JP2000327415A - 強誘電体薄膜形成用組成物 - Google Patents

強誘電体薄膜形成用組成物

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JP2000327415A
JP2000327415A JP11220930A JP22093099A JP2000327415A JP 2000327415 A JP2000327415 A JP 2000327415A JP 11220930 A JP11220930 A JP 11220930A JP 22093099 A JP22093099 A JP 22093099A JP 2000327415 A JP2000327415 A JP 2000327415A
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metal oxide
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Terubumi Sato
光史 佐藤
Riichi Nishide
利一 西出
Hiroki Hara
広樹 原
Kyoko Takai
教子 高井
Yoshiaki Sakashita
好顕 阪下
Tetsuya Otsuki
哲也 大槻
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Teikoku Chemical Industry Co Ltd
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C18/12Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体として有用なチタン含有複合金属酸
化物薄膜形成用の組成物を提供すること 【解決手段】 チタン錯体とアミンとの塩と、チタン以
外の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの塩とを、
チタンと金属の金属とを適切な比率で含むように混合す
ることにより、チタン含有複合金属酸化物薄膜形成用組
成物を得る。配位座数が5以下の配位子を用いて上記チ
タン錯体および金属錯体を作成することにより、高濃度
で金属を含有し、かつ安定な組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合金属酸化物か
らなる強誘電体薄膜を形成するための組成物、該組成物
の製造方法、並びに該組成物を用いる強誘電体複合金属
酸化物薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物の薄膜は、導電体、光触媒な
どとして使用されている。特に、強誘電体として用いる
金属酸化物としては、複数の金属酸化物から構成される
複合金属酸化物が好ましく用いられている。このような
複数の金属成分から成る複合金属酸化物の薄膜を形成す
る有効な方法として、スパッタ法とゾル−ゲル法とが挙
げられる。
【0003】スパッタ法は、ほぼ真空条件下、金属酸化
物の薄層を金属、ガラスなどの基板に付着させる方法で
あり、均一で安定した複合金属酸化物の薄膜を形成する
には好ましい方法である。しかし、ターゲットの組成は
化学量論的なものでなければならないこと、および導入
ガスの種類、ガス圧の設定、並びにスパッタリング出力
の設定が容易ではないなど、方法自体が煩雑であるとい
う問題、装置が複雑、高価で、製造コストが高くなると
いう問題、薄膜の大面積化が難しいなどの問題がある。
【0004】他方、ゾル−ゲル法は、化学的湿式法とし
て知られており、金属アルコキシドを縮合した複数のゾ
ルを化学量論的に混合し、所望の薄膜形成組成物を作成
し、これを基板に塗布し、ゲル化させた後、焼成する方
法である。この方法は、スパッタ法に比較して操作は簡
単であるが、ゾル液の安定性に問題がある。さらに、各
金属アルコキシドを所望の組成になるように混合した
後、縮合してゾルを調製する場合、各々の金属アルコキ
シドの反応性が異なるために、常に均一なゾルを得るこ
とが困難である。従って、簡便な、複合金属酸化物の薄
膜を形成する方法が望まれている。
【0005】特開平2−212308号公報には、複合
金属酸化物の粒子を作成し、ペレットなどの形状に加工
した後、これを圧延して金属酸化物薄膜を製造する手法
が開示されている。すなわち、この公報には、まず、ア
ンモニウム−金属−アミノポリカルボン酸の複数の水溶
液を作成し、これを所望のセラミック金属酸化物を与え
るように化学量論比で混合して、エアロゾルとした後、
フラッシュ分解し、酸化して金属酸化物の粒子を作成
し、次いで得られた金属酸化物の粒子をペレットなどの
形状に加工した後、これを圧延し、薄膜(伝導体フィラ
メント)を製造する方法が記載されている。
【0006】しかし、使用する液が水溶液であるため、
塗布液を基板表面に薄く且つ均一に塗布することができ
ないので薄膜作成のためには使用できないのが実情であ
る。
【0007】これを解決するため、特開平9−2784
89号公報には、金属錯体と配位座数が6以上の配位子
を有するアルキルアミンとの塩を含む金属酸化物薄膜形
成用組成物が提案されている。この公報には、複数の金
属を含む金属酸化物薄膜形成用組成物も記載されてい
る。しかし、得られた複合金属酸化物は、光触媒などの
用途に使用されているにすぎず、強誘電体として利用で
きる複合金属酸化物薄膜は形成されていない。
【0008】また、特開平9−278489号公報に
は、配位座数が6以上の配位子を有するアルキルアミン
との塩を含む金属酸化物薄膜形成用組成物が記載されて
いるが、結晶の析出との関係から、金属錯体または金属
塩の濃度をあまり高くできないという問題もある。金属
錯体または金属塩の濃度をあまり高くできないことは、
実用上、輸送コストの点で不利であり、さらに、他の成
分を併用する場合の組成設計上制約を受けるなどの問題
点も多い。
【0009】そこで、強誘電体として利用できる複合金
属酸化物薄膜の簡便な製法と、高濃度に金属錯体または
金属塩を含有できる組成物が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複合金属酸
化物からなる強誘電体薄膜を形成するための組成物を提
供すること、および、このような組成物であって、高濃
度の金属酸化物を含有できる組成物を提供すること、並
びに、強誘電性の複合金属酸化物薄膜を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、複合金属酸化
物からなる強誘電体薄膜を形成するための組成物であっ
て、2以上の、金属錯体または金属塩とアミンとの塩を
含有しており、焼成によりこの複合金属酸化物がペロブ
スカイト型構造を取り得る組成物に関する。
【0012】好ましい実施態様においては、前記組成物
が、チタン錯体とアミンとの塩と、1または2以上の、
チタン以外の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの
塩とを含有している。
【0013】また、好ましい実施態様においては、前記
チタンと組み合わされる金属が、ビスマス、バリウム、
ジルコニウム、マグネシウム、鉛、銅、およびストロン
チウムからなる群から選択される。
【0014】また、別の好ましい実施態様においては、
前記複合金属酸化物がチタン酸バリウム複合金属酸化物
であり、チタン錯体とアミンとの塩と、バリウム塩とア
ミンとの塩とを含有している。
【0015】さらに、別の好ましい実施態様において
は、前記複合金属酸化物がチタン酸ビスマス複合金属酸
化物であり、チタン錯体とアミンとの塩と、ビスマス錯
体とアミンとの塩とを含有している。
【0016】また、好ましい実施態様においては、前記
複合金属酸化物がチタン酸ジルコン酸鉛複合金属酸化物
であり、チタン錯体とアミンとの塩と、ジルコニウム錯
体とアミンとの塩と、鉛塩とアミンとの塩とを含有して
いる。
【0017】より好ましい実施態様においては、前記チ
タン錯体および金属錯体または金属塩が、配位座数が5
以下の配位子で形成される。
【0018】また、好ましい実施態様においては、前記
配位座数が5以下の配位子がアミノポリカルボン酸、オ
キシカルボン酸またはアミノ酸である。
【0019】好ましい実施態様においては、前記アミン
が、炭素数12以下の脂肪族アミンまたは芳香族アミン
である。
【0020】さらに本発明は、複合金属酸化物からなる
強誘電体薄膜を形成するための組成物であり、かつ、焼
成により該複合金属酸化物がペロブスカイト型構造を取
り得る組成物の製造方法であって、(1)金属の金属錯
体または金属塩とアミンとの塩を、2以上調製する工
程;および、(2)該(1)で得られる、2以上の、金
属錯体または金属塩とアミンとの塩を混合する工程を含
む方法に関する。
【0021】好ましい実施態様においては、前記組成物
がチタンを含有し、 (1)チタン錯体とアミンとの塩を調製する工程; (2)1または2以上の、チタン以外の金属の金属錯体
または金属塩とアミンとの塩を調製する工程; およ
び、 (3)該(1)で得られるチタン錯体とアミンとの塩
と、該(2)で得られる1または2以上の、チタン以外
の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの塩とを混合
する工程を含む。
【0022】より好ましい実施態様においては、前記金
属錯体または金属塩が、配位座数が5以下の配位子で形
成される。
【0023】さらに好ましい実施態様においては、前記
配位座数が5以下の配位子がアミノポリカルボン酸、オ
キシカルボン酸またはアミノ酸である。
【0024】好ましい実施態様においては、前記アミン
が、炭素数12以下の脂肪族アミンまたは芳香族アミン
である。
【0025】さらに好ましい実施態様においては、前記
複合金属酸化物が、チタン酸バリウム複合金属酸化物、
チタン酸ビスマス複合金属酸化物、またはチタン酸ジル
コン酸鉛複合金属酸化物である。
【0026】また、本発明は、複合金属酸化物からなる
強誘電体薄膜を形成する方法であって、 (1)2以上の、金属の金属錯体または金属塩とアミン
との塩を、調製する工程; (2)該(1)で得られる、2以上の、金属錯体または
金属塩とアミンとの塩とを混合して組成物を得る工程; (3)該(2)で得られた組成物を基板上に塗布する工
程; および (4)該組成物が塗布された基板を、該複合金属酸化物
がぺロブスカイト型構造をとるような温度で焼成する工
程;を含む方法に関する。
【0027】好ましい実施態様においては、前記複合金
属酸化物がチタンを含有し、 (1)チタン錯体とアミンとの塩を調製する工程; (2)1または2以上の、チタン以外の金属の金属錯体
または金属塩とアミンとの塩を調製する工程; (3)該(1)で得られるチタン錯体とアミンとの塩
と、該(2)で得られる1または2以上の、チタン以外
の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの塩、とを混
合して組成物を得る工程; (4)該(3)で得られた組成物を基板上に塗布する工
程; および (5)該組成物が塗布された基板を、該複合金属酸化物
がぺロブスカイト型構造をとるような温度で焼成する工
程を含む。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の第一は、複合金属酸化物
からなる強誘電体薄膜を形成するための組成物であっ
て、チタン錯体とアミンとの塩と、チタン以外の金属の
金属錯体または金属塩とアミンとの塩とを含有している
組成物(以下、本発明の組成物ということがある)に関
する。
【0029】複合金属酸化物に用いられる金属種として
は、Ti、Zr、Hf、Mg、Ca、Sr、Li、B
a、Y、La、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、
Sb、Bi、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、
V、Nb、Pd、Ta、Mo、Wなどが挙げられるがこ
れらに限定されない。本発明の組成物には、これらの金
属が2種以上含まれる。
【0030】中でも、チタンを含有する複合金属が強誘
電体薄膜を形成するため好ましく用いられる。チタンと
複合金属酸化物を形成できる金属種としては、Zr、H
f、Mg、Ca、Sr、Li、Ba、Y、La、Al、
Ga、Ge、Pb、Sb、Bi、Fe、Co、Ni、C
u、Ag、V、Nb、Pd、Ta、Mo、Wなどが挙げ
られるがこれらに限定されない。これらの金属は、2種
以上含まれてもよい。
【0031】チタンと複合酸化物を形成する上記の金属
種の中でも、Zr、Mg、Sr、Ba、Pb、Biおよ
びCuが好ましく用いられ、Zr、Sr、Ba、Pbお
よびBiがさらに好ましく用いられる。組み合わせて用
いる場合、2種の組み合わせとしては、例えばTiとB
i、TiとBa、およびTiとPbとの組み合わせが好
ましく、3種の組み合わせとしては、例えばTiとZr
とPb、およびTiとBaとSrとの組み合わせが好ま
しく用いられる。
【0032】本発明の組成物の作成に用いられる金属化
合物としては、金属アルコキシド、金属塩化物、金属硫
酸塩、金属硝酸塩、有機酸金属塩などが挙げられる。中
でも、金属アルコキシドが好ましい。金属アルコキシド
を出発物質として用いた場合には製造工程が単純化され
る。すなわち、溶媒中で、金属アルコキシドと、配位子
と、アミン類とを反応させることにより、1ポットで組
成物を得ることができる。従来の方法が、いったん金属
錯体または金属塩を単離し、改めてアミン類と反応させ
るという2段階の反応からなっていたことを考慮する
と、金属アルコキシドを出発物質として用いる製造方法
は、特に優れている。
【0033】本発明の組成物を作成するために用いられ
るチタン錯体および金属錯体または金属塩を形成する配
位子としては、アミノポリカルボン酸、オキシカルボン
酸、アミノ酸等の酸、並びにこれらの塩などが挙げられ
る。
【0034】アミノポリカルボン酸としては、特に制限
がない。配位座数が5以下の配位子を用いると、含有す
る金属濃度を高く、安定に維持することができ、輸送コ
ストを小さくできるので、好適である。
【0035】配位座数が6以上のアミノポリカルボン酸
としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,2
−プロパンジアミン四酢酸、N−(ヒドロキシエチル)
エチレンジアミン三酢酸、N,N’−(ジヒドロキシエ
チル)エチレンジアミン二酢酸、2−ヒドロキシ−1,
3−プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン
六酢酸など、およびその塩が挙げられる。
【0036】配位座数が5以下のアミノポリカルボン酸
としては、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、
力ルボキシエチルイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミ
ノ二プロピオン酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン
酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチル
イミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸、
アラニン−N,N−二酢酸、セリン−N,N−二酢酸、
イソセリン−N,N−二酢酸、アスパラギン酸−N,N
−二酢酸、グルタミン酸−N,N−二酢酸など、および
その塩が挙げられる。
【0037】オキシカルボン酸は、配位座数が5以下で
あり、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン
酸など、およびその塩が挙げられる。
【0038】アミノ酸は配位座数が5以下であり、アラ
ニン、β−アラニン、グリシン、セリン、イソセリン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、ザルコシン、ロイシ
ン、イソロイシンなどのアミノ酸、およびその塩が挙げ
られる。
【0039】以上のアミノポリカルボン酸、オキシカル
ボン酸、アミノ酸は例示であり、これらに限定されな
い。
【0040】金属化合物とアミンとから金属錯体または
金属塩を作製するには、配位子(例えば、アミノポリカ
ルボン酸またはその塩)を水あるいは溶媒に懸濁あるい
は溶解し、これに金属化合物または金属化合物の溶液を
加える。また、金属化合物の溶液に配位子の粉体、溶液
または懸濁液を加えてもよい。
【0041】チタン塩化物の場合は、必要に応じて加熱
し、攪拌中に空気を反応液中に導入して酸化を促進させ
ながら反応を行って錯体を結晶として回収する。この結
晶を水洗、乾燥して、本発明の組成物の原料として使用
できる。空気を反応液に導入せずに反応を行った場合、
錯体形成がほとんど起こらず、未反応のポリアミノカル
ボン酸を多量に含む結晶しか得られない。
【0042】また、本発明に使用されるチタン錯体は、
配位子(例えば、アミノポリカルボン酸またはその塩)
の懸濁液または溶液とチタン硫酸塩の水溶液を不活性ガ
ス中で加熱攪拌することによっても容易に得られる。こ
の場合、反応を酸化条件下で行うと組成物作製の際、多
量の未溶解物が残るので好ましくない。
【0043】金属アルコキシドを出発材料とする場合、
極性溶媒中に配位子(例えば、アミノポリカルボン酸ま
たはその塩)を懸濁または溶解し、金属アルコキシドを
添加して反応させることにより金属錯体が得られる。な
お、後述のように、この金属錯体を単離せず、そのまま
本発明の組成物の製造に用いてもよい。この方法が最も
効率的である。
【0044】本発明に用いられる金属錯体または金属塩
と塩を形成するアミンとしては、特に制限はないが、好
ましくは脂肪族アミン、芳香族アミンが挙げられる。
【0045】脂肪族アミンとしては、炭素数が12以下
のアルキル基を有する一級または二級アミンが挙げられ
る。アルキル基の炭素数が12を超える場合は有機成分
が多くなり緻密な膜を得ることが困難となる傾向にあ
る。
【0046】このようなアミンとしては、例えば、エチ
ルアミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n
−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−ter−ブ
チルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、アミルアミン、ジアミルアミン、イソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、イソブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、イソアミルアミン、ジイソアミルアミ
ン、エチル−n−ブチルアミン、エチル−n−プロピルア
ミン、エチルイソプロピルアミン、イソプロピル−n−
ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、n−へキシルア
ミン、ジヘキシルアミン、n−オクチルアミンなどが挙
げられるがこれらに限定されない。
【0047】芳香族アミンとしては、ピリジン、4−メ
チルピリジン、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミ
ノピリジンなどのピリジン誘導体、ベンジルアミン、
N,N−ジメチルベンジルアミンなどのベンジルアミン
誘導体、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル
−p−トルイジンなどのアニリン誘導体などが挙げられ
るがこれらに限定されない。
【0048】これらのアミン類は、単独で用いてもよ
く、2以上組み合わせて用いても良い。なお、使用する
アミンの種類により、金属錯体または金属塩のアミン塩
の極性溶媒に対する溶解度が異なる場合がある。そこ
で、極性溶媒とアミンとの組み合わせを選択することも
重要である。組合せは、当業者が適切に選択することが
できる。例えば、直鎖状ジアミンと分岐状ジアミンと
を、例えば、等量混合するか、分岐状ジアミンの量を多
く混合して用いることも好ましい一例である。
【0049】得られた金属錯体または金属塩とアミンと
の塩は、金属錯体または金属塩とアミン類とを溶媒中で
混合することにより得られる。この結果、本発明の組成
物が得られる。
【0050】金属アルコキシドを出発原料として用いた
場合、溶媒中で形成される金属錯体または金属塩を単離
することなく、そのままアミン類を添加して金属錯体ま
たは金属塩と塩を形成させると本発明の組成物が得られ
る。
【0051】本発明の組成物は、上記得られた金属錯体
または金属塩とアミンとの塩とを含有するが、さらに金
属に二酸化物イオンが配位されていることが、溶液の安
定性の観点から好ましい。金属に二酸化物イオンを配位
させるためには、酸化剤で処理すればよい。
【0052】酸化剤としては、過酸化水素、過塩素酸、
オゾン、酸化鉛、過酸化バリウムなどが挙げられるが、
これらに限定されない。
【0053】酸化剤は他の原料と同時に添加してもよ
く、金属錯体または金属塩とアミンとの塩形成後、添加
してもよい。
【0054】本発明の組成物に用いられる溶媒は特に制
限はないが、極性溶媒が好ましい。極性溶媒としては、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノ
ールなどの低級アルコールが挙げられる。必要に応じ
て、低級アルコールと混和する他の溶媒(例えば水、ア
セトンなど)とを混合して用いてもよい。
【0055】本発明の組成物は水を含んでもよいが、こ
のことは、水分を含む物質を加えた場合でも、本発明の
組成物は混合安定性に優れており沈殿などを生じること
がないという利点を示すものである。さらに、本発明の
組成物を塗布し、乾燥の際、空気中の水分による悪影響
を受けることがない。従って、水を含んでも安定である
という性質は、実用上極めて有利な性質である。
【0056】なお、本発明の組成物は、基体上に塗布
し、乾燥させて金属酸化物薄膜を作成するために用いら
れるので、できるだけ低沸点の溶媒が好ましい。
【0057】本発明の組成物において、配位座数が5以
下の配位子を用いて組成物を作成した場合、チタンを例
に取ると、約8.0重量%まで含まれても組成物が結晶
を析出することがない。また、鉛の場合、約9.4重量
%でも結晶を析出しない。このように配位座数が5以下
の配位子を用いて組成物を作成した場合、金属酸化物を
高濃度で含有できるので、より好ましい。
【0058】また、配位座数が5以下の配位子を用いた
場合、生分解性がある。従って、金属酸化物薄膜の製造
工程において環境汚染を防止するという観点からも、配
位座数が5以下の配位子を用いるのは、より有用とな
る。
【0059】本発明の組成物は、チタン錯体と、チタン
以外の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの塩を、
少なくとも1種含むか、2種以上含んでもよい。このよ
うな組成物は、それぞれ異なる金属種とアミンとの塩を
含む組成物を作成した後、混合して得られる。塩の混合
割合は、特に制限がないが、強誘電体となるペロブスカ
イト型構造をとるような比率を選択して、適宜決定すれ
ばよい。
【0060】なお、金属化合物を混合して複合金属錯体
または金属塩を形成後、アミンとの塩を溶媒中で形成さ
せても、本発明の組成物は得られにくい。
【0061】本発明の組成物から形成される薄膜がペロ
ブスカイト型構造をとり得ることから、本発明の組成物
は、強誘電性材料となり得、メモリアルデバイスの製
造、圧電性を利用するトランスデューサーとして用いら
れる。強誘電性材料とするには、焼成温度を550℃〜
800℃で行う。600℃以上が好ましく、700℃近
辺で行われるのがさらに好ましい。本発明の場合、焼成
の過程において低誘電率となるパイロクロア型構造を経
ることなく、ペロブスカイト型構造をとることは注目に
値することである。
【0062】本発明の組成物は基板に塗布され、乾燥さ
れ、焼成されて、複合金属酸化物薄膜が得られる。薄膜
を製造する際、本発明の組成物は、そのまま塗布液とし
て用いてもよい。特に、配位座数が5以下の配位子を用
いた場合、金属濃度を高くできるので、塗布液として用
いるには濃度が高すぎる場合がある。このような場合
は、適切な溶媒で希釈してもよい。希釈する溶媒は、組
成物と同じ溶媒でもよく、異なる溶媒でもよい。
【0063】本発明の組成物あるいは塗布液が塗布され
る基板としては、石英ガラス、ソーダライムガラス、ホ
ウケイ酸ガラスなどのガラス基板、SUS、銅、アルミ
ニウムなどの金属板、アルミナ、シリカ、ジルコニアな
どのセラミックス基板が挙げられる。
【0064】本発明の組成物あるいは塗布液の基板への
塗布は、当業者が用いる適切な方法が採用される。例え
ば、スピン法、ディップ法、流延法のいずれの方法も採
用でき、簡単な装置で、均一で安定な塗膜が形成され
る。焼成前の塗膜は、溶媒(例えば、水、アルコール)
で容易に除去できる。従って、塗り直しできるので、塗
膜生産時の歩留まりが極めてよくなる。
【0065】金属酸化物薄膜は、塗膜を乾燥し、溶媒を
揮発させた後、有機物が燃焼する温度以上で焼成して得
られる。焼成温度は上記の通り、ペロブスカイト型構造
をとるように、550℃〜800℃で行う。600℃以
上が好ましく、700℃近辺で行われるのがさらに好ま
しい。必要に応じて、比較的低温で予備焼成(プリベー
ク)を行うことも均質な薄膜を得る上で有効である。焼
成は、室温から所定の温度まで、温度を高めていく方
法、異なる焼成温度で何段階かに分けて焼成を行う方
法、あるいは、所定温度に設定されている炉に、本発明
の組成物を塗布した基板を投入して行う方法などの方法
で行われる。
【0066】得られた複合金属酸化物薄膜は、ペロブス
カイト型構造を有しているので強誘電体として、メモリ
アルデバイズの製造、圧電性を利用するトランデューサ
ーに用いられる。
【0067】以下、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこの実施例に限定されない。
【0068】
【実施例】(実施例1)チタン酸ジルコン酸鉛複合金属
酸化物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0069】1)チタン錯体とアミンとの塩の調製 90℃に加熱した水250mlに、29.26gのエチ
レンジアミン四酢酸(以下、EDTAという)を懸濁
し、54.0gの塩化チタンを加え、30分撹拌し、紫
色の溶液を得た。反応中、白い結晶が徐々に形成した。
反応中溶液を絶え間無く撹拌した。更に50℃で3時間
撹拌し、生成した白色結晶を濾取し、水洗乾燥して2
3.5gの[Ti(HO)(EDTA)]を得た。2
00mlの三角フラスコに、得られた[Ti(HO)
(EDTA)]を10.62g、シブチルアミンを4.
27g、およびN,N−ジメチルアミノピリジン(DM
AP)を0.37g秤りとり、86.48gの乾燥エタ
ノールを加え、3時間加熱還流し、EDTA−チタン錯
体のジブチルアミン塩を含有する黄色の透明エタノール
溶液を得た。
【0070】2)ジルコニウム錯体とアミンとの塩の調
製 濃塩酸9.85gに水を加えて100mlとしたものを
50.30gとり、撹拌しながら、これに塩化酸化ジル
コニウム8水和物を16.13g加え、透明な液を得
た。他方で、水200mlを80℃に加熱し、EDTA
を14.60g加えて、EDTA水溶液を準備した。こ
のEDTA水溶液に、上記ジルコニウムの溶液を、透明
な溶液を得た。放冷して析出した結晶を濾取し、水、エ
タノール、エチルエーテルで洗浄して、[Zr(EDT
A)(HO)]・2HOが18.34g得られ
た。56.21gのメタノールに、この[Zr(EDT
A)(HO)]・2HOの9.04gと、ジブチ
ルアミンを2.59g加えて90分加熱撹拌し、透明の
ジルコニウム錯体のジブチルアミン塩を含有するメタノ
ール溶液を得た。
【0071】3)鉛塩とアミンとの塩の調製 7.60gの酢酸鉛三水和物を80℃に加熱した水15
0gに溶かし、6.13gのEDTAを加え、同温度で
40分加熱撹拌した。不溶物を取り除いた後、透明な濾
液を濃縮し、析出した結晶を濾取して10.22gのP
b(EDTA)HOを得た。52.36gのエタノー
ルに、得られたPb(EDTA)HOを10.31g
加え、更にジブチルアミンを5.19g加えて3時間加
熱還流し、透明な鉛塩のジブチルアミン塩を含有するエ
タノール溶液を得た。
【0072】4)本発明の組成物の調製 上記1)〜3)で得られた、それぞれの金属塩を含有す
るアルコール溶液を、Pb:Zr:Tiの比が1:0.
52:0.48になるように各々の溶液を正確に秤り取
り、Zr、Ti、Pbの順で混合し、本発明の組成物を
調製した。混合溶液中に結晶の析出や懸濁は確認され
ず、また一晩室温で放置しても溶液の状態は変化しなか
った。この溶液の金属酸化物含量は4.8%であった。
【0073】5)チタン酸ジルコン酸鉛複合金属酸化物
薄膜の製造 4)で得た混合溶液4.00gに3.78gのエタノー
ルを加えて塗布液を調製し、これを白金板の基板上にフ
ローコート法で塗布した。これを空気中、500℃、6
00℃、700℃で30分焼成した。生成した薄膜の状
態をX線回折により測定したところ図1に示すとおりで
あった。尚、X線の入射角は白金が0.5°、石英ガラ
スは0.3°として測定した。図1に結果を示す。
【0074】図1から明らかなとおり、焼成温度が50
0℃のときは、アモルファス状態を示すピークが観測さ
れるだけであるが、焼成温度が600℃のときには、結
晶化を示すピークが観測され、チタン酸ジルコン酸鉛の
ぺロブスカイト型構造のピーク(図1中○印)が観察さ
れた。焼成温度が700℃のときには、完全に結晶化
し、チタン酸ジルコン酸鉛のぺロブスカイト型構造を支
持するピークを観測した。即ち、2θが22.4° 、
31.5°、38.7°、44.9°、50.8°、5
6.2°、65.2°、75.2°にあるピークはJC
PDSカードのNo.330784のPbZrTi
1−x(x=0.52)に記載されているデータと
一致した。
【0075】なお、図1において○印はペロブスカイト
型構造のピークを、△印は酸化鉛由来のピークを、×は
白金由来のピークを、◇印は白金板を固定するアルミニ
ウムの試料ホルダー由来のピークを示す。
【0076】(実施例2)チタン酸ビスマス複合金属酸
化物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0077】1)ビスマス錯体とアミンとの塩の調製 水200mlにオキシ酢酸ビスマス5.68gを加え、
加熱撹拌した。50℃になったところで、5.85gの
EDTAを少量ずつ加えた。添加後70〜80℃で30
分間撹拌し、透明な溶液を得た。放置冷却した後、エバ
ポレーターを用いて20mlまで減圧濃縮し、析出した
結晶を濾取した。エタノールで2回、ジエチルエーテル
で1回洗浄し、乾燥し、8.57gのEDTA−ビスマ
ス錯体の白色微粉末の結晶を得た。
【0078】元素分析:H[Bi(EDTA)](C
1013Bi)として実測値と計算値はよく
一致した。 実測値C:24.10,H:2.63,N:5.62 計算値C:24.09,H:2.52,N:5.49
【0079】100mlの三角フラスコに、得られたE
DTA−ビスマス錯体を2.491g、エタノールを2
9.531g、ジアミルアミン(n−アミルアミンとi
so−アミルアミンの1:1.25モル比混合物)を
0.981g加え、17時間加熱還流して、ビスマス錯
体とジアミルアミンとの塩を含有する透明なエタノール
溶液を得た。
【0080】2)チタン錯体とアミンとの塩の調製 90℃に加熱した水250mlに、29.26gのED
TAを懸濁し、20%の塩化チタン(III)を含む塩酸
溶液54.0gを加え、30分撹拌し、紫色の溶液を得
た。反応中、白い結晶が徐々に形成したが、溶液を絶え
間無く撹拌した。その後、温度を50℃に下げて、さら
に3時間撹拌し、生成した白色結晶を濾取し、水洗乾燥
して、23.5gのEDTA−チタン錯体一水和物を得
た。200mlの三角フラスコに、得られたEDTA−
チタン錯体一水和物を10.62g、ジアミルアミン
(n−ジアミルアミンとiso−ジアミルアミンの1:
1.25モル比混合物)を5.20g、エタノールを8
6.48g入れ、3時間加熱還流し、チタン錯体のジア
ミルアミン塩を含有する黄色の透明エタノール溶液を得
た。
【0081】3)本発明の組成物の調製 2)で得られたチタン錯体とジアミルアミンとの塩のエ
タノール溶液1.024gと、1)で得られたビスマス
錯体とジアミルアミンとの塩のエタノール溶液2.66
7gとを混合して、本発明の組成物を調製した。混合溶
液中に結晶の析出や懸濁は確認されず、また一晩室温で
放置しても溶液の状態は変化しなかった。
【0082】4)チタン酸ビスマス複合金属酸化物薄膜
の製造 3)で得られた溶液を石英ガラス上にフローコート法で
塗布し、乾燥して、薄膜形成に供した。薄膜形成は高温
炉で室温から600℃まで昇温し、同温度で2時間保持
し薄膜を形成した。ひび割れ、はく離、失透が観察され
ず、良好な膜であった。
【0083】得られた薄膜のX線回折(XRD)測定結
果を図2に示す。X線の入射角は0.3°とした。図2
のX線回折図から得られた薄膜が結晶相を呈しているこ
とが判断でき、そのパターンがJCPDSカードのN
o.35−0795に記載されているBiTi
12と一致することから、立方晶系に属するペロブスカ
イト型のチタン酸ビスマスであると判断した。
【0084】(実施例3)チタン酸ビスマス複合金属酸
化物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0085】実施例2で得られたEDTA−ビスマス錯
体を2.49gとり、エタノールを28.24g、ジ−
n−ブチルアミンを0.67g混合して、加熱還流し
た。3時間程で透明な溶液となったが、放置冷却すると
き沈殿物が析出した。沈殿物が析出する前の暖かい溶液
を用いて、且つ実施例2のチタン錯体とアミンとの塩の
アルコール溶液も暖かい状態にして実施例2と同様に処
理し、チタン酸ビスマス複合金属酸化物薄膜形成用組成
物並びにこの組成物を用いて600℃で焼成して実施例
2と同じ結果を得た。
【0086】(実施例4)実施例2において、EDTA
−ビスマス錯体を溶解するアルコールとして、イソプロ
ピルアルコールを用いて、検討した。
【0087】実施例2の1)で得たEDTA−ビスマス
錯体0.997g、イソプロピルアルコール12.10
g、ジアミルアミン0.354g、水1.260gを室
温で撹拌し、ビスマス錯体とアミンとの塩を有する透明
なイソプロパノール溶液を得た。実施例2の2)で得ら
れたチタン錯体のジアミルアミン塩を含有する黄色の透
明エタノール溶液を、実施例2の3)と同様に混合し、
実施例2と同様に処理して、同じ結果を得た。
【0088】(実施例5)チタン酸バリウム複合金属酸
化物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0089】1)バリウム塩とアミンとの塩の調製 80℃に加熱した水500mlに、撹拌しながら酢酸バ
リウム15.34gを加え、透明液を得た。これにED
TA17.64gを少量ずつ加えた。添加後、30分間
80℃で加熱撹拌し、室温まで放冷した。エバポレータ
ーを用いて全量を60mlまで減圧濃縮した。一夜室温
で放置し、析出した結晶を濾取した。エタノールで2
回、ジエチルエーテルで1回洗浄し、風乾して28.6
3gの白色微粉末の結晶を得た。元素分析の結果、この
白色微粉末は、EDTA−バリウム三水和物の計算値と
よく一致した。 元素分析:実測値C:24.93,H:4.31,N:5.70 計算値C:24.94,H:4.19,N:5.82
【0090】200mlの三角フラスコに、得られたE
DTA−バリウム三水和物を4.82g、メタノールを
66.80g、ジブチルアミンを2.59g加え、30
分加熱還流して透明な溶液を得た。更に2時間加熱還流
を続け、反応を完結させ、バリウム塩のジブチルアミン
塩を含有する透明なメタノール溶液を得た。
【0091】2)チタン錯体とアミンとの塩の製造 90℃に加熱した水250mlに、29.26gのED
TAを懸濁し、20%の塩化チタン(III)を含む塩酸
溶液54.0gを加え、30分撹拌し、紫色の溶液を得
た。反応中、白い結晶が徐々に形成した。溶液を絶え間
無く撹拌し、更に50℃で3時間撹拌し、生成した白色
結晶を濾取し、水洗乾燥して、23.5gのEDTA−
チタン錯体一水和物を得た。
【0092】200mlの三角フラスコに、得られたE
DTA−チタン錯体一水和物を10.62g、ジブチル
アミンを4.27g、ジメチルアミノピリジンを0.3
7g、エタノールを86.48g入れ、3時間加熱還流
し、黄色のチタン錯体のジブチルアミン塩を含有する透
明エタノール溶液を得た。
【0093】3)本発明の組成物の調製 上記2)で得られたチタン錯体のエタノール溶液7.4
0gと、上記1)で得たバリウム塩のメタノール溶液
5.01gとを混合し、本発明の組成を調製した。混合
溶液中に結晶の析出や懸濁は確認されず、また一晩室温
で放置しても溶液の状態は変化しなかった。
【0094】4)チタン酸バリウム複合金属酸化物薄膜
の製造 3)で得られた組成物を石英ガラス上にフローコート法
で塗布し、乾燥して、薄膜形成に供した。薄膜形成は高
温炉で室温から500℃まで昇温し、同温度で2時間保
持したもの、600℃まで昇温し、同温度で2時間保持
したもの、700℃まで昇温し、同温度で2時間保持し
たもの、の三種類の薄膜を形成した。いずれの薄膜も、
ひび割れ、はく離、失透が観察されず、良好な膜であっ
た。それぞれの焼成温度で得られた薄膜のX線回折(X
RD)測定結果を図3に示す。X線の入射角は0.3°
とした。
【0095】焼成温度が500℃、600℃のときは、
薄膜がアモルファスの状態であるが、700℃のとき
は、結晶化が起こり、結晶相を呈していることがX線回
折から判断でき、そのパターンがJCPDSカードのN
o.050626に記載されているものと一致すること
から、正方晶系に属するペロブスカイト型のチタン酸バ
リウムであると判断した。
【0096】(実施例6)チタン酸バリウム複合金属酸
化物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0097】実施例5で得られた本発明の組成物の一部
をエバポレータ−を用いて80℃前後で減圧濃縮し、完
全に溶媒を留去した。得られた油状物を180℃まで加
熱して褐色の粉体を得た。得られた粉体を焼成温度を変
えて焼成し、それぞれの焼成物について室温でX線回折
測定を行った。結果を図4に示す。図4において焼成温
度が700℃、および800℃のときに現れたピーク
は、JCRDSカードのNo.050626に記載され
ているものと一致することから正方晶系に属するペロブ
スカイト型構造のチタン酸バリウムであると判断した。
【0098】(実施例7)チタン酸カルシウム金属酸化
物複合体薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行っ
た。
【0099】1)カルシウム塩とアミンとの塩の調製 酢酸カルシウム一水和物3.52gを、80℃に加熱し
た200mlの水に撹拌しながら加え、透明な溶液を得
た。EDTA5.85gをその水溶液に加えた。30分
間同温度で加熱撹拌し、冷却後エバポレーターを用いて
40mlまで濃縮した。室温で一夜放置し、析出した結
晶を濾取した。エタノールで2回、ジエチルエーテルで
1回洗浄し、風乾した。白色結晶6.13gを得た。元
素分析の結果、EDTA−カルシウム二水和物(CaH
EDTA・2HO)であることが判った。 実測値 C:32.93,H:4.89,N:8.02 計算値 C:32.79,H:4.95,N:7.65
【0100】得られたEDTA−カルシウム二水和物を
0.99g、エタノールを15.90g、ジブチルアミ
ンを0.74g、混合し2時間加熱還流したとき、透明
な溶液となったが、さらに3時間加熱還流を続けて、E
DTA−カルシウム二水和物塩のアミン塩との塩を含有
するエタノール溶液を得た。
【0101】2)本発明の組成物の調製 実施例5の2)で得たチタン錯体とアミンとの塩のエタ
ノール溶液3.4gと上記1)で得たエチレンジアミン
四酢酸カルシウム二水和物とアミンとの塩のエタノール
溶液6.29gを混合して本発明の組成物を得た。混合
溶液中に結晶の析出や懸濁は確認されず、また一晩室温
で放置しても溶液の状態は変化しなかった。
【0102】3)チタン酸カルシウム複合金属酸化物薄
膜の製造 2)で得られた本発明の組成物を石英ガラス上にフロー
コート法で塗布し、乾燥した後、700℃で30分焼成
した。得られた薄膜のX線回折測定により図5に示すと
おりの回折図を得た。この組成物はペロブスカイト型構
造を有していた。
【0103】(実施例8)配位子として、配位座数が5
以下の配位子を用いて、チタン酸ビスマス複合金属酸化
物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0104】1)ビスマス錯体とアミンとの塩の調製 500ml四ツ口フラスコにイオン交換水250gを入
れ、ニトリロ三酢酸6.50g、炭酸ビスマス8.82
gを入れ、80℃で加熱撹拌した。析出した結晶をろ別
後、かき混ぜながらろ液にエタノール100gを加え、
冷却後析出した結晶をろ取し、エタノールで洗浄し、乾
燥して、2.01gのビスマス錯体を得た。
【0105】50mlのナス型フラスコにニトリロ三酢
酸・ビスマス錯体1.0g、エタノール5.90gを入
れ、ジ−n−ブチルアミン0.4gを加えた。還流温度
で1時間撹拌して、ビスマス錯体とジ−n−ブチルアミ
ンとの塩を含有する微白色エタノール溶液を得た。酸化
ビスマス換算含量は、8.0%であった。
【0106】2)チタン錯体とアミンとの塩の調製 100ml四ツ口フラスコに無水エタノール13.7
g、ニトリロ三酢酸10.32gを仕込み、撹拌しなが
らチタンテトライソプロポキシド15.35gを滴下
し、続いて、n−ブチルアミン7.32gを滴下し、還
流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。30℃ま
で冷却し、30%過酸化水素水6.8gを滴下した。1
時間還流させた後、冷却し、黄色透明のチタン錯体とn
−ブチルアミンとの塩を含むエタノール溶液を得た。二
酸化チタン換算含量は8.0%であった。
【0107】3)本発明の組成物の調製 得られたビスマス錯体とアミンとの塩を含有するエタノ
ール溶液と、チタン錯体とアミンとの塩を含有するエタ
ノール溶液とを、Ti:Biの比が3:4となるように
混合して塗布液を得た。混合による塗布液の異常は認め
られなかった。混合溶液中に結晶の析出や懸濁は確認さ
れず、また一晩室温で放置しても溶液の状態は変化しな
かった。
【0108】4)チタン酸ビスマス複合金属酸化物薄膜
の形成 この塗布液を5cm×5cmのホウケイ酸ガラス板上に
1000rpmでスピンコートした。100℃で10
分、プリベーグした後、550℃で30分焼成したとこ
ろ、透明な薄膜が得られた。この薄膜も、ペロブスカイ
ト型構造を有していた。即ち、配位座数が5以下の配位
子を用いて金属錯体を形成しチタンを含む複合金属酸化
物薄膜を形成してもペロブスカイト型の薄膜が得られる
ことがわかった。
【0109】(実施例9)配位子として、配位座数が5
以下の配位子を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛複合金属
酸化物薄膜形成用組成物の調製と薄膜の形成を行った。
【0110】1)チタン錯体とアミンとの塩の調製 100ml四ツ口フラスコに無水エタノール13.7
g、ニトリロ三酢酸10.32gを仕込み、攪拌しなが
らチタンテトライソプロポキシド15.35gを滴下
し、続いて、n−ブチルアミン7.32gを滴下し、還
流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。30℃ま
で冷却し、30%過酸化水素水6.8gを滴下した。1
時間還流させた後、冷却し、黄色透明の本発明の組成物
(溶液)を得た。二酸化チタン換算含量は8.0%であ
った。
【0111】2)ジルコニウム錯体とアミンとの塩の調
製 100ml四ツ口フラスコに無水エタノール40g、ニ
トリロ三酢酸3.44gを仕込み、攪拌しながらジルコ
ニウムテトラ−n−ブトキシド(純度88%)7.85
gを滴下した。次いでジ−n−ブチルアミン2.59g
を滴下した後、還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液
(本発明の組成物)を得た。酸化ジルコニウム換算含量
は4.1%であった。
【0112】3)鉛塩とアミンとの塩の調製 50mlナス型フラスコ中でエタノール20gにニトリ
ロ三酢酸3.9g、酢酸鉛三水和物5.1gを分散させ
た。これにジ−n−ブチルアミン5.17gを加え、約
80℃で3時間加熱攪拌し、無色透明液(本発明の組成
物)を得た。酸化鉛換算含量は9.4%であった。
【0113】4)本発明の組成物の調製 1)で得られたチタン錯体とジ−n−ブチルアミンとの
塩のエタノール溶液、2)で得られたジルコニウム錯体
とジ−n−ブチルアミンとの塩のエタノール溶液、およ
び3)で得られた鉛塩とジ−n−ブチルアミンとの塩の
エタノール溶液とを、Pb:Zr:Tiの比が1:0.
52:0.48になるように各々の溶液を正確に秤り取
り、Zr、Ti、およびPbの順で混合した。混合溶液
中に結晶の析出や懸濁は確認されず、また一晩室温で放
置しても溶液の状態は変化しなかった。この溶液の金属
酸化物含量は5.8%であり、実施例1の配位座数が6
のEDTAを用いた場合よりも高濃度の金属を含有でき
た。
【0114】5)チタン酸ジルコン酸鉛複合金属酸化物
薄膜の調製 得られた混合溶液4.00gに3.78gのエタノール
を加え、これを白金板の基板上にフローコート法で塗布
した。これを空気中、それぞれ500℃、600℃、7
00℃で30分焼成した。生成した薄膜の状態をX線回
折により測定した。X線の入射角は白金が0.5°とし
て測定した。図6に、大気中、700℃で焼成した場合
の結果を示す。
【0115】図には示していないが、焼成温度が500
℃のときは、アモルファス状態を示すピークが観測され
るだけであった。焼成温度が600℃のときには、結晶
化を示すピークが観測され、チタン酸ジルコン酸鉛のぺ
ロブスカイト型構造のピークが観察された(図示せ
ず)。他方で、図6から明らかなとおり、焼成温度が7
00℃のときには、完全に結晶化し、チタン酸ジルコン
酸鉛のぺロブスカイト型構造を支持するピークを観測し
た。即ち、2θが22.4° 、31.5°、38.7
°、44.9°、50.8°、56.2°、65.2
°、75.2°にあるピークはJCPDSカードのN
o.330784のPbZrTi1−x(x=
0.52)に記載されているデータと一致した。
【0116】なお、図6において○印はペロブスカイト
型構造のピークを、×は基板として用いた白金由来のピ
ークを示す。この結果は、配位座数が5以下の配位子を
用いて調製したチタン酸ジルコン酸鉛の複合金属酸化物
薄膜が、強誘電体として使用できることを示している。
【0117】
【発明の効果】本発明の複合金属酸化物からなる強誘電
体薄膜を形成するための組成物は、チタン錯体とアミン
との塩と、チタン以外の金属の金属錯体または金属塩と
アミンとの塩とを含有している。これらの塩を適切な比
率で混合し、基板に塗布して焼成することにより、ペロ
ブスカイト型構造を有し、強誘電体として利用可能な薄
膜が得られる。チタン錯体およびその金属の金属錯体を
形成させる配位子として、配位座数が5以下の配位子を
用いた場合、組成物中の金属塩の濃度を高めることがで
き、比較的厚い膜が均一に1回の成膜で得られるため、
製造工程上有利であり、薄膜形成用組成物の輸送の際の
コストが低下される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種温度で焼成したチタン酸ジルコン酸鉛の
室温におけるXRDスペクトルを示す図である。
【図2】 600℃で焼成して形成されたチタン酸化物
ビスマス複合酸化物薄膜のX線回折図である
【図3】 石英ガラス板上に塗布し、各種温度で焼成し
て形成されたチタン酸バリウム複合酸化物薄膜のX線回
折図である。
【図4】 各種温度で焼成して形成されたチタン酸バリ
ウム複合酸化物薄膜のX線回折図である。
【図5】 チタン酸カルシウム複合金属酸化物薄膜のX
線回折図である。
【図6】 配位座数が5以下の配位子を用いて作成した
チタン酸ジルコン酸鉛複合金属酸化物薄膜のX線回折図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/46 G 35/49 A 特許法第30条第1項適用申請有り 平成10年9月1日 社団法人日本化学会発行の「日本化学会第75秋季年会 (1998)・化学関係学協会連合協議会研究発表会・連合 討論会 合同大会講演予稿集」に発表 (72)発明者 高井 教子 神奈川県相模原市大野台3−25−8 (72)発明者 阪下 好顕 兵庫県伊丹市千僧五丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 (72)発明者 大槻 哲也 兵庫県伊丹市千僧五丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 Fターム(参考) 4G031 AA03 AA05 AA06 AA11 AA12 AA25 AA32 AA35 BA09 CA01 CA08 4H049 VN05 VP01 VQ35 VQ39 VW02 4K029 AA02 AA09 BA43 BA48 CA05 DC02 5G303 AA10 AB20 BA03 BA07 BA12 CA01 CA11 CB03 CB05 CB11 CB17 CB25 CB32 CB35 CB39 DA02 DA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合金属酸化物からなる強誘電体薄膜を
    形成するための組成物であって、2以上の、金属錯体ま
    たは金属塩とアミンとの塩を含有しており、焼成により
    該複合金属酸化物がペロブスカイト型構造を取り得る、
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記組成物が、チタン錯体とアミンとの
    塩と、1または2以上の、チタン以外の金属の金属錯体
    または金属塩とアミンとの塩とを含有している、請求項
    1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記金属が、ビスマス、バリウム、ジル
    コニウム、マグネシウム、鉛、銅、およびストロンチウ
    ムからなる群から選択される、請求項2に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記複合金属酸化物がチタン酸バリウム
    複合金属酸化物であり、チタン錯体とアミンとの塩と、
    バリウム塩とアミンとの塩とを含有している、請求項1
    ないし3いずれかの項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記複合金属酸化物がチタン酸ビスマス
    複合金属酸化物であり、チタン錯体とアミンとの塩と、
    ビスマス錯体とアミンとの塩とを含有している、請求項
    1ないし4いずれかの項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記複合金属酸化物がチタン酸ジルコン
    酸鉛複合金属酸化物であり、チタン錯体とアミンとの塩
    と、ジルコニウム錯体とアミンとの塩と、鉛塩とアミン
    との塩と、を含有している、請求項1ないし3いずれか
    の項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記チタン錯体および金属錯体または金
    属塩が、配位座数が5以下の配位子で形成される、請求
    項1ないし6いずれかの項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記配位座数が5以下の配位子がアミノ
    ポリカルボン酸、オキシカルボン酸またはアミノ酸であ
    る、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記アミンが、炭素数12以下の脂肪族
    アミンまたは芳香族アミンである、請求項1ないし8い
    ずれかの項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 複合金属酸化物からなる強誘電体薄膜
    を形成するための組成物であり、かつ、焼成により該複
    合金属酸化物がペロブスカイト型構造を取り得る組成物
    の製造方法であって、該方法は、 (1)2以上の、金属錯体または金属塩とアミンとの塩
    を、調製する工程;および、 (2)該(1)で得られる、2以上の、金属錯体または
    金属塩とアミンとの塩を混合する工程を含む、方法。
  11. 【請求項11】 前記組成物がチタンを含有し、 (1)チタン錯体とアミンとの塩を調製する工程; (2)1または2以上の、チタン以外の金属の金属錯体
    または金属塩とアミンとの塩を調製する工程; およ
    び、 (3)該(1)で得られるチタン錯体とアミンとの塩
    と、該(2)で得られる1または2以上の、チタン以外
    の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの塩とを混合
    する工程を含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金属錯体または金属塩が、配位座
    数が5以下の配位子で形成される、請求項10または1
    1に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記配位座数が5以下の配位子がアミ
    ノポリカルボン酸、オキシカルボン酸またはアミノ酸で
    ある、請求項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記アミンが、炭素数12以下の脂肪
    族アミンまたは芳香族アミンである、請求項10ないし
    13いずれかの項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記複合金属酸化物が、チタン酸バリ
    ウム複合金属酸化物、チタン酸ビスマス複合金属酸化
    物、またはチタン酸ジルコン酸鉛複合金属酸化物であ
    る、請求項10ないし14いずれかの項に記載の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 複合金属酸化物からなる強誘電体薄膜
    を形成する方法であって、 (1)2以上の、金属錯体または金属塩とアミンとの塩
    を、調製する工程; (2)該(1)で得られる、2以上の、金属錯体または
    金属塩とアミンとの塩とを混合して組成物を得る工程; (3)該(2)で得られた組成物を基板上に塗布する工
    程; および (4)該組成物が塗布された基板を、該複合金属酸化物
    がぺロブスカイト型構造をとるような温度で焼成する工
    程;を含む、方法。
  17. 【請求項17】 前記複合金属酸化物がチタンを含有
    し、 (1)チタン錯体とアミンとの塩を調製する工程; (2)1または2以上の、チタン以外の金属の金属錯体
    または金属塩とアミンとの塩を調製する工程; (3)該(1)で得られるチタン錯体とアミンとの塩
    と、該(2)で得られる1または2以上の、チタン以外
    の金属の金属錯体または金属塩とアミンとの塩、とを混
    合して組成物を得る工程; (4)該(3)で得られた組成物を基板上に塗布する工
    程; および (5)該組成物が塗布された基板を、該複合金属酸化物
    がぺロブスカイト型構造をとるような温度で焼成する工
    程;を含む、請求項16に記載の方法。
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