JP5807626B2 - 青果物用包装袋および青果物包装体 - Google Patents

青果物用包装袋および青果物包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP5807626B2
JP5807626B2 JP2012189277A JP2012189277A JP5807626B2 JP 5807626 B2 JP5807626 B2 JP 5807626B2 JP 2012189277 A JP2012189277 A JP 2012189277A JP 2012189277 A JP2012189277 A JP 2012189277A JP 5807626 B2 JP5807626 B2 JP 5807626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
vegetables
fruit
fruits
packaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012189277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014046934A (ja
Inventor
溝添 孝陽
孝陽 溝添
田中 敦
田中  敦
中尾 悟
悟 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2012189277A priority Critical patent/JP5807626B2/ja
Publication of JP2014046934A publication Critical patent/JP2014046934A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5807626B2 publication Critical patent/JP5807626B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Bag Frames (AREA)
  • Packages (AREA)

Description

本発明は、青果物用包装袋および青果物包装体に関するものである。
青果物は、大気よりも適度な低酸素、高二酸化炭素環境下においては呼吸が抑制されて劣化や追熟が軽減され、過度な低酸素、高二酸化炭素環境下においては異常代謝によって異臭、トロケなどの劣化が促進されることが知られている。
近年、この原理を利用して青果物の鮮度保持を行う包装の実用化が進んでいる。これは、青果物を包装し、青果物自身の呼吸速度と包材のガス透過速度のバランスによって包装内のガス濃度を青果物の保存に適した雰囲気にするものであり、MA(Modified Atmosphere)包装と呼ばれている。
しかしながら、通常、青果物の包装用に使用されているポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムのようなフィルムを包装袋としてそのまま使用すると、ガス透過速度不足によって包装体内の酸素が不足することに起因して青果物が異常呼吸を行い、青果物の劣化が促進される。そのため、包装袋の酸素透過速度を包装した青果物の呼吸速度に適したものにするため、フィルムに微細孔等を加工しなくてはならなかった。
そこで、例えば、特許文献1では、少なくとも最内層が熱融着性樹脂層からなる多層フィルムに、孔径が数μm〜数十μmの微細な貫通あるいは未貫通の孔を無数に形成することにより、その多層フィルムの酸素透過度を制御する青果物の鮮度保持包材について記載されている。しかしながら、この方法では、フィルムに無数の傷をつけるため、フィルムが白っぽくなって透明性が低下し、中には異物が付着しているように見えて見栄えが悪くなるという欠点があり、加工に関しても、ダイヤモンドの粉末を付着させた特殊なロールにフィルムを押し付けてフィルムを削るため、きわめて特殊な装置が必要であり、多種多様な青果物の呼吸速度や特性に合わせた多種類のフィルムを量産することが困難であった。
したがって、加工が容易で青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度を、青果物包装体の陳列の方法等に関係することなく有し、さらに、フィルムの見栄えが悪くないMA包装を実現可能な青果物用包装袋の開発が求められている。
特開平9−252718号公報
本発明の目的は、フィルムへの加工が容易であり、加工を施してもフィルムの見栄えが悪くなることなく、青果物包装体の陳列の方法等に関係することなくMA効果による青果物の鮮度保持が可能である青果物用包装袋、およびかかる青果物用包装袋で包装された青果物を備える青果物包装体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()に記載の本発明により達成される。
(1) バナナおよびホウレンソウのうちの少なくとも1種の青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1および第2のフィルムを重ね合わせることで袋状とされた青果物用包装袋であって、
前記青果物は、100〜450g/袋で包装され、
前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムは、それぞれ、1個以上の第1の切れ込みおよび第2の切れ込みを有し、
前記第1の切れ込みの長さおよび前記第1のフィルムの厚さをそれぞれL1(mm)およびT1(mm)とし、前記第2の切れ込みの長さおよび前記第2のフィルムの厚さをそれぞれL2(mm)およびT2(mm)としたとき、前記L1は、0.05mm以上、12mm以下、前記L2は、0.01mm以上、5mm以下、前記T1および前記T2は、それぞれ、0.01mm以上0.1mm以下であり、L1/T1>L2/T2なる関係
かつ、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムにおける、包装される前記青果物100gあたりに対する切れ込みの長さの合計を、それぞれ、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)としたとき、前記ΣL1(100g)は、0.025mm以上、10mm以下であり、前記ΣL2(100g)は、0.005mm以上、5mm以下である関係を満足し、
前記第1のフィルムは、印刷物が印刷されている印刷面であり、前記第2のフィルムは、前記印刷物が印刷されていない非印刷面であり、前記第1のフィルムを上側、前記第2のフィルムを下側として陳列されることで、
当該青果物用包装袋で前記青果物を包装した青果物包装体の内部における酸素濃度および二酸化炭素濃度が、それぞれ、0.04〜19%および2〜26%に設定されるよう構成されていることを特徴とする青果物用包装袋。
(2) 前記L1/T1は、2.5以上、250以下であり、前記L2/T2は、1以上、100以下である上記(1)に記載の青果物用包装袋。
) 前記第1の切れ込みおよび前記第2の切れ込みは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムの厚さ方向で、それぞれ、最も近い位置に形成されているもの同士が互いに重なる上記(1)または(2)に記載の青果物用包装袋。
) 上記(1)ないし()のいずれかに記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
本発明の青果物用包装袋のように、第1および第2の切れ込みを有する構成とすることで、包装する青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、包装体が上述したような酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。また、第1および第2のフィルムに、それぞれ、第1および第2の切れ込みを形成するだけで、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、第1および第2のフィルムの見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。
特に、本発明では、第1の切れ込みの長さおよび第1のフィルムの厚さをそれぞれL1(mm)およびT1(mm)とし、前記第2の切れ込みの長さおよび第2のフィルムの厚さをそれぞれL2(mm)およびT2(mm)としたとき、L1/T1>L2/T2なる関係を満足する。かかる関係を満足することにより、第1のフィルムは、第2のフィルムと比較して、優れた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を発揮するものとなる。そのため、包装体の輸送時や陳列時の条件に合致した方向で、包装体を収納および陳列することが可能であるため、包装袋は、より優れたMA効果を発揮するものとなる。
以下、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の青果物用包装袋は、この袋中に密閉した状態で青果物を包装するために用いられるものであり、本発明の青果物包装体(以下、単に「包装体」と言うこともある。)は、青果物用包装袋と、この青果物用包装袋(以下、単に「包装袋」と言うこともある。)で密閉した状態で包装された青果物とを有している。
青果物としては、特に限定されず、例えば、バナナ、マンゴー、ウメ、リンゴ、イチゴ、ミカン、ブドウ、和梨、西洋梨のような果実類、ダイコン、ニンジン、ナガイモ、ゴボウのような根菜類、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、エダマメ、オクラのような果菜類、緑豆モヤシ、大豆モヤシ、トウミョウのような芽物類、シイタケ、シメジ、エリンギ、マイタケ、マツタケのような菌茸類(キノコ類)、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ、レタス、アスパラガスのような葉茎菜類、キク、ユリ、カーネーション等の花卉または苗が挙げられ、これらの何れであっても、包装袋で包装することができる。
青果物用包装袋は、このような青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1および第2のフィルムを重ね合わせることで袋状とされ、通常、開口部を有するシール袋である。
このような青果物用包装袋の製作方法には、各種方法が挙げられ特に限定されないが、例えば、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせた状態、または1枚の合成樹脂フィルムを折り重ねた状態で、3辺または2辺を熱シールにより融着させて袋を形成し、1辺において開口する開口部を設ける構成とすることで袋体としての形状が形成される。
なお、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせて青果物用包装袋を作製する場合、これら2枚の合成樹脂フィルムにより第1および第2のフィルムが構成される。また、1枚の合成樹脂フィルムを折り重ねて青果物用包装袋を作製する場合、折り重ねられた1枚の合成樹脂フィルムにより第1および第2のフィルムが構成される。
このような合成樹脂フィルムの材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよびポリ乳酸等が挙げられる。また、合成樹脂フィルムは、半合成樹脂フィルムであってもよく、その材質としては、例えば、セロハン等が挙げられる。これらのうちのいずれかの材質を単独あるいはラミネートして用いればよい。なお、青果物用包装袋は、これらフィルムと金属箔、紙や不織布とを貼り合わせた袋でもよい。
また、これらの第1および第2のフィルムは、延伸加工、防曇加工や印刷が施されていてもよく、銀、銅のような無機系抗菌剤や、キチン、キトサン、アリルイソチオシアネートのような有機系抗菌剤が塗布されたものであってもよいし、これらがフィルム中に練り込まれているものであってもよい。
かかる構成の青果物用包装袋において、開口部を介して青果物が袋内に配置し、その後、開口部を密閉することで、青果物用包装袋により青果物が包装される。
なお、開口部を密閉する密閉方法としては、特に限定されず、例えば、開口部を金属または樹脂製かしめ、輪ゴム、テープおよびジッパー等で縛る方法、または開口部をのり付け、または熱圧着(ヒートシール)する方法等が挙げられる。
さらに、ヒートシールに適さない第1および第2のフィルムを用いる場合には、開口部にシーラント層をラミネートあるいはコーティングすることで形成すればよい。例えば、アクリル樹脂をコーティングしたセロハンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリスチレンとEVAをラミネートしたフィルムが挙げられ、これらを第1および第2のフィルムとして用いることができる。
このような青果物の包装袋による包装は、青果物の収穫の後に行われ、包装体とした状態で、輸送した後に、市場や量販店で陳列して販売される。
このような青果物用包装袋において、本発明では、第1のフィルムおよび第2のフィルムは、それぞれ、1個以上の第1の切れ込みおよび第2の切れ込みを有しており、このような第1の切れ込みおよび第2の切れ込みを有することで、青果物用包装袋は、酸素透過性および二酸化炭素透過性を発揮するものとなる。
なお、第1の切れ込みおよび第2の切れ込みの形状としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、1本の直線型をなす形状であってもよいし、S字型、U字型、半円形、波型のような曲線部を有する形状、V字型、X字型、L字型、H字型、T字型、W字型、コ字型のような角部を有する形状であってもよい。なお、第1および第2の切れ込みの形状は、それぞれ、同一である必要はなく、上述したような形状のものが組み合わされていてもよい。さらに、第1および第2の切れ込みが、それぞれ、第1および第2のフィルムに2つ以上形成されている場合、複数の第1の切れ込みは、同一であっても異なっていてもよいし、複数の第2の切れ込みは、同一であっても異なっていてもよい。
第1および第2のフィルムへの第1および第2の切れ込みの加工は、カッターのような鋭利な刃物を用いて切ることで行うようにしてもよいし、所望の形状の切れ込みができるようにした型で打ち抜くことで行うようにしてもよい。また、その他、レーザーによる加工によっても形成可能である。
なお、第1および第2の切れ込みの加工時期は、特に限定されず、第1および第2のフィルムの製作時に行ってもよいし、第1および第2のフィルムを袋状とするのとほぼ同時、または袋状とした後に行ってもよい。
より具体的には、例えば、ロールの状態のフィルムに切れ込みを加工する場合、切れ込みは、印刷やスリット等の形成と同時並行して加工することもでき、横ピロー機や縦ピロー機等の自動包装機で青果物を包装する際に加工することもできる。また、切れ込みの加工は、手作業でも可能であり袋1枚でも容易に作製可能である。
このような第1および第2の切れ込みを有する包装袋を備える包装体では、その内部における酸素濃度は、0.04〜19%であり、炭酸ガス濃度は、2〜26%であることが好ましく、酸素濃度は、0.1〜10%であり、炭酸ガス濃度は、5〜15%であることがより好ましい。酸素濃度が前記下限値未満であったり二酸化炭素(炭酸ガス)濃度が前記上限値を超えると、包装する青果物の種類によっては、青果物はガス障害を起こして異臭、トロケおよび内部褐変等の劣化を生じやすくなるおそれがある。これに対して、酸素濃度が前記上限値を超えたり、二酸化炭素濃度が前記下限値未満であったりすると、青果物の呼吸抑制効果が小さくなる傾向を示し、青果物を長時間包装する必要がある場合等には、黄化防止、褐変防止および内容成分の減少等が起こる可能性がある。
以上のように、包装袋を第1および第2の切れ込みを有する構成とすることで、包装する青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、包装体が上述したような酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。
また、第1および第2のフィルムに、それぞれ、第1および第2の切れ込みを形成するだけで、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、第1および第2のフィルムの見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。
特に、本発明では、第1の切れ込みの長さおよび第1のフィルムの厚さをそれぞれL1(mm)およびT1(mm)とし、前記第2の切れ込みの長さおよび第2のフィルムの厚さをそれぞれL2(mm)およびT2(mm)としたとき、L1/T1>L2/T2なる関係を満足する。かかる関係を満足することにより、第1のフィルムは、第2のフィルムと比較して、優れた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を発揮するものとなる。そのため、包装体の輸送時や陳列時の条件に合致した方向で、包装体を収納および陳列することが可能であるため、包装袋は、より優れたMA効果を発揮するものとなる。
例えば、第1のフィルムが、商品名、産地、生産者および値段等の印刷物が印刷されている印刷面であり、第2のフィルムが、印刷物が印刷されていない非印刷面である場合、かかる構成の包装体は、通常、第1のフィルム(印刷面)を上側とし、第2のフィルム(非印刷面)を下側として陳列される。そのため、上側に位置する第1のフィルムから主として酸素が透過し、下側に位置する第2のフィルムから主として炭酸ガスが透過することとなる。また、上記の通り、第1および第2のフィルムがL1/T1>L2/T2なる関係を満足するため、第1のフィルムを上側とした包装体では、酸素透過速度が炭酸ガス透過速度と比較して速くなる。したがって、適度な低酸素、高二酸化炭素環境を確実に形成することができる。
なお、第1および第2のフィルムにおいて、それぞれ、2つ以上の第1および第2の切れ込みが形成されている場合には、第1の切れ込みの長さL1および第2の切れ込みの長さL2は、それぞれ、各第1の切れ込みの長さの合計から求められる平均値および各第2の切れ込みの長さの合計から求められる平均値を表す。
また、L1/T1およびL2/T2の具体的な値としては、L1/T1は、2.5以上、250以下であり、前記L2/T2は、1以上、100以下であるのが好ましく、L1/T1は、10以上、180以下であり、前記L2/T2は、5以上、50以下であるのがより好ましい。L1/T1およびL2/T2を、それぞれ、前記範囲内に設定することにより、包装袋を、より確実にMA効果を発揮するものとすることができる。また、L1/T1およびL2/T2を、前記下限値未満に設定した場合には、第1および第2のフィルムの種類によっては、フィルムに加工を施しにくくなる可能性があり、前記上限値を超えると、第1および第2のフィルムの種類によっては、切れ込みが開きやすくなり、目的とする酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を超えてしまうおそれがある。
さらに、第1の切れ込みの長さL1は、0.05mm以上、12mm以下であり、第2の切れ込みの長さL2は、0.01mm以上、5mm以下であるのが好ましく、第1の切れ込みの長さL1は、0.3mm以上、8mm以下であり、第2の切れ込みの長さL2は、0.05mm以上、3mm以下であるのがより好ましい。前記上限値を超えると、第1および第2のフィルムの種類やそれらの厚さによっては、第1および第2のフィルムが変形することに起因して切れ込みが開きやすくなるため、酸素透過速度および炭酸ガス透過速度の制御が難しくなるおそれがある。また、前記下限値未満であると、多数の切れ込みを形成する必要が生じ、その結果、第1および第2のフィルムの種類やそれらの厚さによっては、加工が困難となり、包装袋の量産に向かなくなるおそれがある。さらに、L1およびL2がそれぞれ前記範囲内であると、第1のフィルムを、第2のフィルムと比較して、優れた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を発揮するものとすることができる。
また、第1のフィルムの厚さT1および第2のフィルムの厚さT2は、それぞれ、0.01mm以上、0.1mm以下であるのが好ましく、0.01mm以上、0.065mm以下であるのがより好ましい。第1および第2のフィルムの厚さT1、T2を前記範囲内に設定することにより、それぞれが有する第1および第2の切れ込みから酸素および炭酸ガスを確実に透過させることができる。また、前記下限値未満となるとフィルムの材質によっては、強度が十分に得られなくなるおそれがある。さらに、前記上限値を超えると、コストが高くなるおそれがある。
さらに、第1のフィルムおよび第2のフィルムにおける、包装袋に包装される青果物100gあたりに対する切れ込みの長さの合計を、それぞれ、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)としたとき、前記ΣL1(100g)は、0.025mm以上、10mm以下であり、前記ΣL2(100g)は、0.005mm以上、5mm以下であるのが好ましく、前記ΣL1(100g)は、0.5mm以上、9mm以下であり、前記ΣL2(100g)は、0.3mm以上、3mm以下であるのがより好ましい。前記下限値未満であると、第1および第2のフィルムの厚さによっては、包装した青果物が酸欠(嫌気)状態になり、トロケ(水浮き)やアルコール発酵による異臭発生等の劣化を生じ易くなるおそれがある。また、これに対して、前記上限値を超えると、第1および第2のフィルムの厚さによっては、包装袋内が充分な低酸素濃度および高二酸化炭素濃度にならず、顕著な鮮度保持効果(MA効果)が得られないおそれがある。さらに、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)がそれぞれ前記範囲内であると、第1のフィルムを、第2のフィルムと比較して、優れた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を発揮するものとすることができる。
なお、第1のフィルムおよび第2のフィルムに、それぞれ、複数(2つ以上)の第1の切れ込みおよび第2の切れ込みを形成する場合、これらは第1のフィルムおよび第2のフィルムの所定の位置に偏在することなく、第1のフィルムおよび第2のフィルムの全面に均一に形成されているのが好ましい。これにより、包装体内における酸素濃度および炭酸ガス濃度に偏りが生じるのを的確に抑制または防止することができる。
また、第1の切れ込みおよび第2の切れ込みを形成する位置は、それぞれ、第1のフィルムおよび第2のフィルム上であれば如何なる位置であってもよいが、第1のフィルムおよび第2のフィルムの厚さ方向で、それぞれ、最も近い位置に形成されているもの同士が互いに重なる位置であるのが好ましい。これにより、第1の切れ込みおよび第2の切れ込みの数を同一とすることができ、L1/T1>L2/T2なる関係を満足することにより得られる効果をより確実に発揮させることができる。
また、本発明では、青果物用包装袋により、包装すべき青果物の種類によっても異なるが、青果物が好ましくは50g〜1200g/袋程度、より好ましくは100g〜450g/袋程度で包装される。
以上、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、青果物用包装袋としては、前記実施形態で説明したシール袋に限らず、例えば、ガゼット袋等の形態の袋であってもよく、さらには、トレー、カップ等に青果物を充填し、これを青果物用包装袋で包装する形態のものであってもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
1.青果物としてバナナを包装した際の青果物用包装袋の検討
1−1.青果物用包装袋の製造、および青果物用包装袋による青果物の包装
(実施例1A)
防曇加工を施した厚さ0.04mmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを折り重ねた後、対向する2辺を熱シールにより融着させることで、内寸130×280mmの包装袋を作製した。そして、この包装袋を、第1のフィルムを上側にした状態で、第1のフィルム側からデザインナイフを1箇所で押し当てることにより、第1および第2のフィルムにそれぞれ1個の切れ込みを設けた。
この袋に、およそ250gのエクアドル産バナナ(グリーンチップの状態)1本を入れて開口部をヒートシールで密封することで実施例1Aの包装体を得た。
(実施例2A)
第1および第2のフィルムへの切り込みの形成を、第1のフィルムを上側にした状態で、第1のフィルム側からデザインナイフを2箇所で押し当てることにより行い、これにより、第1および第2のフィルムにそれぞれ2個の切れ込みを設けたこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、実施例2Aの包装体を得た。
(実施例3A)
第1および第2のフィルムへの切り込みの形成を、第1のフィルムを上側にした状態で、第1のフィルム側からデザインナイフを4箇所で押し当てることにより行い、これにより、第1および第2のフィルムにそれぞれ4個の切れ込みを設けたこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、実施例3Aの包装体を得た。
(実施例4A)
第1および第2のフィルムへの切り込みの形成を、第1のフィルムを上側にした状態で、第1のフィルム側からデザインナイフを4箇所で押し当てることにより行い、これにより、第1および第2のフィルムにそれぞれ4個の切れ込みを設けたこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、実施例4Aの包装体を得た。
(比較例1A)
フィルムへの切り込みの形成の際に、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にアルミ板を挿入し、この状態で、第1のフィルム側からデザインナイフを4箇所で押し当てることに切り込みの形成を行い、これにより、第1のフィルムに4個の切れ込みを設け、第2のフィルムへの切れ込みの形成を省略したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、比較例1Aの包装体を得た。
1−2.青果物の保管
各実施例(実施例4Aを除く)および比較例の青果物包装体について、それぞれ、平板上に第1のフィルムが上側となるように載置した状態で、20℃で5日間保管した。
また、実施例4Aの青果物包装体について、平板上に第2のフィルムが上側となるように載置した状態で、20℃で5日間保管した。
1−3.評価
各実施例および比較例の青果物包装体について、それぞれ、第1および第2のフィルムにおける、L1、L2、L1/T1、L2/T2、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)を測定するとともに、5日後における包装体内の酸素濃度(%)および二酸化炭素濃度(%)を測定した。
さらに、各実施例および比較例の青果物包装体について、それぞれ、5日後の包装体内の青果物の外観、色調、食味および臭い等を観察し、以下に示す評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ :良好
○ :やや良好
△ :悪い
× :著しく悪い
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0005807626
表1から明らかなように、L1/T1>L2/T2なる関係を満足するように第1のフィルムおよび第2のフィルムに、それぞれ、第1の切り込みおよび第2の切り込みを形成することで、大気よりも適度な低酸素、かつ高二酸化炭素な環境を維持することができ、バナナの劣化および追熟が軽減された結果となった。
さらに、L1、L2、L1/T1、L2/T2、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)を適切な範囲に設定することにより、バナナの劣化および追熟をより軽減させることが可能であった。
2.青果物としてホウレンソウを包装した際の青果物用包装袋の検討
2−1.青果物用包装袋の製造、および青果物用包装袋による青果物の包装
(実施例1B〜4B、比較例1B)
切り込みが形成された包装袋に、およそ200gのホウレンソウを入れて開口部をヒートシールで密封したこと以外は、前記実施例1A〜4A、比較例1Aと同様にして、それぞれ、実施例1B〜4B、比較例1Bの包装体を得た。
2−2.青果物の保管
各実施例(実施例4Bを除く)および比較例の青果物包装体について、それぞれ、平板上に第1のフィルムが上側となるように載置した状態で、20℃で5日間保管した。
また、実施例4Bの青果物包装体について、平板上に第2のフィルムが上側となるように載置した状態で、20℃で5日間保管した。
2−3.評価
各実施例および比較例の青果物包装体について、それぞれ、第1および第2のフィルムにおける、L1、L2、L1/T1、L2/T2、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)を測定するとともに、5日後における包装体内の酸素濃度(%)および二酸化炭素濃度(%)を測定した。
さらに、各実施例および比較例の青果物包装体について、それぞれ、5日後の包装体内の青果物の外観、色調、食味および臭い等を観察し、上述した評価基準に従って評価した。
これらの評価結果を表2に示す。
Figure 0005807626
表2から明らかなように、L1/T1>L2/T2なる関係を満足するように第1のフィルムおよび第2のフィルムに、それぞれ、第1の切り込みおよび第2の切り込みを形成することで、大気よりも適度な低酸素、かつ高二酸化炭素な環境を維持することができ、ホウレンソウの劣化が軽減された結果となった。
さらに、L1、L2、L1/T1、L2/T2、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)を適切な範囲に設定することにより、ホウレンソウの劣化をより軽減させることが可能であった。

Claims (4)

  1. バナナおよびホウレンソウのうちの少なくとも1種の青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1および第2のフィルムを重ね合わせることで袋状とされた青果物用包装袋であって、
    前記青果物は、100〜450g/袋で包装され、
    前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムは、それぞれ、1個以上の第1の切れ込みおよび第2の切れ込みを有し、
    前記第1の切れ込みの長さおよび前記第1のフィルムの厚さをそれぞれL1(mm)およびT1(mm)とし、前記第2の切れ込みの長さおよび前記第2のフィルムの厚さをそれぞれL2(mm)およびT2(mm)としたとき、前記L1は、0.05mm以上、12mm以下、前記L2は、0.01mm以上、5mm以下、前記T1および前記T2は、それぞれ、0.01mm以上0.1mm以下であり、L1/T1>L2/T2なる関係
    かつ、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムにおける、包装される前記青果物100gあたりに対する切れ込みの長さの合計を、それぞれ、ΣL1(100g)およびΣL2(100g)としたとき、前記ΣL1(100g)は、0.025mm以上、10mm以下であり、前記ΣL2(100g)は、0.005mm以上、5mm以下である関係を満足し、
    前記第1のフィルムは、印刷物が印刷されている印刷面であり、前記第2のフィルムは、前記印刷物が印刷されていない非印刷面であり、前記第1のフィルムを上側、前記第2のフィルムを下側として陳列されることで、
    当該青果物用包装袋で前記青果物を包装した青果物包装体の内部における酸素濃度および二酸化炭素濃度が、それぞれ、0.04〜19%および2〜26%に設定されるよう構成されていることを特徴とする青果物用包装袋。
  2. 前記L1/T1は、2.5以上、250以下であり、前記L2/T2は、1以上、100以下である請求項1に記載の青果物用包装袋。
  3. 前記第1の切れ込みおよび前記第2の切れ込みは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムの厚さ方向で、それぞれ、最も近い位置に形成されているもの同士が互いに重なる請求項1または2に記載の青果物用包装袋。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
JP2012189277A 2012-08-29 2012-08-29 青果物用包装袋および青果物包装体 Active JP5807626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012189277A JP5807626B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 青果物用包装袋および青果物包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012189277A JP5807626B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 青果物用包装袋および青果物包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014046934A JP2014046934A (ja) 2014-03-17
JP5807626B2 true JP5807626B2 (ja) 2015-11-10

Family

ID=50607004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012189277A Active JP5807626B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 青果物用包装袋および青果物包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5807626B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104542943A (zh) * 2015-01-20 2015-04-29 青岛崂好人海洋生物技术股份有限公司 一种果蔬用海藻天然保鲜液及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5996182U (ja) * 1982-12-21 1984-06-29 有限会社ゴー容器 生鮮食品.植物等の包装用袋容器
JP4779658B2 (ja) * 2006-01-16 2011-09-28 住友ベークライト株式会社 青果物用包装袋及び青果物包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014046934A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5556949B1 (ja) 青果物用包装袋および青果物包装体
WO2015068810A1 (ja) 青果物用包装袋および青果物包装体
JP4779658B2 (ja) 青果物用包装袋及び青果物包装体
JP2014208544A (ja) 青果物鮮度保持包装袋の製造方法
US20110293802A1 (en) Banana Storage and Shipping Bags
JP5396962B2 (ja) 青果物鮮度保持包装袋およびそれを用いた青果物鮮度保持方法
JP2016113172A (ja) 食品包装用シート、食品包装袋、および食品包装体
JP2018079985A (ja) 包装フィルムの製造方法、包装袋の製造方法、包装容器の製造方法、蓋材の製造方法、包装体の製造方法
JP5807626B2 (ja) 青果物用包装袋および青果物包装体
JP6439275B2 (ja) 青果物鮮度保持包装袋、これを用いた青果物入り包装体および青果物鮮度保持方法
JP4183563B2 (ja) 青果物用の包装袋及びそれを用いた包装体
JP2020070079A (ja) 青果物梱包体および梱包方法
JP2016108040A (ja) 食品包装用シート、食品包装容器および食品包装体
JP2013035603A (ja) エダマメ鮮度保持包装袋およびそれを用いたエダマメ鮮度保持方法
JP5807656B2 (ja) 青果物用包装袋および青果物包装体
US20150079252A1 (en) Banana storage and shipping bags
JP2013112385A (ja) 青果物用包装袋及び青果物包装体
JP2016078906A (ja) 食品包装用シート、食品包装容器および食品包装体
JP5621901B1 (ja) 青果物用包装袋および青果物包装体
JP2012144278A (ja) 青果物用包装袋及び青果物包装体
JP6372158B2 (ja) 食品包装用シート、食品包装容器および食品包装体
JP6249118B1 (ja) 食品用包装袋および食品包装体
JP6468338B2 (ja) 食品用包装袋および食品包装体
JP2016064837A (ja) 食品包装用シート、食品包装容器および食品包装体
JP7259233B2 (ja) 青果物鮮度保持袋、青果物入り包装体、青果物鮮度保持方法、及び青果物鮮度保持袋の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140612

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20140612

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20140925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150603

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150824

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5807626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150