JP2008133017A - 青果物入り包装体及び青果物入り包装体の包装方法 - Google Patents

青果物入り包装体及び青果物入り包装体の包装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 青果物の鮮度保持ができ、別途密封用の資材がなくても袋の密封が容易であり、用済み後に不要な資材が発生せず、さらに袋を一旦開封しても再密封が容易である包装体を提供する。
【解決手段】 青果物を合成樹脂製の包装袋に収納し、前記青果物入り包装袋を容器に収納した青果物入り包装体において、前記容器に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有する青果物入り包装体であり、前記容器は蓋を有し、前記蓋に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有する青果物入り包装体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、青果物の包装体に関するものである。
収穫後の青果物は、段ボール箱、樹脂製のコンテナ又は木箱など容器に入れて貯蔵、流通されることが多い。近年、これらの容器とMA(Modified Atmosphere)包装と言われる青果物の鮮度保持包装の併用がこころみられるようになってきた。MA包装は、ガス透過量を制御した袋に青果物を包装し、包装した青果物の呼吸量と袋のガス透過量のバランスによって包装体内を低酸素濃度、高二酸化炭素濃度状態にすることで青果物の呼吸を抑制して鮮度を保持するものである。
これら容器とMA包装を使用したいという需要は多いが、MA包装では袋の開口部分を何らかの方法で閉じなければならず、この煩わしさがネックとなってなかなか実用化が進んでいない。現状では、ヒートシール、輪ゴム、かしめ、紐、樹脂テープや結束バンドなどでの結束により閉じられている。これらの方法では、作業の煩わしさに加えて、それら設備や資材のコストも必要となってしまう。容器内で包装袋の開口部分を束ねたり押し返したりするのみでは、ばらつきが大きく、開口部分の閉じ方が十分でないため、青果物の鮮度保持効果を十分に得ることができない。
MA包装に関しては、特開平5−328896号公報があり、段落番号0013にヒートシールでの密封について記載されている。この方法でも、店頭で販売されるような包装単位の小さい場合では適用可能であるが、袋サイズが比較的大きな包装袋を用いるような場合は、作業性が極めて悪いため実用的でない。また、単価が安く、取り扱い易いポリエチレン製の袋では、ヒートシール適正が悪く、そもそも実用性が無いといった問題もある。さらに、ヒートシールのための機械・設備が必要であり、検品などのために一旦開封した後は容易に再度密封することができないという問題がある。
特開平8−48382号公報では、0016にバッグシール(結束)によるテープ止めや輪ゴム止めによる固定が好ましい旨記載されているが、これら資材が別途必要である。また、青果物の包装が終了後は、これらの固定用資材は不要となることが多く、資源の有効利用の点からは劣る。
特開平5−328896号公報 特開平8−48382号公報
本発明は、青果物の鮮度保持ができ、別途包装袋を閉じるための資材がなくても袋を閉じることが容易であり、用済み後に不要な資材が発生せず、さらに袋を一旦開封しても再び閉じることが容易である包装体を提供することを目的とする。
青果物を合成樹脂製フィルムの包装袋に収納し、前記青果物入り包装袋を容器に収納した青果物入り包装体において、前記容器に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有する青果物入り包装体である。
更に好ましい形態としては、前記容器の側面に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有し、前記容器は蓋を有し、前記蓋に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有し、前記容器の開口部分を閉じる機構が容器に設けられた穴、切れ込み、切れ目、クリップ、又はこれらの中から選ばれ、前記容器が段ボール容器、紙製容器、プラスチック製容器、木製容器から選ばれる容器である青果物入り包装体である。
また、青果物を合成樹脂製フィルムの包装袋に収納し、前記青果物入り包装袋を容器に収納した青果物入り包装体において、前記青果物入り包装袋の開口部分を前記容器の開口部分を閉じる機構により前記包装袋の開口部分が閉じられ、包装される青果物入り包装体の包装方法である。
更に好ましい形態としては、前記容器の開口部分を閉じる機構が容器に設けられた穴、切れ込み、切れ目、クリップ又はこれらの中から選ばれる複数の機構を有する青果物入り包装体の包装方法である。
本発明の方法に従うと、青果物の鮮度保持ができ、包装袋を閉じるための資材がなくても袋を閉じることができ、袋を閉じる作業が容易であり、従って、包装袋の開口部分を閉じる資材が不要であるため省資源となり、袋を一旦開封しても再度包装袋を容易に閉じることができる青果物の包装体を提供することができる。
本発明は、青果物の包装体に関するものである。青果物の種類としては、MA包装による鮮度保持が可能な青果物全てに適用できる。例えば、ホウレンソウ、コマツナ、ブロッコリー、ニラ、ネギ、アスパラガスなど葉茎菜類、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、アオウメ、スイートコーンなど果菜類、ニンジン、ナガイモ、ジャガイモなど根菜類、リンゴ、バナナ、スダチ、ライム、メロン、バナナなど果実、シイタケ、エリンギ、ナメコなど菌茸類、キク、カーネション等花卉、サツマイモ、ピーマン、花等の苗などである。
包装体に用いられる包装袋は合成樹脂性のフィルムであり、その材質として特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリ乳酸など合成樹脂製のフィルムが用いられる。これらのフィルムの内いずれかの素材を単独あるいは積層して用いればよい。また、これらは延伸してあってもよく、防曇加工や印刷が施してあっても良い。これらの内、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)及び線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、低価格であり、ほどよい保湿性を有することからより好ましい。これら合成樹脂フィルムの厚みは、経済的には80μm以下が好ましく、強度的に10μm以上が好ましい。より好ましくは、20μm以上60μm以下である。
青果物の鮮度を保持する方法として、MA(Modified Atmosphere)包装という技術がある。MA包装は、袋など包材のガス透過量と包装した青果物の呼吸量のバランスによって包装体内を適度な低酸素、高二酸化炭素状態にすることで青果物の呼吸を抑制して鮮度を保持する技術である。このため、本発明においては、袋が適度な酸素透過性を有するようにすることが好ましく、包装袋の素材の酸素透過量が1000〜500000cc/m2・日・atmであることが好ましい。さらに好ましくは、3000〜200000cc/m2・日・atmである。
包装袋に前述したような合成樹脂フィルムを用いる場合、酸素透過量が不足することがある。この場合は、袋に1孔あたりの開口面積が7.8×0-5〜7.9×10-1mm2の微細孔、長さ0.1〜10mmのスリット、傷やクラックなどを用いて酸素透過性を向上させることが好ましい。微細孔は、7.8×0-5mm2未満では孔数が多く必要で加工性が低下し、7.9×10-1mm2を越えると、孔1個あたりからの酸素透過量が大きすぎて、包装体内のガス濃度制御が難しくなる可能性がある。微細孔1個あたりの開口面積は、さらに好ましくは、7.0×0-4〜7.1×10-2mm2である。
スリットの長さは、10mmを越えるとスリット部が開きやすくなって包装体内の酸素濃度が安定しない可能性がある。10mm以下が好ましく、更には5mm以下がより好ましい。また、0.1mm未満では十分な酸素透過性が得られない可能性がある。
本発明に用いる容器は、青果物の流通に使用可能なものであればどのような材質のものでもかまわない。具体例としては、段ボール箱、紙箱、樹脂製コンテナ、木箱などが挙げられる。また、容器は折りたたみ可能でも良いし、近年使用量が増えている通い箱でも良い。さらに容器には蓋を有するものでも良い。蓋の形態はどのようなものでもかまわないが、例えば、容器と一体となった観音開きのようなものでもよいし、容器と別個になったかぶせ蓋のようなものでも良い。
用途としては、例えば、化粧箱を使用するギフト用や、段ボール箱や通いコンテナを用いる産地から消費地への輸送用、コンテナ、段ボール箱、木箱などが用いられる貯蔵用などである。
本発明に用いる容器としては、青果物の輸送の点から大きいものが良いが、人力で運べる程度の大きさが良い。容器に入れる青果物の包装体の数は特に限定されないが、容器に包装袋の開口部分を閉じる機構を有する点より、一つの容器に青果物の包装体を1個から4個までのどれかの数量を入れるのが好ましく、一つの容器に1個の包装体を入れることがより好ましい。
本発明に用いる容器は、容器に包装袋の開口部分を閉じる機構を有する。容器に設けられた包装袋の開口部分を閉じる機構としては、例えば、容器に設けた穴、切れ込み、切れ目、容器に取り付けられたクリップなど包装袋の開口部分を閉じて開かないようにする機構のものであればどのような機構でも良い。また、これらの中から選ばれる2個以上の機構を併用しても良い。容器に設ける穴、切れ込みなどの位置は、特に指定されないが、容器の側面、蓋などが好ましく、包装袋の開口部分を入れ込みやすい部分に設けることが好ましく、容器の上部にあることが好ましい。
本発明の包装袋の開口部分を閉じる機構を有する容器において包装袋の開口部分を閉じる方法は、包装袋に青果物を入れた後、包装袋の開口部分を容器に設けられた穴、切れ込み、切れ目、クリップ又はこれらの中から選ばれる2個以上の機構などで閉じることにより達成できることを見出した。包装袋の開口部分を、例えば、束ねる、折り返す、ひねるなどの行為により閉じ、その部分を前述の容器に設けられた穴、切れ込みなどで動きにくくすることにより達成できる。こうすることにより包装袋の開口部分は、多少の空気の流れが発生する可能性はあるが、青果物の鮮度保持に問題が生じるほどの流れはなく、密封性を保つことができ、青果物の鮮度保持に有効である。
包装袋の開口部分は、包装袋が閉じた状態で保ち続ける安定性、作業性などの点から束ねることが好ましく、束ねた後にひねったり、ちょんまげ風に折り返したりしても良い。束ねずに用いる場合は、包装袋の開口部分を1回以上折り返した状態で動きにくくすることが好ましい。なお、本発明では、包装袋の開口部分とは、包装袋の口を閉じるために必要な包装袋の口(開孔端部)からの部分をいい、その長さは袋の大きさによっても変わってくるが、例えば、幅×長さが500×600mmの大きさの包装袋であれば、包装袋の口からの距離が300mm程度までの部分を包装袋の開口部分と言うことができる。具体的な長さは、包装袋の大きさや包装袋内の青果物の量によって変わってくる。
本発明の前述の機構で包装袋の開口部分を閉じた後、包装袋の先端をテープ止め等でさらに容器に固定しても良い。包装袋の開口部分は、2箇所以上の穴や切れ込みに通しても良い。袋の開口部分を束ねるだけ、又は束ねて捻るだけの場合は、該開口部分を2箇所の穴や切れ込みに通すことで密封性がより高まる。
包装袋の大きさは、使用する容器の大きさにより選ばれ、容器の大きさより少し小さめのものから容器の大きさより大き目の包装袋を用いることができる。但し、包装袋の大きさとして、包装袋に青果物を収納した後容器に設けた包装袋の開口部分を閉じる機構の位置まで、包装袋の開口部分が届く大きさが必要であり、当該機構より包装袋の開口部分が抜け落ちないためにも包装袋の開口部分の先端部分は20mm以上当該機構より外側に出ていることが好ましい。ここで言う先端部分とは、例えば、包装袋の開口部分を束ねた場合には包装袋の開口端部をいい、例えば、包装袋の開口部分を開口端部より70mm中に入った箇所で包装袋を折り返した場合には当該折り返し部を先端部分という。
本発明は、一般に大袋と言われる包装袋の包装に適しており、包装袋の大きさ(幅×長さ)が400mm×500mm以上(袋の全表面積が4000cm2以上)の包装袋を用いるのが好ましい。
本発明の容器に設けられた包装袋の開口部分を閉じる機構の例について、図を用いて詳しく説明するが、これらに限定されない。なお、図では、一つの図にて複数個の機構が例示されているものがあるが、これはその容器において当該複数個のものが必要と言うことを示しているわけではなく、便宜上複数個を例示しただけであり、どれか一つで十分機能を果たすのであれば一つでよい。
穴とは、非開放系で幅を有するものを指し、切れ込みとは、該当部分が開放系で幅を有するものであり、切れ目とは、開放と非開放に関わらず幅を有さない形状である。開放系とは、容器の端部まで開放されているものを言う。
本発明としては、袋を閉じる機能を有する部位である固定具が容器本体と一体となったもの(図22)も可能である。このような固定具の材質としては、特に限定されないが、例えば合成樹脂製や金属製のものでよく、容器と一体成型又は容器に接着剤やネジなどにより固定される。その大きさは、包装袋の開口部分の閉じる状況により決定すれば良い。
容器の側面や蓋に穴を設けたもので、その穴に束ねるなどを行った包装袋の開口部分を突き刺して包装袋を閉じる機構を説明する。穴の形状としては特に限定されないが、例えば、円形、三角形、四角形、多角形、星型などがあり、その一部を図1に示す。
容器の穴の形状が大きい開口部分を有する部分と幅が狭くなった部分からなり、大きい開口部分に束ねる等した包装袋の開口部分を突き刺し、幅が狭くなった部分で包装袋の開口部分を閉じる機構でも良い(図2)。一部を開閉式にした大きめの穴に包装袋開口部分を突き刺した後、開閉部を閉じることで包装袋開口部分を締め付ける形状でも良い(図3)。開閉部を閉じた後の包装袋の開口部分を閉じる箇所は、穴以外に切れ目でも良い。このようにすることにより包装袋開口部分を穴へ突き刺しやすくなるため作業性が向上する。
容器に設けた切れ込みに束ねる等した包装袋の開口部分をはめ込むことによって袋を閉じるる機構を説明する。切れ込みの形状としては特に問われないが、例えば、図4、図5、図6、図7に示す形状がある。切れ込みの形状が、図5、図6、図7に示すように開放部が狭く、奥側が広くなっており、切れ込みにはめ込んだ包装袋開口部分が外れ難くなっている機構が好ましい。
図8、図9に示すように容器に蓋が設けられており、蓋の切れ込み、穴等で包装袋の開口部分を挟み込むことができる機構でも良い。蓋は、容器本体と一体でも別個でもかまわないし、開閉の機構は、観音開き(図8〜図11)、かぶせ蓋(図12〜図15)などどのようなものでも良い。図9は、蓋に穴、切れ込み、切れ目が設けてあるが、これはあくまで例示であり、これらを全て設ける必要はなく、一つで十分機能するものであれば一つで良い。図10も同様である。図10、図12、図13、図15等に示すように、蓋と容器本体とで袋の開口部分を挟み込むことができる機構でも良い。
これらは、一例を示したものであり、これらに限定されず、穴、切り込みについては、前述のとおりである。蓋とは、蓋の機能を有するもの以外に、トマトの集合包装でよく見られるような、段ボール箱の四隅のみを保形性のために容器本体へ差し込むようにしたものなども含む(図16)。
容器が蓋を有する場合、蓋又は容器側面に設けた穴や切れ込みで包装袋の開口部分を押さえたうえで、さらに蓋と容器側面で包装袋開口部分を挟み込むようにすると、より確実に閉じることができる(図9〜図12、図13、図15)。
図9〜図11のような観音開きの扉付き段ボール箱で、蓋に扉が内側用2枚と外側用2枚ついているものであれば、内側の扉や容器本体に設けた穴、切れ込み又は切れ目で包装袋開口部分を押さえ、その上から外扉で覆ってしまうことも可能である。
容器本体に切れ込みがあり、最後に蓋をかぶせることで容器の切れ込みと蓋の切れ込みにはさまれて包装袋開口部分を閉じる機構でも良い(図12)。
かぶせ蓋を有する容器では、容器側面に切れ込みや穴などがあり、この部分を覆うような蓋をかぶせる機構がある(図13)。袋の一部が容器外へ露出されることがなくなるので、輸送中等に袋に傷がつくようなことがなくなる。この場合、容器側面の切れ込みで包装袋を閉じてもよいし、蓋をかぶせることで閉じる機構でもよい。
かぶせ蓋を有し、容器側面に包装袋を閉じるための穴があいた容器において、包装袋の開口部分を容器の穴に突き刺した部分が蓋をかぶせる際に障害となる場合は、蓋に引っ掛かり防止用の切れ込みを入れておく機構が可能である。(図14)
容器本体と蓋の両側に切れ込みがある機構も可能である(図15)。この場合も、容器の切れ込みで包装袋を閉じてもよいし、蓋をかぶせることで閉じる機構でもよい。なお、前者の場合は、蓋は束ねた包装袋開口部分のはずれ防止機能として寄与する場合がある
複数の穴、切れ込み、切れ目を入れた機構、併用した機構がある(図17、図19)。このような機構では、袋開口部分を複数回固定できるため、密封性の向上、開口部分が穴などから外れ難くなることや、一つの容器で複数の袋を密封できるといった利点がある。さらに、穴や切れ込み等の大きさを変えておくことで、異なったサイズの袋を密封できる。
本発明の機構の例として、上記のものを挙げたが、これら以外の方法でも容器の一部を用いて閉じる方法があればそれでも良い。
容器の角の一部分が容器内側へ折れ曲がっており、そこへ包装袋開口部分を通して閉じるる容器でも良い(図18)。容器本体の一部を内側へ曲げても良いし、折れ曲がる部分を接着剤等で容器に付与しても良い。
容器に設けた切れ目の形状の例を図20に示す。これらは包装袋開口部を閉じて閉じる機能を有するような切れ目である。切れ目は、容器端部であれば1本の直線のようなシンプルな形状でも良いし、容器側面や蓋などのそれ以外の部位に設ける場合は、U字型、半円型、コ字型、V字型などの形状が可能である。切れ目の形状は特にこれらに限定されない。また、開口部分を切れ目へ入れやすくするために、切り込みや穴と組み合わせた形状を用いることもできる(図21)。
本発明においては、穴、切れ込み、切れ目などの形成方法はどのような方法でも差し支え無い。例えば、容器に設けられる穴や切れ込みは、段ボール箱では一般的に型による打ち抜きで形成され、樹脂コンテナなどでは、容器成型時に形成する方法がある。
包装袋の開口部分を束ねた箇所を、例えば、容器の穴にて閉じることにより、密封性を保っている。従って、束ねた袋の開口部分よりも容器の穴が大きすぎると包装袋の開口部分を束ねた箇所が容器の穴より外れてしまい開口部分が閉じられないということが発生する可能性がある。そのため、本発明では、400gfの荷重を5秒間かけた際、包装袋の開口部分を束ねた箇所が容器の穴より外れないことが好ましい。切り込みなどでも同様であり、上記の試験は実際に用いられる方法で評価する。
例えば、容器の側面の上部に切り込みがある場合、質量400gfのもの(例えば、錘のようなもの)を袋に入れ、包装袋開口部分を束ねて切り込みにて閉じ、その後包装袋を浮かし、5秒間包装袋の開口部分が切り込みから外れないことを確認すれば良い。この際、袋の中に入れる錘は、包装袋底の中央部に入れて、開口部分への荷重に偏りが生じないようにする。蓋付きの容器の場合も実際に使用される方法で試験を行う。例えば、蓋の内扉に切り込みがあり、包装袋の開口部分を束ねてその切り込みを通して閉じた後に、包装袋の先端部分を外扉の内側で押さえ込み、外扉の合わせ目をテープ張りする場合は、錘の入った包装袋を同様の方法にてセットし、5秒間包装袋の開口部分が外れないかどうかを確認する。この場合、包装袋の長さが長くて包装袋を浮かすことが出来ない場合には、包装袋の材質、幅はそのままで長さを短くして錘を入れて測定してよい。また、錘の入った包装袋を容器にセットするために、試験に影響がない程度に容器の一部を切り欠いて試験を行っても良い。
以下実施例で本発明を説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
容器の側面(厚み1.3mm)に1辺が20mmの正方形の穴(容器の辺と穴の辺が並行となる向きに、穴の中心が容器底から130mmの高さかつ長さ方向中央部となる位置に1個)を設けた折りたたみ可能なポリプロピレン製コンテナ容器(内寸、幅370mm、長さ570mm、高さ155mm)に、幅1000mm、長さ990mmであり、開口面積5.0×10-3mm2の微細孔をあけて酸素透過量が42000cc/袋・日・atmとした、厚み25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)製の袋を入れた。この袋にブロッコリー3kgを収納した後、袋の開口部分を束ねて折り返し、折り返し部分の先が25mm外に出るようにして容器に設けた穴に差し込んでを閉じて20℃で4日間保管した。4日後にブロッコリーの品質を評価したところ、黄化、腐敗や異臭などがなく良好な品質を維持していた。また、袋の密封作業は容易であった。
包装袋の材質、幅、厚みは、上記と同じであり、長さが400mmの包装袋の底に質量400gの錘を入れ、上記と同様に包装袋の開口部分を上記と同様の容器の穴で閉じた。作業中は、錘を手で支えて穴に荷重がかからないようにした。加速しないようにゆっくりと錘から手を離して錘がぶら下がった状態で5秒間観察したが、袋の開口部分の固定は外れなかった。
<実施例2>
穴の1辺が35mmである以外は実施例1と同様にブロッコリーを包装して20℃で4日間保管した。4日後にブロッコリーの品質を評価したところ、やや花蕾の緑色が薄くなっていたが、腐敗や異臭などがなくほぼ良好な品質を維持していた。また、袋の密封作業は容易であった。
包装袋の材質、幅、厚みは、上記と同じであり、長さが400mmの包装袋の底に質量400gの錘を入れ、実施例1と同様の試験を実施した。加速しないようにゆっくりと錘から手を離して錘がぶら下がった状態で観察したところ、包装袋の開口部分が4秒で穴から抜け落ちて外れてしまった。
<比較例1>
袋の開口部分を穴に差し込まず、折りたたんだのみの状態にした以外は実施例1と同様にブロッコリーを包装して20℃で4日間保管した。4日後にブロッコリーの品質を評価したところ、花蕾が黄化しており販売できない状態になっていた。
<実施例3>
外扉及び内扉よりなる観音開きの蓋を有する段ボール容器(内寸、幅370mm、長さ440mm、高さ220mm)であり、内扉(厚み5mm)の(蓋の長辺側)中央端部に奥行き20mm、入り口側が幅5mmであり、奥側が幅10mmの台形状の切れ込み1個を入れた段ボール容器に、幅750mm、長さ700mmであり、開口面積5.0×10-3mm2の微細孔をあけて酸素透過量が200000cc/袋・日・atmとした、厚み25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)製の袋を入れた。袋にアオウメ10kgを収納した後、袋の開口部分を束ねて折り返し、折り返し部分の先が25mm外に出るようにして内扉に設けた切れ込みに差し込み、さらに外扉を閉じて、外扉の合わせ目のテープ止めを行い、20℃で4日間保管した。4日後にアオウメの品質を評価したところ、黄化、腐敗や異臭などがなく良好な品質を維持していた。また、袋の密封作業は容易であった。
包装袋の材質、幅、厚みは、上記と同じであり、長さが400mmの包装袋の底に質量400gの錘を入れ、上記と同様に包装袋の開口部分を上記と同様の容器の切れ込みで閉じ、上記と同様に内扉、外扉を閉じた。なお、作業は、容器底中央部に一辺が300mmの正方形の穴をあけて行った。作業中は、錘を手で支えて切れ込みに荷重がかからないようにした。段ボール容器の蓋を閉じたまま、切れ込みのある内扉を容器内側から手で支えて容器を持ち上げた。この状態で、錘が加速しないようにゆっくりと手を離して錘がぶら下がった状態で5秒間観察したが、袋の開口部分の固定は外れなかった。
<実施例4>
切れ込みの代わりに、長さ50mmの直線の切れ目を入れた以外は実施例3と同様の包装袋、容器にアオウメ10kgを収納した後、袋の開口部分を束ねて折り返さずに、袋の先が80mm外に出るようにして内扉に設けた切れ目に差し込んでさらに外扉を閉じて20℃で4日間保管した。4日後にアオウメの品質を評価したところ、黄化、腐敗や異臭などがなく良好な品質を維持していた。また、袋の密封作業は容易であった。
包装袋の材質、幅、厚みは、上記と同じであり、長さが250mmの包装袋の底に質量400gの錘を入れ、上記と同様に包装袋の開口部分を上記と同様の容器の切れ目で閉じ、上記と同様に内扉、外扉を閉じた。なお、作業は、容器底中央部に一辺が300mmの正方形の穴をあけて行った。作業中は、錘を手で支えて切れ込みに荷重がかからないようにした。段ボール容器の蓋を閉じたまま、容器の内扉を容器内側から手で支えて容器を持ち上げた。この状態で、錘が加速しないようにゆっくりと手を離して錘がぶら下がった状態で5秒間観察したが、袋の開口部分の固定は外れなかった。
<実施例5>
段ボール箱(内寸、幅370mm、長さ440mm、高さ220mm)がかぶせ蓋を有するものであり(容器、蓋とも厚み5mmの段ボール紙よりなる)、長さ方向中央の容器側面端部と蓋側面端部に蓋をかぶせた際、高さ7mm、幅10mmの穴になるように切れ込みを入れた段ボール容器(図15の形状)を用いた以外は、実施例3と同様にアオウメを包装して20℃で4日間保管した。包装袋の開口部分は、束ねて折り返した後、容器の切れ込みに差し込み、折り返し部分の先が25mm外に出るようにした。その後かぶせ蓋をかぶせて固定した。4日後にアオウメの品質を評価したところ、黄化、腐敗や異臭などがなく良好な品質を維持していた。また、袋の密封作業は容易であった。
包装袋の材質、幅、厚みは、上記と同じであり、長さが400mmの包装袋の底に質量400gの錘を入れ、上記と同様に包装袋の開口部分を上記と同様の容器の切れ込みで閉じ、同様にかぶせ蓋で閉じた。なお、作業は、容器の底面中央部に300×340mmの長方形の穴をあけて行った。作業中は、錘を手で支えて切れ込みに荷重がかからないようにした。段ボール容器の蓋を閉じたまま、容器と蓋がずれないようにした状態で、錘が加速しないようにゆっくりと手を離して錘がぶら下がった状態で5秒間観察したが、袋の開口部分の固定は外れなかった。
<実施例6>
外扉及び内扉よりなる観音開きの蓋を有する段ボール容器の側面(厚み5mm)に直径20mmの円形の穴(穴の中心が容器底から200mmの高さかつ長さ方向中央部となる位置に1個)を設けた段ボール容器(内寸、幅370mm、長さ440mm、高さ220mm)に、幅750mm、長さ700mmであり、開口面積5.0×10-3mm2の微細孔をあけて酸素透過量が200000cc/袋・日・atmとした、厚み30μmの防曇加工を施した二軸延伸ポリプロピレン(OPP)製の袋を入れた。袋にアオウメ10kgを収納した後、袋の開口部分を束ねて折返し、折り返し部分の先が20mm外に出るようにして容器側面に設けた穴に差し込み、容器の蓋を閉じて外扉の合わせ目のテープ止めを行い、20℃で4日間保管した。4日後にアオウメの品質を評価したところ、黄化、腐敗や異臭などがなく良好な品質を維持していた。また、袋の密封作業は容易であった。
包装袋の材質、幅、厚みは、上記と同じであり、長さが400mmの包装袋の底に質量400gの錘を入れ、上記と同様に包装袋の開口部分を上記と同様の容器の穴で閉じ、上記と同様に内扉、外扉を閉じた。なお、作業は、容器の底面中央部に300×340mmの長方形の穴をあけて行った。作業中は、錘を手で支えて切れ込みに荷重がかからないようにした。段ボール容器の蓋を閉じたまま錘が加速しないようにゆっくりと手を離して錘がぶら下がった状態で5秒間観察したが、袋の開口部分の固定は外れなかった。
本発明は青果物の包装に用いることができ、青果物の鮮度保持に有効であり、特に個包装ではない多量の青果物を一つの包装袋で包装(集合包装)する青果物に好適であり、また、カットされた青果物の包装にも用いることができる。
本発明の容器に設ける穴の形状の例を示した図である。 本発明の一部の幅が狭くなっている穴の例を示した図である 。 本発明の容器に設けた穴の一部が開閉式になっている例を示 した図である。(開閉部が開いた状態(3−a)と閉じた状態( 3−b)) 本発明の容器に設ける切れ込みの形状の例を示した図である。 本発明の容器に設ける切れ込みの開放部分が狭くなっている切れ込みの形状の例を示した図である。 本発明の容器に設ける切れ込みの開放部分と袋固定部が広く、その間部が狭くなっている切れ込みの例を示した図である。 曲線からなる切れ込みの例を示した図である。 本発明の容器の蓋の中央部に切れ込みがあり、蓋を閉じることで穴となる例を示した図であり、蓋が開いた状態(8−a)と閉じた状態(8−b)の図を示した。 本発明の容器の内側の蓋に、穴、切れ込み、切れ目を設けた容器の例を示しており、蓋が開いた状態の図である。 本発明の容器の内側の蓋に、蓋を閉じた際に蓋と容器本体との間に包装袋の開口部分固定用の切れ込みができる例を示した図である。 図9と図10の容器の蓋を閉じた状態を示した図である。 本発明の容器の側面19に切れ込み5があり、かぶせ蓋10をかぶせることで穴ができる容器(12−a)の例を示した図である。 本発明の容器に穴があり、蓋をかぶせることで穴から出した袋を隠すと共にさらに押さえることができる容器(13−a)の例を示した図である。 本発明の容器の側面に穴があり、容器のかぶせ蓋に切れ込みがある容器の例を示した図である。 本発明の容器側面とかぶせ蓋に切れ込み5があり、容器にかぶせ蓋をかぶせることで穴ができる容器(15−a)の例を示した図である。 本発明の容器の四隅に補強部14があり、補強部で容器側面にある切れ込みを非開放系(穴15)とすることができる例を示した図である。 本発明の容器の側面に複数の切れ込み又は穴を設けた例であり、袋の開口部分を2段階で固定できる容器、又は複数の袋の開口部分を固定できる容器の例を示した図である。 本発明の容器において、角の一部が容器本体と反対側に折れ曲がっており、その部分が包装袋の開口部分を固定できる穴となっている例を示した図である。(図18−a) 大きさとサイズが異なる複数の穴があいている本発明の容器の例を示した図である。 本発明の容器に設けられる切れ目の例を示した図である。 本発明の容器に設けられる切り込みと切れ目、切れ目と穴を例示した図である。 容器と一体となったクリップの例を例示した図である。
符号の説明
1 穴
2 穴の開閉部
3 容器端部
4 容器の一部分
5 切れ込み
6 観音開きの外蓋
7 観音開きの蓋に設けた切れ込みを合わせることでできた穴
8 切れ目
9 観音開きの内蓋
10 かぶせ蓋
11 クリップ
12 蓋を被せることで容器本体とかぶせ蓋に設けた切れ込みが合わさってできた穴
13 青果物(箱の形状を分かりやすくするため記載。本発明においては袋内に収納される)
14 容器補強材
15 14の補強材が被さった切れ込み部
16 容器の内側へ折れ曲がった部分
17 切れ込みと組み合わせた切れ目
18 穴と組み合わせた切れ目
19 容器側面
20 蓋を被せることで容器本体に設けた切れ込みと蓋が合わさってできた穴
21 容器補強材の容器本体へ差し込んだ部分

Claims (7)

  1. 青果物を合成樹脂製フィルムの包装袋に収納し、前記青果物入り包装袋を容器に収納した青果物入り包装体において、前記容器に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有することを特徴とする青果物入り包装体。
  2. 前記容器の側面に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有する請求項1に記載の青果物入り包装体。
  3. 前記容器は蓋を有し、前記蓋に前記青果物入り包装袋の開口部分を閉じる機構を有する請求項1に記載の青果物入り包装体。
  4. 前記容器の開口部分を閉じる機構が容器に設けられた穴、切れ込み、切れ目、クリップ、又はこれらの中から選ばれる複数の機構を有する請求項1、2又は3に記載の青果物入り包装体。
  5. 前記容器が段ボール容器、紙製容器、プラスチック製容器、木製容器から選ばれる容器である請求項1、2、3又は4に記載の青果物入り包装体。
  6. 青果物を合成樹脂製フィルムの包装袋に収納し、前記青果物入り包装袋を容器に収納した青果物入り包装体において、前記青果物入り包装袋の開口部分を前記容器の開口部分を閉じる機構により前記包装袋の開口部分が閉じられ、包装されることを特徴とする青果物入り包装体の包装方法。
  7. 前記容器の開口部分を閉じる機構が容器に設けられた穴、切れ込み、切れ目、クリップ又はこれらの中から選ばれる複数の機構を有する請求項6に記載の青果物入り包装体の包装方法。
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