JP4055918B2 - 透明導電性カバーテープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリスチレン製キャリアテープ(容器)の密封に用いる、ヒートシール性を有するカバーテープ(蓋材)に関し、特に帯電防止特性と透明性を備えたヒートシール性を有するカバーテープ(蓋材)に関する。該キャリアテープと該カバーテープからなる密封容器に収容される物品には、半導体、IC部品及びこれらを用いた成品、並びに液晶表示用部品、液晶製品、注射器や医薬品の医療関連物品、自動車用部品等があげられる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種部品、固形あるいは液状の食品等を、合成樹脂製容器に収納して開口部を蓋材により密封したり、袋体に収納して密封し、流通、保管することが行われている。例えば、多数のエンボスが形成されたキャリアテープの各エンボス部に電子部品を収納し、該エンボス部を覆うようにキャリアテープ上にカバーテープ(蓋材)を熱融着して密封したエンボスキャリアテープ型テーピングが知られている。
【0003】
該エンボスキャリアテープ型テーピングに使用されるキャリアテープは、通常、ポリ塩化ビニル等のシート成形が容易な材料を用いて形成されている。
【0004】
一方、カバーテープは、二軸延伸樹脂フィルムと、このフィルムの一方の面に形成されたヒートシーラント層を備えた積層体からなっている。そして、電子部品の実装工程において、エンボスキャリアテープ型テーピングに収納されている電子部品を取り出すためにカバーテープが剥離可能であることが要求される。
【0005】
さらに、収納されている電子部品がキャリアテープのエンボス部あるいはカバーテープと接触して発生する静電気、および蓋材が剥離される際に発生する静電気により、電子部品の劣化、破壊が生じる危険性があるため、これを防止する手段がキャリアテープ及びカバーテープの双方に要求される。
【0006】
キャリアテープにおける静電気発生の防止手段として、キャリアテープ中に導電性カーボン微粒子、金属酸化物等の導電紛、金属微粒子を練り込んだり、塗布することが行われている。また、カバーテープにおける静電気発生の防止手段としては、電子部品と直接接触するヒートシーラント層に界面活性剤等の帯電防止剤、金属酸化物系の導電紛、導電性カーボン微粒子、金属微粒子を練り込んだり塗布することが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、塩化ビニル樹脂の廃棄の問題があり、ポリスチレン樹脂をキャリアテープとする指向が高まっている。ところで、キャリアテープへのカバーテープの熱融着は、エンボスキャリアテープ型のテーピングの輸送中や、保管中にカバーテープが剥離して電子部品の脱落が生じることのないように所定の接着強度が要求される。しかし、従来、キャリアテープの材質がポリスチレン製の場合には、十分な接着強度を有するカバーテープを得ることが困難であるという問題があった。
【0008】
また、上述のような従来のエンボスキャリアテープ型テーピングでは、キャリアテープおよびカバーテープは含有されている帯電防止剤としての導電性カーボン微粒子、金属微粒子により透明性が極めて低く、エンボスキャリアテープ型のテーピングに収納されている電子部品を外部から確認し難いという問題があった。
【0009】
十分な透明性、帯電防止性能を両立するものとして、平均粒径0.1μm以下の金属酸化物微粒子を帯電防止材料として使用する方法(特開平7−251860号公報)が知られているが、金属酸化物微粒子の形状が球状である場合、十分な帯電防止性能を得るためには金属酸化物微粒子の添加量を多くしなければならず透明性の低下、着色などの問題があった。
【0010】
一方、109 Ω/□程度の比較的高抵抗の領域にカバーテープの表面抵抗を設定しようとした場合、逆に上記従来の金属酸化物微粒子量では添加量が少ないため、塗膜中において金属酸化物微粒子同士の接触が不十分となり、塗膜の表面抵抗率が安定しないという問題があった。
【0011】
また、帯電防止するために界面活性剤を塗布した場合は、カバーテープのヒートシーラント層の表面状態が変化し、ヒートシーラント層のシール性が不安定となりシール不良の原因となったり、また、保管中の温度、湿度による静電気拡散効果の依存性が大きいため、安定した帯電防止効果が得られないという問題があった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ポリスチレン製キャリアテープに対して熱シールした際に接着性に優れたカバーテープを提供することである。
【0013】
且つ、本発明の目的は、優れた帯電防止性、および透明性を兼ね備えたカバーテープを提供することである。
【0014】
且つ、本発明の目的は、ポリスチレン製キャリアテープへの良好な剥離性を有するカバーテープを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、ポリスチレン製キャリアテープに熱シールし得るカバーテープであって、該カバーテープは、少なくとも、二軸延伸樹脂フィルム層、ヒートシーラント層、帯電防止層を順次積層した積層体であり、前記二軸延伸樹脂フィルム層は、ポリエチレンを主成分とする中間層を介して二軸延伸PETフィルムを2枚貼り合わせたものであり、該ヒートシーラント層がエチレン系共重合樹脂からなり、該帯電防止層は針状導電性フィラーがエチレン系共重合樹脂に分散した層であり、該針状導電性フィラーは、長軸方向粒径が0.2〜2.0μm、短軸方向粒径が0.01〜0.02μm、長軸/短軸の粒径比が20〜30である針状アンチモンドープ酸化スズあり、該帯電防止層は該針状アンチモンドープ酸化スズを、エチレン系共重合樹脂100重量部に対し25〜300重量部の範囲で含有し、該帯電防止層の表面抵抗率が10 6 〜10 12 Ω/□の範囲内であり、電荷減衰時間が2秒以下であり、カバーテープのヘイズ値が20%以下であることを特徴とする透明導電性カバーテープである。
【0016】
本発明の透明導電性カバーテープにおけるヒートシーラント層及び帯電防止層に使用するエチレン系共重合樹脂は他の透明性に優れた樹脂に比べると若干透明性に劣る性質がある。本発明の透明導電性カバーテープは上記構成を採用することにより、透明性に優れたものとした。
【0018】
本発明の透明導電性カバーテープは、ヒートシーラント層及び帯電防止層においてエチレン系共重合樹脂が使用されているので、ポリスチレン製のキャリアテープに対して、他の樹脂に比べて極めて接着性が優れている。
【0019】
本発明のカバーテープにおいては、二軸延伸樹脂フィルム層、ヒートシーラント層、帯電防止層を順次積層した積層体を含み、該帯電防止層は、微細針状アンチモンドープ酸化スズを含有しており、この微細針状アンチモンドープ酸化スズは、湿度に依存することのない安定した良好な帯電防止性をカバーテープに発揮させることができる。
【0020】
この微細針状アンチモンドープ酸化スズは、長軸方向粒径が0.2〜2.0μm、短軸方向粒径が0.01〜0.02μmと微細なものであり、帯電防止層中に超微粒子状態で分散しているので、球状の導電性フィラーを用いた場合に比べ、少ない量で相互に接触しやすく、該微細針状アンチモンドープ酸化スズを用いて作製されたカバーテープは無色透明で透明性に優れ、したがって視認性に優れ、且つ優れた帯電防止性を有する。
【0021】
本発明のカバーテープは、二軸延伸樹脂フィルム層が、ポリエチレンを主成分とする中間層を介して二軸延伸PETフィルムを2枚貼り合わわせたものであるので、優れた帯電防止性と内容物の視認性を備えた上に、帯電防止層側においてポリスチレン製キャリアテープにヒートシールされた状態で、二軸延伸樹脂フィルム層とヒートシーラント層との層間で剥離可能、あるいはヒートシーラント層内における凝集破壊が可能となり、ヒートシール強度に関係なくカバーテープの剥離が安定かつ確実に行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は本発明のカバーテープ1がキャリアテープに適用され、一部分を開封している状態を示した図面である。ポリスチレン製のキャリアテープ2上にカバーテープ1がヒートシールされている。
【0024】
図2及び図3は本発明のカバーテープの断面の積層構造の例を示す図である。図2における積層構造は、二軸延伸樹脂フィルム層5、ヒートシーラント層4、帯電防止層3を順序に積層した層構成であり、図3における積層構成は、図2で示した二軸延伸樹脂フィルム層5部分が、二軸延伸樹脂フイルム層5間に中間層6を備えた場合の層構成である。
【0025】
本発明のカバーテープの基材フィルムを構成する二軸延伸樹脂フィルム層に用いる樹脂には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PA)、ポリエステルエーテル(PEE)、ポリアミドイミド(PAI)等があげられる。
【0026】
本発明のカバーテープの基材フィルムとして二軸延伸樹脂フィルムを用いることにより、耐熱性を付与することが出来る。
【0027】
本発明のカバーテープにおけるヒートシーラント層に用いるエチレン系共重合樹脂には、エチレンー酢酸ビニル系、エチレンー酢酸ビニルーアクリル系、エチレンーアクリル系等のエチレン系共重合樹脂の1種または2種以上の材料があげられる。
【0028】
上記ヒートシーラント層の形成方法には、エアドクター法、ブレードコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、ダイレクトロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法等のコート法により塗布形成することができる。また、ヒートシーラント層の厚みは、0.1μm〜60μm、特に0.5μm〜30μmが好ましい。ヒートシーラント層の厚みが0.1μm未満の場合、キャリアテープに対するヒートシール強度が不足し、ヒートシーラント層の厚みが60μmを超える場合は、カバーテープをヒートシールするときの必要熱量が大きくなり、高速ヒートシールが困難となり生産性が低下する。
【0029】
本発明のカバーテープの帯電防止層は、長軸方向の一次粒子径が2.0μm、短軸方向の一次粒子径が0.05μm以下、長軸/短軸比が20〜30である微細針状アンチモンドープ酸化スズを、ヒートシーラント層に対する密着性が良好で、かつ、ヒートシーラント層のヒートシール性を阻害することのないバインダー樹脂に分散した層である。
【0030】
ここで、ヒートシーラント層に対する密着性が良好で、ヒートシーラント層のヒートシール性を阻害することのないバインダー樹脂としては、ヒートシーラント層の組成により種々の組み合わせが考えられるが、ヒートシーラント層と同一組成を有するバインダー樹脂で、かつ、分散する微細針状アンチモンドープ酸化スズの分散性が良好なエチレン系共重合樹脂が好ましいのでこれを使用する。
【0031】
また、帯電防止層の微細針状アンチモンドープ酸化スズは、バインダー樹脂100重量部に対し25〜300重量部、好ましくは50〜250重量部の範囲で混合することにより良好な帯電防止性能、およびヘイズ値を得ることが可能である。
【0032】
帯電防止層は、ヒートシーラント層上にエアドクター法、ブレードコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、ダイレクトロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法等のコート法により塗布形成することができる。本発明では、帯電防止層の厚みは、0.01μm〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。
【0033】
本発明において使用する微細針状アンチモンドープ酸化スズは、例えば、石原テクノ(株)より粉末状態としてFS−10P、および水分散体としてFS−10Dの商品名で提供される導電剤が挙げられる。
【0034】
本発明の帯電防止層は、その表面抵抗率が22℃、40%RH下において106 〜1012Ω/□、さらに透明性の観点から好ましくは108 〜1012Ω/□の範囲であり、また、23℃±5℃、12±3%RH下において、5000Vから99%減衰するまでに要する電荷減衰時間が2秒以下であることが、優れた帯電防止性能となるうえで重要である。上記の表面抵抗率が1012Ω/□を超えると、帯電防止効果が極端に悪くなり、電子部品等の内容物を静電気障害から保護することが困難になり、また、106 Ω/□未満になると、外部からカバーテープを介して電子部品に電気が通電する可能性があり、電子部品が電気的に破壊される危険性があるので好ましくない。
【0035】
一方、静電気により発生する電荷の拡散速度の目安である電荷減衰時間が2秒を超える場合、静電気拡散効果が極端に悪くなり、電子部品を静電気破壊から保護することが困難になる。尚、上記の表面抵抗率および電荷減衰時間は、米国の軍規格であるMIL−B−81705に準拠して測定することができる。
【0036】
また、帯電防止層には、必要に応じて分散安定剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を包含させることができる。
【0037】
二軸延伸樹脂フィルム層上にヒートシーラント層あるいは帯電防止層を形成するには、これらの各層が形成される各面に、必要に応じて予めコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施して、ヒートシーラント層、帯電防止層との接着性を高めても良い。また、必要に応じて帯電防止発生防止処理を施したものも使用することが出来る。
【0038】
さらに、本発明のカバーテープの二軸延伸樹脂フィルム層の部分を、二軸延伸樹脂フィルム層/中間層/二軸延伸樹脂フィルム層のような構造とすることで、ヒートシールを行う際に熱および圧力が均一にかかるようにすることが出来る。このような中間層としては、ポリエチレン、ポリスチレン、あるいはポリエチレン・ポリスチレン・水素添加スチレンブロック共重合体の混合物等の樹脂により形成することができ、厚さは10〜60μm程度が好ましい。中間層の厚みが10μm未満であるとクッション性が悪く、また60μmを超えるとヒートシール性が低下する。
【0039】
二軸延伸樹脂フィルムと中間層のラミネート強度を向上させるために、二軸延伸樹脂フィルム層の中間層が形成される面に、必要に応じて予めコロナ処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理等を施すか、あるいは、イソシアネート系、イミン系、ウレタン系等の接着剤層を設け、接着性を高めることが望ましい。
【0040】
中間層は、上記の処理を施した二軸延伸樹脂フィルム層上に、押し出しラミネーション法或いはドライラミネーション法により形成することができる。
【0041】
上述のような本発明の積層構成のカバーテープは以下のような剥離形態が好ましい。すなわち、ポリスチレン製キャリアテープに熱融着された本発明のカバーテープを剥離する際、二軸延伸樹脂フィルム層とヒートシーラント層との層間における剥離(層間剥離)、または、ヒートシーラント層内における凝集破壊による剥離が生じる形態が好ましい。
【0042】
この場合の剥離強度は、ヒートシーラント層と帯電防止層との接着強度あるいは帯電防止層とポリスチレン製キャリアテープとの熱融着強度よりも弱いものであり、100〜1200g/15mmの範囲であることが好ましい。剥離強度が100g/15mm未満になると、積層体(カバーテープ)を熱融着した後の容器を輸送する際に、二軸延伸樹脂フィルム層とヒートシーラント層との層間において剥離が生じ、内容物が脱落する危険がある。また、剥離強度が1200g/15mmを超えると、カバーテープの剥離の際にポリスチレン製キャリアテープが振動して内容物が飛び出すおそれがあり好ましくない。
【0043】
尚、上記の剥離強度は、23℃、40%RH雰囲気下における180°剥離(剥離強度=300mm/分)の値である。
【0044】
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
【0045】
【実施例】
カバーフィルムの層構成
以下の各実施例及び各比較例のカバーテープにおける層構成は次の▲1▼と▲2▼の2種類の層構成とした。
▲1▼の層構成:二軸延伸PETフィルム/HS層/AS層
(HS層はヒートシーラント層、AS層は帯電防止層を意味する。)
▲2▼の層構成:帯電防止処理済PET/PE/二軸延伸PETフィルム/HS層/AS層
基材フィルムの準備又は調製
上記▲1▼の層構成のカバーフィルムに使用する基材フィルムとしての二軸延伸PETフィルムは、厚み25μmの東洋紡(株)製「E5100」(商品名)を用いた。
【0046】
上記▲2▼の層構成のカバーフィルムに使用する基材フィルムとしてのPE貼り合わせ基材(即ち、帯電防止処理済PETフィルム/PE/二軸延伸PETフィルム)は、帯電防止処理PETフィルム上に接着剤を塗布後、ドライラミネーション法により中間層(厚み30μm)を形成し、次に、該中間層上に二軸延伸PETフィルムをドライラミネーション法にて形成して得た。
【0047】
上記▲2▼の層構成で使用する帯電防止処理済PETフィルムは、厚み=9μmの東洋紡績(株)製PET「E7415」(商品名)を用い、前記PE中間層は厚み=30μmのポリエチレンを押出により形成したフィルムであり、前記二軸延伸PETフィルムは、厚み=12μmの東洋紡(株)製「E5100」(商品名)を用いた。
【0048】
HS層及びAS層の形成
以下の各実施例及び各比較例のカバーテープにおけるヒートシーラント層(HS層)と帯電防止層(AS層)の形成は、二軸延伸樹脂フィルム層上、又はヒートシーラント層上に、それぞれグラビアコート法で塗布することにより形成した。
【0049】
〔実施例1〕
ヒートシーラント層としてエチレン系共重合樹脂からなるアクアテックス909(商品名、中央理化(株)製)を塗布量1.5g/m2 になるように調整し、厚み25μmの二軸延伸PETフィルム(「E5100」:商品名、東洋紡(株)製)の基材フィルム上に塗布乾燥した後、下記の成分を均一に分散してなる帯電防止組成物を塗布乾燥して帯電防止層を形成することにより、前記▲1▼の層構成のカバーテープを作製した。
・アクアテックス909(商品名、中央理化(株)製、固形分45%)…5.6重量部
・微細針状アンチモンドープ酸化スズとしてFS−10D(商品名、石原テクノ(株)製、固形分30%)…8.3重量部
・水/IPA=3/1混合溶媒…86.1重量部
なお、上記組成の帯電防止層の形成材料における、バインダーと固形分との比(即ち、P/Vという)は、1/1である。
【0050】
本実施例1のカバーテープについて、表面抵抗率、ヘイズ値、電荷減衰時間を下記の条件で測定した。また、導電性カーボン微粒子を含有するポリスチレン樹脂基材(商品名「サーモシート」、デンカ(株)製)に上記のカバーテープをヒートシールバーで150℃、0.5秒、シール圧3kgf、シール幅15mmの条件で熱融着し、その後、下記の条件で剥離強度を測定した。
【0051】
<ヘイズ値の測定>
スガ試験機(株)製カラーコンピューターSM−5SCにて測定した。
【0052】
<表面抵抗率の測定条件>
22℃、40%RH下において、三菱油化(株)製ハイレスタIPにて測定した。
【0053】
<電荷減衰時間の測定条件>
23±5℃、12±3%RH下において、5000Vから99%減衰するまでに要する時間を、MIL−B81705Cに準拠して、ETS社(Electro−Tech Systems.Inc)製のSTATICDECAY METER−406Cにて測定した。
【0054】
<剥離強度の測定条件>
23℃、40%RH下において、東洋ボールドウィン(株)製テンシロン万能試験機にて測定した。(試験片幅15mm、180°剥離、剥離速度=300mm/min)
本実施例1のカバーテープの製造時の塗布条件を下記の表1に及び得られたカバーテープの測定結果を下記の表2に示す。
【0055】
〔実施例2〕
前記実施例1のヒートシーラント層の組成をエチレン系共重合樹脂からなるアクアテックスMC3800(商品名、中央理化(株)製)とした以外は前記実施例1と同様にして本実施例2のカバーテープを作製し、得られたカバーテープの評価を前記実施例1と同様に行った。本実施例2のカバーテープの製造時の塗布条件を下記の表1に及び得られたカバーテープの測定結果を下記の表2に示す。
【0056】
〔実施例3〕
前記実施例1のヒートシーラント層の組成をエチレン系共重合樹脂からなるアクアテックスEC−C9661(商品名、中央理化(株)製)とした以外は前記実施例1と同様にして本実施例3のカバーテープを作成し、得られたカバーテープの評価を前記実施例1と同様に行った。本実施例3のカバーテープの製造時の塗布条件を下記の表1に及び得られたカバーテープの測定結果を下記の表2に示す。
【0057】
〔実施例4〕
前記実施例3のヒートシーラント層の塗布量、帯電防止層の組成比、帯電防止層の塗布量を下記の表1に示すように変更した以外は前記実施例1と同様にして本実施例4のカバーテープを作成し、得られたカバーテープの評価を前記実施例1と同様に行った。本実施例4のカバーテープの製造時の塗布条件を下記の表1に及び得られたカバーテープの測定結果を下記の表2に示す。
【0058】
〔実施例5〜16〕
基材フィルムとして前記(実施例の冒頭)に詳述した押出PE貼り合わせ基材(帯電防止処理済PET/押出PE/二軸延伸PETフィルム)を使用し、前記実施例3のヒートシーラント層の塗布量、帯電防止層の組成比、帯電防止層の塗布量を下記の表1に示す値に変更した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例5〜16の前記▲2▼の層構成のカバーテープを作成し、得られたカバーテープの評価を前記実施例1と同様に行った。本実施例5〜16のカバーテープの製造時の塗布条件を下記の表1に及び得られたカバーテープの測定結果を下記の表2に示す。
【0059】
〔比較例1〕
前記実施例3の帯電防止層のP/Vを1/5、塗布量0.13g/m2 としてカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0060】
〔比較例2〕
前記実施例3の帯電防止層のP/Vを10/1、塗布量0.06g/m2 としてカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0061】
〔比較例3〕
前記実施例2の帯電防止層を固形分10%のスルホン化ポリアニリン(アクア−SAVE−01Z:商品名、日東化学工業(株)製)により0.1g/m2 の塗布量でカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0062】
〔比較例4〕
前記実施例3の帯電防止層を固形分10%のスルホン化ポリアニリン(アクア−SAVE−01Z:商品名、日東化学工業(株)製)により0.1g/m2 の塗布量でカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0063】
〔比較例5〕
この比較例5はヒートシーラント層の組成をウレタン−アクリル共重合樹脂とした場合の例である。前記実施例1においてヒートシーラント層の組成を、エチレン系共重合樹脂に代えて、アクリットWEM202U(商品名、大成化工(株)製、ウレタン−アクリル共重合エマルジョン)とした以外は、前記実施例1と同様にしてカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0064】
〔比較例6〕
この比較例6はヒートシーラント層の組成をポリエステルとした場合の例である。前記実施例1においてヒートシーラント層の組成を、エチレン系共重合樹脂に代えて、バイロナールMD−1100(商品名、東洋紡積(株)製、ポリエステルエマルジョン)とした以外は、前記実施例1と同様にしてカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0065】
〔比較例7〕
この比較例7は帯電防止層のバインダー樹脂をポリエステルとした場合の例である。前記実施例3の帯電防止層の組成を下記の組成(P/V=1/1、NV=5%)とした以外は前記実施例3と同様にしてカバーテープを作成し、前記実施例1と同様に評価を行った。その結果を下記の表2に示す。
・ファインテックスES−850(商品名、大日本インキ(株)製、固形分28〜30%のポリエステルエマルジョン)…8.3重量部
・FS=10D(商品名、石原テクノ(株)製、微細針状アンチモンドープ酸化スズ)…8.3重量部
水/イソプロピルアルコール(IPA)=3/1混合溶媒…83.4重量部
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
前記表2によれば、各実施例のカバーテープは、ヒートシーラント層がエチレン系共重合樹脂からなるので、ポリスチレン製キャリアテープに対して、他の樹脂を用いたカバーテープ(比較例5、6、7)に比べ優れた剥離強度を持つことが分かる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の透明導電性カバーテープは、ヒートシーラント層にエチレン系共重合樹脂を用いているので、他の樹脂に比べてポリスチレン製キャリアテープに対して熱シールした際に接着性に優れている。
【0069】
本発明の透明導電性カバーテープは、針状導電性フィラー、特に、長軸方向粒径が0.2〜2.0μm、短軸方向粒径が0.01〜0.02μmであり、長軸/短軸の粒径比が20〜30である針状アンチモンドープ酸化スズを用いており、且つエチレン系共重合樹脂に分散させているので、優れた帯電防止性、および透明性を兼ね備えている。
【0070】
本発明の透明導電性カバーテープは、ポリスチレン製キャリアテープへの良好な剥離性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカバーテープがキャリアテープに適用され、一部分を開封している状態を示す。
【図2】本発明のカバーテープの断面の積層構造の例を示す図である。
【図3】本発明のカバーテープの断面の積層構造の別の例を示す図である。
【符号野説明】
1 カバーテープ
2 キャリアテープ
3 帯電防止層
4 ヒートシーラント層
5 二軸延伸樹脂フィルム層
6 中間層
Claims (1)
- ポリスチレン製キャリアテープに熱シールし得るカバーテープであって、該カバーテープは、少なくとも、二軸延伸樹脂フィルム層、ヒートシーラント層、帯電防止層を順次積層した積層体であり、
前記二軸延伸樹脂フィルム層は、ポリエチレンを主成分とする中間層を介して二軸延伸PETフィルムを2枚貼り合わせたものであり、
該ヒートシーラント層がエチレン系共重合樹脂からなり、
該帯電防止層は針状導電性フィラーがエチレン系共重合樹脂に分散した層であり、該針状導電性フィラーは、長軸方向粒径が0.2〜2.0μm、短軸方向粒径が0.01〜0.02μm、長軸/短軸の粒径比が20〜30である針状アンチモンドープ酸化スズあり、該帯電防止層は該針状アンチモンドープ酸化スズを、エチレン系共重合樹脂100重量部に対し25〜300重量部の範囲で含有し、該帯電防止層の表面抵抗率が10 6 〜10 12 Ω/□の範囲内であり、電荷減衰時間が2秒以下であり、
カバーテープのヘイズ値が20%以下であることを特徴とする透明導電性カバーテープ。
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