JP2001332897A - 電子部品吸着ノズルおよびその製造方法 - Google Patents

電子部品吸着ノズルおよびその製造方法

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JP2001332897A
JP2001332897A JP2001068829A JP2001068829A JP2001332897A JP 2001332897 A JP2001332897 A JP 2001332897A JP 2001068829 A JP2001068829 A JP 2001068829A JP 2001068829 A JP2001068829 A JP 2001068829A JP 2001332897 A JP2001332897 A JP 2001332897A
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metal
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nozzle
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JP2001068829A
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English (en)
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Tetsuya Otsuki
哲也 大槻
Tae Yanagihara
妙 柳原
Yoshiaki Sakashita
好顕 阪下
Terubumi Sato
光史 佐藤
Riichi Nishide
利一 西出
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Nagase and Co Ltd
Teikoku Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nagase and Co Ltd
Teikoku Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル吸着面の摩耗を防止し得し、かつノ
ズル基材に対し、容易に耐摩耗性を付与し得る電子部品
吸着ノズルおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 耐摩耗性に優れる電子部品吸着ノズルお
よびその製造方法が開示されている。本発明のノズル
は、ノズル基材の吸着面に、ジルコニウム成分とジルコ
ニウム以外の金属成分とを含有する金属酸化物薄膜を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品吸着ノズル
およびその製造方法に関し、より詳細には電子部品装着
工程の繰り返しによる吸着面の摩耗を防止し得る電子部
品吸着ノズルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品装着機には、所要の電子部品を
吸着し、回路基板の所定個所に装着するための電子部品
吸着ノズルが用いられている。
【0003】従来、例えば、図1に示されるように電子
部品吸着ノズル1は、超硬金属製のノズルの先端(吸着
面)に所定形状のノズル開口10が形成されてなる。
【0004】このノズル開口10は、その面上において
対称的に設けられたスリットにより、電子部品に吸着力
の作用する吸着部分と電子部品を受け止める支持部分と
が交互にかつ均等に分散配置された構成を有する。この
ような構成により、電子部品の大小を問わず吸着するこ
とができ、そして吸着位置ずれにも対応することができ
る。
【0005】しかし、このような電子部品吸着ノズル
は、電子部品を装着する工程を繰り返すことにより、吸
着面そのものが摩耗し、その結果、電子部品自体が吸着
できない、または吸着したとしても位置ずれが発生し、
所望の精度で電子部品を回路基板上に配置することがで
きないなどの問題があった。
【0006】このような摩耗の問題を回避するために、
近年の電子吸着ノズルには、その吸着面にダイヤモンド
コーティングが施されている。しかし、このようなコー
ティングは一般に高価でかつ高度コーティング技術を必
要とするものであり、経済性に優れるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題の
解決を課題とするものであり、その目的とするところは
ノズル吸着面の摩耗を防止し得し、かつノズル基材に対
し、容易に耐摩耗性を付与し得る電子部品吸着ノズルお
よびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノズル基材の
吸着面に、ジルコニウム成分とジルコニウム以外の金属
成分とを含有する金属酸化物薄膜を有する、電子部品吸
着ノズルである。
【0009】1つの実施形態においては、上記金属酸化
物薄膜は、アミノポリカルボン酸とジルコニウム化合物
とから形成されるジルコニウム錯体またはジルコニウム
塩とアミンとの塩であり、該ジルコニウム以外の金属成
分がジルコニウム以外の金属を含む化合物であり、そし
て該組成物の全金属成分のうち、該ジルコニウム成分が
酸化ジルコニウム換算で70モル%〜98モル%の割合
で含有されかつ該ジルコニウム以外の金属成分が該金属
の酸化物換算で2モル%〜30モル%の割合で含有され
る、組成物由来の膜であり;酸化ジルコニウムとジルコ
ニウム以外の金属の酸化物との固溶体でなり;そして該
ジルコニウム以外の金属の酸化物が該固溶体の成分とし
て、2モル%〜30モル%の割合で含有される。
【0010】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ウム化合物は、ジルコニウムアルコキシド、および有機
酸または無機酸のジルコニウム塩からなる群より選択さ
れる少なくとも1種である。
【0011】1つの実施形態においては、上記組成物
は、上記ジルコニウム成分とジルコニウム以外の金属成
分とを極性溶媒中に含有する液状の組成物である。
【0012】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ウム以外の金属成分は、Y、Mg、Ca、Sc、Ceま
たはSrを含む化合物からなる群より選択される少なく
とも1種である。
【0013】本発明はまた、電子部品吸着ノズルの製造
方法であって、アミノポリカルボン酸とジルコニウム化
合物とから形成されるジルコニウム錯体またはジルコニ
ウム塩とアミンとの塩であり、該ジルコニウム以外の金
属成分がジルコニウム以外の金属を含む化合物であり、
そして該組成物の全金属成分のうち、該ジルコニウム成
分が酸化ジルコニウム換算で70モル%〜98モル%の
割合で含有されかつ該ジルコニウム以外の金属成分が該
金属の酸化物換算で2モル%〜30モル%の割合で含有
される、組成物をノズル基材の吸着面に付与し、塗膜を
形成する工程;および該ノズル基材上に形成された塗膜
の組成物を結晶化させることにより、ジルコニウム成分
とジルコニウム以外の金属成分とを含有する金属酸化物
薄膜を形成する工程; を包含する。
【0014】1つの実施形態においては、上記組成物
は、スピンコート法、ディップコート法、またはスプレ
ーコート法により上記ノズル基材上に付与される。
【0015】1つの実施形態においては、上記結晶化
は、上記塗膜を有する上記ノズル基材を熱処理、光処
理、または化学的処理することにより行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0017】本発明の電子部品吸着ノズルは、ノズル基
材の吸着面に、ジルコニウム成分とジルコニウム以外の
金属成分とを含有する金属酸化物薄膜を有する。
【0018】本発明に用いられるノズル基材は、当該分
野一般において使用される超硬金属(例えば、ステンレ
ス鋼)でなる。ノズル基材自体の形状もまた、特に限定
されず、例えば、図1に示されるような形状のものが使
用される。
【0019】本発明において形成される上記金属酸化物
膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10nm
〜300nm、より好ましくは40nm〜140nmで
ある。金属酸化物膜の厚みが10nmを下回ると、得ら
れる電子吸着ノズルは、充分な耐摩耗性を奏しない恐れ
がある。他方、金属酸化物膜の厚みが300nmを上回
ると、電子部品吸着ノズル自体の製造コストが上昇する
のみである。
【0020】本発明に用いられる金属酸化物膜は、アミ
ノポリカルボン酸とジルコニウム化合物とから形成され
るジルコニウム錯体またはジルコニウム塩とアミンとの
塩であり、該ジルコニウム以外の金属成分がジルコニウ
ム以外の金属を含む化合物であり、そして該組成物の全
金属成分のうち、該ジルコニウム成分が酸化ジルコニウ
ム換算で70モル%〜98モル%の割合で含有されかつ
該ジルコニウム以外の金属成分が該金属の酸化物換算で
2モル%〜30モル%の割合で含有される、組成物から
製造される。
【0021】上記組成物に含有されるジルコニウム成分
は、アミノポリカルボン酸とジルコニウム化合物とから
形成されるジルコニウム錯体またはジルコニウム塩と、
アミンとの塩である。
【0022】上記アミノポリカルボン酸としては、エチ
レンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、
1,2−プロパンジアミン四酢酸、1,3−プロパンジ
アミン四酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン
三酢酸、N,N’−ジヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン二酢酸、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン
四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢
酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシエチルイミノ
二酢酸、カルボキシエチルイミノ二プロピオン酸、イミ
ノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイ
ミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、
メトキシエチルイミノ二酢酸、アラニン−N,N−二酢
酸、セリン−N,N−二酢酸、イソセリン−N,N−二
酢酸、アスパラギン酸−N,N−二酢酸、グルタミン酸
−N,N−二酢酸などが挙げられるが、これに限定され
ない。
【0023】上記ジルコニウム化合物としては、ジルコ
ニウムアルコキシド、および有機酸または無機酸のジル
コニウム塩が好ましい。これらのうちジルコニウムアル
コキシドとしては、テトラメトキシジルコニウム、テト
ラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコ
ニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ
イソブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジル
コニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テ
トラ−t−ブトキシジルコニウムなどが挙げられ、有機
酸または無機酸のジルコニウム塩としては、酢酸ジルコ
ニウム、プロピオン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセ
チルアセトナート、ステアリン酸ジルコニウム、オキシ
塩化ジルコニウム八水和物、オキシ硝酸ジルコニウム二
水和物、硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム四水和
物、オキシ酢酸ジルコニウムなどが挙げられるが、これ
に限定されない。
【0024】上記アミンとしては、メチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチ
ルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、
t−ブチルアミン、ぺンチルアミン、ヘキシルアミン、
ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、アミルアミン、ジアミルアミン、ジブチルアミン、
ジ−sec−ブチルアミン、ジ−ter−ブチルアミ
ン、エチルブチルアミン、エチルプロピルアミン、ジヘ
キシルアミン、ジオクチルアミン、ベンジルアミン、ア
ニリン、ジメチルアニリン、フェニルメチルアミン、フ
ェニルエチルアミン、アミノピリジン、ジメチルアミノ
ピリジンなどが挙げられるがこれらに限定されない。こ
れらは単独で用いてもよく、2以上を組合せて用いても
よい。
【0025】上記組成物に含有されるジルコニウム以外
の金属成分は、ジルコニウム以外の金属を含む化合物
(以下、他の金属化合物という場合がある)である。そ
のような化合物に含有される金属としては、イットリウ
ム(Y)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(C
a)、スカンジウム(Sc)、セリウム(Ce)、スト
ロンチウム(Sr)などがある。このような金属を含む
アルコキシド、カルボン酸塩などが好ましく用いられ
る。そのような化合物としては、トリメトキシイットリ
ウム、トリエトキシイットリウム、トリ−イソプロポキ
シイットリウム、炭酸イットリウム、酢酸イットリウ
ム、シュウ酸イットリウム、ジメトキシマグネシウム、
ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、
ジイソプロポキシマグネシウム、ジイソブトキシマグネ
シウム、ジブトキシマグネシウム、酢酸マグネシウム、
炭酸マグネシウム、ジメトキシカルシウム、ジエトキシ
カルシウム、ジイソプロポキシカルシウム、ジプロポキ
シカルシウム、ジイソブトキシカルシウム、ジ−sec
−ブトキシカルシウム、ジ−t−ブトキシカルシウム、
炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、シュウ酸スカンジウ
ム、水酸化スカンジウム、炭酸セリウム、シュウ酸セリ
ウム、ジメトキシストロンチウム、ジエトキシストロン
チウム、ジイソプロポキシストロンチウム、ジ−n−ブ
トキシストロンチウム、炭酸ストロンチウム、シュウ酸
ストロンチウム、硝酸ストロンチウムなどが挙げられる
がこれらに限定されない。
【0026】本発明に用いられる組成物は、好ましく
は、上記ジルコニウム成分とジルコニウム以外の金属成
分とを極性溶媒中に含有する液状の組成物である。上記
ジルコニウム成分であるジルコニウム錯体またはジルコ
ニウム塩とアミンとの塩は、上記アミノポリカルボン
酸、ジルコニウム化合物、およびアミンにより形成され
る。上記液状の組成物は、具体的には、上記アミノポリ
カルボン酸、ジルコニウム化合物、およびアミンを極性
溶媒中で加熱することによって得た溶液(ジルコニウム
成分の溶液)と、ジルコニウム以外の金属化合物とを混
合することによって得られる。あるいは、ジルコニウム
以外の金属化合物を、アミノポリカルボン酸とアミンと
ともに極性溶媒中で加熱して得た溶液とジルコニウム成
分の溶液とを混合することも好ましい。あるいは、ジル
コニウム以外の金属化合物とアミノポリカルボン酸との
反応よって、該金属の錯体または塩を形成してこれを単
離し、該錯体または塩とアミンとを極性溶媒中で加熱す
ることにより得た溶液を使用してもよい。必要に応じ
て、これらの溶液には酸化剤が加えられる。
【0027】上記極性溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、水などが好適に用いられるが、これらに限定されな
い。これらの極性溶媒は、単独で用いてもよく、2種以
上組合せて用いてもよい。このような極性溶媒中に上記
成分を含有する組成物は、好ましくは透明である。
【0028】本発明に用いられる組成物中には、ジルコ
ニウム成分が、該組成物の全金属成分のうち、70〜9
8モル%(酸化ジルコニウム換算)の割合で、そしてジ
ルコニウム以外の金属成分が2〜30モル%(該金属の
酸化物換算)の割合で含有される。このような割合で上
記成分が含有されると、この組成物由来の金属酸化物薄
膜を調製したときに、該薄膜は酸化ジルコニウムとジル
コニウム以外の金属の酸化物との固溶体で形成され、各
成分は上記の割合で固溶体の成分として薄膜中に含有さ
れることとなる。
【0029】ジルコニウム以外の金属成分の量が過剰で
あると、形成された薄膜中に、ジルコニウム以外の金属
の酸化物が固溶体を形成していない状態で混在するよう
になる。このような薄膜を有する基材は、化学的安定
性、熱安定性、および機械強度に劣る。
【0030】上記組成物には必要に応じて、過酸化水
素、オゾンなどの酸化剤が添加されていてもよい。
【0031】本発明の電子部品吸着ノズルは、以下のよ
うにして製造される。
【0032】まず、上記ノズル基材の吸着面に、上記組
成物を含む極性溶媒溶液が付与(塗布)される。塗布の
方法に制限はなく、当業者が金属酸化物薄膜を製造する
に際して、基材の形態、形状に応じて適宜選択して用い
る塗布方法、例えば、スピンコート法、ディップコート
法、スプレーコート法等を用いて塗布される。
【0033】次いで、上記組成物が付与された基材を熱
処理、光処理、化学的処理などにより処理することによ
り、該組成物の結晶化が進行する。そのことにより、ノ
ズル基材の表面に酸化ジルコニウムを主成分とする金属
酸化物薄膜が形成される。これらの処理は単独で行って
もよいし、2以上を組合せて行ってもよい。
【0034】上記熱処理とは、有機物が燃焼する温度以
上の熱を与える処理である。好ましくは、一般的には、
約400℃〜1200℃の熱処理であり、使用する基材
の耐熱温度以下で処理を行う。
【0035】光処理とは、レーザー照射、紫外線照射等
の処理であり、基材の耐熱温度に左右されない処理方法
である。
【0036】化学的処理とは、酸または塩基による処
理、および水蒸気による処理を含み、比較的低い処理温
度で処理する方法である。
【0037】上記結晶化方法は、例示であり、これらに
限定されるものではない。
【0038】このようにしてノズル基材に形成される上
記金属酸化物薄膜は、主として酸化ジルコニウムで構成
され、ジルコニウム以外の金属の酸化物が2〜30モル
%の割合で含有される固溶体でなる。このような薄膜は
結晶構造が安定化されているため、本発明の電子部品吸
着ノズルは、耐摩耗性、熱安定性(耐熱性)および機械
強度に優れる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。
【0040】(製造例1) アミノポリカルボン酸とジルコニウム化合物から形成さ
れる金属錯体とアミンとの塩を含む溶液(ジルコニアプ
レカーサー)の調製 100ml四ツ口フラスコにエタノール53.03gお
よびニトリロ三酢酸4.65gを仕込み、攪拌しながら
ジルコニウム−n−ブトキシド(純度87%)10.7
4gを滴下した。続いて、ブチルアミン3.56gを滴
下し、還流温度で1時間反応を行った。そして 40℃
まで冷却後、30%過酸化水素水3.04gを滴下し、
還流温度で1時間反応を行うことにより表題の塩を含む
赤橙色透明溶液(ジルコニアプレカーサー)を得た。
【0041】このジルコニアプレカーサー中におけるジ
ルコニウム(Zr)含量は2.96重量%であった。
【0042】(製造例2) ジルコニウム以外の金属(カルシウム)化合物およびア
ミノポリカルボン酸の錯体とアミンとの塩(カルシアプ
レカーサー(A))の調製 (1)500ml四ツ口フラスコにイオン交換水300
gを入れ、75〜80℃に加熱した。続いて、エチレン
ジアミン四酢酸6.31gを加えた後、酢酸カルシウム
1水和物3.81gをゆっくりと加えた。酢酸カルシウ
ム投入により溶解が進み、しばらくすると無色透明とな
った。75〜80℃で1時間攪拌した後、エタノール2
5gをゆっくりと加え、室温まで放冷した。そして析出
した白色の固体をろ取し、イオン交換水10gおよびエ
タノール5gで順次洗浄し、40℃の送風乾燥機で乾燥
することにより、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二
水和物を得た。収量6.03g。
【0043】(2)100ml四ツ口フラスコに(1)
項で得たエチレンジアミン四酢酸カルシウム二水和物
5.13gとエタノール62.72gとを入れ、攪拌し
ながらブチルアミン2.15gを加えた。そして、還流
温度で6時間攪拌することにより無色透明溶液を得た。
このようにして得られたカルシアプレカーサーのICP
発光分析(誘導結合プラズマ発光分析)を行ったとこ
ろ、該プレカーサー中におけるカルシウム(Ca)含量
は0.80重量%であった。このカルシアプレカーサー
(A)は室温で1年間保管したが、安定であった。
【0044】(製造例3) カルシアプレカーサー(B)の調製 100ml四ツ口フラスコに製造例2(1)項で得たエ
チレンジアミン四酢酸カルシウム二水和物7.7gとエ
タノール31.1gとを入れ、攪拌しながらブチルアミ
ン3.2gを加えた。そして、還流温度で4時間攪拌す
ることによりカルシアプレカーサー(B)を得た。この
ようにして得られたカルシアプレカーサーのICP発光
分析を行ったところ、該プレカーサー中におけるカルシ
ウム(Ca)含量は1.43重量%であった。このカル
シアプレカーサー(B)は室温で1年間保管したが、安
定であった。
【0045】(製造例4) マグネシアプレカーサーの調製 100ml四ツ口フラスコに、エタノール58.5g、
ニトリロ三酢酸7.1g、およびマグネシウムエトキシ
ド4.2gを入れ、攪拌しながらジブチルアミン4.8
gを加えた。これを還流温度で4時間攪拌することによ
りマグネシアプレカーサーを得た。このようにして得ら
れたマグネシアプレカーサーのICP発光分析を行った
ところ、該プレカーサー中におけるマグネシウム(M
g)含量は1.27重量%であった。このマグネシアプ
レカーサーは室温で1年間保管したが、安定であった。
【0046】(製造例5) ストロンチアプレカーサーの調製 (1)Sr−EDTA塩の合成 500ml四ツ口フラスコにイオン交換水250gを入
れ、80℃に加熱し、酢酸ストロンチウム0.5水和物
6.5gを攪拌しながら加えて透明な溶液を得た。次い
で、エチレンジアミン四酢酸8.8gを加えて80℃で
1時間攪拌した後、エバポレーターを用いて濃縮し、析
出した結晶を濾取した。このようにして得られた結晶を
エタノールで洗浄後乾燥することにより、11.0gの
エチレンジアミン四酢酸ストロンチウム塩を得た。
【0047】(2)ストロンチアプレカーサーの合成 50mlナス型フラスコに、(1)項で得たエチレンジ
アミン四酢酸ストロンチウム塩3.45gおよびメタノ
ール4.0gを入れ、攪拌しながらブチルアミン1.2
3gを加えた。そして、2時間還流することにより透明
溶液を得た。このようにして得られたストロンチアプレ
カーサーのICP発光分析を行ったところ、該プレカー
サー中におけるストロンチウム(Sr)含量は6.26
重量%であった。このストロンチアプレカーサーは室温
で1年間保管したが、安定であった。
【0048】(比較製造例1) ゾルゲル法ジルコニアゾルの製造 100ml四ツ口フラスコにエタノール80.09gを
入れ、攪拌しながらジルコニウム−n−ブトキシド(8
7%)8.35gを滴下した後、60%硝酸0.52g
とイオン交換水0.39gとの混合物を室温で滴下し
た。そして、室温で2時間かき混ぜることによりジルコ
ニアゾルを得た。ゾル中のジルコニウム(Zr)含量は
1.93重量%であった。この溶液を室温で1日保管す
ると乳白色溶液となり、3日後には沈殿が生じた。
【0049】(比較製造例2) カルシアゾルの製造 30mlナス型フラスコにエタノール7.54g、酢酸
カルシウム1水和物0.149gを入れ、攪拌しながら
60%硝酸0.12gを滴下した。室温で1時間かき混
ぜることにより無色透明なカルシアゾルを得た。ゾル中
のカルシウム(Ca)含量は0.44重量%であった。
【0050】(実施例1)上記製造例1および3で調製
したジルコニアプレカーサーおよびカルシアプレカーサ
ー(B)を、表1に記載の割合で混合して、塗布液を調
製した。
【0051】得られた塗布液の状態と、室温で一日保管
後の状態(保存安定性)を評価した。 ○:室温で一日保管後、沈殿を生じなかった。 ×:室温で一日保管後、沈殿を生じた。
【0052】この塗布液を、10cm×10cm(厚み
1.0mm)のステンレス製プレート(基材)上にスピ
ンコート法で塗布し、毎分10℃の昇温速度で100℃
から800℃まで昇温し、800℃で15分間焼成し
た。これにより基材が酸化ジルコニウムを主成分とする
薄膜でコートされたステンレス鋼部材を得た。この部材
を、以下の項目について評価した。
【0053】(1)耐摩耗性試験 基材上の薄膜の耐摩耗性をテーバー式摩耗試験により評
価した。摩耗輪はテーバー式のNo.CS−10Fを使
用し、各摩耗輪の供試体にかかる力は、4.90Nとし
た。表1に示す各回転数における膜の外観を目視で評価
した。 ○:膜が残存している。 △:50%以上膜が剥離している。 ×:膜が完全に剥離している。
【0054】(2)耐酸試験:得られた部材を30℃の
1規定の硫酸水溶液に浸積して、その外観を観察し、以
下の基準で評価した。 ○:膜剥離なし。 △:膜浮きあり。 ×:膜剥離あり。
【0055】(3)耐アルカリ試験:得られた部材を3
0℃の1規定の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して、そ
の外観を観察し、以下の基準で評価した。 ○:膜剥離なし。 △:膜浮きあり。 ×:膜剥離あり。
【0056】実施例1および4については、次に示す耐
熱酸化試験を併せて行なった。
【0057】(4)耐熱酸化試験 検体の部材を毎分10℃の昇温速度で550℃から90
0℃まで昇温させ、900℃で1時間加熱した後、室温
まで冷却する操作を2回行なった。該操作後の基材の薄
膜表面の外観を目視にて評価した。 ○:薄膜表面に光沢がある。 ×:薄膜表面に光沢がない。
【0058】上記評価の結果をまとめて、表1に示す。
後述の実施例2〜4、および比較例1の結果も併せて表
1に示す。
【0059】(実施例2〜4)上記製造例1で調製した
ジルコニアプレカーサーおよび製造例2〜5で調製した
カルシアプレカーサー(A)および(B)、マグネシア
プレカーサー、およびストロンチアプレカーサーのうち
のいずれかを表1に記載の割合で混合して、塗布液を調
製した。以下、実施例1に準じて操作し、表1に示す基
材上に塗布液を塗布し、表1に示す焼成温度および時間
で焼成し、該基材が酸化ジルコニウムを主成分とする薄
膜でコートされた部材を得た。得られた部材の評価を実
施例1と同様に行なった。
【0060】(比較例1)上記で調製したジルコニウム
溶液(比較製造例1)およびカルシウム溶液(比較製造
例2)を、表1に記載の割合で混合して、塗布液を調製
した。以下、実施例1に準じて操作し、表1に示す基材
上に塗布液を塗布し、表1に示す焼成温度および時間で
焼成し、該基材が酸化ジルコニウムを主成分とする薄膜
でコートされた部材を得た。得られた部材の評価を実施
例1と同様に行なった。
【0061】
【表1】
【0062】表1から明らかなように、耐摩耗性試験の
結果、実施例1〜4のステンレス鋼部材は充分な耐摩耗
性を有することがわかる。これに対して、比較例1のゾ
ルゲル法により作成した薄膜を有する部材は、耐摩耗性
に欠けることがわかる。
【0063】さらに、耐酸性および耐アルカリ性試験の
結果から、実施例1〜4のステンレス鋼部材は、比較的
優れた耐酸および耐アルカリ性を有することがわかる。
他方、比較例1のゾルゲル法により作成した薄膜を有す
る部材は、耐アルカリ性に欠けることがわかる。
【0064】(実施例5)上記製造例1および2で調製
したジルコニアプレカーサー10.000gおよびカル
シアプレカーサー0.685gを混合して、塗布液を調
製する。
【0065】次いで、この塗布液を、図1に示されるよ
うな電子部品吸着用ノズル(ノズル基材)の電子部品吸
着面にスピンコート法で塗布し、毎分10℃の昇温速度
で100℃から800℃まで昇温し、800℃で30分
間焼成する。これによりノズル基材が酸化ジルコニウム
を主成分とする薄膜でコートされた電子部品吸着ノズル
を得る。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、電子部品を装着する工
程の繰り返しにより生じ得るノズル吸着面の摩耗を防止
することができる。本発明の電子部品吸着ノズルはま
た、耐酸性および耐アルカリ性のような耐薬品性をも奏
する。このことにより、ノズル自体の耐久性が著しく向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子部品吸着ノズルの一例を説明するた
めの、当該ノズルの斜視図である。
【符号の説明】
電子部品吸着ノズル 1 ノズル開口 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪下 好顕 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 (72)発明者 佐藤 光史 東京都八王子市別所2−29 エストラーセ 長池4−501 (72)発明者 西出 利一 福島県郡山市本町2丁目21番5号 ファー ストパレスIII307号 Fターム(参考) 5E313 AA02 CC03 DD23 DD50 EE24 EE50 FG10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル基材の吸着面に、ジルコニウム成
    分とジルコニウム以外の金属成分とを含有する金属酸化
    物薄膜を有する、電子部品吸着ノズル。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物薄膜が、アミノポリカル
    ボン酸とジルコニウム化合物とから形成されるジルコニ
    ウム錯体またはジルコニウム塩とアミンとの塩であり、
    該ジルコニウム以外の金属成分がジルコニウム以外の金
    属を含む化合物であり、そして該組成物の全金属成分の
    うち、該ジルコニウム成分が酸化ジルコニウム換算で7
    0モル%〜98モル%の割合で含有されかつ該ジルコニ
    ウム以外の金属成分が該金属の酸化物換算で2モル%〜
    30モル%の割合で含有される、組成物由来の膜であ
    り;酸化ジルコニウムとジルコニウム以外の金属の酸化
    物との固溶体でなり;そして該ジルコニウム以外の金属
    の酸化物が該固溶体の成分として、2モル%〜30モル
    %の割合で含有される、請求項1に記載の電子部品吸着
    ノズル。
  3. 【請求項3】 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウ
    ムアルコキシド、および有機酸または無機酸のジルコニ
    ウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であ
    る、請求項2に記載の電子部品吸着ノズル。
  4. 【請求項4】 前記組成物が、前記ジルコニウム成分と
    ジルコニウム以外の金属成分とを極性溶媒中に含有する
    液状の組成物である、請求項2または3に記載の電子部
    品吸着ノズル。
  5. 【請求項5】 前記ジルコニウム以外の金属成分が、
    Y、Mg、Ca、Sc、CeまたはSrを含む化合物か
    らなる群より選択される少なくとも1種である、請求項
    2から4のいずれかに記載の電子部品吸着ノズル。
  6. 【請求項6】 電子部品吸着ノズルの製造方法であっ
    て、 アミノポリカルボン酸とジルコニウム化合物とから形成
    されるジルコニウム錯体またはジルコニウム塩とアミン
    との塩であり、該ジルコニウム以外の金属成分がジルコ
    ニウム以外の金属を含む化合物であり、そして該組成物
    の全金属成分のうち、該ジルコニウム成分が酸化ジルコ
    ニウム換算で70モル%〜98モル%の割合で含有され
    かつ該ジルコニウム以外の金属成分が該金属の酸化物換
    算で2モル%〜30モル%の割合で含有される、組成物
    をノズル基材の吸着面に付与し、塗膜を形成する工程;
    および該ノズル基材上に形成された塗膜の組成物を結晶
    化させることにより、ジルコニウム成分とジルコニウム
    以外の金属成分とを含有する金属酸化物薄膜を形成する
    工程;を包含する、方法。
  7. 【請求項7】 前記組成物がスピンコート法、ディップ
    コート法、またはスプレーコート法により前記ノズル基
    材上に付与される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記結晶化が、前記塗膜を有する前記ノ
    ズル基材を熱処理、光処理、または化学的処理すること
    により行われる、請求項6または7に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2005061188A1 (ja) * 2003-12-19 2007-12-13 松下電器産業株式会社 部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び吸着ノズルの製造方法

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JPWO2005061188A1 (ja) * 2003-12-19 2007-12-13 松下電器産業株式会社 部品装着ヘッド、吸着ノズル、及び吸着ノズルの製造方法
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