JP2019098693A - 防曇フィルム、包装容器、および青果物入り包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、まず、防曇性が低下するメカニズムは、印刷後の合成樹脂フィルムを巻き取ったり、積層した際、合成樹脂フィルムの印刷部分と裏面とが接触し互いに押し合うことで、合成樹脂フィルムの防曇成分が印刷部分に移行することによって、印刷部分と接触した部分の防曇性が低下すると推測される。そこで、合成樹脂フィルムの印刷面に応力調整層を設けることで、応力調整層が合成樹脂フィルム裏面に接触することで、印刷部分と合成樹脂フィルム裏面とが接触し互いに押し合うことを制御でき、防曇剤の移行を抑制できると推測される。
当該防曇フィルムの一方の面をA面とし、他方の面をB面としたとき、
当該A面に第1凸部、および当該第1凸部への圧力を調整する第2凸部を有し、
当該防曇フィルムが積層された際、前記第2凸部が当該防曇フィルムの前記B面に当接することで、前記第1凸部へかかる積層圧が調整されるように構成された、防曇フィルムを提供する。
〔青果物包装用フィルム〕
図1は、本実施形態に係る青果物包装用フィルム模式断面図である。青果物包装用フィルム10の一方の面をA面とし、他方の面をB面としたとき、当該A面に第1凸部11、および第1凸部11への圧力を調整する第2凸部21を有し、青果物包装用フィルム10が積層された際、第2凸部21が青果物包装用フィルム10のB面に当接することで、第1凸部11へかかる積層圧が調整されるように構成されている。
青果物包装用フィルム10においては、第2凸部21の間に、第1凸部11が設けられている。
断面視において、第1凸部11と第2凸部21との間は、離間していても、近接していてもよい。第1凸部11への圧力を効果的に緩和させる観点から、第2凸部21は、第1凸部11の近傍に配置されていることが好ましい。
第1凸部11の高さは、第2凸部21の高さに対して、0.5〜0.95であることが好ましく、0.7〜0.9であることがより好ましい。高さの測定方法は、例えば、JIS K5600−1−7に準拠して測定できる。
なお、第1凸部11の高さは、第2凸部21よりも低ければよく、バラつきがあるものであってもよい。
また、青果物包装用フィルム10の形状を保持しやすくする観点から、第2凸部21が青果物包装用フィルム10のMD方向に平行に連続するものであることが好ましい。また、第2凸部21は、青果物包装用フィルム10のMD方向における両端に形成されていることが好ましい。
合成樹脂層を構成する合成樹脂は、青果物の包装に用いることができるものであることが好ましい。合成樹脂としては、例えば、各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸などのポリエステル樹脂、6ナイロンなどのポリアミド樹脂などが挙げられる。これらはホモポリマーであってもよく、2種類以上のコポリマーであってもよく、これらホモポリマーやコポリマーを2種類以上含むブレンド物であってもよい。
また、上記各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体の具体例としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン−直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマーやエチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−α−オレフィンコポリマーなどのコポリマーあるいはアイオノマーなどが挙げられ、これら、あるいはこれらと他の樹脂との2種類以上をブレンドしたものであってもよい。
図2は、本実施形態に係る青果物包装用フィルムを、MD方向に巻き取った状態を示す平面図である。図3は、本実施形態に係る青果物包装用フィルムを巻き取った状態の一部をMD方向から見たときの拡大断面図であり、図2中に示されたX−X断面である。
これにより、簡便な方法で、防曇性能が保持された青果物包装用フィルム10が得られる。
青果物包装袋30は、青果物包装用フィルム10を備える(図4(c)参照)。
青果物包装袋30は、青果物包装用フィルム10の第1凸部11からなる表示部15を有している。表示部15は、青果物包装袋30の内容物についての説明するための文字や図形などからなるものである。表示部15は、消費者等が店頭において青果物包装袋30を目にしたときに、目につきやすい場所、例えば、青果物包装袋30の表面に形成されていることが好ましい。また、青果物包装袋30は、青果物包装袋30の内容物が確認できるよう、透明領域13を備えている。
青果物包装袋30において、表示部15は、透明領域13に配置されている。これにより、消費者等が青果物包装袋30の内容物について、表示部15とともに、視認しやすくなる。一方、第2凸部21は、青果物包装袋30における表示部15とは反対側の領域に配置される。
図4(a)に示すように、まず、青果物包装用フィルム10をMD方向(機械方向)に垂直な方向(TD方向)で切断する。続いて、B面が内側になるように左右両側を折り返し、後の青果物包装袋30の背面となる部分で、青果物包装用フィルム10同士を重ね合わせるようにして接合し、筒状になった青果物包装用フィルム10の一方の開口部を閉じ、袋状にする(図4(b)、(c))。これにより、上方が開口し、青果物が収容できる、青果物包装袋30が得られる。
本実施形態における青果物入り包装体は、青果物包装袋30により青果物を密封してなるものである。
当該青果物としては、特に限定されないが、例えば、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、アスパラガス、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレソン、モロヘイヤ、セロリ、ケール、ネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、スィートコーン、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、菌茸類などが挙げられる。また、柑橘、りんご、ナシ、ブドウ、ブルーベリー、柿、イチゴなどの果実類や切花なども有効である。また、これらをカットした状態、いわゆるカット野菜、カットフルーツにも有効である。
防曇効果を効果的に得る観点から、シイタケ、エリンギ、マツタケ、えのきだけ、マイタケ、ブナシメジ、マッシュルーム、たもぎたけ、および松茸などの菌茸類であることが好ましい。
上記第1実施形態においては、第2凸部21の高さが、第1凸部11よりも高い例について説明したが、第2実施形態においては、第1凸部12と第2凸部22との高さが等しい例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成、効果については、適宜説明を省略する。
本実施形態の青果物包装用フィルム20においても、青果物包装用フィルム20のA面とB面とが接触し互いに押し合う応力が働いた際、第2凸部22が、第1凸部12青果物包装用フィルム20のB面に当接することで、第1凸部12へかかる応力を低減できる。その結果、青果物包装用フィルム20中の防曇剤が、第1凸部12に吸着されたり、移行することを抑制でき、防曇性が低下することを抑制できる。
また、本実施形態の青果物包装用フィルム20によれば、第1凸部12と第2凸部22との高さが等しいため、青果物包装用フィルム20を巻き取ったり、積層した際に、青果物包装用フィルム20が自重により撓んだりゆがんだりすることを抑制しやすくなる。
青果物以外の水分を含有する物としては、肉、魚、洋菓子、及びパン等の加工食品、干し柿等乾燥させたが完全には水分がなくなっていないもの、包装容器に入れた際に内容物が含有する水分によって結露が発生するものでもよい。また、食品以外のものであってもよく、木材、衣類、医薬品、工業用材料であってもよい。
また、水分を付着するものとしては、冷凍、冷蔵で冷やされているために表面に結露が発生したもの、洗浄や包装前の結露により表面が濡れた状態のものでもよい。
11 第1凸部
12 第1凸部
13 透明領域
15 表示部
20 青果物包装用フィルム
21 第2凸部
22 第2凸部
30 青果物包装袋
Claims (11)
- 防曇剤を含む合成樹脂層を備えた防曇フィルムであって、
当該防曇フィルムの一方の面をA面とし、他方の面をB面としたとき、
当該A面に第1凸部、および当該第1凸部への圧力を調整する第2凸部を有し、
当該防曇フィルムが積層された際、前記第2凸部が当該防曇フィルムの前記B面に当接することで、前記第1凸部へかかる積層圧が調整されるように構成された、防曇フィルム。 - 当該防曇フィルムが、ロール状または枚葉状に積層される、請求項1に記載の防曇フィルム。
- 前記第1凸部と、前記第2凸部との高さが等しい、請求項1または2に記載の防曇フィルム。
- 前記第2凸部の高さが、前記第1凸部よりも高い、請求項1または2に記載の防曇フィルム。
- 前記第1凸部が、印刷層である、請求項1乃至4いずれか一項に記載の防曇フィルム。
- 前記第2凸部が、メジウムコート層である、請求項1乃至5いずれか一項に記載の防曇フィルム。
- 前記防曇剤が、非イオン界面活性剤を含む、請求項1乃至6いずれか一項に記載の防曇フィルム。
- 前記合成樹脂層が多層構造である、請求項1乃至7いずれか一項に記載の防曇フィルム。
- 請求項1乃至7いずれか一項に記載の防曇フィルムを備える包装容器。
- 前記包装容器が透明領域を有し、第1凸部が当該透明領域に配置されている、請求項9に記載の包装容器。
- 請求項9または10に記載の包装容器により青果物を密封してなる、青果物入り包装体。
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