JP3664422B2 - 塗布液およびこれを用いた金属酸化物薄膜作成方法 - Google Patents

塗布液およびこれを用いた金属酸化物薄膜作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は金属酸化物薄膜の形成に使用される塗布液に係わる。特にガラス、金属、セラミックスなどの基体上に塗布して焼成することにより、金属酸化物薄膜を形成するための塗布液およびこれを用いた薄膜作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス、金属、セラミックスなどの表面に金属酸化物の薄膜を形成させる方法としては、従来スパッター法、CVD(化学蒸着)法、PVD(物理的蒸着)法などのドライ法、ゾルーゲル法、メッキ法、電解重合法などのウェット法が知られている。ドライ法の代表的な方法であるスパッター法は均一で安定した薄膜が得られるものの装置が複雑、高価で製造コストが高くなり、また大面積化が難しいなどの制約がある。
【0003】
ウェット法の代表的な方法であるゾルーゲル法は、有機溶媒に溶解した金属アルコキシドに水と触媒を加えて加水分解縮重合を起こさせたゾルを、基体上に塗布して焼成することにより金属酸化物薄膜を得る方法である。
ゾルーゲル法については、作花済夫著「ゾルーゲル法の化学」1988年、85〜103頁(アグネ承風社)に詳述されている。このゾルーゲル法は、装置が簡単で大面積化は可能であるものの、常に均一、均質な金属酸化物薄膜を得るためには、薄膜形成条件の厳しい制御を必要とするうえ、ゾルの化学的変化を抑制することを必要とするなど解消すべき実施上の問題点が数多くある。
【0004】
金属酸化物薄膜は単独で使用されることに加えて、実用上は他の金属酸化物との複合膜として使用されることも多い。ゾルーゲル法においては、金属アルコキシドの加水分解速度が金属種によって大きく異なるため、2種以上の金属アルコキシドを混合して加水分解し、均一な組成の共縮重合体を得ることは一般に困難である。金属アルコキシドの加水分解縮重合で別々に得られた2種以上のゾル液を混合する場合においても、金属アルコキシドの加水分解縮重合速度が金属種によって大きく異なるため、一方の金属アルコキシドの加水分解縮重合が先行してゲルや金属酸化物の沈殿を生じるので液の安定性が保てないことや、均一性が失われるという欠点がある。
【0005】
これを解決するため、公開特許公報平成9年278489号には、金属錯体とアルキルアミンの反応物を含む塗布液が提案されている。この化合物は低分子化合物であるため、2種以上の金属種からなる塗布液は、自由な混合比率において基本的に安定なものである。単一の金属から得られた塗布液は、反応が完結していてそれ以上反応は進行しないため極めて安定である。また、2種以上の金属種の塗布液を、それぞれ調製しておき、これらを任意の比率で混合したものも均一な溶液を形成し、経時的な変化によってゲル物や沈殿を生じることはなく、極めて安定である。
【0006】
このように平成9年278489号で提案された金属酸化物薄膜形成法は、優れた方法ではあるが、この方法において使用される配位子は、すべて6配座以上で金属と極めて安定な錯体を形成する。しかしながら、保存中、時に結晶が析出するため、高濃度の溶液を調製するのが難しい状況にある。例えば、エチレンジアミン四酢酸のチタン錯体とエチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミンなどの低分子のアミンとの塩は、水、メタノール、エタノールなどには溶解するが、それでも二酸化チタン換算含量2%濃度のエタノール溶液は長期の保存で結晶の析出が見られ、またイソプロパノール、n−ブタノールなどには溶解し難いという欠点があった。塗布液の金属酸化物含量が低濃度の液しか安定に製造出来ないことは、実用上、輸送コスト、他の成分を併用する場合の組成設計上の制約など不利な点が多々ある。
【0007】
この欠点を改善するためには、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミンなど比較的炭素鎖の長いアミンを使用したり、芳香族アミンと脂肪族アミンを併用するなどの手段が有効ではあるが、溶媒、アミンの選択が制約を受けることには変わりはない。
【0008】
また、前記公報に記載されている配位子のうち、広く使用されていて安価なエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸は生分解性を有しないことは明らかになっているし、その他の配位子も、その対称的な構造から生分解性は期待出来ないと考えられている。
【0009】
【発明が解決しようする課題】
本発明者らは、金属錯体とアミンとの塩を含む高濃度の塗布液およびこれを製造する方法を提供するものである。本発明者らはまた、本発明において使用する配位子が生分解性を有しているものであることから、環境を汚染しない塗布液を提供することにも寄与するものである。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明者等は、課題を解決するため、配位子の種類について広く研究を進めてきた結果、配位座が5以下の配位子と金属化合物との反応によって得られる金属錯体、即ち当該配位子を含む金属錯体の陰イオンとアミンの陽イオンとを含有する塗布液が、この目的を達成出来ることを発見した。
例えば、ニトリロ三酢酸のチタン錯体とジ−n−ブチルアミンとの塩は、エタノール溶媒において二酸化チタン換算含量8%まで高濃度化出来た。この塗布液は、室温で2ケ月保存しても結晶の析出は起こらなかった。これに対し、エチレンジアミン四酢酸のチタン錯体とジ−n−ブチルアミンとの塩は、エタノール溶媒では酸化チタン含量2%が限度で、これ以上の濃度では安定な溶液は得られず数日後には結晶が析出した。
【0011】
本発明の塗布液を作成するために用いられる配位座が5以下の配位子としては、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシエチルイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸、アラニン−N,N−二酢酸セリン−N,N−二酢酸イソセリン−N,N−二酢酸アスパラギン酸−N,N−二酢酸グルタミン酸−N,N−二酢酸などのアミノポリカルボン酸やアラニン、β−アラニン、グリシン、セリン、イソセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ザルコシン、ロイシン、イソロイシンなどのアミノ酸が挙げられる
【0012】
本発明の塗布液を作成するために用いられる金属種としては、Ti,Zr,Hf,Mg,Ca,Sr,Li,Ba,Y,La,Al,Ga,In,Ge,Sn,Pb,Bi,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ag,V,Nb,Ta,Mo,Wなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0013】
本発明の塗布液を作成するために用いられる前記金属種に係わる金属化合物としては、金属アルコキシド、金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、有機酸金属塩が挙げられる。特に金属アルコキシドを用いた場合には、一度金属錯体を取り出して改めてアミン類と反応させる必要はなく、溶媒中、金属アルコキシドと配位子とアミン類を反応させることにより、1工程で塗布液を得ることができる。
【0014】
本発明の塗布液は、溶媒中、金属錯体とアミン類を反応させるか、または、金属アルコキシドなどの金属化合物と配位子とアミン類を反応させて得られるが、この時に過酸化水素水などの酸化剤を加えると、二酸化物イオンが配位した金属錯体とアミンとの塩を含む溶液が得られ、これは溶液安定性がさらに向上している。酸化剤は、他の原料と同時に加えてもよいし、後から加えてもよい。
【0015】
本発明の前駆体溶液を作成するために用いられるアミン類としては、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチル−n−プロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−ter−ブチルアミン、エチル−n−ブチルアミン、イソプロピル−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、n−オクチルアミンなどのアルキル基の炭素数が12以下の脂肪族アミンが挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルキル基の炭素数が12を越える場合は有機成分が多くなり緻密な膜を得ることが困難である。
【0016】
また、本発明に用いられるアミン類として、ピリジン、4−メチルピリジン、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン誘導体、ベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどのベンジルアミン誘導体、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジンなどのアニリン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
本発明の塗布液に用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどの低級アルコールが適している。必要があれば、これらの低級アルコールと混和する他の溶媒、例えば水、アセトンなどを併用することは何ら差し支えなく、アルコール性溶液をつくるために使用出来る。本発明の方法によれば、高濃度の塗布液を調製する場合でも、アルコールの種類が限定されることはない。本発明では、金属酸化物薄膜を作成するために、塗布液を基体上に塗布し、乾燥させることを前提にしているので、あまり高沸点の溶媒は好ましくない。本発明の化合物は、水との混合溶媒の溶液にすることも出来る。このことは、シリカゾルのような水分を含むものを加えても混合安定性に優れ、また、塗布し、乾燥するときに空気中の水分による悪影響を受けないため実用上極めて有利な性質である。これに対し、前述のゾルーゲル法による塗布液は、保存中は勿論調製時であってもゾル状態を保持できる限度を超えた水の存在下でゲル化が起こり、また製膜時に空気中の水分の影響を大きく受けて膜が失透することが多い。
【0018】
本発明の方法による塗布液は、簡単な装置でスピン法、ディップ法、流延法のいずれによっても均一で安定な塗膜を与える。この膜は焼成する前であれば、水またはアルコールによって容易に除去出来るので、塗り直し等の修正が可能になり塗膜生産時の歩留まりが極めてよくなる。この点前述したようにゾルーゲル法による場合は、均質な膜を得る条件が難しく、一旦塗布すれば塗り直し等の修正が出来ないので歩留まりを悪くし、予想以上にコスト高になるので実用化を阻む要因ともなっている。本発明の塗布液を基板上に塗布し、乾燥し、400℃以上で焼成して得られる金属酸化物薄膜は、ゾルーゲル法で得られた金属酸化物薄膜と同一の物性を持ったものであることが確認された。
【0019】
塗布する基板は、石英ガラス、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、SUSや銅、アルミニウムなどの金属板、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどのセラミックス基板から任意に選択出来る。ガラス、金属などの基板上に薄膜を形成させるには、前記塗布液をスピン法、ディップ法、流延法などによって基板上にコートし、溶媒を揮発させた後有機物が燃焼する温度以上で焼成するが、好ましくは400℃以上の高温炉で焼成する。必要があれば比較的低温で予備焼成を行うことも均質な薄膜を得る上で有効であり、また、焼成温度を何段階かに分けることも出来る。焼成は塗布された基板を室温から徐々に高温にまで高めていっても良いし、すでに一定温度に設定されている炉に基板を投入しても良い。こうして得られた金属酸化物薄膜あるいは複合膜は、ゾルーゲル法などで得られたものと同等の物性を有する。
本発明の塗布液の作成法を次の実施例でより具体的に明らかにする。
【0020】
実施例1
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール13.7g、ニトリロ三酢酸10.32gを仕込み、撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド15.35gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン7.76gを滴下し、還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。30℃まで冷却し、30%過酸化水素水6.8gを滴下した。1時間還流させた後冷却し、黄色透明溶液を得た。二酸化チタン換算含量は8.0%である。この液は室温で3ケ月放置しても結晶等の析出は無く透明液のままであった。
【0021】
実施例2
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール13.7g、ニトリロ三酢酸10.32gを仕込み、撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド15.35gを滴下し、続いてn−ブチルアミン7.32gを滴下し、還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。30℃まで冷却し、30%過酸化水素水6.8gを滴下した。1時間還流させた後冷却し、黄色透明溶液を得た。二酸化チタン換算含量は8.0%である。
【0022】
実施例3
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール40.6g、ニトリロ三酢酸6.88gを仕込み、撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド10.23gを滴下し、続いてジオクチルアミン9.66gを滴下し、還流温度で1時間反応させ無色透明液を得た。二酸化チタン換算含量は4.3%である。
【0023】
実施例4
実施例3の液34gに30%過酸化水素水2.27gを滴下した。滴下につれて無色から淡黄色透明液になった。さらに1時間還流させた後冷却した。二酸化チタン換算含量は4.0%である。この液は室温で4週間放置しても結晶等の析出は見られなかった。
【0024】
実施例5
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール47.2g、DL−アスパラギン酸4.79gを入れ、攪拌しながらチタンテトライソプロポキシド10.23gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン5.17gを滴下した。還流温度で1時間反応させて淡黄色透明液体を得た。二酸化チタン換算含量は4.3%である。
【0025】
実施例6
実施例5の液35.34gに30%過酸化水素水2.15gを加えた。液は無色から暗赤橙色に変化した。還流温度で1時間加熱した後冷却した。二酸化チタン換算含量は4.0%である。
【0026】
実施例7
200ml四ツ口フラスコに無水エタノール94.36g、イミノ二酢酸9.68gを入れ、攪拌しながらチタンテトライソプロポキシド20.47gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン10.34gを滴下した。還流温度で1時間反応させた後50℃に冷却し、30%過酸化水素水9.07gを滴下した。還流温度で1時間攪拌した後冷却して黄橙色透明液を得た。二酸化チタン換算含量は4.0%である。
【0028】
実施例9
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール20g、アスパラギン酸−N,N−二酢酸4.48gを入れ、攪拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.12gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン4.65gを滴下した。還流温度で1時間反応させて淡黄色透明液体を得た。二酸化チタン換算含量は4.2%である。
【0029】
実施例10〜18
実施例1〜9で得た塗布液を無水エタノールで二酸化チタン換算含量が1.2%になるように希釈し塗布液とした。それぞれの液について5cm×5cmのソーダライムガラス上に600rpmでスピンコートし、風乾後100℃で10分プリベークした後550℃で30分焼成した。いずれの塗布液からも膜厚約100nmのやや虹彩のある透明な薄膜が得られた。
これらの薄膜上にオレイン酸の1%エタノール溶液を1000rpmでスピンコートして風乾した後、ブラックライト(出力15W)を用いて25cm離れたところから2時間紫外線を照射した。表面に静かに水を流したところ、オレイン酸層は二酸化チタンの光触媒性によって分解され完全に消失し、また薄膜表面は全面に水が広がりいわゆる超親水性を示した。
【0030】
実施例19
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール40g、ニトリロ三酢酸3.44gを仕込み、撹拌しながらジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(純度88%)7.85gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン2.59gを滴下した後還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は4.1%である。
【0031】
実施例20
実施例19の液を室温まで冷却し、この液30gに30%過酸化水素水1.25gを滴下した。続いて還流温度で1時間攪拌を行い冷却し黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は3.9%である。
【0034】
実施例23
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール44g、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸6.38gを仕込み、撹拌しながらジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(純度88%)15.7gを滴下し、続いてn−ブチルアミン5.12gを滴下した後、還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は6.5%である。
【0035】
実施例24
実施例23の液38.15gに30%過酸化水素水2.27gを加え、還流温度で1時間攪拌を行い冷却し黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は6.2%である。
【0036】
実施例25
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール42g、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸6.38gを仕込み、撹拌しながらジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(純度88%)15.7gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン2.59gを滴下した後、還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は6.7%である。
【0037】
実施例26
実施例25の液37.04gに30%過酸化水素水2.27gを加え、還流温度で1時間攪拌を行い冷却し黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は6.3%である。
【0038】
実施例27
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール43.7g、DL−アスパラギン酸4.79gを仕込み、撹拌しながらジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(純度88%)15.7gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン5.17gを滴下した後、還流温度で1時間反応させ淡黄色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は6.4%である。
【0039】
実施例28
実施例27の液38.5gに30%過酸化水素水2.10gを加え、続いて還流温度で1時間攪拌を行い冷却し橙色透明液を得た。酸化ジルコニウム換算含量は6.1%である。
【0040】
実施例29〜38
実施例19〜28の塗布液を無水エタノールで酸化ジルコニウム換算含量で2%になるように希釈し塗布液とした。それぞれの液について5cm×5cmのソーダライムガラス上に1000rpmでスピンコートし、風乾後100℃で10分プリベークした後550℃で30分焼成した。いずれの液からも膜厚約100nmの透明な薄膜が得られた。
【0041】
実施例39
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール45g、ニトリロ三酢酸6.88gを仕込み攪拌しながらマグネシウムジエトキシド4.12gを加え、ジ−n−ブチルアミン5.17gを滴下した。昇温して還流温度で約3時間反応させて淡黄橙色透明液体を得た。酸化マグネシウム換算含量は2.4%である。この原液を用いて5×5cmのホウ珪酸ガラス上に1000rpmでスピンコートし、乾燥した後100℃で20分プリベークし、600℃の高温炉に投入して30分焼成を行ったところ約100nmの透明な薄膜が得られた。
【0042】
実施例40
50mlナス型フラスコ中でエタノール20gにニトリロ三酢酸3.9g、酢酸鉛(II)三水和物5.1gを分散させ、これにジ−n−ブチルアミン5.17gを加え約80℃で3時間加熱攪拌し無色透明液を得た。二酸化鉛換算含量は9.4%である。この液を無水エタノールで二酸化鉛換算含量が2%になるように希釈し、5×5cmのソーダライムガラス板上に1000rpmでスピンコートし、風乾後100℃で10分プリベークし550℃で30分焼成したところ透明な薄膜が得られた。
【0043】
実施例41
300ml四つ口フラスコにイオン交換水150gを入れニトリロ三酢酸3.82g、塩化銅2水和物3.42gを入れ80℃に加熱攪拌した。一度溶解した後結晶が析出した。冷却して結晶を濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥して4.12gの銅錯体をえた。
銅錯体2.7gをメタノール13gに分散させ、ジ−n−ブチルアミン1.3gを加え還流温度で30分攪拌することにより青色透明液を得た。酸化銅換算含量は4.5%である。
この液を無水エタノールで2倍に希釈し、実施例39と同様の条件で塗布、乾燥、焼成したところ赤銅色の透明な薄膜が得られた。
【0044】
実施例42
50mlのナス型フラスコにニトリロ三酢酸・銅錯体1.35g、n−プロパノール14gを入れ、ジ−n−ブチルアミン1.3gを加えた。80℃で30分攪拌して青色透明液を得た。酸化銅換算含量は2.3%である。
この原液について、実施例39と同様に塗布、乾燥、焼成したところ赤銅色の透明な薄膜が得られた。
【0045】
実施例43
300ml四つ口フラスコにイオン交換水100gを入れ75℃に加熱し、ニトリロ三酢酸4.78gを投入した。攪拌しながら、塩化スズ(II)二水和物(純度97%)6.6gを17gのイオン交換水に懸濁して加えた。加えるにつれ反応液は透明になるが、すぐに固体の析出が始まり1時間攪拌した後10℃以下に冷却して固体を濾取しエタノールで洗浄した後減圧乾燥した。収量は7.37gであった。
得られたスズ錯体1.54gと無水エタノール20gを50mlナス型フラスコにいれ、ジ−n−ブチルアミン0.71gを加えて攪拌しながら3時間還流させた。微量の未溶解物が残ったが、冷却して濾過し淡赤褐色透明液を得た。酸化スズ換算含量は3.0%である。
この液を無水エタノールで2倍に希釈し、5×5cmのソーダライムガラス板上に500rpmでスピンコートし、風乾後100℃で10分プリベークし550℃で30分焼成したところ無色透明な薄膜が得られた。
【0046】
実施例44
100ml四つ口フラスコに無水エタノール36g、ニトリロ三酢酸4.59gを仕込み、攪拌しながらジ−n−プロポキシ亜鉛4.41gを加え、ジ−n−ブチルアミン3.49gを滴下した。加熱し4時間還流させた。若干の未溶解物が残ったが10℃以下に冷却し濾過して淡黄色透明な溶液を得た。酸化亜鉛換算含量は約4.0%である。この液を無水エタノールで2倍に希釈し、5×5cmのソーダライムガラス板上に1000rpmでスピンコートし、風乾後100℃で10分プリベークし550℃で30分焼成したところ無色透明な薄膜が得られた。
【0047】
参考例1
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール60g、エチレンジアミン四酢酸5.26gを仕込み、撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.12gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン2.59gを滴下し、還流温度で1時間反応させて透明液を得た。30℃まで冷却し、30%過酸化水素水2.27gを滴下した。1時間還流させた後冷却したところ結晶が析出した。このときの二酸化チタン換算含量は1.9%である。
【0048】
参考例2
100ml四ツ口フラスコに無水エタノール56g、1,3−プロパンジアミン四酢酸5.51gを仕込み、撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.12gを滴下し、続いてジ−n−ブチルアミン2.59gを滴下し、還流温度で4時間反応を行ったが多量の未溶解物が残った。30℃まで冷却し、30%過酸化水素水2.27gを滴下し、さらに4時間還流させたが多量の未溶解物が残った。このときの二酸化チタン換算含量は2.0%である。
【0049】
参考例3
100mlのナス型フラスコに、イオン交換水35g、エチレンジアミン四酢酸6g、塩化鉛5.56g、ジ−n−ブチルアミン10.34gを入れ80℃で1時間加熱攪拌した。一度透明に溶解したが、すぐに多量の結晶が析出し、さらに6時間加熱を続けても全く溶解せず、透明液は得られなかった。

Claims (7)

  1. 配位座が5以下の、アミノポリカルボン酸およびアミノ酸からなる群から選択される配位子を含む金属錯体陰イオンの1種以上と、アミンの陽イオンの1種以上とを含有することを特徴とする金属酸化物薄膜形成用塗布液。
  2. 配位座が5以下の、アミノポリカルボン酸およびアミノ酸からなる群から選択される配位子および二酸化物イオンを含む金属錯体陰イオンの1種以上と、アミンの陽イオンの1種以上とを含有することを特徴とする金属酸化物薄膜形成用塗布液。
  3. 配位座が5以下の、アミノポリカルボン酸およびアミノ酸からなる群から選択される配位子と金属化合物から調製した錯体と、アミン類とを極性溶媒に溶解してなる金属酸化物薄膜形成用塗布液
  4. 極性溶媒中で、金属化合物と、配位座が5以下の、アミノポリカルボン酸およびアミノ酸からなる群から選択される配位子と、アミン類とを反応させることを特徴とする金属酸化物薄膜形成用塗布液の製造方法。
  5. 極性溶媒中で、金属化合物と、配位座が5以下の、アミノポリカルボン酸およびアミノ酸からなる群から選択される配位子と、アミン類とを、酸化剤の存在下に反応させることを特徴とする金属酸化物薄膜形成用塗布液の製造方法。
  6. 金属化合物が金属アルコキシドである、請求項4または5に記載の金属酸化物薄膜形成用塗布液の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかの項に記載の金属酸化物薄膜形成用塗布液を基体上に塗布して焼成することにより、金属酸化物薄膜を形成させることを特徴とする、金属酸化物薄膜作成方法。
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