JP6403389B2 - イミド系多孔質フィルムの製造方法およびイミド系多孔質フィルム - Google Patents
イミド系多孔質フィルムの製造方法およびイミド系多孔質フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6403389B2 JP6403389B2 JP2014007802A JP2014007802A JP6403389B2 JP 6403389 B2 JP6403389 B2 JP 6403389B2 JP 2014007802 A JP2014007802 A JP 2014007802A JP 2014007802 A JP2014007802 A JP 2014007802A JP 6403389 B2 JP6403389 B2 JP 6403389B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- imide
- solvent
- porous film
- based porous
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
<1> 溶媒として良溶媒と貧溶媒とを含有するイミド系高分子溶液を、基材上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥炉中で乾燥することによって、イミド系多孔質フィルムを製造する方法であって、乾燥の際、下記1)〜3)いずれかの方法で、塗膜表面から蒸発する溶媒を乾燥炉内の空間部に籠らせ、加熱することを特徴とするイミド系多孔質フィルムの製造方法。
1)乾燥炉から排気された溶媒を循環する。
2)塗膜面の端部にスペーサを設けた上で、このスペーサを介して溶媒蒸気透過性の被覆材を積層して加熱する。
3)塗膜面に溶媒蒸気透過性の被覆材を直接積層する。
<2> 貧溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>記載のイミド系多孔質フィルムの製造方法。
<3> 溶媒として良溶媒と、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である貧溶媒とを含有するイミド系高分子溶液を、基材上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥炉中で乾燥炉内の雰囲気における塗膜表面近傍の溶媒蒸気圧を高めつつ加熱乾燥することにより得られるイミド系多孔質フィルムであって、その表面に、30℃に設定された、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)5μLを滴下し、これが完全に浸透するまでの時間が150秒以下であるイミド系多孔質フィルムの、リチウム二次電池用セパレータ、フィルタまたは分離膜への使用。
本発明はイミド系多孔質フィルムの製造方法およびこの製造方法により得られるイミド系多孔質フィルムに関するものである。
気孔率(体積%) = 100−A*(100/B)
ユニチカ株式会社製UイミドワニスBP(ポリアミック酸型ポリイミド溶液)を塗液として準備し、これを30cm角のアルミ板上に塗布後、このアルミ板の4辺に厚み2mm、幅2cmのスペーサを設けた。このスペーサを介して、アルミ板上の塗膜全面を、厚みが30μmで、平均孔径が0.5μmである市販のフッ素樹脂製多孔質フィルムで被覆した。 これを130℃に設定された熱風循環式の乾燥炉に投入して30分加熱後、更に300℃で60分加熱し、その後冷却してアルミ板から剥離することにより、厚み55μmで、気孔率が58体積%のポリイミドからなる多孔質フィルム(A−1)を得た。得られた多孔質フィルムの透過性を以下の方法により評価した。 すなわち、フィルム表面にエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)であって30℃に設定されたもの5μLを滴下し、これが完全に浸透することを目視で観測してその浸透時間を測定し、表1の基準によって透過性を評価した。
多孔質フィルム(A−1)の透過性評価結果を表2に示す。
スペーサの厚みを0.5mmとしたこと以外は、実施例1と同様に多孔質フィルム(A−2)を作成し、評価した結果を表2に示す。
また、このフィルムの断面および表面のSEM像を図1、2に示す。これらの図から、平均孔径が3μm程度の連続気孔が形成されていることが判る。また、表面にも平均孔径が3μm程度の気孔が多数形成されていることが判る。この表面に形成された気孔がこの多孔質フィルム(A−2)の良好な透過性に寄与している。
フッ素樹脂製多孔質フィルムの平均孔径を0.2μmとしたこと以外は、実施例1と同様に多孔質フィルム(A−3)を作成し、評価した結果を表2に示す。
ユニチカ株式会社製UイミドワニスIP(ポリアミドイミド溶液)を塗液として準備し、これを30cm角のアルミ板上に塗布後、このアルミ板の4辺に厚み2mm、幅2cmのスペーサを設けた。このスペーサを介して、アルミ板上の塗膜全面を、厚みが30μmで、平均孔径が0.5μmである市販のフッ素樹脂製多孔質フィルムで被覆した。 これを130℃に設定された熱風循環式の乾燥炉に投入して30分加熱後、その後冷却してアルミ板から剥離することにより、厚み30μmで、気孔率が55体積%のポリアミドイミドからなる多孔質フィルム(A−4)を得た。これを、実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
スペーサの厚みを0.5mmとしたこと以外は、実施例4と同様に多孔質フィルム(A−5)を作成し、評価した結果を表2に示す。
フッ素樹脂製多孔質フィルムの平均孔径を0.2μmとしたこと以外は、実施例4と同様に多孔質フィルム(A−6)を作成し、評価した結果を表2に示す。
スペーサの厚みを50mmとしたこと以外は、実施例1と同様に多孔質フィルム(B−1)を作成し、評価した結果を表2に示す。
スペーサを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に多孔質フィルム(B−2)を作成し、評価した結果を表2に示す。また、このフィルムの表面のSEM像を図3に示すが、表面には、気孔が僅かに認められるが、開孔率としては、低いものであることが判る。
これに対し、比較例で示した製造方法により得られた多孔質イミド系フィルムの溶媒浸透時間は、300秒超と遅くなった。これは、フィルム表面の開孔率が低いことに起因している。
2 塗液
3 被覆材
4 スペーサ
Claims (3)
- 溶媒として良溶媒と貧溶媒とを含有するイミド系高分子溶液を、基材上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥炉中で乾燥することによって、イミド系多孔質フィルムを製造する方法であって、乾燥の際、下記1)〜3)いずれかの方法で、塗膜表面から蒸発する溶媒を乾燥炉内の空間部に籠らせ、加熱することを特徴とするイミド系多孔質フィルムの製造方法。
1)乾燥炉から排気された溶媒を循環する。
2)塗膜面の端部にスペーサを設けた上で、このスペーサを介して溶媒蒸気透過性の被覆材を積層して加熱する。
3)塗膜面に溶媒蒸気透過性の被覆材を直接積層する。 - 貧溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のイミド系多孔質フィルムの製造方法。
- 溶媒として良溶媒と、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である貧溶媒とを含有するイミド系高分子溶液を、基材上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥炉中で乾燥炉内の雰囲気における塗膜表面近傍の溶媒蒸気圧を高めつつ加熱乾燥することにより得られるイミド系多孔質フィルムであって、その表面に、30℃に設定された、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)5μLを滴下し、これが完全に浸透するまでの時間が150秒以下であるイミド系多孔質フィルムの、リチウム二次電池用セパレータ、フィルタまたは分離膜への使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014007802A JP6403389B2 (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | イミド系多孔質フィルムの製造方法およびイミド系多孔質フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014007802A JP6403389B2 (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | イミド系多孔質フィルムの製造方法およびイミド系多孔質フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015136633A JP2015136633A (ja) | 2015-07-30 |
JP6403389B2 true JP6403389B2 (ja) | 2018-10-10 |
Family
ID=53768024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014007802A Active JP6403389B2 (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | イミド系多孔質フィルムの製造方法およびイミド系多孔質フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6403389B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6777308B2 (ja) * | 2015-10-16 | 2020-10-28 | ユニチカ株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム |
JP6653581B2 (ja) * | 2016-01-18 | 2020-02-26 | 東京応化工業株式会社 | 多孔質膜 |
JP6923913B2 (ja) * | 2016-06-22 | 2021-08-25 | ユニチカ株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム |
JP6815024B2 (ja) * | 2016-10-12 | 2021-01-20 | ユニチカ株式会社 | 多孔質積層フィルムおよび多孔質積層フィルムの製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57170936A (en) * | 1981-04-14 | 1982-10-21 | Ube Ind Ltd | Preparation of porous polyimide film |
JP4004429B2 (ja) * | 2003-03-26 | 2007-11-07 | 富士フイルム株式会社 | 塗布膜の乾燥方法および装置 |
JP2012111790A (ja) * | 2010-11-19 | 2012-06-14 | Daicel Corp | 乾式ポリイミド系多孔性フィルム及びその製造方法 |
-
2014
- 2014-01-20 JP JP2014007802A patent/JP6403389B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015136633A (ja) | 2015-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6656192B2 (ja) | ポリアミドイミド溶液、多孔質ポリアミドイミドフィルム、およびその製造方法 | |
JP5641042B2 (ja) | 多孔質ポリイミド膜及びその製造方法 | |
JP5577804B2 (ja) | 多孔質ポリイミド膜及びその製造方法 | |
CN107001681B (zh) | 多孔聚酰亚胺膜及其制造方法 | |
US20110318556A1 (en) | Porous polyimide membrane and process for production of same | |
JP6218931B2 (ja) | 積層多孔質フィルムおよびその製造方法 | |
JP2011219585A (ja) | 多孔質ポリイミド膜及びその製造方法 | |
JP6403389B2 (ja) | イミド系多孔質フィルムの製造方法およびイミド系多孔質フィルム | |
JPWO2018021356A1 (ja) | 多孔質ポリイミド膜の製造方法、及び当該方法で製造される多孔質ポリイミド膜 | |
JP2016108360A (ja) | イミド系高分子溶液、多孔質イミド系高分子フィルム、およびその製造方法 | |
JP6330261B2 (ja) | ポリマー多孔質膜の製造方法及びポリマー多孔質膜 | |
JP2012111790A (ja) | 乾式ポリイミド系多孔性フィルム及びその製造方法 | |
JP6777308B2 (ja) | 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム | |
JP6923913B2 (ja) | 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム | |
JP6440092B2 (ja) | ポリイミド多孔質膜及び多孔質膜製造用のポリイミド前駆体反応生成物溶液 | |
JP2008254937A (ja) | 目的とする形状の炭素質フィルムを得るための製造方法 | |
JP2015052061A (ja) | ポリイミド前駆体溶液、多孔質膜又は被覆物の製造方法、ポリイミド多孔質膜、及び被覆物 | |
JP6937502B2 (ja) | 多孔質複合フィルムおよび多孔質複合フィルムの製造方法 | |
JP6815024B2 (ja) | 多孔質積層フィルムおよび多孔質積層フィルムの製造方法 | |
KR101778739B1 (ko) | 이방성 열전도 필름, 이를 사용한 적층시트 및 이의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170714 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170725 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20170905 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180417 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20180605 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180809 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180828 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180911 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6403389 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |