JP5621901B1 - 青果物用包装袋および青果物包装体 - Google Patents

青果物用包装袋および青果物包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】加工を施してもフィルムの脆弱化を防止しつつ、見栄えが悪くなることなくMA効果による青果物の鮮度保持が可能である青果物用包装袋、およびかかる青果物用包装袋で包装された青果物を備える青果物包装体を提供すること。【解決手段】青果物用包装袋1は、青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1のフィルム2および第2のフィルム3を重ね合わせることで袋状とされたものである。第1のフィルム2は、複数の第1の開口部21を有し、その縁部に当該縁部に沿った帯状をなし、第1の開口部21が形成されていない第1の不形成領域24を有する。第2のフィルム3は、複数の第2の開口部31を有し、その縁部に当該縁部に沿った帯状をなし、第2の開口部31が形成されていない第2の不形成領域34を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、青果物用包装袋および青果物包装体に関する。
青果物は、大気よりも適度な低酸素、高二酸化炭素環境下においては呼吸が抑制されて劣化や追熟が軽減され、過度な低酸素、高二酸化炭素環境下においては異常代謝によって異臭、トロケなどの劣化が促進されることが知られている。
近年、この原理を利用して青果物の鮮度保持を行う包装の実用化が進んでいる。これは、青果物を包装し、青果物自身の呼吸速度と包材のガス透過速度のバランスによって包装内のガス濃度を青果物の保存に適した雰囲気にするものであり、MA(Modified Atmosphere)包装と呼ばれている。
しかしながら、通常、青果物の包装用に使用されているポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムのようなフィルムを包装袋としてそのまま使用すると、ガス透過速度不足によって包装体内の酸素が不足することに起因して青果物が異常呼吸を行い、青果物の劣化が促進される。そのため、包装袋の酸素透過速度を包装した青果物の呼吸速度に適したものにするため、フィルムに微細孔等を加工しなくてはならなかった。
そこで、例えば、特許文献1では、少なくとも最内層が熱融着性樹脂層からなる多層フィルムに、孔径が数μm〜数十μmの微細な貫通あるいは未貫通の孔を無数に形成することにより、その多層フィルムの酸素透過度を制御する青果物の鮮度保持包材について記載されている。しかしながら、この方法では、フィルムに無数の傷をつけるため、フィルムが白っぽくなって透明性が低下し、中には異物が付着しているように見えて見栄えが悪くなるという欠点があった。また、孔の形成加工の程度によっては、フィルムが破れ易くなるおそれがあった。
したがって、フィルムが破れにくく、さらに、フィルムの見栄えが悪くないMA包装を実現可能な青果物用包装袋の開発が求められている。
特開平9−252718号公報
本発明の目的は、加工を施してもフィルムの脆弱化を防止しつつ、見栄えが悪くなることなくMA効果による青果物の鮮度保持が可能である青果物用包装袋、およびかかる青果物用包装袋で包装された青果物を備える青果物包装体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) 青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1および第2のフィルムを重ね合わせることで袋状とされた青果物用包装袋であって、
前記第1のフィルムは、複数の第1の開口部を有し、
前記第2のフィルムは、複数の第2の開口部を有し、
前記第1の開口部は、長尺状をなし、前記第2の開口部は、前記第1の開口部の長手方向と交差する方向に形成された長尺状をなし、
前記第1のフィルムは、その縁部に該縁部に沿った帯状をなし、前記複数の第1の開口部が形成されていない不形成領域を有することを特徴とする青果物用包装袋。
(2)第1のフィルムは、多角形状をなし、
前記複数の第1の開口部の平均長さをL(mm)とし、前記多角形の各辺からそれぞれ2L以上、10L以下離間した仮想線を想定したとき、前記不形成領域は、前記各辺と前記仮想線とで囲まれた領域である上記(1)に記載の青果物用包装袋。
(3)該青果物用包装袋の平面視で隣接する前記第1の開口部同士の形成方向は、同じである上記(1)または(2)に記載の青果物用包装袋。
(4) 前記第1の開口部および前記第2の開口部は、それぞれ、その長さは、0.01mm以上、12mm以下であり、その幅は、0.001mm以上、25mm以下である上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の青果物用包装袋。
(5) 前記第1の開口部および前記第2の開口部における、当該青果物用包装袋に包装される青果物100gあたりに対する長さの各合計を、それぞれ、ΣL(100g)としたとき、前記ΣL(100g)は、0.005mm以上、50mm以下である上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の青果物用包装袋。
記複数の第1の開口部と、前記複数の第2の開口部とは、形状および大きさが同じである上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の青果物用包装袋。
) 上記(1)ないし()のいずれか1項に記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
本発明によれば、青果物を包装した状態でも、当該青果物で各開口部がそれぞれ塞がれるのが防止または低減され、通気性に優れる。これにより、例えば青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、青果物用包装袋が青果物の保存に適した酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。また、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、これによる青果物の鮮度保持が可能である。
また、本発明によれば、開口部がフィルムの全領域に配置されている場合に比べて、当該フィルムの見栄えが悪くなるのを防止することができる。
さらに、本発明によれば、開口部がフィルムの全領域に配置されている場合に比べて、フィルムの脆弱化を防止することができる。
本発明の青果物包装体の一例として本発明の青果物用包装袋をバナナの包装に用いた場合の第1実施形態を示す平面図である。 図1中の青果物用包装袋の未包装状態を示す斜視図((a)は第1のフィルム側から見た斜視図、(b)は第2のフィルム側から見た斜視図)である。 本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第2実施形態を示す平面図である。 図3に示す青果物用包装袋でバナナを包装した青果物包装体の陳列状態を示す横断面図(図3中のA−A線断面図)である。 本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第3実施形態を示す平面図である。 本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第4実施形態を示す平面図である。 本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第5実施形態を示す平面図である。 本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第6実施形態を示す平面図である。 本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第7実施形態を示す平面図である。 図9に示す青果物用包装袋でバナナを包装した青果物包装体の陳列状態を示す横断面図(図3中のB−B線断面図)である。
以下、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の青果物包装体の一例として本発明の青果物用包装袋をバナナの包装に用いた場合の第1実施形態を示す平面図、図2は、図1中の青果物用包装袋の未包装状態を示す斜視図((a)は第1のフィルム側から見た斜視図、(b)は第2のフィルム側から見た斜視図)である。なお、図1および図2(図3〜図10についても同様)では、説明の便宜上、青果物用包装袋が有する通気孔を誇張して図示しており、青果物用包装袋全体に対する通気孔の大きさおよびその比率は実際とは大きく異なる。また、青果物用包装袋は、平面視で長方形をなし、その短辺に沿った方向をx方向、長辺に沿った方向をy方向として説明する。また、x方向およびy方向と直交する方向を、青果物用包装袋(第1のフィルムおよび第2のフィルム)の厚さ方向と言う。
図1に示すように、本発明の青果物用包装袋(以下、単に「包装袋」と言う)1は、この袋中に密閉した状態で青果物を包装するために用いられるものであり、本発明の青果物包装体(以下、単に「包装体」と言う)10は、包装袋1と、この包装袋1で密閉した状態で包装された青果物とを有している。以下、包装袋1で青果物を未だ包装していない状態を「未包装状態」と言い、包装袋1で青果物を包装した状態を「包装状態」と言う。
青果物としては、本実施形態ではバナナBであるが、これに限定されず、例えば、マンゴー、ウメ、リンゴ、イチゴ、ミカン、ブドウ、和梨、西洋梨のような果実類、ダイコン、ニンジン、ナガイモ、ゴボウのような根菜類、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、エダマメ、オクラのような果菜類、緑豆モヤシ、大豆モヤシ、トウミョウのような芽物類、シイタケ、シメジ、エリンギ、マイタケ、マツタケのような菌茸類(キノコ類)、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ、レタス、アスパラガスのような葉茎菜類、キク、ユリ、カーネーション等の花卉または苗が挙げられ、これらの何れであっても、包装袋1で包装することができる。
包装袋1は、バナナBを包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1のフィルム2と第2のフィルム3とを重ね合わせることで袋状とされ、通常、バナナBの出し入れ口となる開口部11を有するシール袋である。図1に示す構成の包装袋1は、その最大容積が、1房のバナナBを収納するのに十分な大きさのものとなっている。
このような包装袋1の製作方法には、各種方法が挙げられ特に限定されないが、例えば、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせた状態、または1枚の合成樹脂フィルムを折り重ねた状態で、3辺または2辺を熱シールにより融着させて袋を形成し、1辺において開口する開口部11を設ける構成とすることで袋体としての形状が形成される。なお、このように製作された包装袋1は、その平面視で長方形をなすのが好ましい。また、開口部11は、y方向に位置するのが好ましい。
なお、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせて包装袋1を作製する場合、これら2枚の合成樹脂フィルムにより第1のフィルム2および第2のフィルム3が構成される。また、1枚の合成樹脂フィルムを折り重ねて包装袋1を作製する場合、折り重ねられた1枚の合成樹脂フィルムにより第1のフィルム2および第2のフィルム3が構成される。
このような合成樹脂フィルムの材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよびポリ乳酸等が挙げられる。また、合成樹脂フィルムは、半合成樹脂フィルムであってもよく、その材質としては、例えば、セロハン等が挙げられる。これらのうちのいずれかの材質を単独あるいはラミネートして用いればよい。なお、包装袋1は、これらフィルムと金属箔、紙や不織布とを貼り合わせた袋でもよい。
また、これらの第1のフィルム2および第2のフィルム3は、延伸加工、防曇加工や印刷が施されていてもよく、銀、銅のような無機系抗菌剤や、キチン、キトサン、アリルイソチオシアネートのような有機系抗菌剤が塗布されたものであってもよいし、これらがフィルム中に練り込まれているものであってもよい。
かかる構成の包装袋1において、開口部11を介してバナナBが袋内に配置され、その後、開口部11を密閉することで、包装袋1によりバナナBが包装される。
なお、開口部11を密閉する密閉方法としては、特に限定されず、例えば、開口部11を金属または樹脂製かしめ、輪ゴム、テープおよびジッパー等で縛る方法、または開口部をのり付け、または熱圧着(ヒートシール)する方法等が挙げられる。
さらに、ヒートシールに適さない第1のフィルム2および第2のフィルム3を用いる場合には、開口部11にシーラント層をラミネートあるいはコーティングすることで形成すればよい。例えば、アクリル樹脂をコーティングしたセロハンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリスチレンとEVAをラミネートしたフィルムが挙げられ、これらを第1のフィルム2および第2のフィルム3として用いることができる。
このようなバナナBの包装袋1による包装は、バナナBの収穫の後に行われ、包装体10とした状態で、輸送した後に、市場や量販店で陳列して販売される。
図2に示すように、第1のフィルム2は、その厚さ方向に貫通する複数個の第1の開口部(第1の貫通孔)21を有し、第2のフィルム3は、その厚さ方向に貫通する複数個の第2の開口部(第2の貫通孔)31を有している。これにより、包装袋1は、酸素透過性および二酸化炭素透過性を発揮するものとなる。このように、包装袋1では、第1の開口部21および第2の開口部31は、それぞれ、空気が通過する通気孔として機能する。
さて、図2(a)に示すように、第1のフィルム2は、複数個の第1の開口部21が集中的に形成された第1の形成領域23と、それ以外の領域、すなわち、第1の開口部21が形成されていない第1の不形成領域24とに分けることができる。これと同様に、図2(b)に示すように、第2のフィルム3も、複数個の第2の開口部31が集中的に形成された第2の形成領域33と、それ以外の領域、すなわち、第2の開口部31が形成されていない第2の不形成領域34とに分けることができる。
第1の形成領域23では、複数個の第1の開口部21が第1のフィルム2の中心22側に偏在して高密度で配置されている。この配設密度、すなわち、単位面積(200mm四方)当たりの第1の開口部21の個数としては、例えば、1〜38個であるのが好ましく、2〜10個であるのがより好ましい。
本実施形態では、第1の開口部21は、x方向に沿って等間隔に4行配置され、y方向に沿って等間隔に4列配置されている。なお、x方向に隣接する第1の開口部21同士の中心間距離と、y方向に隣接する第1の開口部21同士の中心間距離とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。そして、このように行列状に配置された各第1の開口部21を、それぞれ、図2中の左下から順に、「第1の開口部21a」、「第1の開口部21b」、「第1の開口部21c」、「第1の開口部21d」、「第1の開口部21e」、「第1の開口部21f」、「第1の開口部21g」、「第1の開口部21h」、「第1の開口部21i」、「第1の開口部21j」、「第1の開口部21k」、「第1の開口部21L」、「第1の開口部21m」、「第1の開口部21n」、「第1の開口部21o」、「第1の開口部21p」と言うことがある。また、各第1の開口部21は、それぞれ、y方向に直線状に延びる長尺状をなし、長さが互いに同じであり、幅も互いに同じものである。
また、第2の形成領域33でも、複数個の第2の開口部31が第2のフィルム3の中心32側に偏在して高密度で配置されている。この配設密度、すなわち、単位面積(50mm四方)当たりの第2の開口部31の個数としては、第1の開口部21の配設密度と同じであるのが好ましい。
第2の開口部31も、x方向に沿って等間隔に4行配置され、y方向に沿って等間隔に4列配置されている。なお、x方向に隣接する第2の開口部31同士の中心間距離は、x方向に隣接する第1の開口部21同士の中心間距離と同じである。また、y方向に隣接する第1の開口部21同士の中心間距離は、y方向に隣接する第1の開口部21同士の中心間距離と同じである。そして、このように行列状に配置された各第2の開口部31を、それぞれ、図2中の左下のから順に、「第2の開口部31a」、「第2の開口部31b」、「第2の開口部31c」、「第2の開口部31d」、「第2の開口部31e」、「第2の開口部31f」、「第2の開口部31g」、「第2の開口部31h」、「第2の開口部31i」、「第2の開口部31j」、「第2の開口部31k」、「第2の開口部31L」、「第2の開口部31m」、「第2の開口部31n」、「第2の開口部31o」、「第2の開口部31p」と言うことがある。また、各第2の開口部31は、それぞれ、第1の開口部21と形状および大きさが同じである。すなわち、各第2の開口部31は、それぞれ、y方向に直線状に延びる長尺状をなし、その長さおよび幅が第1の開口部21と同じものである。
第1の形成領域23および第2の形成領域33の各領域で、それぞれ、第1の開口部21および第2の開口部31を前述したような配置、形状および大きさとすることにより、図2に示すように、未包装状態では、当該包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第1の開口部21aと第2の開口部31aとの全体が重なる。これと同様に、第1の開口部21bと第2の開口部31bとの全体が重なり、第1の開口部21cと第2の開口部31cとの全体が重なり、第1の開口部21dと第2の開口部31dとの全体が重なり、第1の開口部21eと第2の開口部31eとの全体が重なり、第1の開口部21fと第2の開口部31fとの全体が重なり、第1の開口部21gと第2の開口部31gとの全体が重なり、第1の開口部21hと第2の開口部31hとの全体が重なり、第1の開口部21iと第2の開口部31iとの全体が重なり、第1の開口部21jと第2の開口部31jとの全体が重なり、第1の開口部21kと第2の開口部31kとの全体が重なり、第1の開口部21Lと第2の開口部31Lとの全体が重なり、第1の開口部21mと第2の開口部31mとの全体が重なり、第1の開口部21nと第2の開口部31nとの全体が重なり、第1の開口部21oと第2の開口部31oとの全体が重なり、第1の開口部21pと第2の開口部31pとの全体が重なる。
そして、1房のバナナB全体の大きさ、1本1本のバナナBの大きさやその配置にもよるが、包装状態で、例えば図1に示すように第1の開口部21hと第2の開口部31hとの間にバナナBが介在していない場合、この開口部での空気の通り抜けが容易となる。また、図1に示すように第1の開口部21dと第2の開口部31dとの間にバナナBが一部介在していたとしても、第1の開口部21d、第2の開口部31dは、それぞれ、長尺状をなしているため、その全体がバナナBで塞がれるのが低減され、よって、この開口部での空気の通り抜けも容易となる。このように包装袋1は、包装状態でも通気性に優れたものとなっている。これにより、バナナBの呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、包装袋1がバナナBの保存に適した酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。また、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、これによるバナナBの鮮度保持が可能である。
なお、包装袋1では、その内部における酸素濃度は、包装される青果物にもよるが、一般的に、0.04〜19%であり、炭酸ガス濃度は、2〜26%であることが好ましく、酸素濃度は、0.1〜10%であり、炭酸ガス濃度は、5〜15%であることがより好ましい。酸素濃度が前記下限値未満であったり二酸化炭素(炭酸ガス)濃度が前記上限値を超えると、包装する青果物の種類によっては、青果物はガス障害を起こして異臭、トロケおよび内部褐変等の劣化を生じやすくなるおそれがある。これに対して、酸素濃度が前記上限値を超えたり、二酸化炭素濃度が前記下限値未満であったりすると、青果物の呼吸抑制効果が小さくなる傾向を示し、青果物を長時間包装する必要がある場合等には、黄化防止、褐変防止および内容成分の減少等が起こる可能性がある。
また、例えば、第1のフィルム2が、商品名、産地、生産者および値段等の印刷物が印刷されている印刷面であり、第2のフィルム3が、印刷物が印刷されていない非印刷面である場合、かかる構成の包装体10は、通常、第1のフィルム2(印刷面)を上側とし、第2のフィルム3(非印刷面)を下側として陳列される。そのため、上側に位置する第1のフィルム2の各第1の開口部21から主として酸素が透過し、下側に位置する第2のフィルム3の各第2の開口部31から主として炭酸ガスが透過することとなる。
第1の開口部21および第2の開口部31は、長尺状をなし、その全長となる長さ(平均)Lは、好ましくは0.01mm以上、12mm以下であり、より好ましくは0.05mm以上、8mm以下であり、幅wは、好ましくは0.001mm以上、25mm以下であり、より好ましくは0.01mm以上、1mm以下である。前記上限値を超えると、第1のフィルム2および第2のフィルム3の種類やそれらの厚さによっては、第1のフィルム2および第2のフィルム3が変形することに起因して第1の開口部21や第2の開口部31が開き易くなるため、酸素透過速度および炭酸ガス透過速度の制御が難しくなるおそれがある。また、前記下限値未満であると、多数の第1の開口部21や第2の開口部31を形成する必要が生じ、その結果、第1のフィルム2および第2のフィルム3の種類やそれらの厚さによっては、加工が困難となり、包装袋1の量産に向かなくなるおそれがある。
さらに、第1のフィルム2および第2のフィルム3における、包装袋1に包装されるバナナB100gあたりに対する長さの各合計を、それぞれ、ΣL(100g)としたとき、前記ΣL(100g)は、0.005mm以上、50mm以下であるのが好ましく、0.3mm以上、30mm以下であるのがより好ましい。前記下限値未満であると、第1のフィルム2および第2のフィルム3の厚さによっては、包装したバナナBが酸欠(嫌気)状態になり、トロケ(水浮き)やアルコール発酵による異臭発生等の劣化を生じ易くなるおそれがある。また、これに対して、前記上限値を超えると、第1のフィルム2および第2のフィルム3の厚さによっては、包装袋1内が充分な低酸素濃度および高二酸化炭素濃度にならず、顕著な鮮度保持効果(MA効果)が得られないおそれがある。なお、包装体10では、バナナBが好ましくは50g〜1200g/袋程度、より好ましくは100g〜450g/袋程度で包装される。
また、第1のフィルム2および第2のフィルム3の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、0.01mm以上、0.1mm以下であるのが好ましく、0.01mm以上、0.065mm以下であるのがより好ましい。厚さを前記範囲内に設定することにより、それぞれが有する第1の開口部21や第2の開口部31から酸素および炭酸ガスを確実に透過させることができる。また、前記下限値未満となるとフィルムの材質によっては、強度が十分に得られなくなるおそれがある。さらに、前記上限値を超えると、コストが高くなるおそれがある。
また、前述したように、第1のフィルム2では、複数個の第1の開口部21が行列状に配置さている。これにより、複数個の第1の開口部21が整列されたように見え、よって、第1の開口部21の加工が施された第1のフィルム2の見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。また、各第1の開口部21の形成方向が揃っていることによっても、第1のフィルム2の見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。さらに、前述したように、複数個の第1の開口部21は、第1のフィルム2内で特定の第1の形成領域23を形成するように配置されている。これにより、第1の開口部21が第1のフィルム2の全領域に配置されている場合に比べて、第1のフィルム2の見栄えが悪くなるのをより的確に防止することができる。
第1のフィルム2と同様に、第2のフィルム3でも、複数個の第2の開口部31が行列状に配置さている。これにより、複数個の第2の開口部31も整列されたように見え、よって、第2の開口部31の加工が施された第2のフィルム3の見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。また、各第2の開口部31の形成方向が揃っていることによっても、第2のフィルム3の見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。さらに、前述したように、複数個の第2の開口部31は、第2のフィルム3内で特定の第2の形成領域33を形成するように配置されている。これにより、第2の開口部31が第2のフィルム3の全領域に配置されている場合に比べて、第2のフィルム3の見栄えが悪くなるのをより的確に防止することができる。
また、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第1の開口部21、第2の開口部31同士が完全に重なっている。これにより、未包装状態で実際に視認される第1の開口部21、第2の開口部31は、第1の開口部21の形成数と第2の開口部31の形成数との和の分とはならず、第1の開口部21の形成数(または第2の開口部31の形成数)分となる。よって、包装袋1全体としての見栄えが悪くなるのを防止することができる。
第1のフィルム2への第1の開口部21の加工や、第2のフィルム3への第2の開口部31の加工は、カッターのような鋭利な刃物を用いて切ることで行うようにしてもよいし、所望の形状の切れ込みができるようにした型で打ち抜くことで行うようにしてもよい。また、その他、レーザーによる加工によっても形成可能である。
なお、第1の開口部21および第2の開口部31の加工時期は、特に限定されず、第1のフィルム2と第2のフィルム3とを重ね合わせて袋状とした後であってもよいし、第1のフィルム2と第2のフィルム3とを重ね合わせる前であってもよいが、本実施形態では、前者の時期であるのが好ましい。この場合、前述したような配置、形状および大きさの第1の開口部21および第2の開口部31を一括して形成することができる。これにより、包装袋1の製造工程で第1のフィルム2に第1の開口部21を加工し、第2のフィルム3に第2の開口部31を加工する際、その加工を容易かつ迅速に行なうことができる。
図2(a)に示すように、第1の不形成領域24は、第1のフィルム2の縁部に、当該縁部に沿って、すなわち、第1の形成領域23を囲むように設けられている。この第1の不形成領域24は、平面視で長方形をなす包装袋1の各辺13から中心22側に所定距離離間した仮想線14を想定したとき、各辺13と仮想線14とで囲まれた、図2(a)中のハッチングを施した領域である。
なお、帯状をなす第1の不形成領域24の幅、すなわち、辺13と仮想線14との離間距離は、特に限定されず、例えば、2L以上、10L以下であるのが好ましく、4L以上、8L以下であるのがより好ましい(但し、「L」は、第1の開口部21および第2の開口部31の平均長さ)。また、第1の不形成領域24では、x方向の幅とy方向の幅とが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
例えば、第1の開口部21が第1のフィルム2の全領域に配置されている場合(以下「従来例1」と言う)、包装状態では、特に縁部付近で第1の開口部21を起点として破断してしまい、脆弱なものとなる。しかしながら、包装袋1では、前述したような第1の不形成領域24が設けられていることにより、前記従来例1に比べて、第1のフィルム2の脆弱化を確実に防止することができる。
図2(b)に示すように、第2の不形成領域34は、第2のフィルム2の縁部に、当該縁部に沿って、すなわち、第2の形成領域33を囲むように設けられている。この第2の不形成領域24は、各辺13と仮想線14とで囲まれた、図2(b)中のハッチングを施した領域である。
なお、帯状をなす第2の不形成領域24の幅は、第1の不形成領域24の幅と同じであるのが好ましい。
そして、例えば、第2の開口部21が第2のフィルム2の全領域に配置されている場合(以下「従来例2」と言う)、包装状態では、特に縁部付近で第2の開口部21を起点として破断してしまい、脆弱なものとなる。しかしながら、包装袋1では、前述したような第2の不形成領域24が設けられていることにより、前記従来例2に比べて、第2のフィルム2の脆弱化を確実に防止することができる。
<第2実施形態>
図3は、本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第2実施形態を示す平面図、図4は、図3に示す青果物用包装袋でバナナを包装した青果物包装体の陳列状態を示す横断面図(図3中のA−A線断面図)である。
以下、これらの図を参照して本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1の開口部と第2の開口部との大小関係が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図3に示すように、本実施形態の包装袋1では、各第1の開口部21と各第2の開口部31とは、それぞれ、大きさが互いに異なっている。具体的には、包装袋1では、その平面視で、第1の開口部21aが第2の開口部31aに包含され、第1の開口部21bが第2の開口部31bに包含され、第1の開口部21cが第2の開口部31cに包含され、第1の開口部21dが第2の開口部31dに包含され、第1の開口部21eが第2の開口部31eに包含され、第1の開口部21fが第2の開口部31fに包含され、第1の開口部21gが第2の開口部31gに包含され、第1の開口部21hが第2の開口部31hに包含され、第1の開口部21iが第2の開口部31iに包含され、第1の開口部21jが第2の開口部31jに包含され、第1の開口部21kが第2の開口部31kに包含され、第1の開口部21Lが第2の開口部31Lに包含され、第1の開口部21mが第2の開口部31mに包含され、第1の開口部21nが第2の開口部31nに包含され、第1の開口部21oが第2の開口部31oに包含され、第1の開口部21pが第2の開口部31pに包含されるように、第1の開口部21と第2の開口部31との大小関係が規定されている。
このような大小関係を有する包装袋1を図4に示すように陳列台20上に陳列した場合、第1のフィルム2を上側(表側)とし、第2のフィルム3を下側(裏側)とすることができる。この場合、第2のフィルム3では、例えば第2の開口部31bや第2の開口部31cが陳列台20に塞がれるが、第2の開口部31aや第2の開口部31dは、塞がれるのを免れる。この2の開口部31aや第2の開口部31dは、第2の開口部31bや第2の開口部31cと同様に、大きさが大きい開口部である。これにより、第2の開口部31aや第2の開口部31dで、前記塞がれた分を補完することができ、よって、第2のフィルム3側での通気性を確実に確保することができる。このような構成は、MA効果によるバナナBの鮮度保持に寄与する。
<第3実施形態>
図5は、本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第3実施形態を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第2の開口部の配設数が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図5に示すように、本実施形態の包装袋1では、第2の開口部31の配設数が第1の開口部21の配設数よりも多い。
換言すれば、本実施形態の包装袋1では、第1の開口部21aには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31aと第2の開口部31a’とがある。また、第1の開口部21bには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31bと第2の開口部31b’とがある。また、第1の開口部21cには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31cと第2の開口部31c’とがある。第1の開口部21dには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31dと第2の開口部31d’とがある。また、第1の開口部21eには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31eと第2の開口部31e’とがある。また、第1の開口部21fには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31fと第2の開口部31f’とがある。また、第1の開口部21gには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31gと第2の開口部31g’とがある。また、第1の開口部21hには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31hと第2の開口部31h’とがある。また、第1の開口部21iには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31iと第2の開口部31i’とがある。また、第1の開口部21jには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31jと第2の開口部31j’とがある。また、第1の開口部21kには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31kと第2の開口部31k’とがある。また、第1の開口部21Lには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31Lと第2の開口部31L’とがある。また、第1の開口部21mには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31mと第2の開口部31m’とがある。また、第1の開口部21nには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31nと第2の開口部31n’とがある。また、第1の開口部21oには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31oと第2の開口部31o’とがある。また、第1の開口部21pには、包装袋1の厚さ方向で最も近い位置に形成されている第2の開口部31として、第2の開口部31pと第2の開口部31p’とがある。
このような構成の包装袋1では、例えば、第1のフィルム2を上側(表側)とし、第2のフィルム3を下側(裏側)として、当該包装袋1を陳列台20上に陳列した場合、第2の開口部31には、陳列台20に塞がれるものがあるが、それ以外の第2の開口部31で、前記塞がれた分を補完することができる。これにより、第2のフィルム3側での通気性を確実に確保することができる。このような構成は、MA効果によるバナナBの鮮度保持に寄与する。
また、例えば、包装状態で、第1の開口部21aと第2の開口部31aとが重なり合った場合、第2の開口部31a’は、第1の開口部21aと第2の開口部31aとの間での通気を補助する補助通気孔として機能することもできる。この構成は、他の第2の開口部31についても同様である。
なお、第2の開口部31の配設数は、第1の開口部21の配設数の1.2倍以上、3倍以下であるのが好ましく、1.5倍以上、2倍以下であるのが好ましい。
<第4実施形態>
図6は、本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第4実施形態を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第2の開口部の形成方向が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6に示すように、本実施形態の包装袋1では、各第2の開口部31は、それぞれ、第1の開口部21と交差する方向、すなわち、x方向に沿って形成されている。これにより、第1の開口部21aと第2の開口部31aとの中央部同士が交差し(重なり)、第1の開口部21bと第2の開口部31bとの長手方向の中央部同士が交差し、第1の開口部21cと第2の開口部31cとの中央部同士が交差し、第1の開口部21dと第2の開口部31dとの中央部同士が交差し、第1の開口部21eと第2の開口部31eとの中央部同士が交差し、第1の開口部21fと第2の開口部31fとの中央部同士が交差し、第1の開口部21gと第2の開口部31gとの中央部同士が交差し、第1の開口部21hと第2の開口部31hとの中央部同士が交差し、第1の開口部21iと第2の開口部31iとの中央部同士が交差し、第1の開口部21jと第2の開口部31jとの中央部同士が交差し、第1の開口部21kと第2の開口部31kとの中央部同士が交差し、第1の開口部21Lと第2の開口部31Lとの中央部同士が交差し、第1の開口部21mと第2の開口部31mとの中央部同士が交差し、第1の開口部21nと第2の開口部31nとの中央部同士が交差し、第1の開口部21oと第2の開口部31oとの中央部同士が交差する。
そして、各開口部の中央部同士が交差した交差部12では、空気の通り抜けが他と比べて容易であるが、前記第1実施形態のように第1の開口部21と第2の開口部31との全体が重なっている場合よりも低くなる。このような構成は、通気性を抑えたい場合に有効である。
<第5実施形態>
図7は、本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第5実施形態を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第2の開口部の形成方向が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図7に示すように、本実施形態の包装袋1では、各第2の開口部31は、それぞれ、第1の開口部21と交差する方向、すなわち、x方向に沿って形成されている。これにより、例えば、第1のフィルム2および第2のフィルム3のうちの一方のフィルムを陳列時の「表側」とし、他方のフィルムを「裏側」としたい場合、各第1の開口部21、各第2の開口部31の形成方向を確認することにより、表裏を確実に定めることができる。
<第6実施形態>
図8は、本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第6実施形態を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1の開口部および第2の開口部の大きさが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態の包装袋1では、各第1の開口部21の大きさは、第1のフィルム2の中心22から遠ざかるに従って段階的に大きくなっている。これにより、中心22周辺に位置する第1の開口部21f、21g、21j、21kが最も小さくなり、その分、中心22付近に例えば青果物の名称「バナナ」を印刷する領域を確保することができる。
なお、各第1の開口部21は、図8に示す構成では、x方向の幅が第1のフィルム2の中心22から遠ざかるに従って大きくなっており、y方向の長さが一定であるが、これに限定されず、y方向の長さも第1のフィルム2の中心22から遠ざかるに従って大きくなっていてもよい。
また、各第2の開口部31の大きさも、第2のフィルム3の中心から遠ざかるに従って段階的に大きくなっているのが好ましい。これにより、第2のフィルム3にも例えばバナナの生産地等のラベルを貼付する領域を確保することができる。
<第7実施形態>
図9は、本発明の青果物用包装袋(未包装状態)の第7実施形態を示す平面図、図10は、図9に示す青果物用包装袋でバナナを包装した青果物包装体の陳列状態を示す横断面図(図3中のB−B線断面図)である。
以下、これらの図を参照して本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1の開口部および第2の開口部の配設密度が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態の包装袋1では、第1の開口部21の配設密度、すなわち、隣接する第1の開口部21同士のx方向の中心間距離が、第1のフィルム2の中心22から遠ざかるに従って高くなっている。なお、隣接する第1の開口部21同士のy方向の中心間距離は、一定であるが、第1のフィルム2の中心22から遠ざかるに従って高くなっていてもよい。これにより、中心22付近に例えば青果物の名称「バナナ」を印刷する領域を十分に確保することができる。
図10に示すように、包装袋1を陳列台20上に陳列した場合、「バナナ」が印刷された第1のフィルム2を上側とし、その反対側の第2のフィルム3を下側とすることができる。この場合、第2のフィルム3では、そのx方向の中央部35が陳列台20に当接することとなり得る。包装袋1では、第2の開口部31の配設密度も、第2のフィルム3の中心から遠ざかるに従って高くなっている。これにより、各第2の開口部31を中央部35から離間させて、できる限り陳列台20に塞がれないようにすることができ、第2のフィルム3側での通気性を確保することができる。
以上、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、青果物用包装袋および青果物包装体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、包装袋としては、前記実施形態で説明したシール袋に限らず、例えば、ガゼット袋等の形態の袋であってもよく、さらには、トレー、カップ等に青果物を充填し、これを包装袋で包装する形態のものであってもよい。
また、包装袋(第1のフィルム、第2のフィルム)の平面視での形状は、前記各本実施形態では長方形であるが、それ以外の、例えば、三角形、正方形等の多角形であってもよい。
また、包装袋は、前記各本実施形態では第1のフィルムおよび第2のフィルムの双方に通気孔としての開口部が形成されているが、これに限定されず、第1のフィルムおよび第2のフィルムのうちの一方の開口部を省略してもよい。
また、第1の開口部および第2の開口部の形状としては、それぞれ、前記各本実施形態では直線型であるが、これに限定されず、例えば、S字型、U字型、半円形、波型のような曲線部を有する形状、V字型、X字型、L字型、H字型、T字型、W字型、コ字型のような角部を有する形状であってもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
青果物としてバナナを包装した際の包装袋の検討
1.青果物用包装袋の製造、および青果物用包装袋による青果物の包装
(実施例1)
防曇加工を施した厚さ0.04mmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを折り重ねた後、対向する2辺を熱シールにより融着させることで、内寸280×130mmの包装袋を作製した。そして、この包装袋を、第1のフィルムを上側にした状態で、当該包装袋の縁部に沿った帯状の第1の不形成領域および第2の不形成領域の幅(平均)がそれぞれ22.5mmとなるように、第1のフィルム側からデザインナイフを16箇所で押し当てることにより、第1のフィルムに16個の第1の開口部を設け、第2のフィルムに16個の第2の開口部を設けた。これにより、図2に示す、第1の開口部と第2の開口部とが互いに重なり、第1の不形成領域および第2の不形成領域がそれぞれ形成された包装袋を得た。
そして、この袋に、およそ250gのエクアドル産バナナ(グリーンチップの状態)1本を入れて開口部をヒートシールで密封することで実施例1の包装体を得た。
(実施例2)
第1のフィルムへの第1の開口部の形成と、第2のフィルムへの第2の開口部の形成とを行なう際に、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にアルミ板を挿入し、この状態で、第1の不形成領域の幅(平均)が22.5mmとなるように第1のフィルム側からデザインナイフを16箇所で押し当てることにより、第1のフィルムに16個の第1の開口部を設け、第2の不形成領域の幅(平均)が30mmとなるように第2のフィルム側からデザインナイフを16箇所で押し当てることにより、第2のフィルムに16個の第2の開口部を設けた。これにより、図3に示す、第1の開口部とそれよりも大きさが大きい第2の開口部とが互いに重なっており、第1の不形成領域および第2の不形成領域がそれぞれ形成された包装袋を得た。これ以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2の包装体を得た。
(実施例3)
第1のフィルムへの第1の開口部の形成を行なう際に、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にアルミ板を挿入し、この状態で、第1の不形成領域の幅(平均)が45mmとなるように第1のフィルム側からデザインナイフを2箇所で押し当てることにより行い、第1のフィルムに2個の第1の開口部を設けた。これ以外は、前記実施例1と同様にして、実施例3の包装体を得た。
(比較例1)
第1の不形成領域および第2の不形成領域をできる限り小さくしつつ、第1のフィルムに32個の第1の開口部を設け、第2のフィルムに32個の第2の開口部を設けた包装袋を5枚得た。これらの包装袋のうち、3枚の包装袋は、一部の第1の開口部や第2の開口部が包装袋の縁部にまで及んでしまい、第1の不形成領域、第2の不形成領域がないものとなった。そして、このようなものの中から1枚の包装袋を選択して、前記実施例1と同様にして、比較例1の包装体を得た。
(比較例2)
フィルムへの開口部の形成の際に、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にアルミ板を挿入し、この状態で、第1のフィルム側からデザインナイフを1箇所で押し当てることにより、第1のフィルムに1個の第1の開口部を設け、第2のフィルムへの第2の開口部の形成を省略したこと以外は、前記実施例1と同様にして、比較例1の包装体を得た。
2.バナナBの保管
各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、平板上に第1のフィルムが上側となるように載置した状態で、20℃で5日間保管した。
3.評価
各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、第1および第2のフィルムにおける、L1、w1、L2、w2、ΣL1(100g)、ΣL2(100g)、隣接する開口部同士のx方向の中心間距離、隣接する開口部同士のy方向の中心間距離、第1の不形成領域の幅(平均)、第2の不形成領域の幅(平均)を測定するとともに、5日後における包装体内の酸素濃度(%)および二酸化炭素濃度(%)を測定した。
さらに、各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、5日後の包装体内の青果物の外観、色調、食味および臭い等を観察し、以下に示す評価基準1に従って評価した。
・評価基準1
◎ :良好
○ :やや良好
△ :悪い
× :著しく悪い
これらの評価結果1を表1に示す。
また、各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、青果物を包装したままの状態で、青果物用包装袋自体に5kgfの引張り力を付与したときの、破断の程度を観察し、以下に示す評価基準2に従って評価した。
○ :全く破断せず
△ :一部が破断した
× :破断して2分割した
これらの評価結果2を表1に示す。
Figure 0005621901
表1から明らかなように、各実施例では、それぞれ、大気よりも適度な低酸素、かつ高二酸化炭素な環境を維持することができ、バナナの劣化および追熟が軽減された結果となった。
また、各実施例において、L1、w1、L2、w2、ΣL1(100g)、ΣL2(100g)、隣接する開口部同士のx方向の中心間距離、隣接する開口部同士のy方向の中心間距離を適切な範囲に設定することにより、バナナの劣化および追熟をより軽減させることが可能であった。
また、各実施例において、第1の不形成領域の幅(平均)、第2の不形成領域の幅(平均)を適切な範囲に設定することにより、包装袋の引張強度を保つことが可能であった。
また、各実施例において、L1、w1、L2、w2、ΣL1(100g)、ΣL2(100g)、隣接する開口部同士のx方向の中心間距離、隣接する開口部同士のy方向の中心間距離、第1の不形成領域の幅(平均)、第2の不形成領域の幅(平均)を変更して、前記と同様の評価を行なっても、その結果は、各実施例とほぼ同じとなった。
また、図5〜図9に示す包装袋を製造し、前記と同様の評価を行なっても、その結果は、各実施例とほぼ同じとなった。
また、各実施例において、青果物として、他の青果物を用いても、その結果は、各実施例とほぼ同じとなった。
10 青果物包装体(包装体)
1 青果物用包装袋(包装袋)
11 開口部
12 交差部
13 辺
14 仮想線
2 第1のフィルム
21、21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21i、21j、21k、21L、21m、21n、21o、21p 第1の開口部(第1の貫通孔)
22 中心
23 第1の形成領域
24 第1の不形成領域
3 第2のフィルム
31、31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31j、31k、31L、31m、31n、31o、31p、31a’、31b’、31c’、31d’、31e’、31f’、31g’、31h’、31i’、31j’、31k’、31L’、31m’、31n’、31o’、31p’ 第2の開口部(第2の貫通孔)
32 中心
33 第2の形成領域
34 第2の不形成領域
35 中央部
B バナナ
20 陳列台

Claims (7)

  1. 青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される第1および第2のフィルムを重ね合わせることで袋状とされた青果物用包装袋であって、
    前記第1のフィルムは、複数の第1の開口部を有し、
    前記第2のフィルムは、複数の第2の開口部を有し、
    前記第1の開口部は、長尺状をなし、前記第2の開口部は、前記第1の開口部の長手方向と交差する方向に形成された長尺状をなし、
    前記第1のフィルムは、その縁部に該縁部に沿った帯状をなし、前記複数の第1の開口部が形成されていない不形成領域を有することを特徴とする青果物用包装袋。
  2. 第1のフィルムは、多角形状をなし、
    前記複数の第1の開口部の平均長さをL(mm)とし、前記多角形の各辺からそれぞれ2L以上、10L以下離間した仮想線を想定したとき、前記不形成領域は、前記各辺と前記仮想線とで囲まれた領域である請求項1に記載の青果物用包装袋。
  3. 該青果物用包装袋の平面視で隣接する前記第1の開口部同士の形成方向は、同じである請求項1または2に記載の青果物用包装袋。
  4. 前記第1の開口部および前記第2の開口部は、それぞれ、その長さは、0.01mm以上、12mm以下であり、その幅は、0.001mm以上、25mm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の青果物用包装袋。
  5. 前記第1の開口部および前記第2の開口部における、当該青果物用包装袋に包装される青果物100gあたりに対する長さの各合計を、それぞれ、ΣL(100g)としたとき、前記ΣL(100g)は、0.005mm以上、50mm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の青果物用包装袋。
  6. 記複数の第1の開口部と、前記複数の第2の開口部とは、形状および大きさが同じである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の青果物用包装袋。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
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