JPH074188Y2 - ロール状シート収納箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ロール状に巻かれたシ
ートを収納することができ、シートを引き出した後、カ
ッター等を用いてシートを切断するのに適した構造を有
する収納箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ロール状に巻かれたシートを
引き出して所望の長さに切断して使用する収納箱が知ら
れており、例えばアルミニウム箔、プラスチックフィル
ムなどのロール品が内部に収納され、引き出して簡単に
切断することができるように金属製の切断刃を設けたも
のも家庭用品として良く知られている。

【０００３】しかしながら、これらのロール状シート収
納箱は一般に、小さな食品類を包むために使用される幅
の狭いロール状シートを収納するものであって、幅の広
いロール包装紙や包装用フィルム等を、このような構造
の大型収納箱に収納したとしても、取扱いにくく、シー
トを簡単に切断することができない。

【０００４】そこで、これまで、大型のものを包装する
際には、前もって一定の大きさに切断された包装紙や包
装用フィルムが使用されてきているが、このような枚葉
状の包装紙は、包装されるものの大きさに応じて何種類
かの大きさのものを用意しなければならない上、ロール
状に巻かれたシートを、カッター等によって切断する場
合には、シートの下にカッターマット等を置いて作業す
る必要があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、ロール状に
巻かれたシートを収納することができ、しかも必要な長
さだけ引き出し、カッターマットを使用することなく切
断可能な構造を有する、ロール状シート収納箱を提供す
ることを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案のロール状シート
収納箱は、上面が開口した直方体の箱で、上記箱の内部
には、ロール状に巻いたシートが、上記開口面からシー
トを引き出し可能に収納されているものであって、上記
箱の、上記シートのロール軸に平行な二側壁２ａ、２ｂ
の上端にはそれぞれ、上記開口面を覆うように折り曲げ
可能な状態で、シート状の蓋体３ａ、３ｂが取り付けら
れており、一方の蓋体３ａの幅が箱の幅と実質的に同一
以下であり、他方の蓋体３ｂの幅が箱の幅より広く形成
されていること、上記蓋体３ｂの先端部が内側に折り曲
げ可能で、上記蓋体３ｂの先端部の内面に、全長にわた
って平板状の刃受け部が設けられていること、及び上記
蓋体３ｂを取り付けた側壁２ｂの上端から、上記刃受け
部の内側端部までの距離が、箱の幅より小さいことを特
徴とする。まず図１に、本考案のロール状シート収納箱
における箱Ａの内部に、ロール状に巻いたシートＢを収
納した状態の断面構造を示し、本考案を説明する。

【０００７】図１では、横断面構造が示されているため
に、箱Ａの立体的な形状は表現されていないが、この箱
Ａは、上面が開口した直方体形状を有し、ロールＢのロ
ール軸方向に延びたものになっている。そして、箱Ａ
の、シートＢのロール軸に平行な二側壁２ａ、２ｂの上
端にはそれぞれ、開口面１を覆うように折り曲げ可能な
状態で、シート状の蓋体３ａ、３ｂが取り付けられてい
る。この場合において、シート状の蓋体３ａ及び３ｂ
は、側壁２ａ及び２ｂの上端が延びて一体形成されたも
のであっても良いし、あるいは別のシート状蓋体を取り
付けても良い。

【０００８】そして、一方の蓋体３ａの幅が箱Ａの幅と
実質的に同一以下であって、他方の蓋体３ｂの幅が箱Ａ
の幅より広く形成されており、本考案では、蓋体３ｂが
取り付けられた側壁２ｂ側に、ロール状のシートＢの巻
き出し側が位置される。このようにして、蓋体３ａの幅
が箱Ａの幅と同じか、それ以下であることにより、蓋体
３ａを内側に折り曲げた際、蓋体３ａの先端部が箱Ａの
外側に位置することがなく、容易にシートＢを引き出す
ことができる。

【０００９】又、他方の蓋体３ｂの先端部の内面には、
全長にわたって平板状の刃受け部４が設けられており、
この刃受け部４を含む蓋体３ｂの先端部は、内側に折り
曲げ可能となっている。尚、この刃受け部４の長さは、
切断するシートＢの幅以上であれば良く、刃受け部４の
幅は、シートＢを引き出して切断する際、箱Ａの縁が多
少移動した場合でも、この刃受け部４の表面上に載る幅
を有するものが選ばれる。一般的に、刃受け部４の幅は
約１０〜３０ｍｍ程度であって、１５〜２０ｍｍの幅の
ものが特に好ましい。

【００１０】この刃受け部４には、種々の材質のものが
利用できるが、厚手のボール紙等が好ましく、段ボール
や、プラスチック板、市販のカッターマットを細長く切
断したものを使用しても良い。更に、本考案では、蓋体
３ｂの先端部分を内側に折り返して接着することによっ
て刃受け部４を形成しても良い。もちろん刃受け部４は
交換可能に取り付けても良い。

【００１１】更に、本考案の収納箱では、蓋体３ｂが取
り付けられた側壁２ｂの上端から、刃受け部４の内側端
部５までの距離が、箱Ａの幅よりも小さくなっており、
このような構造により、本考案では、刃受け部４を含む
蓋体３ｂの先端部を内側に折り曲げ、更に側壁２ｂの上
端にて蓋体３ｂを内側に折り曲げた状態で、開口面１を
覆うことができ、蓋体３ｂが箱Ａの内部に収納できる。

【００１２】次に、図１に示される断面構造の収納箱を
使用して、シートＢを切断する際の状態を図２に示す。
図２の如く、シートＢを切断する際には、蓋体３ａの方
を先に内側に折り曲げ、蓋体３ａの外側に蓋体３ｂが位
置するようにし、刃受け部４を含む蓋体３ｂの先端部は
折り曲げない状態とする。本考案の収納箱では、このよ
うにすることで、平板状の刃受け部４の上に、ほぼ垂直
に側壁２ａが位置することになる。この後、箱Ａの側壁
２ａに沿わせてカッターの刃を当て、刃を移動させるこ
とで簡単に直線状にシートＢを切断することができる。

【００１３】一方、図３には、図１に示される本考案の
ロール状シート収納箱を直方体の箱に組み立てた際の断
面構造が示されており、この状態では、刃受け部４が設
けられた蓋体３ｂの方が内側に位置するようにして折り
曲げられ、この蓋体３ｂを覆うようにして外面側に蓋体
３ａが位置している。尚、本考案の収納箱の内部に収納
されるシートＢは、ロール状に巻かれたものであれば特
にその種類が限定されるものではなく、包装紙等の紙の
他に、プラスチックフィルム（例えばポリエステルフィ
ルム）や布等であって良い。

【００１４】次に、図４には、本考案のロール状シート
収納箱の好ましい一例における展開図が示されており、
この収納箱は、適度の剛直性を有する一枚のシート部材
からなる。本考案では、このシート部材は、段ボールで
あっても、厚紙であっても、プラスチックシートであっ
ても良く、内部に収納するロール状シートの幅や外径に
応じて適宜大きさが選択される。本考案において、シー
ト部材として適度の剛直性と屈曲性を有したプラスチッ
クシートを使用した場合には、蓋体３ｂの先端部を湾曲
させて内側に折り曲げることもできる。

【００１５】このシート部材において、蓋体３ａ、側壁
２ａ、底壁６、側壁２ｂ及び蓋体３ｂは、平行な折り曲
げ線８を介して順次連接されており、蓋体３ａの左右両
端及び、上記側壁２ａ及び側壁２ｂの左右両端には折り
曲げ線９を介して連結フラップ１１及び連結フラップ１
０がそれぞれ連接されている。又、底壁６の左右両端に
はそれぞれ折り曲げ線９を介して側壁７ａが連接され、
この側壁７ａには更に側壁７ｂが連接されている。しか
も、蓋体３ｂの先端部分には、全長にわたって平板状の
刃受け部４が取り付けられており、この刃受け部４の内
側端部５にも折り曲げ線が設けられて、蓋体３ｂが内側
に折り曲げ可能になっている。

【００１６】尚、蓋体３ｂにおける、折り曲げ線８から
刃受け部４の内側端部５までの距離は、箱の幅、即ち側
壁２ａ、底壁６及び、側壁２ｂの幅（各折り曲げ線８の
間隔）よりも小さく、刃受け部４も含めた蓋体３ｂ全体
の幅は、上述の箱の幅よりも広く形成されている。従っ
て、各折り曲げ線８の位置で内側に折り曲げて箱を組立
てた際、蓋体３ａと側壁２ａとの境界に設けられた折り
曲げ線８が、刃受け部４の上に載ることになる。

【００１７】又、図４に例示されるシート部材にあって
は、左右の側壁７ｂにおける、側壁７ａと相対する辺
に、それぞれ、外側に少し突出した形状の舌部１４が形
成されており、底壁６と側壁７ａとの間の折り曲げ線９
には、側壁７ａと側壁７ｂの間の折り曲げ線で折り曲げ
た際、この舌部１４を差し込むことが可能なスリット１
５が設けられている。本考案では、このような舌部１４
及びスリット１５を設けることにより、連接フラップ１
１を内側に折り曲げ、これを側壁７ａと側壁７ｂで挟み
ながら舌部１４をスリット１５に差し込むことができ、
簡単に、上面が開口した箱が組み立てられる。尚、この
ような舌部１４及びスリット１５を設けない場合には、
接着剤により連接フラップ１１を側壁７ａ及び側壁７ｂ
に固定させても良い。

【００１８】更に、図４に示されるシート部材では、蓋
体３ａの先端部分中央に舌部１２が形成されており、側
壁２ｂと蓋体３ｂとの折り曲げ線８の近傍には、この舌
部１２を差し込むことが可能なスリット１３が設けられ
ている。このようにして、舌部１２及びスリット１３を
設けた場合には、スリット１３に舌部１２を差し込むこ
とにより、箱の開口面を、蓋体３ａ及び３ｂによって簡
単に開閉可能な状態で覆うことができるので好ましい。

【００１９】尚、このような図４に示されるシート部材
から、本考案の収納箱を組み立てる場合には、まず、底
壁６に対して側壁２ａ及び２ｂを折り曲げ線８の位置で
内側に垂直に折り曲げ、次に側壁２ａ及び側壁２ｂの左
右両端に連接された連結フラップ１０を内側に折り曲げ
る。そして、底壁６の左右両端に連接された側壁７ａ及
び７ｂをそれぞれ内側に折り曲げ、各連結フラップ１０
が、側壁７ａと７ｂとの間に挟まれるようにし、側壁７
ｂに形成された舌部１４をスリット１５に差し込んで固
定を行う。これにより、上面が開口した箱が形成され
る。

【００２０】そして、この状態において、箱の内部に、
蓋体３ｂ側が、巻き出し側となるようにしてロール状に
巻いたシートを収納し、刃受け部４の内側端部５の位置
に設けられた折り曲げ線及び、側壁２ｂと蓋体３ｂとの
間の折り曲げ線８を内側に折り曲げ、その後、蓋体３ａ
の左右両端に連接された連結フラップ１１及び、蓋体３
ａと側壁２ａとの間の折り曲げ線８を内側に折り曲げ、
蓋体３ａの先端部分に形成された舌部１２を、側壁２ｂ
と蓋体３ｂとの間の折り曲げ線８の位置に形成されたス
リット１３の中に差し込む。このような図４に示される
シート部材を組み立てて製造される本考案の収納箱は、
図５の（ａ）に示される外観を有する。

【００２１】次に、本考案の収納箱を用いて、ロール状
に巻かれたシートを所望の長さに切断する際の状態を示
す斜視図を、図５に示して本考案を説明する。先ず、図
５の（ａ）に示されるように、蓋体３ａの面が上側にな
るようにして本考案の収納箱を置き、外側に位置する蓋
体３ａ及び、内側に位置する蓋体３ｂを順次開く（図５
の（ｂ）参照）。この時、刃受け部４が設けられた蓋体
３ｂは、刃受け部４の内側端部５の位置において内側に
折り曲げられた状態になっている。本考案では、一般
に、ロール状に巻かれたシートが前もって箱の内部に収
納されているが、箱を開口した際にロール状シートを収
納しても良い。

【００２２】この後、シートＢを所望の長さに引き出
し、図５の（ｃ）に示されるようにして、蓋体３ａを内
側に折り曲げ、蓋体３ｂをシートＢの上に重ねるように
して内側に折り曲げる。そして、蓋体３ｂが底面になる
ように箱をひっくり返し、側壁２ａが、刃受け部４の上
に垂直に載った状態としてから、側壁２ａにカッターＣ
の刃を沿わせてシートＢの切断を行う（図５の（ｄ）参
照）。この際、刃受け部４を含む蓋体３ｂの先端部は、
内側に折り曲がらず、刃受け部４の一部が箱の外側には
み出た状態となる。このようにして本考案の収納箱で
は、カッターマット等を使用することなく、ロール状シ
ートの切断ができる。

【００２３】

【実施例】市販の厚さ約１ｍｍのダンボールを切断し
て、図４に示されるものと同様の形状を有するシート部
材を作製し、約７ｃｍ×７ｃｍ×６０ｃｍの大きさを有
する直方体の収納箱が得られるようにした。このシート
部材にあっては、側壁２ａ、底壁６及び側壁２ｂの幅が
７０ｍｍ、蓋体３ａの幅が６８ｍｍ、蓋体３ｂにおける
折り曲げ線８と刃受け部４の内側端部５との距離が６０
ｍｍ、蓋体３ｂ全体の幅が８０ｍｍとなるようにした。
そして、このシート部材の、蓋体３ｂの内側面における
先端部分に、厚さ約２ｍｍ、幅１８ｍｍ、長さ６０ｃｍ
の厚紙製の刃受け部を貼り付けた。その後、各折り曲げ
線を順次内側に折り曲げて箱を成形し、その内部に幅５
９．５ｃｍ、外径６．５ｃｍのロール状包装紙を収納し
た。包装紙を箱の内部に収納した後、蓋体３ａが外側に
なるようにして蓋体３ａ及び蓋体３ｂを内側に折り曲
げ、蓋体３ａの先端部分に形成した舌部をスリットに挿
入して、本考案のロール状シート収納箱を得た。

【００２４】このようにして得られた本考案のロール状
シート収納箱の内部に収納されたシートを所望の長さに
切断する際には、まず、蓋体３ａが上面となるようにし
て置き、蓋体３ａ及び蓋体３ｂを開き、ロール状のシー
トを引き出した後、刃受け部が貼り付けられている蓋体
３ｂの方が外面側に位置するようにして折り曲げた。そ
して、蓋体３ｂが底面となるようにして箱をひっくり返
した。この状態では、図２に示される断面構造のよう
に、側壁２ａがシートを挟んで刃受け部の上に垂直に位
置するものとなった。そして、この状態において、側壁
２ａに沿ってカッター刃を当て、側壁２ａに誘導される
ようにしてカッター刃を移動させると、簡単にシートを
切断することができた。

【００２５】

【考案の効果】本考案のロール状シート収納箱では、箱
の幅よりも広い幅を有した蓋体の内側面に設けられた刃
受け部により、カッターマットを使用することなく、簡
単にシートを切断することができる。又、本考案では、
シートを自由な長さに引き出すことが可能なので、必要
とする長さに応じたシートを得ることができる。更に、
本考案では、ロール状に巻かれたシートが収納箱の内部
に収納されることにより保護できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のロール状シート収納箱における箱Ａの
内部に、ロール状に巻いたシートＢを収納した際の内部
断面構造を表す図である。

【図２】図１に示される本考案の収納箱を用いて、シー
トＢを切断する際の内部断面構造を表す図である。

【図３】図１に示される本考案の収納箱において、蓋体
３ｂを先に内側に折り曲げ、蓋体３ａが外側になるよう
にして折り曲げた際の内部断面構造を表す図である。

【図４】本考案のロール状シート収納箱の、好ましい一
例（シート部材）における展開図である。

【図５】（ａ）〜（ｄ）は、図４に示される形状及び構
造のシート部材を組み立てて製造される本考案のロール
状シート収納箱を用い、シートＢを切断する際の工程を
表す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 箱 Ｂ シート Ｃ カッター １ 開口面 ２ａ、２ｂ 側壁 ３ａ、３ｂ 蓋体 ４ 刃受け部 ５ 刃受け部の内側端部 ６ 底壁 ７ａ、７ｂ 側壁 ８、９ 折り曲げ線 １０、１１ 連結フラップ １２、１４ 舌部 １３、１５ スリット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面が開口した直方体の箱Ａで、上記箱
   Ａの内部には、ロール状に巻いたシートＢが、上記開口
   面１からシートＢを引き出し可能に収納されているもの
   であって、 上記箱Ａの、上記シートＢのロール軸に平行な二側壁２
   ａ、２ｂの上端にはそれぞれ、上記開口面１を覆うよう
   に折り曲げ可能な状態で、シート状の蓋体３ａ、３ｂが
   取り付けられており、一方の蓋体３ａの幅が箱Ａの幅と
   実質的に同一以下であり、他方の蓋体３ｂの幅が箱Ａの
   幅より広く形成されていること、 上記蓋体３ｂの先端部が内側に折り曲げ可能で、上記蓋
   体３ｂの先端部の内面に、全長にわたって平板状の刃受
   け部４が設けられていること、及び上記蓋体３ｂを取り
   付けた側壁２ｂの上端から、上記刃受け部４の内側端部
   ５までの距離が、箱Ａの幅より小さいことを特徴とする
   ロール状シート収納箱。
2. 【請求項２】 上記蓋体３ａの先端部に舌片１２が形成
   されており、しかも上記側壁２ｂの上端部近傍に、上記
   舌片１２を差し込み可能なスリット１３が形成されてい
   ることを特徴とする請求項１記載のロール状シート収納
   箱。