JP6146061B2 - 青果物用包装袋および青果物包装体 - Google Patents

青果物用包装袋および青果物包装体 Download PDF

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Description

本発明は、青果物用包装袋および青果物包装体に関するものである。
青果物の劣化で最も顕著なのは、水分ロスによるしおれである。このため、青果物を貯蔵、輸送或いは販売する際には、水蒸気を吹きかけたり、冷蔵庫内を高湿度に維持したり、切り口を水につけたりしてしおれを軽減している。しかし、水蒸気や冷蔵庫では特殊な設備が必要であり、水は輸送中にこぼれるといった問題があった。また、合成樹脂フィルム製の袋で青果物を包装する方法が一般的に用いられているが、この方法では以下のような問題があった。
従来の青果物の包装では、防曇加工を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)が多く用いられている。これは、OPPフィルムが安価で透明性やヒートシール性に優れているため使いやすく青果物を包装した際の見栄えが良いといった特徴によるものである。しかし、包装袋内に青果物が密封されていると、青果物は含水率がおよそ80%以上であるため、包装袋内に青果物から出た水分がこもってしまい、防曇加工を施してもフィルム表面や青果物の表面に水滴が付着してしまい、徐々に袋内に水が溜まってしまうという欠点があった。このような状態だと見栄えが悪くて市場、量販店或いは消費者に敬遠されたり、青果物表面がぬめりやすくなったりするという欠点があった。
このため、袋内に水分がこもらないように袋開口部が開いたままのオープンの状態にしたり、直径5mm程度の穴をあけた袋を用いたりして貯蔵、輸送しているが、これらの方法では水分が蒸発して、結露が生じないが青果物がしおれてしまうという問題があった。
また、ポリスチレン、ポリアミドなどの水蒸気透過率の高いフィルムで青果物を包装することで結露をなくすことも検討されているが、青果物がしおれやすいので鮮度保持が難しい、フィルムの強度が低くかったり、或いは吸湿してフィルムの腰が無くなったりするので見栄えが悪くなる、ヒートシール性が悪いので製袋し難いなどの問題点があるためほとんど実用化にいたっていない。
特開2001−146291号公報(特許文献1)では、水蒸気透過率が20g/m2・24hr(at40℃・90%RH)以上である単層または多層の高分子フィルムを用いた袋状包装体に青果物を入れて密封包装する青果物鮮度保持包装体が開示されている。該高分子フィルムがポリエステル型樹脂フィルム、ポリアミド型樹脂フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂フィルムの少なくともいずれか1種を含む単層または多層の高分子フィルムであり、内容物である青果物自身の呼吸により包装体内の炭酸ガス濃度が大気中に比べて高濃度でかつ包装体内の酸素濃度が大気中に比べて低濃度となり、かつ包装体全体での重量減少が1日あたり1重量%未満であることを特徴とする青果物鮮度保持包装体が開示されている。
しかし、当該公報の内容では、保管中にフィルムが吸湿してシワになり、包装体の見栄えが悪かったり、水蒸気透過率が高すぎて青果物がしおれやすかったり、フィルムの粘性が高いため青果物に貼りつきやすいといった欠点があった。
特開2003−284487号公報(特許文献2)では、通気性、水蒸気透過性を有する高分子フィルムに果実類、野菜類、果菜類、または菌茸類の青果物を入れて保存する包装体において、密封した包装体内のエタノール濃度が0.001〜3%であることを特徴とする青果物の鮮度保持包装体が開示されている。特許文献2では高分子フィルムが開孔面積0.06mm2以下の微細孔及び/又はキズを設けられた高分子フィルムであり、包装体に1個以上の微細孔及び/又はキズを有することが好ましいとされている。かつ包装全体の重量減少が0.5〜3%である包装体である。また、通気性及び水蒸気透過性を有する高分子フィルムが、ナイロン単層フィルム、ナイロンとその他素材との多層フィルムである。
特許文献2のような構成の包装袋は、ナイロンフィルム自身の水蒸気透過性が大きいことから水蒸気透過性が必要な包装体には用いられるケースがあった。しかし、ナイロンフィルム自身は吸湿しやすいためしわになり易くかつ腰がないため、青果物を内包して店頭で陳列した場合、包装体の見栄えが悪く実用に至らないケースが多かった。
また、フィルムの透明性が悪い、ヒートシール性が悪くて加工し難いといった面でも問題があった
特開2012−1268号(特許文献3)では、複数の透水孔を有する基材シートの内面側に保水剤層を有し、外面側に抗菌剤層を有して成ることを特徴とする野菜・果実類保存用包装シートが開示されている。透水孔として直径2ナノメートル以上3ミリメートル以下が好ましい旨記載され、透水孔の密度は、直径1ミリメートルの透水孔であれば、1乃至25個/cm2であることが好ましい旨記載されている(段落番号0008)。また、実施例では、透水孔の孔径約0.8mmの貫通孔を袋体の表面に2〜3個/cm2の密度となるよう形成することが開示されている(段落番号0026)。
しかし、特許文献3に記載のような孔密度を設けたものは、袋内の青果物が徐々にしおれてくるという問題があった。更に、基材シートの内面側に保水剤層を有し、外面側に抗菌剤層を設けるため価格的に高価になり、透明性が悪くなり、かつこれらの層を設けるため製作の工程も複雑となる。
以上ように、これまでは、安価で使い勝手や青果物包装体の見栄えが良く、水蒸気透過率を自在にコントロールできる青果物用の包装袋は存在しなかった。
特開2001−146291号 特開2003−284487号 特開2012−1268号
本発明の目的は、且つ、結露が生じず、青果物がしおれることなく、しわの発生がなく、かつ透明性が良く、青果物を包装して水分に触れて吸湿してもフィルムのコシが保たれることで見栄えが良い青果物用包装袋及び青果物包装体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1)青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される青果物用包装袋であって、前記合成樹脂フィルムは、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面に、厚さ0.5μm以上、10μm以下のヒートシール層を有し、水蒸気透過度が35g/m2・day(40℃・90%RH)以上、120g/m2・day(40℃・90%RH)以下であり、かつ、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面における水の接触角が0°超、60°以下であることを特徴とする青果物用包装袋。
(2)前記ヒートシール層は防曇剤を含むものである上記(1)に記載の青果物用包装袋。
(3)前記防曇剤の含有量はヒートシール層全体に対して、1.5重量%以上、30重量%以下である上記(2)に記載の青果物用包装袋。
(4)前記合成樹脂フィルムは、その酸素透過速度が80cc/m2・day・atm以上、500,000cc/m2・day・atm以下である上記(1)ないし(3)に記載の青果物用包装袋。
(5)前記青果物100gあたりの袋内表面積が100cm2以上、600cm2以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の青果物用包装袋。
(6)前記合成樹脂フィルムは、その厚さが10μm以上、50μm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の青果物用包装袋。
(7)前記合成樹脂フィルムは、延伸ナイロン、延伸ポリ乳酸、または延伸ポリスチレンのいずれか1つ以上を含むものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の青果物用包装袋。
(8)オクラ、エダマメ、ブロッコリー、ナス、ピーマン、パプリカ、シイタケ、エリンギ、マイタケ、シメジ、マツタケ、栗、イチゴ、ライチ、バナナ、マンゴー、メロン、ブドウ、ブルーベリー、リンゴ、柿、ビワ、イチジク、西洋梨、温州ミカン、中晩柑、レモン、カボス、タマネギ、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモのうちのいずれかを前記青果物として包装する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の青果物用包装袋。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
本発明によれば、容易に自動包装及び製袋ができ、且つ、結露が生じず、青果物がしおれることなく、しわの発生がなく、透明性が良く、かつ見栄えが良い青果物用包装袋及び青果物包装体を提供することができる。
本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の一例を、詳細に説明する。
本発明に係る青果物用包装袋は、青果物を包装するために用いられるものであり、合成樹脂フィルムより構成される。
前記青果物としては、特に限定されず、例えば、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、ナバナ、シュンギク、チンゲンサイ、レタス、アスパラガスのような葉茎菜類、ピーマン、パプリカ、ニガウリ、エダマメ、スイートコーン、キュウリ、オクラ、ナス、トマト、ミニトマト、アオウメ、イチゴのような果菜類、バナナ、ブドウ、和梨、西洋梨、イチジク、ビワ、リンゴ、イチゴ、温州ミカン、中晩柑(甘夏、デコポン、イヨカン、河内晩柑および清見等)、レモン、カボス、スダチ、ライムのような果実類、ナガイモ、ゴボウのような根菜類、シイタケ、シメジ、エリンギ、マイタケ、マツタケのような菌茸類(キノコ類)および菊、ユリのような切り花等が挙げられ、これらの何れであっても、包装袋で包装することができる。
これらのうち、包装袋内の結露が目立ちやすい、オクラ、ナス、ピーマン、パプリカ、ニガウリ、トマト、ミニトマト、シイタケ、エリンギ、シメジ、マイタケ、マツタケ、バナナ、ブドウ、イチゴ、温州ミカン、中晩柑、レモン、カボス、和梨、西洋梨、イチジク、ビワおよび切り花等の包装に使用するのが好ましく、さらに、オクラ、ナス、ピーマン、パプリカ、バナナ、ブドウ、シイタケ、エリンギ、マイタケ、シメジ、イチゴ、温州ミカン、中晩柑、レモン、カボスに用いられることがより好ましく、特に、シイタケ、エリンギ、マイタケ、シメジのようなキノコ類に用いるのが最適である。
尚、前記合成樹脂フィルムは、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面に、厚さ0.5μm以上、10μm以下のヒートシール層を有する。
これによって、青果物を包装した際にフィルムのコシが保たれるとともにシワになりにくく青果物包装体としての見栄えが良好に保たれるとともに、フィルムの透明性が損なわれにくくなる。また、ヒートシール性も得られるため、青果物を横ピロー機や縦ピロー機といった包装機での自動包装や製袋が可能となる。
尚、前記合成樹脂フィルムは、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面の全面に、前記ヒートシール層を有することが好ましい。
前記ヒートシール層を構成する樹脂としては、特に限定されないが、共重合あるいは官能基導入やポリマーアロイ化等した変性樹脂でもよく、これらの塩でも良い。例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等、ポリウレタン系樹脂、パラフィンワックス系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル・塩化ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、変性スチレン・アクリル系樹脂、変性スチレン・アクリル系樹脂の塩、エチレン・ビニルアルコール系樹脂、変性エチレン・酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても良く、混合して用いても良い。
中でもスチレン・アクリル系樹脂、変性スチレン・アクリル系樹脂の塩、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系樹脂であることが好ましい。
尚、前記ヒートシール層の厚さは、0.5μm以上、10μm以下であれば特に限定されないが、0.8μm以上、8μm以下であることが好ましく、2μm以上、6μm以下であることがより好ましい。
前記ヒートシール層の厚さが前記範囲内であることにより、より結露しにくく、生産しやすく、青果物が劣化しにくいフィルムを得ることができる。
また、前記ヒートシール層の厚さが、前記上限値より大きい場合には、結露防止効果が得にくくなったり、ウェッティングコート時の溶剤が乾燥しにくくなって生産し難くなったりする場合がある。
逆に、前記ヒートシール層の厚さが、前記下限値未満では、層厚のコントロールが難しくなったり、ヒートシールし難くなったり、青果物がしおれやすくなったり、青果物を包装して吸湿した際にフィルムのコシが維持できずに見栄えが悪くなったりする場合がある。
尚、前記ヒートシール層の表面の水の接触角、つまり、前記合成樹脂フィルムにおいて、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面における水の接触角が0°超、60°以下である。
これにより、包装直後や青果物包装体が輸送中や店頭販売中等に遭遇する変温時等に発生しやすい青果物包装体内の結露を防止することができる。
前記合成樹脂フィルムの、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面における水の接触角は、0°超、60°以下であれば特に限定されないが、5°以上、50°以下であるのが好ましく、5°以上、40°以下であるのがより好ましい。水の接触角を前記範囲内のものとすることにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。なお、水の接触角は、接触角計で測定し得る(協和界面科学株式会社製 DM−SAを使用、水1.5μLをフィルムに着滴して6秒後の値)。
尚、前記ヒートシール層は、防曇剤を含んでいることが好ましい。前記ヒートシール層が防曇剤を含むことにより、前記合成樹脂フィルムにおいて、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面における水の接触角を、前記範囲内に制御することが容易となる。
また、前記ヒートシール層に含まれる防曇剤の量は、特に限定されないが、ヒートシール層全体に対して、1.5重量%以上、30重量%以下であることが好ましく、4重量%以上、20重量%以下であることがより好ましい。
前記ヒートシール層に含まれる防曇剤の前記下限値未満では、変温時等に生じる短期的な結露が目立ちやすくなる場合があり、前記上限値より大きい場合には、十分なヒートシール強度が得られなくなる場合がある。
前記防曇剤としては、特に限定されないが、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミテート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンオレエート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン アルキルエーテル等エチレンオキサイド付加物など既知のものを使用することができる。これらは単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いても良い。
また、前記合成樹脂フィルムの水蒸気透過度は、35g/m2・day(40℃・90%RH)以上、120g/m2・day(40℃・90%RH)以下である。
これにより、青果物包装体内の結露が防止できるので、青果物が見えにくくなったり、青果物が水に接触し続けることで傷みやすくなったりすることが無く、かつ青果物がしおれにくくなる。
前記合成樹脂フィルムの水蒸気透過度は、35g/m2・day(40℃・90%RH)以上、120g/m2・day(40℃・90%RH)以下であれば特に限定されないが、40g/m2・day(40℃・90%RH)以上、110g/m2・day(40℃・90%RH)以下であるのが好ましく、45g/m2・day(40℃・90%RH)以上、100g/m2・day(40℃・90%RH)以下であるのがより好ましい。合成樹脂フィルムの水蒸気透過度が前記範囲内であることにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、水蒸気透過度は、JIS Z 0208に則って測定することができる。
また前記合成樹脂フィルムの酸素透過速度は、80cc/m2・day・atm以上、500,000cc/m2・day・atm以下であることが好ましい。青果物は、収穫後も呼吸し続けており、呼吸するほど劣化してしまう特性がある。青果物の呼吸は、大気中よりも程よい低酸素濃度、高二酸化炭素濃度環境下で抑制されるので、鮮度保持が可能となる。
また、前記合成樹脂フィルムの酸素透過速度は、1,000cc/m2・day・atm以上、400,000cc/m2・day・atm以下であることがより好ましく、1,500cc/m2・day・atm以上、300,000cc/m2・day・atm以下であることがより一層好ましい。
前記合成樹脂フィルムの酸素透過速度を前記範囲内のものとすることにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、酸素透過速度の測定方法は、密閉可能な容器に穴をあけて、この部分にフィルムを張り付け、容器内を窒素置換して23℃で保管して、この容器内の酸素濃度変化をガスクロマトグラフィーで測定し、時間あたりの酸素容器への流入量(cc)を求め、これをフィルム1m2、1日あたりの値に換算した。なお、酸素濃度は経過時間と反比例の関係を有する範囲の数値を使用する。
また、青果物100gあたりの袋内表面積は、100cm2以上、600cm2以下であることが好ましく、150cm2以上、300cm2以下であることがより好ましい。
これにより、青果物用包装袋は、上述したような効果をより顕著に発揮することとなる。
また、前記合成樹脂フィルムの厚さは、特に限定されないが、10μm以上、100μm以下であることが好ましく、20μm以上、40μm以下であることがより好ましい。前記合成樹脂フィルムの厚さが前記範囲内であることにより、輸送の過程や、追熟処理を施す際に、青果物用包装袋にキズが生じたり、破損したりするのを確実に防止することができる。さらに、合成樹脂フィルムの水蒸気透過度および内表面における水の接触角を比較的容易に前記範囲内に設定することができる。
なお、前記合成樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されないが、
例えば、ベースとなる基材フィルムにヒートシール層を構成する樹脂および防曇剤等を溶液に溶解又は分散させたもの(コート剤)をコートするウェットコーティング法、基材フィルムに溶融した樹脂を積層する押出ラミネート法或いはフィルム同士を接着剤で張り付けるドライラミネート法等が挙げられる。これらのうち、水蒸気透過度や水接触角の調節しやすさ、製造しやすさに優れるウェットコーティング法が最も好ましい。ウェットコーティングの方式としては、正回転ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ブレードコート、ロッドコート、エアドクターコート、カーテンコート、キスコート等を用いることができる。
また、前記ウェットコーティング法において、基材フィルムにコートするコート剤としては、特に限定されないが、コート剤全体に対して、ヒートシール層を構成する樹脂を10重量%以上、70重量%以下含むことが好ましく、20重量%以上、50重量%以下含むことがより好ましい。さらにコート剤全体に対して、前記防曇剤を1.5重量%以上、15重量%以下を含むことが好ましく、2重量%以上、8重量%以下含むことがより好ましい。これによりヒートシール層全体に対する防曇剤の量を前記範囲内に設定することが容易となる。
前記基材フィルムを構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン(PS)、ナイロン(NY)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、セロハン(PT)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート等が挙げられるが、中でも、ナイロン、ポリ乳酸、EVOH、またはポリスチレンのいずれか1つ以上を含むものであるのが好ましい。これにより、水蒸気透過度および水の接触角を比較的容易に前記範囲内に設定することができる。
また、基材フィルムを構成する樹脂は、上記の樹脂の単独重合体や共重合体、または官能基を導入して変性したものでも良い。
さらに、前記基材フィルムは、一軸又は二軸延伸してあることが好ましく、単層であっても多層であってもよい。また、コロナ処理、プラズマ処理或いは火炎処理等を施してあっても構わない。
なお、青果物用包装袋の製造方法は、特に限定されないが、例えば、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせた状態、または1枚の合成樹脂フィルムを折り重ねた状態で、3辺若しくは2辺を熱シールにより融着させて袋を形成し、1辺において開口する開口部を設ける構成とすることで袋体としての形状が形成される。このような青果物用包装袋において、開口部を介して青果物が袋内に配置され、開口部をテープで縛るまたは熱圧着等により密閉することで、青果物用包装袋により青果物が包装される。或いは、自動包装機を使用して包装することも可能である。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれにより限定されるものではない。
(実施例1、2、5、6、7、参考例3、4、比較例1〜3)
表1に示す構成の基材フィルム(実施例7および比較例1は、表1に示す樹脂をグラビアコートで積層し、厚さ25μmの第1樹脂層、厚さ0.5μmの第2樹脂層からなる2層構成の基材フィルムとした。)にヒートシール層を所定の厚みとなるようにコートして110℃で1分間乾燥してフィルムを得た。
作成したフィルムの水蒸気透過度、酸素透過度およびヒートシール面の水接触角を上述した測定方法にて測定した。
<評価>
作成したフィルムで内寸110mm×190mmの袋を作成して生シイタケ(約100g)を入れてヒートシールで密封して生シイタケ包装体を作成した。なお、袋には、表1に記載した大きさの孔を開けた。
この生シイタケ包装体を10℃の冷蔵庫に入れて保管後、3時間、1日及び4日の袋内面の結露、シイタケの品質、及びシイタケ包装体の見栄えを、下記の評価基準にしたがって評価し、その結果を表2に記載した。
・評価基準(袋内面の結露)
◎ :結露なし
○ :ほぼ結露なし
※全体の10%以下の面積に水滴付着
□ :若干の結露あり
※膜状に水が付着又は全体の30%以下の面積に水滴が付着
△ :結露あり
※全体の30%を超える面積に水滴が付着(霧状に曇った状態も含む)
× :著しい結露あり
※全面に水滴が付着し且つ袋を持ち上げると袋の底に水が溜まる。
・評価基準(シイタケの品質)
◎ :非常に良好
○ :良好
△ :若干の異臭、褐変あり
× :異臭、褐変あり
・評価基準(包装袋の見栄え)
◎ :非常に良好
○ :良好
△ :やや不良(若干の曇り、よれあり)
× :不良(曇り、よれあり)
Figure 0006146061
Figure 0006146061

Claims (9)

  1. 青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される青果物用包装袋であって、
    前記合成樹脂フィルムは、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面に、厚さ0.5μm以上、10μm以下のヒートシール層を有し、
    前記ヒートシール層を構成する樹脂は、変性スチレン・アクリル系樹脂の塩であり、
    水蒸気透過度が35g/m2・day(40℃・90%RH)以上、120g/m2・day(40℃・90%RH)以下であり、かつ、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面における水の接触角が0°超、60°以下であることを特徴とする青果物用包装袋。
  2. 前記ヒートシール層は防曇剤を含むものである請求項1に記載の青果物用包装袋。
  3. 前記防曇剤の含有量はヒートシール層全体に対して、1.5重量%以上、30重量%以下である請求項2に記載の青果物用包装袋。
  4. 前記合成樹脂フィルムは、その酸素透過速度が80cc/m2・day・atm以上、500,000cc/m2・day・atm以下である請求項1ないし3に記載の青果物用包装袋。
  5. 前記青果物100gあたりの袋内表面積が100cm2以上、600cm2以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の青果物用包装袋。
  6. 前記合成樹脂フィルムは、その厚さが10μm以上、50μm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の青果物用包装袋。
  7. 前記合成樹脂フィルムは、延伸ナイロン、延伸ポリ乳酸、または延伸ポリスチレンのいずれか1つ以上を含むものである請求項1ないし6のいずれかに記載の青果物用包装袋。
  8. オクラ、エダマメ、ブロッコリー、ナス、ピーマン、パプリカ、シイタケ、エリンギ、マイタケ、シメジ、マツタケ、栗、イチゴ、ライチ、バナナ、マンゴー、メロン、ブドウ、ブルーベリー、リンゴ、柿、ビワ、イチジク、西洋梨、温州ミカン、中晩柑、レモン、カボス、タマネギ、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモのうちのいずれかを前記青果物として包装する請求項1ないし7のいずれかに記載の青果物用包装袋。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
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