JPH07257659A - 水産加工品の保存用容器 - Google Patents

水産加工品の保存用容器

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JPH07257659A
JPH07257659A JP7924794A JP7924794A JPH07257659A JP H07257659 A JPH07257659 A JP H07257659A JP 7924794 A JP7924794 A JP 7924794A JP 7924794 A JP7924794 A JP 7924794A JP H07257659 A JPH07257659 A JP H07257659A
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JP
Japan
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isothiocyanate
processed marine
product
sealant layer
container
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JP7924794A
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English (en)
Inventor
Junichi Kuroki
潤一 黒木
Takuya Yamazaki
拓也 山崎
Kozo Mita
浩三 三田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食肉加工品の長期に亘る鮮度保持、特に、消
費者の志向により保存性が低下しつつある燻製品(特
に、水分活性が0.88以上のもの、燻煙処理後のスラ
イス工程を有するもの)の微生物による劣化を防止で
き、また、食肉加工品、特に、魚類塩蔵品の冷蔵での鮮
度保持期間を著しく延長でき、また、食肉加工品、特
に、甲殻類の茹で製品に付着した微生物が殺菌・静菌さ
れ品質(鮮度)が保てる食肉加工品の保存用容器を提供
する。 【構成】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と、食
肉加工品と、を包装用容器の中に収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流通・保存時の水産加
工品の防黴、静菌、殺菌を主目的としたものであって、
特に、燻製品、魚類の塩蔵品、または甲殻類茹で製品等
の水産加工品の保存用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水産加工品、特に、従来、伝承されてい
る燻製品は、魚介類、家畜肉類等を保存するために考え
出された加工製品であり、原料の乾燥効果、抗菌物質の
吸着、加熱殺菌効果、食塩の脱水効果、表層部のフェノ
ール樹脂膜形成などにより、貯蔵性が与えられると考え
られている。しかし、燻製品は燻煙成分により独特の風
味が付与されるので、最近では貯蔵のみを目的とする以
外に、調味を目的として製造された燻製品も多い。
【0003】燻製品を作る燻製法を大別すると、冷燻法
と温燻法とに分けられる。冷燻法は、貯蔵を主な目的と
した製法であり、温燻法は、調味を主な目的とした製法
である。
【0004】これらの燻製品の一般的な製法は、原料を
前処理後、塩漬けし、塩抜き後、洗浄して水切り、風乾
する。これを燻室に入れ、燻煙処理した後、燻室から取
り出し、必要に応じて後処理(例えば、スライス処理)
を施し製品とする。
【0005】冷燻法は、一般に原料魚のエラと内蔵を除
去した後、魚体を長時間塩漬し、塩味をやや強くして、
25℃程度の温度で1〜3週間燻煙する。通常その水分
活性は、0.88未満であり、黴による汚染を受ける場
合があるが、その保存性は高い。しかし、燻乾温度が約
25℃程度であるため、気温の高い夏期では、その製造
は困難であり、また製造に時間を要するために生産性は
低い。また、うま味にも欠ける。そのため冷燻法(製
品)は、今日の消費者の志向、あるいは生産者の目的に
合致せず、一般に流通する燻製品の大半が後述する温燻
法によるものである。
【0006】温燻法は、冷燻法と同様に塩蔵魚を使用す
る場合と、生鮮または冷凍魚を塩漬して使用する場合と
がある。
【0007】いずれも魚肉中の塩分量は、冷燻品に比べ
て少ない。温燻法の燻煙時間は、冷燻法と比べれば短
く、3〜8時間程度で終わる。製造時期に関する制限は
なく、また製造に要する時間が短いため、生産性は冷燻
法と比較して高い。ただし、燻煙時間が短いため、肉質
内部の微生物の殺減、または表面保護膜(フェノール樹
脂膜)等の防御機能は不完全である。また、その水分活
性は通常0.88以上であり、黴、酵母、あるいは細菌
が繁殖できる水分活性領域であり、その保存性は冷燻品
と比較して劣っている。
【0008】また、燻煙処理後にスライス工程を有する
燻製品は、表層の微生物の侵入を防止する膜(フェノー
ル樹脂膜)が破壊されるので、2次汚染によりスライス
面で容易に微生物が発育する。スライス面の保存性は、
冷燻法、温燻法を問わず、一般的に劣っている。
【0009】水産加工品の一つである魚類塩蔵品は、用
塩量が多くなるとさらに保存性が高まることはすでに広
く認識されている。しかし、食塩自身の持つ防腐作用は
特に強いものではなく、塩蔵による脱水と食塩の浸透に
よる水分活性の低下が保存性に大きく寄与しているもの
と考えられている。しかし、最近の食生活の動向は、用
塩量の少ない製品(甘塩品)が好まれる傾向があるた
め、塩蔵品の保存性は低下の傾向にある。このような甘
塩化の傾向により、塩蔵品の保存・流通は、一般的には
冷蔵・冷凍による場合が多い。
【0010】しかしながら、前記魚類塩蔵品(甘塩品)
は、冷蔵状態においての鮮度劣化が著しく、その鮮度保
持期間は数日〜1週間程度と極めて短いものである。
【0011】また、急速冷凍処理を施されるものは、製
品中で氷結晶が成長し、組織破壊を引き起こすために食
感の低下(スポンジ化、軟化)を避けられない。また、
その解凍時には、冷凍に伴う組織破壊(氷結晶の成長に
よる)によるドリップ流出が避けられない。従って、冷
凍・解凍処理後の品質が、冷蔵品と比較して大幅に劣る
という欠点がある。また、冷凍に要するエネルギーコス
トが冷蔵に比較して大きいという欠点もある。
【0012】水産加工品の一つであるエビ、カニに代表
される甲殻類の茹で製品(剥きエビ、カニ棒等)は、殻
付きの状態でボイル処理を施され、後処理(殻剥き、裁
割等)に供せられる。これらの製品は、後処理時に微生
物汚染を受けるため、その保存性は極めて低い(冷蔵で
数日程度)。従って、保存期間・流通機関が長期に渡る
場合には冷凍に供せられるのが一般的である。
【0013】しかしながら、甲殻類の茹で製品を冷凍す
る場合には、製品中で氷結晶が成長し、組織破壊を引き
起こすために食感の低下(スポンジ化)を避けられな
い。また、組織破壊に伴うドリップ流出も避けられな
い。従って、冷凍・解凍処理後の品質が、冷蔵品と比較
して大幅に劣るという欠点がある。また、冷凍に要する
エネルギーコストが冷蔵に比較して大きいという欠点も
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
情のもとに創案されたものであって、その目的は、水産
加工品の長期に亘る鮮度保持、特に、消費者の志向によ
り保存性が低下しつつある燻製品(特に、水分活性が
0.88以上のもの、燻煙処理後のスライス工程を有す
るもの)の微生物による劣化を防止でき、また、水産加
工品、特に、魚類塩蔵品の冷蔵での鮮度保持期間を著し
く延長でき、また、水産加工品、特に、甲殻類の茹で製
品に付着した微生物が殺菌・静菌され品質(鮮度)が保
てる水産加工品の保存用容器を提供することにある。
【0015】さらには、開封時の不快な刺激臭(ワサビ
臭)の問題が回避できる水産加工品の保存用容器を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、イソチオシアン酸エステル蒸気発生
部材と、水産加工品と、を包装用容器の中に収納するよ
うに構成した。
【0017】また、本発明は、包装用容器内面に、イソ
チオシアン酸エステル吸着性シーラント層を備えるよう
に構成した。
【0018】
【作用】イソチオシアン酸エステル発生部材から発生し
たイソチオシアン酸エステル蒸気は、その抗菌・殺菌作
用により、燻製品、魚類の塩蔵品、甲殻類茹で製品等の
水産加工品に付着した微生物を殺菌・静菌して品質を保
つことはもとより、徐々にイソチオシアン酸エステル吸
着性のシーラント層に吸着・除去され、包装用容器内は
適度なイソチオシアン酸エステル蒸気濃度になり、開封
時の不快な刺激臭の問題や、イソチオシアン酸エステル
の水産加工品への吸着による風味劣化が回避される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の水産加工品の保存用容器1を
図面を参照して説明する。
【0020】図1には、水産加工品の保存用容器1の第
一実施例を示す縦断面図が示される。
【0021】本発明の保存用容器1は、イソチオシアン
酸エステル吸着性シーラント層57を備えた包装用容器
50と、この包装用容器50の中に収納された品質保持
対象である水産加工品20およびイソチオシアン酸エス
テル蒸気発生部材10とを備えている。本発明におい
て、水産加工品20としては、食肉の燻製品、魚類の塩
蔵品、甲殻類茹で製品を対象としている。
【0022】包装用容器50内に収納されるイソチオシ
アン酸エステル蒸気発生部材10(以下単に、発生部材
10と称す)は、イソチオシアン酸エステル蒸気を発生
できる形態でありさえすれば特に限定されるものではな
いが、例えば、発生部材10は、図3に示されるように
固形状の鮮度保持剤7と、該鮮度保持剤7を包装するた
めの小袋体8とを備えた形態とすることができる。本実
施例における小袋体8は、2枚のフィルム(シート)1
1,13を対置させ、その周縁部をヒートシール部15
で融着することにより形成されており、その内部スペー
スE内に鮮度保持剤7が収納される(図4)。
【0023】鮮度保持剤7は、抗菌性を備えるイソチオ
シアン酸エステルを含有させるための担持体7aと、こ
の担持体7aに含有されたイソチオシアン酸エステルを
有する。
【0024】本発明におけるイソチオシアン酸エステル
としては、イソチオシアン酸の脂肪族系および芳香族系
の各種エステルが用いられ、中でも特に好ましくはイソ
チオシアン酸アリルエステル(CH2=CHCH2NCS)や、イソ
チオシアン酸アルキルエステル(RNCS、R: アルキル基)
が用いられる。
【0025】本発明においては、簡易な方法としてカラ
シ油をそのまま、あるいは油性液体に溶解させた形態で
用いることができる。
【0026】このようなイソチオシアン酸エステルを含
有せしめる担持体7aとしては、各種の多孔質粉末、粘
土鉱物、紙、不織布、セルロースマット等が例示される
が、イソチオシアン酸エステルを含有せしめ得る素材で
あれば特に限定されるものではない。
【0027】このような担持体7a(鮮度保持剤7)の
形状には特に制限はなく、粒状、シート状、マット状、
塊状、練り込んでブロック状の所定形状に固めたもの等
種々の形態が採択できる。
【0028】このような担持体7aに含有されるイソチ
オシアン酸エステルの含有量は、保存対象である水産加
工品の種類、水産加工品の量(表面積)、包装体積、包
装用容器の面積(イソチオシアン酸エステル蒸気吸着性
のシーラント面積)、保存期間(賞味期間)、水産加工
品の初期菌数により最適な含量が変動するために特に規
定されないが、設定の目安として鮮度保持剤1個当たり
0.1〜100mgの範囲とすることが特に好ましい。
【0029】このイソチオシアン酸エステルの含有量が
0.1mg未満となると、イソチオシアン酸エステル蒸
気の発生量が少なく保存効果が期待できず、この一方
で、イソチオシアン酸エステルの含有量が100mgを
越えても保存持効果は増大せず、100mgを越える使
用は経済性に欠ける。
【0030】このようなイソチオシアン酸エステルと、
このものを保持する担持体7aを備える鮮度保持剤7
は、通常の形態として小袋体8に収納されているので、
小袋体8には、鮮度保持剤7から発せられたイソチオシ
アン酸エステル蒸気が透過する形態ないしは材質が必要
となる。
【0031】小袋体8からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させる方法として、小袋体8を構成するフィル
ムに複数の小さな通気孔を穿設し、この通気孔からイソ
チオシアン酸エステル蒸気を透過させたり、あるいは、
小袋体8を構成するフィルムを、イソチオシアン酸エス
テル蒸気が透過可能な易透過性のフィルム材質とし、こ
の面からイソチオシアン酸エステル蒸気を透過させるよ
うにしてもよい。
【0032】易透過性のフィルム材質としては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重
合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム、アイオノマーフィルム、塩化ビニルフィル
ム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィ
ルム、紙、不織布、微細連通加工を施したプラスチック
フィルム、無機フィラーを添加し延伸加工を施したプラ
スチックフィルムの1種以上のフィルムが挙げられる。
【0033】なお、易透過性のフィルム材質のもののみ
で小袋体8全体を構成しても良いし、また、その一部、
例えば片側フィルム面(例えば、11面)のみ易透過性
のフィルム材質としてもよい。後者の場合は他方の面
(例えば、13面)をイソチオシアン酸エステル蒸気難
透過性のフィルムとし、この面側を水産加工品に向けれ
ば、イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材10から発
生したイソチオシアン酸エステル蒸気が直接水産加工品
に吸着されることを回避できる。
【0034】さらに、他の小袋体8(発生部材10’)
の形態としては、図5に示されるようにヒートシール部
分16に複数の線状の未接着部分16aを設け、これを
通気孔とし、この部分からイソチオシアン酸エステル蒸
気を透過させるようにしてもよい。
【0035】このような未接着部分16aは、ヒートシ
ールに際して、融着すべく包装材料間に接着されない部
分が生じるようにヒートシール熱板に適宜、連通のため
の溝を備えたものを用いれば容易に形成できる。
【0036】なお、図5において、Kはフィルム折り返
し部分であり、S1は、通気性のないヒートシール部を
示す。
【0037】本発明における包装用容器50は、図1に
示されるようにイソチオシアン酸エステル蒸気濃度を低
減させることができるイソチオシアン酸エステル蒸気吸
着性のシーラント層57(以下、単にシーラント層57
と称す)を任意の基材層52の上(内側)に備えてい
る。ここで、シーラント層57は、ヒートシールにより
包装用容器50を密封する機能と、包装用容器50の内
部のイソチオシアン酸エステル蒸気を吸着することによ
るイソチオシアン酸エステル蒸気濃度の低減作用とを備
える。
【0038】本発明において、前記シーラント層57の
最内層の形成材料は、イソチオシアン酸エステル蒸気の
吸着性があれば任意の材料を使用することができ、特
に、拡散速度の観点から選定することが好ましい。すな
わち、シーラント層の最内層の形成材料が、拡散速度
1.0×10-2μm/min以上、特に、1.0×10
-1〜5.0×10μm/minである物性を備えること
が好ましい。この拡散速度は以下の手順で測定される。
【0039】まず、次の要領で透過度を測定する。ガラ
ス製バット(内容積:5.5×8.7×3.0cm)に
イソチオシアン酸アリル(ナカライテスク(株)社製)
を約10ml入れ、バット上面に測定対象のフィルムを
貼り付けし、23℃の恒温室に静かに置く。経過時間毎
に重量を測定し、減少分をフィルムを透過したイソチオ
シアン酸アリルの重量として、透過度を測定する。次
に、以下の要領で飽和吸着量を測定する。
【0040】デシケーター(内容積:約6l)内にフィ
ルム(10×20cm)を吊るし、イソチオシアン酸ア
リル約10mlとともに密封し、23℃の恒温室に静か
に置く。経過時間毎に重量を測定し、重量が一定になっ
たところで、その増量分を飽和吸着量とする。
【0041】このように測定した透過度、および飽和吸
着量より拡散速度を算出する。すなわち、拡散速度=
(透過度)/(飽和吸着量)の式より求める。
【0042】より具体的なイソチオシアン酸エステル吸
着性シーラント層57の材質としては、ポリプロピレン
系樹脂、ポリエチレン系樹脂の1種または2種以上を主
成分とするものが挙げられる。シーラント層57は、こ
れらの単層構造としたり、あるいは最内層のみを上記材
料とする積層体構造としてもよい。
【0043】ここでポリプロピレン系樹脂としては、プ
ロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレ
ン−ブテン共重合体の1種または2種以上を50〜10
0重量%含有するものを挙げることができる。ポリエチ
レン系樹脂としては、線状低密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、カミンスキー触媒を用いて重合したエチレン−αオ
レフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が
挙げられる。
【0044】ここで、シーラント層の最内層の形成材料
が、上記以外の材質、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等をシーラント層の最
内面に用いた場合には、包装用容器内のイソチオシアン
酸エステル蒸気濃度の低下が遅く、開封時のワサビ臭が
問題となる場合や、水産加工品本来の風味が損なわれる
場合があり好ましくない。また、拡散速度が大きくなり
すぎると、吸着速度が速くなり過ぎて、イソチオシアン
酸エステル蒸気の低下が速くなり、品質保持効果が低下
するという不都合が生じる。
【0045】なお、上記任意の基材層52の材質は特に
制限はなく、包装材料として用いられる公知の種々の材
料から形成される。また、基材層52を用いずに、前記
シーラント層57のみで包装容器50を形成することも
勿論可能である。
【0046】また、図2に示されるように任意の基材層
52を酸素バリア性の包装材料52’とし、包装用容器
50に酸素バリア性を付与することも可能である。この
場合、包装用容器50中に脱酸素剤60を封入すること
や(図2)、各種不活性ガス包装充填することが可能と
なるため、酸化による品質劣化を抑制することができ
る。酸素バリア性の包装材料としては、ポリ塩化ビニリ
デンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物フィルム、アルミ
箔、アルミ蒸着フィルム、無機物蒸着フィルム(例え
ば、Al23 ,SiOX 等の無機物をフィルムに蒸着
したもの)等が挙げられる。また、この場合には、包装
用容器50内の残存酸素濃度は、2%以下が好ましい。
この残存酸素濃度が2%を越えると、包装用容器50内
に残存した酸素による酸化作用が生じ、水産加工品の品
質劣化が発生する場合があり、包装用容器50に酸素バ
リア性を付与する意味が薄れてしまう。
【0047】本発明におけるイソチオシアン酸エステル
蒸気濃度の調整・設定は、以下の条件を目安にして行わ
れることが好ましい。まず、品質保持効果の目安として
は、内容物(水産加工品20)を同封しない包装用容器
50を用いて、容器内のイソチオシアン酸エステル濃度
が24時間以内に10ppm(V/V)以上、その最大
値が30ppm(V/V)以上、200ppm(V/
V)未満となるように設定する。ここで、包装容器50
の空間(空気体積)は、水産加工品20を同封した時と
同等とする必要がある。また、開封時のワサビ臭の目安
としては、水産加工品を同封した状態で、360時間以
内に10ppm(V/V)以下となるように設定する。
【0048】上記イソチオシアン酸エステル濃度の調整
・設定は、適宜、空間率、容器面積、イソチオシアン酸
エステル蒸気発生部材10のイソチオシアン酸エステル
含有量、封入するイソチオシアン酸エステル蒸気量等の
選択により行われる。
【0049】ここで、内容物を同封しない包装容器50
内のイソチオシアン酸エステル濃度が24時間以内に1
0ppm(V/V)以上の濃度に達しない場合には、品
質保持効果が発現する前に微生物が増殖してしまう恐れ
があり好ましくない。
【0050】また、イソチオシアン酸エステル濃度の最
大値が30ppm(V/V)未満であると、微生物の増
殖抑制効果が薄れるため、品質保持効果が期待できず好
ましくない。
【0051】また、内容物を同封する包装用容器50内
のイソチオシアン酸エステル濃度が360時間以内に1
0ppm(V/V)以下の濃度にならない場合には、開
封時のワサビ臭により水産加工品本来の風味が損なわれ
る場合があり好ましくない。
【0052】なお、上記実施例では、単に、むき出しの
水産加工品20を包装用容器50内に収納した例を取り
挙げて説明したが、予め、個包装として一次包装された
水産加工品を包装用容器50内に収納してもよい。この
場合、一次包装される包装材料は、イソチオシアン酸エ
ステル蒸気透過性の材料であり、特に、透過度10g/
2 ・24hrs(23℃)以上、特に、50〜500
g/m2 ・24hrs(23℃)である物性を備えるも
のが好ましい。
【0053】なお、透過度の定義は、前述のとおりであ
る。
【0054】イソチオシアン酸エステル蒸気透過性の包
装材料の具体例としては、線状低密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、カミンスキー触媒を用いて重合したエチレン−
αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン
等が挙げられる。
【0055】水産加工品20を包む一次包装の包装形態
としては、パウチ包装、シュリンク包装、ストレッチ包
装、スピーマー包装等が挙げられる。
【0056】なお、鮮度保持対象である水産加工品20
が燻製品である場合、このものの水分活性が、0.88
以上、特に、0.90〜0.95のものを本発明の対象
とするのが好ましい。また、燻煙処理後にスライスした
燻製品を本発明の対象とするのが好ましい。これらは、
通常の保存状態では、鮮度の保持が極めて困難なもので
あるからである。
【0057】また、鮮度保持対象である水産加工品20
が魚類塩蔵品である場合、このものの水分活性が、0.
90以上、特に、0.90〜0.95のものを本発明の
対象とするのが好ましい。また、魚類塩蔵品の塩分濃度
が、10%(重量%)以下、特に、4〜7%のものを本
発明の対象とするのが好ましい。これらは、通常の保存
状態では、鮮度の保持が極めて困難なものであるからで
ある。
【0058】以下、具体的実験例を示し本発明をさらに
詳細に説明する。 〔実験例1〕実施例サンプルI−1の作製 イソチオシアン酸アリルエステル1重量部をコーン油9
9重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に500
mg吸着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを5m
g含有した鮮度保持剤7を作製した。
【0059】この鮮度保持剤7を2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
【0060】次いで、包装用容器50として、2軸延伸
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン
(東京セロファン紙社製、トーセロCP−SC、厚さ3
0μm)のフィルムを175mm×260mmにカッテ
ィングし、3方をヒートシールし、包装用容器50(パ
ウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラント
層:無延伸ポリプロピレン、拡散速度1.2μm/mi
n)を作成した。
【0061】水産加工品20として燻製品を用い、当該
燻製品は、温燻法で作成した薄切りスモークサーモン
(水分活性:0.92、厚さ約2mm、縦最大幅約12
0mm、横最大幅約35mm、略半月状)とした。
【0062】上記水産加工品20としてのスモークサー
モンを7切れ(約60g)をトレー(厚さ10mm、幅
150mm、長さ200mm)に乗せ、包装用容器50
内に入れ、さらに前記イソチオシアン酸エステル発生部
材10を同封し、開口部をヒートシール密封した。
【0063】実施例サンプルI−2の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10、上記水産加工
品20としてのスモークサーモン、トレーは前記実施例
I−1と同様のものを用いた。
【0064】包装容器50としては、塩化ビニリデンコ
ート2軸延伸ポリプロピレン(ダイセル化学工業社製、
セネシKOP HB、厚さ20μm)/無延伸ポリプロ
ピレン(東京セロファン紙社製、トーセロCP−SC、
厚さ30μm、拡散速度1.2μm/min)のフィル
ムを用いて、上記実施例サンプルI−1と同様にパウチ
形状としたものを用いた。この包装容器50の中に、ト
レーに乗せたスモークサーモン、イソチオシアン酸エス
テル発生部材、および脱酸素剤(三菱瓦斯化学社製 エ
ージレスS50−PU)を封入し、開口部をヒートシー
ル密封した。
【0065】比較サンプルI−1の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封しなかっ
た。それ以外は、実施例サンプルI−1と同様にして比
較例サンプルI−1を作成した。
【0066】比較サンプルI−2の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封しなかっ
た。それ以外は、実施例サンプルI−2と同様にして比
較例サンプルI−2を作成した。
【0067】実施例サンプルI−3の作製 シーラント層として、ポリエチレン(タマポリ社製、タ
マポリ・ポリエチレンフィルムV−1、厚さ30μm、
拡散速度8.0μm/min)を用い、イソチオシアン
酸アリルエステル3重量部をコーン油97重量部で希釈
し、実施例サンプルI−1と同様のセルロースマットに
500mg吸着させ、イソチオシアン酸アリルエステル
を15mg含有した鮮度保持剤7を作製した。それ以外
は、実施例サンプルI−1と同様にして実施例サンプル
I−3を作成した。
【0068】比較サンプルI−3の作製 シーラント層として、ポリエチレンテレフタレート系シ
ーラントフィルム(積水化学工業社製、エスティナP3
20、厚さ30μm、拡散速度10×10-5μm/mi
n)を用いた。それ以外は、実施例サンプルI−1と同
様にして比較例サンプルI−3を作成した。
【0069】これらの実施例サンプルI−1〜I−3、
比較サンプルI−1〜I−3をそれぞれ、5℃の環境下
に28日間保存した。保存テストの評価は、保存中の一
般生菌数および開封時のワサビ臭で評価した。保存中の
一般生菌数の推移を下記表1に、官能検査結果を下記表
2に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】 〔実験例2〕実施例サンプルII- 1の作製 イソチオシアン酸アリルエステル1重量部をコーン油9
9重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを10mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
【0072】この鮮度保持剤7を2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
【0073】次いで、包装用容器50として、2軸延伸
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン
(東京セロファン紙社製、トーセロCP−SC、厚さ3
0μm)のフィルムを150mm×280mmにカッテ
ィングし、3方をヒートシールし、包装用容器50(パ
ウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラント
層:無延伸ポリプロピレン、拡散速度1.2μm/mi
n)を作成した。
【0074】水産加工品20として魚肉塩蔵品を用い、
このものの具体的作製は以下の手順に従って行った。
【0075】アキザケ(全長700mm、体重約350
0g)表面の粘液を水洗後、エラを除去し、開腹した。
開腹は肛門から頭部に向けて真っ直ぐ胸びれの付け根ま
で切り開き、内蔵を除去した。次いで、腹部、エラ部、
内蔵、血液、その他汚物を十分に流水洗浄し、水切りし
た。
【0076】塩漬は、前記洗浄・水切り後の魚体のエラ
の部分に約70g、腹の部分に約130g、眼球部分
(眼球は指で潰す)に約20gの食塩を詰め、魚体全体
に約300gの食塩をふり塩し、魚体表面に塩を良くす
り込んだ。
【0077】前記施塩後の魚体を10℃で48時間保存
したのち、カッティング(厚さ15mm程度、略三日月
状)し、鮮度保持対象である魚類塩蔵品を得た。
【0078】上記手順で作成した魚類塩蔵品の水分活性
は、0.93、塩分濃度は6%であった。
【0079】上記水産加工品20としての魚類塩蔵品
(厚さ15mm程度のフィレーを2切れ)を、トレー
(厚さ20mm、幅120mm、長さ230mm)に乗
せ、包装用容器50内に入れ、さらに前記イソチオシア
ン酸エステル発生部材10を同封し、開口部をヒートシ
ール密封した。
【0080】実施例サンプルII- 2の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10、上記水産加工
品20としての魚類塩蔵品、トレーは前記実施例II- 1
と同様のものを用いた。
【0081】包装容器50としては、塩化ビニリデンコ
ート2軸延伸ポリプロピレン(ダイセル化学工業社製、
セネシKOP HB、厚さ20μm)/無延伸ポリプロ
ピレン(東京セロファン紙社製、トーセロCP−SC、
厚さ30μm、拡散速度1.2μm/min)のフィル
ムを用いて、上記実施例サンプルII- 1と同様にパウチ
形状としたものを用いた。この包装容器50の中に、ト
レーに乗せた魚類塩蔵品、イソチオシアン酸エステル発
生部材、および脱酸素剤(三菱瓦斯化学社製エージレス
S200−PU)を封入し、開口部をヒートシール密封
した。
【0082】比較サンプルII- 1の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封しなかっ
た。それ以外は、実施例サンプルII- 1と同様にして比
較例サンプルII- 1を作成した。
【0083】比較サンプルII- 2の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封しなかっ
た。それ以外は、実施例サンプルII- 2と同様にして比
較例サンプルII- 2を作成した。
【0084】実施例サンプルII- 3の作製 シーラント層として、ポリエチレン(タマポリ社製、タ
マポリ・ポリエチレンフィルムV−1、厚さ30μm、
拡散速度8.0μm/min)を用い、イソチオシアン
酸アリルエステル3重量部をコーン油97重量部で希釈
し、実施例サンプルII−1と同様のセルロースマットに
1g吸着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを30
mg含有した鮮度保持剤7を作製した。それ以外は、実
施例サンプルII- 1と同様にして実施例サンプルII- 3
を作成した。比較サンプルII- 3の作製 シーラント層として、ポリエチレンテレフタレート系シ
ーラントフィルム(積水化学工業社製、エスティナP3
20、厚さ30μm、拡散速度10×10-5μm/mi
n)を用いた。それ以外は、実施例サンプルII- 1と同
様にして比較例サンプルII- 3を作成した。
【0085】これらの実施例サンプルII- 1〜II- 3、
比較サンプルII- 1〜II- 3をそれぞれ、5℃の環境下
に10日間保存した。保存テストの評価は、保存中の一
般生菌数および開封時のワサビ臭で評価した。保存中の
一般生菌数の推移を下記表3に、官能検査結果を下記表
4に示した。
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】 〔実験例3〕実施例サンプルIII −1の作製 イソチオシアン酸アリルエステル1重量部をコーン油9
9重量部で希釈し、このものを厚さ1mm×幅20mm
×長さ30mmのセルロースマット(担持体)に1g吸
着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを10mg含
有した鮮度保持剤7を作製した。
【0088】この鮮度保持剤7を2軸延伸ポリプロピレ
ン(厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(厚さ30
μm)の構成よりなる有孔フィルム(1mm径の孔が1
0個/cm2 の割合で開口されたフィルム)よりなるパ
ウチ(内寸:25mm×35mm)で包装し、イソチオ
シアン酸エステル発生部材10を得た。
【0089】次いで、包装用容器50として、2軸延伸
ポリプロピレン(東京セロファン紙社製、トーセロOP
−OPU−1、厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン
(東京セロファン紙社製、トーセロCP−SC、厚さ3
0μm)のフィルムを200mm×250mmにカッテ
ィングし、3方をヒートシールし、包装用容器50(パ
ウチ形状、基材層:延伸ポリプロピレン、シーラント
層:無延伸ポリプロピレン、拡散速度1.2μm/mi
n)を作成した。
【0090】水産加工品20として甲殻類茹で製品を用
い、このものの具体的作製は以下の手順に従って行っ
た。
【0091】ズワイガニ一匹を洗浄し、脱甲後再び洗浄
し、血抜きした。次に、3%の食塩水中で15分間煮熟
処理を施し、3%冷食塩水(5℃)に投入・急冷した。
その後、殻剥きと裁割を行い、約150g(棒肉とフレ
ーク肉合計)の甲殻類茹で製品を得た。
【0092】上記甲殻類茹で製品を、トレー(厚さ20
mm、幅150mm、長さ200mm)に乗せ、包装用
容器50内に入れ、さらに前記イソチオシアン酸エステ
ル発生部材10を同封し、開口部をヒートシール密封し
た。
【0093】実施例サンプルIII −2の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10、上記水産加工
品20としての甲殻類茹で製品、トレーは前記実施例II
I −1と同様のものを用いた。
【0094】包装容器50としては、塩化ビニリデンコ
ート2軸延伸ポリプロピレン(ダイセル化学工業社製、
セネシKOP HB、厚さ20μm)/無延伸ポリプロ
ピレン(東京セロファン紙社製、トーセロCP−SC、
厚さ30μm、拡散速度1.2μm/min)のフィル
ムを用いて、上記実施例サンプルIII - 1と同様にパウ
チ形状としたものを用いた。この包装容器50の中に、
トレーに乗せた甲殻類茹で製品、イソチオシアン酸エス
テル発生部材、および脱酸素剤(三菱瓦斯化学社製 エ
ージレスS200−PU)を封入し、開口部をヒートシ
ール密封した。
【0095】比較サンプルIII −1の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封しなかっ
た。それ以外は、実施例サンプルIII −1と同様にして
比較例サンプルIII −1を作成した。
【0096】比較サンプルIII −2の作製 イソチオシアン酸エステル発生部材10を同封しなかっ
た。それ以外は、実施例サンプルIII - 2と同様にして
比較例サンプルIII - 2を作成した。
【0097】実施例サンプルIII - 3の作製 シーラント層として、ポリエチレン(タマポリ社製、タ
マポリ・ポリエチレンフィルムV−1、厚さ30μm、
拡散速度8.0μm/min)を用い、イソチオシアン
酸アリルエステル3重量部をコーン油97重量部で希釈
し、実施例サンプルIII −1と同様のセルロースマット
に1g吸着させ、イソチオシアン酸アリルエステルを3
0mg含有した鮮度保持剤7を作製した。それ以外は、
実施例サンプルIII - 1と同様にして実施例サンプルII
I - 3を作成した。
【0098】比較サンプルIII - 3の作製 シーラント層として、ポリエチレンテレフタレート系シ
ーラントフィルム(積水化学工業社製、エスティナP3
20、厚さ30μm、拡散速度10×10-5μm/mi
n)を用いた。それ以外は、実施例サンプルIII - 1と
同様にして比較例サンプルIII - 3を作成した。
【0099】これらの実施例サンプルIII - 1〜III -
3、比較サンプルIII - 1〜III -- 3をそれぞれ、5
℃の環境下に10日間保存した。保存テストの評価は、
保存中の一般生菌数および開封時のワサビ臭で評価し
た。保存中の一般生菌数の推移を下記表5に、官能検査
結果を下記表6に示した。
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。
【0103】すなわち、本発明の水産加工品の保存用容
器は、イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と、水産
加工品と、を包装用容器の中に収納しているので、水産
加工品、特に、消費者の志向により保存性が低下しつつ
ある燻製品(特に、水分活性が0.88以上のもの、燻
煙処理後のスライス工程を有するもの)にあっては、微
生物による劣化を防止できる。また、水産加工品、特
に、魚類塩蔵品にあっては、冷蔵での鮮度保持期間を著
しく延長できる。また、水産加工品、特に、甲殻類の茹
で製品にあっては、付着した微生物が殺菌・静菌され品
質(鮮度)を保つことができる。
【0104】また、本発明の水産加工品の保存用容器
は、前記包装用容器内面にイソチオシアン酸エステル吸
着性シーラント層を備えるように構成しているので、開
封時の不快な刺激臭(ワサビ臭)の発生を回避できると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と水産
加工品とを収納した状態を模式的に示す本発明の水産加
工品の保存容器の断面図である。
【図2】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材と水産
加工品と脱酸素剤を共に包装用容器に収納した状態を模
式的に示す本発明の水産加工品の保存容器の断面図であ
る。
【図3】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材の一実
施例を示す平面図である。
【図4】図3のIII-III 断面矢視図である。
【図5】イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材の他の
実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1…保存容器 7…鮮度保持剤 8…小袋体 10…イソチオシアン酸エステル発生部材 20…水産加工品 50…包装用容器 52…任意の基材層 57…シーラント層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソチオシアン酸エステル蒸気発生部材
    と、水産加工品と、を包装用容器の中に収納したことを
    特徴とする水産加工品の保存用容器。
  2. 【請求項2】 前記包装用容器内面にはイソチオシアン
    酸エステル吸着性シーラント層を備えることを特徴とす
    る請求項1に記載の水産加工品の保存用容器。
  3. 【請求項3】 前記イソチオシアン酸エステル吸着性シ
    ーラント層が、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系
    樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載
    の水産加工品の保存用容器。
  4. 【請求項4】 前記水産加工品が、燻製品、魚類の塩蔵
    品、または甲殻類茹で製品であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載の水産加工品の保
    存用容器。
  5. 【請求項5】 前記イソチオシアン酸エステル吸着性シ
    ーラント層が、拡散速度1.0×10-2μm/min以
    上である物性を備えることを特徴とする請求項1ないし
    は請求項4のいずれかに記載の水産加工品の保存用容
    器。
  6. 【請求項6】前記イソチオシアン酸エステル吸着性シー
    ラント層の外側に酸素バリア性の包装材料が積層されて
    おり、包装用容器内部の残存酸素濃度が2%(V/V)
    以下であることを特徴とする請求項1ないしは請求項5
    のいずれかに記載の水産加工品の保存用容器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016179824A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 伊藤ハム株式会社 食品素材の退色を抑制するための包装体及びその退色抑制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016179824A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 伊藤ハム株式会社 食品素材の退色を抑制するための包装体及びその退色抑制方法

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