JP5540608B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、包装袋に関するもので、集積回路等の精密電子部品、鰹節の粉体等の静電気により不具合が発生する製品を包装するための帯電防止性のある包装袋に関するものである。
電子機器製品の高度化、精密化に伴って、IC、LSI、VLSI等電子部品のより一層の小型化、精細化、軽量化の傾向が著しく進んできている。一方、これらの電子機器製品の製造時、輸送中、開梱時における静電気による不具合が多発している。
内容物を外気や衝撃から保護することと内容物の視認性を確保するという目的から、従来これら製品の包装は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂のような汎用プラスチックからなるフィルムを、単体であるいはラミネートした積層体として、包装用の材料としてたとえば包装袋の形状に製袋して用いていた。
しかし、これらのフィルムに使用されているプラスチック材料は通常10の12乗(Ω/□)以上の高い体積固有抵抗をもつため帯電し易く、ゴミ、ほこり等が付着するだけでなく内容物自体も帯電によって包装材に吸着されて開封時に取り出しにくくなるといった不具合が避けられなかった。深刻な場合にはたとえば電子部品の場合には静電気による内容物の破壊が生じることも往々にして見られていた。
帯電によるこれらの不具合を解消し、事故を防止するための対策として包装材料として使用されるプラスチック材料に導電性を付与する別の材料を添加することがいくつか試みられてきた。
たとえば、導電性カーボンブラック等を分散した樹脂組成物、イオン導電性界面活性剤を添加した樹脂組成物よりなるフィルムを材料とした、パウチやトレー等の包装容器を用いて、内容物を包装することで、帯電を防止して、静電気障害から守ることが行われてきた。
しかし、包装材料に導電性の添加剤を加えた上記材料による包装材で包装しても、界面活性剤のブリードにより導電性の制御が困難であったり、導電性付与が不十分であったりすることが多かった。更に、添加剤自体が着色していたり不透明であったりする場合には、必要な導電性を付与するために必要な量を添加するとフィルムの透明性が低下して内容物の識別が出来なくなるなどの問題点があった。
特に、導電性カーボンブラック等、金属微粒子、フィラーを添加した樹脂からなる材料を用いた場合、導電材の微粒子化が必要であったり、樹脂中に均一分散させるために、ボールミル、アトライター、ロールミル等の剪断力、混合力の優れた分散装置により、十分時間をかけ二次粒子から一次粒子に分散させる必要があった。
そして、このようにして得られた導電塗料は、10の3乗〜10の4乗(Ω/□)の導電性は得られるが、塗料調整に分散装置等により多大な時間を要し、簡単に製造できないばかりでなく、必要な導電性得られる程度の厚みを基材にコーティングし、包装材料として用いると、透明性が著しく低下して視認性すなわち内容物を容易に識別、判断できる性能が劣化してしまう。また、粒子の脱落による汚染の問題も懸念される。
一方、界面活性剤を樹脂中に添加したイオン導電性の材料は、視認性の問題はクリア出来るが導電性付与に限界があり、特にLSI、VLSIなどでは、静電気障害防止のために必要な導電性を付与することが困難であり、包装材料として用いることができない場合がある。
さらに、イオン導電性材料として界面活性剤を用いた場合の最大の欠点は、低湿度(20%RH以下)では、ほとんど10の14乗(Ω/□)以上の表面抵抗値となり導電性を向上させる効果がほとんど無くなってしまうことである。
このように、導電性カーボン、金属微粒子、フィラーを樹脂中に添加、練りこんだ樹脂からなる材料では、樹脂中での導電粒子の均一分散性、成膜性、着色による不透明化等の問題があり、また、界面活性剤のイオン導電性材料は、導電性不足、湿度依存性の問題があった。最近は包装材料として、単に、静電気障害防止、帯電防止の要求のみならず、ロボットやセンサーを備えた自動輸送システムや品質管理システムにおいては、内容物の識別が要求される場合が多く、包装材料にも導電性ばかりでなく、透明性という要求物性が必要とされている。
特許文献1ではこの問題に対して、外層が、透明プラスチック材料の表面抵抗が10の3乗〜10の4乗(Ω/□)である導電層を設けた材料からなり、内層が10の8乗〜10の12乗(Ω/□)の表面抵抗を有する熱接着性材料からなる光線透過率50%以上の(波長550nm)の透明性を付与した積層体を包装材料として用いることが提案されている。
外層に複素環式化合物重合体からなる透明性の高い導電層、内層に摩擦帯電を防ぐ10の7乗〜10の12乗(Ω/□)程度の界面活性剤を練り込みヒートシール性樹脂を設けてなる積層体からなる包装材料は、カーボン練り込みタイプや界面活性剤練り込みタイプでは得られない表面抵抗10の3乗〜10の4乗(Ω/□)で、かつ光線透過率が50%以上の透明性を得ることが出来、内容物の確認も容易に行うことが出来る。
特許文献1の包装材料では、ピロール、チオフェン等の複素環式化合物重合体を用いることによって、帯電防止性と内容物の視認性という両立の困難だった課題を克服することができたがヒートシールが困難であることによって、包装袋を形成する上でたとえばパウチ状の袋の製袋が困難であるという課題が残った。
特に食品分野などでは、鰹節の粉体等の軽くて帯電しやすい内容物は表面固有抵抗値が高い通常のシーラントでは帯電による袋への付着により、包装袋を開封するときに袋内に残ってしまう比率が高くなりすべてを出し切るのは容易ではない。また、工業製品でも微粒子で静電気を帯びやすく、単価の高い材料でのニーズが見込まれる。さらには内蔵されたICの帯電による破損を防止することも望まれている。
帯電防止性の高い塗料を塗布することで、包装袋の表面抵抗値を10の3乗〜10の4乗(Ω/□)程度にすることは可能であるが、表面がヒートシール性のない導電層で覆われているために面々でのヒートシールが不可能であり、超音波などでポイントシールする程度しかできなかったため、容易には製袋することが出来なかった。
あるいは、内容物をカップ状の容器に入れてから蓋を嵌合させてさらにその上から、バリア包装を行うというような二重包装が必要となっていた。
特開昭63−218065号公報
本発明ではこのような二重包装なしで帯電防止性と透明性を確保した導電性包装袋を密封性を保持した簡単な方法で形成した包装袋の提供を課題とする。
さらに、本発明では内容物が見えて、帯電性の強い内容物でも開封して取り出すときに包装体に残らずに取り出せる包装袋の提供を課題とする。
本発明の請求項1の発明は、基材層と熱溶融樹脂層と熱溶融樹脂層の表面に設けられた、非熱溶融性で表面固有抵抗が10の3乗〜10の6乗(Ω/□)の静電防止樹脂層からなる積層体からなり、静電防止樹脂層側を内側として相対するように重ね合わせ、溶断シールにより熱溶融樹脂層の端面同士を接着させたことを特徴とする包装袋である。
本発明の請求項2の発明は、静電防止樹脂層が、ポリピロールからなることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
本発明の請求項3の発明は、基材層が、バリア層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋である。
本発明の請求項4の発明は、バリア層が無機物の透明蒸着層であることを特徴とする請求項3に記載の包装袋である。
本発明の請求項5の発明は、包装袋が1枚の積層体を折り返して折り返し部以外の周縁部を溶断シールにより接着させた三方シール袋であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の包装袋である。
本発明の請求項6の発明は、溶断シールで切り込み乃至切り欠きを形成して開封用のノッチとしたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の包装袋である。
本発明の請求項1に係る包装袋によれば、基材層と熱溶融樹脂層と熱溶融樹脂層の表面に設けられた、非熱溶融性で表面固有抵抗が10の8乗(Ω/□)以下の静電防止樹脂層からなる積層体からなり、周縁部を溶断シールにより接着させ且つ、溶断シールで切り込み乃至切り欠きを形成して開封用のノッチとしたことによって、二重包装なしで帯電防止性と透明性を確保した導電性包装袋として密封性を保持した簡単な方法で形成し、内容物が見え、帯電性の強い内容物でも開封して取り出すときに包装体にほとんど残らずに取り出せる包装袋とすることが可能となった。
特許文献1に示されているように、複素環式化合物等からなる透明な表面固有抵抗の低い静電防止樹脂層を熱溶融性樹脂層の表面に形成して内容物が見える包装袋に用いる場合に、これらの静電防止樹脂層は熱溶融性樹脂層に比べてヒートシール適性に劣り通常のシーラントとして用いた場合に面々でのヒートシールができないため簡単に袋状に形成することが困難であった。
本発明の包装袋によれば、解決策として、溶断シールを用い、切断面のみで接着させることによって、表面にヒートシール性のない包装材料でも断面の溶融接着をさせてシールして、包装袋周辺部のシール全体を溶断シールで行うことで密封性を確保することが可能となった。
本発明の包装袋で採用した溶断シールでは包装材料のエッジとなる断面部分のみで表層と裏層を接着するため、シール面積の大きい通常の面々でのヒートシールに比べて、内容
物充填後のシール時にシール部近傍での内容物の挟み込みが非常に少なく、異物によるシール不良の発生はほぼない。というよりも、異物によるシール不良は判別が容易であり、製造時に不良品の除去が容易で結果的には不良品混入事故が防ぎやすい。シール部は異物がかむとシール出来ず、不良の判断が容易であり、形状的にもシール際に内容物がはさまれても取り出しやすい。
さらに、包装材料表面の帯電性が低いことによって、袋内面への内容物の付着も少ないので帯電性の強い内容物でも開封して取り出すときに包装体に残らずに取り出すことが出来る。内容物を簡単に残らず取り出すことが出来るので高価な内容物でも無駄にすることがないだけでなく、袋廃棄時の分別においても容易に包装袋のみを分離することが出来るので環境保護の面からも有用である。
本発明の包装袋は、周縁部を溶断シールにより接着させ且つ、溶断シールで切り込み乃至切り欠きを形成して開封用のノッチとしたことによってノッチも含めてすべてのシール、切り込み、切り欠きの形成に溶断シール機構を使うことで簡単で安定した袋形成が可能となった。このとき、シール不良が発生しないように、シールバーの異物付着などないか、自動検知するような仕組みの装置構成とすることがより望ましい。
本発明の包装袋に用いる静電防止樹脂層の表面固有抵抗は10の8乗(Ω/□)以下で望ましくは10の3乗(Ω/□)から10の6乗(Ω/□)である。
本発明の請求項2に係る包装袋によれば、静電防止樹脂層が、ポリピロールからなることによって必要な導電性を有する透明な被膜を熱溶融性樹脂層の表面に容易に設けることが出来る。
本発明の請求項3に係る包装袋によれば、基材層が、バリア層を有することによって、透明性と帯電防止性に加えて水蒸気や酸素等の透過を阻止して内容物を保護する機能および内容物から包装材料を保護する機能を強化することが出来る。
本発明の請求項4に係る包装袋によれば、バリア層が無機物の透明蒸着層であることによって、透明性を失うことなく、帯電防止性に加えて水蒸気や酸素等の透過を阻止して内容物を保護する機能および内容物から包装材料を保護する機能をさらに強化することが出来る。
本発明の請求項5に係る包装袋は、1枚の積層体を折り返して折り返し部以外の周縁部を溶断シールにより接着させた三方シール袋であるので、表裏2枚の積層体を用いる必要がなく連続製造において積層体フィルムを1本の巻き取りから繰り出すことが出来て簡単な工程で安定して製造することが出来る。
本発明の包装袋の製造工程概略図 本発明の包装袋に用いる積層フィルムの断面概略図
本発明の包装袋の実施形態の例について図面を参照して説明する。
図2は本発明の包装袋に用いる積層フィルムの一例の断面概略図である。
本発明の包装袋に用いる透明プラスチック材料の積層フィルム(11)は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル等のフィルム及びそれらのポリ塩化ビニリデンコートフィルムの単体もしくは積層により構成される基材層(12)の片面に設けられた熱溶融性樹脂層(13)の片面に複素環式化合物重合体を化学的酸化法もしくは溶液コーティング法により形成してなる静電防止樹脂層(14)を設けたものである。
基材フィルム(16)の厚みに関しては特に制限はないが、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであれば30μm〜10μm以下、延伸ポリプロピレンフィルムであれば20μm〜40μm程度、延伸ナイロンフィルムであれば10μm〜30μm程度、ポリエチレンフィルムであれば30μm〜60μm程度が適当である。
基材層(12)は上に挙げた基材層(12)を構成する基材フィルム(16)のほかに必要に応じて印刷層(17)、バリア層(15)および接着層(18)を含む構成とすることが出来る。
印刷層(17)は通常基材フィルム(16)の片面に内容物の表示を目的としてグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法等の周知の印刷法により施され、絵柄およびインキは基材フィルム(16)への濡れ性と密着性を考慮して適宜選定される。
バリア層(15)は水蒸気および酸素の透過を阻止して内容物の変質を防止する目的で必要に応じて設けられる。バリア層のフィルムとしては、たとえば、ポリ塩化ビニリデン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンのような水蒸気バリア性を有するもの、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコール、延伸ビニロン、ポリ塩化ビニリデンのような透明性が優れ酸素バリア性を有するものを用いることで、水蒸気、酸素バリア性を付与することが行われる。
さらにバリア層(15)として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル等のフィルムの表面に酸化珪素、酸化アルミニウム、金属アルミニウム等の無機物の蒸着層を形成する透明蒸着を行ったフィルムを用いることも出来る。
接着層(18)は基材フィルム(16)とバリア層(15)を接着するために設けられる。接着層(18)に用いる接着剤としては、ドライラミネーションに用いられる1液、あるいは2液硬化型ウレタン系接着剤ならどれも使用可能であり、乾燥時の塗布量は1g/mから2〜3g/m程度であれば接着強度の観点から望ましい。更には、ポリエチレンを押し出してラミネートする押し出しラミネート法も用いる事ができ、そのときはアンカーコート剤として上記2液硬化型ウレタン系コート剤、又はポリイミン系、ブタジエン系1液型硬化剤が有用であり、乾燥時の塗布量が0.1g/mから1g/m程度が望ましい。
熱溶融性樹脂層(13)は低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の主に無延伸のポリオレフィン樹脂フィルムがよく使われるが、基材層(12)に対する接着性のある熱溶融性のあるものであればこれら以外の熱溶融性の樹脂も使用することが出来る。
静電防止樹脂層(14)は、酸化触媒を一定量混合した透明バインダー樹脂を、熱溶融性樹脂層(13)の片面にグラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ディッピング法等の周知の方法によりコーティングし、このコーティング面に、ピロール、チオフェン等の複素環式化合物類を接触させることで容易に表面抵抗が10の3乗〜10の
8乗(Ω/□)の静電防止樹脂層(14)が1μm以下の膜厚で形成される。
静電防止樹脂層(14)の形成方法としては、複素環式化合物たとえばピロールの重合体であるポリピロールを溶剤に溶解してコーティングしても構わない。
触媒としては、塩化第二鉄、塩化第二銅、臭化鉄、臭化銅のような金属塩、過塩素酸鉄のような過塩素酸物、塩酸、硫酸のような無機酸、塩化ベンゼンジアゾニウムのようなジアゾニウム塩、ベンゾキノンのようなキノン類のいずれも使用出来る。
次に本発明の包装袋の製造方法の一例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の包装袋の製造工程の一例の概略図である。
本発明の包装袋に用いる積層フィルム(11)は、まず、基材フィルム(16)の片面にたとえばグラビア印刷法により印刷層(17)を施した後、ウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法により接着層(18)を介してバリア層(15)と接着しさらに熱溶着性樹脂層(13)をバリア層(15)表面に接着して積層体を形成する。
次に、上記の積層体の熱融着性樹脂層(13)の表面に、酸化触媒を一定量混合したアクリル樹脂等の透明バインダー樹脂をグラビアコート法もしくはディッピング方式によりコーティングし、このコーティング面に、ピロール、チオフェン等の複素環式化合物類を接触させることで静電防止樹脂層(14)を形成して積層フィルム(11)を作成する。
この積層フィルム(11)を巻き取りから繰り出す時に基材フィルム面を外側にして表積層フィルム(1)と裏積層フィルム(2)が重なるように袋の底部となる底部折り返し(3)で折り返しながら繰り出す。
次いで、袋の両側部となる位置で側部溶断シール(4)を行い、底部折り返し(3)と合わせてトップ開口部(7)を除いて他の3方がシールされた状態の袋として一袋づつ切り離される。
その後にトップ開口部(7)の両側を掴みながら内容物を定量充填した後、トップ溶断シール(5)によりトップ部分を密閉し、ノッチ溶断シール(6)によりノッチの機構も溶断シールにより形成する。
<実施例1>
延伸ポリエステルフィルム12μm厚と延伸ナイロンフィルム25μm厚と低密度ポリエチレンフィルム60μm厚をこの順序でウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法でラミネートして積層フィルムを作成した。
この積層フィルムの低密度ポリエチレンフィルム面に下記触媒含有バインダー樹脂をグラビアコート法によりコーティングし、得られた複合フィルムを25℃のピロール/空気混合雰囲気下に一定時間さらし、コーティング面に静電防止樹脂層を形成して包装袋に用いる積層フィルムを作成した。この積層フィルムの静電防止樹脂層面の表面固有抵抗値は10の6乗(Ω/□)であった。
〔触媒含有バインダー樹脂〕
触媒
塩化第二鉄・6水和物(関東化学、試薬)20部
バインダー樹脂
アクリル系(BR−75、三菱レイヨン)80部
溶媒
酢酸エチル(NC−401、東洋インキ)330部
触媒濃度(wt%)
触媒重量/(バインダー樹脂重量+触媒重量)×100
次にこの積層フィルムを用いて包装袋を作成し、内容物として鰹節の粉体を封入した包装体を作成した。
積層フィルムを巻き取りから繰り出す時に基材フィルム面を外側にして袋の底部となる底部折り返しで表積層フィルムと裏積層フィルムが重なるように折り返しながら繰り出した。
次いで、袋の両側部となる位置で側部溶断シールを行い、底部折り返しと合わせてトップ開口部を除いて他の3方がシールされた状態の袋として一袋づつ切り離した。
その後にトップ開口部の両側を掴みながら内容物として鰹節の粉体を充填した後、トップ溶断シールによりトップ部分を密閉し、ノッチ溶断シールにより袋の上部両サイドにノッチの機構も溶断シールにより形成した。
<実施例2>
積層フィルムとして、延伸ポリエステルフィルム12μm厚の代わりに透明無機蒸着フィルムGX12μm厚(凸版印刷(株)製)と透明無機蒸着フィルムGX12μm厚(凸版印刷(株)製)の積層体を用いた他は実施例1と同様にして包装袋に用いる積層フィルムを作成した。この積層フィルムの静電防止樹脂層面の表面固有抵抗値は10の6乗(Ω/□)であった。また、この積層フィルムの水蒸気透過率は0.05g/mであった。
次にこの積層フィルムを用いて実施例1と同様の方法で包装袋を作成し、内容物として鰹節の粉体を封入した包装体を作成した。
<比較例1>
低密度ポリエチレンフィルム60μm厚の代わりに直鎖低密度ポリエチレンフィルムを用い静電防止樹脂層のコーティングを行わなかった他は実施例2と同様にして包装袋に用いる積層フィルムを作成した。この積層フィルムの表面固有抵抗値は10の12乗(Ω/□)以上であった。
次にこの積層フィルムを用いて縦ピロー包装機で鰹節の粉体を高速充填してこの積層体の直鎖低密度ポリエチレンフィルム層を内面にして熱シール(150℃−3秒)により製袋して内容物として鰹節の粉体を封入した包装体を作成した。
同じ鰹節10gを包装した上記実施例と比較例の包装体を開封して内容物を取り出すにあたり、通常の開け方で10人のパネラーに取り出していただいた。このときの、平均開封取り出し量と最低取り出し量、最高取り出し量についてそれぞれ計量して確認した。
また、バリア性の比較のために上記実施例と比較例の包装体に用いた積層フィルムの水蒸気透過度を以下の方法で測定した。
それぞれの結果は表1に示した。
<水蒸気透過度の測定>
日本工業規格 JIS K7129−2008「プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法)」で規定されているB法(赤外線センサ法)に従って水蒸気透過度を測定した。この測定は、温度が40℃であり相対湿度が90%の環境中で、Modern Control社製のPermatran3/33を使用して行った。
Figure 0005540608
本発明の包装袋に用いた溶断シールによる方法では積層フィルムのエッジのみで接着するため、シール部近傍での内容物の挟み込みが少なく、表面の帯電性が低いことで、袋内部表面への内容物の付着も小さい。このことから、内容物の取り出しにおいて、実施例の包装袋は比較例の包装袋よりも10%強回収率が高い。表には示さなかったが内容物取り出し量の個人差も少なく安定している。このことは高価な内容物の廃棄を防いだり、廃棄時の分別を行う上で環境面においての効果も大きいことを示している。
本発明においては溶断シールによる包装システムとしてノッチも含めてすべて溶断シール機構を使うことで安定したシステムの構築が可能となった。
1…表積層フィルム
2…裏積層フィルム
3…底部折返し
4…側部溶断シール
5…トップ溶断シール
6…ノッチ溶断シール
7…トップ開口部
11…積層フィルム
12…基材層
13…熱溶融性樹脂層
14…静電防止樹脂層
15…バリア層
16…基材フィルム
17…印刷層
18…接着層
A…鰹節の粉体

Claims (6)

  1. 基材層と熱溶融樹脂層と熱溶融樹脂層の表面に設けられた、非熱溶融性で表面固有抵抗が10の3乗〜10の6乗(Ω/□)の静電防止樹脂層からなる積層体からなり、静電防止樹脂層側を内側として相対するように重ね合わせ、溶断シールにより切断面を溶融接着したことを特徴とする包装袋。
  2. 静電防止樹脂層が、ポリピロールからなることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  3. 基材層が、バリア層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
  4. バリア層が無機物の透明蒸着層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装袋。
  5. 包装袋が1枚の積層体を折り返して折り返し部以外の周縁部を溶断シールにより接着させた三方シール袋であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の包装袋。
  6. 溶断シールで切り込み乃至切り欠きを形成して開封用のノッチとしたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の包装袋。
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