JPS621617B2 - - Google Patents

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JPS621617B2
JPS621617B2 JP56054967A JP5496781A JPS621617B2 JP S621617 B2 JPS621617 B2 JP S621617B2 JP 56054967 A JP56054967 A JP 56054967A JP 5496781 A JP5496781 A JP 5496781A JP S621617 B2 JPS621617 B2 JP S621617B2
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JP
Japan
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solvent
polyamic acid
weight
aromatic
thin film
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JP56054967A
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English (en)
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JPS57170936A (en
Inventor
Hiroshi Makino
Yoshihiro Kusuki
Takashi Harada
Hiroshi Shimazaki
Toshio Ishida
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Priority to DE19823213582 priority patent/DE3213582A1/de
Priority to US06/368,027 priority patent/US4474662A/en
Publication of JPS57170936A publication Critical patent/JPS57170936A/ja
Publication of JPS621617B2 publication Critical patent/JPS621617B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/28Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof by elimination of a liquid phase from a macromolecular composition or article, e.g. drying of coagulum
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/58Other polymers having nitrogen in the main chain, with or without oxygen or carbon only
    • B01D71/62Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain
    • B01D71/64Polyimides; Polyamide-imides; Polyester-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2379/00Characterised by the use of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen with or without oxygen, or carbon only, not provided for in groups C08J2361/00 - C08J2377/00
    • C08J2379/04Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain; Polyhydrazides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • C08J2379/08Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、芳香族テトラカルボン酸成分と芳
香族ジアミン成分とから得られたポリアミツク酸
が、そのポリマー可溶性の有機極性溶媒とそのポ
リマー不溶性の有機極性溶媒との特定の混合溶媒
に、適当なポリマー濃度で均一に溶解しているポ
リアミツク酸組成物を、製膜用のドープ液として
使用し、加熱乾燥による乾式法で、ポリイミド多
孔質膜を製造する方法に係る。 この発明の方法で得られるポリイミド多孔質膜
は、ガスまたは溶液中の成分の透過性能が優れて
おり、耐熱性、耐薬品性、機械的強度などが優れ
ている芳香族ポリイミドの多孔質膜であり、種々
の混合ガス(例えば、水素と一酸化炭素との混合
ガス)または混合溶液の分離、濃縮などの用途に
好適に使用することができる平膜状または中空糸
状のものである。 従来、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジ
アミン成分とから得られたポリアミツク酸が、そ
のポリマー可溶性の有機極性溶媒に溶解している
ポリアミツク酸組成物を、製膜用のドープ液とし
て使用し、芳香族ポリイミドの均質膜(フイル
ム)を、溶液流延、乾式法で製造する方法が、充
分に知られており、実際に実用化されている。 しかしながら、公知の芳香族ポリイミドフイル
ムは、極めてガスまたは溶液の透過速度の小さな
均質膜であつて、膜厚を極めて薄くしない限り、
混合ガスまたは溶液の分離、濃縮用に使用できる
ものではなかつたし、公知のポリイミドフイルム
の製造法では、透過速度の大きいポリイミド多孔
質膜を、製造することができなかつたのである。 この発明者らは、透過速度が大きく、しかも分
離、濃縮性能を有する芳香族ポリイミドの多孔質
膜を製造する方法について鋭意研究した結果、芳
香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とから得られたポリアミツク酸が、そのポリマー
可溶性の有機極性溶媒とそのポリマー不溶性の有
機極性溶媒との特定の混合溶媒に、所定濃度で均
一に溶解しているポリアミツク酸組成物を、製膜
用のドープ液として使用すれば、溶液流延法加熱
乾燥および加熱によるイミド化による乾式法で、
ポリイミド多孔質膜を製造できることを見出し、
この発明を完成した。 すなわち、この発明は、芳香族テトラカルボン
酸成分と芳香族ジアミン成分とから得られたポリ
アミツク酸が、 (a) 前記ポリアミツク酸を5重量%以上溶解可能
である有機極性溶媒からなるベース溶媒100重
量部と、 (b) 前記ポリアミツク酸を3重量%以上溶解せ
ず、しかも製膜時の加熱乾燥において前記ベー
ス溶媒より蒸発速度が遅い有機極性溶媒からな
る添加溶媒5〜150重量部との均一な混合溶媒
に、 ポリマー濃度約3〜30重量%となるように均
一に溶解しているポリアミツク酸組成物を、製
膜用のドープ液として使用し、 そのドープ液の薄膜を約0〜120℃で形成
し、 その薄膜を、約30〜400℃の温度で加熱乾燥し
て各溶媒を徐々に除去すると共に、ポリアミツク
酸をイミド化することを特徴とするポリイミド多
孔質膜の製造法に関する。 この発明の方法は、芳香族ポリアミツク酸が特
定の混合溶媒に均一に溶解しているポリアミツク
酸組成物を、製膜用のドープ液として使用して、
加熱乾燥・イミド化による乾式法で、製膜して、
再現性よく芳香族ポリイミド多孔質膜を製造する
ことができる方法である。 一般的に、ポリマー溶液からガスまたは溶液分
離性の多孔質膜を製造する際に、凝固液を使用し
て凝固膜を形成し、次いで乾燥する湿式法が行な
われるのであるが、この発明の方法では、そのよ
うな凝固液を使用する必要がまつたくなく、その
点において非常に実用的な方法である。 この発明の方法では、平膜状の多孔質膜を好適
に製造することができるが、中空糸状の多孔質膜
も製造することができる。 この発明の方法で得られる芳香族ポリイミド多
孔質膜は、ガスまたは溶液の透過速度が優れてい
て、混合ガスの各ガス成分を分離、濃縮すること
ができる耐熱性のガスまたは溶液分離膜の一種で
ある。この発明の方法で得られた芳香族ポリイミ
ド多孔質膜は、特にガス分離性能および耐熱性と
共に、耐薬品性、機械的性能も優れている。 以下、この発明の方法について、さらに詳しく
説明する。 この発明の方法において使用するポリアミツク
酸は、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジア
ミン成分とを、公知の方法で、重合して得られる
高分子量の芳香族ポリアミツク酸(芳香族ポリア
ミド酸とも言う)であり、芳香族ポリイミドとな
りうるイミドの前駆体である。 その芳香族ポリアミツク酸は、一般式 (ただし、Rは、芳香族テトラカルボン酸成分に
係る四価の芳香族残基であり、R′は、芳香族ジ
アミン成分に係る二価の芳香族残基である)で示
される反復単位を、主鎖中に60%以上、特に好ま
しくは80%以上有するポリマーであつて、そのポ
リマーの対数粘度(30℃、濃度0.5g/100mlN−
メチル−2−ピロリドンで測定)が0.1〜7、特
に好ましくは0.3〜5程度であるポリマーであ
る。 前記のポリアミツク酸は、芳香族テトラカルボ
ン酸成分と芳香族ジアミン成分とを、有機極性溶
媒中、約0〜160℃、特に好ましくは0〜100℃、
さらに好ましくは0〜80℃で、重合反応させて、
製造することができる。この製造方法において、
芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分とは、略等モル使用することが好ましいが、一
方の成分が他の成分より約5モル%まで多くても
よい。 前記の芳香族テトラカルボン酸成分としては、
3・3′・4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸、
2・3・3′4′−ビフエニルテトラカルボン酸、
2・2′・3・3′−ビフエニルテトラカルボン酸な
どのビフエニルテトラカルボン酸類、3・3′・
4・4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸、2・
3・3′・4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸な
どのベンゾフエノンテトラカルボン酸類、あるい
は、2・2−ビス(3・4−ジカルボキシフエニ
ル)プロパン、ビス(3・4−ジカルボキシフエ
ニル)メタン、ビス(3・4−ジカルボキシフエ
ニル)スルホン、ビス(3・4−ジカルボキシフ
エニル)エーテル、ビス(3・4−ジカルボキシ
フエニル)チオエーテル、さらにピロメリツト
酸、および、それらの酸無水物、塩、または低級
アルコールエステルなどを挙げることができる。 前記の芳香族ジアミン成分としては、一般式
H2N−R′−NH2(R′は前述のとおりである)で示
される芳香族ジアミンであればよく、例えば、一
般式
【式】
【式】(ただし、前記一 般式において、R1およびR2は、水素、低級アル
キル、低級アルコキシ、ハロゲンなどの置換基で
あり、Aは、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−
SO−、−CH2−、−C(CH32−などの二価の基で
ある)で示される芳香族ジアミンが好ましい。 また芳香族ジアミンとしては、一般式
【式】(ただし、R3は、R1または R2と同様である)、一般式
【式】 で示されるジアミンであつてもよい。 特にこの発明の方法では、芳香族ジアミンとし
て、4・4′−ジアミノジフエニルエーテル、3・
3′−ジメチル−4・4′−ジアミノジフエニルエー
テル、3・3′−ジエトキシ−4・4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3・3′−ジアミノジフエニル
エーテルなどのジフエニルエーテル系ジアミン、
4・4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、3・
3′−ジアミノジフエニルチオエーテルなどのジフ
エニルチオエーテル系ジアミン、4・4′−ジアミ
ノジフエニルメタン、3・3′−ジアミノジフエニ
ルメタンなどのジフエニルメタン系ジアミン、
4・4′−ジアミノベンゾフエノン、3・3′−ジア
ミノベンゾフエノンなどのベンゾフエノン系ジア
ミン、2・2−ビス(4−アミノフエニル)プロ
パン、2・2−ビス(3−アミノフエニル)プロ
パンなどの2・2−ビスフエニルプロパン系ジア
ミン、4・4′−ジアミノスルホキシド、4・4′−
ジアミノジフエニルスルホン、ベンチジン3・
3′−ジメチルベンチジン、3・3′−ジメトキシベ
ンチジン、o−、m−、p−フエニレンジアミ
ン、2・6−ジアミノピリジン、3・6−ジアミ
ノピリジンなどを挙げることができ、それらの混
合物であつてもよい。 芳香族ポリアミツク酸の製造において使用する
重合用の有機極性溶媒としては、N・N−ジメチ
ルホルムアミド、N・N−ジメチルアセタミド、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフオスホル
ムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジ
ン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホ
ン、ジメチルテトラメチレンスルホンなどを挙げ
ることができる。 この発明の方法においてポリアミツク酸を均一
に溶解するための混合溶媒は、 (a) 前記ポリアミツク酸を5重量%以上、好まし
くは6重量%以上溶解可能である有機極性溶媒
からなるベース溶媒100重量部と、 (b) 前記ポリアミツク酸を3重量%以上溶解せ
ず、しかも製膜時の加熱乾燥において前記ベー
ス溶媒より蒸発速度が遅い有機極性溶媒からな
る添加溶媒5〜150重量部、好ましくは10〜140
重量部との均一な混合溶媒である。 前記のポリアミツク酸を溶解可能である有機極
性溶媒(ベース溶媒)としては、前述のポリアミ
ツク酸の製造において使用する重合用の有機極性
溶媒をそのまま使用することができ、特に、N・
N−ジメチルホルムアミド、N・N−ジメチルア
セトアミドなどのN・N−ジアルキルカルボキシ
ルアミド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−
エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキル−2
−ピロリドン類が好適である。 混合溶媒の添加溶媒としては、前述のポリアミ
ツク酸粉末を3重量%以上、好ましくは1.5重量
%以上溶解せず、しかも製膜時の加熱乾燥におけ
るドープ液の薄膜からの蒸発速度が前記ベース溶
媒より遅い有機極性溶媒であるが、さらにベース
溶媒と互に相溶性であることおよび使用したポリ
アミツク酸に対応するポリイミドに対して不溶性
であることは当然に必要である。 その添加溶媒としては、例えば、前述のベース
溶媒の沸点より少くとも5℃、特に好ましくは10
〜200℃高い沸点を有し、前記ポリアミツク酸不
溶性であつてベース溶媒と相溶性である有機極性
溶媒、特に有機極性の芳香族系溶媒であればよい
が、さらに、ベース溶媒の沸点より5℃高い沸点
〜ベース溶媒の沸点より30℃低い沸点の範囲であ
る沸点を有する有機極性溶媒であつても、ベース
溶媒のイオン化ポテンシヤルよりも0.1ev以上、
特に好ましくは0.2ev以上低いイオン化ポテンシ
ヤルを有するものであつて、前記ポリアミツク酸
不溶性であり、ベース溶媒と相溶性である有機極
性溶媒、特に極性の芳香族系溶媒であつてもよい
のである。 その添加溶媒の具体例としては、例えば、フエ
ナンスレン、o−またはp−ターフエニル、α−
クロルナフタリン、トリフエニルフオスフイン、
トリフエニルアミン、アニリン、ナフタリン、1
−メチルナフタリン、2−メチルナフタリン、ジ
メチルナフタリン、アントラセン、1・2−ベン
ズアントラセンなどを挙げることができる。 この発明の方法では、混合溶媒は、ポリアミツ
ク酸可溶性の有機極性溶媒からなるベース溶媒
100重量部と、ポリアミツク酸不溶性の有機極性
溶媒からなる添加溶媒5〜150重量部との均一な
混合溶媒であるが、全体として、ポリアミツク酸
を均一に溶解することができるものでなければな
らない。したがつて、混合溶媒中の添加溶媒の量
は、ポリアミツク酸が析出しない程度でなければ
ならないものである。 この発明の方法で使用するポリアミツク酸組成
物は、前述の芳香族ポリアミツク酸が、前述のベ
ース溶媒と添加溶媒との混合溶媒に、ポリマー濃
度3〜30重量%、好ましくは5〜25重量%となる
ように、均一に溶解している溶液組成物である。 このポリアミド酸組成物は、公知のどのような
方法で調製されていてもよいが、例えば、ポリア
ミツク酸の製造において述べたように、芳香族テ
トラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを、
ポリアミツク酸溶解性の有機極性溶媒中で、約0
〜120℃の重合温度で重合して、芳香族ポリアミ
ツク酸を含有する溶液を製造し、これに必要量の
添加溶媒を加えて、ポリアミツク酸組成物を調製
することができ、あるいは、前述のポリアミツク
酸を含有する反応溶液にポリマー不溶性の溶媒を
多量に添加してポリアミツク酸を沈澱させ、ポリ
アミツク酸粉末を単離し、次に、前述のベース溶
媒と添加溶媒との混合溶媒に、このポリアミツク
酸粉末を均一に溶解することによつて、ポリアミ
ツク酸組成物を調製することができる。 この発明の方法で使用するポリアミツク酸組成
物は、製膜時にドープ液の薄膜を形成する際に、
その製膜温度における回転粘度が、少なくとも
500センチポアズ、特に好ましくは10〜1万ポア
ズ程度であることが好ましく、また、組成物全体
として均一な液状の組成物であつて、製膜用のド
ープ液として使用できるものである。 この発明の方法では、前述のポリアミツク酸組
成物を、製膜用のドープ液として使用し、そのド
ープ液の薄膜を、約0〜120℃、好ましくは30〜
110℃で形成し、その薄膜を、約30〜400℃、好ま
しくは、50〜350℃の温度で加熱乾燥して、各溶
媒を徐々に除去すると共に、ポリアミツク酸をイ
ミド化して、ポリイミド多孔質膜を製造するので
ある。 この発明の方法では、ドープ液は、製膜に先立
つて、20〜120℃、特に好ましくは30〜110℃の温
度で、ろ過および脱泡して使用することが好まし
い。 この発明の方法において、製膜の具体的な方法
としては、各種のポリマー溶液組成物のドープ液
から、溶液流延法、乾式法で薄膜を形成できる公
知のどのような製膜方法でもよいが、例えば、前
述のポリアミツク酸組成物のドープ液を、ろ過お
よび脱泡した後、約0〜120℃、好ましくは30℃
〜110℃の温度で、平滑面を有する基材の表面上
に塗布または流延し、ドープ液の薄膜を形成し、
その基材上の薄膜から各溶媒を徐々に除去するた
めに、その薄膜を、約30〜400℃の温度で加熱乾
燥し、薄膜を固化すると共に、ポリアミツク酸の
アミド−酸結合を環化イミド化し、最後に、固化
およびイミド化した薄膜を基材から引き剥すこと
によつて、ポリイミド多孔質膜を製造することが
できるのである。 前記の加熱乾燥は、ドープ液の薄膜から各溶媒
を徐々に除去し、薄膜内のポリマーをイミド化す
るためであるが、加熱乾燥の初期には、主として
ドープ液の薄膜から各溶媒を徐々に除去し、次い
で、溶媒が大部分除去した薄膜中のポリマーのイ
ミド化を促進させるように、加熱乾燥することが
好ましい。 この発明の方法では、製膜の加熱乾燥として
は、最初、30〜150℃程度の温度範囲で薄膜を加
熱乾燥し、次いで、150〜400℃の温度範囲で薄膜
を加熱乾燥すると共にポリマーをイミド化するこ
とが好ましい。前記の各段階の加熱乾燥は、各温
度範囲においてしだいに温度を上昇していつても
よいが、各温度範囲内で、複数段階で温度上昇さ
せてもよく、特に後半の加熱乾燥(150〜400℃)
では、第1段階で150〜250℃の温度とし、第2段
階で、前記第1段階より30〜100℃高い温度と
し、第3段階で、前記第2段階より30〜100℃高
い温度として、行うことが好適である。 前述の薄膜の加熱乾燥において、各段階の加熱
乾燥時間は、ドープ液のポリマー、各溶媒の種
類、ドープ液のポリマー濃度、各乾燥温度などに
よつて変わるものであるので、各具体例で適宜決
めればよい。 前述の製膜に使用する平滑面を有する基材とし
ては、例えば、ガラス板、表面平滑な銅板、鋼
板、または適当な金属メツキが施された金属板、
あるいは剥離性能のある耐熱性の樹脂板など、さ
らに表面平滑な金属ロールまたはベルトなどを挙
げることができる。 この発明の方法において、吐出時の回転粘度が
約500〜100000センチポアズであるポリアミツク
酸組成物からなるドープ液を、約0〜120℃の吐
出温度で、約0.1〜1mmの間隔の空隙部を有する
スリツト(押出し金型)から押し出し(吐出
し)、回動している表面平滑な金属ロールまたは
ベルト上に受けて、その金属ロールまたはベルト
上に設けたドクターナイフおよびドープ液の自然
流延性によつて均一な厚さの薄膜を形成し、次い
で、回動する金属ロールまたはベルト上の薄膜に
加熱された不活性気体を吹きつけるか、電熱線を
照射して、約30〜400℃の温度範囲内で加熱乾燥
して溶媒を徐々に除去し、ポリマーをイミド化
し、薄膜をポリイミド膜として固化し、さらに固
化したポリイミド膜を金属ロールまたはベルトか
ら引き剥すことによつて、連続的にポリイミド多
孔質膜を乾式法で製造することができる。 この発明の方法は、芳香族ポリアミツク酸を使
用し、その溶媒として、前記ポリアミツク酸を溶
解可能な有機極性溶媒(ベース溶媒)と、前記ポ
リアミツク酸の不溶性の有機極性溶媒(添加溶
媒)との特定の混合溶媒を使用して、ポリアミツ
ク酸組成物を調製して、ドープ液として使用し、
凝固液を使用しない乾式法でポリイミド多孔質膜
を、初めて製造することができたものである。な
お、前述のようにして製造したポリイミド多孔質
膜は、残留する溶媒を除去するために、メタノー
ル、アセトンなどの溶媒で洗浄することが好まし
い。 この発明の方法では、ポリアミツク酸組成物の
ドープ液から、ドープ液の薄膜を溶液流延法によ
つて形成し、その薄膜から各溶媒の加熱乾燥によ
つて徐々に除去すると共にポリマーをイミド化す
るという簡単な工程で、ポリイミド多孔質膜を製
造することができ、工業的に安定して連続的に多
孔質膜を製造できる有益な方法である。 この発明の方法によつて製造されるポリイミド
多孔質膜は、極めて高い耐熱性を有しており、約
50〜350℃でガスまたは溶液の分離膜として使用
できると共に、耐薬品性、機械的強度が優れてお
り、しかも、ガスまたは溶液の透過速度も充分に
高い分離膜として使用できる多孔質膜である。 したがつて、この発明の方法で製造されるポリ
イミド多孔質膜は、種々の混合ガスまたは溶液の
分離、濃縮に使用することができ、例えば、水素
と一酸化炭素との混合ガスの分離、濃縮に好適に
使用することができる。 以下、実施例および比較例を示す。 実施例および比較例において、ガス透過テスト
は、面積14.65cm2のステンレス製のセルにポリイ
ミド膜(多孔質膜)を設置し、水素ガス、一酸化
炭素ガスを、3Kg/cm2に加圧して常温で供給し、
多孔質膜を透過して来るガス容量を流量計で測定
した。 上記のガス透過テストの結果は、次式で示す透
過度(P)の算出式に従つて算出されたガス透過
度で示した。 ガス透過度(P) =透過ガス量(STP)/膜面積×透過時間×圧力差
(cm3/cm2・sec・cmHg) 実施例 1〜5 撹拌機 窒素ガス導入管の設けられたセパラブ
ルフラスコに、3・3′・4・4′−ビフエニルテト
ラカルボン酸二無水物(S−BPDA)40ミリモ
ル、4・4′−ジアミノジフエニルエーテル
(DADE)40ミリモル、N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)178gを加え、窒素ガス流通を行い
ながら、反応液の撹拌を続けて、20℃の温度で5
時間、重合して、ポリアミツク酸を含有する反応
液を製造した。 このポリアミツク酸の対数粘度(30℃、濃度;
0.5g/100ml溶媒、溶媒;NMPで測定した)が
1.82であつた。 上記反応液は、ポリマー濃度が10重量%であつ
た。 この反応液に、第1表に示す添加溶媒を、第1
表に示す量だけ加えて、均一なポリアミツク酸組
成物を調製し、そのポリアミツク酸組成物を常温
で加圧下にろ過し、次いで減圧下脱泡して、製膜
用のドープ液を調製した。このドープ液の回転粘
度(60℃)は約1000センチポアズ程度であつた。 なお、対数粘度は、次式で算出した。 対数粘度=自然対数(溶液の粘度/溶媒の粘度)/溶液
中のポリマー濃度 前記のドープ液を、ガラス板上に60℃で流延し
ドクターブレードで均一な厚さ(0.2mm)とし
て、ドープ液の薄膜を形成し、その薄膜を100℃
で3時間、次いで200℃で5時間乾燥して、薄膜
から各溶媒を徐々に除去して、ポリマーをイミド
化して、約10μの厚さのポリイミド多孔質膜を製
造した。 これらのポリイミド多孔質膜を使用して、ガス
透過テストを行つた。その結果を第1表に示す。 比較例 1〜3 添加溶媒として、第1表に示す溶媒を、第1表
に示す量だけ使用したほかは、実施例1と同様に
して、ポリイミド膜を製造した。そのポリイミド
膜のガス透過テストの結果を第1表に示す。 なお、実施例および比較例で、添加溶媒として
使用した各有機極性溶媒は、単独では、この実施
例および比較例で使用した芳香族ポリアミツク酸
粉末(イミド化率;1%以下、対数粘度;1.82)
を実質的に溶解しないと共に、対応するポリイミ
ドも実質的に溶解しない溶媒である。 実施例および比較例の結果によれば、添加溶媒
として、ベース溶媒よりはるかに高い沸点を有す
る有機極性溶媒を使用した場合には、実施例1、
2、3および5に示すように、優れた性能のポリ
イミド多孔質膜が得られ、また、添加溶媒として
ベース溶媒の沸点よりわずかに低い沸点を有する
有機極性溶媒を使用した場合でも、実施例4に示
すように、イオン化ポテンシヤルが、ベース溶媒
よりもかなり小さいと、製膜時の加熱乾燥におい
てベース溶媒より遅く添加溶媒が蒸発するので、
優れた性能のポリイミド多孔質膜が得られるので
ある。 ところが、添加溶媒として、ベース溶媒の沸点
よりかなり低い沸点を有する有機極性溶媒を使用
した場合には、比較例2、3に示すように、製膜
時の加熱乾燥において、ベース溶媒より先に添加
溶媒が蒸発してしまうので、ガス透過速度の大き
なポリイミド多孔質膜は、得られず、製造された
ポリイミド膜は、ガス透過テストの結果から、む
しろ均質膜に相当する測定値を示すものである。 さらに、添加溶媒として、ベース溶媒の沸点よ
りわずかに低い有機極性溶媒を使用しても、比較
例1に示すように、イオン化ポテンシヤルが、ベ
ース溶媒よりもかなり大きいと、製膜時の加熱乾
燥においてベース溶媒より早く添加溶媒が蒸発し
除去されてしまうので、ガス透過速度の大きなポ
リイミド多孔質膜が得られず、この比較例で製造
されたポリイミド膜は、むしろ均質膜の性能を有
するものであつた。
【表】
【表】 実施例 6〜7 S−BPDAのかわりに、3・3′・4・4′−ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)
を使用したほかは、実施例1と同様にしてポリア
ミツク酸を含有する反応液を製造した。このポリ
アミツク酸の対数粘度(実施例1と同様に測定)
が1.62であつた。 前記のポリアミツク酸を含有する反応液を使用
したほかは、実施例1(添加溶媒;フエナンスレ
ン)または実施例2(添加溶媒;o−ターフエニ
ル)と同様にして、第2表に示す組成のポリアミ
ツク酸組成物を調製し、製膜して、ポリイミド多
孔質膜を製造した。 そのガス透過テストの結果を第2表に示す。 実施例 8〜9 S−BPDAのかわりに、ピロメリツト酸二無水
物(PMDA)を使用したほかは、実施例1と同様
にして、ポリアミツク酸を含有する反応液を製造
した。 前記のポリアミツク酸を含有する反応液を使用
したほかは、実施例1または実施例2と同様にし
て、第2表に示す組成のポリアミツク酸組成物を
調製し、製膜して、ポリイミド多孔質膜を製造し
た。そのガス透過テストの結果を、第2表に示
す。 実施例 10〜11 重合溶媒として、NMPのかわりに、ジメチル
ホルムアミド(DMF)を使用したほかは、実施
例1と同様にして、ポリアミツク酸を含有する反
応液を製造した。 前記のポリアミツク酸を含有する反応液を使用
したほかは、実施例1または実施例2と同様にし
て、第2表に示す組成のポリアミツク酸組成物を
調製し、製膜して、ポリイミド多孔質膜を製造し
た。そのガス透過テストの結果を第2表に示す。
【表】
【表】 なお、第2表に示したポリアミツク酸組成物
は、60℃で測定した回転粘度が約1000センチポア
ズであり、均一な溶液組成物であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
    ン成分とから得られたポリアミツク酸が、 (a) 前記ポリアミツク酸を5重量%以上溶解可能
    である有機極性溶媒からなるベース溶媒100重
    量部と、 (b) 前記ポリアミツク酸を3重量%以上溶解せ
    ず、しかも製膜時の加熱乾燥において前記ベー
    ス溶媒より蒸発速度が遅い有機極性溶媒からな
    る添加溶媒5〜150重量部との均一な混合溶媒
    に、 ポリマー濃度約3〜30重量%となるように均
    一に溶解しているポリアミツク酸組成物を、製
    膜用のドープ液として使用し、 そのドープ液の薄膜を約0〜120℃で形成
    し、 その薄膜を、約30〜400℃の温度で加熱乾燥し
    て各溶媒を徐々に除去すると共に、ポリアミツク
    酸をイミド化することを特徴とするポリイミド多
    孔質膜の製造法。
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