JP7251108B2 - 青果物入り包装体、及び青果物の鮮度保持方法 - Google Patents
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Description
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が0.5%以上400%以下であり、
23℃、60%RHにおける酸素透過量が、2cc/m2・day・atm以上、50000cc/m2・day・atm以下である、青果物入り包装体を提供する。
処理:20℃、50%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が0.5%以上400%以下であり、
23℃、60%RHにおける酸素透過量が、2cc/m2・day・atm以上、50000cc/m2・day・atm以下となるように青果物を包装する、青果物の鮮度保持方法を提供する。
処理:20℃、50%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
なかでも、効果的に保存を可能とする観点から、カット野菜であることが好ましい。
一方、包装袋の23℃、60%RHにおける酸素透過量は、青果物の品質保持、鮮度保持する観点から、好ましくは50000cc/m2・day・atm以下であり、より好ましくは10000cc/m2・day・atm以下であり、さらに好ましくは7500cc/m2・day・atm以下である。
一方、包装袋の40℃における水蒸気透過率は、青果物の呼吸を抑制する観点から、10g/m2・day・atm以下であり、好ましくは8g/m2・day・atm以下であり、より好ましくは7g/m2・day・atm以下である。
なお、貫通孔の平均直径は、貫通孔の開孔面積から貫通孔を正円として算出される。
この場合、貫通孔の平均孔径は、包装袋の内表面における孔径を示す。
上記のSout/Sin>1.1となる貫通孔は、レーザー加工法などによって形成することができる。レーザー加工法により、貫通孔の直径は、例えば、合成樹脂フィルムの走行速度とレーザーの周波数を同期させることにより、調整することができ、また、貫通孔の形状は、レーザーの形状に合致するため、レーザーの焦点距離を調整することにより、円筒形からテーパー状に近づけることができる。
例えば、各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ乳酸などのポリエステル樹脂、6ナイロンなどのポリアミド樹脂などが挙げられる。これらはホモポリマーであってもよく、2種類以上のコポリマーであってもよく、これらホモポリマーやコポリマーを2種類以上含むブレンド物であってもよい。
また、上記各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体の具体例としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン-直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-α-オレフィンコポリマーなどのコポリマーあるいはアイオノマーなどが挙げられる。これらは1種または2種以上含んだものでもよく、これらと他の樹脂とを混合したものであってもよい。
また、合成樹脂フィルムに、延伸処理やアニーリングなどを施してもよく、さらに、シーラント層を設けたものでもよい。なかでも、延伸処理を施すことにより、合成樹脂フィルムの剛性、耐ピンホール性、水蒸気・酸素バリア性、および見栄えを向上できる。例えば、延伸ナイロン、延伸ポリ乳酸、延伸ポリスチレンであることが好ましい。
本実施形態における青果物入り包装体は、本実施形態における上述した包装袋により青果物を収容してなる。
処理:20℃、50%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
酸素濃度変化率を、下限値以上とすることは、処理前後の酸素濃度の変化が大きくなることを意図し、保存経過における青果物の呼吸量の最適化が進んだことを示す。これにより、雑菌の発生抑制、嫌気呼吸(酸欠)よる変色・食感・食味の低下抑制できる。
一方、酸素濃度変化率を、上限値以下とすることは、処理前後の酸素濃度の変化が小さくなることを意図し、保存経過における青果物の呼吸量が極端に最適値から外れていないことを示す。これにより、雑菌の発生抑制、嫌気呼吸(酸欠)よる変色・食感・食味の低下抑制できる。
本実施形態における青果物の包装方法は、合成樹脂フィルムから構成された包装袋により青果物を包装する青果物の鮮度保持方法であって、
また、本発明は、合成樹脂フィルムから構成された包装袋により青果物を包装してなる青果物の鮮度保持方法であって、
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が0.5%以上400%以下であり、
23℃、60%RHにおける酸素透過量(cc/m2・day・atm)が、2以上、50000以下となるように青果物を包装するものである。
処理:20℃、50%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
これにより、効果的に青果物の鮮度を保持できるようになる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 合成樹脂フィルムから構成された包装袋により青果物を包装してなる青果物入り包装体であって、
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が0.5%以上400%以下であり、
23℃、60%RHにおける酸素透過量が、2cc/m 2 ・day・atm以上、50000cc/m 2 ・day・atm以下である、青果物入り包装体。
処理:20℃、50%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
2. 40℃における水蒸気透過率が、2g/m 2 ・day以上400g/m 2 ・day以下である、1.に記載の青果物入り包装体。
3. 前記青果物100gあたりの前記包装袋の内面積が100cm 2 以上5000cm 2 以下である、1.または2.に記載の青果物入り包装体。
4. 前記包装袋が、貫通孔を有する、1.乃至3.いずれか一つに記載の青果物入り包装体。
5. 前記包装体の内面積に対する、前記貫通孔の個数が、1個/m 2 以上1500個/m 2 以下である、4.に記載の青果物入り包装体。
6. 前記貫通孔の平均孔径が、30μm以上1100μm以下である、4.または5.に記載の青果物入り包装体。
7. 合成樹脂フィルムの厚みが、15μm以上150μm以下である、1.乃至6.いずれか一つに記載の青果物入り包装体。
8. 前記貫通孔について、当該青果物鮮度保持包装袋の外表面における孔面積をSout、当該青果物鮮度保持包装袋の内表面における孔面積をSinとしたとき、Sout/Sin>1.1である、4.乃至7.いずれか一つに記載の青果物入り包装体。
9. 合成樹脂フィルムから構成された包装袋により青果物を包装する青果物の鮮度保持方法であって、
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が0.5%以上400%以下であり、
23℃、60%RHにおける酸素透過量(cc/m 2 ・day・atm)が、2以上、50000以下となるように青果物を包装する、青果物の鮮度保持方法。
処理:20℃、90%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
まず、合成樹脂素材として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、品番WFW5T)を準備した。次に、上記フィルム原料を溶融した溶融物を、温度230℃でTダイから押し出した。
そして、押し出された溶融物に、縦5倍×横9倍の延伸処理を施し、最終的な厚みが25μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(合成樹脂フィルム)を得た。
当該合成樹脂フィルムを用い、内層フィルム面が内側になるように2枚重ね合わせ、インパルスシーラー(富士インパルス社製、FI-400Y-10PK)を用いて3方にヒートシール加工を施して10mm幅の熱シール部分を160℃、シール時間1秒で形成し、包装袋を作製した。得られた包装袋の袋サイズ(内寸)は200mm×160mmであった。
次に、得られた包装袋内に青果物(カットキャベツ150g)を入れ、包装袋を密閉して、青果物入り包装体を作製した。
包装袋の内面積1m2あたり30個となるように平均孔径80μmの微細孔を穿孔した以外は、実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
合成樹脂フィルムとして二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名「エンブレムONBC」厚み25μm)を用い、包装体の内面積1m2あたり60個となるように平均孔径120μmの微細孔を穿孔した以外は、実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
包装体の内面積1m2あたり2000個となるように平均孔径2000μmの微細孔を穿孔した以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
穿孔しなかった以外は実施例3と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
・青果物入り包装体内のガス濃度の測定:
包装袋(包装袋の袋サイズ(内寸)200mm×160mm)に青果物(カットキャベツ150g)を包装しすぐに、MOCON Europe製Check Point O2/CO2を用いて包装体内のガスを測定した。
温度2℃、湿度60%に設定する以外は防湿包装材料の水蒸気透過率試験方法(カップ法)(JIS Z0208)と同じ方法で測定した。
(1)窒素ガスの封入
ヒートシール等で袋を密封した後、アスピレーター等を用いて袋を脱気した。脱気は、袋の両面が貼りつくまで行った。次に、この袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純度99.9%以上)を充填した。窒素ガスの注入量は、袋サイズに合わせ、注入した窒素ガスによって袋を構成するフィルムにテンションがかからず、かつ僅かにゆるんでいる範囲で極力多く入れ、当該白硬注射筒の目盛りを用いて測定した。なお、窒素ガスの脱気および注入は、例えば、注射針を袋に突き刺して行った。注射針を刺す際は、袋を構成するフィルムに両面テープを貼り、この上にさらにポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付けた。また、注射針を抜いた後は、速やかにPPテープで針孔を塞いだ。袋に貼るテープは、4.5cm2以下の面積に収まるようにした。
また、袋を構成するフィルムが微細孔フィルムの場合は、テープで当該微細孔を塞がないようにした。
(2)初期酸素濃度測定
窒素ガス充填直後(t=0)の袋内の初期酸素濃度(C0)を測定した。袋内のガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(TCD)で袋内の初期酸素濃度(C0)を求めた。C0は0.2%以下であり、これを超える場合は、作業をやり直した。酸素濃度測定のためのサンプリングガスは、10cc以下とした。ガスクロマトグラフィーに注入する場合は、1cc程度の一定量を注入した。また、標準ガス(酸素約1%と約10%を含む2点以上)の測定も同量のガスを注入して行い、検量線を作成した。
(3)袋の保管
初期酸素濃度を測定した袋は、23℃、60%RH(恒温恒湿庫)で保管した。このとき、袋の上に物が乗ったり、恒温恒湿庫のファンの風が袋に直撃しないように静置した。
(4)保管中の袋内酸素濃度の測定及び酸素透過速度の計算
袋内酸素濃度の測定は、窒素ガス充填直後と3時間以上経過後に酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内で2点以上の合計3~5点測定し、経過時間t(hr)と袋内酸素濃度間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要がある。相関係数が成り立たない場合は再試験を行った。袋を構成するフィルムの酸素透過速度が大きすぎて袋内酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、フィルムの一部を酸素透過速度が測定しているフィルムより小さく既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行えばよい。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと貼り合わせた部分は除き、求められた酸素透過速度より既知のフィルム部分の酸素透過速度を差し引いたものが測定フィルムの酸素透過速度とした。
酸素透過速度は、経過時間が長いほうの値を用いて以下の計算式(1)を計算した。
F=1.143×(Ct-C0)×V/t (1)
但し、F:酸素透過速度(cc/袋・day・atm)
Ct:窒素ガス充填後t時間後における袋内酸素濃度(%)
C0:窒素ガス充填直後の袋内酸素濃度(%)
V:充填した窒素ガスの量(cc)
t:ガス充填時からの経過時間(hr)
マイクロスコープ(キーエンス社製、VH-6300)を用いて包装袋における内表面の開孔面積を孔5点について測定した。開孔部を真円と仮定して、開孔面積から直径を算出し、平均直径を算出した。
包装袋の袋サイズ(内寸)(cm2)の2倍値を青果物の内容量(g)/100したもので割り算し、算出した。
上記で得られた各青果物入り包装体を、10℃にて5日間保存した。その後、包装体からカットキャベツを取り出し、「変色の有無」、「食感の良し悪し」、「風味の良し悪し」について複数の専門パネラーらにより総合的に評価した。
・鮮度保持日数-2:2つのサンプル(包装体)から内容物を取り出し、それぞれスリーエム製ペトリフィルム(CCプレート)を用いて大腸菌数を測定し、大腸菌数の平均値が102以上となるまでの日数を測定した。なお、サンプルは複数準備し、測定は一日一回行い、測定を行ったサンプルは包装体内のガス濃度が著しく変化するため、その後の測定には使用せず、別のサンプルを用いて、翌日の測定を行う工程を繰り返した。
Claims (9)
- 合成樹脂フィルムから構成された包装袋により青果物を包装してなる青果物入り包装体であって、
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が10%以上200%以下であり、
23℃、60%RHにおける酸素透過量が、2cc/m2・day・atm以上、1500cc/m2・day・atm以下である、青果物入り包装体。
処理:20℃、50%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。 - 40℃における水蒸気透過率が、2g/m2・day以上400g/m2・day以下である、請求項1に記載の青果物入り包装体。
- 前記青果物100gあたりの前記包装袋の内面積が100cm2以上5000cm2以下である、請求項1または2に記載の青果物入り包装体。
- 前記包装袋が、貫通孔を有する、請求項1乃至3いずれか一項に記載の青果物入り包装体。
- 前記包装体の内面積に対する、前記貫通孔の個数が、1個/m2以上1500個/m2以下である、請求項4に記載の青果物入り包装体。
- 前記貫通孔の平均孔径が、30μm以上1100μm以下である、請求項4または5に記載の青果物入り包装体。
- 合成樹脂フィルムの厚みが、15μm以上150μm以下である、請求項1乃至6いずれか一項に記載の青果物入り包装体。
- 前記貫通孔について、当該青果物鮮度保持包装袋の外表面における孔面積をSout、当該青果物鮮度保持包装袋の内表面における孔面積をSinとしたとき、Sout/Sin>1.1である、請求項4乃至6いずれか一項に記載の青果物入り包装体。
- 合成樹脂フィルムから構成された包装袋により青果物を包装する青果物の鮮度保持方法であって、
23℃、60%RHにおける酸素透過量(cc/m 2 ・day・atm)が、2以上、1500以下であって、
以下の処理を施した前後における当該包装体内の酸素濃度の変化率〔(処理後の酸素濃度)/(処理前の酸素濃度)×100〕(%)が10%以上200%以下となるように青果物を包装する、青果物の鮮度保持方法。
処理:20℃、90%RHの条件下で、当該包装体を3日間保存する。
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