JP2023048695A - ピックアップ装置及び電子部品の実装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発生するパーティクルの影響を抑えて、電子部品をピックアップできるピックアップ装置及び電子部品の実装装置を提供する。【解決手段】ピックアップ装置において、アーム部71は、電子部品Cを保持してピックアップするピックアップコレット72と、一端にピックアップコレット72が設けられた中空のアーム部71と、ピックアップコレットを支持する支持部732と、アーム部71に設けられた貫通孔711aを介してアーム部71の内部の空間から突出して支持部732に接続する回転軸730aを有し、支持部732を回転軸730aによって回転させることにより、ピックアップコレット72を反転させる反転駆動部73と、を備え、アーム部71の内部において回転軸730aを含む空間とアーム部71の外部の空間に連通する位置に、負圧を供給する吸気孔733aが設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、ピックアップ装置及び電子部品の実装装置に関する。
ロジック、メモリ、画像センサなどの半導体チップである電子部品を、基板に対して実装する方法には、フェイスアップ方式、フェイスダウン方式と呼ばれる方法がある。電子部品における、微細な回路が形成された面(機能面)をフェイスと呼ぶ。このフェイス側を上方(基板側とは反対側)に向けて電子部品を実装する方法がフェイスアップ方式である。例えば、電子部品をリードフレームなどにマウントし、電極とフレームとの間をワイヤーで配線する場合には、フェイスアップ方式による実装となる。
フェイス側を下方(基板側)に向けて電子部品を実装する方法がフェイスダウン方式である。例えば、半導体層の表面にバンプ電極を設けて、バンプ電極を基板の配線に押し付けることにより、固定と電気接続を行うフリップチップ接続の場合には、フェイスダウン方式による実装となる。
このような電子部品を基板に実装する際には、半導体素子が形成されたウェーハを、切断することにより個片化して半導体チップ(電子部品)とする。電子部品は粘着性を有するシートであるウェーハシートに貼り付けられている。そして、この電子部品をウェーハシートから一つずつピックアップし、基板へ移送して実装することが行われている。
特開2010-129913号公報
電子部品を、ウェーハシートから一つずつピックアップし、基板へ移送して実装する実装装置では、電子部品のピックアップを行うピックアップ装置において、吸引によって電子部品を保持するピックアップコレットを、ピックアップ対象となる電子部品に対して対向するように位置付け、電子部品に向かって移動させて、電子部品に接触させ、吸引保持してウェーハシートから離れる移動を行い、電子部品のピックアップが行われる。その後、ピックアップした電子部品を、基板に電子部品を実装する実装ツールに受け渡す。そのために実装ツールとの電子部品の受け渡し位置まで、ピックアップした電子部品を保持するピックアップコレットが移動する。このような電子部品のピックアップ、実装ツールへの受け渡しを行うピックアップ装置の各動作の機構から塵埃(以下、パーティクルとする)が発生する。
特に、フェイスダウン方式の実装を行うには、機能面を反転させるための反転機構がピックアップ装置に付加されることが一般的であるために、さらにパーティクルが発生する可能性が高くなっている。例えば、電子部品をウェーハシートからピックアップする際には、反転機構の動作によりパーティクルが発生する。このようなパーティクルが、ピックアップされた電子部品やウェーハシートに貼り付けられた電子部品等の、実装される前の電子部品に付着すると、実装不良や接続不良などの悪影響が起こる。
本発明の実施形態は、上述のような課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、発生するパーティクルの影響を抑えてピックアップできるピックアップ装置及び電子部品の実装装置を提供することにある。
本発明の実施形態のピックアップ装置は、電子部品を保持してピックアップするピックアップコレットと、一端に前記ピックアップコレットが設けられた中空のアーム部と、
前記ピックアップコレットを支持する支持部と、前記アーム部に設けられた貫通孔を介して前記アーム部の内部の空間から突出して前記支持部に接続する回転軸とを有し、前記支持部を前記回転軸によって回転させることにより、前記ピックアップコレットを反転させる反転駆動部と、を有し、前記アーム部の内部において前記回転軸を含む空間と前記アーム部の外部の空間に連通する位置に、負圧を供給する吸気孔が設けられている。
本発明の他の実施形態のピックアップ装置は、電子部品を保持してピックアップするピックアップコレットと、一端に前記ピックアップコレットが設けられた中空のアーム部と、前記ピックアップコレットを支持する支持部と、前記アーム部に設けられた貫通孔を介して前記アーム部の内部の空間から突出して前記支持部に接続する回転軸とを有し、前記支持部を前記回転軸によって回転させることにより、前記ピックアップコレットを反転させる反転駆動部と、を有し、前記アーム部の内部の空間に負圧を供給する空気圧回路が設けられている。
本発明の実施形態の電子部品の実装装置は、前記ピックアップ装置と、前記ピックアップ装置に前記電子部品を供給する供給部と、前記ピックアップ装置から渡された電子部品を保持する実装ヘッドが、実装位置において前記電子部品を基板に実装する実装機構と、前記電子部品が実装される前記基板を支持する基板支持機構と、を有する。
本発明の実施形態は、発生するパーティクルの影響を抑えて、電子部品をピックアップできるピックアップ装置及び電子部品の実装装置を提供することができる。
実施形態の実装装置の概略構成を示す正面図である。 電子部品と基板を示す平面図である。 実装装置の平面図(A)、実装箇所の拡大平面図(B)である。 アーム部及び反転駆動部を示す一部断面平面図(A)、回転軸の斜視図(B)、回転軸の断面図(C)である。 電子部品の反転動作を示す拡大図であり、左側が正面図、右側が平面図である。 電子部品のピックアップ動作を示す説明図である。 電子部品の受け渡し動作を示す説明図である。 実装装置の実装動作を示す説明図である。 電子部品のピックアップ動作と受け渡し動作の手順を示すフローチャートである。 電子部品の実装手順を示すフローチャートである。 アーム部の変形例を示す一部断面平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、図1及び図2に示すように、電子部品Cを基板Sに実装する実装装置1である。図1は実装装置1の概略構成を示す正面図である。図2は、電子部品C及び基板Sを示す平面図である。なお、図面は模式的なものであり、各部のサイズ(以下、寸法とも呼ぶ)、形状、各部の相互のサイズの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
[電子部品]
まず、本実施形態の実装対象となる電子部品Cは、例えば、ICやLSI等の半導体素子から成る半導体チップを挙げることができる。
本実施形態は、図2に示すように、電子部品Cとして、直方体形状の半導体チップを用いる。各半導体チップは、半導体ウェーハをさいの目状に切断するダイシングにより個片化したベアチップである。ベアチップは、むき出しの半導体にバンプ或いはバンプレスの電極が設けられており、基板S上のパッドに接合するフリップチップ接続により実装される。
電子部品Cには、位置決めのための複数のマークmが設けられている。本実施形態では、2つのマークmが、矩形状の電子部品Cの対角となる一対の角部に1つずつ設けられている。マークmは、電子部品Cの電極が形成された面、つまりフェイスに設けられている。本実施形態は、フェイス側を基板Sに向けて実装するフェイスダウン実装のための装置の一例である。
[基板]
本実施形態において、上記のような電子部品Cが実装される基板Sは、図2に示すように、プリント配線等が形成された樹脂製等の板状部材、或いは、回路パターンが形成されたシリコン基板等である。基板Sには、基板Sが実装される領域である実装領域Bが設けられ、実装領域Bの外側に、位置決めのための複数のマークMが設けられている。本実施形態では、2つのマークMが、実装領域Bの外側の位置であって電子部品Cのマークmに対応する位置に設けられている。
[実装装置]
本実施形態の実装装置1は、高精度、例えば、±0.2μm以下の実装精度の実装を実現可能とする実装装置1で、図1及び図3に示すように、基板支持機構2、実装機構3、第1の撮像部4、第2の撮像部5、供給部6、ピックアップ装置7、制御装置8を有する。図3(A)は実装装置1の平面図、図3(B)は後述する実装ヘッド31を透過したマークMを示す平面図である。
なお、以下の説明中において、実装機構3が電子部品Cを基板Sに実装するために移動させる軸をZ軸、これに直交する平面において互いに直交する2軸をX軸及びY軸とする。本実施形態では、Z軸は鉛直であり、重力に従う方向を下方、重力に抗する方向を上方とし、Z軸における位置を高さと呼ぶ。また、X軸及びY軸は水平面上にあり、図1の正面側から見て、X軸は左右方向、Y軸は奥行方向である。但し、本発明は、この設置方向に限定するものではない。設置方向にかかわらず、基板S又は基板支持機構2を基準として、電子部品Cが実装される側を上側、その反対側を下側と呼ぶ。
基板支持機構2は、電子部品Cが実装される基板Sを支持する機構であり、所謂、基板ステージである。実装機構3は、電子部品Cを基板Sに実装する機構である。実装機構3は、実装ヘッド31を有する。実装ヘッド31は、電子部品Cを保持した状態で、電子部品Cに対向する基板SのマークMを、透過して認識可能とする透過部を有する。
第1の撮像部4は、実装ヘッド31が電子部品Cを基板Sに実装する実装位置OAにおいて基板支持機構2よりも下側に配置されており、基板支持機構2によって基板Sが実装位置OAから退避された状態で、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを、電子部品Cに対向する位置、つまり、下方から撮像する。実装位置OAは、基板Sに電子部品Cが実装される位置であり、図中、実装される電子部品Cの領域内のXY座標上の点(例えば、中心点)を通るZ軸に沿う方向の一点鎖線で示す。実装位置OAは、後述するように、第1の撮像部4、第2の撮像部5のカメラの光軸に一致する。第2の撮像部5は、実装位置OAにおいて実装ヘッド31よりも上側に配置されており、基板SのマークMを、実装ヘッド31の透過部を通して撮像する(以下、このことを「実装ヘッド31越しに撮像する」と言う)。このように撮像された画像に基づいて、マークm、Mの検知、つまりマークm、Mの認識が可能となる。
なお、基板支持機構2、実装機構3は、それぞれ位置決め機構を有する。位置決め機構は、第1の撮像部4、第2の撮像部5が撮像したマークm、Mの画像から求められた基板Sと電子部品Cの位置に基づいて、基板Sと電子部品Cとの位置決めを行う。以上のような実装装置1の各部は、設置面に設置された支持台11に搭載されている。支持台11の天面は水平面となっている。
供給部6は、電子部品Cを供給する。ピックアップ装置7は、電子部品Cを供給部6からピックアップして実装位置ОAに移送する。ピックアップ装置7は、ピックアップコレット72、移送機構74を有する。ピックアップコレット72は、供給部6から電子部品Cをピックアップし、反転させて実装ヘッド31に渡す。移送機構74は、基板支持機構2が基板Sを実装位置ОAから退避させることでできた空間に、ピックアップコレット72を移動させ実装位置ОAに位置付ける。
制御装置8は、実装装置1の動作を制御する。この制御装置8は、例えば、電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成される。つまり、制御装置8は、PLCやCPUなどの処理装置が、記憶装置からプログラム及びデータ等を読み出して、実装装置1の制御を実行する。
以下、実装装置1の各部を詳述する。
(基板支持機構)
図1及び図3(A)に示すように、基板支持機構2は、支持台11に配置され、ステージ21、駆動機構22を有する。ステージ21は、基板Sを載置する板状の部材である。駆動機構22は、例えば、X軸方向のガイドレール22a、Y軸方向のガイドレール22bを有し、図示しないモータを駆動源としてベルト又はボールねじによりステージ21を水平面内で移動させる2軸移動機構である。この駆動機構22は、基板Sを位置決めする位置決め機構として機能する。なお、駆動機構22は、図示を省略しているが、ステージ21を水平面内で回転移動させるθ駆動機構を備える。
駆動機構22は、ガイドレール22bに沿ってY軸方向に移動する移動板23を含み構成されている。この移動板23には、第1の撮像部4が電子部品Cを撮像可能となるように、貫通孔23aが形成されている。
なお、図示はしないが、基板支持機構2のステージ21のX軸方向における移動端の一方(具体的には、図示右側の移動端)には、基板Sをステージ21に供給/格納するローダ/アンローダが設けられている。そこで、基板支持機構2は、上記移動端にステージ21を移動させた状態で、ローダから基板Sの供給を受けたり、アンローダに基板Sを渡したりする。
(実装機構)
実装機構3は、実装ヘッド31、駆動機構32を有する。実装ヘッド31は、概略、直方体形状であり、透過部としての、中空部31a及び保持部31bを有する。中空部31aは、Z軸方向を軸として形成された円柱形状の貫通孔である。保持部31bは、撮像のための光を透過可能な板状部材であり、中空部31aにおける基板Sに向かう側の開口を塞ぐように取り付けられている。例えば、透明なガラス板を保持部31bとして用いる。保持部31bは、所謂、実装ツールであり、電子部品Cを保持する。
保持部31bの中央には、図3(B)に示すように、電子部品Cを吸着保持するための吸着領域Dが設けられている。吸着領域Dには、図示はしないが、吸着孔が形成されている。保持部31bの内部には吸着孔を負圧源に連通させるための流路が形成されており、吸着孔に負圧を発生させることにより、電子部品Cを吸着保持可能に設けられている。保持部31bの吸着領域Dの周囲は、電子部品Cを吸着した場合であっても、基板SのマークMを透過して撮像可能な透過領域Tとなっている。つまり、実装ヘッド31は、第2の撮像部5によって、基板SのマークMを撮像可能となるように、透明な部分を有する。なお、保持部31bの電子部品Cを保持する保持面(吸着面)を、下端面と呼ぶ。
駆動機構32は、移動体33、34、35を含み構成され、実装ヘッド31を駆動する機構である。移動体33は、支持台11に設けられたY軸方向のガイドレール33aに沿って移動可能に設けられている。移動体34は、移動体33の天面に設けられたX軸方向のガイドレール34aに沿って移動可能に設けられている。移動体35は、移動体34の正面に設けられたZ軸方向のガイドレール35aに沿って移動可能に設けられている。移動体35は、平面視で概略凹形状に形成されている。これらの移動体33、34、35は、モータを駆動源とするボールねじやリニアモータ又はシリンダ等により駆動される。
実装ヘッド31は、Z軸方向に移動する移動体35の下部に設けられている。このため、移動体35は、実装ヘッド31の保持部31bに保持された電子部品Cを基板Sに実装するための動作を行う。また、実装ヘッド31が設けられた移動体35は、移動体33、34の移動により、X軸方向、Y軸方向に移動する。このため、駆動機構32は、実装ヘッド31が保持する電子部品Cを位置決めする位置決め機構として機能する。なお、駆動機構32は、図示を省略しているが、実装ヘッド31を水平面内で回転移動させるθ駆動機構を備える。
なお、本実施形態においては、駆動機構32によるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の移動量は、移動誤差を防止する観点から極力短く設定することが好ましい。例えば、移動体33、34によるX軸方向、Y軸方向の移動量を、それぞれ数mm~十数mmに設定する。また、移動体35によるZ軸方向の移動量も、数mm~十数mm程度に設定する。すなわち、実装ヘッド31は、ステージ21に載置された基板Sの上面に対して、保持部31bの下端面が数mm、例えば、1~2mmの対向間隔(上下方向の離間距離)となる高さ位置において、電子部品Cの受け取りや、受け取った電子部品Cのマークmの撮像が行われるようになっている。そのため、移動体35のZ軸方向の移動量に関しては、少なくとも、この高さ位置から、保持部31bに保持した電子部品Cを基板Sに所定の加圧力で加圧して実装させることができる移動量が確保できればよい。
(第1の撮像部)
第1の撮像部4は、カメラ、レンズ、鏡筒、光源等を有し、支持台11に設けられた収容孔11aに固定されている。第1の撮像部4は、カメラの光軸が、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを、撮像可能となる方向で配置されている。具体的には、光軸が垂直方向となるように配置されている。第1の撮像部4は、電子部品Cの実装位置OAに対して不動である。本実施形態において、第1の撮像部4は、基板支持機構2の下側の位置である支持台11の収容孔11a内に、カメラの光軸を実装位置OAに一致させた状態で、上向きで配置されている。第1の撮像部4は、電子部品Cが位置決めのために最大限移動したとしても、2つのマークmが撮像視野から外れることのない大きさと位置関係で支持台11に固定されている。つまり、第1の撮像部4の撮像視野は、光軸を実装位置OAに一致させて固定した状態で、位置決めのために電子部品Cの2つのマークmが最大限移動し得る範囲を考慮して設定される。
ここで、不動とは、第1の撮像部4(後述する第2の撮像部5も同様)がマークm、Mの撮像を行なうときに移動しないことを意味する。例えば、撮像部4、5がX、Y軸方向(水平方向)の駆動装置やZ軸方向(上下方向)の駆動装置を備えていて、これらの駆動装置によって装置の稼働準備作業として撮像部4、5の水平方向位置の調整や上下方向位置の調整を行ない、その後の装置の稼働中には移動しないような構成は、不動に含まれる。
(第2の撮像部)
第2の撮像部5は、カメラ、レンズ、鏡筒、光源等を有し、支持台11の上方、より具体的には、実装ヘッド31の上方の位置に、図示しないフレーム等により支持されて固定されている。第2の撮像部5は、カメラの光軸が、実装ヘッド31の保持部31bを透過して、基板Sの実装領域Bの周囲のマークMを、撮像可能となる方向で配置されている。すなわち、本実施形態において、第2の撮像部5は、実装ヘッド31の直上の位置に、カメラの光軸を実装位置OAに一致させた状態で、下向きで配置されている。第2の撮像部5は、第1の撮像部4と同様に、電子部品Cの実装位置OAに対して不動である。つまり、第2の撮像部5の撮像視野は、基板Sの実装領域Bに対して付された2つのマークが、位置決めのために最大限移動し得る範囲を考慮して設定されている。このため、実装ヘッド31の透過部の大きさは、第2の撮像部5の撮像視野に合わせて設定する。
(供給部)
供給部6は、支持機構61、駆動機構62を有する。支持機構61は、電子部品Cが貼り付けられたウェーハシートWSを支持する装置である。駆動機構62は、支持機構61をX軸方向およびY軸方向に沿って移動させる。供給部6において、電子部品Cが搭載された面(領域)を載置面Fと呼ぶ。本実施形態では、電子部品Cは、ウェーハシートWSに貼り付けられたウェーハが、ダイシングにより個片に分割されたものである。したがって、ウェーハシートWSの電子部品Cが貼り付けられた面(ウェーハの面)が、載置面Fである。ウェーハシートWSは、図示しないウェーハリングに貼り付けられている。支持機構61は、ウェーハリングを装着するリングホルダ61aを有する。つまり、支持機構61におけるウェーハシートWSを支持する面が載置面Fとも言える。
なお、図示はしないが、支持機構61のY軸方向における移動端の一方(具体的には、図示正面側の移動端)には、ウェーハリングをリングホルダ61aに供給/格納するローダ/アンローダが設けられている。支持機構61は、上記移動端に移動した状態で、ローダからウェーハリングの供給を受けたり、アンローダにウェーハリングを渡したりする。
また、図示はしないが、支持機構61は、ウェーハシートWSを伸張することにより、電子部品Cの間に隙間を空けるエキスパンド機構、伸張したウェーハシートWSを挟んで、電子部品Cを個別に突き上げることにより分離する突上機構を有する。さらに、支持機構61は、リングホルダ61aを水平面内で回転移動させるθ駆動機構を備える。なお、突上機構は、支持台11上に固定配置されていて、ピックアップ装置7による供給部6からの電子部品Cの受け取り、つまりピックアップは、この位置(ピックアップ位置)で行われる。
駆動機構62は、支持機構61を所定の方向に移動させる。例えば、駆動機構62は、X軸方向のガイドレール62aおよびY軸方向のガイドレール62bを有し、図示しないモータを駆動源としてベルト又はボールねじにより支持機構61を水平面内でX軸、Y軸方向に移動させる機構である。この駆動機構62は、電子部品Cをピックアップコレット72に対して位置決めする位置決め機構として機能する。なお、駆動機構62は、載置面Fの高さ位置L(図6参照)よりも低い位置に配置されている。
(ピックアップ装置)
ピックアップ装置7は、アーム部71、ピックアップコレット72、反転駆動部73、移送機構74を有する。アーム部71は、図3(A)に示すように、延出部711、チューブ712、基体部713を有する。
延出部711は、Y軸方向に、直線状に延びた直方体形状の部材と、実装機構3に向かうX軸方向に、直線状に延びた直方体形状の部材によって、L字状に形成された部材である。延出部711は、図4(A)に示すように、内部に空間を有する中空の部材であり、角筒形状を呈する。延出部711の先端部には、第1の貫通孔711aと、第1の貫通孔711aに対向する第2の貫通孔711bが設けられている。この第1の貫通孔711aと第2の貫通孔711bを貫通するように、ピックアップコレット72を回転させる回転軸730aを有する軸部730が設けられる。すなわち、延出部711の内部の空間に回転軸730aが存在する。軸部730については、後述する。
チューブ712は、図4及び図6に示すように、内部を気体が流通可能な中空部材である。チューブ712は、延出部711の内部に形成された空間に挿入されることにより、アーム部71に内蔵されている。内蔵されているとは、アーム部71の外装に覆われることにより、外部に露出していないことをいう。チューブ712は、延出部711に沿ってL字状に屈曲した通気経路を形成している。
基体部713は、X軸方向に平行な板状体であり、延出部711の他端に固定されている(図3(A)参照)。チューブ712の基体部713側には、図示しない空気圧回路が接続され、負圧により、チューブ712の延出部711側に、吸引力を働かせることができる。
なお、延出部711の内部の空間は、隔壁711cによって、回転軸730aを含む空間と基体部713側の空間とが仕切られている。隔壁711cには、両空間を連通する連通孔711dが設けられ、連通孔711dより回転軸730aを含む空間に負圧を供給することができる。例えば、連通孔711dに上記のチューブ712の端部が接続され、連通孔711dを介して回転軸730aを含む空間に負圧が供給され、吸引力を働かせることができる。
ピックアップコレット72は、電子部品Cを保持してピックアップする部材である。ピックアップコレット72は、図示しない空気圧回路に接続された吸着孔を有し、負圧により先端に電子部品Cを吸着し、負圧の解除又は正圧により電子部品Cを解放する。ピックアップコレット72は、アーム部71の先端に設けられている。
本実施形態では、延出部711の実装機構3に向かう一端に、後述する反転駆動部73が設けられ、この反転駆動部73にピックアップコレット72が反転可能に設けられている。つまり、ピックアップコレット72は、図5(A)、(B)に示すように、反転駆動部73によって、Z軸方向において下方(電子部品CがウェーハシートWSに向く方向)と、Z軸方向において上方(実装ヘッド31に向く方向)との間で回動可能に設けられている。
反転駆動部73は、図4(A)及び図5に示すように、軸部730、駆動源731、支持部732を有する。軸部730は、Z軸方向に延びる回転軸730aと支柱730bから構成される。回転軸730aは、内部に空間を有する部材であり、円筒形状を呈する。回転軸730aの一端は、第1の貫通孔711aを介して延出部711の内部の空間から突出して後述する支持部732に接続されている。
支柱730bは延出部711に設けられた第2の貫通孔711bを貫通する棒状の部材である。回転軸730aの他端は、支柱730bを介して後述する駆動源731に接続されている。第2の貫通孔711bと支柱730bとの間にはボールベアリングが配置され、駆動源731の動力が支柱730bに伝達され、回転軸730aが回転することで、支持部732が回転する。回転軸703aの軸中心Oは、回転軸703aの回転中心であり、支柱730bの回転中心と略一致する。
回転軸730aには、図4(B)、(C)に示すように、第1の開口部730cと第2の開口部730dが設けられている。第1の開口部730cは、回転軸730aの円周面に設けられており、延出部711の内部の空間に面して開口している。第1の開口部730cは、基体部713側に向くように設けられ、回転軸730aの軸中心Oを中心として中心角θの円周面を切り欠いた開口である。中心角θは180°以上とするのが好ましい。これにより、後述するように、第1の開口部730cに接続チューブ735a及びケーブル734cが挿入された状態で、回転軸730aが180°回転(反転)しても、接続チューブ735a及びケーブル734cとの干渉が回避される。なお、第1の開口部730cは、回転軸730aの軸方向(Z軸方向)に直交する方向(X軸方向)から見た断面が、矩形の形状を有している。第2の開口部730dは、回転軸730aの一方の端部に設けられており、第1の開口部730cと連通し、延出部711の外部の空間に面している。
駆動源731は、支柱730bを介して回転軸730aを回転させるモータであり、延出部711の一端に設けられている。支持部732は、ピックアップコレット72を支持する。支持部732は、回転体733、緩衝部734、着脱部735を有する。
回転体733は、回転軸730aに接続されたL字形の板状の部材である。回転体733は、XZ平面に平行な面と、YZ平面に平行な面とを有する。回転体733には、XZ平面に平行な面において、回転軸730aの第2の開口部730dに面する位置に、kが設けられている。吸気孔733aは、第2の開口部730dを介して回転軸730a内に連通している。
上記のように、第1の開口部730cを介して、回転軸730aの内部の空間は、延出部711の内部の空間と連通している。また、回転軸730aの第1の開口部730cと第2の開口部730dを介して、延出部711の内部の空間と吸気孔733aが連通している。このため、チューブ712に接続された空気圧回路によって、延出部711の内部の空間及び回転軸730aの内部の空間が吸引され、これらの空間に連通する吸気孔733aから周囲の空気を吸引できる。つまり、吸気孔733aは、支持部732の回転軸730aの第2の開口部730dに面する位置に、負圧により周囲の空気を吸引可能に設けられている。なお、延出部711の内部の空間が吸引されることにより、第1の貫通孔711aと回転軸730aとの間に形成された隙間からも周囲の空気を吸引できる。すなわち、第1の貫通孔711aも吸気孔として作用するので、吸気孔には、第1の貫通孔711aも含まれる。
緩衝部734は、ピックアップコレット72の先端が電子部品Cに接触したときに、適切な荷重を加え、過大な荷重を吸収する。緩衝部734は、ブラケット734a、緩衝部材734bを有する。ブラケット734aは、回転体733のYZ平面に平行な面に取り付けられた、L字形の板状の部材である。緩衝部材734bは、ピックアップコレット72に荷重を加え、吸収する緩衝機能を有していればよく、制御装置8に接続された供給ライン(配管や配線)により動力が供給されればよい。例えば緩衝部材734bとしてボイスコイルモータを用いる場合、動力となる電力を供給するケーブル734cは、制御装置8に接続され、基体部713側から延出部711内に挿入され、延出部711内を通って、回転軸730aの第1の開口部730c及び第2の開口部730dを介して吸気孔733aから引き出されて、緩衝部材734bに接続される。
着脱部735は、緩衝部材734bの駆動軸に取り付けられ、ピックアップコレット72が着脱される部材である。本実施形態の着脱部735は、磁石により、ピックアップコレット72が着脱可能に設けられている。また、着脱部735には、接続チューブ735aを介して、上記のように、ピックアップコレット72の吸着孔に負圧又は正圧を供給する空気圧回路が接続されている。接続チューブ735aは、基体部713側から延出部711内に挿入され、延出部711内を通って、回転軸730aの第1の開口部730c及び第2の開口部730dを介して吸気孔733aから引き出されて、着脱部735を介してピックアップコレット72に接続されている。
接続チューブ735aやケーブル734cは、基体部713側から延出部711内に挿入され、隔壁711cに設けられた開口711eを通過することによってピックアップコレット72に接続される。開口711eの径は、接続チューブ735aやケーブル734cを挿入することによって開口711eが略埋められる程度とすることが好ましい。これにより、開口711eの隙間から、回転軸730aが含まれる空間で発生したパーティクルが、隔壁711cを超えて他の空間に拡散することを抑止することができる。
移送機構74は、図3に示すように、アーム部71を駆動することにより、供給部6と実装位置OAとの間でピックアップコレット72を移動させる。移送機構74は、平面視で載置面Fに重なりの無い位置に設けられた摺動部SLを有する。言い換えれば、移送機構74の摺動部SLは、支持機構61の移動範囲の外側に設けられる。移送機構74は、摺動部SLの摺動に従って、アーム部71を駆動する。ここでいう摺動部SLとは、部材同士が接触しながら移動する構成部をいう。このような摺動部SLは、パーティクルの発生源となる。本実施形態の摺動部SLは、図6に示すように、後述する第1の摺動部742b、第2の摺動部744bを含み構成されている。第1の摺動部742b、第2の摺動部744bは、載置面Fの高さ位置Lよりも低い位置(下方)に設けられている。
移送機構74は、図6に示すように、固定体741、第1の駆動部742、移動体743、第2の駆動部744を有する。固定体741は、支持台11(図3(A)参照)に固定され、X軸方向に延びた直方体形状の部材である。固定体741の位置は、実装位置OAに対して固定である。
第1の駆動部742は、アーム部71をX軸方向に駆動する。第1の駆動部742は、第1の駆動源742a、第1の摺動部742bを有する。第1の駆動源742aは、X軸方向に延びたリニアモータであり、固定体741の上面(XY平面に平行な面)に沿って設けられている。第1の摺動部742bは、X軸方向に延びたリニアガイドであり、固定体741の正面(XZ平面に平行な面)に設けられている。なお、リニアモータは、可動子が固定子と非接触で移動するため、第1の駆動源742aは摺動部SLを有していない。
移動体743は、直方体形状のブロックであり、第1の駆動源742aの可動子が取り付けられるとともに、第1の摺動部742bのスライダが取り付けられることにより、第1の駆動源742aの作動に従って、X軸方向にスライド移動可能に設けられている。
第2の駆動部744は、アーム部71をZ軸方向に駆動する。第2の駆動部744は、第2の駆動源744a、第2の摺動部744bを有する。第2の駆動源744aは、Z軸方向に延びたリニアモータであり、移動体743に設けられている。第2の摺動部744bは、Z軸方向に延びたリニアガイドであり、移動体743に設けられている。
アーム部71の基体部713は、第2の駆動源744aの可動子が取り付けられるとともに、第2の摺動部744bのスライダが取り付けられることにより、Z軸方向にスライド移動可能に設けられている。このように、本実施形態の摺動部SLは、直交する2軸に沿って直線状にスライド移動する第1の摺動部742b及び第2の摺動部744bを有している。そして、第1の摺動部742b及び第2の摺動部744bは、共通の移動体743の表裏で向かい合う2側面に高さ方向で重なる位置関係で配置されている。つまり、直交する2軸の位置は、接近した位置となっている。また、移動体743の2側面の距離が短い、つまり移動体743は薄いことが好ましい。
(ステージ上の基板及び実装ヘッドの対向間隔と、移送ヘッドの寸法との関係)
本実施形態では、図1に示すように、ピックアップコレット72が実装位置OAに移動するために、基板Sの退避が必要となるように、実装位置OAにある基板Sと実装ヘッド31との対向間隔が設定されている。言い換えれば、ピックアップコレット72が実装位置OAに移動するために、基板Sの退避が必要となるほどに、基板支持機構2に支持された基板Sの上面の高さ位置に近接して、実装位置OAにおいて電子部品Cを受け取る際の実装ヘッド31の高さ位置が設定されている。より具体的には、実装位置OAにある基板支持機構2のステージ21に載置された基板Sの上面の高さ位置と、電子部品Cを受け取る際の実装ヘッド31の下端面とが対向したときの間隔hが、アーム部71の先端のピックアップコレット72の高さ方向の寸法Hよりも短い(h<H)。ここで、上記のように、保持部31bの下端面から基板Sの上面の高さ位置までの距離は、例えば、数mmである。
(アーム部の寸法)
アーム部71の延出部711は、図1、図3(A)、図5(A)に示すように、Y軸方向に直線状に延びた部材の幅w、X軸方向に直線状に延びた部材の幅dが、いずれもZ軸方向の厚さtよりも長くなっている(w>t、d>t)。これにより、アーム部71の高さ方向の寸法の拡大を抑えつつ、比較的長くなるアーム部71の剛性を確保して、ピックアップコレット72によって移送される電子部品Cの位置を安定させることができる。アーム部71の高さ方向の寸法の拡大を抑えることにより、実装ヘッド31の受取位置を高くする必要がなくなる。
(制御装置)
制御装置8は、第1の撮像部4及び第2の撮像部5により撮像されたマークm、Mに基づいて、基板Sと電子部品Cとが位置決めされるように、位置決め機構を制御する。つまり、制御装置8には、電子部品Cが正確に実装されるべき位置に対応して、設計上の電子部品CのマークmのXY座標上の位置、設計上の基板SのマークMのXY座標上の位置が、それぞれの基準位置として記憶装置に記憶されている。
この基準位置は、設計上の位置ではなく、あらかじめ電子部品Cの基板Sへの実装を試行した結果、正確に実装された場合のマークm、Mの位置とすることもできる。制御装置8は、第1の撮像部4により撮像されたマークmと、第2の撮像部5により撮像されたマークMと、基準位置とのずれを求め、ずれが補正される方向と移動量で電子部品C及び基板Sが移動するように、位置決め機構(駆動機構22および駆動機構32)を制御する。
また、制御装置8は、ウェーハシートWS上の電子部品Cの位置座標を示すマップ情報に基づいて、ピックアップ装置7の移送機構74、供給部6の駆動機構62を制御することにより、ピックアップの対象となる電子部品Cをピックアップ位置に順次位置決めする。なお、ここでいうピックアップとは、電子部品Cが載置された部材、例えばウェーハシートWSから、電子部品Cを離脱させて受け取ることをいう。さらに、制御装置8は、吸気孔733aからの吸気、ピックアップコレット72による電子部品Cの保持、反転駆動部73によるピックアップコレット72の反転、移送機構74によるピックアップコレット72の実装ヘッド31への移動、実装ヘッド31への電子部品Cの受け渡し等を制御する。
[動作]
以上のような本実施形態の動作を、図3~図8の説明図、図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。なお、初期状態において、基板Sはローダから基板支持機構2のステージ21に渡されているが、実装ヘッド31に対向する位置、つまり、実装位置OAからはステージ21とともに退避している。
[電子部品の移送]
電子部品Cの移送動作を、図3~図7の説明図、図9のフローチャートを参照して説明する。供給部6における支持機構61のリングホルダ61aには、オートローダによって、ウェーハシートWSが貼り付けられたウェーハリングが装着されている(図3参照)。このウェーハシートWSには、ダイシングにより個片に分割された電子部品Cが貼り付けられている。なお、図6においては、ピックアップされる電子部品C以外は図示を省略している。また、動作開始から、図5及び図6の白抜きの矢印に示すように、空気圧回路によってチューブ712内に負圧を作用させ、吸気孔733aから周囲の空気を吸引している。
まず、図6(A)、図3(A)に示すように、支持機構61がX軸、Y軸方向に移動し、実装対象となる電子部品Cをピックアップ位置に位置付ける。また、アーム部71をX軸方向に移動することにより、ピックアップコレット72を、実装対象となる電子部品Cの直上、つまり、ピックアップ位置に位置決めする(ステップS101)。
このときのウェーハシートWSのX軸、Y軸方向の移動は、供給部6の駆動機構62により行われる。アーム部71のX軸方向の移動は、第1の駆動部742の第1の駆動源742aが作動することにより、第1の摺動部742bに沿って移動体743が移動することにより行われる。
図6(B)に示すように、突上機構(不図示)が、実装対象となる電子部品Cを突き上げる。そして、ピックアップコレット72が、電子部品Cをピックアップする(ステップS102)。つまり、アーム部71及び緩衝部734が、ウェーハシートWSに接近する方向に移動して、ピックアップコレット72が電子部品Cを吸着保持した後、ウェーハシートWSから離れる方向に移動することにより、電子部品CをウェーハシートWSから離脱させる。
このときのアーム部71の移動は、第2の駆動部744の第2の駆動源744aが作動して、第2の摺動部744bに沿って基体部713が移動することにより行われる。そして、図5(A)、(B)、図6(C)、(D)に示すように、反転駆動部73が、ピックアップコレット72を180°回動させて、電子部品Cを反転させる(ステップS103)。このとき、回転による部材間の摺動により発生するパーティクルは、吸気孔733aから吸引されるので、電子部品Cへの付着が低減する。
次に、図7(A)、(B)に示すように、アーム部71がX軸方向に移動することにより、ピックアップコレット72を、実装位置OAに位置決めする(ステップS104)。つまり、ピックアップコレット72に保持された電子部品Cが、実装機構3における実装ヘッド31の保持部31bに対向する位置に来る。このときのアーム部71のX軸方向の移動は、第1の駆動部742の第1の駆動源742aが作動することにより、第1の摺動部742bに沿って、ピックアップ位置から実装位置ОAまでの距離を、移動体743が移動することにより行われる。なおこのとき、実装ヘッド31は、保持部31bの下端面と基板Sの上面との間の対向間隔が数mmの距離となる高さ位置で待機している。また、この高さ位置は、後述の、電子部品Cと基板Sの位置決めが完了して、実装ヘッド31が基板Sに向かって駆動される直前まで維持される。
図7(C)に示すように、アーム部71が保持部31bに接近する方向に移動して、電子部品Cを保持部31bに押し付ける。図7(D)に示すように、実装ヘッド31の保持部31bは、負圧により電子部品Cを吸着保持して受け取る(ステップS105)。これとともに、ピックアップコレット72は負圧を解除して、アーム部71が保持部31bから離れる方向に移動することにより電子部品Cを解放する。このときのアーム部71の移動は、第2の駆動部744の第2の駆動源744aが作動して、第2の摺動部744bに沿って基体部713が移動することにより行われる。
さらに、図7(E)に示すように、アーム部71が、供給部6に向かって移動することにより、ピックアップコレット72が保持部31bの直下から退避する。このときのアーム部71の移動は、第1の駆動部742の第1の駆動源742aが作動することにより、第1の摺動部742bに沿って移動体743がX軸方向に移動することにより行われる。なお、ピックアップ装置7による保持部31bに対する電子部品Cの受け渡しは実装位置OAで行なわれるので、受け渡しの際には、ステージ21は、移送機構74との干渉を避けるため、退避したままである。
[電子部品の実装]
次に、電子部品Cの実装動作を、図8の説明図、図10のフローチャートを参照して説明する。ここで、図8(A)に示すように、上記のように電子部品Cを保持した実装ヘッド31の保持部31bは、第2の撮像部5の直下に位置している。第1の撮像部4は、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを撮像する(ステップS201)。制御装置8は、第1の撮像部4により撮像されたマークmの位置と、基準位置との位置のずれ量を求め、ずれ量が解消されるように、駆動機構32を動作させることにより、電子部品Cを位置決めする(ステップS202)。
次に、図8(B)に示すように、基板支持機構2が、基板Sの実装領域B(今回、電子部品Cが実装される実装領域B)が、実装ヘッド31に保持された電子部品Cに対向する位置、つまり、実装領域Bの中心が実装位置OAに来るように、ステージ21を移動させる(ステップS203)。そして、図3(B)に示すように、第2の撮像部5が、実装ヘッド31越しに、電子部品Cの周囲の透過領域Tに見える基板SのマークMを撮像する(ステップS204)。
制御装置8は、第2の撮像部5により撮像されたマークMの位置と、基準位置との位置のずれ量を求め、ずれ量が解消されるように、駆動機構22を動作させることにより、基板Sを位置決めする(ステップS205)。さらに、図8(C)に示すように、駆動機構32によって、実装ヘッド31が基板Sに向かって駆動され、実装ヘッド31に保持された電子部品Cが基板Sに実装される(ステップS206)。
このように、ウェーハシートWSからの電子部品Cの移送、実装ヘッド31への電子部品Cの受け渡し、電子部品C及び基板Sの位置決め、実装の動作を繰り返すことで、基板Sの各実装領域Bには、電子部品Cが順次実装される。所定数の電子部品Cが実装された基板Sは、基板支持機構2によって搬送されて、アンローダに格納される。
[作用効果]
(1)本実施形態のピックアップ装置7は、電子部品Cを保持してピックアップするピックアップコレット72と、一端にピックアップコレット72が設けられた中空のアーム部71と、ピックアップコレット72を支持する支持部732と、アーム部71に設けられた貫通孔(第1の貫通孔711a)を介してアーム部71の内部の空間から突出して支持部732に接続する回転軸730aとを有し、支持部732を回転軸730aによって回転させることにより、ピックアップコレット72を反転させる反転駆動部73と、を有し、アーム部71の内部において回転軸730aを含む空間とアーム部71の外部の空間に連通する位置に、負圧を供給する吸気孔733aが設けられている。
また、本実施形態の電子部品Cの実装装置1は、ピックアップ装置7に電子部品Cを供給する供給部6と、ピックアップ装置7から渡された電子部品Cを保持する実装ヘッド31が、実装位置OAにおいて電子部品Cを基板Sに実装する実装機構3と、電子部品Cが実装される基板Sを支持する基板支持機構2と、を有する。
このため、ピックアップコレット72の反転時に、部材間の摺動により生じるパーティクルを吸気孔733aから吸引することができ、ピックアップコレット72が保持している電子部品Cへのパーティクルの付着を低減できる。また、ウェーハシートWSに貼り付けられた電子部品C上にパーティクルが落下することを低減できる。すなわち、実装される前の電子部品Cにパーティクルが付着することを抑制することができる。これにより、発生するパーティクルの影響を抑えて電子部品Cをピックアップできる。
(2)上述の実施形態のピックアップ装置7において、回転軸730aは、内部に空間を有する中空部材であり、アーム部71の内部の空間に面する第1の開口部730cと、第1の開口部730cに連通し、アーム部71の外部の空間に面する第2の開口部730dと、を有し、吸気孔733aは、支持部732において、第2の開口部730dに面する位置に設けられている。
このため、回転軸730aの第1の開口部730cと第2の開口部730dを介してアーム部71の内部の空間と外部の空間が連通し、アーム部71の内部の空間を吸引することで、回転軸730aの内部の空間及び吸気孔733aに負圧を発生させることができる。これにより、ピックアップコレット72の反転時に、特に部材間の摺動が生じる支持部732の回転軸730aに面する位置からパーティクルを吸引し、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(3)上述した本実施形態のピックアップ装置7において、吸気孔は、アーム部71の内部の空間から回転軸730aが突出する貫通孔(第1の貫通孔711a)である。このため、アーム部71の内部の空間から回転軸730aが突出する第1の貫通孔711a付近のパーティクルもアーム部71の内部に吸引し、回転によって生じるパーティクルもアーム部71から外部に出ないように留めることができる。
(4)上述した本実施形態のピックアップ装置7において、アーム部71に内蔵され、回転軸730aを含む空間に負圧を供給するチューブ712と、を有する。このため、ピックアップコレット72の反転時に、特に部材間の摺動が起こる空間である回転軸730aを含む空間で発生したパーティクルがチューブ712によって吸引される。またチューブ712がアーム部71に内蔵されているため、アーム部71の移動に従って変形するチューブ712及びその内部からパーティクルが発生してもアーム部71の内部に留めることができ、パーティクルがアーム部71から外部に出ないため、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(5)上述した本実施形態のピックアップ装置7において、アーム部71の内部の空間を、回転軸730aを含む空間に仕切る隔壁711cと、隔壁711cに、負圧により回転軸730aを含む空間の吸引を行う連通孔711dが設けられている。このため、ピックアップコレット72の反転時に、特に部材間の摺動が起こる空間である回転軸730aを含む空間を隔壁711cによって仕切り、この空間に発生したパーティクルを留め、連通孔711dから吸引することができる。その結果、アーム部71の内部の空間を全て吸引するのと比較して、排気容量を少なくできるため、小さい吸引力でもパーティクルを吸引することができる。
(6)上述した本実施形態のピックアップ装置7において、アーム部71に内蔵され、回転軸730aを含む空間に負圧を供給するチューブ712を有し、チューブ712は、隔壁711cの連通孔711dに接続されている。このため、ピックアップコレット72の反転時に、特に部材間の摺動が起こる空間である回転軸730aを含む空間を隔壁711cによって仕切り、この空間に発生したパーティクルを留めることができる。さらに、仕切られた空間に留めたパーティクルがチューブ712によって吸引される。その結果、アーム部71の内部の空間を全て吸引するのと比較して、排気容量を少なくできるため、小さい吸引力でもパーティクルを吸引することができる。またチューブ712がアーム部71に内蔵されているため、アーム部71の移動に従って変形するチューブ712及びその内部からパーティクルが発生してもアーム部71の内部に留めることができ、パーティクルがアーム部71から外部に出ないため、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(7)上述した本実施形態のピックアップ装置7において、ピックアップコレット72に負圧又は正圧を供給するための接続チューブ735aが、第1の開口部730c及び第2の開口部730dを通り、吸気孔733aから引き出されてピックアップコレット72に接続されている。すなわち、接続チューブ735aは、負圧が発生している回転軸730aの内部及び吸気孔733aを通りピックアップコレット72に接続されている。このため、ピックアップコレット72の反転時やアーム部71の移動時に、接続チューブ735aと吸気孔733aとの摺動によって発生するパーティクルがアーム部71の内部の空間に吸引され、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(8)上述した本実施形態のピックアップ装置7のピックアップコレット72は、緩衝部材734bに接続され、緩衝部材734bに動力を供給する配線または配管(ケーブル734c)が、第1の開口部730c及び第2の開口部730dを通り、吸気孔733aから引き出されて、緩衝部材734bに接続されている。すなわち、ケーブル734cは、負圧が発生している回転軸730aの内部及び吸気孔733aを通り緩衝部材734bに接続される。このため、ピックアップコレット72の反転時やアーム部71の移動時に、ケーブル734cと吸気孔733aとの摺動によって発生するパーティクルがアーム部71の内部の空間に吸引され、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(9)上述した本実施形態のピックアップ装置7において、回転軸730aの第1の開口部730cは、回転軸730aの軸中心を中心として中心角が180°以上の円周面を切り欠いた開口である。このため、回転軸730aが180°回転(反転)する間、回転軸730aの第1の開口部730c及び第2の開口部730dを通る接続チューブ735aやケーブル734cが、第1の開口部730cの周辺において回転軸730aと接触せず、不要な摺動を引き起こさないようにすることができる。その結果、さらなるパーティクルの発生を防ぐことができる。
(10)電子部品Cを保持してピックアップするピックアップコレット72と、一端にピックアップコレット72が設けられた中空のアーム部71と、ピックアップコレットを支持する支持部732と、アーム部71に設けられた貫通孔を介してアーム部71の内部の空間から突出して支持部732に接続する回転軸730aとを有し、支持部732を回転軸730aによって回転させることにより、ピックアップコレット72を反転させる反転駆動部73と、を有し、アーム部71の内部の空間に負圧を供給する空気圧回路が設けられている。
このため、アーム部71の内部の圧力を、外部の圧力よりも低く(負圧)にすることにより、アーム部71の内部で発生するパーティクルをアーム部71の内部に留めることができる。その結果、アーム部71に、継ぎ目や回転軸730aの貫通孔などの隙間があったとしてもパーティクルが外部に拡散するのを防ぎ、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(11)ピックアップ対象となる電子部品Cが搭載される載置面Fに、平面視で重なりの無い位置に設けられた摺動部SL(742b、744b)と、摺動部SLの摺動に従ってアーム部71を駆動することにより、ピックアップコレット72を移送する移送機構74と、を有する。
このように、摺動部SLが電子部品Cが搭載される載置面Fに平面視で重ならない位置にあるため、アーム部71が摺動部SLの摺動に従って移動する際に、摺動部SLから発生するパーティクルが載置面Fに落下し難くなり、電子部品Cにパーティクルが付着することによる接合不良を抑制できる。
(12)摺動部は、載置面Fの高さ位置よりも低い位置に設けられている。このため、摺動部SLから発生するパーティクルが、載置面Fより下方に落下することになるので、載置面Fにほとんど達しなくなり、接合不良をより一層抑制できる。
(13)摺動部SLは、共通の移動体743の向かい合う2側面に配置される直交する2軸に沿って直線状にスライド移動する第1の摺動部742b及び第2の摺動部744bからなる。
このため、第1の摺動部742b及び第2の摺動部744bの2軸が、共通の部材を介して近接した位置に配置されることになり、第1の摺動部742b及び第2の摺動部744bが有するガタツキに起因して生じるピックアップコレット72の位置ずれが拡大することを防止することができる。従って、平面視で前記載置面Fに重なりの無い位置に摺動部SLを設けることにより、アーム部71が長尺となっても、電子部品Cに対する正確な位置決めと移送が可能となる。
(14)ピックアップ装置7は、供給部6から電子部品Cをピックアップし、反転させて実装ヘッド31へ渡すピックアップコレット72と、基板支持機構2が、基板S(ステージ21)を実装位置OAから退避させることでできた空間に、ピックアップコレット72を移動させる移送機構74と、を有する。
このため、移送機構74から電子部品Cを受け取るために、実装ヘッド31が移動する必要がなく、実装位置ОAにおける電子部品Cの位置を一定に維持することができ、また、基板Sの上面の高さ位置に近接した高さ位置で電子部品Cを受け取ることができ、高い実装精度を得ることができる。このように、実装ヘッド31の移動量を低減できるので、実装位置ОAにおいて発生するパーティクルの量も低減できる。
(15)ピックアップコレット72が実装位置ОAに移動するために、基板Sの退避が必要となるように、実装位置ОAにある基板Sと実装ヘッド31との間隔が設定されている。このため、電子部品Cを受け取る際の実装ヘッド31の位置を、実装時の基板Sに接近した位置とすることができる。これにより、実装ヘッド31が電子部品Cを受け取ってから、実装のために実装ヘッド31が移動する距離を非常に短くすることができ、実装ヘッド31の移動による位置ずれを防止して、実装精度を向上させることができる。
(16)実装ヘッド31は、電子部品Cを保持した状態で、基板SのマークMを透過して認識可能とする透過部を有し、実装装置1は、実装位置OAにおいて基板支持機構2よりも下側に配置され、基板Sが実装位置OAから退避された状態で、実装ヘッド31に保持された電子部品Cのマークmを撮像する第1の撮像部4と、実装位置OAにおいて実装ヘッド31よりも上側に配置され、基板SのマークMを、透過部を通して撮像する第2の撮像部5と、第1の撮像部4及び第2の撮像部5により撮像されたマークm、Mの画像から求められた基板Sと電子部品Cの位置に基づいて、基板Sと電子部品Cとの位置決めを行う位置決め機構とを有する。
このような実施形態によれば、実装ヘッド31に保持された電子部品Cを、基板Sを実装位置OAから退避させた状態で、実装位置OAにおいて基板支持機構2よりも下側に配置された第1の撮像部4によって撮像し、基板支持機構2に支持された基板Sを、実装位置OAにおいて実装ヘッド31よりも上側に配置された第2の撮像部5によって実装ヘッド31の透過部を通して撮像するので、電子部品Cと基板Sとを極力近付けた状態で、電子部品Cのマークmと基板SのマークMの撮像を行なうことが可能となる。
このため、マークm、Mを撮像する際の電子部品C(実装ヘッド31)及び基板S(基板支持機構2)の移動量、および、マークm、Mの撮像後の電子部品C(実装ヘッド31)と基板S(基板支持機構2)の相対的な移動量を極力短くすることができる。従って、実装ヘッド31や基板支持機構2を、長い距離を移動させることによる誤差の拡大を抑えることができる。また、機構の移動距離が長いほど発生するパーティクルが多くなるが、本実施形態では、移動距離を抑えることができるので、パーティクルによって清浄度が低下して接合不良が発生することを防止できる。
ここで、実装ヘッド31越しにマークMを撮像するのではなく、実装ヘッド31に隣接して設けられたカメラによって撮像する場合、高倍率のカメラを用いて高い要求精度を実現することは、現実的に不可能である。つまり、基板SのマークMが付される領域は、電子部品Cが実装される領域よりも数ミリ程度の大きい範囲に過ぎず、実装ヘッド31の径もマークMが付される領域よりも数ミリ程度大きい径に過ぎない。このため、カメラの鏡筒を実装ヘッド31に隣接して配置したとしても、カメラの視野範囲に複数のマークMが入らず、複数のマークMをカメラで同時に撮像することはできない。
すると、基板Sの複数(2つ)のマークMを撮像するためには、実装ヘッド31を2つのマークMの離間距離よりも大きくカメラ(実装ヘッド31)を移動させる必要があり、この移動の際に誤差が生じることになる。つまり、電子部品Cのマークmを認識して位置合わせした後に、基板SのマークMを認識するために、実装ヘッド31とともにカメラを移動させなければならず、その後、元の位置に戻したとしても、電子部品Cの位置にずれが生じる可能性がある。
これに対処するため、基板SのマークMの認識と位置合わせを先に行なうと、基板Sが実装すべき位置にある状態では電子部品Cの位置認識ができないので、位置合わせをした後の基板Sを動かさなくてはならず、基板Sの位置ずれが生じる。
さらに、実装すべき位置とは異なる位置に、基板SのマークMに対応するマークが付されたテンプレートを用意しておき、このテンプレートのマークと基板SのマークMの相対位置に基づいて、位置決めすることも考えられる。しかし、この場合には、電子部品Cを実装する度に、テンプレートのマークを認識するために実装ヘッド31とカメラを移動させなければならない。すると、テンプレートのマークの認識に要する時間と位置決めに要する時間が余計にかかるので、生産性が低下する。また、機構の移動距離が増大するため、パーティクルの発生量も増える。
本実施形態では、マークm、Mの撮像後は、電子部品C及び基板Sの移動距離を抑えることができるので、位置ずれ、生産性の低下、パーティクルの発生量のいずれも抑えることができる。
(17)透過部は、透明な板状部材を有する。このため、微小な電子部品Cの大きさに対応する狭い領域において、電子部品Cの保持と基板SのマークMの透過的な撮像の確保を実現できる。
(18)第1の撮像部4及び第2の撮像部5は、実装位置OAに対して不動に設けられている。このため、第1の撮像部4の撮像領域及び第2の撮像部5の撮像領域にずれが生じることがなく、移動によるパーティクルの発生も防止できる。
[変形例]
(1)アーム部71における延出部711の開口711eは、負圧の供給、すなわち吸引が行われる連通孔711dとは共通でも異なるものであってもよい。開口711eを連通孔711dと共通にする場合、例えば、図11に示すように、接続チューブ735aやケーブル734cは、チューブ712内に挿入され、チューブ712内を通って連通孔711dから出た後、吸気孔733aから引き出されてピックアップコレット72に接続される。このように、接続チューブ735aやケーブル734cが、チューブ712内を通っていると、ピックアップコレット72の反転時やアーム部71の移動時に、接続チューブ735aと吸気孔733a及びチューブ712との摺動によって発生するパーティクルがチューブ712の内部に留まる。このため、アーム部71に継ぎ目があったとしてもアーム部71の外部にパーティクルが拡散するのを防ぎ、周囲の部材へのパーティクルの付着を低減できる。
(2)チューブ712は設けなくてもよい。この場合、延出部711の内部の空間がチューブ712の代わりとなり、基体部713側に設けられた空気圧回路によって延出部711の内部の空間に負圧が供給され、吸引力を働かせることができる。例えば、基体部713側に設けられた空気圧回路によって、基体部713側の空間から連通孔711dを介して回転軸730aを含む空間に負圧が供給され、吸引力を働かせることができる。
(3)緩衝部材734bとして、流体シリンダを用いてもよい。この場合、緩衝部材734bには動力となる流体(気体や液体)を供給する配管が接続されていればよい。また、緩衝部材734bとして、バネやゴムなどの弾性部材を用いてもよい。この場合、動力を供給するケーブル734cに相当する供給ラインは省略することができる。
(4)吸気孔733aの位置は、支持部732(回転体733)の回転の軸に面する位置であればよい。このため、回転の軸と吸気孔733aの中心とが同心である必要はなく、回転の軸の近傍であってもよい。吸気孔733aと接続チューブ735a、ケーブル734cとは、支持部732が回転しても、吸気孔733aとの接触を維持しながら相対的な位置を変えずに回転する限り、当該接触部分における摺動によるパーティクルの発生は抑えることができる。
(5)ピックアップコレット72は、XY平面に平行な方向、つまり電子部品Cの天面(ウェーハシートWSの表面)に平行な方向(θ方向)に回転可能に設けられていてもよい。この場合、ピックアップコレット72をθ方向に回転させるモータに電力を供給するケーブルが、チューブ712内を通って、吸気孔733aから引き出されて、モータに接続されるように構成する。これにより、ピックアップコレット72の反転時やアーム部71の移動時に、ケーブルと吸気孔733a及びチューブ712との摺動によって発生するパーティクルが、アーム部71の外部に出ないため、周囲に影響を与えない。
(6)供給部6は、ウェーハシートWSに貼り付けられた電子部品Cを供給する装置には限定されない。例えば、トレイ上に配列された電子部品Cを供給する装置であってもよい。また、移送機構74の構成についても、供給部6から電子部品Cを個別にピックアップして移送できればよい。このため、アーム部71がX軸及びY軸方向に移動する構成であっても、支持機構61がX軸及びY軸方向に移動する構成であってもよい。
(7)移送機構74において、アーム部71を駆動させる駆動部は、リニアモータを駆動源とする機構には限定されない。軸が回転するモータを駆動源とするボールねじやベルトによる機構であってもよい。このような機構の場合、摺動部SLを含むことになるので、平面視で載置面Fに重なりの無い位置に設けることが好ましい。さらに、摺動部SLを、載置面Fの高さ位置よりも低い位置に設けることが好ましい。なお、摺動部SLが複数ある場合に、一部の摺動部SLが、平面視で載置面Fに重なりの無い位置に設けられていなくてもよい。また、一部の摺動部SLが、載置面Fの高さ位置よりも低い位置に設けられていなくてもよい。このような場合、摺動部SLと載置面Fとの間に、外装、壁、他の構成部等の遮蔽物を設けることが好ましい。また、摺動部SLと載置面Fとの距離を長くすることが好ましい。
(8)実装ヘッド31は、第2の撮像部5が、基板SのマークMを撮像できる構成となっていればよい。このため、実装ヘッド31の透過部が、透明な材料で形成されていなくても、マークMに対応する箇所に貫通孔が形成されていてもよい。より具体的には、保持部31bが不透明な部材で形成されていて、マークMに対応する箇所に貫通孔が形成されていてもよいし、中空部31aが存在せず、かつ、保持部31bが不透明な部材で形成されていて、実装ヘッド31及び保持部31bのマークMに対応する箇所に貫通孔が形成されていてもよい。つまり、このような貫通孔も実装ヘッド31の透過部である。
(9)第1の撮像部4や第2の撮像部5は、電子部品Cが実装される位置(実装位置OA)に対して移動可能に設けられていてもよい。つまり、電子部品Cの複数のマークmや基板Sの複数のマークMを一括して撮像することができない場合には、第1の撮像部4や第2の撮像部5がマークm間又はマークM間を移動して撮像するように構成してもよい。すなわち、第1の撮像部4にマークm間で移動させるための移動装置を設けたり、第2の撮像部5にマークM間で移動させるための移動装置を設けたりしてもよい。この場合であっても、移動距離は電子部品Cや基板Sの実装領域Bの大きさの範囲に留まり短いため、誤差やパーティクルの発生を抑えることができる。
(10)電子部品Cのマークmの位置と基板Sの実装領域BのマークMの位置をそれぞれ基準位置に位置合わせするものとしたが、これに限られるものではなく、電子部品Cの位置に実装領域Bの位置を合わせたり、実装領域Bの位置に電子部品Cの位置を合わせたりしてもよい。要は、基板Sの実装領域Bの位置と電子部品Cの位置を合わせることができればよい。
(11)基板支持機構2のステージ21に対する基板Sの受け渡しは、実装位置OAで行なうようにしてもよい。この場合には、ステージ21に基板Sが供給された後、第1の撮像部4による電子部品Cのマークmの撮像に先立って、基板Sを実装位置OAから退避させるようにするとよい。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
1 実装装置
2 基板支持機構
3 実装機構
4 第1の撮像部
5 第2の撮像部
6 供給部
7 ピックアップ装置
8 制御装置
11 支持台
11a 収容孔
21 ステージ
22 駆動機構
22a、22b、33a、34a、35a、62a、62b ガイドレール
23 移動板
23a 貫通孔
31 実装ヘッド
31a 中空部
31b 保持部
32 駆動機構
33、34、35 移動体
61 支持機構
61a リングホルダ
62 駆動機構
71 アーム部
711 延出部
711a 第1の貫通孔
711b 第2の貫通孔
711c 隔壁
711d 連通孔
711e 開口
712 チューブ
713 基体部
72 ピックアップコレット
73 反転駆動部
730 軸部
730a 回転軸
730b 支柱
730c 第1の開口部
730d 第2の開口部
731 駆動源
732 支持部
733 回転体
733a 吸気孔
734 緩衝部
734a ブラケット
734b 緩衝部材
734c ケーブル
735 着脱部
735a 接続チューブ
74 移送機構
741 固定体
742 第1の駆動部
742a 第1の駆動源
742b 第1の摺動部
743 移動体
744 第2の駆動部
744a 第2の駆動源
744b 第2の摺動部

Claims (11)

  1. 電子部品を保持してピックアップするピックアップコレットと、
    一端に前記ピックアップコレットが設けられた中空のアーム部と、
    前記ピックアップコレットを支持する支持部と、前記アーム部に設けられた貫通孔を介して前記アーム部の内部の空間から突出して前記支持部に接続する回転軸とを有し、前記支持部を前記回転軸によって回転させることにより、前記ピックアップコレットを反転させる反転駆動部と、
    を有し、
    前記アーム部の内部において前記回転軸を含む空間と前記アーム部の外部の空間に連通する位置に、負圧を供給する吸気孔が設けられていることを特徴とするピックアップ装置。
  2. 前記回転軸は、内部に空間を有する中空部材であり、前記アーム部の内部の空間に面する第1の開口部と、前記第1の開口部に連通し、前記アーム部の外部の空間に面する第2の開口部と、を有し、
    前記吸気孔は、前記支持部において、前記第2の開口部に面する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のピックアップ装置。
  3. 前記吸気孔は、前記貫通孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のピックアップ装置。
  4. 前記アーム部に内蔵され、前記回転軸を含む空間に負圧を供給するチューブを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のピックアップ装置。
  5. 前記アーム部の内部の空間を、前記回転軸を含む空間に仕切る隔壁と、
    前記隔壁に、前記回転軸を含む空間に負圧を供給する連通孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のピックアップ装置。
  6. 前記アーム部に内蔵され、前記回転軸を含む空間に負圧を供給するチューブを有し、前記チューブは、前記連通孔に接続されていることを特徴とする請求項5記載のピックアップ装置。
  7. 前記ピックアップコレットに負圧又は正圧を供給するための接続チューブが、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を通り、前記吸気孔から引き出されて前記ピックアップコレットに接続されていることを特徴とする請求項2記載のピックアップ装置。
  8. 前記ピックアップコレットは、緩衝部材に接続され、
    前記緩衝部材に電力を供給するケーブルが、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を通り、前記吸気孔から引き出されて、前記緩衝部材に接続されていることを特徴とする請求項2記載のピックアップ装置。
  9. 前記第1の開口部は、前記回転軸の軸中心を中心として中心角が180°以上の円周面を切り欠いた開口であること、を特徴とする請求項7又は請求項8記載のピックアップ装置。
  10. 電子部品を保持してピックアップするピックアップコレットと、
    一端に前記ピックアップコレットが設けられた中空のアーム部と、
    前記ピックアップコレットを支持する支持部と、前記アーム部に設けられた貫通孔を介して前記アーム部の内部の空間から突出して前記支持部に接続する回転軸とを有し、前記支持部を前記回転軸によって回転させることにより、前記ピックアップコレットを反転させる反転駆動部と、
    を有し、
    前記アーム部の内部の空間に負圧を供給する空気圧回路が設けられていることを特徴とするピックアップ装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のピックアップ装置と、
    前記ピックアップ装置に前記電子部品を供給する供給部と、
    前記ピックアップ装置から渡された前記電子部品を保持する実装ヘッドが、実装位置において前記電子部品を基板に実装する実装機構と、
    前記電子部品が実装される前記基板を支持する基板支持機構と、
    を有することを特徴とする電子部品の実装装置。
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