JPH0420745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、食品等の包装に用いられるアルミ
ホイル、プラスチツクフイルムの如きロール巻き
された製品の収納箱に関するものである。

［従来の技術］ 従来、家庭で食品等の包装に使用されるアルミ
ホイル、プラスチツクフイルムなどのシートは、
ロール巻きしたうえで、切刃のついた収納容器に
収容されている。そして、使用の際にはロール巻
きされたシートをまきほぐし、切刃で所定の長さ
にカツトして取出すという使用形態がとられてい
る。この場合、収納容器にはロールを容器内に回
動自在に支持し、かつロールからシートを引き出
す際に、ロールの飛び出しを防止する機構を設け
るのが普通である。このロール係止機構は従来よ
り種々の構造のものが提案されているが、容器の
長手方向両端面（妻面）に内方に突出する突片を
設け、これをロールの巻芯内に挿入させたものが
殆んどであつた。（例えば、実公昭61−22826号参
照）。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来のものは、第５図に示
すように内外の妻面フラツプにそれぞれ押込み舌
片２１と、ロールの巻芯内に入る嵌入突片２２と
を対設し、両突片を紙と紙との反発で起立せしめ
るべく係合させて固定するものであつたから、係
合時の引掛りは不安定であつた。従つて、例えば
押込み舌片２１を指先で90°以上深く押込まずに、
その押込み角度が浅すぎると、前記嵌入突片２２
との係合は外れて戻つてしまうことがあり、また
使用時にロールシートを引張ると、その力でロー
ルが飛び出すおそれがあるなど製品の支持が不充
分なものであつた。

また、前記押込み舌片２１の存在は、容器の組
立に当り、妻面に大きな穴をあけ、内外妻面フラ
ツプ同志の糊しろ面積を小さくするので、製函適
性を悪化させるという問題点を有していた。

本考案は上記の問題点に鑑みなされたものであ
り、押込み舌片と嵌入突片とを定位置で一体的に
固定するようにして、製品の支持を安定、かつ確
実なものとすると同時に、突片の押込みに当つて
指先を深く挿入する必要なく、少しの押込みスト
ロークで確実にロツクすることができるロール状
製品の収納箱を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、本考案は矩形状
底板の相対する長辺に沿つて、それぞれ側板を設
け、また前記底板の相対する短辺に沿つて、それ
ぞれ妻板を設けて、一面に開口面を有する箱体を
形成し、この箱体にロール状製品を収納し、開口
面を蓋板で覆うように構成された包装箱におい
て、前記妻板を内妻板と外妻板とで構成し、各内
妻板の中央下部に切込み及び折線で区画される、
内方に押開きし得る左右一対の嵌入突辺を設け、
前記内妻板に設けた嵌入突片の先端中央部に、外
妻板に設けた押込み舌片が係合する左右一対のＶ
形またはくさび形状に切欠いたロツク溝を形成
し、一方押込み舌片は外妻板内に該外妻板と下端
のみでヒンジ連結されるように打ち抜き形成し、
かつ前記押込み舌片のヒンジは少なくとも前記左
右一対のロツク溝を結ぶ線よりも下方に片寄せて
設けてなることを特徴とするものである。

［実施例］ 次に本考案の構成を図面に基づいて具体的に説
明する。

第１図は、本案収納箱の一例を示す斜視図、第
２図は展開図、第３図Ａ，Ｂは押込み舌片を押込
む前の状態を示す側面図及び斜視図、第４図Ａ，
Ｂは押込み後の状態を示す断面図及び斜視図であ
る。

第２図の展開図に示すように、板紙などから形
成する一枚の台紙Ａを用いて、箱体を構成する側
板、底板、蓋板を区画連設せしめる。すなわち、
符号１は矩形の底板、２ａ，２ｂは底板１の相対
する長辺に連設した同形状の側板、３は一方の側
板２ｂの長辺に連設した蓋板である。蓋板３の一
端には差込片４が付設されている。底板１の相対
する短辺には外妻板５，５を連設し、また側板２
ａ，２ｂの相対する短辺には内妻板６，６を連設
する。各内妻板６，６は組立時に外妻板５，５の
内面に接着するものであり、それぞれ外妻板の略
半分の大きさに形成されている。この内妻板６，
６の下半部の先端縁側は水平方向の切込み線７及
びこれと直角に交叉する折線８により区画される
嵌入突片９を形成し、かつこの嵌入突片９の先端
縁中央に、一例としてＶ形（またはくさび形状）
に切欠いたロツク溝１０を形成させる。一方、外
妻板５，５には底板１よりに横向きの山形状切込
み線１１と切込み端を結ぶ折線１２とで区画され
る押込み舌片１３を形成する。この押込み舌片１
３は、組立時に外妻板５とその下方においてヒン
ジ連結されるように構成するものであつて、その
ヒンジ線（折線１２）は前記一対のロツク溝１
０，１０を結ぶ線よりも下方に位置するように形
成するものである。なお、符号１４で示すものは
外妻板５の端辺に連設した内フラツプである。ま
た、符号１５で示すものは側板２ａに取付けたカ
ツターである。

上記のように構成されている本考案の収納箱の
組立に当つては、底板１を中心にして前後の側板
２ａ，２ｂ及び外妻板５，５を直角に立上げ、ま
た内妻板６，６を突合せるようにして、その上半
部及びその付根部分を糊しろとし、外妻板５の内
面に第３図Ａ，Ｂに示す如く接着する。次にアル
ミホイルの如きロール巻きされた製品Ｇを箱体に
収納し、蓋板３及び差込片４を介して開口面を閉
塞する。

ロールＧを収納した際、或いは使用の際は外妻
板５に形成させた押込み舌片１３を箱内に向つて
押込むことによつて、内側に位置する嵌入突片９
を切込み７及び折線８を介して観音開き状に押し
開き、ロールの巻芯内に押入れる。このとき、押
込み舌片１３を嵌入突片９の先端縁中央に形成さ
せたロツク溝１０に引掛ける。こうすると、第４
図Ａ，Ｂに示す如く、押込み舌片１３は箱内に向
つて若干傾斜して折り込まれ、ロツク溝１０に引
掛り定位置に固定される。このように押込み舌片
１３と嵌入突片１０はロツク溝１０で互いに固定
されるために両者の結合は容易に外れることがな
く強固になり、第１図の如くロールＧを箱内に確
実に支持し、かつロールシートを引張つたときも
その力でロールが飛び出ることがないようにする
ことができる。

［考案の効果］ 本考案のロール状製品収納箱は、上述したよう
に内妻板に設けた嵌入突片の先端中央部に、外妻
板に設けた押込み舌片が係合する左右一対のＶ形
またはくさび形状に切欠いたロツク溝を形成し、
一方押込み舌片は外妻板内に該外妻板と下端のみ
でヒンジ連結されるように打ち抜き形成し、かつ
前記押込み舌片のヒンジは少なくとも前記左右一
対のロツク溝を結ぶ線よりも下方に片寄せて設け
てあるので、押込み舌片を外側から少し押倒すの
みで、その押込み舌片を斜め（例えば45度）の状
態に簡単にセツトアツプすることができ、また押
し込み角度が浅いことから舌片の係止部分を押込
み孔を通じて外から容易に目視確認ができ大変便
利である。

従来の押し込み舌片は、指で舌片を相当深く押
し込んで90度以上深く押し倒す必要があつて、セ
ツトアツプがやりにくく、押し込みが甘い場合
は、係止部のロツクが外れやすい欠点を有する
が、本考案はかかる欠点を一掃できる点で極めて
有用な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案収納箱の一例を示す斜視図、第２
図は同上展開図、第３図Ａ，Ｂは押込み舌片を押
込む前の状態を示す側面図及び斜視図、第４図
Ａ，Ｂは押込み後の状態を示す断面図及び斜視
図、第５図は従来形を示す斜視図である。 １……底板、２ａ，２ｂ……側板、３……蓋
板、４……差込片、５……外妻板、６……内妻
板、７……切込み線、８……折線、９……嵌入突
片、１０……ロツク溝、１１……山形状切込み
線、１２……折線、１３……挿込み舌片、１４…
…内フラツプ、１５……カツター。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 矩形状底板１の相対する長辺に沿いそれぞれ側
   板２ａ，２ｂを設け、また前記底板の相対する短
   辺に沿いそれぞれ妻板を設けて、一面に開口面を
   有する箱体を形成し、この箱体にロール状製品を
   収納し、開口面を蓋板で覆うように構成された包
   装箱において、 前記妻板を内妻板６と外妻板５とで構成し、各
   内妻板の中央下部に切込み及び折線で区画され、
   内方に押開きし得る左右一対の嵌入突片９を設
   け、前記内妻板に設けた嵌入突片の先端中央部
   に、外妻板に設けた押込み舌片１３が係合する左
   右一対のＶ形またはくさび形状に切欠いたロツク
   溝１０を形成し、一方押込み舌片は外妻板内に該
   外妻板と下端のみでヒンジ連結されるように打ち
   抜き形成し、かつ前記押込み舌片のヒンジ１２は
   少なくとも前記左右一対のロツク溝１０を結ぶ線
   よりも下方に片寄せて設けてなることを特徴とす
   るロール状製品収納箱。