JP2004168401A - 袋付き収容箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】収容箱に袋体を装着する際の手間を省いて梱包作業を効率的に行うことができる袋付き収容箱を提供する。装着された袋体内に製品や物を収容した後においては、該袋体の上部開口を簡易、かつ短時間に閉鎖することができ、梱包作業を効率的に行うことを可能にする袋付き収容箱を提供する。
【解決手段】紙材を折り返して偏平形状に折畳み可能な収容箱の相対する少なくとも一方の側板に設けられた蓋体に、少なくとも1個以上の掛止め部を切り抜き形成し、収容箱内に装着された袋体の上部を掛止め部に掛止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、袋体が予め装着されて折畳み可能な袋付き収容箱に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば特許文献1に示す箱体にあっては、折畳み可能な収容箱を箱型に組み立てた後に内部に袋体を、その上縁部を、蓋片が側板の外面に位置するように折り返された収容箱の上部又は起立した蓋片の上部に折り返して掛止めした状態で装着している。そして該袋体内に所望の製品や物を収容した後に、収容箱の上部又は蓋片の上部から取外した袋体の上縁部を折り返して開口を閉鎖した状態で相対するそれぞれの蓋片を内側へ折り返して重ね合せることにより収容箱の開口を閉鎖している。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−255264号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した収容箱にあっては、袋体を装着する際に、外方に対する蓋片の折返し状態を保ちながら収容箱の上部又は蓋片の起立状態を保ちながら袋体の下部を収容箱内に押し込んだ状態で袋体の上縁を収容箱の上部又は蓋片の上部に掛止めする必要があり、その作業に手間がかかり、袋体の装着作業性が悪かった。
【0005】
又、上記のように収容箱内に装着された袋体内に製品や物を収容した後にあっては、収容箱の上部又は蓋片の上部から袋体の上縁を取外した後に、袋体の上縁部を折り返して重ね合わせることにより開口を閉鎖する必要があり、この作業にも手間がかかって作業性が悪かった。
この結果、製品の梱包作業に手間がかかり、作業性が悪かった。
【0006】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたもので、その課題とする処は、収容箱に袋体を装着する際の手間を省いて梱包作業を効率的に行うことができる袋付き収容箱を提供することにある。
【0007】
本発明の他の課題は、装着された袋体内に製品や物を収容した後においては、該袋体の上部開口を簡易、かつ短時間に閉鎖することができ、梱包作業を効率的に行うことを可能にする袋付き収容箱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、紙材を折り返して偏平形状に折畳み可能な収容箱の相対する少なくとも一方の側板に設けられた蓋体に、少なくとも1個以上の掛止め部を切り抜き形成し、収容箱内に装着された袋体の上部を掛止め部に掛止したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施形態】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1〜図4において、収容箱1は、例えば内面及び外面の少なくとも何れか一方に合成樹脂フィルムがラミネート加工されて防水処理された段ボール紙や厚手状クラフト紙等の紙材により形成される。尚、収容する製品の種類によっては、合成樹脂フィルムがラミネート加工されていない非防水の紙材であってもよい。
【0010】
そして収容箱1を構成する紙材は、その展開状態において各一対の第1側板3及び第2側板5を交互に連続させ、例えば紙材の端に位置する第1側板3の端縁に固着片7を一体に設けた形状からなる。
【0011】
各第1側板3の上部には第2側板5の長手方向幅の約1/2幅からなる第1蓋片9が、又各第2側板5の上部には第2蓋片11が折返し可能にそれぞれ一体形成されている。各第1側板3の下部には第2側板5の長手方向幅の約1/2の幅からなる第1底片13が、又各第2側板5の下部には第2底片15が折返し可能にそれぞれ一体形成され、折畳み可能に形成される。
【0012】
そして各一対の第1及び第2側板3・5を互いに相対するように折り返した後に固着片7を隣接する第2側板5の端縁外面に接着したり、又はステープル等により固定して長四角形枠状に形成した後に、内側へ折り返した第2底片15に内側へ折り返された第1底片13を重ね合せた状態で粘着テープ(図示せず)により固着してA式構造の底板を構成する。
【0013】
第1蓋片9及び第2蓋片11の一方、図に示す収容箱1にあっては第1蓋片9に袋体17の掛止め部19を設ける。掛止め部19は、例えば第1蓋片9の長手方向中間部にて半円弧形、V字形又はコ字形に切り抜いて掛止片としたもので、半円弧形、V字形又はコ字形の掛止め部19にあっては第1蓋片9の長手方向に適宜間隔をおいて複数個設けてもよい。又、コ字形の掛止め部19にあっては、第1蓋片9の長手方向に延びる横長形状にしてもよい。更に、掛止め部19としては、第1蓋片9の中間部や上部、縦長、横長、十字状、米字状の切込みや各種形状の貫通孔としてもよい。(図3参照)
【0014】
そして収容箱1内には袋体17が予め装着されている。該袋体17は、その下部が各第1及び第2側板3・5の内面に沿った状態で、かつ上部が各第1蓋片9の掛止め部19に掛止めされた状態で取付けられている。袋体17としては独立した微小な気泡の集合体からなり、断熱性、防湿及び防水性を有した合成樹脂シート(例えば商品名:ミラーマット又はライトロン)や、厚手状で防湿及び防水性を有した可撓性合成樹脂シート或いは多数の気泡部を有した合成樹脂性エアーマット等を使用して上部が開口した袋状に形成したものであればよい。
【0015】
尚、掛止め部19をV字形やコ字形に切抜き形成した場合にあっては、角部を面取り形成することにより掛止めされた袋体17の上部が破断するのを防止することができる。
【0016】
次に、上記収容箱1による製品の収容作用を説明する。
先ず、収容箱1に袋体17を予め装着する際には、各第1及び第2・5間に袋体17を配置した状態で袋体17の一部上縁を各掛止め部19に掛止して行う。
【0017】
即ち、各第1及び第2側板3・5間に袋体17を配置した状態で各掛止め部19を内方へ押圧して突出するように弾性変形させながら袋体17の一部上縁を掛止するように折り返して掛止めした後に、掛止め部19の押圧を中断することによりその剛性により元の状態に弾性復帰させて袋体17の一部上縁を各第1蓋片9と掛止め部19により挟持して固定させる。(図4〜図6参照)
【0018】
次に、上記のように袋体17が装着されて図1に示すように箱形に組み立てられた収容箱1の袋体17内に製品を収容した後に、各第1蓋片9を内側へ折り返して平面状にすると、掛止め部19に掛止めされていない側の袋体17の一部上縁が起立した第1蓋片9の上面より上方に突出して第2蓋片11の内面に沿った状態になる。(図7参照)
【0019】
次に、上記状態にて第2蓋片11を内側へ折り返して各第1蓋片9上に重ね合せると、第1蓋片9より上方へ突出した袋体17の一部上縁を各第1蓋片9上にて折り返されて挟持させると共に収容箱1の上面開口を閉鎖させる。(図8参照)
【0020】
一方、袋体17内に収容された製品を取出す際には、上記とは逆に、先ず、第2蓋片11を起立させた後に第1蓋片9を起立させると、該袋体17はその上部縁を自動的に開放させることができる。これにより袋体17の上部を開放させる作業を省くことができ、製品の取出し作業を円滑に行うことができる。
【0021】
本実施形態は、折畳み可能に収容箱1内に袋体17が予め装着され、該収容箱1を箱形に組み立てることにより装着された袋体17の上部開口を自動的に開放させることができ、従来例のように袋体17の上部開口を開放させる作業を省くことができる。
【0022】
又、第1蓋片9及び第2蓋片11を内側へ順に折り返すことにより製品が収容される袋体17の上部開口を自動的に閉鎖させることができ、従来のように袋体17の上部開口を、収容箱1とは別に閉鎖させる作業を省くことができ、製品の収容及び梱包作業を効率的に行うことができる。
【0023】
更に、袋体17内から製品を取出す際には、各第2蓋片11及び各第1蓋片9を順に起立させることにより袋体17の上部開口を自動的に開放させることができ、従来例のように袋体17の上部を開放させる作業を省くことができる。
【0024】
本発明は、以下のように変更実施することができる。
1.上記説明は、各第1蓋片9の掛止め部19に袋体17の上縁を掛止めした状態で、先ず、第1蓋片9を内側へ折り返した後に第2蓋片11を内側へ折り返して収容箱1の上部開口を閉鎖するものとしたが、図9に示すように各第1蓋片9の上端から袋体17の上端が突出した状態で袋体17の上部を掛止め部19に掛止めしてもよい。
【0025】
この場合にあっては、各第1蓋片9を内側へ折り返した際に、上端から突出した袋体17の上部相互が重なり合うことにより袋体17の上部開口を閉鎖させることができる。
【0026】
2.上記説明は、各第1蓋片9の掛止め部19に袋体17の上縁又は上部を掛止めした状態で、各第1蓋片9及び各第2蓋片11を内側へ折り返して収容箱1の上部開口を閉鎖するものとしたが、収容箱1の上部開口を閉じる際に、各第1蓋片9の掛止め部19から袋体17を取外した後に上部相互が折り重なるように折畳んで掛止め部19の開口を閉鎖した状態で、各第1蓋片9及び各第2蓋片11を内側へ折り返して収容箱1の上部開口を閉じてもよい。
【0027】
3.上記説明は、収容箱1の底板構造を、所謂A式底構造としたが、ワンタッチ折畳み構造としてもよい。
即ち、図10に示すように収容箱90における各第1側板3及び第2側板5の下部に底片91・93,95・97を一体形成する。その内、各第2側板5の底片95・97を、平面がほぼ三角形で、第2側板5の下部に対して折り返しできるように設ける。
【0028】
各第1側板3の底片91・93を第2側板5の長手方向幅に対して約1/2の幅で長手直交方向へ延出し、隣接する底片95・97側の側端縁に折り目99b・101bにて折返し可能に設けられた接着部99a・101aに接着する。
【0029】
また、底片91の先端部に係合部91cを、又底片93の先端部に係合部91cが差し込まれる切欠部93cをそれぞれ形成して相互を係合させる。そして収容箱90を偏平に折畳んだ際にこれら底片91・93,95・97を自動的に内側へ折り返して底板を折畳み可能にする。
【0030】
尚、上記した収容箱90の第1及び第2側板91・93,95・97上縁には掛止め部19が形成された蓋片9・11がそれぞれ設けられ、袋体17を取付け可能にしている。
【0031】
4.又、同様に収容箱の底板を地獄底構造としたものであってもよい。
【0032】
5.収容箱1の箱構造としては、一枚の紙材により切れ目のない構造としてもよい。
即ち、図11に示すように紙材の中央部に配置される所望の大きさの底板113の相対する各側縁に第1側板115及び第2側板117と各側板115・117の両端に連続する四角形状で折り目119aを有した各隅板119をそれぞれ折り返して箱形に形成可能な収容箱111としてもよい。
【0033】
即ち、底板113に対して各第1及び第2側板115・117を折り目にて折り返して起立させると共に各隅板119を折り目119aにて三角形状に折畳んで第1側板115若しくは第2側板117の内面又は外面に重ね合わせて固定することにより切れ目のない収容箱111を形成する。
尚、上記した収容箱111の第1及び第2側板115・117上縁には掛止め部19が形成された蓋片9・11がそれぞれ設けられ、袋体17を取付け可能にしている。
【0034】
6.上記説明は、収容箱1内に対して袋体17を、非固定状態で取付けるものとしたが、収容箱1の底面に袋体17の下部を固定するようにしてもよい。
即ち、収容箱1の底面に、例えば両面テープを取付け、収容箱1内に装着される袋体17の下面を両面テープにより粘着させて固定する。これにより予め袋体17が取付けられて折畳まれた収容箱1を箱形状に組み立てる際に袋体17の装着状態が乱れて開口の開放が困難になるのを防止することができる。
【0035】
7.上記説明は、収容箱1内に対して袋体17を直接装着するものとしたが、収容箱1内に空隙保持枠131を設け、該空隙保持枠131内に袋体17を装着してもよい。
即ち、図12に示すように収容箱1内に挿嵌される空隙保持枠131は、平面が収容箱1より若干小さく、第1及び第2側板3・5とほぼ一致する高さの各一対で相対する側板133・135を四角枠形状に形成すると共に各側板133・135の上部に、相対する第1及び第2側板3・5の内面に至る幅で水平方向へ延出する頂面板133a・135aと第1及び第2側板3・5の内面に沿って垂下する垂下板133b・135bを一体に設けた構造からなる。
【0036】
そして収容箱1内に空隙保持枠131を挿嵌した際に第1及び第2側板3・5の内面と各側板133・135の外面との間に頂面板133a・135aに応じた幅の空隙を形成し、該空隙による空気層により収容箱1を断熱化することができる。
尚、空隙保持枠131としては、底板を設け、収容箱1内に挿嵌できる内箱構造としてもよいことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、収容箱に袋体を装着する際の手間を省いて梱包作業を効率的に行うことができる。又、装着された袋体内に製品や物を収容した後においては、該袋体の上部開口を簡易、かつ短時間に閉鎖することができ、梱包作業を効率的に行うことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】袋付き収容箱の全体斜視図である。
【図2】収容箱の展開図である。
【図3】掛止め部の変更例を示す説明図である。
【図4】袋体が装着された収容箱の折畳み状態を示す一部破断斜視図である。
【図5】掛止め部に対する袋体の掛止め状態を示す説明図である。
【図6】袋体が掛け止めされた状態の蓋片を示す断面図である。
【図7】第1蓋片を閉じた状態を示す説明図である。
【図8】収容箱の上面開口を閉鎖した状態を示す一部破断説明図である。
【図9】袋体の掛止め変更例を示す説明図である。
【図10】収容箱における底板の変更例を示す説明図である。
【図11】収容箱構造の変更例を示す説明図である。
【図12】収容箱構造の変更例を示す説明図である。
【符号の説明】
1−収容箱、3−第1側板、5−第2側板、9−第1蓋片、11−第2蓋片、17−袋体、19−掛止め部

Claims (12)

  1. 紙材を折り返して偏平形状に折畳み可能な収容箱の相対する少なくとも一方の側板に設けられた蓋体に、少なくとも1個以上の掛止め部を切り抜き形成し、収容箱内に装着された袋体の上部を掛止め部に掛止した袋付き収容箱。
  2. 請求項1の収容箱は、各一対の側板下部に底辺を一体にそれぞれ設け、相対する一方の底辺を内側へ折り返した後に他方の底辺を内側へ折り返して重ね合わせて折畳み可能にした底構造の袋付き収容箱。
  3. 請求項1の収容箱は、互いに相対する各一対の側板の内、一方の側板下部に三角形状の被接着底片を折り返し可能に設け、他方の側板の内、一方に隣接する被接着底片の一部が接着され、折り目にて折り返し可能な接着部及び先端部に係合部を設けた係合底片を、又他方に隣接する被接着底片の一部に接着され、折り目にて折り返し可能な接着部及び先端部に係合部が係合される被係合部を有した被係合底片をそれぞれ折り返し可能に設け、側板の折畳みに従って底板を折畳み可能にした底構造の袋付き収容箱。
  4. 請求項1の収容箱は、四角形状の紙材中央部に設定される四角形状の底板の相対する各側縁に所望の幅にて折り返される第1及び第2側板を設け、各側板の長手方向両端部にて連続する隅板に底板の角部から紙材の角部に向かう折り目を形成して三角形状に折り返して一方の側板内面に重ね合わせて箱型に形成可能にすると共に底板及び一方の側板の中心部にて直線状に延出する中心折り目及び底板と一方の側板の境界にて中心折り目と交差する箇所から該側板の角部に向かって延出する傾斜折り目を設け、各折り目にて折り返すことにより偏平形状に折畳み可能にした袋付き収容箱。
  5. 請求項1の収容箱は、相対する各一対の内側板の上部に外側に向かって所定の幅で延出する間隙形成板を設けた内枠を挿嵌した袋付き収容箱。
  6. 請求項5の内枠は、各一対の内側板の上部に所定の幅で水平方向へ延出する間隙保持板及び垂下板を連続して設け、間隙保持板及び垂下板により収容箱の各側板との間に間隙を形成する袋付き収容箱。
  7. 請求項1の収容箱は、相対する各一対の内側板の上部に外側に向かって所定の幅で延出する間隙形成板を設けた内箱を挿嵌し、間隙形成板により収容箱の各側板との間に間隙を形成する袋付き収容箱。
  8. 請求項1において、掛止め部は相対する一方の蓋体の一部を適宜の形状の切り抜いた切抜き片とした袋付き収容箱。
  9. 請求項1において、袋体は、多数の独立した微小気泡を有した合成樹脂シート、合成樹脂シート及び多数の気泡を有した合成樹脂シートのいずれかかとした袋付き収容箱。
  10. 請求項1において、袋体の底面を収容箱の底板上に固着した袋付き収容箱。
  11. 請求項1において、蓋体の掛止め部に対して袋体の上端を掛止めした袋付き収容箱。
  12. 請求項1において、蓋体の掛止め部に対して袋体の上部を、該袋体の上端が蓋体から突出した状態で掛止めした袋付き収容箱。
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