JPH057127Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、組立が容易な組立式包装用箱に関す
る。更に詳細には、挿入物の挿入時に突き抜けが
発生しにくく、挿入物の取り出しが容易な組立式
包装用箱に関する。

（従来技術） 対向面が開口しているスリーブ式箱本体の一方
の開口端に折り目線を介して互いに対向する一対
の組板を連設し、これらの組板を交叉させて組立
てなる組立式包装用箱は種々提案されている。例
えば、実開昭53−5231号公報には、容器本体に、
一対の切欠き部が各々一対の非切欠き部と対向す
る一対の底部を連設した合成樹脂製シート折りた
たみ式容器が開示されている。この容器は、非切
欠き部が切欠き部の上になるよう交叉して組立ら
れるので、容器内部に挿入した品物の脱落が防止
される。また、実開昭49−95022号公報には、蓋
体構造の改良に係るものとして、箱主体の開口端
に折目線を介してお互いに対向する一対のフラツ
プを連設し、これらフラツプに点対称的に切欠し
て差込部を設け、これら差込部を互いに対向する
フラツプの内側に差し込み封緘するようにした包
装箱が開示されている。この容器では、フラツプ
の左半分には斜めに切欠した切欠部が形成されて
おり、その右半分に差込部が形成されている。

（考案が解決しようとする課題） 挿入物の挿入時に突き抜け発生と、挿入物の取
り出し難さである。

上記実開昭53−5231号公報の底部は、切欠部と
非切欠部との重合部分を多くして機械的強度を向
上するため、底部が容器本体の開口部を略完全に
覆つてしまつている。そのため挿入物を容器本体
から取り出すのは困難である。そこで、これを改
善するものとして、実開昭53−5231号公報の図面
には、取り出し口として容器本体の開口端部に半
円状の切欠部を形成している。しかし、前記のよ
うな取り出し口では、挿入物を引出そうとすると
き、容器本体を押さえる力が挿入物までも押さえ
てしまうので、やはり挿入物は取り出し難い。ま
た、上記実開昭49−95022号公報は、蓋体構造の
改良であるため、上記問題については考慮されて
いない。この点を解決するために、底部中央に指
差込孔を設けた「テストペーパー用包装函（実開
昭59−64711号公報）」といつたものが提案されて
いるが、この函の場合も、挿入物（内函）を押し
出そうとするとき、容器本体（外函）を押さえる
力が挿入物までも押さえてしまう。また、強い力
で押し出せるよう孔を大きくした場合、底部の機
械的強度が低下し、挿入物を挿入するときに突き
抜けが発生し易くなるといつた新たな問題が発生
する。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記問題に鑑み、挿入物の挿入時の
突き抜け発生防止できる底部の機械的強度を維持
しつつ、挿入物が取り出し易い包装用箱を得るた
めになされたものであつて、対向面が開口してい
るスリーブ式箱本体の一方の開口端に折り目線を
介して互いに対向する一対の組板を連設し、これ
らの組板を交叉させて底部を組立てなる組立式包
装用箱において、前記組板は、その巾が組板を連
設した箱本体の辺より短く、且つ前記折り目線よ
り組板の先端までの長さが長い挿入部と、短い支
承部とよりなり、挿入部と支承部とは対向するよ
うに形成され、しかも支承部先端の挿入部側に三
角形状の切欠きを形成してなる組立式包装用箱を
要旨とする。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳
細に説明する。

第１図及び第２図に実施例を示す。

固型描画材７を内部に揃置した中箱２は、組立
式包装用箱の箱本体１内に挿入し得るようになつ
ている。

箱本体１の一方の開口部には、折り目線３，
３′を介して互いに対向する組板４，４′が前記折
り目線３，３′より巾狭に連設されている。この
組板４，４′は、折り目線３，３′に比べて巾を狭
くしているので、包装用箱として組立た場合、組
板４，４′の両側には略四角の透窓５，５′が形成
される。

また、この組板４，４′は、前記折り目線３，
３′より組板４，４′の先端までの長さが長い挿入
部４ｂ，４′ｂと、長さが短い支承部４ａ，４′ａ
とより構成されている。さらに、この組板４，
４′は、挿入部４ｂが支承部４′ａに対峙し、か
つ、挿入部４′ｂが支承部４ａに対峙するような
している。そして、支承部４ａ，４′ａ先端の挿
入部４ｂ，４′ｂ側には三角形状の切欠き６，
６′が形成されている。ここで、挿入部４ｂ，
４′ｂと支承部４ａ，４′ａとの長さの和は側壁７
の長さより大きくなしており、しかも、三角形状
の切欠き６，６′によつて、支承部４ａ，４′ａ
は、側壁７の長さの半分以上であつても組立られ
るので、包装用箱として組立た場合、挿入部４
ｂ，４′ｂと支承部４ａ，４′ａとの重合部の面積
が大きく出来る。

次に作用について記載する。

本考案の組立式包装用箱は、糊代８を接着剤な
どの接着手段を用いて接着し、組板４，４′を折
り目線３，３′を介して箱本体１の内方に折り込
むことによつて形成し、側壁７を立てることによ
つて組立られる。側壁７を立てるには、内箱２等
の挿入物を挿入することによつてもなされる。即
ち、箱本体１に内箱２を挿入するとき、中箱２の
前端面は組板４，４′の挿入部４ｂ，４′ｂと当接
し、組板４，４′は箱本体１の中で立ち上がつて
いく。このとき組板４，４′は、その挿入部４ｂ，
４′ｂと支承部４ａ，４′ａとが対峙するようにな
つているので、挿入部４ｂ，４′ｂの各々の側辺
４ｃ，４′ｃを境にして各々の支承部４ａ，４′ａ
の内側になるよう交叉する。

組板４，４′が上記のように交叉した状態にお
いて、この組板４，４′に箱本体１の内側から外
側へ圧力をかけた場合、その押圧力の作用点は、
挿入部４ｂ，４′ｂの先端が支承部４ａ，４′ａに
接する位置となる。この位置が折り目線３，３′
に近いほど組板４，４′の交叉を解くためには大
きな力が必要である。

また、組板４，４′の両側には略四角の透窓５，
５′が形成されているため、内箱２を押し出す場
合、両方の透窓５，５′に指等を挿入することに
なる。従つて、中発２を押し出すとき、箱本体１
は側壁７の部分を押圧するので、押し出しも容易
である。本実施例においては、挿入物を固型描画
材を揃置した中箱で示したが、挿入物は、中箱に
限定されるものではない。挿入物としては、例え
ば、角形の消しゴムや固型描画材であつても良
い。

（考案の効果） 以上のように、本考案の組立式包装用箱は、挿
入物脱落防止の充分な機能を有するとともに、挿
入物を容易に取り出しできるという長所を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
実施例の斜視図、第２図は第１図の組立用包装箱
の展開図である。 １……箱本体、２……中箱、３，３′……折り
目、４，４′……組板、４ａ，４′ａ……支承部、
４ｂ，４′ｂ……挿入部、５，５′……透窓、６，
６′……切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向面が開口しているスリーブ式箱本体の一方
   の開口端に折り目線を介して互いに対向する一対
   の組板を連設し、これらの組板を交叉させて底部
   を組立てなる組立式包装用箱において、前記組板
   は、その巾が組板を連設した箱本体の辺より短
   く、且つ前記折り目線より組板の先端までの長さ
   が長い挿入部と、短い支承部とよりなり、挿入部
   と支承部とは対向するように形成され、しかも支
   承部先端の挿入部側に三角形状の切欠きを形成し
   てなる組立式包装用箱。