JPH0424261B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、乗物の内部空間区域、例えば特にア
ームレスト、計器板等に使用されるクツシヨン体
であつて、比較的形状安定な挿入層と該挿入層に
よつて保持されたフオームプラスチツク製のクツ
シヨン層とから構成されており、かつクツシヨン
体の前面から接近可能な、ほぼクツシヨン体上面
の支持面まで延びた、組込み部品、例えばスピー
カーを受容するための開口と、該開口を閉鎖する
カバーとを備えた形式のものに関する。

従来技術 乗物内では一般に空間的な狭さが多かれ少なか
れ大きく支配しており、このことは例えばアーム
レスト、計器板等のようなクツシヨン体にも付加
的な機能部材、例えば灰皿、空気噴孔、スピーカ
ー等を多数備え付けることを屡々必要とさせる。
計器板で一般にそうであるように、上記の機能部
材を取付けるための十分な肉厚が存在する場合に
は問題ないが、機能部材を、該機能部材がクツシ
ヨン体の要求される弾性変形性を阻害し得る不都
合な位置に配置しなければならない場合にのみ問
題となる。例えばアームレストでは脚支持範囲の
柔軟構成が要求され、このことは相当する負荷が
かかつたときの脚支持面に対して垂直方向の一定
の弾性変形性を前提とする。しかしアームレスト
に剛性の付加部材を装備することは、アームレス
トないしは他のクツシヨン体が上記の機能要求を
もはや満足させない事態を招くことがある。

発明が解決すべき問題点 本発明の課題は、クツシヨン体の弾性変形性が
損なわれず、あるいは少なくとも著しくは損なわ
れることなく、しかもクツシヨン体が比較的剛性
の付加部材の存在にもかかわらず一般的な安全性
の要求を満足するように、冒頭に記載の形式のク
ツシヨン体とカバーとを構成し、かつ互いに調節
せしめることである。

問題点を解決するための手段 上記の課題を解決するための本発明の手段は、
特許請求の範囲第１項に挙げられている。

実施態様 本発明の実施態様によれば、クリツプとして構
成された２つの保持ピンとクリツプとして構成さ
れた２つのガイドピンとが設けられており、ガイ
ドピンが互いに反対方向を向いた外向きの係止兼
ガイド付加部でもつて開口の側壁に形成されたみ
ぞ内に係合していると、有利である。これらの手
段によつて、カバーが変形力の方向へもまたクツ
シヨン体の弾性変形によつて惹起される復元力の
方向へも一緒に移動せしめられること、かつ上記
の結合部材のために結合すべき部材の簡単な適合
並びにあり得る製作誤差の補償が達成されるよう
にクツシヨン体とカバーが嵌め合わされているこ
とが保証される。

本発明のもう１つの実施態様によれば、カバー
が上側のアングル脚部を有しており、該アングル
脚部が支持面の槽状の凹所内に係合して、外面で
もつて支持面と一平面を成して閉鎖している。上
側のアングル脚部と保持ピンとの間には、開口と
槽状の凹所との間に位置するクツシヨン体の壁範
囲を受容するための挿入路が形成されている。こ
の手段によつて壁範囲が挿入路内で支持される
が、更に脱離防止性を高めるために壁範囲が開口
に向いた面に保持ピンに設けられた係止突起を係
止するためのみぞを有している。

もう１つの実施態様によれば、カバーが下方へ
傾斜したクツシヨン体の輪郭に追従した下側のア
ングル脚部を有しており、該アングル脚部が取付
け壁に接触するクツシヨン体の接触面で終わつて
いる。下側のアングル脚部の自由端部に、クツシ
ヨン体の縁で開いた切欠きに係合する、フツク状
の上向きの付加部が設けられており、該付加部の
外面がクツシヨン体の接触面と一平面を成して閉
鎖している。

本発明の特別な利点は、比較的剛性なカバーが
支持範囲の柔軟なクツシヨン体に対して１軸方向
で移動すること、更には両部材間に許容し得る程
度に固定的な結合が存在しており、この結合がも
ちろん必要な場合には工具を用いてクリツプを外
すことによつて再び解くことができることであ
る。

実施例 クツシヨン体が保持グリツプ２を統合して有す
るアームレスト１から成つている。詳しくはクツ
シヨン体は挿入層３と、該挿入層と結合されたフ
オームプラスチツク製のクツシヨン層４とによつ
て構成されている。クツシヨン体は外面にプラス
チツクスキン層５を備えている。

アームレスト１は支持面６と、前面の壁面７
と、接触面８とを有している。アームレストの中
央範囲には前面の壁面７から接近可能な開口９が
形成されている。開口９は組込み部品、例えばス
ピーカー（図示せず）の受容に用いられる。上方
へ殆ど支持面６まで延びた開口９は前面に取付け
られるカバー１０によつて閉鎖されている。カバ
ー１０はウエブ１１から成り、ウエブ１１には上
端で第１のアングル脚部１２が、かつ下端で第２
のアングル脚部１３がそれぞれ一体に続いてい
る。したがつてカバー１０はほぼＵ字形の横断面
形を有している。アングル脚部１２は支持面６の
範囲に形成された槽状の凹所１４に、該アングル
脚部１２が下面でもつて凹所１４の底面に支持さ
れ、かつ上面でもつて支持面６とほぼ一平面を成
して閉鎖するように係合している。カバー１０の
裏面には相互間隔を置いて並置された２つの保持
ピン１５が設けられており、保持ピン１５はアン
グル脚部１２にほぼ平行に整列せしめられてお
り、かつアングル脚部１２と一緒に開口９と槽状
の凹所１４との間に位置せる壁範囲１７を受容す
るための挿入路１６を構成している。保持ピン１
５の自由端部範囲には壁範囲１７の下面に形成さ
れたみぞ１９等内に係止させるための係止突起１
８が一体形成されている。

更にカバー１０の裏面にはそれぞれクリツプと
して構成された２つのガイドピン２０が設けられ
ており、ガイドピン２０は互いに反対側を向いた
外向きの係止兼ガイド付加部２１（第１図参照）
でもつて開口９の側壁２２に形成されたみぞ２３
（第２図参照）内に係合している。

下側のアングル脚部１３の自由端部範囲には上
向きのフツク状の付加部２４が配置されており、
付加部２４の外面が接触面８と一平面を成して閉
鎖しているかまたは接触面８に対して僅かに内側
へ引つ込んでいる。フツク状の付加部２４はアー
ムレスト１の裏面の縁に開かれた切欠き２５内に
係合している。

カバー１０は比較的剛性だが、曲げ弾性的な性
質を持つ材料から製作されており、かつ有利には
プラスチツク射出成形部材として構成されてい
る。

カバー１０を取付けるに当たつては先ずフツク
状の付加部２４が切欠き２５内へ差込まれ、引続
きカバーが第１図から第３図に示されているよう
な最終位置へ旋回させられて、このときに保持ピ
ン１５とガイドピン２０とが上記のように係止す
る。保持ピン１５はアームレストないしはその壁
範囲１７とともにカバー１０の支持範囲（アング
ル脚部１２）を支え、したがつてクツシヨン体に
対してカバー１０の特定の上下位置を規定する。
側方のガイドピン２０は係止兼ガイド付加部２１
でもつて上方へ著しく延長されたみぞ２３内に位
置していて、しかもクツシヨン体に対するカバー
１０の特定の深さ位置を規定する。フツク位置
（付加部２４）並びに保持ピン１５とガイドピン
２０のクリツプ位置は、カバー１０の斜面側の接
触面が製作誤差補償のために常にクツシヨン体に
接触するように（第３図）調和せしめられてい
る。

支持面６に対して垂直方向に変形力をかけられ
ると、アームレストはこの範囲において弾性的に
変形する。カバー１０はこのときに下方へ、しか
もフオーム材料部分のうちの変形されない範囲に
おいても沈められる、その際に弾性変形によつて
惹起される復元力が上方のクリツプ位置（保持ピ
ン１５）とカバー１０の支持範囲との間で支えら
れたフオーム材料部分の範囲で惹起される。カバ
ー１０の移動は下方へ延長された側方のみぞ２３
並びに下方にはカバーのストツパが設けられてい
ない、フツクかけ位置の受容側のガイドによつて
可能ならしめられる。

発明の効果 本発明の構成によつて、カバーが変形と一致し
たふるまいをする、すなわちクツシヨン体の支持
面に対して垂直方向に作用する変形力の方向に変
形距離に応じて一緒に移動することが達成され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は保持グリツプを備えたアームレストと
して構成された本発明によるクツシヨン体の１実
施例を示した図、第２図は第１図の−線に沿
つた断面図、第３図は第２図の−線に沿つた
断面図である。 １……アームレスト、２……保持グリツプ、３
……挿入層、４……クツシヨン層、５……プラス
チツクスキン層、６……支持面、７……壁面、８
……接触面、９……開口、１０……カバー、１１
……ウエブ、１２，１３……アングル脚部、１４
……凹所、１５……保持ピン、１６……挿入路、
１７……壁範囲、１８……係止突起、１９……み
ぞ、２０……ガイドピン、２１……係止兼ガイド
付加部、２２……側壁、２３……みぞ、２４……
付加部、２５……切欠き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乗物の内部空間区域に使用されるクツシヨン
   体であつて、比較的形状安定な挿入層３と該挿入
   層３によつて保持されたフオームプラスチツク製
   のクツシヨン層４とから構成されており、かつク
   ツシヨン体の前面から接近可能な、ほぼクツシヨ
   ン体上面の支持面まで延びた、組み込み部品を受
   容するための開口９と、該開口９を閉鎖するカバ
   ー１０とを備えた形式のものにおいて、クツシヨ
   ン体の支持面６に対して垂直に作用する変形力の
   方向に変形距離に応じて一緒に移動し得るように
   カバー１０がクツシヨン体と結合されており、そ
   のためにカバー１０が裏面に、支持面６に平行に
   延びた、支持面側のクツシヨン層４に結合される
   保持ピン１５を少なくとも１つ並びに支持面６に
   対して垂直方向に延びたみぞ２３内に係合するガ
   イドピン２０を少なくとも１つ備えていることを
   特徴とする乗物の内部空間区域に使用されるクツ
   シヨン体。 ２ クリツプとして構成された２つの保持ピン１
   ５とクリツプとして構成された２つのガイドピン
   ２０とが設けられており、ガイドピンが互いに反
   対方向を向いた外向きの係止兼ガイド付加部２１
   でもつて開口９の側壁２２に形成されたみぞ２３
   内に係合している、特許請求の範囲第１項記載の
   クツシヨン体。 ３ カバー１０が上側のアングル脚部１２を有し
   ており、該アングル脚部が支持面６の槽状の凹所
   １４内に係合して、外面でもつて支持面６と一平
   面を成して閉鎖している、特許請求の範囲第１項
   または第２項記載のクツシヨン体。 ４ アングル脚部１２と保持ピン１５との間に、
   開口９と槽状の凹所１４との間に位置するクツシ
   ヨン体の壁範囲１７を受容するための挿入路１６
   が形成されている、特許請求の範囲第１項から第
   ３項までのいずれか１項記載のクツシヨン体。 ５ 壁範囲１７が開口９に向いた面に保持ピン１
   ５に設けられた係止突起１８を係止させるための
   みぞ１９を有している、特許請求の範囲第４項記
   載のクツシヨン体。 ６ カバー１０が下方へ傾斜したクツシヨン体の
   輪郭に追従した下側のアングル脚部１３を有して
   おり、該アングル脚部が取付け壁に接触するクツ
   シヨン体の接触面８で終わつている、特許請求の
   範囲第１項から第５項までのいずれか１項記載の
   クツシヨン体。 ７ 下側のアングル脚部１３の自由端部範囲に、
   クツシヨン体の縁に開かれた切欠き２５に係合す
   る、フツク状の上向きの付加部２４が設けられて
   おり、該付加部の外面がクツシヨン体の接触面８
   とほぼ一平面を成して閉鎖している、特許請求の
   範囲第６項記載のクツシヨン体。