JPH04357111A - 酸化アルミニウム前駆体ゲル状物及びその製造方法 - Google Patents
酸化アルミニウム前駆体ゲル状物及びその製造方法Info
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- JPH04357111A JPH04357111A JP3131102A JP13110291A JPH04357111A JP H04357111 A JPH04357111 A JP H04357111A JP 3131102 A JP3131102 A JP 3131102A JP 13110291 A JP13110291 A JP 13110291A JP H04357111 A JPH04357111 A JP H04357111A
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01F—COMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
- C01F7/00—Compounds of aluminium
- C01F7/02—Aluminium oxide; Aluminium hydroxide; Aluminates
- C01F7/34—Preparation of aluminium hydroxide by precipitation from solutions containing aluminium salts
- C01F7/36—Preparation of aluminium hydroxide by precipitation from solutions containing aluminium salts from organic aluminium salts
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Geology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期保存可能な透明酸
化アルミニウム薄膜作製用前駆体ゲル状物及びその製造
方法に関するものである。
化アルミニウム薄膜作製用前駆体ゲル状物及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化アルミニウム薄膜は、耐熱性、耐薬
品性、耐摩耗性保護膜として種々の用途に利用されてい
る。また、透明な薄膜は無反射膜、赤外線透過膜として
利用されている。この酸化アルミニウム薄膜を製造する
方法として、生産性が高い、装置のコストが安い等の利
点から、金属アルコキシドを含む溶液を成形物に塗布し
て、酸化物薄膜を形成させる方法が提案されている。
品性、耐摩耗性保護膜として種々の用途に利用されてい
る。また、透明な薄膜は無反射膜、赤外線透過膜として
利用されている。この酸化アルミニウム薄膜を製造する
方法として、生産性が高い、装置のコストが安い等の利
点から、金属アルコキシドを含む溶液を成形物に塗布し
て、酸化物薄膜を形成させる方法が提案されている。
【0003】しかし、アルミニウムアルコキシドは加水
分解が非常に速いため、水や湿分に対する溶液の安定性
が悪く、以下の式のように、容易に加水分解されて、水
酸化アルミニウムを形成し、沈澱する。
分解が非常に速いため、水や湿分に対する溶液の安定性
が悪く、以下の式のように、容易に加水分解されて、水
酸化アルミニウムを形成し、沈澱する。
【0004】
【化1】
Al(OR′)3 +3H2 O→Al(OH)3
+3R′OH …… (1)
+3R′OH …… (1)
【0005】従って
、溶液を塗布する場合に、均一で透明な塗布層を得るこ
とが困難であった。そのために、塗布の際の湿気をきび
しく制御したり、アルコキシドのアルコキシ基をアセチ
ルアセトン等のキレート化剤で置換することにより、加
水分解を著しく抑制して透明ゾル溶液を調製し、溶液を
安定化する方法が提案された。
、溶液を塗布する場合に、均一で透明な塗布層を得るこ
とが困難であった。そのために、塗布の際の湿気をきび
しく制御したり、アルコキシドのアルコキシ基をアセチ
ルアセトン等のキレート化剤で置換することにより、加
水分解を著しく抑制して透明ゾル溶液を調製し、溶液を
安定化する方法が提案された。
【0006】しかし、この溶液を用いて形成した薄膜は
、加水分解が十分に進んでいないため、未反応アルコキ
シ基及びアルコキシ基と置換したキレートを多量に含ん
でおり、加熱して酸化物薄膜を得る場合、それらの基の
分解のために発生するピンホールやクラックにより、緻
密な膜を形成できないという問題点がある。
、加水分解が十分に進んでいないため、未反応アルコキ
シ基及びアルコキシ基と置換したキレートを多量に含ん
でおり、加熱して酸化物薄膜を得る場合、それらの基の
分解のために発生するピンホールやクラックにより、緻
密な膜を形成できないという問題点がある。
【0007】さらに、上記のような方法を用いて加水分
解を抑制しても、未反応アルコキシ基を有するアルミニ
ウムアルコキシドが存在している溶液は、長期間大気中
に放置すると、加水分解のため、溶液の粘度変化や沈澱
生成という結果を生じる。故に、長期にわたり、この溶
液を保存するには、雰囲気を制御した溶液保存装置が必
要であるという問題点があった。
解を抑制しても、未反応アルコキシ基を有するアルミニ
ウムアルコキシドが存在している溶液は、長期間大気中
に放置すると、加水分解のため、溶液の粘度変化や沈澱
生成という結果を生じる。故に、長期にわたり、この溶
液を保存するには、雰囲気を制御した溶液保存装置が必
要であるという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明が解決しよう
とする問題点は、アルミニウムアルコキシドから調製し
た透明薄膜作製用酸化アルミニウム前駆体が湿分に対す
る安定性が悪く、しかも、酸化物薄膜形成の際に、ピン
ホールやクラックの原因となる残留有機物が前駆体中に
多量に存在しているという点である。さらに、もう一つ
の解決しようとする問題点は、従来の方法で調製した酸
化アルミニウム前駆体は未反応アルコキシ基を多量に有
するために、安定性に欠け、長期保存が不可能であると
いう点である。
とする問題点は、アルミニウムアルコキシドから調製し
た透明薄膜作製用酸化アルミニウム前駆体が湿分に対す
る安定性が悪く、しかも、酸化物薄膜形成の際に、ピン
ホールやクラックの原因となる残留有機物が前駆体中に
多量に存在しているという点である。さらに、もう一つ
の解決しようとする問題点は、従来の方法で調製した酸
化アルミニウム前駆体は未反応アルコキシ基を多量に有
するために、安定性に欠け、長期保存が不可能であると
いう点である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ための手段として、本発明において、アルミニウムアル
コキシドとカルボン酸を反応させ、アルコキシドのアル
コキシ基を一部、OCOR基に置換することにより、加
水分解速度を制御し、以下の式で表されるような、その
化合物のゆっくりとした加水分解−重縮合によって、制
御されない場合の速い加水分解による上述の(1)式か
らの沈澱生成物とはまったく異なる、未反応アルコキシ
基のない、Al−O−Al結合を有する、透明な酸化ア
ルミニウム系前駆体ポリマーゲル状物とすることを主要
な特徴とする。
ための手段として、本発明において、アルミニウムアル
コキシドとカルボン酸を反応させ、アルコキシドのアル
コキシ基を一部、OCOR基に置換することにより、加
水分解速度を制御し、以下の式で表されるような、その
化合物のゆっくりとした加水分解−重縮合によって、制
御されない場合の速い加水分解による上述の(1)式か
らの沈澱生成物とはまったく異なる、未反応アルコキシ
基のない、Al−O−Al結合を有する、透明な酸化ア
ルミニウム系前駆体ポリマーゲル状物とすることを主要
な特徴とする。
【0010】
【化2】
【0011】固体ポリマーゲル状物とすることで、大気
中で、長期にわたり、湿分に対してきわめて安定な酸化
アルミニウム系前駆体を得るという目的を実現できた。 また、このゲル状物を溶解した溶液も非常に安定で、こ
の溶液を塗布することにより、残留有機物のほとんどな
い、透明酸化アルミニウム薄膜を得るという目的も実現
できた。
中で、長期にわたり、湿分に対してきわめて安定な酸化
アルミニウム系前駆体を得るという目的を実現できた。 また、このゲル状物を溶解した溶液も非常に安定で、こ
の溶液を塗布することにより、残留有機物のほとんどな
い、透明酸化アルミニウム薄膜を得るという目的も実現
できた。
【0012】
【実施例】以下に実施例をかかげて本発明の実施態様を
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0013】
【実施例1】アルミニウムi−プロポキシドを0.5m
ol/リットルとなるようにi−ブチルアルコールに溶
解し、還流を行った。この溶液をビーカー中で攪拌しな
がら、酢酸(酢酸/アルミニウムアルコキシド=1.5
〔mol比〕)と水(水/アルミニウムアルコキシド=
0.5〔mol比〕)の混合溶液を滴下し、その後1時
間、攪拌を続けた。ビーカーをフィルムで密閉し、静置
した。酢酸とアルコキシドのアルコキシ基との反応及び
加水分解−重縮合により、側鎖にOCOCH3 基を有
し、Al−O−Al結合を主鎖とする重合体を形成し、
溶液の粘度は、時間とともに急激に上昇し、混合後、数
時間で、透明のままゲル化し、酸化アルミニウム前駆体
ゲル状物を得た。このゲル状物の入ったビーカーをその
まま放置したところ、3カ月後も、ゲル状物は、全く変
化なかった。
ol/リットルとなるようにi−ブチルアルコールに溶
解し、還流を行った。この溶液をビーカー中で攪拌しな
がら、酢酸(酢酸/アルミニウムアルコキシド=1.5
〔mol比〕)と水(水/アルミニウムアルコキシド=
0.5〔mol比〕)の混合溶液を滴下し、その後1時
間、攪拌を続けた。ビーカーをフィルムで密閉し、静置
した。酢酸とアルコキシドのアルコキシ基との反応及び
加水分解−重縮合により、側鎖にOCOCH3 基を有
し、Al−O−Al結合を主鎖とする重合体を形成し、
溶液の粘度は、時間とともに急激に上昇し、混合後、数
時間で、透明のままゲル化し、酸化アルミニウム前駆体
ゲル状物を得た。このゲル状物の入ったビーカーをその
まま放置したところ、3カ月後も、ゲル状物は、全く変
化なかった。
【0014】
【実施例2】アルミニウムi−プロポキシドを0.5m
ol/リットルとなるようにn−ブチルアルコールに溶
解し、還流を行った。この溶液をビーカー中で攪拌しな
がら、酢酸(酢酸/アルミニウムアルコキシド=2〔m
ol比〕)と水(水/アルミニウムアルコキシド=1〔
mol比〕)の混合溶液を滴下し、攪拌した。酢酸とア
ルコキシドのアルコキシ基との反応、さらに、加水分解
−重縮合により、側鎖にOCOCH3 基を有し、Al
−O−Al結合を主鎖とする重合体を形成し、溶液の粘
度は、急激に上昇し、混合後30分以内にゲル化した。 この透明酸化アルミニウム前駆体ポリマーは大気中にお
いても透明性の変化はなく、沈澱などの生成もまったく
見られなかった。
ol/リットルとなるようにn−ブチルアルコールに溶
解し、還流を行った。この溶液をビーカー中で攪拌しな
がら、酢酸(酢酸/アルミニウムアルコキシド=2〔m
ol比〕)と水(水/アルミニウムアルコキシド=1〔
mol比〕)の混合溶液を滴下し、攪拌した。酢酸とア
ルコキシドのアルコキシ基との反応、さらに、加水分解
−重縮合により、側鎖にOCOCH3 基を有し、Al
−O−Al結合を主鎖とする重合体を形成し、溶液の粘
度は、急激に上昇し、混合後30分以内にゲル化した。 この透明酸化アルミニウム前駆体ポリマーは大気中にお
いても透明性の変化はなく、沈澱などの生成もまったく
見られなかった。
【0015】
【実施例3】実施例1において、カルボン酸として、酢
酸の代わりに、n−酪酸を使用し、その他の実施例1と
同様の条件で、ゲル状物の調製を行った。n−酪酸と水
の混合溶液をアルコキシド溶液に滴下した後でも、溶液
は透明であった。数週間後、溶液はゲル化し、透明酸化
アルミニウム前駆体ゲル状物を得た。カルボン酸の炭素
数が多くなると、加水分解がさらに抑制されるため、ゲ
ル化に時間がかかる結果となった。しかし、酢酸を使用
した場合と透明性に変化はなく、また、沈澱の生成もま
ったく見られなかった。
酸の代わりに、n−酪酸を使用し、その他の実施例1と
同様の条件で、ゲル状物の調製を行った。n−酪酸と水
の混合溶液をアルコキシド溶液に滴下した後でも、溶液
は透明であった。数週間後、溶液はゲル化し、透明酸化
アルミニウム前駆体ゲル状物を得た。カルボン酸の炭素
数が多くなると、加水分解がさらに抑制されるため、ゲ
ル化に時間がかかる結果となった。しかし、酢酸を使用
した場合と透明性に変化はなく、また、沈澱の生成もま
ったく見られなかった。
【0016】
【参考例】実施例1及び実施例2で得た透明酸化アルミ
ニウム前駆体ゲル状物を使用して、i−ブチルアルコー
ル:ゲル状物=2:1〔重量比〕となるように秤量し、
i−ブチルアルコールとゲル状物を混合した。そして、
70℃以下の加熱により、完全にゲル状物を溶解した。 これらの溶液を、ガラス基板に塗布し、500℃及び8
00℃で加熱処理することにより、透明で緻密な酸化ア
ルミニウム薄膜を得た。500℃で得られた薄膜の結晶
相はγ−酸化アルミニウムであり、800℃で得られた
薄膜の結晶相はα−酸化アルミニウムであった。また、
このようにして調製した溶液は、6カ月間、大気中に放
置しても、粘度変化及び沈澱生成などの変化はまったく
見られなかった。
ニウム前駆体ゲル状物を使用して、i−ブチルアルコー
ル:ゲル状物=2:1〔重量比〕となるように秤量し、
i−ブチルアルコールとゲル状物を混合した。そして、
70℃以下の加熱により、完全にゲル状物を溶解した。 これらの溶液を、ガラス基板に塗布し、500℃及び8
00℃で加熱処理することにより、透明で緻密な酸化ア
ルミニウム薄膜を得た。500℃で得られた薄膜の結晶
相はγ−酸化アルミニウムであり、800℃で得られた
薄膜の結晶相はα−酸化アルミニウムであった。また、
このようにして調製した溶液は、6カ月間、大気中に放
置しても、粘度変化及び沈澱生成などの変化はまったく
見られなかった。
【0017】
【発明の効果】以上、実施例に述べたように、本発明で
は、カルボン酸の添加により、加水分解を抑制して、ゆ
っくりと十分な加水分解−重縮合を行わせることで、ア
ルミニウムアルコキシドの速い加水分解による、水酸化
アルミニウムの沈澱生成を抑止し、Al−O−Al網目
を有し、未反応アルコキシ基をほとんど含まない透明酸
化アルミニウム前駆体ゲル状物を形成することで、従来
まで不可能であった、大気中の湿分の影響を受けない前
駆体を、安定に長期間、保存するということが可能にな
った。また、参考例に述べたように、本発明のゲル状物
を有機溶媒に溶解することにより、従来までの方法では
困難であった、安定性の非常に高い透明薄膜作製用溶液
を容易に得ることが可能となった。さらに、この溶液を
成形物に塗布、焼成することにより、従来の薄膜作製用
溶液からでは、残留有機物の影響で困難であった、緻密
で透明な酸化アルミニウム薄膜が得られるため、酸化ア
ルミニウム薄膜の光学材料としての用途を大いにひろげ
るものである。
は、カルボン酸の添加により、加水分解を抑制して、ゆ
っくりと十分な加水分解−重縮合を行わせることで、ア
ルミニウムアルコキシドの速い加水分解による、水酸化
アルミニウムの沈澱生成を抑止し、Al−O−Al網目
を有し、未反応アルコキシ基をほとんど含まない透明酸
化アルミニウム前駆体ゲル状物を形成することで、従来
まで不可能であった、大気中の湿分の影響を受けない前
駆体を、安定に長期間、保存するということが可能にな
った。また、参考例に述べたように、本発明のゲル状物
を有機溶媒に溶解することにより、従来までの方法では
困難であった、安定性の非常に高い透明薄膜作製用溶液
を容易に得ることが可能となった。さらに、この溶液を
成形物に塗布、焼成することにより、従来の薄膜作製用
溶液からでは、残留有機物の影響で困難であった、緻密
で透明な酸化アルミニウム薄膜が得られるため、酸化ア
ルミニウム薄膜の光学材料としての用途を大いにひろげ
るものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 Al−O−Al結合を主鎖とし、側鎖
にOCOR基(ここで、Rは炭素数1〜4の直鎖または
分岐のあるアルキル基を示す)を有する重合体から成る
、透明酸化アルミニウム前駆体ゲル状物。 - 【請求項2】 Al(OR′)3 とRCOOH(こ
こで、R′は炭素数2〜5の直鎖または分岐のあるアル
キル基を示す)及び水を有機溶媒中で混合、反応させる
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の酸化アル
ミニウム前駆体ゲル状物の製造方法。 - 【請求項3】 有機溶媒が炭素数1〜5のアルコール
類である特許請求の範囲第2項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3131102A JPH0688780B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 酸化アルミニウム前駆体ゲル状物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3131102A JPH0688780B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 酸化アルミニウム前駆体ゲル状物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04357111A true JPH04357111A (ja) | 1992-12-10 |
JPH0688780B2 JPH0688780B2 (ja) | 1994-11-09 |
Family
ID=15050028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3131102A Expired - Fee Related JPH0688780B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 酸化アルミニウム前駆体ゲル状物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0688780B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001316112A (ja) * | 2000-03-16 | 2001-11-13 | Symmetrics Corp | 酸化アルミニウムのための液体前駆体およびその製造方法 |
JP2012036034A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Kawaken Fine Chem Co Ltd | アルミナ成形体、アルミナ焼成成形体及びこれらの製造方法 |
JP2013010652A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-01-17 | Gifu Univ | α−酸化アルミニウム前駆体ゾル、その製造方法、及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットの製造方法 |
-
1991
- 1991-06-03 JP JP3131102A patent/JPH0688780B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Publication number | Publication date |
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JPH0688780B2 (ja) | 1994-11-09 |
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