JPH0631013B2 - プラスチツク製密閉部材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プラスチツク製密閉部材、特に、自動車の車
体の開口部を閉止する部材に関する。この密閉部材は、
本体部と、密封リツプ片と、この密封リツプ片に向かい
合つて配設した保持手段とを備えている。

この種類の従来技術による密閉部材において、本体部
は、Ｕ字形に成形した板、引抜くため、密閉部材の頂部
には、周縁溝が残る（ＤＥ−ＰＳ １ 555 007）。故
に、製造コストおよび材料コストは相当な額となり、ま
た、密閉部材は、必らずしも、自動車の車体の開口部を
良好に密封し得るとは限らない。しかし、自動車の車体
の開口部を水密状態に密閉または密封することは、自動
車を再塗装する場合、熱処理後であつても、損傷を防止
するために必要である。

従来技術は、同様にＵ字形の本体領域を備え、車体の開
口部と協働して、一種のぱちんと嵌合する締結状態を形
成する、自動車の床に設けたドレーン穴用の密閉栓を備
えている（ＤＥ−ＧＭ １ 840 793）。この公知の構
造による手段は、高価であり、自動車の車体の開口部を
良好に密封することができない。

しかし、本発明の目的は、前述した型式の密閉部材であ
り、特に自動車の車体の開口部を簡単、経済的且つ良好
に密封し、および重荷重に耐えることのできる密閉部材
を提供することである。

本発明によれば、パネルに形成された開口を閉鎖しかつ
密封するために該開口内に挿入するプラスチック密度部
材であって、主本体部分と、前記主本体部分と一体的に
形成されかつ前記主本体部分の外側で半径方向に伸びて
いる連続する周縁密封リップ片であって、前記開口の回
りで前記パネルと係合するようなっている端部を有する
周縁密封リップ片と、前記主本体部分と一体的に形成さ
れかつ前記主本体部分から軸方向に伸びる止め輪であっ
て、前記開口内に挿入されるようになっておりかつ前記
密封リップ片の前記端部が係合する部分から半径方向内
側で前記パネルと係合するようになっている止め輪と、
を備えたプラスチック密閉部材において、前記主本体部
分が同心的に伸びる複数の波形部分を有し、前記波形部
分の材料が比較的薄く、前記止め輪及び前記密封リップ
が前記波形部分の最外側の波形部分に直接的に接合して
いるプラスチック密閉部材が提供される。波形部分は、
温度に起因する収縮に対する公差を良好に補正する上で
有利な手段である。

この密閉部材は、ポリエステル−エステル−ウレタンで
製造することができる。この特徴から次の如き利点が得
られる。

−４０乃至１７０℃以上の範囲の温度に耐えることがで
きる。

熱応力処理後の耐水性 組立ての容易さ 優れた塗装性−即ち、産業用塗料によつて著るしく変質
しない。

油脂、油との他の油脂製品に対する抵抗性、 耐紫外線性、 耐磨損、磨耗性 温度を関数とする弾性 耐化学薬品性 この密閉部材の特別な構造によつて、特に、自動車の車
体の開口部を良好に密封する密閉部材が得られる。

本発明の別の特徴に依れば、本体部の最外側の波形部分
と連続している密封リツプ片は、薄肉厚にし、円錐状の
テーパが付けられている。この円錐状の薄肉厚の密封リ
ツプ片は、良好な水密を提供し、対象とする金属の肉厚
の差、不均一さを補なう。この場合、密封リツプ片は、
ビード部を備え、金属製パネルとの係合を向上させるこ
とができる。

本発明の別の特徴に依れば、保持手段は、薄肉厚の密封
リツプ片に向かい合うように配設され、壁を相互に鈍角
状態に配設した周縁止め輪を備えている。本発明による
密閉部材が、自動車の車体または他の支持体の金属に良
好に固着され、水密の接続を実現するように上記壁は弾
性の密封リツプ片と協働する。

本発明の別の特徴に依れば、保持手段は、相互に鋭角に
配設した壁によつて形成された環状リツプ片を備えるこ
とができる。この特徴は、また、本発明に依る密閉部材
と支持または車両部材、即ち、例えば、自動車の車体間
に水密の接続を実現する上で有効である。

密封リツプ片は、本体部付近の下側に荒削り領域を備え
ることができる。この荒削り領域は、温度による作用効
果後、開口部に嵌合させた場合の密封度合いを向上させ
るものである。

本発明の別の特徴に依れば、密封リツプ片は、前周縁ビ
ード部を備えるこのができる。また、本体部の波形部分
は、１つ置きに材料の厚みを変えることもできる。

本発明の別の特徴に依れば、密封リツプ片は、水滴状の
形状を備え、湾曲領域を経て、本体部に合流することが
できる。また、水滴状の形状は、使用した場合、自動車
の本体近くに位置するように設計することができる。

この場合、止め輪は、湾曲領域の下側方向を向き、水滴
状形状の前端を備えている。密封リツプ片と止め輪を上
記のように構成し、前端部を水滴状の形状とすることに
より、熱に応答して、材料特有の収縮が生じた場合、密
封リツプ片は中方に引寄せられ、また、止め輪と本体部
の下側の係合が向上するように両構成要素の重量分布が
行われるため、その結果、全体的な密封力は増大する。
材料が集合することにより、密封リツプ片および止め輪
は相互に対向する本体表面に向けて引寄せられる。

本発明の別の特徴に依れば、保持手段は、円筒状伸長部
分に合流するため、特に、自動または組立てライン製造
の場合、挿入に対する補助手段が簡単な方法で得られ
る。自動車製造の場合、組立中、対象とする車体は、組
立てラインを移動していることが多いため、車体の特定
の穴を正確に位置決めすることは難しく、円筒状伸長部
分は、組立てを補助する簡単な手段となる。

本発明の別の特別に依れば、円筒状伸長部分は、波形端
縁を備えるか、または軸線に対して平行に伸長する溝が
形成される。

以下、図面に示した実施態様に関して、本発明を詳細に
説明する。

第１図は、密閉部材の断面図、 第２図は、密閉部材の１部の平面図、 第３図は、自動車の車体に取付けた密閉部材の図、 第４図は、密閉部材の別の実施態様の一部切欠け断面
図、 第５図は、密閉部材の別の実施態様の一部切欠け断面
図、 第６図は、第５図の実施態様を組立てた場合の一部切欠
け断面図、および 第７図は、本発明に依る密閉部材の底部領域の展開図で
ある。

第１図は、ポリエステル−エステル−ウレタンで製造
（ヨーロツパ特許出願８３ ２０ １１５０ ６，公開
No.１０２１１５に従い）した密閉部材１を示す。部材
１は、本体部２と、周縁密封リツプ片３と、およびこの
リツプ片３に向かい合いに配設した周縁止め輪４とを備
えている。

第１図および第２図に示した実施態様において、止め輪
４は、楔状の形状を備え、相互に鈍角な角度で伸長する
２つの壁7,8を備えている。

リツプ片３は、薄肉厚であり、円錐状のテーパが付けて
ある。このリツプ片３は、本体部２に合流し、この本体
部２は中心線Ｍと同心状に伸長する波形部分5,6が設け
られている。

最外側の波形部５は、止め輪４およびリツプ片３内に直
接合流している。リツプ片３、止め輪４および本体部３
は単一構造である。

リツプ片３は、第３図に示したような方法で穴内に圧入
した後、自動車の車体１２等の支持部材に強固に係合し
得るのに十分な可撓性を備えている。リツプ片３は薄厚
であるため、容易に対応する穴に圧入することができ
る。

２つの壁7,8を備える止め輪４の特別な構造により、密
閉部材１は、第３図に示すように、車体１２を良好に締
付ける。故に、密閉部材１によつて、良好な水密接続お
よび車体１２の開口部の完全な密閉を実現することがで
きる。

第１図および第２図に示した波形部分5,6の効果は、車
体１２を熱処理した後の密閉部材１の材料収縮が小さく
なることである。故に、密閉部材１は、従来必要とされ
ていたように、融接しなくとも、水密の密閉を行なう。
この従来の融接が不要となる結果、密閉部材は自動車の
塗装完了後、取付けることが可能となる。しかし、密閉
部材１は、高温度による熱処理後であつても水密を維持
し、従つて、自動車を再塗装する場合でも依然作用可能
である。

第４図に示した実施態様において、止め輪４′は、相互
に鋭角に配設した２つの壁９，１０によつて形成された
弾性リツプ片を備えている。この止め輪４′は弾性であ
り、薄肉厚の弾性密封リツプ片３と協働して、支持部材
または車両部材の開口部を確実に水密状態に密閉する。
また、荒削り領域を設け、熱処理後、金属即ち、支持部
材の開口部に対して嵌合する密封度合いを向上させるこ
とができる。

第１図に示すように、波形部分5,6は、材料の厚みが相
互に異なつているため、可撓性を向上させることができ
る。

第５図に示した実施態様において、密封リツプ片３′
は、水滴状の形状を備え、湾曲領域１３を介して、本体
部２に合流している。本体部は、この場合、波形部分5,
6で波形の形状にすることができる。しかし、波形の特
徴は省略することが可能である。リツプ片３′の水滴状
の形状１４は、第６図から明らかなように、自動車の車
体に近接している。

リツプ片３′は水滴状の形状であるため、リツプ片３′
は、第５図に矢印Ｉで示した方向に向けて中方に収縮す
る材料特有の熱収縮に応答し、よつて、密封度合いは向
上する。リツプ片３′の重量分布および角度、並びに水
滴状の形状１４は、収縮中に上述の効果が得られるよう
にしてある。

第５図および第６図を参照すると、止め輪４″は、湾曲
領域１３の下側１５の方向を向き、前面に水滴状の形状
を備えることができる。熱に応答して生ずる収縮中の上
記効果は、第６図に示すように、輪４をより強固に、自
動車の車体１２の下側に係合させることである。従つ
て、特別の構造のため、両構成要素３′および４′は、
本発明の密閉部材によつて、極めて良好な密封が確保さ
れることになる。

第５図を参照すると、密閉部材は、流れ組立てラインに
おいて、挿入するための補助手段として、円筒状伸長部
１７を備えることができる。この円筒状伸長部１７はま
た、それぞれ第１図および第４図に示した構造におい
て、輪4,4′の下方に設けることができる。材料を節約
するため、第７図は、伸長部１７に波形部分を設け、波
形の円筒状伸長部１７′を提供し得るようにした状態を
示す。この段階は、材料を節約することになる。円筒状
伸長部１７′は、波形部分を設ける代わりに、軸線と平
行の溝を形成することもできる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グロイリツヒ，ボド ドイツ連邦共和国デ−‐6750 カイザース ラウテルン，ケルテンヴエーク 76 (72)発明者 シユミツツ，ギユンター ドイツ連邦共和国デ−‐6753 エンケンバ ツハ‐アルゼンボルン ２，クエレンシユ トラーセ ８ (56)参考文献 特開 昭51−85118（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−13827（ＪＰ，Ａ) 実開 昭53−2821（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭46−4482（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭58−35578（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パネルに形成された開口を閉鎖しかつ密封
   するために該開口内に挿入するプラスチック密閉部材で
   あって、主本体部分と、前記主本体部分と一体的に形成
   されかつ前記主本体部分の外側で半径方向に伸びている
   連続する周縁密封リップ片であって、前記開口の回りで
   前記パネルと係合するようになっている端部を有する周
   縁密封リップ片と、前記主本体部分と一体的に形成され
   かつ前記主本体部分から軸方向に伸びる止め輪であっ
   て、前記開口内に挿入されるようになっておりかつ前記
   密封リップ片の前記端部が係合する部分から半径方向内
   側で前記パネルと係合するようになっている止め輪と、
   を備えたプラスチック密閉部材において、 前記主本体部分が同心的に伸びる複数の波形部分を有
   し、前記波形部分の材料が比較的薄く、 前記止め輪及び前記密封リップが前記波形部分の最外側
   の波形部分に直接的に接合しているプラスチック密閉部
   材。
2. 【請求項２】請求の範囲１に記載のプラスチック密閉部
   材において、前記密閉部材がポリエステル−エステル−
   ウレタンでつくられているプラスチック密閉部材。
3. 【請求項３】請求の範囲１又は２に記載のプラスチック
   密閉部材において、前記波形部分の材料の厚さが異なる
   プラスチック密閉部材。
4. 【請求項４】請求の範囲１、２又は３に記載のプラスチ
   ック密閉部材において、前記密封リップ片が端部に向か
   ってテーパになっているプラスチック密閉部材。
5. 【請求項５】請求の範囲１に記載のプラスチック密閉部
   材において、密封リップ片が周囲の玉縁部分を有するプ
   ラスチック密閉部材。
6. 【請求項６】請求の範囲１に記載のプラスチック密閉部
   材において、前記密封リップ片の横断面が水滴状であ
   り、湾曲領域を介して本体部分に接続されいるプラスチ
   ック密閉部材。
7. 【請求項７】請求の範囲６に記載のプラスチック密閉部
   材において、前記止め輪が前記湾曲領域に向かって伸び
   る弾性のリップ片を有するプラスチック密閉部材。