JP2023148166A - 包装体、包装体の製造方法、及び青果物の包装方法 - Google Patents

包装体、包装体の製造方法、及び青果物の包装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減された包装体の提供。【解決手段】包装体であって、前記包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である、包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、包装体、包装体の製造方法、及び青果物の包装方法に関する。
目的物を収容して保存するために、種々の保存用の包装体が用いられている。例えば、保存対象物が食品等の経口摂取されるものである場合には、この対象物を、良好な品質を維持しながら保存できることが求められ、このような目的を達成するための包装体が開示されている(特許文献1参照)。
一方で、包装体を衛生的に製造し、取り扱っても、保存対象物を包装体に収容するときに、この保存対象物などの、包装体の収容部へ接触するものに付着している菌が、包装体の収容空間内に取り込まれることがある。保存対象物を衛生的に保存したい場合には、このような菌の混入は大きな問題となる。
保存対象物を収容するときに、この保存対象物に付着している菌の収容空間内への混入を抑制するためには、例えば、加熱処理、薬品処理、紫外線照射処理等の菌を死滅させる処理を行った後の保存対象物を、包装体へ収容することが考えられる。しかし、保存対象物が、上述のような経口摂取されるものである場合など、その種類によっては、これらの処理を行うことができない場合もあり、この方法は汎用性があるとはいえない。したがって、保存中の包装体の収容空間内で、問題点を生じない程度に菌の増殖を抑制することが、より現実的で重要であり、そのためには、例えば、包装体に抗菌性を付与することが考えられる。
特開平9-252718号公報
しかし、特許文献1に開示されている包装体においては、抗菌性が十分に担保されないという問題があった。また、包装体に付与された抗菌性に起因する臭気が、包装体に収容された食品の味や香りに影響するという問題もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減された包装体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1].包装体であって、前記包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である、包装体。
[2].[1]に記載の包装体の製造方法であって、液状の前記アリルイソチオシアネートが封入された前記収容空間を形成することにより、包装を行う工程を有する、包装体の製造方法。
[3].青果物が包装された包装体であって、前記包装体の収容空間内に、前記青果物がアリルイソチオシアネートのガスとともに封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である、包装体。
[4].前記アリルイソチオシアネートのガスの量が、前記アリルイソチオシアネートの液体の量に換算して、前記青果物150g当たり0.1g未満である、[3]に記載の包装体。
[5].前記アリルイソチオシアネートのガスの量が、前記アリルイソチオシアネートの液体の量に換算して、前記青果物150gあたり0.01g未満である、[3]に記載の包装体。
[6].前記青果物が、キャベツである、[3]~[5]のいずれか1つに記載の包装体。
[7].[3]~[6]のいずれか1つに記載の包装体の製造方法であって、前記青果物が液状の前記アリルイソチオシアネートとともに封入された前記収容空間を形成することにより、前記青果物の包装を行う工程を有する、包装体の製造方法。
[8].青果物の包装方法であって、包装体の収容空間内に、前記青果物をアリルイソチオシアネートのガスとともに封入し、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度を100000ppm以下とする、青果物の包装方法。
本発明の包装体は、前記包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下であるため、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減されている。
また、本発明の包装体の製造方法は、液状の前記アリルイソチオシアネートが封入された前記収容空間を形成することにより、包装を行う工程を有するため、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減された包装体を提供することができる。
更に、本発明の包装体は、青果物が包装されており、前記包装体の収容空間内に、前記青果物がアリルイソチオシアネートのガスとともに封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下であるため、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減されている。
また、本発明の包装体の製造方法は、前記青果物が液状の前記アリルイソチオシアネートとともに封入された前記収容空間を形成することにより、前記青果物の包装を行う工程を有するため、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減された包装体を提供することができる。
更に、本発明の青果物の包装方法は、包装体の収容空間内に、前記青果物をアリルイソチオシアネートのガスとともに封入し、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度を100000ppm以下とするため、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減された包装を行うことができる。
(a)実施例1のペトリフィルムの写真である。(b)比較例1のペトリフィルムの写真である。
<第1実施形態:包装体>
本発明の第1実施形態に係る包装体は、前記包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である。
アリルイソチオシアネートは、下記式(I)で表される化合物である。これは、ワサビやカラシに含まれる天然の辛味成分であり、高い抗菌性・防カビ性を有する。また、アリルイソチオシアネートは、常温常圧下では液状であるが、ガス状となっても、抗菌効果・防カビ効果を有するという特徴があり、成分が揮発し空間を満たすことで微生物の増殖を抑えることができる。
そのため、包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入されていることで、抗菌性を十分に担保することができる。
Figure 2023148166000002
包装体の収容空間内に封入されたアリルイソチオシアネートのガスの質量は、1.0g以下であることが好ましく、0.01g~1.0gであることがより好ましく、0.01g~0.1gであることがさらに好ましい。
包装体の収容空間の容積は、0.00050m以上であることが好ましく、0.00050m~0.0100mであることがより好ましく、0.00050m~0.0010mであることがさらに好ましい。
包装体の収容空間内の温度は、―20℃~50℃であることが好ましく、0℃~30℃であることがより好ましく、5℃~15℃であることがさらに好ましい。
包装体の収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度は、100000ppm以下である。これにより、抗菌性に起因する臭気を低減することができる。
包装体の収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度は、100ppm~100000ppmであることが好ましく、500ppm~10000ppmであることがより好ましい。
包装体の収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度を前記下限値以上とすることにより、抗菌性をより十分に担保することができる。
包装体の収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度を前記上限値以下とすることにより、抗菌性に起因する臭気をより低減することができる。
包装体の収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度(ppm)は、包装体の収容空間内に封入されたアリルイソチオシアネートのガスの質量W(g)、包装体の収容空間の容積V(m)を用いて、下記式(1)で算出することができる。
[{(W/99.15)×22.4/1000}/V]×1000000 (1)
包装体の収容空間内には、アリルイソチオシアネート以外の抗菌剤のガスが封入されていてもよい。前記アリルイソチオシアネート以外の抗菌剤の具体例としては、シネオール、メントール、シトロネラール等が挙げられる。
包装体を構成する材料としては、どのような材料であってもよいが、合成樹脂フィルム、プラスチック成形体、ガラス瓶、紙包装体、段ボール箱等が挙げられる。これらのうち、合成樹脂フィルムであることが好ましい。
包装体は、1又は複数の穴を有していてもよい。包装体が穴を有していることにより、初期の生菌数増殖を抑制し、且つ、アリルイソチオシアネートの臭気を抑制することができる。
穴の平均直径は、10μm~1000μmであることが好ましく、15μn~900μmであることがより好ましく、20μn~800μmであることがさらに好ましい。
穴の平均直径を上記下限値以上とすることにより、初期の生菌数増殖をより抑制し、かつ、アリルイソチオシアネートの臭気をより抑制することができる。穴の平均直径を上記上限値以下とすることにより、異物の侵入をより防ぎ、かつ、内容物の劣化をより抑制することができる。
穴の個数は、一包装体あたり、1個~100個であることが好ましく、2個~90個であることがより好ましく、3個~80個であることがさらに好ましい。
以下、包装体を構成する材料が合成樹脂フィルムである場合について説明する。
合成樹脂フィルムは、収容物を外部から視認できる観点から、透明または半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。また、収容物を特定する目的などの印刷が施されたものであってもよい。
合成樹脂フィルムを構成する合成樹脂は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。
例えば、各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ乳酸などのポリエステル樹脂、6ナイロンなどのポリアミド樹脂などが挙げられる。これらはホモポリマーであってもよく、構成単位が2種類以上のコポリマーであってもよく、これらホモポリマーやコポリマーを2種類以上含むブレンド物であってもよい。
また、上記各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体の具体例としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-α-オレフィンコポリマーなどのコポリマーあるいはアイオノマーなどが挙げられる。これらは1種または2種以上含んだものでもよく、これらと他の樹脂とを混合したものであってもよい。
なかでも、水蒸気透過率、酸素透過量を適切に制御する観点から、ポリエチレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂、およびナイロンなどのポリアミド樹脂であることが好ましく、ポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリ乳酸、ナイロンであることがより好ましい。
なお、価格、物性の観点からは、ヒートシール可能な延伸ポリプロピレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、メタロセン触媒ポリエチレンを用いることが好ましく、これらのうち、2軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることがより好ましい。
合成樹脂フィルムには、抗菌剤が含まれていてもよい。抗菌剤は、アリルイソチオシアネート;シネオール、メントール、シトロネラール;銀・銅・亜鉛等を使用した金属イオン系無機抗菌剤;酸化チタン等を使用した光触媒系無機抗菌剤;カルボン酸やエステル等を使用した有機合成系抗菌剤;茶カテキン・アリルカラシ油等を使用した天然物系抗菌剤等を有効成分とすることが好ましい。
合成樹脂フィルムの成型方法は、特に限定されないが、押出、インフレーション、カレンダーリング等の方法が用いられる。合成樹脂フィルムを成型する際、必要に応じて、防曇剤等の添加物を混練してもよく、2種類以上の樹脂をブレンドしてもよい。
また、合成樹脂フィルムに、延伸処理やアニーリングなどを施してもよく、さらに、シーラント層を設けたものでもよい。なかでも、延伸処理を施すことにより、合成樹脂フィルムの剛性、耐ピンホール性、水蒸気・酸素バリア性、および見栄えを向上できる。例えば、延伸ナイロン、延伸ポリ乳酸、延伸ポリスチレンであることが好ましい。
合成樹脂フィルムは、単層として用いてもよいし、2層以上の多層構造として用いてもよい。
例えば、包装体に包装される収容物が重量物である場合、無延伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、無延伸ナイロン、延伸ナイロン、延伸ポリエステルなどのフィルムに対し、ポリエチレンをドライラミネーション、押し出しラミネーション、共押し出しにより多層フィルムとしたものを用いることが好ましい。
合成樹脂フィルムの平均厚みは、15μm以上400μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下がより好ましく、25μm以上100μm以下がさらに好ましい。
合成樹脂フィルムの平均厚みを上記下限値以上とすることにより、酸素透過量、水蒸気透過率をより高度に制御し易くするとともに、包装体の強度を高めることができる。
合成樹脂フィルムの平均厚みを上記上限値以下とすることにより、包装体の取扱性を良好にし、適切な水蒸気透過率、酸素透過量を付与すると共に、生産コストも低くできる。
<第2実施形態:青果物入り包装体>
本発明の第2実施形態に係る包装体は、青果物が包装された包装体であって、前記包装体の収容空間内に、前記青果物がアリルイソチオシアネートのガスとともに封入されており、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である。
以下、第2実施形態に係る青果物入り包装体について、第1実施形態に係る包装体との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
青果物を包装体の内部に収容し、包装体を密封するために、開口した部分にヒートシール処理を施してもよいし、バックシーリングテープ、結束帯、輪ゴム、かしめ等の部材を用いてもよい。中でも、青果物の鮮度保持効果を高める観点から、開口部にヒートシール処理を施すことが好ましい。
青果物は、収穫後水洗したもの、雨、雪または露に濡れたものを水切りすることなく包装してもよい。これにより、作業性を向上できる。一方、青果物の鮮度保持のため早期に低温下で保管する、または青果物への水分による影響をできるだけ早期に取り除く観点から、青果物に付着している水分を真空予冷等により除去してもよい。
また、本実施形態における青果物入り包装体の重量保持率は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは97%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。重量保持率を上記上限値以下とすることにより、青果物の鮮度をさらに安定的に維持できる。
青果物としては、特に限定されないが、例えば、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、アスパラガス、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレソン、モロヘイヤ、セロリ、ケール、ネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、スィートコーン、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、菌茸類などが挙げられる。これらのうち、キャベツ、ダイコン、レタスなどが好ましく、キャベツがより好ましい。また、柑橘、りんご、ナシ、ブドウ、ブルーベリー、柿、イチゴなどの果実類や切花なども挙げられる。また、これらをカットした状態、いわゆるカット野菜、カットフルーツにも有効である。
なかでも、効果的に保存を可能とする観点から、カット野菜であることが好ましい。
一般に、青果物はそれ自体匂いがないものが多いため、抗菌性に起因する臭気がより一層際立ち、青果物の味や香りに大きく影響するという問題があった。一方、本実施形態の包装体は、収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下に抑えられているため、青果物が包装されていても、抗菌性に起因する臭気がその味や香りに影響しない。
アリルイソチオシアネートのガスの量は、前記アリルイソチオシアネートの液体の量に換算して、前記青果物150g当たり0.1g未満であることが好ましく、0.005g以上0.1g未満であることがより好ましく、0.005g以上0.01g未満であることがさらに好ましい。
アリルイソチオシアネートのガスの量を上記下限値以上とすることにより、抗菌性をより十分に担保することができる。
アリルイソチオシアネートのガスの量を上記上限値未満とすることにより、抗菌性に起因する臭気をより低減することができる。
包装体は、1又は複数の穴を有していてもよい。包装体が穴を有していることにより、初期の生菌数増殖を抑制し、且つ、アリルイソチオシアネートの臭気を抑制することができる。
穴の平均直径は、10μm~1000μmであることが好ましく、15μn~900μmであることがより好ましく、20μn~800μmであることがさらに好ましい。
穴の平均直径を上記下限値以上とすることにより、初期の生菌数増殖をより抑制し、かつ、アリルイソチオシアネートの臭気をより抑制することができる。穴の平均直径を上記上限値以下とすることにより、異物の侵入をより防ぎ、かつ、青果物の萎れ・軸枯れをより抑制することができる。
穴の個数は、一包装体あたり、1個~100個であることが好ましく、2個~90個であることがより好ましく、3個~80個であることがさらに好ましい。
<第1実施形態:包装体の製造方法>
本発明の第1実施形態に係る包装体の製造方法は、液状の前記アリルイソチオシアネートが封入された前記収容空間を形成することにより、包装を行う工程を有する。
包装体の収容空間内に封入された液状のアリルイソチオシアネートの量は、0.1g以下であることが好ましく、0.005g~0.1gであることがより好ましく、0.005~0.01gであることがさらに好ましい。
液状のアリルイソチオシアネートの量を上記下限値以上とすることにより、抗菌性をより十分に担保することができる。
液状のアリルイソチオシアネートの量を上記上限値以下とすることにより、抗菌性に起因する臭気をより低減することができる。
液状のアリルイソチオシアネートは、包装体の収容空間内であればどこに封入してもよい。
液状のアリルイソチオシアネートは、どのような状態で封入してもよいが、スクリュー管等の容器に入れて、収容物に接触させないことが好ましい。これにより、抗菌性に起因する臭気をより低減することができる。
液状のアリルイソチオシアネートを、スクリュー管等の容器に入れて封入する場合、これらの容器は蓋をせず、揮発したアリルイソチオシアネートのガスを収容物に接触させることが好ましい。これにより、抗菌性をより十分に担保することができる。
包装後の包装体は、例えば、常温以上の温度条件下に置いておき、それ以上の操作は一切行わず、収容空間内の液状の前記アリルイソチオシアネートの一部又はすべてを自然に気化させることで、包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入された状態としてもよい。
あるいは、包装後の包装体は、例えば、収容空間内の温度を上昇させる工程を行い、収容空間内の液状の前記アリルイソチオシアネートの一部又はすべてを気化させて、包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入された状態としてもよい。
<第2実施形態:青果物入り包装体の製造方法>
本発明の第2実施形態に係る青果物入り包装体の製造方法は、前記青果物が液状の前記アリルイソチオシアネートとともに封入された前記収容空間を形成することにより、前記青果物の包装を行う工程を有する。
<青果物の包装方法>
本実施形態における青果物の包装方法は、包装体の収容空間内に、前記青果物をアリルイソチオシアネートのガスとともに封入し、前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度を100000ppm以下とする。
包装方法としては、青果物を出し入れするための開口部を密封できればよく、公知の方法を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<青果物入り包装体の作製>
(実施例1)
青果物(カットキャベツ150g)が収容されている包装体(2軸延伸ポリプロピレンフィルム、フィルムの厚さ:30μm、収容空間の容積:0.00075m)を用意した。スクリュー管に液状のアリルイソチオシアネート(0.01g、東京化成工業社製)を入れ、蓋をせずに前記包装体に同封した。包装体をシールして密封し、青果物入り包装体を作製した。
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの量(液体の量に換算)は0.01gであった。また、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度は3012ppmであった。
(実施例2)
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの量(液体の量に換算)を0.1gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度は30123ppmであった。
(実施例3)
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの量(液体の量に換算)を0.005gに変更し、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度を1506ppmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
(実施例4)
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの量(液体の量に換算)を0.1gに変更し、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度を30123ppmに変更し、包装体に穴開け加工した(直径300μmの針にて計10個の穴を空けた)こと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
(実施例5)
青果物をカットダイコン(150g)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの量(液体の量に換算)は0.01gであった。また、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度は3012ppmであった。
(比較例1)
液状のアリルイソチオシアネートを入れたスクリュー管を包装体に同封しなかったこと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
(比較例2)
収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの量(液体の量に換算)を1gに変更し、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度を301227ppmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
(比較例3)
抗菌剤をアリルイソチオシアネートからシネオールに変更し、収容空間内のシネオールのガスの量(液体の量に換算)を1gとし、収容空間内のシネオールのガスの濃度を1993625ppmとしたこと以外は実施例1と同様にして、青果物入り包装体を作製した。
<抗菌性>
実施例1~5及び比較例1~3で作製した青果物入り包装体を、10℃で2日間静置した。その後、包装体から青果物を取り出し、青果物10gに滅菌水90gを混合し、粉砕処理を実施した。
上記で得られた滅菌水を1ml取得して試験管に入れ、さらに滅菌水9mlを試験管に加えて混合し、所定の回数10倍に希釈した。
前記の希釈した滅菌水を1ml取得し、ペトリフィルム(菌測定用、3Mジャパン社製)に滴下し、35℃で24時間静置した。前記ペトリフィルムを用いて、実施例1~5及び比較例1~3の一般生菌数を測定した。比較例1の一般生菌数を1とした場合の比較値として、実施例1~5並びに比較例2及び3の一般生菌数を算出した。下記基準に従って抗菌性を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1及び比較例1のペトリフィルムの写真を、それぞれ、図1(a)及び(b)に示す。
[評価基準]
A:一般生菌数<0.01
B:一般生菌数=1
<臭気>
実施例1~5及び比較例1~3で作製した青果物入り包装体を、10℃で2日間静置した。その後、包装体から青果物を取り出し、下記基準に従って、複数の専門パネラーらが青果物に付着したアリルイソチオシアネートの臭気を評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:アリルイソチオシアネートの臭気が全く確認されなかった(パネラー5人中0人)。
B:アリルイソチオシアネートの臭気がほとんど確認されなかった(パネラー5人中1人)。
C:アリルイソチオシアネートの臭気がわずかにした(パネラー5人中2人)。
D:アリルイソチオシアネートの強い臭気が確認された(パネラー5人中3人以上)。
Figure 2023148166000003
表1に示すように、実施例1~5の青果物入り包装体は、アリルイソチオシアネートを入れたスクリュー管を同封したため、抗菌性の評価がいずれもAとなり、抗菌性が十分担保されていることが確認された(図1(a))。また、実施例1~5の青果物入り包装体は、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下であったため、臭気の評価がいずれもA~Cとなり、抗菌性に起因する臭気が低減されていることが確認された。
一方、比較例1の青果物入り包装体は、アリルイソチオシアネートを入れたスクリュー管を同封しなかったため、臭気の評価がAであったが、抗菌性の評価がBとなり、抗菌性が十分に担保されていないことが確認された(図1(b))。
また、比較例2の青果物入り包装体は、収容空間内のアリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm超であったため、抗菌性の評価がAであったが、臭気の評価がDとなり、抗菌性に起因する臭気が低減されていないことが確認された。
また、比較例3の青果物入り包装体は、収容空間内に抗菌剤としてシネオールを封入したため、抗菌性の評価がAであったが、臭気の評価がDとなり、抗菌性に起因する臭気が低減されていないことが確認された。
本発明は、抗菌性を十分に担保し、且つ、抗菌性に起因する臭気が低減された包装体を提供することができる。

Claims (8)

  1. 包装体であって、
    前記包装体の収容空間内にアリルイソチオシアネートのガスが封入されており、
    前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である、包装体。
  2. 請求項1に記載の包装体の製造方法であって、
    液状の前記アリルイソチオシアネートが封入された前記収容空間を形成することにより、包装を行う工程を有する、包装体の製造方法。
  3. 青果物が包装された包装体であって、
    前記包装体の収容空間内に、前記青果物がアリルイソチオシアネートのガスとともに封入されており、
    前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度が100000ppm以下である、包装体。
  4. 前記アリルイソチオシアネートのガスの量が、前記アリルイソチオシアネートの液体の量に換算して、前記青果物150g当たり0.1g未満である、請求項3に記載の包装体。
  5. 前記アリルイソチオシアネートのガスの量が、前記アリルイソチオシアネートの液体の量に換算して、前記青果物150gあたり0.01g未満である、請求項3に記載の包装体。
  6. 前記青果物が、キャベツである、請求項3~5のいずれか一項に記載の包装体。
  7. 請求項3~6のいずれか一項に記載の包装体の製造方法であって、
    前記青果物が液状の前記アリルイソチオシアネートとともに封入された前記収容空間を形成することにより、前記青果物の包装を行う工程を有する、包装体の製造方法。
  8. 青果物の包装方法であって、
    包装体の収容空間内に、前記青果物をアリルイソチオシアネートのガスとともに封入し、
    前記収容空間内の前記アリルイソチオシアネートのガスの濃度を100000ppm以下とする、青果物の包装方法。
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