JP7012680B2 - 青果物包装袋 - Google Patents
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また、特許文献3に記載されるような農業用フィルムを包装体に用いた場合、硬度が高く包装袋に適さないものであった。
第一の層と、最内層となる第二の層と、を有する積層体からなり、
前記第一の層が、ポリアミド系樹脂、及びアンチブロッキング剤を含み、
前記第二の層は、防曇剤、及びエチレンコンテントが44mol%以上48mol%以下のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を含み、かつ厚みが、3μm以上、30μm以下であり、
前記積層体は、前記第一の層と、前記第二の層との共押出により形成されてなる水蒸気透過性を有する青果物包装袋が提供される。
また、本実施形態では、結露抑制包装袋の内容物を、青果物とした場合について説明するが、内容物は青果物に限られない。
ここで、防曇とは、青果物の呼吸により発生した水分を、防曇層3表面で膜状に広げることで、水分を目立たなくする機能をいう。これにより、防曇層3表面に付着した水分による凹凸を低減させることで、光の乱反射が発生するのを抑制できる。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂としては、特に限定されないが、好ましくは、エチレンコンテント29mol%以上48mol%以下であり、より好ましくは、エチレンコンテント44mol%以上48mol%以下である。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂のエチレンコンテントが高いほど融点が低く、ヒートシールし易くなり、包装した内容物に含まれる水分の減少抑制しやすくなる。
具体的な構成脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノレイン酸、2-ブチルオクタン酸、2-ヒドロキンデカン酸等が挙げられる。さらに具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸の単独又は2種以上を全構成脂肪酸の70質量%以上含有するものが好ましく、残りはカプリン酸やカプリル酸等の炭素数10以下および/又はステアリン酸やアラキジン酸等の炭素数18以上の飽和脂肪酸を、或いはミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を含んでいてもよい。
なお、水蒸気透過度は、JIS Z 0208(40℃、90%RH)に準拠して測定する。
なお、ヘイズとは、拡散光透過率を全光線透過率で除した値であり、JIS K7105に準拠して測定する。
基材層1と中間層2と防曇層3との共押出としては、Tダイ法(一軸延伸、二軸延伸、未延伸)あるいはインフレーション法により製造する方法が挙げられる。
また、従来、青果物などを収容する包装袋に、微細孔などを設けて水分を外部に放出するための通気性を得ようとした場合、微細孔以外の部分が結露したり、透明性が低下したり、酸素透過性が高くなりすぎ、青果物など含水物の保存性が低下したりする場合があった。これに対し、青果物包装袋100によれば、微細孔及び/または切り込みを有さなくても、防曇性、結露防止性が得られ、青果物の鮮度を保持できる。
青果物包装袋100は、呼吸を行う青果物に対し、青果物包装袋用多層フィルム10のガス透過性を高度に制御しつつ、防曇、結露防止機能に優れたものである。
青果物以外の水分を含有する物としては、肉、魚、洋菓子、及びパン等の加工食品、干し柿等乾燥させたが完全には水分がなくなっていないもの、包装袋に入れた際に内容物が含有する水分によって結露が発生するものでもよい。また、食品以外のものであってもよく、木材、衣類、医薬品、工業用材料であってもよい。
また、水分を付着するものとしては、冷凍、冷蔵で冷やされているために表面に結露が発生したもの、洗浄や包装前の結露により表面が濡れた状態のものでもよい。
結露しやすさの観点から、内容物としては、青果物が好ましい。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
第一の層と、最内層となる第二の層と、を有する積層体からなり、
前記第二の層の厚みが、3μm以上、30μm以下であり、
前記積層体は、前記第一の層と、前記第二の層との共押出により形成されてなる結露抑制包装袋。
<2>
<1>に記載の結露抑制包装袋において、
前記第二の層が、防曇性を有し、非イオン界面活性剤を含む結露抑制包装袋。
<3>
<1>または<2>に記載の結露抑制包装袋において、
前記第一の層が、ポリアミド系樹脂を含む結露抑制包装袋。
<4>
<1>乃至<3>いずれか1つに記載の結露抑制包装袋において、
前記第二の層が、ビニルアルコール系樹脂を含む結露抑制包装袋。
<5>
<1>乃至<4>いずれか1つに記載の結露抑制包装袋において、
前記積層体が透明である結露抑制包装袋。
<6>
<1>乃至<5>いずれか1つに記載の結露抑制包装袋において、
被包装物が青果物である結露抑制包装袋。
<7>
<1>乃至<6>いずれか1つに記載の結露抑制包装袋を用いて被包装物を保存し、結露を防止する結露抑制包装袋の使用方法。
以下の実施例、比較例で示される原料を用いて、各層を同時に押し出す共押出法で多層フィルムを製造した。ダイは、マルチマニホールドダイを使用した。ダイスを通過した各層の融解物を、冷却ロール(温度30℃)に誘導して冷却した。その後、この多層フィルムを、最終的に巻取ロール(3インチ紙管)に巻き取った。
得られた多層フィルムは、いずれも透明(ヘイズ10%以下:JIS K7105準拠)であった。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント38mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(日本合成化学工業株式会社製のソアノールET3803RB)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)3.5%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み36μm、最内層(防曇層)の厚み26μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)3.5%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み34μm、最内層(防曇層)の厚み20μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)3.5%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み34μm、最内層(防曇層)の厚み14μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント48mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールG156B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)3.5%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み34μm、最内層(防曇層)の厚み5μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)2.4%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み34μm、最内層(防曇層)の厚み20μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)1.6%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み34μm、最内層(防曇層)の厚み20μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):デカグリセリンステアレート(理研ビタミン株式会社製ポエムJ-0081HV):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=90:10:98:2)2.4%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み30μm、最内層(防曇層)の厚み20μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):デカグリセリンオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムJ-0381V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=95:5:98:2)2.4%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み30μm、最内層(防曇層)の厚み20μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント44mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールE105B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):デカグリセリンラウレート(理研ビタミン株式会社製ポエムL-021):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=60:40:98:2)2.4%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み30μm、最内層(防曇層)の厚み20μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント48mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ社製のエバールG156B)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)1.0%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み50μm、最内層(防曇層)の厚み35μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部のエチレンコンテント38mol%のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(日本合成化学工業株式会社製のソアノールET3803RB)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1015FD-M)とをドライブレンドしたものに、非イオン性界面活性剤として、(ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製ポエムDO-100V):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン株式会社製リケマールB-205):1-ドデカノール=100:98:2)1.0%となるように添加した。
上記原料を用いて総厚み34μm、最内層(防曇層)の厚み1μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
基材層の原料として、100重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製のUBEナイロン1030B2)と3重量部のアンチブロッキング剤マスターバッチ(宇部興産株式会社製、UBEナイロン1015FD-M)をドライブレンドしたものを用いた。
防曇層の原料としては、100重量部の低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、F222)と20重量部の防曇剤マスターバッチ(理研ビタミン株式会社製EAR-5、添加材濃度12%)をドライブレンドしたものを用いた。
上記原料を用いて総厚み50μm、最内層(防曇層)の厚み40μmの多層フィルムを製造した。この多層フィルムの防曇性、結露防止性、及び密着性を評価し、その結果を表1に示す。
・防曇性
40℃の湯を100ml入れた300mlトールビーカーの開口部を完全に覆うようにして、多層フィルムを被せて輪ゴムでビーカーに固定した。多層フィルムは、防曇性測定面(防曇層側)がビーカー内側となるようにした。この多層フィルムを被せたビーカーを速やかに10℃の冷蔵庫に入れて5分後に、多層フィルムのビーカー内側面に付着した水の状態を多層フィルムの防曇層側から目視で確認し、以下の基準を用いて評価した。
4:水は、膜状になっており、多層フィルムの反対側が容易に見通せる。
3:水は、ほぼ膜状だが、一部粒状になっている。多層フィルムの反対側はほぼ見通せる。
2:水は、ほぼ粒状に付着。多層フィルムの反対側がやや見え難い。
1:水は、全面粒状或いは霧状に付着している。多層フィルムの反対側がかなり見え難い。
※防曇性は、評価3以上を合格とした。
得られた多層フィルムの防曇層が内側になるようにして、内寸130×180mmの包装袋を作成し、針で突き刺し穴2個をあけた。常温(20~35℃)下で、この包装袋に生シイタケ約100gを入れて包装袋開口部をヒートシールで密封して包装体を得た。この包装体を10℃、71%RHで保管し、10分後、1日後、3日後、及び5日後に包装袋内の結露状態を包装袋の外側から目視で観察し、下記の基準を用いて評価した。
なお、包装体は、包装袋に内容物を入れて包装したものを意味する。
5:包装袋内面に水分が付着していない。
4:包装袋内面に付着した水が膜状になっている。
3:包装袋内面に一部に粒状の水が付着している(内容物がほぼはっきり見える)。
2:包装袋内面に粒状の水が目立つ。
1:包装袋内全面に粒状の水が多く付着している(内容物が見え難い)。
※結露防止性は、全ての評価で3以上を維持していた場合を合格とした。
また、包装体保管時の質量変化を測定し、下記の基準を用いて評価した。
2:1日当たりの包装体の目減りが1.5%未満
1:1日当たりの包装体の目減りが1.5%以上
(1)得られた多層フィルム(積層体)を幅15mm、長さ80mmに切り出し、
(2)幅15mm、長さ80mmのテープ(電気化学工業株式会社製の#822 布粘着テープ)を準備し、積層体の最内層側(防曇層)に、貼り合せ部分が幅15mm、長さ10mmとなるようにテープを貼りつけてゴムローラーで圧着して圧着部を形成した試験片を10個準備し、
(3)積層体とテープの圧着部以外をマスキングし、
(4)圧着部を中央にして積層体とテープを180°に開き、つかみの間隔を50mm以上とし、積層体の直角方向端部とテープの直角方向端部を展開長さ140mmとして引張試験機に取付け、
(5)引張試験機のつかみ間の相対移動速度を200±20mm/分で試験片を引張り、デラミネーション(層間剥離)の有無を確認した。
デラミネーションが0個の場合を○、デラミネーションが1個以上の場合を×とした。
多層フィルムの厚みは、連続厚み測定機フィルムテスターS-2270(株式会社フジワーク社製)で測定した。試験片の幅は、50mm、測定時のフィルムの送り速度は、1.5m/分とした。
多層フィルムの防曇層の厚みは、多層フィルムの断面を観察して、防曇層の厚みを測定した。または、多層フィルムの断面を観察して、多層フィルム全体に対する防曇層の比率から、防曇層の厚みを算出した。
2 中間層
3 防曇層
10 青果物包装袋用多層フィルム
11 接合部
50 溶断刃
100 青果物包装袋
Claims (8)
- 第一の層と、最内層となる第二の層と、を有する積層体からなり、
前記第一の層が、ポリアミド系樹脂、及びアンチブロッキング剤を含み、
前記第二の層は、防曇剤、及びエチレンコンテントが44mol%以上48mol%以下のエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を含み、かつ厚みが、3μm以上、30μm以下であり、
前記積層体は、前記第一の層と、前記第二の層との共押出により形成されてなる水蒸気透過性を有する青果物包装袋。 - 請求項1に記載の青果物包装袋において、
前記防曇剤が、非イオン界面活性剤を含む青果物包装袋。 - 請求項1または2に記載の青果物包装袋において、
前記防曇剤の含有量が前記第二の層の固形分当たり2.0質量%以上、5.0質量%以下である青果物包装袋。 - 請求項1または2に記載の青果物包装袋において、
前記第二の層がアンチブロッキング剤を含む青果物包装袋。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載の青果物包装袋において、
溶断シールの用途に供される青果物包装袋。 - 請求項1乃至5いずれか一項に記載の青果物包装袋において、
前記積層体が透明である青果物包装袋。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の青果物包装袋において、
被包装物が青果物である青果物包装袋。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載の青果物包装袋を用いて被包装物を保存し、結露を防止する青果物包装袋の使用方法。
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