JPS6261228B2 - - Google Patents

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JPS6261228B2
JPS6261228B2 JP10133581A JP10133581A JPS6261228B2 JP S6261228 B2 JPS6261228 B2 JP S6261228B2 JP 10133581 A JP10133581 A JP 10133581A JP 10133581 A JP10133581 A JP 10133581A JP S6261228 B2 JPS6261228 B2 JP S6261228B2
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JP
Japan
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porous membrane
membrane
polyimide
solvent
organic solvent
Prior art date
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Expired
Application number
JP10133581A
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English (en)
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JPS585343A (ja
Inventor
Hiroshi Makino
Yoshihiro Kusuki
Takashi Harada
Hiroshi Shimazaki
Toshio Ishida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP10133581A priority Critical patent/JPS585343A/ja
Priority to GB08218163A priority patent/GB2104832B/en
Priority to DE19823223844 priority patent/DE3223844A1/de
Priority to US06/392,169 priority patent/US4486376A/en
Priority to CA000406464A priority patent/CA1206308A/en
Publication of JPS585343A publication Critical patent/JPS585343A/ja
Publication of JPS6261228B2 publication Critical patent/JPS6261228B2/ja
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、耐熱性の高分子重合体からなる多
孔質膜の全面にわたつて、重合体溶解性の有機溶
媒、重合体の多孔質膜を収縮させる収縮性有機溶
媒などの特定の改質性有機溶媒を、微量付着(含
浸)させ、その改質用有機溶媒の付着(含浸)し
た多孔質膜を乾燥および/または加熱して、多孔
質膜を、分離性能の優れた分離膜に改質する方法
に係る。 この発明の方法によれば、耐熱性、耐薬品性を
有するポリイミド、ポリスルホン、ポリアミド、
ポリアミドイミドなどの耐熱性の高分子重合体か
らなる多孔質膜をはじめとして、その他の耐熱性
の高分子重合体からなる多孔質膜を、極めて簡単
な方法で改質して、ガスまたは液分離用に使用し
た場合に、優れた透過性能と分離性能とを有する
非対称性分離膜と同様の性能を付与することがで
きる。 従来、耐熱性の高分子重合体からなる分離膜と
しては、緻密層(均質層)と多孔質層とを有する
非対称性膜が、透過性能および分離性能の優れて
いるものとしてよく知られていたが、その非対称
性膜は、重合体溶液のドープ溶液の薄膜を、適当
な凝固液で凝固して、一度に緻密層と多孔質層と
を形成した凝固膜を作らなければならないので、
製造条件が難しく、再現性よく安定した性能の非
対称性膜を作ることが固難であつた。 この発明者らは、すでに種々の耐熱性の高分子
重合体、特に、芳香族ポリイミド、ポリスルホン
などからなる多孔質膜の製造方法について研究し
ており、何件かの特許出願をしているが、これら
の多孔質膜を改質して、高性能の分離膜を得る方
法について種々検討した結果、耐熱性の高分子重
合体からなる多孔質膜の全面にわたつて、前記重
合体溶解性の有機溶媒、或いは前記重合体の多孔
質膜を収縮させることができる収縮性有機溶媒な
どの特定の改質用有機溶媒を、微量付着させ、次
いで、その多孔質膜を乾燥および/または加熱す
ることによつて、分離性能の優れた分離膜に改質
されることを見出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、耐熱性の高分子重合体
からなる多孔質膜の全面にわたつて、 (a) 前記多孔質膜を形成している耐熱性の高分子
重合体を約1重量%以上溶解することができる
前記重合体溶解性有機溶媒、および (b) 前記多孔質膜を各単独溶媒に浸漬して各溶媒
で湿潤された多孔質膜を乾燥した場合に多孔質
膜を約15%以上収縮させることができる収縮性
有機溶媒であつて、しかもフエノール系溶媒、
アミド系溶媒およびハロゲン化炭化水素溶媒か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の改質用
有機溶媒を、微量付着(含浸)させ、 次いで、その改質用有機溶媒の付着(含浸)し
た多孔質膜を、乾燥および/または加熱して、溶
媒を徐々に除去することを特徴とする多孔質膜の
改質方法に関する。 この発明の方法は、従来公知の耐熱性の高分子
重合体の分離膜とはまつたく異なる方式で、耐熱
性の高分子重合体の多孔質膜から高性能の分離膜
を、再現性よく製造することができる方法であ
る。 この発明の方法は、特に、ポリイミド、ポリス
ルホンなどの耐熱性の多孔質膜の改質に、好適に
適用することができるものである。 この発明の方法で改質された結果得られる耐熱
性の高分子重合体の分離膜は、混合ガスの分離、
濃縮、または溶液の分離、濃縮に使用た場合に、
各ガス成分または溶液成分の透過速度が速く、し
かも各成分の分離性能が高いのである。 以下、この発明の方法について、さらに詳しく
説明する。 この発明において使用する多孔質膜は、耐熱性
の高分子重合体からなる多孔質膜であり、後述の
ガス透過テストによつて測定された水素の透過度
PHが1×10-1×1×10-6cm3/cm2・sec・cmHg、
特に5×10-1〜5×10-5cm3/cm2・sec・cmHg程度
であつて、水素と一酸化炭素との透過度の比(PH
/PCO)が1.5〜5、特に2〜4.5程度であれば
よい。 前記耐熱性の高分子重合体としては、例えば、
ポリイミド(特に芳香族ポリイミド)、ポリスル
ホン(特にポリエーテルポリスルホン)、ポリア
ミド、ポリイミドアミド、ポリカーボネート、ポ
リエステル(特にポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリエーテルを挙げることができる。前記
芳香族ポリイミドとしては、例えば、一般式 または (ただし、前記各一般式において、Rは芳香族
ジアミンのアミノ基を除いた二価の芳香族残基で
ある)で示される反復単位を、ポリマー主鎖の全
構成単位に対して80%以上、好まくは90%以上の
割合で有している芳香族ポリイミドであればよ
く、特に、フエノール系溶媒の少なくとも一種に
3重量%以上、好ましくは5重量%以上溶解しう
るものであることが好ましい。 前記の一般式()または()で示される芳
香族ポリイミドは、30℃、濃度0.5g/100ml溶媒
(パラクロルフエノール4容量とオルソクロルフ
エノール1容量との混合溶媒)で測定した対数粘
度が0.3〜7.0、特に0.4〜5.0、さらに好ましく
は、0.5〜4.0程度の広範囲のものであればよい。 前記の芳香族ポリイミドは、3,3′,4,4′―
ビフエニルテトラカルボン酸成分、2,3,3′,
4′―ビフエニルテトラカルボン酸成分などのビフ
エニルテトラカルボン酸成分、または3,3′,
4,4′―ベンゾフエノンテトラカルボン酸成分、
2,3,3′,4,′―ベンゾフエノンテトラカル
ボン酸成分などのベンゾフエノンテトラカルボン
酸成分と、一般式H2N―R―NH2で示される芳香
族ジアミン成分とから、重合およびイミド化反応
(イミド環化反応)によつて得られるポリマーで
あれば、公知のどのような方法で製造された芳香
族ポリイミドであつてもよい。 この発明の方法で使用される芳香族ポリイミド
からなる多孔質膜は、前記のビフエニルテトラカ
ルボン酸成分またはベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸成分と芳香族ジアミン成分とを、略等モル重
合して生成する芳香族ポリアミツク酸または芳香
族ポリイミドの均一な溶液をドープ液として使用
して種々な方法で製造することができる。 その多孔質膜の製造方法としては、例えば、前
記の芳香族ポリアミツク酸またはポリイミドの均
一な溶液を、水または低級アルコールを主成分と
する適当な凝固液で、凝固して、半透膜を形成
し、次いで、溶媒が溶解度パラメーター9.3以下
のものを含浸した状態で、その半透膜を乾燥およ
び/または加熱し、必要であれば、高温に加熱し
てポリマーをイミド環化することによつて、ポリ
イミド多孔質膜を製造する方法を挙げることがで
きる。 また、前述の多孔質膜を製造する他の方法とし
ては、前記の芳香族ポリアミツク酸またはポリイ
ミドが、それらのポリマー不溶性で高沸点の有機
極性溶媒を少量含有している前記ポリマー可溶性
の有機極性溶媒に、均一に溶解している均一な溶
液をドープ液として使用して、そのドープ液の薄
膜を形成し、その薄膜を乾燥および/または加熱
して、溶媒を徐々に除去して、必要であれば、乾
燥膜を高温に加熱してポリマーをイミド環化して
ポリイミド多孔質膜を製造する方法を挙げること
ができる。 前述の芳香族ポリイミドの多孔質膜の製造方法
において使用されるビフエニルテトラカルボン酸
成分としては、3,3′,4,4′―ビフエニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′―ビフエ
ニルテトラカルボン酸二無水物が好ましいが、
2,3,3′,4′―または3,3′,4,4′―ビフエ
ニルテトラカルボン酸、あるいは2,3,3′,
4′―または3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカ
ルボン酸の塩またはそれらのエステル化誘導体で
あつてもよく、さらに前記の各化合物の混合物で
あつてもよい。 また、前述の芳香族ポリイミドの多孔質膜の製
造方法において使用されるベンゾフエノンテトラ
カルボン酸成分としては、3,3′,4,4′―ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3′,4′―ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無水
物がやはり好ましいが、2,3,3′,4′―または
3,3′,4,4′―ベンゾフエノンテトラカルボン
酸、あるいはそれらの塩またはエステル化誘導体
であつてもよく、さらに前記の各化合物の混合物
であつてもよい。 前述のビフエニルテトラカルボン酸成分または
ベンゾフエノンテトラカルボン酸成分は、他のテ
トラカルボン酸成分、例えば、ピロメリツト酸、
2,2―ビス(3,4―ジカルボキシフエニル)
プロパン、ビス(3,4―ジカルボキシフエニ
ル)メタン、ビス(3,4―ジカルボキシフエニ
ル)スルホン、ビス(3,4―ジカルボキシフエ
ニル)エーテル、ビス(3,4―ジカルボキシフ
エニル)チオエーテル、あるいは、それらの酸無
水物、塩またはエステル化誘導体などで、置換さ
れていてもよい。 前述の芳香族ポリイミドの多孔質膜の製造にお
いて使用される一般式H2N―R―NH2で示される
芳香族ジアミン成分としては、例えば、4,4′―
ジアミノジフエニルエーテル、3,3′―ジメトキ
シ―4,4′―ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′―ジメチル―4,4′―ジアミノジフエニルエー
テル、3,3′―ジアミノジフエニルエーテル、
3,4′―ジアミノジフエニルエーテルなどのジフ
エニルエーテル系ジアミン、4,4′―ジアミノジ
フエニルチオエーテル、3,3′―ジメチル―4,
4′―ジアミノジフエニルチオエーテル、3,3′―
ジメトキシ―4,4′―ジアミノジフエニルチオエ
ーテル、3,3′―ジアミノジフエニルチオエーテ
ルなどのジフエニルチオエーテル系ジアミン、
4,4′―ジアミノベンゾフエノン、3,3′―ジア
ミノ―ジメチル―4,4′―ジアミノベンゾフエノ
ン、3,3′―ジアミノベンゾフエノンなどのベン
ゾフエノン系ジアミン、3,3′―ジアミノジフエ
ニルメタン、4,4′―ジアミノジフエニルメタ
ン、3,3′―ジメトキシ―4,4′―ジフエニルメ
タンなどのジフエニルメタン系ジアミン、2,2
―ビス(4―アミノフエニル)プロパン、2,2
―ビス(3―アミノフエニル)プロパンなどのビ
スフエニルプロパン系ジアミン、4,4′―ジアミ
ノジフエニルスルホン、3,3′―ジアミノジフエ
ニルスルホンなどのジフエニルスルホン系ジアミ
ン、4,4′―ジアミノジフエニルスルホキシド、
3,3′―ジアミノジフエニルスルホキシドなどの
ジフエニルスルホキシド系ジアミン、ベンチジ
ン、3,3′―ジメチルベンチジン、3,3′―ジメ
トキシベンチジン、3,3′―ジアミノビフエニル
などのジフエニル系ジアミン、o−,m−,また
はp―ジアミノベンゼン、2,6―ジアミノピリ
ジン、3,6―ジアミノピリジン、2,5―ジア
ミノピリジンなどを挙げることができる。 前記一般式()または()で示される反復
単位を80%以上有する芳香族ポリイミドを約1重
量%以上溶解することができる溶解性有機溶媒(a)
としては、例えば、融点が100℃以下、特に80℃
以下であり、その沸点が常圧で150〜300℃、特に
155〜280℃であるフエノール系溶媒が好ましく、
例えば、フエノール、o―,m―またはp―クレ
ゾール、3,5―キシレノール、カルバクロー
ル、チモールなどの一価フエノール、あるいは、
その一価フエノールのベンゼン核の水素をハロゲ
ンで置換したハロゲン化フエノールなどを好適に
挙げることができる。 特に、ハロゲン化刈フエノールとしては、例え
ば、3―クロルフエノール、4―クロルフエノー
ル(パラクロルフエノールとも言う)、3―ブロ
ムフエノール、4―ブロムフエノール、2―クロ
ル―4―ヒドロキシトルエン、2―クロル―5―
ヒドロキシトルエン、3―クロル―6―ヒドロキ
シトルエン、4―クロル―2―ヒドロキシトルエ
ン、2―ブロム―4―ヒドロキシトルエン、2―
ブロム―5―ヒドロキシトルエン、3―ブロム―
5―ヒドロキシトルエン、3―ブロム、6―ヒド
ロキシトルエン、4―ブロム―2―ヒドロキシト
ルエンなどが、前述の一般式()または()
で示される反復単位からなる芳香族ポリイミドを
溶解する性能が優ねているので最適である。 また、前記の一般式()または()で示さ
れる反復単位を有する芳香族ポリイミドからなる
多孔質膜を、各溶媒単独に浸漬して各溶媒で湿潤
(膨潤)された多孔質膜を乾燥させた場合に、多
孔質膜を約15%以上収縮させることができる収縮
性有機溶媒(b)としては、ジメチルホルムアミド、
ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジエチルアセトアミド、N―メチル―2―ピロリ
ドンなどのアミド系溶媒、α―クロルナフタレ
ン、テトラクロルベンゼンなどのハロゲン化(芳
香族)炭化水素溶媒などを挙げることができる。 この発明の方法では、耐熱性の高分子重合体か
らなる多孔質膜の全面にわたつて、前記溶解性有
機溶媒(a)および/または収縮性有機溶媒(b)の改質
用有機溶媒を、微量付着させるのであるが、その
付着(含浸)方法は、多孔質膜の全面にわたつて
均一に付着(含浸)でき、その付着量が、その多
孔質膜を改質できなかつたり多孔質膜を高性能の
分離膜とすることができないような量とならな
い。例えば、付着量を、多孔質膜100重量部に対
して改質有機溶媒0.1〜30重量部、特に0.5〜20重
量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度の割合
とすることができれば、どのような方法であつて
もよい。 この発明では、多孔質膜に改質用有機溶媒を付
着(含浸)させる方法は、例えば、高分子重合体
を実質的に溶解せず沸点が前記改質溶媒より低
い、特に20℃以上低い他の有機溶媒100重量部
と、改質用有機溶媒0.5〜40重量部、特に1〜30
重量部との混合溶媒に、多孔質膜を適当な時間、
浸漬し、その混合溶媒で湿潤した多孔質膜から沸
点の低い他の有機溶媒を蒸発して除去して、改質
用有機溶媒を含浸した多孔質膜とする方法が好適
である。 また、付着方法としては、前記混合溶媒を、ハ
ケとかロールなどで、多孔質膜に塗布する方法も
挙げることができる。 さらに、付着方法としては、改質用有機溶媒の
蒸気中に多孔質膜をさらして、その蒸気を付着さ
せる方法、改質用有機溶媒を噴霧化して多孔質膜
に付着させる方法なども挙げることができる。 前記の混合溶媒において、前述の芳香族ポリイ
ミド不溶性であつて低沸点の有機溶媒としては、
例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチル
ベンゼン、アニソール、などのベンゼン系溶媒、
シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環族炭
化水素、n―ペンタン、n―ヘキサン、n―ヘプ
タン、n―オクタンなどの脂肪族炭化水素、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロパノー
ル、ブタノールなどの低級アルコール、メチルケ
トン、エチルケトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸
メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロ
ピオン酸ブチルなどの低級脂肪族カルボン酸エス
テルなどが、芳香族ポリイミド多孔質膜の改質用
有機溶媒と相溶性であるので適当である。 この発明の方法で使用する耐熱性の高分子重合
体としては、ポリスルホン、特に芳香族ポリスル
ホンを好適に挙げることができ、例えば、ビスフ
エノールAのジナトリウム塩とp.p′―ジクロルジ
フエニルスルホンとを反応させて得られ、次の一
般式 で示される反復単位を有するポリアリールスルホ
ンが好適である。 前記ポリスルホンに対して溶解性有機溶媒(a)と
しては、例えば、ジクロルメチレン、トリクロル
エチレン、クロロホルム、テトラクロルエチレ
ン、テトラクロロエタンなどの低級ハロゲン化炭
化水素、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化
(芳香族)水素溶媒、N―メチル―2―ピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド系溶媒を挙げることができる。 前述のポリスルホンからなる多孔質膜に、前記
の溶解性有機溶媒(a)、収縮性有機溶媒(b)などの改
質用有機溶媒を付着(含浸)させるには、前述の
ポリイミド多孔質膜における含浸方法と同様の方
法で行うことができる。 この発明の方法においては、前述のようにして
改質用有機溶媒の含浸された多孔質膜を、乾燥お
よび/または加熱して、改質用有機溶媒を徐々に
除去して、ポリイミド多孔質膜を改質するのであ
る。 前記の溶媒を多孔質膜から除去するには、例え
ば、減圧または常圧で、5〜80℃で、0.1〜100時
間乾燥し、次いで80〜160℃の温度で0.1〜20時間
加熱乾燥し、さらに160〜300℃の温度で0.1〜20
時間加熱することが好ましいが、特に、160℃以
下の温度における乾燥または乾燥および加熱乾燥
に、約0.3時間以上、特に0.5時間以上の時間を費
して、徐々に溶媒を除去し、次いで160〜300℃で
高温で、熱処理することが好適である。 前記の乾燥または加熱においては、不活性ガス
の流通下に行うこともできる。 この発明の方法によつて芳香族ポリイミド、ポ
リスルホンなどの耐熱性の高分子重合体の多孔質
膜を改質した結果得られる分離膜は、例えば、後
述のガス透過テストにおける水素ガスの透過度PH
が、1×10-3〜5×10-7、特に1×10-4〜1×
10-7cm3/cm2・sec・cmHg程度であり、水素ガスと
一酸化炭素ガスとの透過度の比(PH/PCO)
が、6〜50、特に10〜40程度である優れたガス分
離膜である。 また、前記の分離膜は、例えば、塩化ナトリウ
ムNaClの水溶液について行う逆浸透膜試験にお
いて、塩排除性能を示す逆浸透膜でもある。 この発明の方法においては、平膜状、中空糸状
の多孔質膜のいずれでも使用できるので、それら
の多孔質膜の改質によつて、平膜状または中空糸
状の分離膜を安定的に得ることができる。 以下、実施例を示す。 実施例において、ガス透過テストは、面積
14.65cm2のステンレス製セルにガス分離膜を設置
し、水素ガス、一酸化炭素ガスを、25℃で、0.5
〜3Kg/cm2に加圧して、分離膜を透過してくるガ
ス容量を流量計で測定した。 各ガスの透過度Pは、次の式で算出した。 透過度P=ガスの透過量(STP)/膜面積×透過時
間×圧力差 (cm3/cm2・sec・cmHg) また、逆浸透膜試験は、分離膜を逆浸透膜試験
装置に装着し、0.5重量%の濃度の塩化ナトリウ
ム水溶液を供給して、40Kg/cm2の加圧下、20℃で
逆浸透操作を行つて、水の透過速度を、単位m3
m2・日で示し、さらに塩の排除率Rjについて
は、上記の逆浸透操作において、原水中の塩化ナ
トリウム濃度Coに対する透過水中の塩化ナトリ
ウム濃度Cの比(C/Co)から次式により算出
した塩化ナトリウムの排除率(%)で示す。 Rj=(1−C/Co)×100% 実施例 1 3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物40mmol、4,4′―ジアミノジフエニル
エーテル40mmolおよびパラクロルフエノール198g
を、撹拌機と窒素ガス導入管とが付設されたセパ
ラブルフラスコに入れて、窒素ガスを流通し、撹
拌しながら、反応液を常温から180℃まで約50分
間で昇温し、さらにその反応液を180℃に8時間
保持し、重合およびイミド環化を1段で行つて粘
稠なポリイミド溶液を得た。 そのポリイミド溶液は、ポリマー濃度が10重量
%であり、ポリマーのイミド化率が95%以上(赤
外吸収スペクトル分析による)であり、さらにポ
リマーの対数粘度(50℃、0.5g/100mlパラクロ
ルフエノール)が2.2であつた。 前述のようにして製造したポリイミド溶液を、
ガラス板上に25℃で流延し厚さ0.2mmの液状の薄
膜を形成し、その液状の薄膜を25℃でメタノール
凝固液に約20時間浸漬し、凝固させて、半透膜を
形成し、その凝固膜をn―ヘキサンに20時間浸漬
した後、n―ヘキサンから取り出し、30℃で20分
間空気流通下に乾燥し、100℃で1時間乾燥し、
さらに200℃で3時間加熱して、芳香族ポリイミ
ド多孔質膜を製造した。 そのポリイミド多孔質膜は、厚さが約25μであ
り、ガス透過テストによる水素の透過度(PH
が1.8×10-2cm3/cm2・sec・cmHgであり、水素と
一酸化炭素との透過度の比(PH/PCO)が3.2
であつた(参考例1)。 前記の芳香族ポリイミド多孔質膜を、ベンゼン
100重量部とパラクロルフエノール2.93重量部と
からなる混合溶媒中に、25℃で20分間浸漬して、
前記多孔質膜に前記混合溶媒を含浸させ、その含
浸を行つた多孔質膜を25℃で空気流通下に2時間
乾燥し、さらに200℃で2時間加熱乾燥して、そ
れぞれの溶媒を徐々に除去して、ポリイミド多孔
質膜を高性能のポリイミド分離膜に改質した。 そのポリイミド分離膜について、ガス透過テス
トおよび逆浸透膜試験を行つた結果を、第1表に
示す。 実施例 2 ポリイミド多孔質膜を浸漬する混合溶媒を、ベ
ンゼン100重量部とパラクロルフエノール4.44重
量部との混合溶媒にかえて、含浸を行つた多孔質
膜を25℃で空気流通下に乾燥する時間を96時間と
したほかを、実施例1と同様に実施して、ポリイ
ミド多孔質膜を改質した。 改質によつて得られたポリイミド分離膜につい
て、各試験の結果を第1表に示す。 実施例 3 ポリイミド多孔質膜を浸漬する混合溶媒を、ベ
ンゼン100重量部とパラクロルフエノール7.55重
量部との混合溶媒にかえて、含浸を行つた多孔質
膜を25℃で空気流通下に乾燥する時間を60時間と
し、200℃での加熱乾燥を行なわなかつたほか
は、実施例1と同様に実施して、ポリイミド多孔
質膜を改質した。 その改質によつ得られたポリイミド分離膜につ
いて、各試験を行つた結果を第1表に示す。
【表】 実施例 4 ポリイミド多孔質膜を浸漬する混合溶媒を、ベ
ンゼン100重量部とN―メチル―2―ピロリドン
5.26重量部との混合溶媒にかえて、含浸を行つた
多孔質膜を、25℃で空気流通下に乾燥する時間を
16時間として、次いで100℃で2時間乾燥し、さ
らに200℃で2時間加熱乾燥して、それぞれの溶
媒を徐々に除去したほかは、実施例1と同様にし
て、ポリイミド多孔質膜を改質した。 その改質によつて得られたポリイミド分離膜の
ガス透過テストの結果を第2表に示す。 実施例 5 混合溶媒を、ベンゼン100重量部とα―クロル
ナフタリン11.1重量部との混合溶媒にかえたほか
は実施例4と同様にしてポリイミド多孔質膜を改
質した。その結果得られた分離膜の性能を第2表
に示す。
【表】 実施例 6 撹拌機、窒素ガス導入管の設けられたセパラブ
ルフラスコに、3,3′,4,4′―ベンゾフエノン
テトラカルボン酸二無水物(以下BTDAと略記す
る)57.4ミリモル、4,4′―ジアミノジフエニル
エーテル(DADE)57.4ミリモル、N―メチル―
2―ピロリドン270gを入れて、窒素ガスの流通
を行い撹拌しながら、室温(20℃)で2時間、重
合反応させて、ポリアミツク酸を生成させ、さら
に、この反応液にN―メチル―2―ピロリドン
200gとピリジン27.5gと無水酢酸35.5gとを加え
て、強く撹拌しながら徐々に80℃まで昇温し、そ
の温度に1時間維持し、ポリアミツク酸をイミド
化した。この反応溶液に、強く撹拌しながら多量
のメタノールを加えてポリマーを完全に沈澱さ
せ、ロ別によつて、ポリイミド粉末を得て、その
粉末を洗浄して乾燥してポリイミド粉末を得た。 そのポリイミドは、対数粘度(30℃、濃度;
0.5g/100ml溶媒、溶媒;パラークロルフエノー
ル4容量とオルソークロルフエノール1容量との
混合溶媒)が1.1であり、イミド化率が95%以上
であつた。 前記のポリイミド粉末10gとパラクロルフエノ
ール(PCP)90gとを撹拌機を有するセパラブル
フラスコにとり、約100℃に加熱し撹拌して、ポ
リマーを均一に溶解し、約80℃でろ過し、脱泡し
てポリイミド組成物を調製した。 前述のようにして製造したポリイミド溶液を使
用したほかは、実施例1と同様にして、ポリイミ
ド多孔質膜を製造した。 その多孔質膜のガス透過テストの結果を参考例
2として、第3表に示す。 前記ポリイミド多孔質膜を使用し、混合溶媒で
含浸された多孔質膜の乾燥を、25℃で空気流通下
に16時間、100℃で2時間、200℃で2時間とした
ほかは、実施例3と同様にして、ポリイミド多孔
質膜を改質した。 その結果得られたポリイミド分離膜のガス透過
テストの結果を第3表に示す。
【表】 実施例 7 ポリスルホン(ユニオン・カーバイト・コーポ
レイシヨン社製、商品番号;P−3500)の25重量
%ジメチルホルムアミド溶液をドープ液として使
用し、そのドーブ液をガラス板上に25℃で流延し
厚0.2mmの液状の薄膜を形成し、その液状の薄膜
を25℃で、ジメチルホルムアミド2重量%とラウ
リルサルフエートナトリウム塩0.5重量%とを含
有する水(凝固液)中に浸漬して、凝固させて、
半透膜を形成し、その半透膜を水で洗浄後、25℃
で空気流通下に約20時間風乾してポリスルホン多
孔質膜を製造した。 その多孔質膜についてガス透過テストを行つた
結果を第4表に示す(参考例3)。 前記ポリスルホン多孔質膜を、メタノール100
重量部とジメチルホルムアミド20.0重量部との混
合溶媒中に、25℃で20分間浸漬して、前記多孔質
膜に前記混合溶媒を含浸させ、その含浸を行つた
多孔質膜を25℃で空気流通下18時間乾燥して、多
孔質膜を改質した。 その結果得られたポリスルホン分離膜のガス透
過テストの結果を第4表に示す。 実施例 8 実施例7で得られた多孔質膜を100℃で0.5時間
さらに乾燥して、加熱処理されたポリスルホン分
離膜を製造した。その分離膜のガス透過テストの
結果を第4表に示す。 実施例 9 混合溶媒として、メタノール100重量部とオル
ソジクロルベンゼン2.0重量部との混合溶媒を使
用したほかは、実施例8と同様にして、多孔質膜
を改質した。 その結果得られたポリスルホン分離膜のガス透
過テストの結果を第4表に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 耐熱性の高分子重合体からなる多孔質膜の全
    面にわたつて、 (a) 前記多孔質膜を形成している耐熱性の高分子
    重合体を約1重量%以上溶解することができる
    前記重合体溶解性有機溶媒、または、 (b) 前記多孔質膜を各溶媒単独に浸漬して各溶媒
    で湿潤された多孔質膜を乾燥した場合に多孔質
    膜を約15%以上収縮させることができる収縮性
    有機溶媒であつて、しかも、 フエノール系溶媒、アミド系溶媒およびハロゲ
    ン化炭化水素溶媒からなる郡から選ばれた少なく
    とも1種の改質用有機溶媒を、微量付着させ、 次いで、その改質用有機溶媒の付着した多孔質
    膜を、乾燥および/または加熱して、前記溶媒を
    徐々に除去することを特徴とする多孔質膜の改質
    方法。
JP10133581A 1981-07-01 1981-07-01 多孔質膜の改質方法 Granted JPS585343A (ja)

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US06/392,169 US4486376A (en) 1981-07-01 1982-06-25 Process for modifying porous polymeric membrane
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