JP3965035B2 - シート構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のシートクッションにカップホルダを設定するシート構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のシートクッションにカップホルダを設定する構造には従来から種々のものが提案されている。例えば特開平8−127279号公報では、シートクッションの凹部にクッション体が表裏反転および挿脱可能に嵌着され、このクッション体の表面がシートクッションの座面の一部をなし、かつ裏面にはカップホルダを設けた構造を開示している。また、特開平7−257284号公報では、シートクッションの凹部に収納された位置から前側に向けて前進しながら上動し、所定位置に至ると略水平状態に保持されるケースを備えた構造を開示している。また、特開平9−309370号公報では、シートクッションの緩衝用パッドに設けた凹所と、この凹所で開口する表皮材の縁部に設けた袋状部と、この袋状部内に配設したトリムワイヤと、シートクッションの凹所に押し入れられたときにトリムワイヤと係止可能な引掛け部を有する容器状部材とを備えた構造を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、いずれの構造もシートクッションのクッション材にカップホルダを設置するものなので、シートクッションに取付けたカップホルダの安定性が十分でなかった。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、収納容器を安定して固定できるシート構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クッションフレームにクッション本体を載置し、該クッション本体を表皮材で被覆したシートクッションを備えたシート構造において、上記クッション本体に、収納容器に対応する切欠き部を形成し、該切欠き部に位置するクッションフレームに収納容器取付用ブラケットを取付け、該収納容器取付用ブラケットに、上記切欠き部に位置する表皮材を保持する引掛けツメを設けるとともに、該引掛けツメに係合するスリットを上記表皮材に設けた。
上記収納容器取付用ブラケットを、上記収納容器を入れる枠体と、該枠体の下端から延設し上記枠体で囲まれた空間部に底面を形成する延長部とで構成し、該延長部に取付穴を設けるとともに、該取付穴を介して上記収納容器を固定する。
上記収納容器取付用ブラケットの下方に、該収納容器取付用ブラケットの下面側の少なくとも一部を覆う下部部材を配置し、該下部部材の上面に突起部を形成し、該突起部に、上記延長部の取付穴に対応する取付穴を形成し、該取付穴を介して上記延長部を挟んで上記収納容器に下部部材を共締めした。
上記収納容器と上記下部部材のいずれか一方または両方に、上記延長部に当接するリブを設けた。
上記収納容器取付用ブラケットの下方に、該収納容器取付用ブラケットの下面側の少なくとも一部を覆う下部部材を配置し、該下部部材の縁部に、上記収納容器の外側面に重なる縦壁部を立設し、該縦壁部に取付穴を設けるとともに、該取付穴に対応する収納容器の外側面に取付穴を設け、上記縦壁部の取付穴と上記収納容器の取付穴とに通した締結具を介して上記収納容器を上記下部部材に結合した。
上記収納容器に対応する切欠き部を上記クッション本体の角部に形成し、該切欠き部に位置するクッションフレームの角部に上記収納容器取付用ブラケットを取付けた。
上記クッション本体の切欠き部に位置する上記表皮材の裏面側に、上記収納容器取付用ブラケットの一部を入れ、上記引掛け用ツメを、上記表皮材の裏面側から上記スリットに係合させる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るシート構造の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明に係るシート構造を採用した自動車用シート1では、シートクッション2の角部に収納容器としてのカップホルダ3が設けられている。このシート構造の具体的構成は、図2ないし図5に第1の実施形態を示し、図6ないし図7に第2の実施形態を示す。
【0006】
第1の実施形態の構成について図3ないし図4を用いて説明する。図3に示すように、シートクッション2は、クッションフレーム21にパッド22を載置し、パッド22をシート表皮24で被覆して構成されている。パッド22にはカップホルダ3の取付け位置に対応して切欠かれていて、これによりカップホルダ逃げ形状部23を形成している。カップホルダ逃げ形状部23に位置するクッションフレーム21の場所にブラケット4が固定されている。このブラケット4には、カップホルダ3に対応した枠体41が設けられている。ブラケット4にはまた、枠体41の下端から延設して該枠体41で囲まれた空間部42に底面を形成する延長部43が設けられている。カバー5は、本体部51がクッションフレーム21に対応した形状であり、クッションフレーム21側に突出する突起部52を有し、クッションフレーム21にその下側から取付けられるものである。
図3または図4に示すように、カップホルダ3の凹部31の略中央部には取付穴32が設けられている。ブラケット4の延長部43には取付穴44が設けられている。カバー5の突起部52は、先端が延長部43の取付穴44より小さく、先端に取付穴54が設けられている。突起部52の外周にはリブ53が設けられている。
【0007】
図3に示すように、パッド22はシート表皮24に覆われていて、カップホルダ逃げ形状部23に位置する表皮マチ25にはスリット26が設けられている。ブラケット4の枠体41にはこのスリット26に対応して下向きに延びるツメ45が設けられている。
【0008】
次に、本実施形態のシート構造の組付けについて図2ないし図5を用いて説明する。図3または図5に示すように、ブラケット4のツメ45に表皮マチ25の裏側からスリット26を係合させて引掛けることにより固定する。この状態では、図2または図5に示すように、ブラケット4の枠体41の内面が表皮マチ25で覆われている。このように行うので、シート表皮24を取り付けるための別部品を用いる必要がない。
その後、図3に示すように、ブラケット4の延長部43の上にカップホルダ3を配置し、延長部43の下にカバー5を配置する。カバー5を配置する際に突起部52の先端がブラケット4の延長部43の取付穴44内に位置するようにすると、容易に行うことができ、また合わせ精度がよくなる。クリップ61を、カップホルダ3の取付穴32、ブラケット4の延長部43の取付穴44およびカバー5の突起部52の取付穴54に通す。すなわち、図4に示すように、クリップ61でカップホルダ3とカバー5をブラケット4を介して共締めする。カップホルダ3とカバー5との締付け状態では、カップホルダ3とカバー5のリブ53とでブラケット4を挟み込んでいる。
【0009】
次に、第2の実施形態について図6ないし図7を用いて説明する。図6に示すように、本実施形態の基本的な構成が第1の実施形態のもの(図3参照)と共通するので、相違する部分について説明する。同図に示すように、カップホルダ7は、凹部31の略中央部に取付穴32が設けられているほか、隣り合う二辺の外側部71に取付穴72がそれぞれ設けられている。また、カバー8は、クッションフレーム21側に突出する突起部52を有するほか、その縁部に、収納容器7の外側面71に重なる縦壁部81を有する。この縦壁部81には、カップホルダ7の取付穴72に対応する取付穴82がそれぞれ設けられている。
カップホルダ7とカバー8の組付けは、表皮マチ25をブラケット4に取り付けた後に、スクリュ62を、カップホルダ7の凹部31の取付穴32、ブラケット4の延長部43の取付穴44およびカバー8の突起部52内に通すとともに、別のスクリュ63を、カップホルダ7の外側部71の取付穴72およびカバー8の縦壁部81の取付穴82に通す。すなわち、図6または図7に示すように、スクリュ62でカップホルダ7とカバー8をブラケット4を介して共締めするとともに、図6に示すように、別のスクリュ63でカップホルダ7とカバー8とを相互に固定する。このため、ホルダカップ7をより強固に固定できる。
【0010】
上述した第1ないし第2の実施形態ではいずれも、カップホルダ3、7をクッションフレーム21の角部に設けており、クッションフレーム21の二辺にまたがっているので、安定して固定できるが、本発明はこれに限られず、クッションフレーム21の角部以外の場所に設けることができる。また、上述した第1ないし第2の実施形態ではいずれも、ブラケット4と当接するリブ53をカバー5、8の突起部52に設けているが、本発明はこれに限られず、カバー5、8のほかにカップホルダ3、7にも設けてもよく、また、カップホルダ3、7のみに設けてもよい。また、カップホルダ3、7等を固定するために、第1の実施形態ではクリップ61を用い、第2の実施形態ではスクリュ62、63を用いているが、本発明はいずれを用いてもよく、さらには他の慣用的な手段を用いてもよい。
【0011】
【発明の効果】
本発明は、クッションフレームにクッション本体を載置し、該クッション本体を表皮材で被覆したシートクッションを備えたシート構造において、上記クッション本体に、収納容器に対応する切欠き部を形成し、該切欠き部に位置するクッションフレームに収納容器取付用ブラケットを取付け、該収納容器取付用ブラケットに、上記切欠き部に位置する表皮材を保持する引掛けツメを設けるとともに、該引掛けツメに係合するスリットを上記表皮材に設けたので、収納容器を安定して固定できるとともに、シート表皮の固定を容易に行うことができる。
上記収納容器取付用ブラケットを、上記収納容器を入れる枠体と、該枠体の下端から延設し上記枠体で囲まれた空間部に底面を形成する延長部とで構成し、該延長部に取付穴を設けるとともに、該取付穴を介して上記収納容器を固定すると、収納容器を固定する際に安定して行うことができる。
上記収納容器取付用ブラケットの下方に、該収納容器取付用ブラケットの下面側の少なくとも一部を覆う下部部材を配置し、該下部部材の上面に突起部を形成し、該突起部に、上記延長部の取付穴に対応する取付穴を形成し、該取付穴を介して上記延長部を挟んで上記収納容器に下部部材を共締めすると、固定用部品が少なくて済む。
上記収納容器と上記下部部材のいずれか一方または両方に、上記延長部に当接するリブを設けると、ブラケットへの固定を安定して行うことができる。
上記収納容器取付用ブラケットの下方に、該収納容器取付用ブラケットの下面側の少なくとも一部を覆う下部部材を配置し、該下部部材の縁部に、上記収納容器の外側面に重なる縦壁部を立設し、該縦壁部に取付穴を設けるとともに、該取付穴に対応する収納容器の外側面に取付穴を設け、上記縦壁部の取付穴と上記収納容器の取付穴とに通した締結具を介して上記収納容器を上記下部部材に結合すると、より強固に収納容器を固定できる。
上記収納容器に対応する切欠き部を上記クッション本体の角部に形成し、該切欠き部に位置するクッションフレームの角部に上記収納容器取付用ブラケットを取付けると、二辺にまたがって固定されるので、安定して固定できる。
上記クッション本体の切欠き部に位置する上記表皮材の裏面側に、上記収納容器取付用ブラケットの一部を入れ、上記引掛け用ツメを、上記表皮材の裏面側から上記スリットに係合させると、表皮材を固定するための別部材を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート構造を適用した自動車用シートの斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るシート構造を適用した自動車シートにおける、カップホルダおよびカバーを外した状態の部分的な斜視図である。
【図3】図2のシート構造の分解斜視図である。
【図4】図3に示す部品を組付けた状態の、図3の線IV−IVによる断面図である。
【図5】図2の線V−Vによる断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るシート構造の分解斜視図である。
【図7】図6に示す部品を組付けた状態の、図6の線VII−VIIによる断面図である。
【符号の説明】
1 自動車用シート
2 シートクッション
21 クッションフレーム
22 パッド(クッション本体)
23 カップホルダ逃げ形状部(切欠き部)
24 シート表皮(表皮材)
25 表皮マチ
26 スリット
3、7 カップホルダ(収納容器)
31 凹部
32、44、54、72、82 取付穴
4 ブラケット
41 枠体
42 空間部
43 延長部
45 ツメ
5、8 カバー(下部部材)
51 本体部
52 突起部
53 リブ
61 クリップ
62、63 スクリュ
71 外側部
81 縦壁部

Claims (7)

  1. クッションフレームにクッション本体を載置し、該クッション本体を表皮材で被覆したシートクッションを備えたシート構造において、上記クッション本体に、収納容器に対応する切欠き部を形成し、該切欠き部に位置するクッションフレームに収納容器取付用ブラケットを取付け、該収納容器取付用ブラケットに、上記切欠き部に位置する表皮材を保持する引掛けツメを設けるとともに、該引掛けツメに係合するスリットを上記表皮材に設けたことを特徴とするシート構造。
  2. 上記収納容器取付用ブラケットを、上記収納容器を入れる枠体と、該枠体の下端から延設し上記枠体で囲まれた空間部に底面を形成する延長部とで構成し、該延長部に取付穴を設けるとともに、該取付穴を介して上記収納容器を固定することを特徴とする請求項1に記載のシート構造。
  3. 上記収納容器取付用ブラケットの下方に、該収納容器取付用ブラケットの下面側の少なくとも一部を覆う下部部材を配置し、該下部部材の上面に突起部を形成し、該突起部に、上記延長部の取付穴に対応する取付穴を形成し、該取付穴を介して上記延長部を挟んで上記収納容器に下部部材を共締めしたことを特徴とする請求項2に記載のシート構造。
  4. 上記収納容器と上記下部部材のいずれか一方または両方に、上記延長部に当接するリブを設けたことを特徴とする請求項3に記載のシート構造。
  5. 上記収納容器取付用ブラケットの下方に、該収納容器取付用ブラケットの下面側の少なくとも一部を覆う下部部材を配置し、該下部部材の縁部に、上記収納容器の外側面に重なる縦壁部を立設し、該縦壁部に取付穴を設けるとともに、該取付穴に対応する収納容器の外側面に取付穴を設け、上記縦壁部の取付穴と上記収納容器の取付穴とに通した締結具を介して上記収納容器を上記下部部材に結合したことを特徴とする請求項2に記載のシート構造。
  6. 上記収納容器に対応する切欠き部を上記クッション本体の角部に形成し、該切欠き部に位置するクッションフレームの角部に上記収納容器取付用ブラケットを取付けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート構造。
  7. 上記クッション本体の切欠き部に位置する上記表皮材の裏面側に、上記収納容器取付用ブラケットの一部を入れ、上記引掛け用ツメを、上記表皮材の裏面側から上記スリットに係合させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート構造。
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