JP2007290759A - 青果物用包装袋及び青果物包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 真空予冷にかけても青果物を包装している包装袋の破裂がなく、また包装袋にて包装した青果物が段ボールにて梱包された場合でも段ボール箱の破損がなく、かつ青果物の鮮度保持に適した青果物用の包装袋の提供を目的とする。
【解決手段】 青果物を包装後真空予冷に供される合成樹脂フィルムを含む包装袋であり、包装袋に1個以上の切れ込みがあり、包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が0.5mm以上35mm以下である青果物用包装袋である。更に好ましい形態としては、包装袋の切れ込みの形状が、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状のいずれかである青果物用包装袋である。
【選択図】なし
Description
また、特開2003−199490号公報では、再封入可能なプラスチック製ジッパーを有する有孔合成樹脂フィルムよりなる袋状の包装体に青果物を入れ、プラスチック製ジッパーを閉めた後排気可能な倉庫に入れ、大気圧より低圧の条件で10分以上放置し水分の蒸散により青果物の温度を下げることを特徴とする青果物の鮮度保持包装方法が記載されている。
さらに、特開平7−170907号公報では、包装する青果物重量に対し、総開口面積が0.4〜4.0mm2/kg、孔径とフィルム厚みの比(孔径/フィルム厚み)が3以上50以下となるように開口を設けた袋に、青果物を密封包装して真空予冷することを特徴とする青果物の鮮度保持方法が記載されている。
青果物は、農家毎に青果物を収穫後、計量、包装され、集荷場に持ち寄った後に真空予冷される、又は各農家が収穫した青果物を集荷場に持ち込んで、集荷場にて計量や包装を行った後に真空予冷されるなど、包装後に真空予冷されるのが一般的である。
更に好ましい形態としては、包装袋の切れ込みの形状が、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状のいずれかである青果物用包装袋である。
Y≧129.51×e−0.3178x (式1)(但し、Yは、整数である)
A1/B1+A2/B2+・・+An/Bn≧1 (式2)(但し、nは1以上の整数であり、Bnは切り込み長さがある長さの時、式1を満たすYの最小値であり、Anはその長さを持つ切り込みの個数である)
包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が5mm以上20mm以下であり、切れ込みの長さの合計が80mm/m2以上であり、包装袋に存在する切れ込みの形状が、折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の少なくとも1種以上である場合には、切れ込み数が2個/袋以上であり、切れ込み数が5個/m2以上であり、1個の切れ込みの長さが3mm以上4mm未満であり、切れ込みの数が10個/m2以上である青果物用包装袋である。
更に好ましい形態としては、包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張弾性率が7100kg/cm2以下であり、包装袋の有効表面積が0.03m2以上、2m2以下である青果物用包装袋である。
また、上記に記載の青果物用包装袋を用いて青果物を包装したことを特徴とする青果物包装体である。
合成樹脂フィルムの材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート或いはポリ乳酸などが挙げられる。これらの内いずれかの素材を単独あるいはラミネートして用いればよい。包装袋は、これらフィルムと金属箔、紙や不織布を貼り合わせた袋でも良い。これらの内、本発明の包装袋に用いるものとしては、コスト面で有利なポリプロピレンとポリエチレンが最も好ましい。さらに袋サイズが大きい集合包装用としては、作業性や製袋しやすさに加えて、切れ込みによる排気のしやすさの点から低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンフィルムが好ましく、店頭で実際に陳列される個包装用としては、見栄えが良い防曇加工したポリプロピレンフィルムが好ましい。
フィルムは、延伸加工、防曇加工や印刷を施してもよく、銀や銅などの無機系抗菌剤やキチン、キトサン、アリルイソチオシアネートなどの有機系抗菌剤を塗布或はフィルムに練りこんで用いても良い。
引張り弾性率が7100kg/cm2より大きい合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリ乳酸フィルム等があげられる。このフィルムには、切れ込み長さ2mm以上12mm以下の切れ込みを1個以上設けることが好ましい。2mm未満であれば、真空予冷時に包装袋が破裂する可能性があり、12mmを超えれば包装袋内の青果物が変色したり、軟化が進む可能性があり、青果物の鮮度保持にバラツキが見られる可能性がある。
Y≧129.51×e−0.3178x (式1)
但し、Yは、正の整数である。
A1/B1+A2/B2+・・+An/Bn≧1 (式2)
但し、nは1以上の整数であり、切り込み長さがある長さ(Xn)の時、Bnは式1を満たすYの最小値であり、Anはその長さを持つ切り込みの個数である。
この条件を満たさない場合、真空予冷にかけた際、包装袋は破れる可能性がある。さらに好ましい切れ込みの数は、Y≧241.19×e−0.3178X (式3)である。
フィルムの厚みが30μm以下の延伸したポリプロピレンフィルムを用いる場合は、この条件を満たすことが好ましい。
青果物の鮮度保持効果を得るために、切れ込みの数は、230個/m2以下であることが好ましい。
引張弾性率が7100kg/cm2以下のフィルムとしては、例えば、線状低密度ポリエチレンフィルム、未延伸のポリプロピレンフィルム(CPP)等が挙げられる。切れ込みの形状は、前述のとおり直線、折れ線などどのようなものでも差し支えない。
切れ込みの加工時期も、特に限定されない。フィルムの生産時に行っても良いし、製袋時、或は製袋後に行っても良い。ロールの状態で加工する場合は、印刷やスリットなどと同時並行して加工することもでき、横ピロー機や縦ピロー機などの自動包装機で青果物を包装する際に加工することもできる。また、切れ込みの加工は、手作業でも可能であり袋1枚でも容易に作製可能である。
なお、実施例にて用いたフィルムの材質の略称は次のものを表している。
OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム
CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム
LLDPE:線状低密度ポリエチレン
防曇加工を施した、厚さ0.03mmのOPP(引張弾性率34000kg/cm2)で内寸230×400mmの袋を作製した。この袋には、長さ10mmの直線の切れ込み3個をカッターナイフで入れた。この袋に、およそ200gのホウレンソウ(品温18℃)を入れて開口部をヒートシールで密封した。このホウレンソウの包装体を、表1の条件で40分間真空予冷にかけたが、包装体は破裂せず、品温が14℃まで低下した。
真空予冷にかけ、品温が低下した包装体を20℃のインキュベーターに入れて3日間保管した(n=3)。保管後ホウレンソウの品質評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2に示した条件の下で行った以外は実施例1と同様にして包装袋を製作し、青果物を包装して実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
防曇加工を施した、厚さ0.03mmのOPP(引張弾性率34000kg/cm2)で内寸190×350mmの袋を作製した。
この袋には、長さ2mmのV字(挟角60°)の切れ込み6個をV字型に加工した刃を押し当てて入れた。この袋に、およそ200gのホウレンソウ(品温18℃)を入れて開口部をヒートシールで密封した。このホウレンソウの包装体を、表1の条件で40分間真空予冷にかけたが、包装体は破裂せず、品温が14℃まで低下した。
真空予冷にかけ、品温が低下した包装体を20℃3日間保管した(n=3)。保管後ホウレンソウの品質評価を行った。評価結果を表3に示す。
表3に示した条件の下で行った以外は実施例21と同様にして包装袋を製作し、青果物を包装して実施例21と同様の評価を行った。ただし、大豆モヤシは、10℃で4日間保管した。評価結果を表3に示す。
防曇加工を施した、厚さ0.03mmのLLDPE(引張弾性率34000kg/cm2)で内寸1000×800mmの袋を作製した。
この袋には、長さ10mmの直線の切れ込み120個をカッターナイフで入れた。この袋に、およそ6000gのホウレンソウ(品温18℃)を入れて開口部をヒートシールで密封した。このホウレンソウの包装体を、表1の条件で40分間真空予冷にかけたが、包装体は破裂せず、品温が14℃まで低下した。
真空予冷にかけ、品温が低下した包装体を20℃3日間保管した(n=3)。保管後ホウレンソウの品質評価を行った。評価結果を表4に示す。
表4に示した条件の下で行った以外は実施例41と同様にして包装袋を製作し、青果物を包装して実施例41と同様の評価を行った。ただし、CPPの引張弾性率は6600kg/cm2であり、実施例48の切れ込みのV字(挟角120°、W=6.9mm、L=2mm、W/L=3.5)はカッターナイフで設けた。また、緑豆モヤシは、10℃で3日間保管した。評価結果を表4に示す。
表5に記載の内容で試験を行った。比較例に用いたフィルムの引張弾性率は、前記と同じものであり、切り込みの作成方法は前記と同じ方法である。包装袋の製作、青果物を入れた包装袋の評価は実施例1と同様である。評価結果を表5に示す。
また、比較例1、5、9、11及び12は、真空予冷の工程で包装袋が破裂したが、真空予冷を行わないで、実施例1と同条件で評価を行った結果は、比較例1及び2ではトロケが発生しており、比較例9では強烈な異臭とトロケが発生しており、比較例11及び12では異臭とトロケが発生した。
表6に記載の内容で試験を行った。包装袋の製作、青果物を入れた包装袋の評価は実施例1と同様である。評価結果を表6に示す。
Claims (13)
- 青果物を包装後真空予冷に供される合成樹脂フィルムを含む包装袋であり、包装袋に1個以上の切れ込みがあり、包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が0.5mm以上35mm以下であることを特徴とする青果物用包装袋。
- 包装袋の切れ込みの形状が、直線状、複数の直線からなる折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の中から選ばれるいずれか1種以上である請求項1に記載の青果物用包装袋。
- 包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張り弾性率が7100kg/cm2より大きく、前記包装袋に1個当りの切れ込み長さが2mm以上12mm以下のである切れ込みを1個以上有する請求項1または2に記載の青果物用包装袋。
- 切れ込みの形状が直線状であり、包装袋1m2当りの切れ込み長さの合計が38mm/m2以上である請求項3に記載の青果物用包装袋。
- 切れ込みの形状が直線状であり、切れ込み1個の長さをX(mm)、包装袋の表面積1m2当りの切れ込み数をY(個/m2)としたとき、(式1)と(式2)の条件を満たす請求項3または4に記載の青果物用包装袋。
Y≧129.51×e−0.3178x (式1)
但し、Yは、整数である。
A1/B1+A2/B2+・・+An/Bn≧1 (式2)
但し、nは1以上の整数であり、Bnは切り込み長さがある長さの時、式1を満たすYの最小値であり、Anはその長さを持つ切り込みの個数である。 - 包装される青果物100gあたりの切れ込み長さの合計が5mm以上20mm以下である請求項1、3または4に記載の青果物用包装袋。
- 包装袋1m2当りの切れ込み長さの合計が80mm/m2以上である請求項4に記載の青果物用包装袋。
- 包装袋に存在する切れ込みの形状が、折れ線状、曲線状、直線と曲線が混在する形状の中から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1または3に記載の青果物用包装袋。
- 包装袋当りの切れ込み数が2個/袋以上であり、包装袋1m2当りの切れ込み数が5個/m2以上である請求項8に記載の青果物用包装袋。
- 1個の切れ込み長さが3mm以上4mm未満であり、包装袋1m2当りの切れ込みの数が10個/m2以上である請求項8に記載の青果物用包装袋。
- 包装袋に用いる合成樹脂フィルムの引張弾性率が7100kg/cm2以下である請求項1または2に記載の青果物用包装袋。
- 包装袋の有効表面積が0.03m2以上、2m2以下である請求項11に記載の青果物用包装袋。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の青果物用包装袋を用いて青果物を包装した青果物包装体。
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