JP2007290759A - 青果物用包装袋及び青果物包装体 - Google Patents

青果物用包装袋及び青果物包装体 Download PDF

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Abstract


【課題】 真空予冷にかけても青果物を包装している包装袋の破裂がなく、また包装袋にて包装した青果物が段ボールにて梱包された場合でも段ボール箱の破損がなく、かつ青果物の鮮度保持に適した青果物用の包装袋の提供を目的とする。
【解決手段】 青果物を包装後真空予冷に供される合成樹脂フィルムを含む包装袋であり、包装袋に1個以上の切れ込みがあり、包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が0.5mm以上35mm以下である青果物用包装袋である。更に好ましい形態としては、包装袋の切れ込みの形状が、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状のいずれかである青果物用包装袋である。
【選択図】なし

Description

本発明は、真空予冷可能な青果物用の包装袋に関するものである。
青果物は、収穫後も呼吸し続けており、呼吸が活発なほど劣化が進みやすい。青果物の呼吸は、ガス濃度(大気よりも適度な低酸素、高二酸化炭素環境)によっても抑制される。近年、この原理を利用して青果物の鮮度保持を行う包装の実用化が進んでいる。これは、青果物を包装し、青果物自身の呼吸速度と包材のガス透過速度のバランスによって包装内のガス濃度を青果物の保存に適した雰囲気にするものであり、MA(Modified Atmosphere)包装と呼ばれている。しかし、通常青果物の包装用に使用されているポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムといった資材をそのまま使用すると、ガス透過速度不足によって包装体内の酸素が不足して青果物が異常呼吸を行い、青果物の劣化が促進される。従って、従来は、フィルムに微細孔、傷やクラック等を加工することで包装袋のガス透過速度を包装した青果物の呼吸速度に適したものに調整していた。
特開平2−85181号公報では、植物資材(青果物)の保存性を改善するために、平均直径が100μm以下で、かつその孔の数が1平方メートル当り1000個以下の範囲内で制御されている高分子フィルムで包装する方法が記載されている。
また、特開2003−199490号公報では、再封入可能なプラスチック製ジッパーを有する有孔合成樹脂フィルムよりなる袋状の包装体に青果物を入れ、プラスチック製ジッパーを閉めた後排気可能な倉庫に入れ、大気圧より低圧の条件で10分以上放置し水分の蒸散により青果物の温度を下げることを特徴とする青果物の鮮度保持包装方法が記載されている。
さらに、特開平7−170907号公報では、包装する青果物重量に対し、総開口面積が0.4〜4.0mm/kg、孔径とフィルム厚みの比(孔径/フィルム厚み)が3以上50以下となるように開口を設けた袋に、青果物を密封包装して真空予冷することを特徴とする青果物の鮮度保持方法が記載されている。
青果物の呼吸は、ガス濃度の他に温度の影響が大きく、低温にすると抑制される。そこで、青果物の品質を維持するために、冷蔵車による輸送、保冷剤や発泡スチロール容器による保冷、冷蔵庫での保管など、低温管理が行われており、予冷と呼ばれる過程を経て青果物を冷却している。予冷には、いくつかの方法があるが、このうち真空予冷といわれる方法が、短時間での冷却処理が可能であり、多く用いられている。真空予冷とは、青果物を入れた予冷庫内を減圧して青果物表面の水分を気化させ、その気化熱で青果物を冷却する予冷方法である。
青果物は、農家毎に青果物を収穫後、計量、包装され、集荷場に持ち寄った後に真空予冷される、又は各農家が収穫した青果物を集荷場に持ち込んで、集荷場にて計量や包装を行った後に真空予冷されるなど、包装後に真空予冷されるのが一般的である。
しかしながら、特開平2−85181号公報に記載された方法により包装した青果物包装体を真空予冷にかけると、包装体内のガスが急激に膨張して包装袋が破裂、或は、包装袋が膨張して包装体を収納した段ボール箱等を壊してしまうという問題がある。また、特開2003−199490号公報や特開平7−170907号公報には、真空予冷を行うことが可能な青果物鮮度保持方法が記載されている。しかし、これらに記載された方法では、通常時と真空予冷時で開口部の大きさに変化が生じないうえ、真空予冷時の破裂防止を優先するため、包装体の開口面積が青果物を貯蔵する際に必要な値より大きくなり、保管中における青果物の鮮度保持効果が小さくなっている。また、これら微細孔をあけるためには、レーザー加工機などの特殊で高価な設備が必要となることが多い。
特開平2−85181号公報 特開2003−199490号公報 特開平7−170907号公報
本発明は、真空予冷にかけても青果物を包装している包装袋の破裂がなく、また包装袋にて包装した青果物が段ボールにて梱包された場合でも段ボール箱の破損がなく、かつ青果物の鮮度保持に適した青果物用の包装袋の提供を目的とする。
青果物を包装後真空予冷に供される合成樹脂フィルムを含む包装袋であり、包装袋に1個以上の切れ込みがあり、包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が0.5mm以上35mm以下である青果物用包装袋である。
更に好ましい形態としては、包装袋の切れ込みの形状が、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状のいずれかである青果物用包装袋である。
更に好ましい形態としては、包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張り弾性率が7100kg/cmより大きく、前記包装袋に1個当りの切れ込み長さが2mm以上12mm以下のである切れ込みを1個以上有し、切れ込みの長さの合計が38mm/m以上であり、切れ込みの形状が直線状であり、切れ込み1個の長さをX(mm)、包装袋の表面積1m当りの切れ込み数をY(個/m)としたとき、(式1)と(式2)の条件を満たし、
Y≧129.51×e−0.3178x (式1)(但し、Yは、整数である)
A1/B1+A2/B2+・・+An/Bn≧1 (式2)(但し、nは1以上の整数であり、Bnは切り込み長さがある長さの時、式1を満たすYの最小値であり、Anはその長さを持つ切り込みの個数である)
包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が5mm以上20mm以下であり、切れ込みの長さの合計が80mm/m以上であり、包装袋に存在する切れ込みの形状が、折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の少なくとも1種以上である場合には、切れ込み数が2個/袋以上であり、切れ込み数が5個/m以上であり、1個の切れ込みの長さが3mm以上4mm未満であり、切れ込みの数が10個/m以上である青果物用包装袋である。
更に好ましい形態としては、包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張弾性率が7100kg/cm以下であり、包装袋の有効表面積が0.03m以上、2m以下である青果物用包装袋である。
また、上記に記載の青果物用包装袋を用いて青果物を包装したことを特徴とする青果物包装体である。
本発明の包装袋を用いることにより、真空予冷を施しても包装袋の破裂、膨張がなく、また、包装袋にて包装した青果物が段ボールにて梱包されて真空予冷を施された場合でも段ボール箱の破損がなく、その後の青果物の保存においても包装袋はMA効果を有するため青果物の鮮度保持に有効である。
本発明の包装袋で包装される青果物としては、特に限定されないが、例えば、ホウレンソウ、コマツナ、ブロッコリー、シュンギク、チンゲンサイ、ルッコラ、ナバナ、アスパラガスなど葉茎菜類、エダマメ、キヌサヤ、インゲンマメなど豆類、バナナ、マンゴー、ウメなどの果実、ダイコン、ニンジンなどの根菜類、スイートコーン、トマト、キュウリ、ナスなどの果菜類、緑豆モヤシ、大豆モヤシ、トウミョウなどの芽物類、キクやカーネーションといった花卉、或は苗などである。葉茎菜類、豆類及びスイートコーンなどの果菜類に用いると好ましく、特に真空予冷される青果物に対しては好ましい。これらは、店頭でそのまま販売できるように少量単位の青果物を包装する個包装のみでなく、段ボール箱や樹脂コンテナの内袋として大袋を用いた集合包装で真空予冷にかけてもよく、青果物を含む包装袋は一般的に段ボール箱や樹脂コンテナに収納した状態で真空予冷される。集合包装には、青果物を直接大袋に入れるバラ詰めと小袋に入れたものや紙帯やテープで束ねたものをさらに大袋に入れる形態とがある。
本発明の包装袋はフィルムを含み、フィルムとしては、合成樹脂フィルムが好ましい。
合成樹脂フィルムの材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート或いはポリ乳酸などが挙げられる。これらの内いずれかの素材を単独あるいはラミネートして用いればよい。包装袋は、これらフィルムと金属箔、紙や不織布を貼り合わせた袋でも良い。これらの内、本発明の包装袋に用いるものとしては、コスト面で有利なポリプロピレンとポリエチレンが最も好ましい。さらに袋サイズが大きい集合包装用としては、作業性や製袋しやすさに加えて、切れ込みによる排気のしやすさの点から低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンフィルムが好ましく、店頭で実際に陳列される個包装用としては、見栄えが良い防曇加工したポリプロピレンフィルムが好ましい。
フィルムの厚みは、強度の点より0.01mm以上が好ましく、経済的な点を考えると0.1mm以下が好ましい。さらに、真空予冷時の切れ込み部分の開きやすさを考慮すると、フィルム厚は、0.02mm以上0.045mm以下がより好ましい。
フィルムは、延伸加工、防曇加工や印刷を施してもよく、銀や銅などの無機系抗菌剤やキチン、キトサン、アリルイソチオシアネートなどの有機系抗菌剤を塗布或はフィルムに練りこんで用いても良い。
切れ込み長さの合計は、包装される青果物100g当たり0.5mm以上35mm以下であることが好ましい。100gあたり0.5mm未満では、包装した青果物が窒息してトロケや異臭を生じやすく、35mmを越えると、変色、軟化、しおれなどの劣化が進みやすくなる。更に好ましくは、包装される青果物100g当たり5mm以上20mm以下である。
切れ込みの形状はどのような形状でも差し支えなく、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の中から選ばれるいずれか1種以上である。直線状とは1本の独立した直線状の切れ込みである。複数の直線からなる折れ線状とは、例えば、直線が交差したり、2本の直線が1点で接触したりしているものをいう。例えば、V字形状、コ字形状、H字形状、T字形状、L字形状、W字形状、X印形状、へ字形状などである。曲線状とは、例えば、S字形状、C字形状、半円形状、円弧形状などである。直線と曲線が混在する形状とは、例えば、U字形状などである。切れ込みの形状は、ここに示したものに限らない。
本発明の包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張り弾性率が7100kg/cmより大きい場合は、包装袋に長さが2mm以上12mm以下の切れ込みを1個以上有することが好ましい。
引張り弾性率が7100kg/cmより大きい合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリ乳酸フィルム等があげられる。このフィルムには、切れ込み長さ2mm以上12mm以下の切れ込みを1個以上設けることが好ましい。2mm未満であれば、真空予冷時に包装袋が破裂する可能性があり、12mmを超えれば包装袋内の青果物が変色したり、軟化が進む可能性があり、青果物の鮮度保持にバラツキが見られる可能性がある。
引張り弾性率が7100kg/cmより大きい合成樹脂フィルムを用いて包装袋を製作し、包装袋にある切れ込みの形状が直線状である場合には、包装袋1m当りの切れ込み長さの合計が38mm/m以上であることが好ましく、更に好ましくは、切れ込み長さの合計が80mm/m以上であり、更に好ましくは80〜250mm/mである。青果物の鮮度保持の点からこの範囲にあることがより好ましい。
包装袋に用いる合成樹脂の引張り弾性率が7100kg/cmより大きく、切れ込みの形状が直線状の場合は、切れ込み1個の長さをX(mm)、包装袋の表面積1m当りの切れ込み数をY(個/m)としたとき、(式1)及び(式2)の条件を満たすことが好ましい。
Y≧129.51×e−0.3178x (式1)
但し、Yは、正の整数である。
A1/B1+A2/B2+・・+An/Bn≧1 (式2)
但し、nは1以上の整数であり、切り込み長さがある長さ(Xn)の時、Bnは式1を満たすYの最小値であり、Anはその長さを持つ切り込みの個数である。
この条件を満たさない場合、真空予冷にかけた際、包装袋は破れる可能性がある。さらに好ましい切れ込みの数は、Y≧241.19×e−0.3178X (式3)である。
フィルムの厚みが30μm以下の延伸したポリプロピレンフィルムを用いる場合は、この条件を満たすことが好ましい。
青果物の鮮度保持効果を得るために、切れ込みの数は、230個/m以下であることが好ましい。
引張り弾性率が7100kg/cmより大きい合成樹脂フィルムを用いた包装袋であり、包装袋にある切れ込みの形状が折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の少なくとも1種以上である場合には、切れ込み数が2個/袋以上であり、包装袋1m当りの切れ込み数が5個/m以上であることが好ましい。より好ましくは、切れ込み数が10個/m以上である。青果物の鮮度保持のばらつきが少なくなるなどの点よりこの範囲にあることが好ましい。これは、切れ込み数が複数個あれば、外箱、包装した青果物または隣り合った他の青果物包装体等との接触によって切れ込みが塞がるようなことがなくなることによる。
引張り弾性率が7100kg/cmより大きい合成樹脂フィルムを用いた包装袋であり、包装袋にある切れ込みの形状が折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の少なくとも1種以上である場合には、1個の切れ込み長さが2mm以上3mm未満の場合、切れ込み数は、30個/m以上あることが好ましく、1個の切れ込み長さが3mm以上4mm未満の場合は、切れ込みの数が10個/m以上であることが好ましい。なお、これらの形状の切り込み長さは、実際に切り込まれている長さをいう。ホウレンソウ、コマツナ、ブロッコリーなど嵩張るものを包装する場合は、初期における袋内のガス容積が大きくなるため、よりスムーズな排気が望まれる。
切れ込みが折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状である場合、切れ込み部が開いた時の根元側(切れ込みがない側)の巾(底辺)をWmm、その底辺に垂直で切れ込み部が開いた際の最大の長さをLmmとした時、W/Lが5.5以下であることが好ましく、更には2.5以下がより好ましい。これら形状では、切れ込み部は通常閉じているが、真空予冷処理を受けた際は、切れ込み部が開く。W/Lが5.5以下であれば、この開閉の点でより好ましい。
本発明において、包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張弾性率が7100kg/cm以下の場合は、包装袋に切れ込み長さ0.5mm以上の切れ込みを1個以上有することが好ましい。切れ込み長さが0.5mm以上では、真空予冷における包装袋の破裂の点でより好ましい。
引張弾性率が7100kg/cm以下のフィルムとしては、例えば、線状低密度ポリエチレンフィルム、未延伸のポリプロピレンフィルム(CPP)等が挙げられる。切れ込みの形状は、前述のとおり直線、折れ線などどのようなものでも差し支えない。
包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張弾性率が7100kg/cm以下の場合、好ましくは、青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が0.5mm以上25mm以下である。切れ込み長さの合計が青果物100gあたり0.5mm未満では、本発明の袋を段ボール箱等に入れて真空予冷にかけた際、破袋、或は袋が膨張して箱を破壊してしまう可能性があるのと包装した青果物が窒息してトロケや異臭を生じやすくなる可能性がある。逆に25mmを越えると、青果物の変色、軟化、しおれなどの劣化が進みやすくなる可能性がある。また、包装袋の有効表面積が0.03m以上2m以下であることがより好ましい。
本発明の包装袋に設ける切れ込みは、前述の直線状の切れ込みに、曲線状の切れ込み、折れ線状の切れ込みなどのいずれか1種以上の切れ込みが混在していても良い。なお、それぞれの切れ込みの長さは形状により前述のとおりである。複数の形状の切れ込みが混在する場合は、その比率に応じて切れ込みの長さや個数等の条件を設定すればよい。つまり、1個あたりの長さに応じて、その個数や100gあたりの長さを調節すれば良い。例えば、直線の切れ込みと折れ線の切れ込みの個数が各々50%の場合、直線と折れ線各々が本発明で必要とされる条件の50%の個数等を満たせばよい。
切れ込みは、袋当りに複数個設けることが好ましく、袋の中央部よりも、端部に設けることが好ましい。これは、箱詰めした後に真空予冷をかけた際、切れ込み部分が箱や他の包装体と接触して塞がりやすくなるのを防ぐためであり、包装体内のガス濃度の偏りも軽減される。
本発明の包装袋に設ける切れ込みは、従来から用いられている貫通あるいは未貫通の傷やクラック、直径300μm以下の微細孔と併用しても良い。当然のことながら、この場合でも、真空予冷にかけた際、破袋或は外箱を破壊しないように必要な切れ込みの長さや数を本発明に記載した通り確保することが好ましい。ただし、上記のものと併用すると製造工程が煩雑となり、生産費用も高くなる。
フィルムへの切れ込みの加工は、カッター、デザインナイフ、超硬刃のような鋭利な刃物で切っても良いし、所望の形状の切れ込みができるようにした型で打ち抜いても良い。また、レーザーや、熱刃による加工も可能であり、特にこれらに限定しない。
切れ込みの加工時期も、特に限定されない。フィルムの生産時に行っても良いし、製袋時、或は製袋後に行っても良い。ロールの状態で加工する場合は、印刷やスリットなどと同時並行して加工することもでき、横ピロー機や縦ピロー機などの自動包装機で青果物を包装する際に加工することもできる。また、切れ込みの加工は、手作業でも可能であり袋1枚でも容易に作製可能である。
包装袋の密封方法は、酸素透過速度のコントロールが可能な方法であれば、どのような方法でも差し支えないが、ヒートシール、のり付け、金属あるいは樹脂製かしめ、輪ゴム、テープ止め、ジッパーなどが使用できる。また、ヒートシールに適さないフィルムを用いる場合は、シーラント層をラミネートあるいはコーティングすることで形成すれば良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリスチレンとEVAをラミネートしたフィルムが挙げられる。
以下実施例で本発明を説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例にて用いたフィルムの材質の略称は次のものを表している。
OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム
CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム
LLDPE:線状低密度ポリエチレン
《実施例1》
防曇加工を施した、厚さ0.03mmのOPP(引張弾性率34000kg/cm)で内寸230×400mmの袋を作製した。この袋には、長さ10mmの直線の切れ込み3個をカッターナイフで入れた。この袋に、およそ200gのホウレンソウ(品温18℃)を入れて開口部をヒートシールで密封した。このホウレンソウの包装体を、表1の条件で40分間真空予冷にかけたが、包装体は破裂せず、品温が14℃まで低下した。
真空予冷にかけ、品温が低下した包装体を20℃のインキュベーターに入れて3日間保管した(n=3)。保管後ホウレンソウの品質評価を行った。評価結果を表2に示す。
《実施例2》〜《実施例17》
表2に示した条件の下で行った以外は実施例1と同様にして包装袋を製作し、青果物を包装して実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
《実施例21》
防曇加工を施した、厚さ0.03mmのOPP(引張弾性率34000kg/cm)で内寸190×350mmの袋を作製した。
この袋には、長さ2mmのV字(挟角60°)の切れ込み6個をV字型に加工した刃を押し当てて入れた。この袋に、およそ200gのホウレンソウ(品温18℃)を入れて開口部をヒートシールで密封した。このホウレンソウの包装体を、表1の条件で40分間真空予冷にかけたが、包装体は破裂せず、品温が14℃まで低下した。
真空予冷にかけ、品温が低下した包装体を20℃3日間保管した(n=3)。保管後ホウレンソウの品質評価を行った。評価結果を表3に示す。
《実施例22》〜《実施例30》
表3に示した条件の下で行った以外は実施例21と同様にして包装袋を製作し、青果物を包装して実施例21と同様の評価を行った。ただし、大豆モヤシは、10℃で4日間保管した。評価結果を表3に示す。
《実施例41》
防曇加工を施した、厚さ0.03mmのLLDPE(引張弾性率34000kg/cm)で内寸1000×800mmの袋を作製した。
この袋には、長さ10mmの直線の切れ込み120個をカッターナイフで入れた。この袋に、およそ6000gのホウレンソウ(品温18℃)を入れて開口部をヒートシールで密封した。このホウレンソウの包装体を、表1の条件で40分間真空予冷にかけたが、包装体は破裂せず、品温が14℃まで低下した。
真空予冷にかけ、品温が低下した包装体を20℃3日間保管した(n=3)。保管後ホウレンソウの品質評価を行った。評価結果を表4に示す。
《実施例42》〜《実施例48》
表4に示した条件の下で行った以外は実施例41と同様にして包装袋を製作し、青果物を包装して実施例41と同様の評価を行った。ただし、CPPの引張弾性率は6600kg/cmであり、実施例48の切れ込みのV字(挟角120°、W=6.9mm、L=2mm、W/L=3.5)はカッターナイフで設けた。また、緑豆モヤシは、10℃で3日間保管した。評価結果を表4に示す。
《比較例1》〜《比較例14》
表5に記載の内容で試験を行った。比較例に用いたフィルムの引張弾性率は、前記と同じものであり、切り込みの作成方法は前記と同じ方法である。包装袋の製作、青果物を入れた包装袋の評価は実施例1と同様である。評価結果を表5に示す。
また、比較例1、5、9、11及び12は、真空予冷の工程で包装袋が破裂したが、真空予冷を行わないで、実施例1と同条件で評価を行った結果は、比較例1及び2ではトロケが発生しており、比較例9では強烈な異臭とトロケが発生しており、比較例11及び12では異臭とトロケが発生した。
《比較例21》〜《比較例26》
表6に記載の内容で試験を行った。包装袋の製作、青果物を入れた包装袋の評価は実施例1と同様である。評価結果を表6に示す。
Figure 2007290759
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Claims (13)

  1. 青果物を包装後真空予冷に供される合成樹脂フィルムを含む包装袋であり、包装袋に1個以上の切れ込みがあり、包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が0.5mm以上35mm以下であることを特徴とする青果物用包装袋。
  2. 包装袋の切れ込みの形状が、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の中から選ばれるいずれか1種以上である請求項1に記載の青果物用包装袋。
  3. 包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張り弾性率が7100kg/cmより大きく、前記包装袋に1個当りの切れ込み長さが2mm以上12mm以下のである切れ込みを1個以上有する請求項1または2に記載の青果物用包装袋。
  4. 切れ込みの形状が直線状であり、包装袋1m当りの切れ込み長さの合計が38mm/m以上である請求項3に記載の青果物用包装袋。
  5. 切れ込みの形状が直線状であり、切れ込み1個の長さをX(mm)、包装袋の表面積1m当りの切れ込み数をY(個/m)としたとき、(式1)と(式2)の条件を満たす請求項3または4に記載の青果物用包装袋。
    Y≧129.51×e−0.3178x (式1)
    但し、Yは、整数である。
    A1/B1+A2/B2+・・+An/Bn≧1 (式2)
    但し、nは1以上の整数であり、Bnは切り込み長さがある長さの時、式1を満たすYの最小値であり、Anはその長さを持つ切り込みの個数である。
  6. 包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が5mm以上20mm以下である請求項1、3または4に記載の青果物用包装袋。
  7. 包装袋1m当りの切れ込み長さの合計が80mm/m以上である請求項4に記載の青果物用包装袋。
  8. 包装袋に存在する切れ込みの形状が、折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の中から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1または3に記載の青果物用包装袋。
  9. 包装袋当りの切れ込み数が2個/袋以上であり、包装袋1m当りの切れ込み数が5個/m以上である請求項8に記載の青果物用包装袋。
  10. 1個の切れ込み長さが3mm以上4mm未満であり、包装袋1m当りの切れ込みの数が10個/m以上である請求項8に記載の青果物用包装袋。
  11. 包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張弾性率が7100kg/cm以下である請求項1または2に記載の青果物用包装袋。
  12. 包装袋の有効表面積が0.03m以上、2m以下である請求項11に記載の青果物用包装袋。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の青果物用包装袋を用いて青果物を包装した青果物包装体。
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