JP6925676B2 - 青果物の鮮度保持用収納袋 - Google Patents
青果物の鮮度保持用収納袋 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6925676B2 JP6925676B2 JP2020205737A JP2020205737A JP6925676B2 JP 6925676 B2 JP6925676 B2 JP 6925676B2 JP 2020205737 A JP2020205737 A JP 2020205737A JP 2020205737 A JP2020205737 A JP 2020205737A JP 6925676 B2 JP6925676 B2 JP 6925676B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- storage bag
- heat
- vegetables
- fruits
- freshness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/90—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation
Landscapes
- Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
- Packages (AREA)
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Description
確かに、鮮度保持用包装袋内湿度を高めることは、鮮度保持効果を高める方法として有効である。しかし、本発明者等の検討結果において、包装袋内の湿度が100%を超えると青果物へのストレスの増大や、水滴の発生、付着による青果物の傷み等が増大することを確認している。該特許文献2においては、包装袋内の湿度は、包装後24時間から開封直前まで1時間毎に記録した平均値で表示されており、実施例においては99〜100%となっている。従って、湿度が100%を超えた状態が含まれていることは明らかであると想定される。さらに、該技術における包装袋の保存温度は23℃と低く、かつ包装体は、マンゴーを密封後に内部を窒素ガスで置換するものであり、まだ改善の余地が残されていると考えられる。
本発明者等は、上記課題を解決する方法について鋭意検討し、これを改善する手段として、過酷な環境下において、袋内の湿度を一定期間以上、青果物へのストレス低減に好適な状態に保つことが、鮮度保持期間延長に繋がること見出し、本発明の確立に至った。
それ故、青果物の流通・保管に於いて、例えば、夏期等において高温、多湿状態に晒される場合が発生しても高度な鮮度保持効果を確保できることになる。
本発明に係る合成樹脂フイルムによって形成された青果物の鮮度保持用収納袋(以下、単に、収納袋という)は、該収納袋に青果物を収納した状態で、温度が25℃以上で、かつ湿度が60%以上の状態にて保管した場合の1時間経過後の収納袋内の湿度が75%以上であり、かつ収納袋内の湿度が100%になるまでの時間が30時間以上であることが必要である。また、本発明に係る収納袋は、上記した1時間経過後の収納袋内の湿度が80%以上であるとより好ましい。さらに、本発明に係る収納袋は、収納袋を上記した状態(温度が25℃以上で、かつ湿度が60%以上の状態)で保管した場合の収納袋内の湿度が100%になるまでの時間が32時間以上であるとより好ましい。上記した特性を満たすことで、上記収納袋内部の蒸れを低減することができ、青果物の鮮度保持期間を長くすることができる。また、上記した1時間経過後の収納袋内の湿度が75%未満であると、上記収納袋内部の湿度が低くなり過ぎ、収納する青果物が乾燥してしまい、商品価値を失ってしまうため、好ましくない。
本発明において、収納袋内の湿度特性を上記範囲に満たす方法は限定されないが、例えば、収納袋に青果物を収納した場合に、収納された青果物中の水分子が活性化され、青果物の代謝を効率良く促し水分及び養分の循環を良くし青果物を健康な状態に保ち、青果物からの水分蒸散が抑制されるようにすることが好ましい。例えば、収納袋を形成する合成樹脂フイルムに対して上記機能を向上させるための活性化処理をすることが好ましい実施態様である。
本発明における上記活性化方法は限定されないが、収納袋を形成する合成樹脂フイルムに近赤外発光蛍光剤を配合及び/または近赤外発光蛍光剤が配合された組成物を全面または部分的に積層及び/または被覆することが好ましい実施態様である。近赤外発光蛍光剤を配合及び/または近赤外発光蛍光剤が配合された組成物を全面または部分的に積層及び/または被覆した合成樹脂フイルムからなる収納袋では、合成樹脂フイルムから発せられた近赤外光が、収納した青果物を刺激し、その抵抗反応として、気孔を閉じたり、活性酸素を生成することで、蒸散が抑えられ、袋内の湿度の上昇を抑制しているものと考えられる。
本発明において、合成樹脂フイルムに振動エネルギ−を付与する方法(以下、振動エネルギーを付与する方法と称する)は、合成樹脂フイルムを金属板と接触させた状態あるいは金属板で囲った状態で、その金属板に対して予め設定した周期および大きさの振動エネルギーを付与するものであると好ましい。
金属板で囲われた状態とする方法として、中空の箱状、金属板を筒状やドーム状に組み付けた金属筐体を利用しても良い。
合成樹脂フイルムに振動エネルギ−を付与する金属板からの振動処理は、複数回行うことが、効果が向上することから、より好ましい。
振動エネルギーが伝えられた合成樹脂フイルムは、上記、近赤外光と同様に収納した青果物を刺激し、その抵抗反応として、気孔を閉じたり、活性酸素を生成することで、蒸散が抑えられ、袋内の湿度の上昇を抑制しているものと考えられる。
本発明に係る収納袋を形成するための合成樹脂フィルムとしては、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム等のヒートシールまたは溶断シールが可能な汎用の合成樹脂フィルムを好適に用いることができるが、それらの中でも、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはポリ乳酸フィルムを用いると、収納袋の透明性が高くなり、青果物を収納した場合に内部を見易くなるので好ましい。
本発明に係る収納袋の形状は、特に限定されず、左右および下部をヒートシールしてなる三方袋や、二つ折りされた合成樹脂フィルムの左右をヒートシールしてなる二方袋、パウチ等の各種の形状にすることが可能である。
上記の如く熱シール部分の形状を調整する方法は、特に限定されないが、その一つとして、収納袋の左右の端縁を溶断シールする際の溶断シール装置における刃先(溶断刃)の温度、刃先の角度、溶断シールの速度を調整する方法を挙げることができる。具体的には、刃先(溶断刃)の温度を300℃以上450℃未満の範囲内に調整し、刃先の角度を60°以上130°未満の範囲内に調整するとともに、溶断シールの速度を60個/分以上200個/分未満の範囲内に調整するのが好ましい。
本発明においては、前記収納袋において、少なくとも左右のいずれかの端縁が熱シールされており、その熱シール部分の最大厚みが、熱シール部分の幅の55%以上100%未満であるとともに、熱シールされた端縁から50mmの距離の範囲内に、水蒸気やCO2等の気体の出入りを促す透過孔が穿設されていることが好ましい。
上記の水蒸気やCO2等の気体の出入りを促す透過孔を穿設することによって、(透過孔が比較的に大径のものであっても)水蒸気やCO2の透過量を微調整することができる上、大径の透過孔を介して短時間で保存環境に適応させることが可能になっているために、収納袋内の湿度範囲を上記した好ましい範囲に制御できる時間を延長することができ、良好な青果物の鮮度保持効果を奏することができる。
本発明においては、上記の如く所定の形状に熱シールされた部分から所定の距離(50mm)内の部分に穿設する透過孔の大きさは、特に限定されないが、1個当たりの面積が0.007mm2以上80mm2以下であると、水蒸気やCO2の透過量を調整し易く青果物の鮮度保持効果が一段と良好なものとなるので好ましい。また、透過孔の個数も、特に限定されないが、合計の面積が0.016mm2以上160mm2以下であると、水蒸気やCO2の透過量の調整が一層容易となり、青果物の鮮度保持効果がきわめて良好なものとなるので特に好ましい。さらに、熱シール部分の最大厚みが合成樹脂フィルムの厚みの2倍以上12倍未満になるように熱シール部分の形状を調整すると、熱シール部分の内側の(表裏2枚の)合成樹脂フィルムの開きにくさ(開き易さ)が適度なものとなり、水蒸気やCO2の透過量の調整が一段と容易なものとなるのできわめて好ましい。
なお、透過孔を穿設する位置は、熱シールされた部分から所定の距離(50mm)内であれば、特に限定されないが、40mm以内であると、表裏2枚の合成樹脂フィルムの開き具合との相乗効果が得られ易くなり、水蒸気やCO2の透過量をより調整し易くなるので好ましく、30mm以内であるとより好ましく、0mmであると(すなわち、熱シール部分に透過孔が穿設されていると)特に好ましい。
一方、透過孔の形状は、特に限定されず、円形、楕円形、矩形等の各種の形状にすることができる。加えて、熱シールされた部分から所定の距離(50mm)内の部分であれば、袋本体に穿設する透過孔の位置も、特に限定されないが、袋本体の上端際(ヒートシール部分やジッパー等の密封手段から概ね50mm以内)、あるいは袋本体の下端際(ヒートシール部分から概ね50mm以内)に透過孔を設けると、青果物を収納して積層した場合でも、透過孔が塞がれにくく、安定した鮮度保持効果を発現できるので好ましい。
本発明においては、上記した透過孔を透過する気体の量を制限するための透過制御布が透過孔を覆うように袋本体に取り付けられていることが好ましい。該対応により収納袋の水蒸気やCO2の透過量をより調整し易くなるので好ましい。
本発明における透過制御布の種類は、特に限定されず、各種の織布や不織布を用いることができるが、透過制御布として不織布を用いると、透過孔を透過する気体(水蒸気等)の量の調整が容易なものとなるので好ましい。ここでいう不織布とは、繊維を織らずに絡み合わせたシート状体のことであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル等の合成樹脂製の繊維を絡み合わせたものの他に、紙製の繊維を絡み合わせたものやフェルト等も含まれる。
本発明における透過制御布の形状は、特に限定されず、透過孔の形状に合わせて、円形、楕円形、矩形等の各種の形状にすることができる。さらに、透過制御布の大きさも、特に限定されず、透過孔の大きさに合わせて、適宜調整することができる。加えて、透過孔を円形にする一方、透過制御布を、外周縁際を透過孔の周囲に周状に固着させる態様で袋本体に取り付けるとともに、その透過制御布の周状の固着部分と透過孔の外周との間に、透過制御布と袋本体とが固着し合っていない非固着部を設けると、透過孔を透過する気体の量の調整がより容易なものとなるので好ましい。なお、そのように円形の透過孔の周囲に、円形の透過制御布を、外周縁際を透過孔の周囲に周状に固着させる態様で袋本体に取り付ける場合には、非固着部の幅を0.1mm以上7.0mm以下に調整すると、透過孔を透過する気体の量の調整がきわめて容易なものとなるので特に好ましい。
本発明においては、上記した透過制御布が、厚み100μm以上300μm以下で、目付25g/m2以上35g/m2以下の不織布であることが好ましい。該対応により収納袋の水蒸気やCO2の透過量をより調整し易くなるので好ましい。
本発明においては、上記した透過制御布が、外周縁際を前記透過孔の周囲に周状に固着させた状態で袋本体に取り付けられているとともに、その透過制御布の周状の固着部分と上記した透過孔の外周との間に、透過制御布と袋本体とが固着し合っていない非固着部が設けられていることが好ましい。
本発明においては、透過制御布の設置は、上記した包装袋内の湿度特性の低下を抑制した形で、袋外からの異物混入を防ぐことができるので好ましい実施態様である。
また、本発明に係る収納袋は、各種の青果物(特に、枝豆やブロッコリー等の袋内が過湿状態となったときにカビが成長し易く、呼吸が激しく行われて変色し易いもの)を収納可能なものであり、具体的には、収納袋サイズ幅100mm〜250mm×高さ200mm〜380mmの袋に、しいたけ等の菌茸類やサトイモ、ジャガイモ、サツマイモ等の根菜類を収納することが好ましく、収納袋サイズ幅100mm〜250mm×高さ150mm〜300mmの袋に、エダマメ等の豆類を収納するのが好ましく、収納袋サイズ幅130mm〜230mm×高さ250mm〜340mmの袋に、キュウリ、ナス、トマト等の果菜類やブロッコリー、カリフラワー等の花菜類を収納するのが好ましく、収納袋サイズ幅100mm〜250mm×高さ300mm〜750mmの袋に、ホウレンソウ、ルッコラ、パクチー等の葉菜類を収納するのが好ましく、収納袋サイズ幅90mm〜260mm×高さ150mm〜380mmの袋に、レモン、バナナ等の果物類を収納するのが好ましい。この様に収納袋サイズと収納物を組み合わせることで、収納袋内の空隙が最適となり、袋内の湿度の上昇を抑制できるものと考えられる。さらに、鮮度保持性を良好なものとするために、収納袋の内面が防曇性を有していることが好ましい。防曇性を付与する方法は、特に限定されるものではないが、収納袋を形成する合成樹脂原料中に予め防曇剤を含有させても良いし、収納袋の内面となるフィルム面に、防曇剤をコーティングしても良い。ここで用いる防曇剤としては、非イオン系の界面活性剤を挙げることができ、防曇性と併せて帯電防止性を発揮するものを用いるのが好ましい。
実施例・比較例で得られた収納袋の左端縁の溶断シール部分(熱シール部分)の幅および厚みを株式会社ハイロックス社製デジタルマイクロスコープKH−7700(レンズMXG2500REZ Low−Range 150倍)によって測定した。
実施例・比較例において収納袋の製造に用いた合成樹脂フィルムを裁断して、長さ150mm×幅15mm×厚さ0.5mmのストリップ状のサンプルを作成した。そして、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、JIS K−7127に準拠し、島津株式会社製オートグラフAG−100E型を使用し、サンプルを100mmの距離を隔てたチャック間に掴み、引張速度200mm/分で引っ張り、引張比例限度内における引張応力とそれに対応するひずみの比を引張弾性率として算出した。
実施例・比較例で得られた収納袋内に、収納する青果物と一緒に、ユニ電子株式会社製ワイヤレス温湿度センサUNI−01−B002 Logttaを入れて、収納袋内の湿度を測定した。
実施例・比較例で得られた収納袋(幅150mm×高さ250mmのもの)に、約250gの枝豆を詰めた後に、その収納袋の上部をヒートシールすることによって収納袋を密封した。そして、その枝豆を収納した収納袋を、以下の温湿度・期間の条件下で保管した。しかる後、収納された枝豆の状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
30℃×80%RHの雰囲気下で144時間(6日間)保管
実施例・比較例で得られた収納袋(幅180mm×高さ380mmのもの)に、約100gのルッコラを詰めた後に、その収納袋の上部をヒートシールすることによって収納袋を密封した。そして、そのルッコラを収納した収納袋を、以下の温湿度・期間の条件下で保管した。しかる後、収納されたルッコラの状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
25℃×65%RHの雰囲気下で46時間(2日間)保管
実施例・比較例で得られた収納袋(幅120mm×高さ500mmのもの)に、約45gのパクチ―を詰めた後に、その収納袋の上部をヒートシールすることによって収納袋を密封した。そして、そのパクチ―を収納した収納袋を、以下の温湿度・期間の条件下で保管した。しかる後、収納されたパクチ―の状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
25℃×65%RHの雰囲気下で72時間(3日間)保管
実施例・比較例で得られた収納袋(幅200mm×高さ300mmのもの)に、約700gのサトイモを詰めた後に、その収納袋の上部を絞り、絞った部分をテープ留め(バッグシール)することによって収納袋を密封した。そして、そのサトイモを収納した収納袋を、以下の温湿度・期間の条件下で保管した。しかる後、収納されたサトイモの状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
25℃×65%RHの雰囲気下で120時間(5日間)保管
実施例・比較例で得られた収納袋(幅150mm×高さ370mmのもの)に、約400g(2本)のサツマイモを詰めた後に、その収納袋の上部をヒートシールすることによって収納袋を密封した。そして、そのサツマイモを収納した収納袋を、以下の温湿度・期間の条件下で保管した。しかる後、収納されたサツマイモの状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
25℃×65%RHの雰囲気下で84時間(3.5日間)保管
実施例・比較例で得られた収納袋(幅225mm×高さ330mmのもの)に、約200gのホウレンソウを詰めた後に、その収納袋の上部をヒートシールすることによって収納袋を密封した。そして、そのホウレンソウを収納した収納袋を、以下の温湿度・期間の条件下で保管した(なお、実施例9においては、後述するように近赤外蛍光色素を混合して作成したシートをホウレンソウを収納した収納袋に貼着した)。しかる後、収納されたホウレンソウの状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
25℃×60%RHの雰囲気下で72時間(3日間)保管
実施例・比較例で得られた収納袋(幅200mm×高200mmのもの)に、約190gのシメジを詰めた後に、その収納袋の上部をヒートシールすることによって収納袋を密封した。そして、そのシメジを収納した収納袋を実施例記載の方法に準じて、以下の温湿度・期間の条件下で保管した。しかる後、収納されたシメジの状態を観察し鮮度保持効果の判定を行った。
・保管条件
25℃×60%RHの雰囲気下で144時間(6日間)保管
<振動エネルギー付与装置>
図2は、実施例で用いた振動エネルギー付与装置(鮮度保持機能を付与するための処理装置)を示したものである。処理装置1bは、金属筐体88、コンベア11、エネルギー源(振動エネルギー発生装置)3等によって構成されている。金属筐体88は、骨組みとなる金属(アルマイト処理をしたアルミニウム)製のフレーム材881,881・・に、パネル材(二重の金属板)882,882,882を嵌込むことによって、長手方向に沿って縦長な直方体(幅×奥行×高さ=1808mm×2108mm×1850mm)の筒状に形成されている。当該金属筐体88は、左右の鉛直状のパネル材(二重の金属板)882,882の間に、包装用資材21を搬送するコンベア11を挟み込んだ状態になっている。
上記した振動エネルギー付与処理装置(処理装置1b)を用いて、コンベア11上に載置した二軸延伸防曇OPPフィルム(東洋紡(株)製 P5562 厚み20μm)を、金属筐体88内に送り込み、その状態で、エネルギー源3から、第一LC回路39のインダクタンスを1mH、キャパシタンスを0.53μF(共振周波数6.91kHz)とし、第二LC回路40のインダクタンスを1mH、キャパシタンスを2.7μF(共振周波数3.06kHz)として得られた振動エネルギーを、1分間に亘って金属筐体88の各パネル材882,882・・に付与した。しかる後、金属筐体88内から二軸延伸防曇OPPフィルムを取り出すという一連の操作を2回繰り返し実施した。
上記方法で振動エネルギー付与が付与された二軸延伸防曇OPPフィルムを、トタニ技研工業株式会社製高速サイドウェルド自動製袋機HK65Vを用いて、長手方向に沿って二つ折りした後に、下記の条件にて、所定の間隔で溶断(ヒートシールおよび裁断)することによって(すなわち、ヒートシール後に裁断することによって)、所定の大きさ(包装をする青果物の容量に合わせた上記条件に記載の大きさ)を有する二方袋(二つ折りした振動エネルギ−付与処理したフィルムの左右をヒートシールしたもの)を作製した。
<溶断条件>
・刃先の温度:420℃
・刃先の角度:120°
・溶断速度:120個/分(1ショット当たりの時間:0.4秒)
実施例1の方法において、上記透過孔(パンチ孔)を塞ぐように、紙製で16mmφの円形の不織布(日本製紙パピリア(株)製 ヒートロンGS−30 目付け=30g/m2)を二方袋の上に載置し、180℃に加熱したドーナッツ状(内径4.1mmで外径16.0mm)の熱板を利用し、当該熱板の外周と不織布の外周とが一致するように熱板を不織布に押し付けることによって、不織布を表側のOPPフィルムにヒートシールするように変更した以外は、実施例1と同様にして枝豆を収納して評価した枝豆の鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例1の方法において、上記振動エネルギー付与処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして枝豆を収納して評価した枝豆の鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例1の方法において、青果物をルッコラに変更し、透過孔を設けなかった以外は実施例1と同様の方法で作製した袋を用いて、上記した条件で保存した場合のルッコラの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例3の方法において、上記振動エネルギー付与処理を行わなかった以外は、実施例3と同様にしてルッコラを収納して評価したルッコラの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例1の方法において、青果物をパクチーに変更し、上記した条件で保存した場合のパクチーの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例4の方法において、上記振動エネルギー付与処理を行わなかった以外は、実施例5と同様にしてパクチーを収納して評価したパクチーの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例1の方法において、青果物をサトイモに変更し、上記した条件で保存した場合のサトイモの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例5の方法において、上記振動エネルギー付与処理と透過孔(パンチ孔)の形成を行わなかった以外は、実施例5と同様にしてサトイモを収納して評価したサトイモの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例1の方法において、収納袋の製造に用いるフィルムを、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるベースフィルムの上にポリエステル樹脂を溶融押し出ししてなる総厚さ27μmのラミネートフィルム(中本パックス(株)製 HS−PET)に変更するとともに、上記振動エネルギー付与処理及び透過孔(パンチ孔)の穿設を行なわなかった以外は、実施例1と同様にして枝豆を収納して評価した枝豆の鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例6の方法において、収納袋の製造に用いるフィルムを25μmの二軸延伸ポリ乳酸フィルム(三菱ケミカル(株)製 エコロージュSG106)に変更した以外は、実施例6と同様にして枝豆を収納して評価した枝豆の鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例1の方法において、上記振動エネルギー付与処理を行なわなかった以外は、実施例1と同様にしてサツマイモを収納して評価したサツマイモの鮮度保持評価結果を表1に示す。
実施例8の方法において、透過孔(パンチ孔)の大きさを6mmφに変更し、一袋あたりの穿設個数を4個に変更した以外は、実施例8と同様にしてサツマイモを収納して評価したサツマイモの鮮度保持評価結果を表1に示す。
比較例5の方法において、ホウ素系錯体系蛍光色素からなる近赤外蛍光色素を混合して作成したシート(合成樹脂を主原料とする厚さ500μm程度のもの)を、ホウレンソウ収納袋の片面に貼り、ホウレンソウ収納後、貼り合わせたシート面側を上にして、太陽光下で10分間放置の後、所定の温湿度環境下で所定時間保管後のホウレンソウの状態を評価した。その結果を表1に示す。また、本試験で使用した近赤外蛍光色素混合シートの蛍光特性に関してF−7000形分光蛍光光度計(株式会社 日立ハイテクサイエンス製)を用いて測定した3次元測定結果を図6に示し、比較として、近赤外蛍光色素を混合しなかったシート(後述する比較例6で用いたシート)の測定結果を図7に示す。
実施例9の方法において、近赤外蛍光色素を混合していないシートをホウレンソウ収納袋の片面に貼った以外は、実施例9と同様にしてホウレンソウを収納して評価した結果を表1に示す。
比較例2および比較例4と同様に上記振動エネルギー付与処理を施さず、かつ、透過孔(パンチ孔)を形成していない収納袋を用いてシメジを収納し、特許第6345676号に記載のアルミン酸ストロンチウムにEu2+(2価のユウロピウム)、Cr3+(3価のクロム)及びNd3+(3価のネオジム)を共添加してなる近赤外応力発光・残光材料をコートしたシート(合成樹脂(エポキシ樹脂)を主原料とする厚さ200μm程度のもの)を作成し、そのシートをシメジ収納袋の片面に貼り、三共電気社製 UV−B紫外線ランプ(8W GL8E)の点灯下で、2時間放置して、蓄光発光状態とした。その後、このシメジ収納袋を、貼り合わせたシートが下側に位置するような状態で保持した。そして、そのように保持することでシメジの自重による応力発光状態とし、その状態を保持したまま、所定の温湿度環境下で所定時間保管後のシメジの状態を評価した。その結果を表1に示す。
実施例10の方法において、近赤外応力発光・残光材料をコートしたシートを用いることなく、かつ、蓄光発光、応力発光を行わなかった以外は、実施例10と同様にしてシメジを収納して評価した結果を表1に示す。
1b・・振動エネルギー付与処理装置(処理装置)
P1・・収納袋
H・・透過孔
Claims (3)
- 合成樹脂フイルムによって形成された青果物の鮮度保持用収納袋であって、
青果物を収納させた状態で、温度が25℃で、かつ湿度が60%の状態にて保管した場合の1時間経過後の内部の湿度が75%以上であり、かつ内部の湿度が100%になるまでの時間が30時間以上であり、かつ、
前記合成樹脂フィルムが、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはポリ乳酸フィルムであって5〜75μmの厚さを有しているとともに、
左右の端縁が熱シールされており、かつ、それらの各熱シール部分の最大厚みが、熱シール部分の幅の55%以上100%未満であり、かつ、
熱シールされた端縁から50mmの距離の範囲内に、気体を透過させるための複数の透過孔が穿設されており、それらの複数の透過孔の面積の合計が0.016mm 2 以上160mm 2 以下であることを特徴とする青果物の鮮度保持用収納袋。 - 合成樹脂フイルムによって形成された青果物の鮮度保持用収納袋であって、
青果物を収納させた状態で、温度が25℃で、かつ湿度が60%の状態にて保管した場合の1時間経過後の内部の湿度が75%以上であり、かつ内部の湿度が100%になるまでの時間が30時間以上であり、かつ、
前記合成樹脂フィルムが、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはポリ乳酸フィルムであって5〜75μmの厚さを有しているとともに、
左右の端縁が熱シールされており、かつ、それらの各熱シール部分の最大厚みが、熱シール部分の幅の55%以上100%未満であり、かつ、
熱シールされた端縁から50mmの距離の範囲内に、気体を透過させるための0.007mm 2 以上80mm 2 以下の面積を有する1つの透過孔が穿設されていることを特徴とする青果物の鮮度保持用収納袋。 - 前記透過孔を透過する気体の量を制限するための透過制御布が、透過孔を覆うように取り付けられていることを特徴とする請求項1、または2に記載の青果物の鮮度保持用収納袋。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018224491 | 2018-11-30 | ||
JP2018224491 | 2018-11-30 | ||
JP2019214796A JP6813909B2 (ja) | 2018-11-30 | 2019-11-27 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019214796A Division JP6813909B2 (ja) | 2018-11-30 | 2019-11-27 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021046259A JP2021046259A (ja) | 2021-03-25 |
JP6925676B2 true JP6925676B2 (ja) | 2021-08-25 |
Family
ID=71084555
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019214796A Active JP6813909B2 (ja) | 2018-11-30 | 2019-11-27 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
JP2020205738A Active JP6875773B2 (ja) | 2018-11-30 | 2020-12-11 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
JP2020205737A Active JP6925676B2 (ja) | 2018-11-30 | 2020-12-11 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
Family Applications Before (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019214796A Active JP6813909B2 (ja) | 2018-11-30 | 2019-11-27 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
JP2020205738A Active JP6875773B2 (ja) | 2018-11-30 | 2020-12-11 | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (3) | JP6813909B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112298830A (zh) * | 2020-11-30 | 2021-02-02 | 天津瑞宝客环保科技有限公司 | 一种用于无制冷条件下保鲜的物流车箱 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003020067A (ja) * | 2001-07-09 | 2003-01-21 | Fukunaga:Kk | 包装材 |
JP2012101820A (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-31 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 合成樹脂製容器及び青果物の鮮度保持保存方法 |
JP2012240732A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Seiko:Kk | 農作物収納用袋 |
JP2013035603A (ja) * | 2012-08-21 | 2013-02-21 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エダマメ鮮度保持包装袋およびそれを用いたエダマメ鮮度保持方法 |
JP5401591B2 (ja) * | 2012-09-24 | 2014-01-29 | 株式会社吉野工業所 | 吐出容器 |
JP5889854B2 (ja) * | 2012-12-28 | 2016-03-22 | 住友ベークライト株式会社 | 青果物鮮度保持包装袋、これを用いた青果物入り包装体および青果物鮮度保持方法 |
JP2015037967A (ja) * | 2013-07-19 | 2015-02-26 | 住友ベークライト株式会社 | エダマメまたはブロッコリー用青果物鮮度保持包装袋、これを用いたエダマメまたはブロッコリー入り包装体およびエダマメまたはブロッコリーの鮮度保持方法 |
WO2015033648A1 (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-12 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 近赤外応力発光材料及び近赤外応力発光体並びに近赤外応力発光材料の製造方法 |
JP7173479B2 (ja) * | 2017-02-27 | 2022-11-16 | 新エネルギー産業株式会社 | 食品・花卉の包装に供する包装用資材およびその処理方法 |
JP6967762B2 (ja) * | 2017-04-04 | 2021-11-17 | 株式会社ベルグリーンワイズ | 青果物の鮮度保持用包装袋 |
JP6470447B1 (ja) * | 2018-04-19 | 2019-02-13 | 株式会社ベルグリーンワイズ | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
JP6448840B1 (ja) * | 2018-07-23 | 2019-01-09 | 株式会社ベルグリーンワイズ | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
JP6570021B1 (ja) * | 2018-12-04 | 2019-09-04 | 株式会社ベルグリーンワイズ | 青果物の鮮度保持用収納袋 |
-
2019
- 2019-11-27 JP JP2019214796A patent/JP6813909B2/ja active Active
-
2020
- 2020-12-11 JP JP2020205738A patent/JP6875773B2/ja active Active
- 2020-12-11 JP JP2020205737A patent/JP6925676B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020093848A (ja) | 2020-06-18 |
JP2021046260A (ja) | 2021-03-25 |
JP6813909B2 (ja) | 2021-01-13 |
JP2021046259A (ja) | 2021-03-25 |
JP6875773B2 (ja) | 2021-05-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6925676B2 (ja) | 青果物の鮮度保持用収納袋 | |
JP4779658B2 (ja) | 青果物用包装袋及び青果物包装体 | |
JP6470447B1 (ja) | 青果物の鮮度保持用収納袋 | |
JP2014208544A (ja) | 青果物鮮度保持包装袋の製造方法 | |
JP6265054B2 (ja) | 青果物鮮度保持包装袋、これを用いた青果物入り包装体および青果物鮮度保持方法 | |
JP2015037972A (ja) | 青果物鮮度保持包装袋、これを用いた青果物入り包装体および青果物の鮮度保持方法 | |
JP6168228B1 (ja) | 青果物鮮度保持包装袋、青果物入り包装体および青果物の鮮度保持方法 | |
JP6448840B1 (ja) | 青果物の鮮度保持用収納袋 | |
JP2007039087A (ja) | 包装袋 | |
JP6696034B1 (ja) | 青果物鮮度保持包装容器、青果物入り包装体および青果物の鮮度保持方法 | |
JP7173479B2 (ja) | 食品・花卉の包装に供する包装用資材およびその処理方法 | |
WO2014103920A1 (ja) | 青果物鮮度保持包装袋、これを用いた青果物入り包装体および青果物鮮度保持方法 | |
JP6570021B1 (ja) | 青果物の鮮度保持用収納袋 | |
JP6570020B1 (ja) | 青果物の鮮度保持用収納袋 | |
JP6967762B2 (ja) | 青果物の鮮度保持用包装袋 | |
JP3125679U (ja) | 包装袋 | |
JP2020104871A (ja) | 青果物の鮮度保持用収納袋 | |
JP7326721B2 (ja) | 青果物鮮度保持包装容器、青果物入り包装体および青果物の鮮度保持方法 | |
JP6875765B1 (ja) | 青果物の包装用フィルムロールおよび青果物の鮮度保持用包装袋 | |
JP2019098693A (ja) | 防曇フィルム、包装容器、および青果物入り包装体 | |
JP5807626B2 (ja) | 青果物用包装袋および青果物包装体 | |
JP2021133998A (ja) | 青果物の包装用フィルムロールおよび青果物の鮮度保持用包装袋 | |
JP2021133973A (ja) | 青果物の包装用フィルムロールおよび青果物の鮮度保持用包装袋 | |
JPH0272074A (ja) | 包装材 | |
JP2018076121A (ja) | 青果物鮮度保持包装袋、青果物入り包装体および青果物の鮮度保持方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210115 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210118 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210118 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20210204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210322 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210519 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210707 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210728 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6925676 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |