JPH0411860A - 包装スライスリンゴ等の製造法 - Google Patents

包装スライスリンゴ等の製造法

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JPH0411860A
JPH0411860A JP2112534A JP11253490A JPH0411860A JP H0411860 A JPH0411860 A JP H0411860A JP 2112534 A JP2112534 A JP 2112534A JP 11253490 A JP11253490 A JP 11253490A JP H0411860 A JPH0411860 A JP H0411860A
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洋一 深井
Tetsujiro Matsuhashi
松橋 鉄治郎
Tsunetomo Matsuzawa
恒友 松澤
Kazuo Sato
一雄 佐藤
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Naganoken Nosonkogyo Research Institute
Nagano Ken Noson Kogyo Research Institute
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Naganoken Nosonkogyo Research Institute
Nagano Ken Noson Kogyo Research Institute
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 0産業上の利用分野 本発明は、消費者がナイフを用いることなく食すること
ができるリンゴを生鮮な状態で供給する、包装スライス
リンゴの製造方法に関するものである。
0発明の背景と従来の技術 リンゴは大衆に愛好される果物で持ち運びも便利である
。しかし、みかんのように素手で皮を剥くことができず
、また1個の大きさが小食化傾向の消費者にとってや−
もで余し気味となる消費上の欠点がある。また、生鮮果
実を割截したり、剥皮すると、自然酸化によって短時間
のうちに褐変し、食品的価値を失うことは日常よく経験
される事実である。細切リンゴを食塩水に浸漬する家庭
段階の品質保持方法は、褐変の進行をある程度抑制する
が、気慰め程度の効果でしかない。
一方、各種食品の品質保持方法として、ポリエチレン等
のフィルム包装や、KOP等の包材による真空包装、あ
るいは窒素置換フィルム包装が広く採用されているが、
リンゴ細片に適用した場合には期待した品質保持効果は
得られていない。
このようなリンゴの特性と既存品質保持技術の限界性と
により、スライスリンゴの適切な加工方法、品質保持技
術は、従来知られていなかった。
(従来技術) 青果物またはそのカット加工品等の貯蔵ないしは品質保
持の方法については、見かけ上もしくは部分的に本発明
と類似する技法がいくつが知られている。しかし、「加
工青果物」の新概念に基づいて鋭意研究された本発明の
技術的思想とは、いずれも根底から相異なる。念のため
疑似的技術を精査すると次のようである。
(1)青果物(無加工品)の貯蔵技術として従来一般に
知られている方法の一つは、いわゆるCA貯蔵である。
その趣旨は、酸素濃度10%以下、二酸化炭素濃度1〜
10%、相対湿度80%以上のガス組成の雰囲気内に青
果物を貯蔵するもので、無酸素状態の雰囲気を造成する
ものでない。別の一法は、いわゆる減圧貯蔵で、貯蔵室
内をわずかに減圧状態にすることにより、青果物から生
成されるエチレンの拡散を助長しようとするもので、酸
素分圧を低下するだけで酸素除去やエチレン除去の技法
ではない。
これらの改良技術とされる「青果物等の貯蔵方法」 (
特許出願公開、昭64−85038)は、部分的に窒素
ガスを補給したり、わずかな減圧状態に導くことなどを
特徴とはするが、貯蔵庫の雰囲気ガスと七で、空気(酸
素)、二酸化炭素、窒素あるいはエチレンを一定水準に
保ち、それらの存在を肯定的に認めている。
(2)包装容器内に青果物とエチレン除去剤を共存させ
て青果物の鮮度保持を図る方法(特許出願公開、平]−
211446:青果物の追熟・老化防止法)は、容器内
のエチレン濃度を相対的に低下させる技法であって、空
気成分を除去した条件下の青果物貯蔵法ではなく、また
窒素ガス置換という技術的思想の方法でもない。
(3)カット野菜のフィルム包装を機械的に簡易化した
技術は、カット野菜切断面の褐変や、エタノールなどの
異臭発生を抑止することを意図している−(特許出願公
開、昭64−34237:カツト野菜自動脱気包装装置
)−が、ガス透過性プラスチックフィルムの使用を前場
条件とする。それゆえ、脱気操作を施しても、無酸素状
態を造成する技術ではない。
(4)目的物の包装技術とは無関係に、カットした植物
部分を一定の化学組成からなる水溶液に浸漬処理するこ
とにより、目的物の貯蔵寿命を延長しようとする技術が
ある(特許出願公開、平1160451)。この化学的
処理は「アスコルビン酸に代表される抗酸化剤、クエン
酸に代表される酸剤、酸性ピロリン酸ナトリウムに代表
されるアルカリ金属酸性ポリリン酸塩(金属イオン封鎖
剤)、および塩化カルシウムに代表される無機クロリド
酵素阻害剤」の4種類の化合物を一つに配合した水溶液
にカットしたリンゴなどを短時間浸漬処理するだけの技
術である。これに対して本発明者の知見によれば、この
ような化学的処理はリンゴの褐変防止には有効であるが
、この処理だけによって2〜3日以上リンゴを生鮮状態
に保持することは至難で、むしろ半乾燥晶化することを
免れない。
(5)一種の果実ゼリーの製造において、果実の前処理
としてアスコルビン酸などの有機酸水溶液に浸漬し、別
途に調整したゼリー液とともに包装容器に密封する方法
がある。この場合丸果実だけでなく、剥皮した果実、カ
ットした果実にも本性が適用されるとして、「手で剥皮
した夏みかん」および、「剥皮、輪切りしたキウィフル
ーツ」についての2実施例が示されているが、カットも
しくはスライスしたリンゴについての適用性は全く示さ
れていない(特許出願公開、平2−27953)。
また、酸素バリヤー性包装容器に果実とゼリー液とを封
入する技法も付加されているが、脱気、その他の技術的
操作は含まれていない。
(6)青果物の中でも品痛みしやすいサクランボについ
て、エチレン吸収剤を使用し、ガスバリヤ−性フィルム
包装した後、一定の温度処理を行う「サクランボの保存
方法」 (特許出願公開、昭63−112944)があ
る。このサクランボの保存方法においては、包装容器内
の酸度濃度を1〜15%に保持することを技術的な特徴
としており、真空操作や窒素充填を行うものではない。
(7)さらに、「新鮮な果実片の貯蔵法」 (特許出願
公開、昭64−20056)として、ガスバリヤ−性容
器に密封する方法がある。この方法は、目的の果実片か
ら二酸化炭素の発生を促すなどの独自の生化学反応的理
論を技術的な背景としており、容器内の酸素の混在を肯
定視するものである。
したがって必ずしも、真空操作や窒素充填を行わないが
、二酸化炭素や酸素との共存下で窒素やヘリウムなどの
不活性ガスを混在させる包装技術も含まれるものとして
いる。
以上を要するに、見かけ上、または部分的に類似する先
行技術があるとしても、それらはいずれも、ある程度の
濃度水準で酸素、二酸化炭素、エチレン等のガス体の存
在を積極的ないしは肯定的に認める方法、技術であり、
窒素以外のこれらのガス体を極力拝除する(実用的にぜ
口にする)本発明の思想とは根底から異なる。
また、本発明のように、全国形分濃度1%未満の希薄水
溶液によるリンゴ細片の浸漬処理、並びに、そのような
化学的な還元処理と、物理的機械的な還元的雰囲気の造
成とを組み合わせたスライスリンゴの加工包装方法は他
に見出されない。
0発明が解決しようとする課題 スライスリンゴの褐変防止法として食塩水浸漬処理の効
果が微弱なことは前述したとおりである。
本発明者らは、アスコルビン酸(別称、ビタミンC)水
溶液浸漬処理、およびアスコルビン酸のほか数種の品質
保持的食品添加物からなる混合水溶液浸漬処理が、スラ
イスリンゴの褐変防止に有効なことを見出したが、この
ような薬液浸漬処理による効果の持続性は、室温(15
℃)において2〜3日間程度に留まり、自然状態の色調
と生鮮な食味を長く保持することは難しい。
なおこのような還元的薬液浸漬処理において、その濃度
やpn条件によっては、発黴、軟化、不味等の好ましく
ない現象をもたらすこともあり得る。
次に、細切リンゴを単なるフィルム包装した場合には、
外観的に褐変するだけでなく、短時日のうちに変質、変
敗する。また、ガスバリヤ−性フィルムを使って真空包
装しただけのものは、保存時間の経過とともに二酸化炭
素やエチレンガスによる内部圧発生により、包装容器が
膨満し、内容物のリンゴの変質・劣化を免れない。さら
にまた、単なる窒素ガス置換包装によっても、■日程度
の品質保持効果はあるが、3日以上の品質保持は困難で
ある。
以上のように、スライスした細切リンゴの褐変防止と品
質保持について、従来知られている化学的手段、物理的
手段では適当な加工方法が見出せなかった。
0課題を解決する手段 本発明は上記の課題を解決するためにrスライスしたリ
ンゴ細切を一定濃度のり、アスコルビン酸液に浸漬処理
して後、ガスバリヤ−性プラスチックフィルム容器に収
納し、真空度を68〜78cm−Hgとし、望ましくは
3秒間前後72〜74cm−Hgの真空度を維持し、引
き続いて窒素ガスを3〜15秒間導入してゲージ圧をI
θ〜60clII−FIg1望ましくは40cml(g
に至らしめてヒートシールし、密封するリンゴの加工・
包装方法」が、褐変防止と品質保持に有効なことを見い
出したものである。
この際の減圧(真空度)及び窒素封入の工程において、
減圧を極度にして例えば7−4cffl・ng以上の真
空度にすると、リンゴ組織内の液部分が沸騰し、リンゴ
の細胞を損傷するため、反ってリンゴ品質を劣化させる
要因となる。本発明者らはこの問題点を見出し、解決策
を検討した結果、上記の真空度範囲が、す、ンゴ細胞を
ほとんど損傷することなく、高真空を保てることに成功
した。また、排気した後の窒素封入量が、過小であると
不活性窒素ガスによる還元的雰囲気の効果が小さく、ま
た、過大であると、包装容器内のリンゴ細片個体同志の
移動による擦傷などの二次的損傷が起こり易い。この問
題点を解決するために、上記の窒素封入状態(容器内ガ
ス圧)が至適であるとの結論を見出したものである 次に、上記の方法を用いても、リンゴの種類(品種、成
熟度等)によって褐変防止が困難な場合があることが見
出された。すなわち、 「つかる」の褐変防止は比較的
容易であるが、 「千秋Jのような品種に対しては必ず
しも満足な結果が得られない。そこで、本発明の改良方
法として、上記フィルム包装過程において、予め一般食
品品質保持用の脱酸素剤、二酸化炭素吸収剤、およびエ
チレン吸収剤を各単独に、または、いずれか2種類の組
合せ、ないしは3種類組合せとして、リンゴ細片ととも
に包材内に収納し、前記の排気、窒素封入を行うスライ
スリンゴ加工方法を発明するにに至った。
0作用 現段階において、本発明の作用機構を学理的に明言する
に至らないが、次の四つの作用が機軸となっている。
(1)減圧脱気、窒素封入および脱酸素剤添加が、リン
ゴ細胞を損傷せしめぬ限度において、充分な無酸素状態
を保持するために、褐変現象に関与するフェノールオキ
シダーゼ活性が抑止される。
化学的還元剤であるアスコルビン酸は物理的操作による
無酸素状態の密閉系が形成される直前の還元状態保持に
有効であり、密閉系内においても、さらに補完的役割を
果し、これによって全体系の無酸素・還元状態がいっそ
う完備される。なお、アスコルビン酸を含む4種類化合
物(食品添加物)混合水溶液は、褐変およびその他の変
質要因にかかわる酵素系の不活性化に有効に作用する。
また、全国形分濃度が1%未満の希薄水溶液であるため
、食味に悪影響を及ぼすこともない。
(2)エチレン吸収剤、および二酸化炭素吸収剤は、起
こり得る生化学反応を阻止し、品質劣化原因となるエチ
レンの生成を防止する。二酸化炭素吸収剤は、リンゴ組
織の分解産物を吸収し、起こり得る微生物の嫌気的生育
を阻害する。また、封入窒素ガス圧も、このようなエチ
レンや二酸化炭素の生成反応を抑制する方向に働く結果
、リンゴ細片の品質が元の状態のまま保持される。
この機作は、従来、多くの青果物の鮮度保持に提案され
ている、酸素濃度、二酸化炭素濃度を一定水準に保つガ
ス雰囲気のもとに青果物を貯蔵する概念とは根底から異
なる。本発明においては人工的に封入した窒素ガス以外
の気体成分を極力除去した雰囲気に目的のリンゴ細片を
保存することにより、いわば生化学的活性を休眠させた
状態で保持させることに特徴がある。
(3)リンゴ果実を予め密閉収納庫に収納し、減圧脱気
して後、約1気圧の窒素ガス雰囲気において2〜24時
間保持する前処理は、上記(1)、(2)の無酸素・還
元状態に維持し、リンゴ細片内の生化学的活性を休眠状
態に保持することに相乗的な効果を発揮する。またリン
ゴの乾燥防止に有効である。なお、本発明にかかわる包
装スライスリンゴの貯蔵温度としては、20℃以下の低
温がよく、望ましくは5℃が好適である。これは褐変や
品質劣化にかかわる化学反応が低温なほど抑止される、
化学反応の一般則に従うからである。
(4)リンゴ細片をプラスチックトレイに分配した後、
フィルム包装容器に収納し窒素ガス置換包装する方法は
、包装内のリンゴ細片同志の重なり合いによる圧傷の防
止に効果的である。
さらに、脱酸素剤、二酸化炭素吸収剤、およびエチレン
吸収剤などの品質保持剤を同封する場合は、包装容器内
で適宜の間隔が保たれ、それぞれの機能が有効に発揮さ
れる。また、これらの品質保持剤はリンゴ細片と接触し
ても何ら悪影響がないよう、それぞれ安全な個別包材に
含有されているが、トレイの使用により、リンゴ細片と
の直接的接触はなくなり、消費者に対しては心理的に一
層の安全性を確保できる利点もある。
なお、以下の実施例において各種の品質保持剤はそのも
のの製品特性により各固有名詞で例示されているが、そ
れぞれの目的機能を果す製剤であればよく、とくに、各
特定の商品名を支持するものでない。
実施例1 リンゴ(品種名:つがる)を洗浄後、−区分の果実は剥
皮し、別の一区分は剥皮せずして除芯し、ステンレス製
ナイフで八ツ切りに細切した。これらの細切リンゴを1
00 mg/g濃度のし一アスコルビン酸(別称ビタミ
ンの液に1分間浸漬し、ドレイン除去した後、K−ナイ
ロンポリ袋(W1素透過度20 m/m” ・24 h
r−atm以下)に収納した。
この場合、■包装容量は30cmX 22cm角のフィ
ルム袋に丸(生鮮)リンゴ1個分であった。
このものを直ちにガス置換式包装機内に装着し、気体ゲ
ージ圧をマイナス74cm−Hgで約3秒間維持し、引
き続いて窒素ガスを包装系内に導入し、約5秒間ゲージ
圧4Qcm−Hgまで封入した後ヒートシールをおこな
った(試験区(イ))。対照として、(イ)と同様に処
理しながら、窒素ガス封入を行わなかったもの(試験区
(ロ))。L−アスコルビン酸処理を行わずに、(イ)
または(ロ)と同様に包装したもの(試験区(ハ)、(
ニ))、の3方法を併行して実施した。以上の4試験区
加工品を、いずれも5℃冷蔵庫に貯蔵し、経時変化を調
べた。
結果は表1のとおりで、試験区(イ)すなわち、L−ア
スコルビン酸浸漬処理と窒素封入の併用が少なくとも6
日間、生鮮状態を保つ良好な加工法であることが認めら
れた。なお、試験区(ロ)(L−アスコルビン酸処理後
、単なる真空包装)は3日後に明らかに褐変が認められ
、試験区(ハ)(無処理後、窒素封入包装)は1日後に
おいて試験区(イ)と同等の良好な状態を維持したもの
の、3日後以降、わずかながら変色を起こし、また、試
験区(ニ)(無処理後車なる真空包装)は、すでに1日
後明らかな褐変を起こすことが認められた。
表1 +:該当の加工処理を適用した 一:該当の加工処理を採用しなかった。
O:全く変質が認められない △:わずかな変色(変質)が認められるX:褐変(変質
)が認められ、商品的価値を失う実施例2 実施例1の(イ)と同条件で包装スライスリンゴ(試験
品種ふじ)を加工した。
この試験では、褐変防止剤として用いるし一アスコルビ
ン酸の有・無及びその使用濃度と、浸漬処理時間の検討
を行った。L−アスコルビン酸の条件として、0(無使
用)、50,100または200mg%、浸漬時間を3
0秒、1分または2分とした。これら2条件についての
6試験区加工品を、いずれも冷蔵庫(5°C)に貯蔵し
、経時変化を調べた。結果は表2の通りで、試験区(ハ
)すなわち、L−アスコルビン酸100mg%1分間浸
漬が、少なくとも6日間、全く褐変(変質)及び異味異
臭が認められなかった。
なお、試験区(イ)(L−アスコルビン酸無処理)は、
実施例1の(ニ)と同条件であり、1日後に明らかな褐
変を起こした。試験区(ロ)(濃度50mg%1分浸漬
)及び(ホ)(濃度100mg%30秒浸漬)は3日後
まで良好であったが、6日後一部に若干の褐変が認めら
れた。試験区(ニ)(濃度200mg%1分間浸漬)及
び(へ)(濃度100mg%2分間浸漬)は少なくとも
6日後まで褐変(変質)は認められなかったが、生鮮リ
ンゴと比べて若干の異味異臭が認められた。
表2 ○:褐変はないが異味異臭が認められる△ニ一部に褐変
が認められる X:褐変が認められ商品的側値を失う 実施例3 実施例2の(ハ)と同条件で包装スライスリンゴ(試験
品種ふじ)を加工した。この試験では、品質保持剤とし
て脱酸素剤(バイタロンLT −250M東亜合成化学
工業)、エチレン吸収剤(二−ブEA−102日本化薬
)、鮮度保持剤〈脱酸素+エチレン吸収〉(二−ブEA
−120日本化薬)、二酸化炭素吸収剤(エージレスC
三菱瓦斯化学)の4種類を用いて、それぞれの有効性と
併用方法について検討を行った。 使用条件として、非
使用、脱酸素剤、エチレン吸収剤、鮮度保持剤、二酸化
炭素吸収剤の4種類の単独使用に、脱酸素剤とエチレン
吸収剤の併用、鮮度保持剤と脱酸素剤の併用を設定した
。以上の6試験区加工品を、いずれも冷蔵庫(5℃)に
貯蔵し、経時変化を調べた。
結果は表3の通りで、試験区(へ)すなわち、鮮度保持
剤と二酸化炭素吸収剤の併用が、少なくともIO日日間
全く褐変(変質)及び興味異臭が認められなかった。こ
の条件により、実施例2までの6日間の品質保持期間が
少なくとも10日間に延びることが確認できた。なお、
試験区(イ)(脱際素剤)は3日後まで良好であったが
、7日後に興味異臭が認められ、10日後には一部褐変
も認められた。試験区(ロ)(エチレン吸収剤)は7日
後までは褐変発生しなかったものの、若干の興味異臭が
あり、10日後には一部褐変も認められた。試験区(ハ
)(鮮度保持剤)、(ニ)(二酸化炭素吸収剤)、(ホ
)(脱酸素剤+エチレン吸収剤)は7日後まで良好であ
ったが、10日後に褐変が発生したものの、若干の異味
異臭が認められた。
表3 +二品質保持剤使用 一二品質保持剤無使用 @:全く褐変及び異味異臭が認められない○:褐変はな
いが、異味異臭が認められる△ニ一部に褐変が認められ
た 実施例4 実施例3の(へ)と同条件で、包装スライスリンゴ(試
験品種ふじ)を加工した。この試験では、真空度と窒素
置換量について、最も効果的な条件を検討した。真空度
は気体ゲージ圧74 cm−Hg(3秒間維持)、72
cm−Hg(瞬時)、68cm−Hg(瞬時)の3段階
、窒素置換量は、60cm−Hg (置換時間3秒間)
、40cm−Hg (同6秒間)、10cm−Hg(同
10秒間)の3段階とし、合計5試験区の加工品を製造
し、いずれも5℃冷蔵庫に貯蔵し、経時変化を調べた。
結果は表4のとおりで、試験区(イエ真空度74cm−
Hg:窒素圧40cnrHg)が最も効果的で、少なく
とも10日間、安定した品質を保持できることが確認さ
れた。なお、試験区(口:72;40)及び(ハ:58
;40) (二ニア4;60)は7日後まで良好であっ
たが、10日後一部に若干の変色が認められた。
試験区(ホ:74;10)は(イ)同様少なくとも10
日間品質保持できたが、窒素充填量が少なくてすむ(イ
)が実用的条件と認められた。
表4 @:全く変色が認められない Oニ一部に若干の変質が認められる △ニ一部に若干の褐変が発生した 実施例5 実施例4の(イ)と同条件で、包装スライスリンゴ(試
験品種ふじ)を加工し、5.1O115,20℃の4段
階の貯蔵温度において、2週間貯蔵し、その間の品質経
時変化を調べた。結果は表5のとおりで、5℃貯蔵試験
区(イ)によって、少なくともIO日間品質が保持され
ることが確認された。又、10℃、15℃、20℃と貯
蔵温度が高くなる程、包装スライスリンゴの品質劣化が
進行した(試験区(ロ)、()\)、(ニ))。 なお
また、表5の官能的品質評価と併行して、各種の理化学
的性状試験をおこなった結果、全般的に貯蔵温度が高い
ほど吸光度は増大し、硬度は低下し、アルコール生成量
及び二酸化炭素生成量は増加し、細菌数も増加した。
この傾向は20℃貯蔵の場合に、貯蔵日数7日後ですで
に顕著であり、5℃貯蔵の場合は貯蔵14日後に、諸分
析値に若干の変化が見られるに留まった。pHについて
は、20℃貯蔵の場合、他の貯蔵温度区に比べて、明ら
かな上昇傾向を示した。
以上の結果は表5とよく符合していた。
表6はその一例である。
(余白) 表5 ◎:全く変質が認められない Oニ一部に若干の変質が認められる △ニ一部に若干の変質が発生した × 褐変(変質)が認められ商品的 価値を失う 実施例6 実施例4の(イ)と同条件で「つがる」、「千秋」「ふ
じ」の3品種を用いて、包装スライスリンゴを加工した
。この試験では、品種間における品種保持特性について
、一部温度別条件も加え検討を行った。つがるは室温(
18℃±3℃)で、千秋は、5.15.25℃の3段階
、 表6 ふじは5ないし20℃の4段階の貯蔵温度で経時変化を
調べた。結果は表7のとおりで、つかるが最も変質しに
くい品種であることがわかった。
千秋とぶじとの品種間の貯蔵性の差はほとんどなく、5
℃の低温が効果的なことがわかった。
表7 opHと吸光度(600nm)はリンゴ細切からの搾汁
液についての測定値である 0硬度は、リンゴ硬度計のプランジャー進入度(cIf
fl)である 0アルコール生成量は、リンゴ細切搾汁液中の含量(重
量パーセント)である 〇二酸化炭素(cOz)生成量は、密封包装内の濃度(
重量パーセント)である ◎:全く変質が認められない ○ニ一部に若干の変質が認められた △ニ一部に若干に褐変が発生した ×:褐変(変質)が認められ、商品的価値を失った 実施例7 実施例4の(イ)と同条件で、 Fつがる」、「千秋」
、「ふじコの3品種を用いて、包装スライスリンゴを力
U工した。この試験では、加工品の果皮の有・無につい
て、品種別に品質保持特性の検討を行った。3品種、果
皮の有無側Iこ6試験区加工品を、つかるについては室
温(18土3℃)で、千秋、ふじについては冷蔵庫(5
℃)で貯蔵し、経時変化を調べた。結果は表8のとおり
で、3品種とも外観には顕著な差は見られなかったが7
日後以降の食感(テクスチャー)において皮有りの方が
、より生鮮状態に近く、品質保持性は高いことが確認で
きた。
八ツ切り(度無)とスライス薄片(5〜5 mm。
度無)の2種類とし、トレイについては、透明プラスチ
ック材または白色発泡材使用と、トレイなしく対照)の
3条件を設定し、以上5条件の加工品を冷蔵庫(5℃)
で貯蔵し、経時変化を調べた。結果は表9のとおりで、
形状Iこついては、表8 実施例8 実施例4の(イ)と同条件で、包装スライスリンゴ(試
験品種ふじ)を加工した。この試験では、細切リンゴの
形状、大きさ並びに包装内トレイの有無について品質保
持性の検討を行った。
すなわち、リンゴの形状、大きさlこついては、◎7全
く変質が認められない 〇ニ一部に若干の変質が認められた △ニ一部に若干の褐変が発生した ×:褐変(変質)が認められ、商品的価値を失った スライス薄片より、八ツ切りの方が若干品質保持が良好
と認められた。トレイ使用の有無については、品質保持
上、差異が認められなかった((イ)、(ロ)、(ニ)
)。ただし、白色発泡材トレイ使用もの((ハ)、(ホ
))に限って著しい褐変を起こした。
表9 実施例9 実施例4の(イ)と同条件で、包装スライスリンゴ(試
験品種ふじ)を加工した。この試験では、加工前に、生
来を窒素置換下で一昼夜放置した場合の品質保持性の検
討を行った。
前処理なしく対照)と合わせて2条件加工品を冷蔵庫(
5℃)で貯蔵した。結果は表10のとおりで、品質保持
性においては両者は同等と認められた。
表10 ◎:全く変質が認められない ○ニ一部に若干の変質が認められた △ニ一部に若干の褐変が発生した ×:褐変(変質)が認められ、商品的価値を失った ■=全く変質が認められない Oニ一部に若干の変質が認められた △ニ一部に若干に褐変が発生した 実施例IO リンゴ(品種ふじ)を剥皮し、八ツ切りに細切し、芯部
を切除した。これを表11に示す組成の褐変防止水溶液
(全固形分濃度0.62%、pH4,99に1分間浸漬
し、ドレイン除去してナイロンポリ袋、Kプラスチック
製リンゴ・トレイとともに収納し、実施例1と同様にし
て脱気、窒素置換包装した。
この包装スライスリンゴを室温(20℃前後)に放置し
た結果、10日後も、外観的に変色(褐変)が認められ
なかった。さらに、このものを開封して食味試験した結
果、異臭、興味がなく、加工当初とほとんど同等の良好
な生鮮状態と認められた。
表11 なお、表11の褐変防止水溶液は、本発明の研究過程に
おいて見出された各濃度の混合水溶液で、これらの各成
分の濃度は、たまたま特許出願公開、平−160451
に示された同類組成分の各有効濃度を下廻り、全固形分
濃度1%未満の希薄水溶液であることを特徴とする。
実施例11 リンゴ(品種つかる)を剥皮し、八ツ切りに細切し、芯
部を切除した。これを表12に示す10種類の浸漬液の
いずれかに1分間浸漬後、それぞれ室温開放状態で観察
した。結果は表13のとおりで、3El後まで、NO,
8(重亜硫酸ナトリウム士リン酸−カリウム)が3日後
まで、抜群の褐変防止効果を示したが、異味異臭が強く
、食味に耐えられなかった。他の浸漬液処理は、無処理
と比べて、1日後まで、一定の褐変防止効果を示し、酸
化防止剤として一般的に使用されているし一アスコルビ
ン酸(以下V−Cと記す)と、はぼ同等の効果が認めら
れた。しかし、異味異臭の点でN00l (V−C)が
最も良好であった。
表12 ■V、C,低濃度 ■V、C,高濃度 ■V、C十食塩
■V、C+フィチン酸 ■V、C+リン酸■v、C+ピ
ロリン酸ナトリウム+塩化カルシウム+クエン酸 ■重亜硫酸ナトリウム+リン酸−カリウム■フィチン酸
 ■甘草抽出液[相]すだち10倍液表13 0発明の効果 本発明によれば、リンゴ細片を褐変、変質せしめずに一
定期間、生鮮状態のまま保蔵できる。
予め直接可食状態に加工・包装しである新製品であるか
ら、消費者側の持ち運び保管および摂食が簡便になる。
このような製品形態とその製造法は従来技術では達成で
きなかったものである。
なお、この発明はリンゴ以外の青果物にも適用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)リンゴを剥皮し、または剥皮せずして除芯し、任
    意の大きさに割截または細切し、50〜100mg/g
    濃度のアスコルビン酸液に30秒間〜2分間浸漬し、ド
    レイン除去した後、酸素透過度20〔ml/m^2・2
    4hr・atm〕以下のガスバリヤー性プラスチックフ
    ィルム容器に収納し、包装系内の気体ゲージ圧をマイナ
    ス68〜74cm・Hgに少なくとも3秒間保持するこ
    とにより元の空気を排除し、引き続いて窒素ガスを包装
    系内に導入し、3〜15秒間、そのときの気体ゲージ圧
    がマイナス10〜60cm・Hgを保持するよう調整、
    封入した時点で、ヒートシールにより包装容器の開口部
    を密封することを特徴とする、包装スライスリンゴの製
    造法。
  2. (2)請求項(1)記載の加工工程において、プラスチ
    ックフィルム容器内に、脱酸素剤、二酸化炭素吸収剤、
    およびエチレン吸収剤から選択された1種類または2種
    類以上を、リンゴ細片とともに封入することを特徴とす
    る、包装スライスリンゴの製造法。
  3. (3)請求項(1)記載の加工工程に先立ち、生鮮リン
    ゴを気密性収納庫に収納し、庫内空気を窒素ガスと置換
    して、庫内圧が0±10cm・Hgになるよう調整し、
    そのガス圧状態に2ないし24時間保持した後、リンゴ
    を搬出し、以下請求項(1)、(2)、(4)または(
    5)の記載にしたがうことを特徴とする、包装スライス
    リンゴの製造法。
  4. (4)請求項(1)のアスコルビン酸浸漬処理において
    、アスコルビン酸に代えて、アスコルビン酸、クエン酸
    、ピロリン酸ナトリウム及び塩化カルシウムからなる混
    合水溶液を用いる包装スライスリンゴの製造法。
  5. (5)請求項(1)、(2)および(4)におけるスラ
    イスリンゴのフィルム包装工程においてプラスチック材
    トレイに細切リンゴを分配した後フィルム包装容器に収
    納することを特徴とする包装スライスリンゴの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5922382A (en) * 1995-11-08 1999-07-13 The University Of British Columbia Preparation and preservation of fresh, vitaminized, flavored and unflavored cut apple pieces
ES2134175A1 (es) * 1998-02-24 1999-09-16 Quisqueya S L Procedimiento para conservacion de fruta pelada y troceada en envases impermeables, asi como envases y mezcla de productos conservantes utilizados para el mismo.
JP2007289156A (ja) * 2006-03-21 2007-11-08 Loong Keng Lim 食品や生もののma貯蔵のための、再封・繰り返し使用可能なプラスチック製保存容器と通気性膜を備えた蓋

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JP2007289156A (ja) * 2006-03-21 2007-11-08 Loong Keng Lim 食品や生もののma貯蔵のための、再封・繰り返し使用可能なプラスチック製保存容器と通気性膜を備えた蓋

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