JP2005126095A - 鮮度保持包装袋及び鮮度保持包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塩味の付いた生の青果物を、鮮度を保ったまま長期間保存し、長期間保存しても青果物は変色せず、かつ長期間保存した青果物を食する際には、青果物の食味の低下がない塩味が付いた青果物の鮮度保持包装袋を提供する。
【解決手段】 青果物を食塩水に浸漬した後、包装袋に入れて包装した包装体において、青果物を浸漬する食塩水の濃度が1〜25%であり、密封して24時間後の包装体の酸素濃度が0.2〜15%、二酸化炭素濃度が6〜22%である鮮度保持包装袋である。
【解決手段】 青果物を食塩水に浸漬した後、包装袋に入れて包装した包装体において、青果物を浸漬する食塩水の濃度が1〜25%であり、密封して24時間後の包装体の酸素濃度が0.2〜15%、二酸化炭素濃度が6〜22%である鮮度保持包装袋である。
Description
本発明は、塩味が付いた青果物の鮮度保持包装袋及びそれを用いた鮮度保持包装体に関するものである。
近年青果物の販売において裸で売るよりもフィルム包装されつつある。単に包むだけでなく密封包装し、MA(Modified Atomosphere)効果を有する青果物鮮度保持資材が開発され、萎れ、変色、腐敗、異臭による鮮度低下を防止できるため主に流通用に使用されている。
従来、味付きでない生の枝豆を鮮度保持する包装体(例えば、特許文献1参照)があるが塩味は付いていない。このため、加熱後に消費者が塩を添加しなければならない手間があった。さらに、塩味を付けた冷凍枝豆(例えば、特許文献2参照)があるが生の枝豆ではない。
それは、通常温度での保存が難しいためである。さらにカットリンゴの様に切断した青果物を塩水に付けるという方法(例えば、特許文献3参照)があるが、カット面の変色防止が目的であり、味に影響しないように塩分濃度は0.5重量%と低く設定されている。また、キュウリや茄子の漬物いわゆる浅漬けとは異なり、漬物は食感(歯応え)と塩分のバランスが大事であるのに対し、本発明の青果物は保存した後に加熱して食する青果物が対象であり、鮮度が良ければ糖含量を保持して青果物が甘く、その甘さと塩分のバランスが大事である。従って、青果物に事前に塩味を施し、生の状態で青果物を鮮度保持する包装袋は存在しなかった。
特開平6−125696号公報
特開平6−327399号公報
特開平6−245696号公報
従来、味付きでない生の枝豆を鮮度保持する包装体(例えば、特許文献1参照)があるが塩味は付いていない。このため、加熱後に消費者が塩を添加しなければならない手間があった。さらに、塩味を付けた冷凍枝豆(例えば、特許文献2参照)があるが生の枝豆ではない。
それは、通常温度での保存が難しいためである。さらにカットリンゴの様に切断した青果物を塩水に付けるという方法(例えば、特許文献3参照)があるが、カット面の変色防止が目的であり、味に影響しないように塩分濃度は0.5重量%と低く設定されている。また、キュウリや茄子の漬物いわゆる浅漬けとは異なり、漬物は食感(歯応え)と塩分のバランスが大事であるのに対し、本発明の青果物は保存した後に加熱して食する青果物が対象であり、鮮度が良ければ糖含量を保持して青果物が甘く、その甘さと塩分のバランスが大事である。従って、青果物に事前に塩味を施し、生の状態で青果物を鮮度保持する包装袋は存在しなかった。
塩味の付いた生の青果物を、鮮度を保ったまま長期間保存し、長期間保存しても青果物は変色せず、かつ長期間保存した青果物を食する際には、青果物の食味の低下がない塩味が付いた青果物の鮮度保持包装袋を提供する。
すなわち本発明は、
(1)青果物を食塩水に浸漬した後、前記青果物を袋に入れて包装する包装袋において、前記青果物を浸漬する前記食塩水の濃度が1〜25%であり、前記青果物を前記包装袋に入れて密封し、24時間後の前記包装袋内の酸素濃度が0.2〜15%、二酸化炭素濃度が6〜22%である鮮度保持包装袋である。
更に好ましい形態としては、
(2)包装袋が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、防湿セロハン、ポリエチレンテレフタレートの中から選ばれる少なくとも1種又はその組合せ、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体との組合せである(1)記載の鮮度保持包装袋。
(3)包装袋の酸素透過量が100〜250000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量が300〜500000cc/m2・day・atmである(1)記載の鮮度保持包袋。
(4)包装袋の厚みが20〜50μmであり、開孔面積0.6mm2以下の穴、キズを1個以上設けた(1)記載の鮮度保持包装袋。
(5)青果物が、枝豆、そら豆、インゲンなどの豆類、皮剥きとうもろこし、ブロッコリー、アスパラガスなどの果菜類の中から選ばれる1種又は2種以上の混合である(1)記載の鮮度保持包装袋。
(6)青果物が、オゾン、電解水、ジア塩素酸ナトリウム水溶液の中から選ばれる1種以上を用いて洗浄し、脱水処理した後に包装される(1)記載の鮮度保持包装袋。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の鮮度保持包装袋を用いて青果物を包装し、前記鮮度保持包装袋の口を密封することを特徴とする鮮度保持包装体。
(8)包装体の密封方式が、ヒートシール、ジッパー、バッグシール、輪ゴム結束の中から選ばれる1種であり、包装体の電子レンジ加熱時には開封する(7)記載の鮮度保持包装体。
(9)包装体の有効表面積が0.01〜1.5m2であり、包装体のヘッドスペースが内容物重量の2〜5倍である(7)記載の鮮度保持包装体。
(10)包装体の保存温度が20℃以下である(7)記載の鮮度保持包装体である。
(1)青果物を食塩水に浸漬した後、前記青果物を袋に入れて包装する包装袋において、前記青果物を浸漬する前記食塩水の濃度が1〜25%であり、前記青果物を前記包装袋に入れて密封し、24時間後の前記包装袋内の酸素濃度が0.2〜15%、二酸化炭素濃度が6〜22%である鮮度保持包装袋である。
更に好ましい形態としては、
(2)包装袋が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、防湿セロハン、ポリエチレンテレフタレートの中から選ばれる少なくとも1種又はその組合せ、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体との組合せである(1)記載の鮮度保持包装袋。
(3)包装袋の酸素透過量が100〜250000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量が300〜500000cc/m2・day・atmである(1)記載の鮮度保持包袋。
(4)包装袋の厚みが20〜50μmであり、開孔面積0.6mm2以下の穴、キズを1個以上設けた(1)記載の鮮度保持包装袋。
(5)青果物が、枝豆、そら豆、インゲンなどの豆類、皮剥きとうもろこし、ブロッコリー、アスパラガスなどの果菜類の中から選ばれる1種又は2種以上の混合である(1)記載の鮮度保持包装袋。
(6)青果物が、オゾン、電解水、ジア塩素酸ナトリウム水溶液の中から選ばれる1種以上を用いて洗浄し、脱水処理した後に包装される(1)記載の鮮度保持包装袋。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の鮮度保持包装袋を用いて青果物を包装し、前記鮮度保持包装袋の口を密封することを特徴とする鮮度保持包装体。
(8)包装体の密封方式が、ヒートシール、ジッパー、バッグシール、輪ゴム結束の中から選ばれる1種であり、包装体の電子レンジ加熱時には開封する(7)記載の鮮度保持包装体。
(9)包装体の有効表面積が0.01〜1.5m2であり、包装体のヘッドスペースが内容物重量の2〜5倍である(7)記載の鮮度保持包装体。
(10)包装体の保存温度が20℃以下である(7)記載の鮮度保持包装体である。
本発明に従うと、塩水に浸漬された青果物の鮮度を保つことができ、従って、青果物本来の甘味を保持でき、且つ変色も防止でき、食する時には塩味が付いているので、袋を開封して直ちに食する、又は調理することができる。更に塩水に浸漬する前に洗浄工程を入れることによりより衛生的な青果物を提供することができる。浸漬する塩分濃度により、青果物の甘味と塩分のバランスの良さを提供でき、食味の優れた青果物を提供できる。
塩分濃度は、低すぎると食味で味を感じないし、高すぎると保存中に青果物から水分が抜けてしなびてしまうし、保存中に青果物の塩焼けを引き起こし、また、冷凍品とは異なり包装袋内の青果物は呼吸している為、適正なガス透過性フィルムで包装し呼吸を抑制して鮮度保持しなければ、呼吸促進による成分低下で糖分の減少による食味低下や、皮、莢、軸、花蕾の葉緑素が減少しいわゆる変色を引き起こし販売できないし、一方、酸素欠乏では嫌気呼吸によるエタノール、アセトアルデヒドを発生し商品性の低下を引き起こしてしまうことを見出した。
本発明は、青果物を食塩水に漬けた後脱水し、包装袋に密封して24時間後の包装体の酸素濃度を0.2〜15%、二酸化炭素濃度を6〜22%にする包装袋である。より好ましくは、酸素濃度を3〜11%、二酸化炭素濃度を10〜20%にする包装袋である。酸素濃度が0.2%未満では、酸素欠乏による嫌気臭(エタノール、アセトアルデヒドなど)を発生し、また15%を超えると呼吸を抑制できずに、糖の低下や変色を引き起こす。また、二酸化炭素濃度が6%未満では、呼吸を抑制できず、22%を超えると嫌気臭を発生する。
本発明は、青果物を食塩水に漬けた後脱水し、包装袋に密封して24時間後の包装体の酸素濃度を0.2〜15%、二酸化炭素濃度を6〜22%にする包装袋である。より好ましくは、酸素濃度を3〜11%、二酸化炭素濃度を10〜20%にする包装袋である。酸素濃度が0.2%未満では、酸素欠乏による嫌気臭(エタノール、アセトアルデヒドなど)を発生し、また15%を超えると呼吸を抑制できずに、糖の低下や変色を引き起こす。また、二酸化炭素濃度が6%未満では、呼吸を抑制できず、22%を超えると嫌気臭を発生する。
青果物を浸漬するのに用いられる食塩水の食塩としては、市販されている食塩で何ら構わない。塩化ナトリウムだけでなく、マグネシウムなどミネラル分が含まれていても構わない。また、水は、水道水など塩素処理した水など衛生上問題なければどのような水を用いても構わない。浸漬後は、脱水処理した方が良い。それは、水が残ったままパックすると青果物の組織に水が浸潤し、軟腐する危険性があるためである。何度も同じ食塩水を使用すると塩分濃度が低下するばかりか、徐々に水槽に汚れが残るため、適宜交換することが望ましい。
青果物を浸漬する食塩水の濃度は、特に限定されないが、例えば、1%〜25%が良い。1%未満では、食味で塩味がしないし、25%を超えると塩味が強すぎて食味を損なうばかりか、青果物に付着した塩分が青果物から水分を奪い、萎れによる見栄えの低下、さらには塩焼けによる変色を引き起こす。
青果物の食塩水への浸漬条件は、特に制限されないが、例えば、食塩水は10℃以下で24時間以内が好ましい。この条件により青果物に塩味がより好ましく付き、塩味の付いた青果物の長期間の保存により効果がある。
青果物の食塩水への浸漬条件は、特に制限されないが、例えば、食塩水は10℃以下で24時間以内が好ましい。この条件により青果物に塩味がより好ましく付き、塩味の付いた青果物の長期間の保存により効果がある。
本発明に用いられる包装袋の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、防湿セロハン、ポリエチレンテレフタレートの中から選ばれる少なくとも1種又はその組合せ、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体との組合せがある。包装袋の包装形態は、例えば、三方シール袋、溶断シール袋、合掌背張り、スタンディングパウチ、容器にトップシールをした形態などがある。また、これらフィルムには陳列時の見栄えの為防曇処理が施されていることが望ましく、防曇剤は衛生上問題なければどんなものでも良く、表面に塗布しても、練りこんでも良い。
包装袋の酸素透過量及び二酸化炭素透過量は、特に限定されないが、例えば、酸素透過量は、100〜250000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量は300〜500000cc/m2・day・atmである。酸素透過量が100cc未満では嫌気臭を発生し、250000ccを超えると透過量が高過ぎて包装体内の酸素濃度が呼吸を抑制できずに糖の低下や、変色を起こす可能性がある。二酸化炭素透過量は、300cc未満では同様に糖の低下や、変色を起こし、500000ccを超えると嫌気臭を発生する可能性がある。
包装袋のシール部分を除いた袋の有効表面積は、特に限定されないが、例えば、0.01〜1.5m2であり、有効表面積は0.01m2以下では、内容物を充分収納でないし、1.5m2を超えると内容物が入りすぎて大袋としては重くなりすぎる可能性がある。
包装袋のヘッドスペースすなわち包装体内の青果物を除いた空間の体積は、特に限定されないが、例えば、内容物重量(内容物の比重を1とする)の2〜5倍が良い。内容物重量の2倍未満では、袋と青果物に殆ど隙間が無い状態であり、青果物を入れ難いし、5倍を超えると24時間以内に酸素濃度、二酸化炭素濃度が所定の濃度に達するのが遅く、呼吸の抑制が遅れ、その結果鮮度保持日数が短くなる可能性がある。
包装袋のシール部分を除いた袋の有効表面積は、特に限定されないが、例えば、0.01〜1.5m2であり、有効表面積は0.01m2以下では、内容物を充分収納でないし、1.5m2を超えると内容物が入りすぎて大袋としては重くなりすぎる可能性がある。
包装袋のヘッドスペースすなわち包装体内の青果物を除いた空間の体積は、特に限定されないが、例えば、内容物重量(内容物の比重を1とする)の2〜5倍が良い。内容物重量の2倍未満では、袋と青果物に殆ど隙間が無い状態であり、青果物を入れ難いし、5倍を超えると24時間以内に酸素濃度、二酸化炭素濃度が所定の濃度に達するのが遅く、呼吸の抑制が遅れ、その結果鮮度保持日数が短くなる可能性がある。
包装袋の厚みは、特に限定されないが、例えば、20〜50μmであり、フィルムの厚みが20μm未満では強度が不足し、50μmを超えると青果物用の鮮度保持に必要なガス透過量が不足し、キズ、微細孔の調整が難しく、包装コストも高くなる可能性がある。
フィルムの厚さによりガス透過性を調整することも出来るが、様々な種類の品種、温度帯で呼吸の異なる青果物に合せる為には、キズや微細孔などの加工が必要である。青果物の呼吸を抑制するために、袋内の酸素濃度が大気中よりも低く、二酸化炭素濃度が高くなるように適度なガス透過性を有することが好ましい。
包装袋には、酸素などの透過量調節のため、キズ、微細孔などの処理が施されていることが好ましい。特に限定されないが、例えば、開孔面積0.6mm2以下の孔、キズを1個以上設けることが好ましい。キズ、微細孔など開孔面積は0.6mm2以下が好ましく、それを超えるとガス透過量が多すぎて調整が難しくなる可能性がある。また形状は、特に制限されず、フィルムを部分的に薄くする為のキズや円、長円、角など各種計上の穴でも良い。穴加工の方法は、例えば、レーザー、熱針などを用いて穴をあけることができ、その方法は特に限定されず、公知の方法を用いることが出来る。また、シールで塞がない位置ならば胴材、底材どちらに加工を施しても構わない。
フィルムの厚さによりガス透過性を調整することも出来るが、様々な種類の品種、温度帯で呼吸の異なる青果物に合せる為には、キズや微細孔などの加工が必要である。青果物の呼吸を抑制するために、袋内の酸素濃度が大気中よりも低く、二酸化炭素濃度が高くなるように適度なガス透過性を有することが好ましい。
包装袋には、酸素などの透過量調節のため、キズ、微細孔などの処理が施されていることが好ましい。特に限定されないが、例えば、開孔面積0.6mm2以下の孔、キズを1個以上設けることが好ましい。キズ、微細孔など開孔面積は0.6mm2以下が好ましく、それを超えるとガス透過量が多すぎて調整が難しくなる可能性がある。また形状は、特に制限されず、フィルムを部分的に薄くする為のキズや円、長円、角など各種計上の穴でも良い。穴加工の方法は、例えば、レーザー、熱針などを用いて穴をあけることができ、その方法は特に限定されず、公知の方法を用いることが出来る。また、シールで塞がない位置ならば胴材、底材どちらに加工を施しても構わない。
青果物は、枝豆、そら豆、インゲンなどの豆類、皮剥きとうもろこし、ブロッコリー、
アスパラガスなどの果菜類の中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の混合物であることが良い。これらの青果物は、加熱調理した場合、鮮度が良いときには甘味があり、適度な塩分の存在で美味しさが増すが、鮮度が悪いときには甘味が感じられない。
アスパラガスなどの果菜類の中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の混合物であることが良い。これらの青果物は、加熱調理した場合、鮮度が良いときには甘味があり、適度な塩分の存在で美味しさが増すが、鮮度が悪いときには甘味が感じられない。
青果物は、塩水に浸漬する前に、除菌のためオゾン、電解水、ジア塩素酸ナトリウムの中から選ばれる1種以上を用いて洗浄することが好ましい。洗浄することで軟腐の原因となる微生物の数を減らすことが出来る可能性がある。また、食塩水に浸漬し、脱水処理した後に包装することが良い。脱水処理しなければ青果物から徐々に水が出てきて袋に溜まり腐敗の原因となる可能性がある。
本発明の包装袋に、食塩水に浸漬した後脱水した青果物を包装し、包装袋の口を密封して包装体を製作する方法は公知の方法を用いることができる。包装袋は、萎れを防ぎ、低酸素、高二酸化炭素状態にする必要があるため、青果物を包装後、口を密封した方が良い。その密封方式は、ヒートシール、ジッパー、バッグシール、輪ゴム結束であり、できれば電子レンジで加熱する前に開封して置くことが好ましい。糊やセロテープで留めることは、密封性にばらつきがあるため品質のばらつきが生じ、また外れやすいため内容物が飛び出すことがある。お湯で茹でて調理する方法では、塩分がお湯に溶け出し、塩味が薄まりやすいため好ましくない。
食塩水に浸漬した青果物を包装した包装体の保存温度は、20℃以下が好ましい。温度が高いと呼吸による糖の低下が早く、また除菌した微生物の増殖が早くなる危険性がある。
《実施例1》
150ppmジア塩素酸ナトリウム水溶液で30秒枝豆を洗浄し、さらに水道水で洗浄し、脱水機に掛けて水気を切った枝豆300gを3%食塩水1Lに5時間浸漬して、その後脱水して25μmの延伸ポリプロピレン製の袋サイズ160×230mmで0.002mm2の孔を60個開けた溶断シール袋に、枝豆を入れ、開口部をヒートシールして密封包装した(酸素透過量:120000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量:123000cc/m2・day・atm、ヘッドスペース:660cc)。20℃で3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は4%、二酸化炭素濃度は18%で莢の変色も無く、嫌気臭の発生も無かった。その後電子レンジで5分間加熱したところ、食味は良好であった。
《実施例2、3及び比較例1〜3》
実施例1の食塩水濃度、浸漬時間だけを変え、後は実施例1と同様にして評価した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
150ppmジア塩素酸ナトリウム水溶液で30秒枝豆を洗浄し、さらに水道水で洗浄し、脱水機に掛けて水気を切った枝豆300gを3%食塩水1Lに5時間浸漬して、その後脱水して25μmの延伸ポリプロピレン製の袋サイズ160×230mmで0.002mm2の孔を60個開けた溶断シール袋に、枝豆を入れ、開口部をヒートシールして密封包装した(酸素透過量:120000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量:123000cc/m2・day・atm、ヘッドスペース:660cc)。20℃で3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は4%、二酸化炭素濃度は18%で莢の変色も無く、嫌気臭の発生も無かった。その後電子レンジで5分間加熱したところ、食味は良好であった。
《実施例2、3及び比較例1〜3》
実施例1の食塩水濃度、浸漬時間だけを変え、後は実施例1と同様にして評価した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
《比較例4》
実施例1の枝豆を洗浄せずに、食塩水に浸漬し、同様に脱水、袋に包装して保存した。
24時間後の酸素濃度は0%、二酸化炭素濃度は25%であり、枝豆が軟腐し、軟腐臭が発生していた。食味は異味のため美味しくなかった。
《比較例5》
実施例1で開口部を密封せずに保存した。24時間後の酸素濃度は21%、二酸化炭素濃度は0%で、2日目に莢が萎れ、食味は甘味がなく美味しくなかった。
《比較例6》
実施例1で保存温度を25℃とした。24時間後の酸素濃度は0%、二酸化炭素濃度は27%で、3日目に莢が軟腐して、食味は実施しなかった。
実施例1の枝豆を洗浄せずに、食塩水に浸漬し、同様に脱水、袋に包装して保存した。
24時間後の酸素濃度は0%、二酸化炭素濃度は25%であり、枝豆が軟腐し、軟腐臭が発生していた。食味は異味のため美味しくなかった。
《比較例5》
実施例1で開口部を密封せずに保存した。24時間後の酸素濃度は21%、二酸化炭素濃度は0%で、2日目に莢が萎れ、食味は甘味がなく美味しくなかった。
《比較例6》
実施例1で保存温度を25℃とした。24時間後の酸素濃度は0%、二酸化炭素濃度は27%で、3日目に莢が軟腐して、食味は実施しなかった。
《実施例4》
実施例1の枝豆の食塩水浸漬、酸素透過量は変えずに、袋サイズが250×250mmのものを用いた。この場合のヘッドスペースは1400ccであった。
《比較例7》
実施例1の枝豆の食塩水浸漬、酸素透過量は変えずに、袋サイズが300×300mmのものを用いた。この場合のヘッドスペースは2000ccであった。
実施例1及び4、比較例7のそれぞれ24時間後の酸素濃度、二酸化炭素濃度、保存試験結果などを表2に示した。
実施例1の枝豆の食塩水浸漬、酸素透過量は変えずに、袋サイズが250×250mmのものを用いた。この場合のヘッドスペースは1400ccであった。
《比較例7》
実施例1の枝豆の食塩水浸漬、酸素透過量は変えずに、袋サイズが300×300mmのものを用いた。この場合のヘッドスペースは2000ccであった。
実施例1及び4、比較例7のそれぞれ24時間後の酸素濃度、二酸化炭素濃度、保存試験結果などを表2に示した。
《実施例5》
皮と毛を取り除いたとうもろこし2本(600g)を、有効塩素濃度5ppmの強酸性電海水で30秒を洗浄し、さらに水道水で洗浄し、脱水機に掛けて水気を切って3%食塩水5Lに20時間浸漬して、その後脱水した。15μmの二軸延伸6−ナイロンフィルムと20μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は20重量%のものを使用した。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体には、ジグリセリンモノオレートとジグリセリンモノステアレートを7:3の混合物を95重量%以上含有する界面活性剤を0.7重量%添加した袋サイズ200×400mmで0.5mm2の孔を1個開けた溶断シール袋にとうもろこしを入れ、開口部を輪ゴムで結束して密封包装した(酸素透過量:170000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量:175000cc/m2・day・atm、ヘッドスペース:1500cc)。15℃で3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は7%、二酸化炭素濃度は14%で変色も無く、輪ゴムを外しても嫌気臭の発生も無かった。その後電子レンジで5分間加熱した所、食味は良好であった。
《実施例6》
実施例5のとうもろこしを、洗浄せずに、同様の塩水、袋に入れ、10℃に3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は6%、二酸化炭素濃度14%で変色も無く輪ゴムを外しても嫌気臭の発生も無かった。その後電子レンジで5分間加熱した所、食味は良好であった。
皮と毛を取り除いたとうもろこし2本(600g)を、有効塩素濃度5ppmの強酸性電海水で30秒を洗浄し、さらに水道水で洗浄し、脱水機に掛けて水気を切って3%食塩水5Lに20時間浸漬して、その後脱水した。15μmの二軸延伸6−ナイロンフィルムと20μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は20重量%のものを使用した。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体には、ジグリセリンモノオレートとジグリセリンモノステアレートを7:3の混合物を95重量%以上含有する界面活性剤を0.7重量%添加した袋サイズ200×400mmで0.5mm2の孔を1個開けた溶断シール袋にとうもろこしを入れ、開口部を輪ゴムで結束して密封包装した(酸素透過量:170000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量:175000cc/m2・day・atm、ヘッドスペース:1500cc)。15℃で3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は7%、二酸化炭素濃度は14%で変色も無く、輪ゴムを外しても嫌気臭の発生も無かった。その後電子レンジで5分間加熱した所、食味は良好であった。
《実施例6》
実施例5のとうもろこしを、洗浄せずに、同様の塩水、袋に入れ、10℃に3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は6%、二酸化炭素濃度14%で変色も無く輪ゴムを外しても嫌気臭の発生も無かった。その後電子レンジで5分間加熱した所、食味は良好であった。
《比較例8》
実施例5の袋において、袋の孔を0.8mm2に変更した以外は実施例5と同様にし、袋にとうもろこしを入れ、開口部を輪ゴムで結束した(酸素透過量:260000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量:270000cc/m2・day・atm、ヘッドスペース:1500cc)。15℃で3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は18%、二酸化炭素濃度は4%で軸が茶色に変色した。輪ゴムを外すと嫌気臭の発生は無かった。その後電子レンジで5分加熱したところ、食味は甘味がなく美味しくなかった。
実施例5の袋において、袋の孔を0.8mm2に変更した以外は実施例5と同様にし、袋にとうもろこしを入れ、開口部を輪ゴムで結束した(酸素透過量:260000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量:270000cc/m2・day・atm、ヘッドスペース:1500cc)。15℃で3日間保存した所、24時間後の酸素濃度は18%、二酸化炭素濃度は4%で軸が茶色に変色した。輪ゴムを外すと嫌気臭の発生は無かった。その後電子レンジで5分加熱したところ、食味は甘味がなく美味しくなかった。
本発明は、塩味の付いた青果物の包装に利用でき、鮮度を保ったまま消費者に青果物を提供することができる。
Claims (10)
- 青果物を食塩水に浸漬した後、前記青果物を袋に入れて包装する包装袋において、前記青果物を浸漬する前記食塩水の濃度が1〜25%であり、前記青果物を前記包装袋に入れて密封し、24時間後の前記包装袋内の酸素濃度が0.2〜15%、二酸化炭素濃度が6〜22%であることを特徴とする鮮度保持包装袋。
- 包装袋が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、防湿セロハン、ポリエチレンテレフタレートの中から選ばれる1種又はこれらの組合せ、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体との組合せである請求項1記載の鮮度保持包装袋。
- 包装袋の酸素透過量が100〜250000cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過量が300〜500000cc/m2・day・atmである請求項1記載の鮮度保持包袋。
- 包装袋の厚みが20〜50μmであり、開孔面積が0.6mm2以下の穴及び/又はキズを1個以上設けた請求項1記載の鮮度保持包装袋。
- 青果物が、枝豆、そら豆、インゲンなどの豆類、とうもろこし、ブロッコリー、アスパラガスなどの果菜類の中から選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項1記載の鮮度保持包装袋。
- 青果物を食塩水に浸漬する前に、オゾン、電解水、ジア塩素酸ナトリウム水溶液の中から選ばれる1種以上を用いて洗浄する請求項1記載の鮮度保持包装袋。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の鮮度保持包装袋を用いて青果物を包装し、前記鮮度保持包装袋の口を密封することを特徴とする鮮度保持包装体。
- 包装体の密封方式が、ヒートシール、ジッパー、バッグシール、輪ゴム結束の中から選ばれる1種である請求項7記載の鮮度保持包装体。
- 包装体の有効表面積が0.01〜1.5m2であり、包装体のヘッドスペースが内容物重量の2〜5倍である請求項7記載の鮮度保持包装体。
- 包装体の保存温度が22℃以下である請求項7記載の鮮度保持包装体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2018172176A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-08 | 住友ベークライト株式会社 | 青果物鮮度保持容器、青果物入り包装体、及び青果物の貯蔵方法 |
-
2003
- 2003-10-22 JP JP2003362365A patent/JP2005126095A/ja active Pending
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