JP3175124B2 - シリカ系被覆材及び被覆体 - Google Patents

シリカ系被覆材及び被覆体

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JP3175124B2
JP3175124B2 JP32651891A JP32651891A JP3175124B2 JP 3175124 B2 JP3175124 B2 JP 3175124B2 JP 32651891 A JP32651891 A JP 32651891A JP 32651891 A JP32651891 A JP 32651891A JP 3175124 B2 JP3175124 B2 JP 3175124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機珪素化合物を特定の
条件下で加水分解してなるシリカ系被覆材及びこの被覆
材を用いて得られる被覆体に関する。本発明のシリカ系
被覆材を用いてシリカ系被膜を容易に形成することがで
き、この被膜は薄膜状又は厚膜状で利用でき、電子材料
の分野ではアルカリ金属の溶出防止膜やパッシベーショ
ン膜、ステップカバーリング、絶縁膜等として、建材の
分野では内外装用セラミックコーティング材として、自
動車工業の分野ではエンジン周辺部の耐熱材料等として
有用である。
【0002】
【従来の技術】シリカ系被膜の形成方法として、気相成
長法が知られているが、気相成長法においては、特殊な
装置を必要とする、被膜形成用基体が大きいと均一な被
膜を形成することが困難となる、大量生産が困難である
という問題がある。一方、有機珪素化合物の溶液に水を
加え、酸又は塩基触媒による加水分解反応及び重合反応
(以下単に加水分解反応ともいう)によって、上記溶液
を金属酸化物及び/又は金属水酸化物のコロイド粒子が
分散したゾルを合成し、これを基体に塗布した後、加熱
することによりシリカ系被膜を形成する塗布法は、上記
問題を解決するシリカ系被膜の形成方法として知られ、
例えばカルボン酸とハロゲン化シランとの反応生成物
を、アルコールと反応させて得られた溶液に、有機性塗
膜形成剤とガラス質形成剤を溶解した被覆材を用いる方
法(特開昭50−103533)、アルコキシシランと
低級カルボン酸とアルコールの混合物を、有機酸系反応
促進剤の存在下で反応させて得た反応生成物からなる被
覆材を用いる方法(特開昭55−34258)等が知ら
れ、又、塗布法に使用する被覆材として、有機珪素化合
物及びシリカゾルを有機溶剤に溶解及び分散させてなる
酸化珪素薄膜形成用組成物が知られている(特開昭61
−53365)。
【0003】有機珪素化合物をアルカリ性下で又は酸性
下で加水分解反応させたときの反応については、種々検
討されており、例えば、アンモニアを触媒として、有機
珪素化合物の一種であるテトラエトキシシランを加水分
解反応させると2μm以下の粒径を有する微粒子を形成
することができることが知られている〔ジャーナルコロ
イド アンド インターフェイス サイエンス(J. Col
loid and InterfaceScience) vol.26,P6
2,(1967)〕。又、酸を触媒として、テトラエト
キシシランを比較的少量の水で加水分解反応させると、
−Si−O−Si−の結合が直線的に生成した重合体を
形成することができることが知られている〔セラミック
ス、vol.92,P242〜247,(198
4)〕。しかしながら、従来のシリカ系被覆材を用いて
シリカ系被膜を形成しようとすると、加熱温度を250
℃以上とすることが必要であり、耐熱性がない基体又は
耐熱性に乏しい基体に被膜を形成することができないと
いう問題があり、又加熱時にアルコールの脱離による被
膜の収縮が起こるため、被膜にひび割れが起こりやすい
という傾向があり、特に厚膜状に被膜を形成するとこの
傾向が著しくなるという問題がある。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、有機珪素
化合物の加水分解物を原料とする塗布法により、比較的
低い温度で硬化させることができ、しかも厚塗りした場
合においても、硬化時に被膜の収縮が少なく、ひび割れ
することがないシリカ系被膜を形成することができるシ
リカ系被覆材及びこの被覆材を用いて得られる被膜体を
提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、有機珪素化合物の加水分解反応を行う際に、
有機珪素化合物をアルカリ性下で加水分解反応を行うこ
とにより得られるシリカ系微粒子の存在下で、有機珪素
化合物を酸性下で加水分解反応を行うことにより得られ
る生成物を主成分とする被覆材は、上記問題点を解決す
ることができる優れた特性を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は加水分解性の官
能基を有する有機珪素化合物と水とのアルカリ性下での
反応生成物を存在させて、加水分解性の官能基を有する
有機珪素化合物を水と酸性下で反応させて得られる反応
生成物からなるシリカ系被覆材及びこのシリカ系被覆材
で基体を被覆した後、被膜を加熱硬化させてなる被覆体
である。
【0006】本発明の被覆材は、有機珪素化合物と水と
をアルカリ性下で加水分解反応させる第一段階の加水分
解反応と、第一段階の加水分解反応の生成物を存在させ
て、有機珪素化合物と水とを酸性下で加水分解反応させ
る第二段階の加水分解反応を経て形成される反応生成物
を主成分とする。以下、各加水分解反応に用いる有機珪
素化合物及び加水分解反応の条件について詳細に述べ
る。 ○有機珪素化合物 本発明において用いる有機珪素化合物は、珪素原子と加
水分解性の官能基とからなる化合物であり、使用できる
好ましい有機珪素化合物としては、珪素アルコキシド及
び珪素配位化合物等がある。
【0007】〔珪素アルコキシド〕本発明で用いること
ができる金属アルコキシドは、酸性又はアルカリ性下で
加水分解される性質を有するものであれば特に限定され
ないが、下記一般式(1)で示される金属アルコキシド
は好ましいものである。 R1 x Si(R2 O)y (1) 〔但し、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基、アル
ケニル基又は水素原子を示し、xは0〜3の整数であ
り、yは1〜4の整数であって、x+yは4である。〕
上記一般式(1)における置換基R1 又はR2 である、
アルキル基、アリール基及びアルケニル基の好ましい具
体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec −
ブチル基、tert−ブチル基等;フェニル基、トリル基、
メシチル基等;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基
及びイソプロペニル基等がある。
【0008】〔珪素配位化合物〕本発明で用いる珪素配
位化合物は、酸性又はアルカリ性下で加水分解される性
質を有するものであれば特に限定されないが、下記一般
式(2)又は(3)で示される珪素配位化合物は好まし
いものである。
【化1】 〔但し、R3 はアルキル基、アルコキシ基を示し、R4
及びR5 はアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を
示し、xは0〜2の整数でyは2〜4の整数であって、
x+yは4である。〕
【化2】 〔但し、R6 はアルキル基、アルコキシ基を示し、R7
はアルキル基、アリール基又は水素原子を示し、xは0
〜3の整数でyは1〜4の整数であって、x+yは4で
ある。〕上記一般式(2)及び(3)で示される置換基
3 及びR6 は、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基又は
sec −ブチル基等のアルキル基、又はメトキシ基、エト
キシ基、n−プロポキシ基又はi−プロポキシ基等のア
ルコキシ基である。R4 及びR5 は、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基又はsec −ブチル基等のアルキル基;フェ
ニル基、トリル基又はメシチル基等のアリール基又はメ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基又はi−プロ
ポキシ基等のアルコキシ基である。R7 はメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基又はsec −ブチル基等のアルキル基;
フェニル基、トリル基又はメシチル基等のアリール基で
ある。
【0009】本発明における有機珪素化合物として、上
記化合物の10量体までの重合体である部分加水分解反
応物を使用することもできる。本発明において、必要に
応じて上記有機珪素化合物と共に他の有機金属化合物を
併用することもできる。好ましい他の有機金属化合物の
具体例としては、金属アルコキシド及び金属配位化合物
等がある。
【0010】〔金属アルコキシド〕本発明で用いること
ができる珪素以外の金属を構成原子とする金属アルコキ
シドは、酸性又はアルカリ性下で加水分解される性質を
有するものであれば特に限定されないが、下記一般式
(4)で示される金属アルコキシドは好ましいものであ
る。 R1 x M(RO2 y (4) 〔但し、式中Mはn価(nは2〜4の整数である)の珪
素以外の金属原子を示し、R1 及びR2 はアルキル基、
アリール基、アルケニル基又は水素原子を示し、xは0
〜3の整数であり、yは1〜4の整数であって、x+y
はnである整数を示す。〕上記一般式(4)における金
属Mは、原子価が2〜4の珪素以外の金属であり、例え
ばチタン、ジルコニウム、アルミニウム及びホウ素等が
ある。置換基R1 又はR2 であるアルキル基、アリール
基及びアルケニル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基等;フェニル
基、トリル基、メシチル基等;ビニル基、1−プロペニ
ル基、アリル基及びイソプロペニル基等がある。
【0011】〔金属配位化合物〕本発明で用いることが
できる珪素以外の金属を構成原子とする金属配位化合物
は、酸性又はアルカリ性下で加水分解される性質を有す
るものであれば特に限定されないが、下記一般式(5)
又は(6)で示される金属配位化合物は好ましいもので
ある。
【化3】 〔但し、式中Mはn価(nは2〜4の整数である)の珪
素以外の金属原子を示し、R3 はアルキル基、アルコキ
シ基を示し、R4 及びR5 はアルキル基、アリール基又
はアルコキシ基を示し、xは0〜2の整数でyは2〜4
の整数であってx+yはnである整数を示す。〕
【化4】 〔但し、式中Mはn価(nは2〜4の整数である)の珪
素以外の金属原子を示し、R6 はアルキル基、アルコキ
シ基を示し、R7 はアルキル基、アリール基又は水素原
子を示し、xは0〜3の整数でyは1〜4の整数であっ
てx+yはnである整数を示す。〕上記一般式(5)及
び(6)で示される金属配位化合物の金属Mは2〜4価
の珪素以外の金属であり、例えば、チタン、ジルコニウ
ム、アルミニウム、銅、鉄及びコバルト等を挙げること
ができる。又、置換基R3 及びR6 は、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基又はsec −ブチル基等のアルキル基、
又はメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基又はi
−プロポキシ基等のアルコキシ基である。R4 及びR5
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基又はsec −ブチル基
等のアルキル基;フェニル基、トリル基又はメシチル基
等のアリール基又はメトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基又はi−プロポキシ基等のアルコキシ基であ
る。R7 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基又はsec −ブ
チル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基又はメシ
チル基等のアリール基である。
【0012】上記の珪素以外の金属を構成原子とする金
属アルコキシド或いは金属配位化合物の使用量は、所望
により適宜調整すれば良い。
【0013】○アルカリ性下での加水分解反応(第一段
加水分解反応)の条件 有機珪素化合物をアルカリ性下で加水分解反応させる
と、シリカ系微粒子を形成することができ、その粒径は
0.3μm以下とすることが好ましく、より好ましくは
0.1μm以下とすることが好ましく、更に好ましくは
0.07μm〜0.005μmとすることが好ましい。
シリカ系微粒子の粒径が0.3μmより大きくなると、
平滑で均一な被膜を形成することが困難になる恐れがあ
る。このような粒径を有するシリカ系微粒子を形成させ
るための加水分解反応の好ましい条件を以下に述べる。
【0014】〔反応液中の有機珪素化合物濃度〕反応液
中の有機珪素化合物濃度としては、SiO2 換算で1〜
20wt%が好ましく、より好ましくは3〜15wt%
である。1wt%未満では加水分解反応が遅くなり、又
得られる被覆材を用いてシリカ系被膜を形成すると応力
緩和効果が不十分なためシリカ系被膜がヒビ割れする恐
れがあり、逆に20wt%を越えると加水分解反応中に
ゲル化が起こり、実用的な被覆材を得ることが困難とな
る恐れがある。
【0015】〔反応液中の水の添加割合〕水の添加割合
は、加水分解性基1当量当たり0.5〜10当量、より
好ましくは1〜5当量である。0.5当量未満の場合、
シリカ系微粒子を形成させることが困難となる恐れがあ
り、10当量より多いと、シリカ系微粒子の粒径が大き
くなり、均一な膜厚を有する薄膜を形成することが困難
となる恐れがある。
【0016】〔反応温度〕好ましい反応温度は0〜20
0℃であり、より好ましくは20〜150℃である。0
℃より低いと加水分解反応が遅く、200℃より高いと
ゲル化したり、シリカ系微粒子の粒径が大きくなり過ぎ
る恐れがある。
【0017】〔反応時間〕反応時間は1〜10時間の範
囲で十分であり、一般に数時間程度で良い。
【0018】〔反応液のpH〕反応液のpHは7より大
きい値とする。好ましいpHは8〜13、より好ましく
は9〜12である。pHが7以下ではシリカ系微粒子を
形成することは困難となる。反応液のpHを7より大き
い値に調整するための好ましいアルカリ化剤としては、
アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、エタノールアミン、アニリン等の有機ア
ミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム等の無機塩基、塩基性イオン交換樹脂、無機陰イ
オン交換体等がある。
【0019】〔反応溶媒〕反応溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルウトン、アセチルアセ
トン等のケトン類、エチレングリコール、グリセリン、
ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコール等の多価アルコール及びそのエーテ
ル類があるが、好ましくはアルコール類を用いる。加水
分解反応を行わせる際の反応溶媒の好ましい配合量は、
反応開始時において、珪素アルコキシド及び珪素以外の
金属を構成原子とする金属アルコキシドのアルコキシ基
1当量又は、珪素配位化合物及び珪素以外の金属を構成
原子とする金属配位化合物の配位基1当量当り、反応溶
媒1〜50当量、より好ましくは3〜30当量である。
【0020】○酸性下での加水分解反応(第二段加水分
解反応)の条件 第二段加水分解反応は、第一段加水分解反応の生成物の
存在下でかつ酸性下に有機珪素化合物の加水分解反応を
行う必要があり、好ましい反応条件は以下の通りであ
る。なお、第一段加水分解反応と第二段加水分解反応と
は、同一の反応器内で連続して行っても良いし、又は第
一段加水分解反応の反応生成物を予め調製しておき、第
二段加水分解反応を行う際に、反応器に第一段加水分解
反応の反応生成物を配合して第二段加水分解反応を行う
こともできる。
【0021】〔反応液中の有機珪素化合物濃度〕反応液
中の有機珪素化合物濃度としては、SiO2 換算で3〜
40wt%が好ましく、より好ましくは5〜30wt%
である。3wt%未満では反応が遅くなり、40wt%
を越えると反応中にゲル化が起こり、実用的な被覆材を
得ることが困難となる恐れがある。なお、第二段加水分
解反応における有機珪素化合物濃度を算出する際には、
第一段加水分解反応時に配合された有機珪素化合物のう
ち加水分解反応に使用されずに反応器内に残留するもの
がある場合には、この残留した有機珪素化合物を含め
る。
【0022】〔反応液中の水の添加割合〕水の添加割合
は、加水分解性基1当量当たり0.25〜5当量、より
好ましくは0.3〜3当量である。0.25当量未満の
場合、加水分解反応が円滑に進行しにくくなる恐れがあ
り、5当量より多いと、ゲル化する恐れがある。
【0023】〔反応温度〕好ましい反応温度は0〜20
0℃であり、より好ましくは20〜150℃である。0
℃より低いと反応が遅く、200℃より高いとゲル化し
たり、シリカ系微粒子の粒径が大きくなり過ぎる恐れが
ある。
【0024】〔反応時間〕反応時間は1〜10時間の範
囲で十分であり、一般に2〜4時間程度で良い。
【0025】〔反応液のpH〕反応液のPHは7より小
さい値とする。好ましくは1〜5、より好ましくは2〜
4である。7以上では応力緩和効果を有するシリカ系被
覆材を得られない。反応液のpHを調整するための好ま
しい酸性化剤としては、塩酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、シ
ュウ酸等の有機カルボン酸、強酸型陽イオン交換樹脂、
無機陽イオン交換体等がある。
【0026】〔反応溶媒〕反応溶媒として、第一段の加
水分解反応に用いることができるものはいずれも使用可
能である。
【0027】第一段加水分解反応生成物中のSiO2
度(A)と第二段加水分解反応で生成させる生成物にお
けるSiO2 濃度(B)との重量比は、A/Bとして1
/5〜5/1が好ましく、より好ましくは1/3〜4/
1である。A/Bが1/5より小さいと応力緩和性、低
温硬化性等の本発明の効果を十分に発揮させることがで
きなくなる恐れがあり、A/Bが5/1より大きいとピ
ンホールがなく平滑な被膜を形成することが困難となる
恐れがある。
【0028】以上のように二段階で加水分解反応を行う
ことにより得た生成液は、そのまま被覆材として使用可
能であるが、用途に応じて塗膜形成成分濃度を調整する
ことが望ましく、濃度を高める好ましい方法としては減
圧濃縮等の方法があり、濃度を低くするには、加水分解
反応に用いることができる溶媒の中から選択した適当な
溶媒で希釈すれば良い。通常、被覆材中の固形分濃度は
1〜20wt%の範囲に調整するのが好ましい。
【0029】〔塗布方法〕被覆材の塗布方法としては、
各種利用分野において用いられている塗布方法を適用す
ることができ、例えば電子材料分野ではスピンナー、デ
ィッピイング、吹き付け、刷毛塗り等の方法により、ウ
ェハー或いはガラス板上に塗布することができ、建材、
家電、車両用の耐熱性又は耐汚染性のコーティング材と
して利用する分野ではロールコーター又は吹き付け等の
方法により塗布することができる。
【0030】〔加熱方法〕加熱条件としては、加熱装置
には特に制限はなく、加熱温度を150℃以上にすれば
良く、加熱時間は10分〜60分程度で良い。
【0031】○その他の添加剤 本発明の被覆材中には、必要に応じて各種バインダー及
び有機溶媒を含有させることができる。例えば、バイン
ダーとしては、被覆材に相溶性を有しており、被覆材を
塗布した後の加熱処理によりガラス化又は有機高分子膜
を形成するものであればよく、具体的にはリン酸又はそ
のエステル、ホウ酸又はそのエステル、アンチモン酸又
はそのエステル等のガラス質形成剤、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアセタール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等のヒドロキシシランと相溶性を有する有機高分子膜形
成剤等がある。
【0032】シリカ系被覆材を塗布することができる対
象としては、本発明の被覆材と接触させたときに変質し
ないものであれば特に限定されず、例えばガラス、セラ
ミックス、マイカ、シリコン、ゲルマニウム、ガリウ
ム、アルミニウム、銅、鉄、銀、金、ステンレス鋼、黄
銅、マイラー、ゼラチン、アクリル樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリエステル及びポリイミド等がある。上記各
種材質の塗布対象に本発明の被覆材を塗布した後、加熱
することにより得られるシリカ系被膜は、第一段加水分
解反応時に生成するシリカ系微粒子を含有しており、こ
の微粒子が応力緩和性を発揮するため、薄膜状としては
勿論のこと厚膜状としてもヒビ割れのない被膜として、
種々の機能を発揮する。具体的に機能を例示すれば、塗
布対象物の平滑性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、絶縁
性、耐汚染性等の向上がある。従って、本発明のシリカ
系被覆材で処理した被覆体に種々の改良された性質を付
与することができる。
【0033】
【作用】本発明の被覆材を用いるとシリカ系被膜を比較
的低温で硬化させることができる理由は不明であるが、
本発明者らは以下のように推定している。即ち、先ず第
一段加水分解反応において、有機珪素化合物をアルカリ
性下で加水分解反応させることにより(−Si−O−S
i−)の結合が3次元的に形成されたシリカ系微粒子が
生成し、次いでこの微粒子の存在下で行う第二段加水分
解反応において、有機珪素化合物を酸性下で加水分解反
応させることにより、第一段加水分解反応で生成するシ
リカ系微粒子を核として(−Si−O−Si−)の結合
を直鎖状に形成することができ、その結果として(−S
i−O−Si−)の結合が3次元的に形成されたシリカ
系微粒子の表面に、硬化し易い直鎖状の(−Si−O−
Si−)結合が形成された言わば星型状のプレポリマー
を形成することができると考えている。このプレポリマ
ーは、その核の部分は既に十分硬化しており、又その表
面部分の直鎖状ポリマーは、充分高い硬化性を有してい
るために、低温で硬化させることができると同時に硬化
時の収縮も少ないと推定される。又、被膜形成後の膜組
織においては、シリカ系微粒子又はその凝集体が分散し
ているため、被膜内に発生する応力をシリカ系微粒子に
集中させることができ、その結果として被膜の機械的強
度を高めることができ、比較的厚い膜状に被膜を形成し
てもひび割れしないという効果を発揮させることができ
るものと推定される。
【0034】
【実施例及び比較例】
実施例1 滴下ロート、温度計、撹拌装置を備えた反応容器にテト
ラエトキシシラン108g、メタノール335gを仕込
み、70℃に昇温させた後に、メタノール144g、純
水13.2g、エチルアミン3.6gの混合物を徐々に
滴下し、そのまま70℃にて2時間反応させた後に、系
を冷却した。次に、系を少量の塩酸を加えてpH値を2
に調整した。温度を30℃で30分維持した後、テトラ
エトキシシランの部分加水分解物(重量平均分子量40
0)59.3gを添加し30℃に維持しながら1時間撹
拌を続け、次いで純水7.0g、メタノール30gの混
合液を徐々に滴下し、30℃で3時間反応させ、僅かに
白濁した液を得た。系を中性に戻し、副生する不純物イ
オンを常法により除去し、減圧下で濃縮し、加熱残分を
10wt%に調整し、シリカ系被覆材(1)を得た。
【0035】実施例2 実施例1と同様にして、アルカリ性下の加水分解を行っ
た後、テトラメトキシシランの部分加水分解物の代わり
にトリエトキシホウ素5gを添加し、温度を30℃に維
持しながら1時間攪拌する。次いで、メチルトリエトキ
シシラン15gとテトラエトキシシランの部分加水分解
物(重量平均分子量600)30gを添加し、他の工程
は実施例1と同様にして、シリカ系被覆材(2)を得
た。
【0036】実施例3 滴下ロート、温度計、撹拌装置を備えた反応容器にテト
ラエトキシシラン95g、テトラエトキシチタン10
g、メタノール340gを仕込み、70℃に昇温させた
後に、メタノール144g、純水13.2g、エチルア
ミン3.6gの混合物を徐々に滴下し、そのまま70℃
にて2時間反応させた後に、系を冷却した。次に、系を
少量のリン酸を加えてpH値を2.5に調整した。温度
を40℃で30分維持した後、テトラエトキシシラン6
5gとジルコニアアセチルアセトナート5gを添加し、
30℃に維持しながら1時間撹拌を続け、次いで純水
7.0g、メタノール30gの混合液を徐々に滴下し、
40℃で2.5時間反応させ、僅かに白濁した液を得
た。系を中性に戻し、副生する不純物イオンを常法によ
り除去し、減圧下で濃縮し、加熱残分を10wt%に調
整し、シリカ系被覆材(3)を得た。
【0037】比較例 実施例1と同様の反応器にテトラエトキシシラン108
g、酢酸108g、メタノール300gを仕込み、室温
にて均一に混合した。この混合物に五酸化リン1.0g
を加え、65℃に昇温し、そのまま5時間反応させ、透
明なゾル液を得た。減圧下で濃縮し、加熱残分を10w
t%に調整し、シリカ系被覆材を得た。
【0038】実施例1及び比較例で合成したシリカ系被
覆材を乾燥膜厚が300nmとなるようにガラス板に塗
布し、450℃で20分間加熱硬化させた。その結果、
実施例1で合成したシリカ系被覆材を用いた場合は無色
透明な被膜が形成されたが、比較例で合成したシリカ系
被覆材を用いた場合には被膜がヒビ割れし、一部剥離し
た。又、実施例1で合成したシリカ系被覆材を用いた場
合には、150℃の加熱でシリカ系被膜を形成したとき
にもヒビ割れが生ぜず、無色透明な被膜を形成すること
ができた。この被膜の組織を観察した電子顕微鏡写真
(図1)から分かるように、この被膜内において粒径が
約10nmの微粒子又はその凝集体が形成されていた。
【0039】実施例4 実施例1〜3において合成したシリカ系被覆材をスピン
ナーを用いてガラス板上に塗布し、180℃で30分間
加熱することにより硬化させ、下記表1に示す特性を有
するシリカ系被膜を形成した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例5 実施例2において合成したシリカ系被覆材(2)を濃縮
し、固形分濃度を35wt%に調整し、コート液を得
た。このコート液を建材用不燃性外装材(シーラ処理
済)にスプレーにより吹き付けた後、150℃で30分
間加熱することにより硬化させた結果、以下の特性を有
するシリカ系被膜処理外装板を得た。 膜厚 50μm 硬度 5H以上 耐火試験*2 変化なし 耐温水性 80℃/24時間浸漬後、異常なし。 耐アルカリ性 1%Na2 CO3 浸漬後、異常なし。 *2)アルコールランプで、シリカ系被膜処理外装板を1
0分間加熱した後、シリカ系被膜処理外装板の外観上の
変化を肉眼で観察した。
【0042】以上の結果から、本発明の被覆材を用いる
ことにより、ひび割れを起こさず、厚膜状で被膜を形成
することができ、この被膜は耐磨耗性、耐熱性、耐水
性、耐アルカリ性に優れていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明のシリカ系被覆材を用いると、大
きな基体上にシリカ系被膜を容易に形成することができ
る。しかも、加熱温度は150℃以上の温度であればよ
く、比較的低い温度で硬化させることができ、厚塗りし
た場合においても、硬化時に被膜の収縮が少なく、ひび
割れすることがないシリカ系被膜を形成することができ
る。又、本発明のシリカ系被覆材により被覆された被覆
体は、応力緩和性を有する被覆材で被覆されており、こ
の被覆材は薄膜状は勿論のこと、厚膜状でも、ヒビ割れ
することなく、各種の基体上に形成され、基体の平滑
性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、絶縁性及び耐汚染性等
を向上させることができるため、本発明の被覆体によ
り、種々の改良された特性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図面1】実施例1で得たシリカ系被覆材を塗布し、1
50℃で加熱することにより形成したシリカ系被膜にお
ける微粒子の構造を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−34258(JP,A) 特開 平1−278412(JP,A) 特開 昭62−292627(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/12 - 33/193 C09D 183/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解性の官能基を有する有機珪素化
    合物と水とのアルカリ性下での反応生成物を存在させ
    て、加水分解性の官能基を有する有機珪素化合物を水と
    酸性下で反応させて得られる反応生成物からなるシリカ
    系被覆材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリカ系被覆材で基体を
    被覆した後、被膜を加熱硬化させてなる被覆体。
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