JP2001294704A - 多孔質ポリイミドフィルムおよびその製造法 - Google Patents
多孔質ポリイミドフィルムおよびその製造法Info
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Abstract
に緻密層を有する多孔質ポリイミドフィルムおよびその
好適な製造法を提供する。 【解決手段】 フィルム両面に層の断面形状が略等しい
緻密層を有し、フィルム中央部が平均孔径0.01〜5
μmの微細孔を有する多孔質層からなり、空孔率が30
〜85%である多孔質ポリイミドフィルム。
Description
有し中央部が多孔質層である多孔質ポリイミドフィルム
およびその製造法に関し、特に、電子分野で有用な低誘
電率の絶縁材料として好適な多孔質ポリイミドフィルム
およびその好適な製造法に関する。この明細書において
両層の断面形状が略等しいとは、部分的に薄い層がなく
ほぼ均一でかつ片側の層の厚さと反対側の層の厚さとが
等しいか、異なってもそれらの厚さの比が2倍以内であ
ることをいう。
に優れたポリイミド多孔質膜として、高性能のガス分離
用途のものが知られている。このガス分離用ポリイミド
多孔質膜は、例えば、特開昭49−45152号公報に
記載されているように、芳香族テトラカルボン酸二無水
物と芳香族ジアミンとの重合反応によって得られたポリ
アミック酸の溶液を液状の薄膜に流延し、該薄膜を非溶
媒中でイミド化しながら析出する、芳香族ポリイミドガ
ス分離膜の製造方法によって得られる。
ジアミンとの重縮合反応で得られたポリアミック酸の溶
液を調製し、そのポリアミック酸の溶液で液状の薄膜を
形成し、その薄膜を非溶媒中で析出し、最後にそのポリ
アミック酸の半透膜を製造する方法によって得られる。
さらに、ポリアミック酸の溶液で薄膜を形成しながら一
部イミド化を進めて、その薄膜を非溶媒中で析出し、最
後にそのポリアミック酸−イミドの半透膜を加熱してイ
ミド化を完結させてポリイミドの半透膜を製造する方法
が知られている。また、ポリアミック酸の液状の薄膜
を、イミド化剤含有非溶媒中で、イミド化しながら析出
し、得られたイミド膜を加熱する方法が知られている。
そして、溶媒中に溶解したポリアミック酸をフィルム状
に流延した後、非溶媒と接触させてポリアミック酸の相
分離析出を誘起する方法が知られている。
は、非溶媒と接触する一方の面に緻密層が他方の面に多
孔質層が形成され、片面に形成された緻密層はガスの分
離能を発現する。しかし、このようなポリイミド多孔質
膜は、上記片面の多孔質層が多孔構造のために塗布タイ
プの接着剤が使用される低誘電率フィルムとして適して
いるとはいえなかった。
特開平9−100363号公報には低誘電率発砲樹脂フ
ィルムとラミネ−トとからなる低誘電率プラスチック絶
縁フィルムが開示されている。そして、具体例として発
砲体の両面を多孔質でないフィルムで張り付けたものが
記載されている。つまり、表面層は発砲のない平坦なフ
ィルムが好適であるとされる。
では低誘電率発砲樹脂フィルムと多孔質でないフィルム
との積層という2種類の基材と接着剤が必要であり、接
着剤によってはかえって低誘電率プラスチック絶縁フィ
ルムの耐熱性が低下したり、また2種類の基材を積層す
るという工程が必要であった。本発明の目的は、フィル
ム中央部に多孔質層を有し且つ両表面に緻密層を有する
多孔質ポリイミドフィルムおよびその好適な製造法を提
供することである。
に層の断面形状が略等しい緻密層を有し、フィルム中央
部が平均孔径0.01〜5μmの微細孔を有する多孔質
層からなり、空孔率が30〜85%である多孔質ポリイ
ミドフィルムに関する。また、本発明は、絶縁材料と金
属層とを必須の構成材料として含む金属層−絶縁材料積
層体において、低誘電率の絶縁材料として使用される前
記多孔質ポリイミドフィルムに関する。また、本発明
は、ポリイミド前駆体が良溶媒と沸点が100℃以下の
環状エ−テル類からなる貧溶媒との混合溶媒に溶解して
いるポリイミド前駆体溶液を、支持基材上に流延して溶
液フィルムとし、溶液フィルムを凝固浴に浸漬してフィ
ルム状物を析出させ、フィルム状物を凝固浴から取り出
し、加熱処理してイミド化する前記多孔質ポリイミドフ
ィルムの製造法に関する。
記する。1)フィルム両面の緻密層の厚さが各々10n
m以上で、フィルム厚さが5〜150μmである上記の
多孔質ポリイミドフィルム。2)フィルム両面の緻密層
の厚さの合計がフィルム全体の厚さの約50%以下であ
る上記の多孔質ポリイミドフィルム。
好適には200℃以上の耐熱性を有し、膜厚(全体厚)
が5〜150μm、好ましくは5〜100μm、緻密層
の厚さが各側で10nm以上、好ましくは1〜20μm
であり、空孔率が30〜85%、特に40〜70%、多
孔質層の平均孔径が0.01〜5μm、特に0.05〜
1μm程度であり、さらに緻密層厚みの合計がフィルム
全体の厚みの約50%以下である。フィルム全体の厚み
が5μmより小さければフィルムの機械的強度が劣り、
150μmより大きいと可撓性が劣る。また、緻密層が
各側で10nmより小さいと、表面緻密層部分に欠陥が
生じやすくなるため好ましくない。また緻密層の厚みの
合計がフィルム全体の厚みの約50%以上であると多孔
質層の部分が少なすぎて、多孔質フィルムの効果、例え
ば低誘電率の効果などが減少するので好ましくない。こ
の発明の多孔質ポリイミドフィルムによれば、フィルム
両面に層の断面形状が略等しい緻密層を有しているの
で、通常のポリイミドフィルムと同様の取り扱いが可能
でしかも低誘電率を示し絶縁材料として好適である。
好適にはポリイミド前駆体が良溶媒と沸点が100℃以
下の環状エ−テル類からなる貧溶媒との混合溶媒に溶解
しているポリイミド前駆体溶液を、支持基材上に流延し
て溶液フィルムとし、溶液フィルムを凝固浴に浸漬して
フィルム状物を析出させ、フィルム状物を凝固浴から取
り出し、加熱処理してイミド化することによって製造す
ることができる。
トラカルボン酸成分とジアミン成分の好ましくは芳香族
化合物に属するモノマ−を重合して得られたポリアミッ
ク酸或いはその部分的にイミド化したものであり、加熱
処理して熱イミド化することで閉環してポリイミド樹脂
とすることができる。ポリイミド樹脂とは、後述のイミ
ド化率が約90%以上の耐熱性ポリマ−である。
分とを、有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、好適
には対数粘度(30℃、濃度;0.5g/100mL
NMP)が0.3以上、特に0.5〜7であるポリアミ
ック酸であるポリイミド前駆体が製造される。また、重
合を約80℃以上の温度で行った場合には、部分的に閉
環してイミド化したポリイミド前駆体が製造される。
有機溶媒としては、パラクロロフェノ−ル、N−メチル
−2−ピロリドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメ
チルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、
フェノ−ル、クレゾ−ルなどが挙げられる。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(以下、s−BPDAと略記することもある)、
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(以下、a−BPDAと略記することもある)など
のビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましいが、
2,3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸、あるいは2,3,3’,4’−
又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
の塩またはそれらのエステル化誘導体であってもよい。
ビフェニルテトラカルボン酸成分は、上記の各ビフェニ
ルテトラカルボン酸類の混合物であってもよい。
述のビフェニルテトラカルボン酸類のほかに、テトラカ
ルボン酸として、ピロメリット酸、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエ−テル、ある
いはそれらの酸二無水物、塩またはエステル化誘導体な
どの芳香族テトラカルボン酸類であってもよく、これら
が、ブタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン
酸などの脂肪族テトラカルボン酸や脂環族テトラカルボ
ン酸あるいはそれらの酸無二水物を全テトラカルボン酸
成分中10モル%以下、特に5モル%以下の割合で含有
するものであってもよい。
2N−R(R1)m−A−(R2)nR’−NH2(ただし、
前記の式において、RおよびR’は直接結合あるいは二
価の芳香族環あるいは複素環で、R1およびR2は、水
素、低級アルキル、低級アルコキシなどの置換基で、A
は、直接結合、O、S、CO、SO2、SO、CH2、C
(CH3)2などの二価の基であり、mおよびnは1〜4
の整数である。)で示される芳香族ジアミン化合物が好
ましい。
な化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル(以下、DADEと略記することもある)、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェ
ニルエ−テル、パラ−フェニレンジアミン(PPD)な
どが挙げられる。また上記各化合物の混合物であっても
よい。あるいは、複素環ジアミンとしては、ジアミノピ
リジンであってもよく、具体的には、2,6−ジアミノ
ピリジン、3,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミ
ノピリジン、3,4−ジアミノピリジンなどが挙げられ
る。
溶媒と沸点が100℃以下の環状エ−テル類からなる貧
溶媒との混合溶媒に溶解しているポリイミド前駆体溶液
を使用することが必要である。本発明におけるポリイミ
ド前駆体溶液は、ポリイミド前駆体の良溶媒と沸点が1
00℃以下の環状エ−テル類からなる貧溶媒との混合溶
媒中でテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを
重合させるか、あるいはポリイミド前駆体の良溶媒の溶
液に前記の環状エ−テル系貧溶媒を加えることによって
得ることができる。そして、前記ポリイミド前駆体溶液
は、テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを有
機溶媒中に大略等モル溶解、重合して得られた重合溶液
をそのままあるいは濃縮するか溶媒を加えるかしてポリ
イミド前駆体の濃度を調節して使用することができる。
前記のポリイミド前駆体溶液は、ポリイミド前駆体0.
3〜60重量%、特に1〜30重量%および良溶媒9
9.7〜40重量%、特に99〜70重量%からなる溶
液が好適である。また、貧溶媒を含むポリイミド前駆体
溶液は、10〜10000ポイズ、特に40〜3000
ポイズの溶液粘度であるものが好ましい。
は、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、テトラメチル尿素などが挙げられ
る。
は、ポリイミド前駆体の貧溶媒でありかつポリイミド前
駆体の良溶媒と相溶する揮発性溶媒であることが必要で
あり、沸点が100℃以下の環状エ−テ−ル類、例えば
オキセタン(沸点48℃)、テトラヒドロフラン(沸点
66℃)、テトラヒドロピラン(沸点88℃)などが挙
げられる。特に、テトラヒドロフラン(THF)、テト
ラヒドロピラン(THP)が好ましい。
体の良溶媒と沸点が100℃以下の環状エ−テル類から
なる貧溶媒との混合溶媒に溶解しているポリイミド前駆
体溶液を支持基板上に流延して溶液フィルムとし、溶液
フィルムを凝固浴に浸漬してフィルム状物を析出させ、
フィルム状物を凝固浴から取り出し、加熱処理してイミ
ド化する。前記のフィルム状物は、好適にはポリイミド
前駆体の混合溶媒溶液、好ましくは良溶媒と貧溶媒との
合計量中の貧溶媒の割合が10〜60重量%、特に10
〜50重量%、その中でも特に30〜50重量%となる
ように貧溶媒を含ませて混合溶媒溶液とし、この混合溶
媒溶液を支持基板上に流延して溶液フィルムとし、次い
で該溶液フィルムを貧溶媒の凝固浴に浸漬して貧溶媒を
含んだフィルム状物を析出させ、該フィルム状物を上記
凝固浴から取出すことによって得られる。加える貧溶媒
の割合が10重量%少ないと貧溶媒の添加効果が少な
く、60重量%より多いと均一な溶液が得にくいので好
ましくない。前記の良溶媒および貧溶媒は各々1種類で
もよく2種類以上を使用してもよい。
液からなるド−プを支持基板上に流延する方法として
は、スプレ−法あるいはドクタ−ブレ−ド法を用いてコ
−ティングする方法や、Tダイから押出す方法など、好
適にはガラス等の基板上或いは可動式のベルトである基
板上に流延する方法が挙げられる。前記の流延用のド−
プ溶液には、界面活性剤、難燃剤、着色剤、或いはガラ
ス繊維、ケイ素系繊維、無機粉末等の補強材が含まれて
も良い。これらの添加剤及び補強材は上記ポリイミド前
駆体の良溶媒溶液に添加しておいてもよく、あるいは流
延用のド−プ溶液に添加してもよい。
基板上に流延して溶液フィルムとし、溶液フィルムを貧
溶媒からなる凝固浴に好ましくは室温〜50℃で1〜6
0分間程度浸漬してフィルム状物を析出させ、厚さ7〜
200μm程度のフィルム状物を凝固浴から取り出し、
加熱処理してイミド化することにより、フィルム中央部
が多孔質層でフィルムの両表面部分が緻密層によって覆
われている多孔質ポリイミドフィルムが形成される。前
記フィルム状物は、支持基板から剥離した後、ピン、チ
ャックあるいはピンチロ−ルなどを用いて熱収縮が生じ
ないように固定される。このフィルムの加熱処理による
イミド化は、大気中、好適には280〜500℃で5〜
90分程度行うことが好ましい。また、イミド化は熱イ
ミド化で行うことができる。
フィルムは、200℃以上の耐熱性を有し、好適には膜
厚(全体厚)が5〜150μm、好ましくは5〜100
μmで緻密層の厚さが各側で10nm以上、好ましくは
1〜20μmであり、さらに緻密層厚みの合計がフィル
ム全体の厚みの約50%以下であり、空孔率が30〜8
5%、特に40〜70%、多孔質層の平均孔径が0.0
1〜5μm、特に0.05〜1μm程度である。フィル
ム全体の厚みが5μmより小さければフィルムの機械的
強度が劣り、150μmより大きいと可撓性が劣る。ま
た、緻密層が各側で10nmより小さいと、表面緻密層
部分に欠陥が生じやすくなるため好ましくない。また緻
密層の厚みの合計がフィルム全体の厚みの約50%以上
であると多孔質層の部分が少なすぎて、多孔質フィルム
の効果、例えば低誘電率の効果などが減少するので好ま
しくない。
電率フィルムである。本発明の多孔質ポリイミドフィル
ムの誘電率は、空孔率にもよるが、25℃、103Hz
の条件で、バルクのポリイミドフィルムの誘電率が3.
2〜3.4であるのに対し、1.3〜2.8である。
フィルムは、1層あるいは2層以上組み合わせて用いて
もよい。2層以上を組み合わせることにより、用途によ
っては補強用として、あるいは厚物に用いることができ
る。また、他の材料、他のポリマ−、繊維、無機物と組
み合わせて用いてもよい。
装に際しては単独あるいは多孔質ポリイミドフィルムの
複数層を積層し、さらには新たに緻密なポリイミドフィ
ルムを該多孔質ポリイミドフィルムに積層して用いるこ
とも可能である。また、例えばポリイミドフィルム、シ
リコン基板やガラス基板やカ−ボン基板やアルミニウム
基板などの有機、無機あるいは金属の基板に任意の耐熱
性接着剤を使用して多孔質ポリイミドフィルムの有する
低誘電率や他の特性を損なうことなく積層して積層体を
得ることができる。
ムの片面に耐熱性接着剤を介してシリコン基板などの無
機、有機あるいは金属の基板が、他の面に直接あるいは
耐熱性接着剤を介して回路用の導電性金属層が設けられ
た積層体としてもよい。この場合、回路用の導電性金属
層としては銅、ニッケル、クロム、アルミニウムなどの
それ自体公知の金属を蒸着法(真空蒸着あるいはスパッ
タ)−メッキ(無電解メッキ、電気メッキ)の各種組み
合わせによって容易に回路用の導電性金属層を形成する
ことができる。
るが、本発明はこれらに限定されない。以下の各例にお
いて、多孔質フィルムについて以下の物性を測定し評価
した。
を測定し、目付重量から空孔率を次の式によって求め
た。式中のSは多孔質フィルムの面積、dは膜厚、Wは
測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味し、ポリイ
ミドの密度は1.34g/m3とした。 空孔率(%)=100−100×(W/D)/(S×
d)
層厚、フィルム全体厚を測定し、緻密層の割合を求め
た。 熱収縮率 所定の長さに目盛りを記した試料を、無拘束状態で10
5℃に設定したオ−ブン中で8時間静置し、取出した後
の寸法を測定した。熱収縮率は次式に従う。次式のL1
はオ−ンから取出した後のフィルム寸法を意味し、L0
は初期のフィルム寸法を意味する。 熱収縮率(%)=[1−(L1/L0)]×100 誘電率 周波数1000Hzで、JIS−C−6481に準じて測
定した。
成分としてDADEを用い、s−BPDAに対するDA
DEのモル比が0.994で且つ該モノマ−成分の合計
重量が18重量%になるように、THFとDMAcとの
重量比率が1:1である混合溶媒に溶解し、40℃で6
時間重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得た。
に厚みが約80μmになるように流延し、貧溶媒のTH
F凝固浴に浸漬させた後、乾燥の初期にガラサ板から剥
離したポリイミド前駆体ゲルをピンテンタ−に固定した
状態で、大気中にて300℃、40分間熱処理を行っ
て、多孔質ポリイミドフィルムを得た。得られた多孔質
ポリイミドフィルムは、膜断面の走査型顕微鏡観察によ
って、両表面層はほぼ同一形状の緻密層で中央部に膜断
面方向に貫通孔を有したものであることが確認された。
この多孔質ポリイミドフィルムの測定結果を以下に示
す。
液側) 中央部の形態 多孔層 熱収縮率 0.3% 誘電率 2.4
5である混合溶媒としたポリイミド前駆体溶液から、実
施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得
た。得られた多孔質ポリイミドフィルムは、膜断面の走
査型顕微鏡観察による構造が実施例1で得られたものと
同等であった。測定結果を以下に示す。
側) 中央部の形態 多孔層 熱収縮率 0.3% 誘電率 2.8
駆体溶液をガラス基板上に流延し、THF凝固浴に浸漬
させた後、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフ
ィルムを得た。得られた多孔質ポリイミドフィルムの測
定結果を以下に示す。
ミドシロキサン−エポキシ樹脂系接着剤(宇部興産社
製、溶液タイプ)と電解銅箔(厚み:18μm)とを使
用し、多孔質ポリイミドフィルムの両面に電解銅箔を熱
圧着して、両面銅張基板を得た。この両面銅張基板は、
接着強度、耐熱性、電気特性が良好な特性を示した。
に優れるポリイミドからなり、両表面層が緻密層で中央
部に膜断面方向に貫通孔を有した多孔質ポリイミドフィ
ルムを得ることが可能であり、電気機器の低誘電率フィ
ルムとして使用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 フィルム両面に層の断面形状が略等しい
緻密層を有し、フィルム中央部が平均孔径0.01〜5
μmの微細孔を有する多孔質層からなり、空孔率が30
〜85%である多孔質ポリイミドフィルム。 - 【請求項2】 フィルム両面の緻密層の厚さが各々10
nm以上で、フィルム厚さが5〜150μmである請求
項1に記載の多孔質ポリイミドフィルム。 - 【請求項3】 フィルム両面の緻密層の厚さの合計がフ
ィルム全体の厚さの約50%以下である請求項1に記載
の多孔質ポリイミドフィルム。 - 【請求項4】 絶縁材料と金属層とを必須の構成材料と
して含む金属層−絶縁材料積層体において、低誘電率の
絶縁材料として使用される請求項1に記載の多孔質ポリ
イミドフィルム。 - 【請求項5】 ポリイミド前駆体が良溶媒と沸点が10
0℃以下の環状エ−テル類からなる貧溶媒との混合溶媒
に溶解しているポリイミド前駆体溶液を、支持基材上に
流延して溶液フィルムとし、溶液フィルムを凝固浴に浸
漬してフィルム状物を析出させ、フィルム状物を凝固浴
から取り出し、加熱処理してイミド化して、フィルム両
面に層の断面形状が略等しい緻密層を有し、フィルム中
央部が平均孔径0.01〜5μmの微細孔を有する多孔
質層からなり、空孔率が30〜85%である多孔質ポリ
イミドフィルムの製造法。
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2000
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