と吸着領域Dの中心に引き寄せることができる。
図17同様の効果を奏するとともに、吸着領域Dの中心を通る線の延びる方向と直交する方向に吸着領域Dの中心から離れることで、回転方向の矯正力はより強くなる。したがって、より確実に速く電子部品Cを希望する姿勢に矯正することができる。同様の作用は、図19(G)、(H)、(I)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)においても発揮される。したがって、希望する電子部品Cの姿勢に応じた吸着領域Dの中心を通る線に対して対称となるような様々な配置で、同様の効果を奏する。
なお、これらのように、図19において、点線で示す線の延びる方向に対する吸着領域Dの中心から吸引孔までの距離が、この線の直交する方向の距離より長い場合、長い方が、特に回転方向においての矯正力が大きくなるため、さらにより確実に速く電子部品Cの姿勢を希望のものとすることができる。したがって、図19(C)より図19(F)の方が矯正力が強く、図19(K)よりも図19(L)の方が矯正力が強い。つまり、より確実に速く電子部品Cの姿勢を矯正できる。
もちろん、図19(B)、(E)、(K)、(L)、(N)、(O)のように、吸着領域Dの中心に吸引孔を設けた場合には、吸着領域Dの中心に電子部品Cを位置付ける矯正力が強く働く。よって、さらにより確実に速く電子部品Cを希望の姿勢とすることができる。
また、吸引孔を三つ配置する場合、少なくとも一つの吸引孔を、吸着領域Dの中心を通る線上に設けるとよく、より好ましくは、図19(H)に示すように、一つの頂点に位置する吸引孔を、吸着領域Dの中心を通る線上に設け、他の二つの吸引孔を、吸着領域Dの中心を通る線の直交する方向で、この線に対象に設けるとよい。
このようにすれば、図17同様の効果を奏することができる。なお、この場合には、電子部品Cの中心が二つの吸引孔の方に引き寄せられるので、その分を考慮して、吸着領域Dの中心に電子部品Cが位置付けられるようずらして配置すると良い。
回転方向の矯正力に関しては、頂点に位置する吸引孔と他の吸引孔の距離が離れている方が良いので、三つの吸引孔を頂点とする三角形は、二等辺三角形とするのが良い。
1 実装装置
2 基板支持機構
3 実装機構
4 第1の撮像部
5 第2の撮像部
6 供給部
7 移動装置
8 制御装置
11 支持台
11a 収容孔
21 ステージ
22 駆動機構
22a、22b、33a、34a、35a、62a、62b ガイドレール
23 移動板
23a 貫通孔
31 実装ヘッド
31a 中空部
31b 保持部
31c 吸引孔
311c、312c 吸引孔
31d 噴出口
32 駆動機構
33、34、35 移動体
61 支持機構
61a リングホルダ
62 駆動機構
71 移送ヘッド
71a 吸着ノズル
71b 反転駆動部
72 アーム部
72a 延出部
72b 基体部
73 移送機構
700 ピックアップコレット
701 多孔質部材
701a 対向面
701b 背面
701c 吸引孔
701d 開口
702 ベース
702a 給気孔
702b 排気孔
702c 取付穴
703 ガイド部
704 着脱部
704a ピン
731 固定体
732 第1の駆動部
732a 第1の駆動源
732b 第1の摺動部
733 移動体
734 第2の駆動部
734a 第2の駆動源
734b 第2の摺動部
OA 実装位置
B 実装領域
C 電子部品
D 吸着領域
F 載置面
M、m マーク
S 基盤
T 透過領域
WS ウェーハシート
Q 吸引流Q
V 電子部品Cを吸い寄せる力

Claims (8)

  1. 吸引孔の負圧により吸引保持した電子部品を基板に実装する実装ヘッドと、
    細孔から気体を噴出しつつ、前記吸引孔の負圧により前記電子部品を非接触で保持する多孔質部材を有し、前記電子部品を供給する供給部から前記電子部品をピックアップし、前記実装ヘッドへ受け渡すピックアップコレットと、
    前記実装ヘッドと前記ピックアップコレットとを相対移動させる移動装置と、
    前記多孔質部材からの気体の噴出とともに、前記吸引孔の負圧によって前記電子部品を非接触で保持している状態で、前記移動装置による前記実装ヘッドと前記ピックアップコレットとの所定間隔までの接近及び前記実装ヘッドによる吸引を行わせ、前記所定間隔で所定時間経過後に前記ピックアップコレットの吸引を解除させて前記実装ヘッドに前記電子部品を吸引保持させる制御装置と、
    を有することを特徴とする電子部品の実装装置。
  2. 前記吸引孔は、前記実装ヘッドの前記電子部品の吸着領域の中央に1つ設けられ、
    前記所定時間は、前記吸着領域の中央に、前記ピックアップコレットに保持された前記電子部品の中央が、所定の許容範囲内で引き寄せられる時間であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
  3. 前記吸引孔は、前記実装ヘッドの前記電子部品の吸着領域の中心を通る線に対して対称に複数設けられ、
    前記所定時間は、前記吸着領域の中央に、前記ピックアップコレットに保持された前記電子部品の中央が、所定の許容範囲内で引き寄せられる時間であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
  4. 前記吸引孔は、前記実装ヘッドの前記電子部品の吸着領域の中心から等距離、及び等角に複数設けられ、
    前記所定時間は、前記吸着領域の中央に、前記ピックアップコレットに保持された前記電子部品の中央が、所定の許容範囲内で引き寄せられる時間であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
  5. 前記所定間隔は、第1の間隔と、前記第1の間隔より小さい第2の間隔とが設定され、
    前記制御装置は、
    前記移動装置に、前記実装ヘッドと前記ピックアップコレットとを、前記第1の間隔から前記第2の間隔となるよう移動させ、
    前記第1の間隔の状態で、所定時間、前記実装ヘッドにより吸引させ、
    前記第2の間隔の状態で、前記ピックアップコレットの吸引を解除させる、ことを特徴とする請求項1のいずれかに記載の電子部品の実装装置。
  6. 前記電子部品の受け渡しの際、前記実装ヘッドが前記所定間隔で吸引する際、前記ピックアップコレットの吸引力を弱めることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子部品の実装装置。
  7. 前記実装ヘッドに、前記電子部品の外周に気体を噴出する噴出口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子部品の実装装置。
  8. 細孔から気体を噴出しつつ、吸引孔の負圧により電子部品を非接触で保持する多孔質部材を有するピックアップコレットが、前記電子部品の供給部から前記電子部品を非接触で保持してピックアップし、
    移動装置が、前記電子部品を基板に実装する実装ヘッドと前記電子部品をピックアップして反転した前記ピックアップコレットとを所定間隔まで接近させ、
    前記実装ヘッドに設けられた前記吸引孔の負圧による吸引を開始し、
    前記所定間隔で所定時間経過後に前記ピックアップコレットの吸引を解除することにより、前記実装ヘッドが前記電子部品を吸引保持する、
    ことを特徴とする電子部品の実装方法。

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