JP4061136B2 - 帯電防止積層体及びその製造方法、並びにテーピング包装用カバーテープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止積層体及びその製造方法、並びにテーピング包装用カバーテープに関し、さらに詳しくは、チップ型電子部品を保管から実装するまでの保護するテーピング包装に使用する、収納部を連続して形成したキャリアテ−プにヒートシールするカバーテープに関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の概要)近年、ICチップ、コンデンサなどのチップ型電子部品は、テーピング包装され、表面実装に供せられる。テーピング包装は、電子部品を収納する凹部を連続的にエンボス成形したキャリアテープへ、電子部品を収納した後に、カバーテープでヒートシールされる。実装時には、電子部品はカバーテープを剥し自動的に取り出して、電子回路基板に表面実装するために、カバーテープは容易に剥離できなばならない。該剥離力(剥離強度、ヒートシール強度、またはピールオフ強度ともいう)が、低過ぎるとカバーテープが外れて、電子部品が脱落したり、逆に、強過ぎると、実装機でカバーテープを剥離するとキャリアテープが振動し、電子部品が収納ポケットから飛び出す問題があった。特に、剥離力の最大値と最小値との差(ジップアップという)が大きいと、キャリアテープが激しく振動する。さらに、電子部品がキャリアテープの凹部またはカバーテープと接触したり、カバーテープを剥離ときに発生する静電気により、電子部品が劣化・破壊が生ずる恐れがあった。シート成形が容易なポリ塩化ビニル系樹脂やポリスチレン系樹脂からなるキャリアテープに、ポリエステルフィルムとポリエチレン変性またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムをラミネートしたカバーテープがヒートシールされていた。このために、カバーテープの帯電防止技術が、種々提案されている。
【0003】
従来、外面へ帯電防止剤または導電性材料を塗布するカバーテープでは、カバーテープの内面と電子部品の接触で発生する静電気には効果が少なかった。
また、カバーテープの接着層の帯電防止は、接着層へ界面活性剤などの静電防止剤を練り込む方法が、知られている。しかしながら、該静電防止剤がカバーテープ内面へブリードしてヒートシール性が不安定になり、また、その帯電防止効果も経時的に低下し、あるいはテーピング包装体の使用される環境、特に低湿度下では帯電防止効果が著しく低下するという欠点がある。
一方、金属フィラーや金属繊維などの導電性材料を練り込む方法が、特開2000−142786号公報で知られている。しかしながら、収納された電子部品の目視検査ができる程度の透明性を得るためには、熟練した分散技術が必要で、製造コストの上昇をきたすという問題がある。また、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物粒子、またはこれらで導電化した微粒子(フィラー)を練り込む方法が、特開平5−8339号公報、特開平8−295001号公報、特開平9−109313号公報、特開平9−267450号公報で知られている。しかしながら、接着層の透明性は良いものの、実装時のジップアップ特性が悪く、電子部品が飛び出すという欠点がある。
さらにまた、導電性微粒子(フィラー)を練り込む方法では、層中へ均一に分散させるために、練り込む導電性フィラーの量が多くて、コストが高くなる。帯電防止の作用はあくまでも表面の問題であり、表面の導電性へ寄与する導電性フィラーは、表面付近に位置する僅かな量に過ぎない。しかしながら、導電性フィラーを、表面付近に集結させることは、均一化した組成物(インキ)を塗布する方法上できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、少ない導電性フィラーを表面付近に集結させることで、優れた帯電防止特性をもつ帯電防止積層体、及びその製造方法、並びに、良好なジップアップ性とを備えたテーピング包装用カバーテープを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる帯電防止積層体の製造方法は、(a)基材フィルムの一方の面に、熱接着層を積層して積層体とする工程、(b)少なくとも上記熱接着層を溶解する溶媒へ、導電性フィラーを分散してインキ化する工程、(c)該インキを上記積層体の熱接着層面へ塗布して、上記導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込むようにしたものである。本発明によれば、少ない導電性フィラーを表面付近に集結させることで、優れた帯電防止特性をもつ帯電防止積層体の製造方法が提供される。
請求項2の発明に係わる帯電防止積層体の製造方法は、上記溶媒が、上記熱接着層を溶解する良溶媒、及び、溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒からなるようにしたものである。本発明によれば、導電性フィラーの表面付近への集結度合、又は傾斜度合を規定することができる帯電防止積層体の製造方法が提供される。
請求項3の発明に係わる帯電防止積層体は、(a)基材フィルムの一方の面に、熱接着層を積層して積層体とする工程、(b)少なくとも上記熱接着層を溶解する溶媒へ、導電性フィラーを分散してインキ化する工程、(c)該インキを上記積層体の熱接着層面へ塗布して、上記導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込むようにしたものである。本発明によれば、少ない量の導電性フィラーで、優れた帯電防止特性をもち、収納している電子部品が静電気で破壊されない帯電防止積層体が提供される。
請求項4の発明に係わる帯電防止積層体は、上記溶媒が、上記熱接着層を溶解する良溶媒、及び、溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒からなるように、請求項5の発明に係わる帯電防止積層体は、上記導電性フィラーが、上記熱接着層の開放表面へ露出しているように、請求項6の発明に係わる帯電防止積層体は、上記導電性フィラーの含有量が、上記熱接着層の厚さ方向に変化しているように、したものである。本発明によれば、導電性フィラーの表面付近への集結度合、又は傾斜度合を規定することができ、また、導電性フィラーを表面に露出させることでさらに量を削減でき、さらに、所望の帯電防止特性をもたせられる。このために、帯電防止性に優れ、また、該帯電防止性が長時間維持されるために、収納している電子部品が静電気で破壊されない帯電防止積層体が提供される。
請求項7の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、チップ型電子部品をテーピング包装するキャリアテ−プに、ヒートシールするカバーテープにおいて、該カバーテープが少なくとも基材フィルム層と熱接着層とからなる積層体で、該積層体が(a)基材フィルムの一方の面に、熱接着層を積層して積層体とする工程、(b)少なくとも上記熱接着層を溶解する溶媒へ、導電性フィラーを分散してインキ化する工程、(c)該インキを上記積層体の熱接着層面へ塗布して、上記導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込むように、したものである。本発明によれば、少ない量の導電性フィラーで、優れた帯電防止特性をもち、収納している電子部品が静電気で破壊されない帯電防止積層体が提供される。
請求項8の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記溶媒が、上記熱接着層を溶解する良溶媒、及び、溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒からなるように、請求項9の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記導電性フィラーが、上記熱接着層の開放表面へ露出しているように、請求項10の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記導電性フィラーの含有量が、上記熱接着層の厚さ方向に変化しているように、請求項11の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記基材フィルム層と熱接着層との間へ、柔軟材層を設けてなるように、したものである。本発明によれば、導電性フィラーの表面付近への集結度合、又は傾斜度合を規定することができ、また、導電性フィラーを表面に露出させることでさらに量を削減でき、さらに、所望の帯電防止特性をもたせられる。このために、帯電防止性に優れ、また、該帯電防止性が長時間維持されるために、収納している電子部品が静電気で破壊されない電子部品のテーピング包装用カバーテープが提供される。
請求項12の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記熱接着層の熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、のいずれかまたはこれらを主成分とする樹脂であり、導電性フィラーが、酸化錫系、酸化亜鉛系、酸化インジウム系、酸化チタン系、カーボンブラック系、帯電防止型ケイ素有機化合物、または表面金属メッキ粒子であるように、請求項13の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記導電性フィラー一次粒子の平均粒子径が、0.01〜10μmの範囲にあるように、請求項14の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記熱接着層の表面抵抗値が、105〜1013Ω/□の範囲にあり、かつ、99%電荷減衰時間が2秒以下であるように、したものである。本発明によれば、導電性フィラーが埋め込み易くヒートシールに優れ、また、粒径を限定することで表面に集結している導電性フィラーが脱落しにくく、さらに、所望の帯電防止性を付与できる。このことで、帯電防止性が長時間維持されるために、収納している電子部品が静電気で破壊されず、キャリアテープのシール面へ良好にヒートシールでき、さらに、実装時にはカバーテープがキャリアテープから安定して剥離し、電子部品が飛び出すことがない電子部品のテーピング包装用カバーテープが提供される。
請求項15の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、カバーテープとしての全光線透過率が、75%以上であり、かつ、ヘーズ値が50%以下であるように、請求項16の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記基材フィルム層がポリエチレンテレフタレートで、該基材フィルム層の厚さが12〜50μmで、柔軟材層の厚さが10〜50μmで、熱接着層の厚さが0.05〜3.0μmであるように、請求項17の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記柔軟材層と熱接着層との間へ、プライマー層を設け、該プライマー層の厚さが0.05〜3.0μmであるように、請求項18の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記柔軟材層の熱接着層を設ける面へ、コロナ処理を行った後に、熱接着層を設けるように、したものである。本発明によれば、優れた透明性で収納されている電子部品が容易に確認でき、また、柔軟性がよいので収納部が成形されて平滑性の悪いキャリアテープのシール面へ良好にヒートシールでき、さらに、柔軟材層と熱接着層との接着性に優れ層間で剥離せず、良好なジップアップ性とを備えているので、カバーテープはキャリアテープから安定して剥離し、電子部品が飛び出すことがない電子部品のテーピング包装用カバーテープが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のカバーテープを用いたテーピング包装体の斜視図である。
(技術の概要)まず、テーピング包装5とは、ICチップ、コンデンサなどのチップ型電子部品を、該電子部品を収納する凹部を連続的にエンボス成形したキャリアテープ3へ、電子部品を収納した後に、カバーテープ1でヒートシールされる包装体である。該包装体で、電子部品は流通、保管され、実装機と呼ばれる機械へ供給される。実装機では、カバーテープ1を剥がして、キャリアテープ3に設けた凹部に収納されている電子部品を取り出して、基板などへ実装される。
【0007】
このようなキャリアテープ3の材料としては、通常、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどのシート成形が容易な材料が適用できる。これら樹脂の単独、および/またはこれらを主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。これらのシートは、成形性が良いことで、未延伸フィルムが好ましい。
該シートの厚さは、通常、30〜1000μm程度が適用できるが、50〜700μmが好適で、80〜300μmが最適である。これ以上の厚さでは、成形性が悪く、これ以下では、強度が不足する。該シートへは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、導電剤などの添加剤を加えても良い。
【0008】
該シートを、雄雌金型によって非加熱での塑性プレス成形、加熱しての真空成形・圧空成形・真空圧空成形、またはこれらにプラグアシストを併用する成形、などの成形法で形成されている。成形性の良いポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好適である。本発明に用いるキャリアテープとしては、以上のいずれでも、適用することができる。
また、本発明のカバーテープ1は、ICなどのチップ型電子部品に限定されることはない。本発明のカバーテープ1は、積層体として、固形あるいは液状の各種部品、食品、液晶表示用部品及び液晶製品、注射器や医薬品などの医療関連物品、自動車用部品、工業部品などを収納する合成樹脂容器の密封に用いる蓋材として用いてもよい。また、袋体として、各種の物品などを密封し、流通、保管に用いてもよい。
【0009】
次に、本発明のカバーテープについて説明する。
図2は、本発明の1実施例を示すカバーテープの断面図である。
図3は、本発明の導電性フィラーの埋め込みを模式的に示すの断面図である。
(層構成)本発明の帯電防止積層体は種々の用途に使用でき、特にカバーテープとして好適である。そこで本明細書ではカバーテープと総称して説明するが、種々の用途にも使用できる帯電防止積層体を含むものとする。本発明のカバーテープは、その帯電防止性により良好なジップアップ性を備えており、カバーテープ1は、基材フィルム11、必要に応じて接着剤層13、必要に応じて柔軟剤層15、熱接着層17が、この順に積層されている。該熱接着層17の開放表面へ、導電性フィラー19が埋め込まれている。図3は導電性フィラーの埋め込み具合を模式的に示している。熱接着層17の、基材フィルムと反対面側の開放表面部分に、多くの導電性フィラー19が分布している。場合によっては層の中など侵入して、所謂傾斜分布をしている。表面部分に、より多くの導電性フィラー19が分布しているのことが、導電性を発揮する上で好ましい。
【0010】
(作用)本発明のポイントは、キャリアテープ3とシールする、カバーテープ1の熱接着層17の開放表面へ、いかに安価で、優れた帯電防止性を発揮させるかである。そこで、本発明者らは、該熱接着層17の開放表面へより多くの導電性フィラーを集結させて、より少ない含有量で、優れた帯電防止性と、安定した熱接着性の機能を付与できることを見出して本発明に至った。このようにして、実装機でカバーテープ1を剥す時に、静電気が発生せず、ジップアップも発生せず、カバーテープも切断せず、実装機を停止することなく、収納されている電子部品が飛び出さないので、稼動率が向上できる。
【0011】
(基材フィルム)カバーテープの基材フィルムとしては、保存中の外力に耐える機械的強度、製造およびテーピング包装に耐える耐熱性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリエーテルケトン、ポリエーテル‐エーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン・高衝撃ポリスチレン・AS樹脂・ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン・セルローストリアセテート・セルロースダイアセテート・ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などがある。
【0012】
該基材フィルムは、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該基材フィルムは、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材フィルムの厚さは、通常、2.5〜300μm程度が適用できるが、6〜100μmが好適で、12〜50μmが最適である。これ以上の厚さでは、テーピング包装時のヒートシール温度が高くなり、コスト面も不利で、これ以下では、機械的強度が不足する。
【0013】
該基材フィルムは、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用するが、これら形状を本明細書ではフィルムと総称する。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが、コスト面および機械的強度がよ良いため好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材フィルムは、柔軟材層の積層に先立って積層面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0014】
(接着剤層)基材フィルム11と熱接着層17との間に、必要に応じて接着剤層13、及び必要に応じて柔軟剤層15を設けてもよい。接着剤層13は、基材フィルム11と柔軟剤層15とを強固に接着し積層させて、カバーテープ1に、基材フィルム11の機械的強度と柔軟剤層15の耐切断性とを併せ持たせる。また、積層法としては、ドライラミネーション法、または押し出しラミネション法が適用できる。
【0015】
(ドライラミネーション法)ドライラミネーション法による積層法は、ドライラミネーション法、またはノンソルベントラミネーション法が適用でき、該ラミネーション法で用いる接着剤層13の接着剤として、熱、または紫外線・電子線などの電離放射線で硬化する硬化性接着剤が適用できる。熱硬化接着剤としては、具体的には、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、またはこれらの変性物を主成分樹脂とし、イソシアネート類またはアミン類を用いて硬化したものが適用できる。好ましくは、ポリエステル系、ポリエ−テル系、アクリル系のポリオール、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エボキシ系樹脂の、これらの単独または複数の混合体を主成分樹脂とし、イソシアネート類またはアミン類などの硬化剤を用いて硬化するものである。硬化した後にポリエステルポリウレタン系樹脂やポリエ−テルポリウレタン系樹脂となる2液硬化型ポリウレタン系接着剤が最適である。
【0016】
該主成分樹脂としては、ポリエ−テル系ポリオ−ル、ポリエステル系ポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ルなどのヒドロキシル基含有化合物が適用できる。硬化剤としては、例えば、多官能イソシアネ−トとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリマ−、具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トなどが適用できる。
【0017】
これらを主成分樹脂と硬化剤とを、有機溶媒へ溶解または分散して接着剤組成物とする。次いで、ドライラミネーション法、すなわち、該接着剤組成物を基材フィルム11へ、例えば、ロ−ルコ−ティング、リバースロ−ルコ−ティング、グラビアコ−ティング、グラビアリバースコ−ティング、グラビアオフセットコーティング、キスコーティング、ワイヤーバーコーティング、コンマコーティング、ナイフコーティング、デップコーティング、フローコーティング、スプレイコーティングなどのコーティング法で塗布し、溶剤を乾燥し、柔軟材層15を重ねて加圧した後に、温度30〜120℃に、数時間〜数日間維持することで硬化させる。好ましくは、ロ−ルコ−ティング、リバースロ−ルコ−ティング法である。また、好ましくは、柔軟材層15の接着剤層面には、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理などの易接着処理を行っておく。
【0018】
該接着剤層13の膜厚としては、0.05〜30μm(乾燥状態)程度、好ましくは2〜20μmである。厚さがこれ以下では、全面を覆う成膜が得られず、充分な接着力が不足し、また、これ以上では、必要以上であり、コスト面で無駄である。主成分樹脂と硬化剤との混合比率は、主成分樹脂100質量部に対して、硬化剤1〜100質量部程度、好ましくは主成分樹脂100質量部に対して、硬化剤2〜50質量部である。硬化剤が1質量部以下では、接着剤の硬化が不足しカバーテープ全体としての剛性が不足しジップアップが大きくなる。また、硬化剤が100質量部を超えると、基材フィルムと柔軟材層との接着強度が低下し、カバーテープの製造工程、電子部品を充填したテーピング包装体での輸送時、部品の実装時で、基材フィルムが剥離することがある。
【0019】
ラミネーション法として、ノンソルベントラミネーション法を用いる時は、基本的にはドライラミネーション法と同様であるが、接着剤組成物を有機溶媒へ溶解または分散しないで、接着剤組成物そのままを用いるが、通常、粘度が高く塗布しにくいので、必要に応じて、粘度を低下させるために、接着剤組成物を加熱加温して用いる場合もある。
【0020】
紫外線・電子線などの電離放射線で硬化する接着剤も適用することができる。該電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線、電子線が好適である。電離放射線で硬化する接着剤前駆体は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、および/または光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
【0021】
紫外線照射は、接着剤組成物に光重合開始剤、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類などの光重合開始剤と、必要に応じて光増感剤、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリーnーブチルホスフィンなどを添加する。紫外線硬化に用いる紫外線(UV)ランプは、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプが適用でき、紫外線の波長は200〜400nm程度で、接着剤組成物に応じて波長を選択すれば良い。その照射量は、組成物の材質や量と、UVランプの出力と、加工速度に応じて照射すれば良い。
【0022】
この場合の接着剤層13は、接着剤前駆体が電離放射線で硬化したもので、該接着剤前駆体へは、電離放射線で重合(硬化ともいう)反応する少なくとも1つの、多官能基を有する硬化性成分を含有させれば良い。該硬化性成分としては、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物が適用でき、2官能以上の多官能モノマー、官能オリゴマー、官能ポリマーなどがあり、1官能モノマーを希釈モノマーとして加えても良い。電離放射線で重合(硬化ともいう)する官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、またはエポキシ基である。該接着剤前駆体を、ドライラミネーション法、またはノンソルベントコーティング法で基材フィルム11へ塗布し、必要に応じて乾燥して、柔軟材層15を重ねて加圧した後に、紫外線または電子線を照射すれば良い。
【0023】
(押出ラミネーション)押し出しラミネーション法による積層法は、当業者が、エクストルージョンコーティング(EC)、エクストルージョンラミネーション、エクストルージョンコーティング(Co−EC)、コエクストルージョンラミネーション、ポリサンド法とも呼ばれる方法である。該押し出しラミネーション法で用いる接着剤層13の接着剤として、熱可塑性樹脂(以降、押し出し樹脂という)が適用できる。該押し出し樹脂を、まず、押出機で加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大し伸張させてカーテン状に押し出す。該カーテン状の溶融した押し出し樹脂を基材フィルム11上へ流下させて、該押し出し樹脂面へ柔軟剤層15を供給して、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、押し出し樹脂層の形成と、基材フィルム11/押し出し樹脂層(接着剤層13)/柔軟剤層15の3層が接着し積層されて、1回のラミネーション工程で3層の構成にすることができる。該方法を、当業者がポリサンドと呼ぶ所以である。
【0024】
さらに、押し出し樹脂層(接着剤層13)を複数層とした共押し出しラミネーション法でもよく、所謂、当業者がコエクストルージョンコーティング(Co‐EC)と呼ぶ方法で、まず、複数の押し出し機で、それぞれ別の押し出し樹脂を加熱し溶融させて、共押し出し用のTダイスへ導いて合流させてから、必要な幅方向に拡大伸張させて複数樹脂が重なったカーテン状に押し出す。または、共押し出し用のTダイスで、それぞれの押し出し樹脂層を必要な幅方向に拡大伸張させてから、カーテン状に押し出す際に複数を樹脂を重ねる手法もある。複数樹脂層は、2種2層、3種3層、2種3層、3種5層などの種々の構成がとれる。
【0025】
押し出しラミネーション用の押し出し樹脂層(接着剤層13)としては、例えば、ポリエチレン(低密度・直鎖状)・ポリプロピレン・ポリブテン1などのオレフィン系樹脂、エチレン‐プロピレン共重合体・エチレン‐ブテン共重合体などのオレフィン系共重合樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)・エチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)・エチレン‐アクリル酸エチル共重合体(EEA)・エチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)・エチレン‐アクリル酸メチル共重合体(EMA)・エチレン‐メタクリル酸共重合体(EMAA)・エチレン‐メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などのオレフィンと他のモノマーとの共重合樹脂、エチレン‐不飽和酸共重合体を金属架橋したアイオノマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸・メタクリル酸・マレイン酸・無水マレイン酸・フマ−ル酸・イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、またはエチレン‐プロピレン共重合体ゴム・エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンゴム・エチレン‐ブタジエン共重合体などのオレフィンを主成分とする弾性共重合体などの熱可塑性エラストマーなどが適用することができる。これらは、単独または2種以上の、混合体(ブレンド)あるいは複数積層体として用いても良い。
好ましくは、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、オレフィンと他のモノマーとの共重合樹脂である。該直鎖状ポリエチレンとしては、具体的には、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン‐αオレフィン共重合体を使用することができる。
【0026】
また、押し出しラミネーション用の押し出し樹脂層(接着剤層13)には、熱可塑性エラストマー、例えば、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、エチレン‐プロピレン共重合体ゴム・エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンゴム・エチレン‐ブタジエン共重合体などのオレフィンを主成分とする弾性共重合体などのオレフィンエラストマー、エチレン‐プロピレン‐ブテン共重合体樹脂、軟質ポリプロピレンなどを混合して、硬度度合(柔軟性)を調整しても良い。さらに、着色剤、顔料、体質顔料、充填剤、滑剤、可塑剤、界面活性剤、増量剤などの添加剤を加えても良い。
押し出しラミネーション用の樹脂層(接着剤層13)厚さは、5〜80μm程度が適用でき、10〜50μmが好適で、10〜20μmが最適である。
【0027】
(アンカーコート)なお、押し出し樹脂を、基材フィルムへ強固に接着させるために、通常、アンカーコート剤とよぶ接着促進剤を塗布する。該アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤などがある。該アンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング法で塗布し乾燥すれば良い。該アンカーコート剤の厚さは、通常、0.01〜10.0μm程度、好ましくは、0.1〜5.0μmである。また、アンカーコート剤の代わりに、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、オゾンガス処理などの易接着処理を施しても良い。
【0028】
(柔軟材層)柔軟材層15としては、柔軟性があり、引裂き強度が高い、ポリエチレン系樹脂、およびエチレン系共重合体が適用できる。ポリエチレン(PE)には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高低密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEという)がある。また、LLDPEには、チグラー型触媒で重合されたものと、メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPEという)がある。
【0029】
低密度ポリエチレン(LDPE)は、柔軟性があるが、機械的強度が弱い。高密度ポリエチレン(HDPE)は、ある程度の機械的強度はあるが、引裂き強度が弱い。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびメタロセンLLDPE)は、低温ヒートシール性、ホットタック性、耐衝撃性、耐衝撃性、引裂強度に優れ、特にメタロセンLLDPEは分子量分布を狭く制御出来るので、低結晶化に伴うベトツキ性、融点の必要以上の低下、成形時の発煙が抑えられ、エラストマ−的性能も具備している。したがって、柔軟材層15としては、柔軟性、ヒートシール性、引裂強度に優れるLLDPE、メタロセンLLDPEが好適である。
【0030】
LLDPEは、チグラー型触媒で製造されるエチレン‐α‐オレフィン共重合体である。該LLDPEの樹脂を構成するコモノマー(α‐オレフィン)は、炭素原子数3以上、好ましくは4〜20のα‐オレフィンである。該α−オレフィンの具体例としては、プロピレン,1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1,2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐鎖モノオレフィン、さらにはスチレン等の芳香核で置換されたモノオレフィンなどがある。これらは、単独でエチレンと共重合体するのに用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭素原子数6以上のα‐オレフィン用いると、機械的強度特性が良好になり、耐衝撃性に優れ、かつ、引裂強度が著しく高くなってより好適である。
【0031】
メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)は、分子量分布を狭く制御出来るので、低結晶化に伴うベトツキ性、融点の必要以上の低下、成形時の発煙が抑えられ、エラストマ−的性能を具備しているので、より好ましい。メタロセン系触媒としては、例えばシングルサイト触媒(SSC)や幾何拘束型触媒(CGC)などがある。メタロセン系触媒とは、例えば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、ニオブ、プラチナなどの四価の遷移金属に、シクロペンタジエニル骨格を有するりリガンドが少なくとも1つ以上配位する触媒の総称である。
【0032】
シクロペンタジエニル骨格を有するリガンドとしては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n‐若しくはi‐プロピルシクロペンタジエニル基、n‐、i‐、sec‐、tert‐ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエニル基等のアルキル一置換シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニル基等のアルキル二置換シクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基等のアルキル多置換シクロペンタジエニル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基等のシクロ置換キルシクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などがある。
【0033】
シクロペンタジエニル骨格を有するリガンド以外のリガンドとしては、例えば、塩素、臭素等の一価のアニオンリガンド、二価のアニオンキレートリガンド、炭化水素基、アルコキシド、アミド、アリールアミド、アリールオキシド、ホスフィド、アリールホスフィド、シリル基、置換シリル基などがあげられる。上記炭化水素基としては、炭素数1〜12程度のものがあげられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セシル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、ネオフィル基等のアラルキル基、ノニルフェニル基などがある。
【0034】
シクロペンタジエニル骨格を有するリガンドが配位したメタロセン化合物としては、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル‐tert‐ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル‐p‐n‐ブチルフェニルアミドジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル‐tert‐ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル‐tert‐ブチルアミドハフニウジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ‐n‐ブチルアミド)インデニルチタニウムビス(ジ‐n‐プロピルアミド)などがあげられる。
【0035】
これらの重合は、上記した四価の遷移金属を含むメタロセン系触媒の他に、共触媒として、例えば、メチルアルミノキサンや硼素化合物等を加えた触媒系で行っても良い。この場合、メタロセン系触媒に対するこれらの触媒の割合は、1〜100万mol倍であることが好ましい。
【0036】
メタロセンLLDPEが非架橋樹脂であるのに、柔軟性が優れている理由は、結晶部分同志を結合するポリマー鎖(タイ分子)の存在と考えられている。架橋ゴム弾性体は常温・成形時に限らず、ポリマー分子間が3次元網目構造である。このため、柔軟性は向上するが流動性を悪化させる原因となっているが、メタロセンLLDPEの場合、高温の成形温度では通常のポリエチレンと同じようにポリマー鎖は自由に運動できて、結果として流動性を悪化させない。しかしながら、常温付近では結晶成長と同時に、ポリマー結晶同志を結合させるタイ分子が生成して、結果として擬似的な架橋構造を有したプラスチックを形成し、ゴム弾性が向上するため柔軟性が得られるものと考えられる。
【0037】
メタロセンLLDPEは、エチレンと、コモノマーとして炭素数3以上のオレフィンとの共重合体である。好ましくは、エチレンと、炭素数3〜18の直鎖状、分岐状、芳香核で置換されたα−オレフィンとの共重合体である。
直鎖状モノオレフィンとしては、例えば、プロピレン,1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどがある。分岐鎖モノオレフィンとしては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1,2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテンなどがある。芳香核で置換されたモノオレフィンとしては、スチレンなどがある。また、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5‐メチル‐2‐ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2‐メチル1,4,5,8‐ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a‐オクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニルシクロヘキサンなどもある。
【0038】
これらのコモノマーは、単独または2種以上を組み合わせて、エチレンと、共重合させて共重合体とする。該共重合では、ブタジエン、イソプレン、1,4‐ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネンなどのポリエン類を共重合させても良い。該共重合体中におけるα‐オレフィン含有量は、1〜10モル%、好ましくは1.5〜7モル%である。
【0039】
柔軟材層15のJIS、K7112による密度としては、0.890〜0.940が適用できる。これ以下では柔軟過ぎて、テーピング包装する際に流動してはみ出したりし、これ以上では柔軟性が悪く、クッション性に欠ける。
柔軟材層15の厚さとしては、10〜100μmが適用できるが、好ましくは10〜50μmである。これ以下ではクッション性に欠け、これ以上ではクッション性は過剰であり、熱伝導性が悪くシール時に過剰な熱量を要し、コスト面で無駄である。また、柔軟材層15の樹脂を、押し出し樹脂層(接着剤層13)として押出し、基材フィルム/アンカーコート上へイクストルージョンコーティングして、成膜することで、押し出し樹脂層(接着剤層13)と柔軟材層15とを兼ねる層としてもよい。
【0040】
(熱接着層)ついで、柔軟材層15面へ熱接着層17を設ける。該熱接着層17は、熱接着性の熱可塑性樹脂で、必要に応じて分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。熱可塑性樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などのアクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン‐アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用できる。これらの熱可塑性樹脂を、単独または複数を組み合せて使用できる。また、導電性フィラーの分散性、キャリアテープへの接着性から、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、のいずれか、またはこれらを主成分とする樹脂が好適である。
【0041】
従来、通常は、電子部品と直接接触する最内層には、硫化亜鉛・硫化銅・硫化カドミウム・硫化ニッケル・硫化パラジウムなどの硫化物に導電性をもたせた導電性フィラー、硫酸バリウム、または酸化錫・酸化亜鉛・酸化インジウム・酸化チタンなどの金属酸化物、導電性カーボンフィラー、ケイ素有機化合物、若しくは表面金属メッキフィラーなどの導電性フィラー19を練り混んで帯電防止処理を行う。しかしながら、本発明では、熱接着層17に導電性フィラー19を練り混まない。帯電防止処理は後述するように、本発明の製造方法で行う。
【0042】
熱接着層17の形成は、上記の熱可塑性樹脂、必要に応じて添加剤を、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコートなどのコーティング方法で塗布し、乾燥させて、熱接着層17を形成させる。熱接着層17の厚さは、0.05〜3.0μm程度塗布する。この範囲未満では均一な被膜が得られず、この範囲をを超えると熱容量が増加して、キャリアテープとのヒートシール性を阻害する。
【0043】
柔軟材層15面へ熱接着層17を設ける場合には、柔軟材層15面へ易接着処理をすることが望ましい。易接着処理とは、両者の接着性を向上させるためのプライマー層を設けるか、またはコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾンガス処理、フレーム処理、予熱処理、などが適用でき、プライマー層、またはコロナ放電処理が好ましい。該プライマー層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸などとの共重合体、エチレンとスチレンおよび/またはブタジエンなどとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。また、これらの樹脂に、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムなどのゴム状またはエラストマーを添加しても良い。
【0044】
これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを柔軟材層15面へ公知のコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層とする。また、樹脂にモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどと、反応開始剤、硬化剤、架橋剤などを適宜組み合わせたり、あるいは、主剤と硬化剤とを組み合わせて、塗布し乾燥して、乾燥または乾燥した後のエージング処理によって反応させて、形成しても良い。該プライマー層の厚さは、0.05〜3.0μm程度、好ましくは0.1〜2.5μmである。該コロナ処理面へ、熱接着層17を塗布すると強固に接着し、しかも、厚み的にはほとんど無視できるので、カバーテープ全体としての剛性はあがることがなく、より好適である。
【0045】
コロナ放電処理は、対向電極と放電電極に高電圧を印加して、コロナ放電を起こすコロナ表面処理装置を用いて、該放電電極からのコロナ放電炎を被処理対象物に浴びせてその表面を酸化などで改質して、親水性をあげる処理方法である。本発明の柔軟材層15面へコロナ処理を行って、該柔軟材層15面の表面張力が0.00036N/cm程度以上、好ましくは0.0004N/cm以上とする。該柔軟材層15面のコロナ処理面へ、熱接着層17を塗布すると強固に接着し、しかも、厚み的にはほとんど無視できるので、カバーテープ全体としての剛性はあがることがなく、より好適である。
【0046】
(導電性フィラー)本発明で用いる導電性フィラー19は、特に限定されず、公知の界面活性剤などの帯電防止剤、硫化亜鉛・硫化銅・硫化カドミウム・硫化ニッケル・硫化パラジウムなどの硫化物に導電性をもたせた導電性フィラー、硫酸バリウム、または酸化錫・酸化亜鉛・酸化インジウム・酸化チタンなどの金属酸化物、導電性カーボンフィラー、ケイ素有機化合物、若しくは表面金属メッキフィラーなどの導電性フィラーが適用できる。好ましくは、酸化錫系・酸化亜鉛系・酸化インジウム系・酸化チタン系などの金属酸化物フィラー、導電性カーボンフィラー、帯電防止型ケイ素有機化合物、または表面金属メッキ粒子が好適である。金属酸化物では、アンチモンをドーピングした酸化錫、錫をドーピングした酸化インジウムが好適である。
【0047】
従来、粒子径の大きい金属フィラーを練り込んだカバーテープは、透明性を低下させ、収納されている電子部品を外部から確認しにくかったが、本発明では、使用する量を減少させることで、適用することができる。また、カーボンフィラー、表面金属メッキ粒子などの不透明なものも同様に適用することができる。このような導電性フィラーは、一次粒子の平均粒子径が0.01〜10μmのものが好ましい。導電性フィラーの形状としては、針状、球状、りん片状、矩形状などいずれでも適用できるが、埋め込み性から針状、矩形状が好ましい。
【0048】
(製造方法)次に、本発明の導電性フィラー19を、熱接着層17の表面に埋め込む製造方法について説明する。
図4は、本発明の製造方法を模式的に示す説明図である。
図4は、説明の都合上、カバーテープの層構成を、図1〜3とは上下を逆にしてある。本発明の製造方法は、(a)基材フィルムの一方の面に、熱接着層を積層して積層体とする工程、(b)少なくとも上記熱接着層を溶解する溶媒へ、導電性フィラーを分散してインキ化する工程、(c)該インキを上記積層体の熱接着層面へ塗布して、上記導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込む工程、からなっている。
【0049】
(a)基材フィルムの一方の面に、熱接着層を積層して積層体とする工程、
まず、基材フィルム11の一方の面へ、必要に応じて接着剤層13を設け、必要に応じて柔軟剤層15を設け、熱接着層17を設ける。この積層方法については、既に説明したので省略する。
【0050】
(b)少なくとも上記熱接着層を溶解する溶媒へ、導電性フィラーを分散してインキ化する工程、
次いで、導電性フィラーを分散して導電性インキ化する。該導電性インキには、必要に応じて、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、染料や顔料などの着色剤、増量やブロッキング防止などの体質顔料や樹脂などの充填剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤等の添加剤を、適宜加えても良い。特にインキ状態での導電性フィラーの沈降を防止するために、チクソトロピー性付与剤としてのマイクロシリカが好ましい。
該導電性インキを分散調製する方法としては、特に限定はなく、通常の混練・分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。また、分散・混練は、これらの分散・混練機を複数備え、連続的に処理を行っても良い。
【0051】
さらに、分散・混練を効率よくするため、分散・混練の補助材料として球相当径で0.05mmφ〜10cmφの径のスチールボール、スチールビーズ、セラミックビーズ、ガラスビーズ、有機ポリマービーズを用いても良く、またこれらの補助材料は球形に限らない。混練後のインキの追加分散の方法には、特に制限はなく、また各成分の添加順序、分散中の添加位置、分散温度(0〜80℃)などは適宜設定すれば良い。該インキに用いる溶剤23が重要である。該溶剤23としては、少なくとも熱接着層を溶解する溶媒を用いる。また、熱接着層を溶解する良溶媒、及び、溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒を用いる。
【0052】
(c)該導電性インキを上記積層体の熱接着層面へ塗布して、上記導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込む工程、
そして、該導電性インキを熱接着層17面へ塗布した状態が、図3(A)に図示した状態である。すると、熱接着層を溶解する溶媒23が熱接着層17を溶解し、熱接着層17は液体又は粘調な溶液となる。この状態が図3(B)に図示した状態であり、この溶解部分(17+19)は溶液状態で、導電性インキ中の導電性フィラー19が沈み込んで行くと同時に、次第に溶媒23が乾燥し、蒸発し除去される。図3(C)に図示した状態が、導電性フィラー19が熱接着層17中へ埋め込まれた模式的な様子である。
【0053】
その埋め込み具合は、溶媒23の熱接着層17樹脂に対する溶解度、溶媒23と導電性フィラー19との配合比、塗布する導電性インキ量(溶媒の量もこれで決まる)、塗布温度、乾燥条件などを、適宜選択することによって、制御することができる。また、インキ溶媒として、熱接着層17を溶解する良溶媒、及び、溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒を用いてもよい。
【0054】
(溶媒)溶媒としては、例えば、水、有機溶媒などが適用できる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系、エステル系、ケトン系、エテール系、アミド系、ピロリドン系、ヒドロキシエステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、塩素化炭化水素系などがある。アルコール系としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノール、メチルシクロヘキサノールなどがある。エステル系としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテルなどがある。ケトン系としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフランなどがある。エテール系としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどがある。アミド系としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどがある。ピロリドン系としては、N−メチルピロリドン、 N−エチルピロリドンなどがある。ヒドロキシエステル系としては、乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどがある。脂肪族炭化水素系としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油系などがある。芳香族炭化水素系としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレンなどがある。塩素化炭化水素系としては、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼンなどがある。
【0055】
これらの溶媒を、熱接着層17を溶解する溶媒、並びに、よく溶解する良溶媒及び溶解しにくい貧溶媒の混合溶媒を、選択して配合して用いればよい。溶解する溶媒、良溶媒、及び貧溶媒は、単独でも複数を混合しても良く、また微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、原料成分、および不可避不純物)を含んでもよい。溶解する良溶媒と溶解しにくい貧溶媒との配合比によって、さらにまた、良溶媒の熱接着層17樹脂に対する溶解度、混合溶媒と導電性フィラー19との配合比、塗布するインキ(溶媒)量、塗布温度、乾燥条件などと、組み合わせることによって、詳細に制御することができる。
【0056】
制御とは、導電性フィラー19が熱接着層17の表面への集結度、層方向への分布、埋め込み量などを、要求度によって適宜調整する。また、良溶媒及び貧溶媒の材料の組み合わせ及びその配合比、さらに、お互いに相溶しにくい良溶媒と貧溶媒とを含む混合溶媒とすることで、集結する部分の大小、面積比なども調整することができる。好ましくは、導電性フィラー19の一部が熱接着層17の表面へ露出していることである。さらに好ましくは、露出した導電性フィラー19同志が接触していることである。このようにすると、極めて少ない量の導電性フィラー19で優れた帯電防止性を発揮できる。
【0057】
熱接着層17に埋め込まれる導電性フィラーの量は、特に制限はないが、カバーテープの熱接着層17の面積1m2に対して、導電性フィラー19が0.01〜10g/m2程度、好ましくは、0.1〜5g/m2の範囲である。導電性フィラー19の量が上記の数値未満であると、十分な帯電防止性が得られず、また上記の範囲を超えると導電性フィラー19が脱落したり、キャリアテープとの接着阻害を起こす。このように、導電性フィラー19を、熱接着層17の層の表面方向へ含有量が多くなるように傾斜分布させるか、又は導電性フィラー19を、熱接着層17の表面へ集結させることで、少ない量の導電性フィラー19で、従来の帯電防止性と変わらない性能を発揮させることができた。
【0058】
該導電性フィラー19の熱接着層17への埋め込み状態は表面抵抗値で示される。即ち、同じ導電性フィラー19の量でも、表面により集結していれば表面抵抗値が低い。該導電性フィラー19が埋め込まれた熱接着層17の表面抵抗値は、22℃相対湿度60%において、105〜1012Ωの範囲内が好ましい。また、静電気特性は、23±5℃、相対湿度12±3%において、5000Vから99%減衰するまでに要する電荷減衰時間が、2秒以下と優れている。上記の表面抵抗値が1012Ωを超えると静電気の拡散効果が極端に低下し、電子部品を静電気破壊から保護することが困難となる。また、105Ω未満になると、外部からカバーテープを介して電子部品に通電することにより、電気的に破壊される危険性がある。
なお、表面抵抗値はハイレスタUP「三菱化学社製、商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定する。電荷減衰時間はSTATIC−DECAY−METER−406C「Electro−Tech−Systems社製、商品名」を用いて、23±5℃、相対湿度が12±3%の条件で、5000Vから99%の減衰に要する時間をMIL−B−81705Cに準拠して測定する。以後上記の条件下で測定した数値を記載する。
【0059】
カバーテープとしての全光線透過率は10%以上、好ましくは50%以上で、かつ、ヘーズは50%以下が好ましい。このようにすると、テーピング包装体の内部に封入されている電子部品が、目視あるいは機械によって容易に確認できる。全光線透過率が10%以下の透明性では内部の電子部品の確認が難しい。なお、ヘーズ度、および全光線透過率は、カラーコンピューターSM−44C(スガ試験機株式会社製、商品名)にて測定する。
【0060】
以上説明してきたように、本発明のカバーテープ1は、好ましくは、基材フィルム層の厚さが12〜50μmで、熱接着層の厚さが0.05〜3.0μmで、熱接着層17に埋め込まれた導電性フィラーの量が0.1〜5g/m2である。さらに、必要に応じて、基材フィルム層へ、厚さが0.05〜20μmの接着剤層、及び厚さが10〜50μmの柔軟材層を設け、さらにまた、必要に応じて、柔軟材層と熱接着層の間へはプライマー層が0.05〜1.0μm、またはコロナ処理の構成である。
【0061】
このような構成にした該カバーテープ1を用いたテーピング包装体は、該テーピング包装体のカバーテープを実装機で剥がす際にも、剥離角度が安定して、剥離する力の最大値と最小値との範囲であるジップアップを小さくできて、しかも静電気がたまることがなく、電子部品が飛び出すことがない。
また、柔軟材層を設けて構成した該カバーテープ1は、電子部品を収納したキャリアテープ3にヒートシールしても、接触する熱いシールバーでカバーテープが熱溶融したり、熱収縮したりしない。また、柔軟層のクッション性で、成形されて変形し易いキャリアテープへ安定してヒートシールできる。さらに、反応型の硬化型接着剤を用いた場合は、該接着剤層の作用でテープ全体としての剛性が大きくなり、実装機で剥がす際にも剥離角度が安定して、剥離する力の最大値と最小値との範囲であるジップアップを小さくできて、電子部品が飛び出すことがないものと推測する。
【0062】
基材フィルム11の厚さを50μm以上、接着剤層の厚さを20μm以上、柔軟材層の厚さを50μm以上、と厚くすると剛性を大きくできるが、厚くなって熱接着層が要求する熱量が伝達できず、シールバーの温度を高く設定する必要がある。そのため、耐熱性に劣るキャリアテープ3が変形や寸法変化をし、実装する電子部品の位置が変動する原因となる。また、基材フィルム11の厚さを12μm以下、接着剤層の厚さを2μm以下、柔軟材層の厚さを10μm以下では剛性が低下し、ジップアップが大きくなり好ましくない。カバーテープ1の剥離強度が適正であっても、ジップアップが大きいと、電子部品がキャリアテープから飛び出し、高速で安定した実装ができない。鋭意研究した結果、ジップアップは、カバーテープの剛性と関係し、カバーテープの剛性が小さいとジップアップが大きくなり、逆に剛性が一定の範囲内で大きいとジップアップが小さくなることが判明している。
【0063】
本発明のカバーテープの剛性は、ループステイフネステスター(東洋精機(株)製)を用いて成膜方向で巾15mm、ループ長さ62mmに設定した試料を5mm押し込んだときを、t=0とし、以下3、5、10及び30分の時点でステイフネス強度fを測定し、その間に於ける最大ステイフネス強度を初期衝撃値とした。そして、t(3≦t≦30)及び及びfから最小二乗法により回帰直線f=−at+bを求め、本発明のa及びbを算出した。初期衝撃値が50gより大きいことは剛性が強すぎて、ジップアップが大きく、4g以下ではヒートシールのムラが剥離強度に影響し、ジップアップが大きくなると推定される。aが大きいことは、fの変動が大きいことを意味し、ジップアップが大きくなり、また、aの小さいことは、fの変動が小さいことを意味し、限りなく0に近ずけば、好ましいものである。bが50gより大きいことは、初期衝撃値も大きい傾向にあり、剛性が強すぎて、ジップアップが大きくなる。逆にbが4g未満では初期衝撃値も小さい傾向にあり、ヒートシールのムラが剥離強度に直接影響し、ジップアップが大きくなるものである。
【0064】
本発明の柔軟層15は、カバーテープ1をキャリアテープ3とヒートシールしたときに、双方のシートを均一に密着させるクッションの作用を奏する。同時に、ヒートシールしたカバーテープ1をキャリアテープ3から剥離するときには、柔軟層15と熱接着層17との間で層間剥離できるように、柔軟層15と熱接着層17との接着強度を制御する。
【0065】
キャリアテープ3とカバーテープ1との剥離強度が10g/1mm巾未満になると、テーピング包装体として移送する際に、剥離して内容物が脱落する危険性がある。また、剥離強度が80g/1mm巾を超えると、カバーテープを剥離する際にキャリアテープ3が振動して電子部品が飛び出す恐れがある。また、ジップアップは30g以下が好ましい。ジップアップが30g以上であると、カバーテープの剥離時、キャリアテープが振動して内容物が飛び出す恐れがあり好ましくない。また、ジップアップには下限値は存在するものではないことは、ジップアップが限りなくゼロに近づくことは、剥離するときのキャリアテープが滑らかに走行し充填機の高速化ができるからである。
【0066】
剥離強度は、温度23℃、相対湿度40%の雰囲気下に於いて、PEEL−BACK−TESTER(バンガードシステムズ社製、商品名)を用いて剥離速度300mm/分、剥離角度180°で測定した値である。また、上記の柔軟層層および熱接着層との性質、種類によっては、層間剥離を起こさせるか、または熱接着層内で凝集破壊を起こさせるかは、ヒートシール条件の制御により適宜選択できることもある。すなわち、ヒートシール時の温度を高く、加熱時間を長く、圧力を強くして、キャリアテープとカバーテープとを完全融着することによって柔軟層と熱接着層との間で層間剥離することができる。逆に、ヒートシール時の温度を低くしたり、加熱時間を短くしたり、圧力を弱くしたりすることによって、キャリアテープとカバーテープとを不完全な融着状態に止めれば、熱接着層ととキャリアテープとの間に於ける界面剥離(本明細書においては、熱接着層とキャリアテープとの間に起こる剥離を意味し、柔軟層と熱接着層との間に起こる層間剥離とは用語面から区別する。以下同様)と、30g以下のジップアップを達成できるが、作業工程としては、極めてヒートシール条件が限定され不安定なものである。
【0067】
上記のように、柔軟層と熱接着層との間における層間剥離は、加熱、加圧を十分に行うことにより達成できる。例えば、加熱温度を100〜200℃、加熱時間を0.05〜2.0秒、加圧を7〜30N/cm2程度である。180度剥離による層間の剥離強度は、熱接着層とキャリアテープとの剥離強度より弱いものであり、したがって、加熱を十分に行うことにより柔軟層と熱接着層との間の層間剥離を達成することができる。
【0068】
本発明のカバーテープは、柔軟層と熱接着層との間で剥離するものであるから、ヒートシール条件により大きく変化するものではない。したがって、カバーテープとキャリアテープとのヒートシールは十分に加熱して行うことができ、安定したヒートシールと剥離強度を得ることができる。
【0069】
基材フィルム11の熱接着層17の反対の面、すなわち、最外面には、必要に応じて、界面活性剤、ケイ素有機化合物、導電性カーボンブラック、金属蒸着、金属酸化物などの導電性フィラーなどを用いて、帯電防止処理を施してもよい。基材フィルム11の表面にゴミ、チリなどの付着防止、あるいは他の面との接触による静電気の発生を防止することができる。
【0070】
【実施例】
まず、基材フィルム/接着剤層(必要に応じて)/柔軟材層(必要に応じて)/処理層(必要に応じて)/熱接着層からなる非帯電防止積層体を作製する。
(非帯電防止積層体1)(ポリエステル系熱接着層)
基材フィルム11として厚さ12μmのエステルフイルムASタイプ(ポリエチレンテレフタレート、東洋紡績社製、商品名)を用い、柔軟剤層15として厚さ20μmの太閤FL、LL−X(LLDPE、二村化学社製、商品名)両面コロナ処理品を用いる。該基材フィルム11と柔軟剤層15とを、接着層13としてポリウレタン系のタケラックA−515(主成分樹脂)とタケネートA−12(硬化剤)(いずれも、武田薬品工業社製、商品名)を用いて、公知のドライラミネーション法で積層した。続いて、柔軟剤層15面へ、バイロン200(ポリエステル樹脂、東洋紡績社製、商品名)を樹脂分が20質量%となるようにメチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤で調製して、乾燥後の厚さが0.05μmとなるようにロールコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層とした。該プライマー層面へ、次の熱接着層17組成物を、乾燥後の厚さが0.2μmになるように、グラビアリバースコーティング法で、塗布し乾燥させて、非帯電防止積層体1を得た。熱接着層17組成物は、エリーテルLE3200(ポリエステル樹脂、ユニチカ社製、商品名)100質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤300質量部からなり、これらを混合し混練して、組成物とした。
【0071】
(非帯電防止積層体2)(塩酢ビ系熱接着層)
基材フィルム11として厚さ12μmのエステルフイルムASタイプ(ポリエチレンテレフタレート、東洋紡績社製、商品名)を用い、柔軟剤層15としては、厚さ20μmの太閤FLメタロセングレード(メタロセンLLDPE、二村化学社製、商品名)両面コロナ処理品を用いる。該基材フィルム11と柔軟剤層15とを、接着剤層13としてポリウレタン系のTMD−830(主成分樹脂)及びCAT−10(硬化剤)(いずれも東洋モートン社製、ポリウレタン樹脂の商品名)を用いて、公知のドライラミネーション法で積層した。続いて、柔軟剤層15面へ、メチルメタアクリレート樹脂を樹脂分が20質量%となるようにメチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤で調製して、乾燥後の厚さが1.0μmとなるようにロールコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層とした。該プライマー層面へ、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂を樹脂分が20質量%となるようにメチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤で調製して、乾燥後の厚さが0.1μmになるように、グラビアリバースコーティング法で塗布し乾燥させて、熱接着層を形成して、非帯電防止積層体2を得た。
【0072】
(非帯電防止積層体3)(アクリル系熱接着層)
基材フィルム11として厚さ12μmのテトロンフイルムFタイプ(ポリエチレンテレフタレート、帝人社製、商品名)を用い、柔軟剤層15として厚さ20μmの太閤FL、LL−X(LLDPE、二村化学社製、商品名)を用いる。該基材フィルム11と柔軟剤層15とを、ポリサンド法で積層する。基材フィルム11へ、テトライソブチルチタネート5質量部とn‐ヘキサン95質量部からなるアンカーコート剤を、乾燥後の厚さが0.01μmとなるようにロールコーティング法で塗布し乾燥した後に、接着層13(押出樹脂)としてミラソン16(低密度ポリエチレン、三井化学社製、商品名)を、押出機で加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大し伸張させてカーテン状に押し出して、該押し出し、該樹脂面へ柔軟剤層15として厚さ20μmの太閤FL、LL−X供給して、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持して、基材フィルム11/押出樹脂層(接着剤層13)/柔軟剤層15の3層が接着し積層された。続いて、公知のコロナ処理機で、柔軟剤層15面へコロナ処理を行い、表面張力を0.00045N/cmとした。該コロナ処理面へ、次の熱接着層17組成物を、乾燥後の厚さが0.2μmになるように、グラビアリバースコーティング法で、塗布し乾燥させて、非帯電防止積層体3を得た。熱接着層17組成物は、ダイヤナールBR−83(アクリル系樹脂、三菱レイヨン社製、商品名)100質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤300質量部からなり、これらを混合し混練して、組成物とした。
【0073】
(実施例1)
非帯電防止積層体として「非帯電防止積層体1」を用い、その熱接着層17面へ、下記の組成の導電性インキを用いて、乾燥後の塗布量が0.2g/m2となるように、リバースロールコーティング法で、30m/分の速度で走行する非帯電防止積層体へ塗布し、100℃で乾燥して、帯電防止積層体を得た。
・導電性インキ組成物
ステンレス304、平均粒子径5μm 100質量部
メチルエチルケトン 600質量部
酢酸ブチル 250質量部
マイクロシリカ(増粘剤) 50質量部
【0074】
(実施例2〜11)(比較例1〜4)
非帯電防止積層体、導電性インキの組成、乾燥後の塗布量のそれぞれを、表1、表2及び表3のようにした以外は、実施例1と同様にして、(実施例2〜11)(比較例1〜4)の帯電防止積層体を得た。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
(評価)
実施例、比較例の積層体(カバーテープ)の評価として、表面抵抗、電荷減衰率、全光線透過率、ヘイズ、および剥離強度について、次のように測定した結果を、表1、表2及び表3へ記載した。表面抵抗はハイレスタUP「三菱化学社製、商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定し、105〜1013Ω/□を良範囲として○印で、以外を不良範囲として×印で、表1、表2及び表3へ示した。電荷減衰率は、STATIC−DECAY−METER−406C「Electro−Tech−Systems社製、商品名」を用いて、23±5℃、相対湿度が12±3%の条件で、5000Vから99%の減衰に要する時間をMIL−B−81705Cに準拠して測定し、2秒以下を良範囲として○印で、以上を不良範囲として×印で、表1、表2及び表3へ示した。
【0079】
全光線透過率およびヘイズは、カラーコンピュータSM−55C(スガ試験機社製、商品名)で測定し、75%以上を良範囲として○印で、以下を不良範囲として×印で、表1、表2及び表3へ示した。ヘイズは、50%以下を良範囲として○印で、以上を不良範囲として×印で、表1、表2及び表3へ示した。
【0080】
剥離強度は、次に示す条件でヒートシールして、温度23℃、相対湿度40%の雰囲気下に於いて、PEEL−BACK−TESTER(バンガードシステムズ社製、商品名)を用いて剥離速度300mm/分、剥離角度180°で測定した値で、10〜30g/1mm幅を良範囲として○印で、以外を不良範囲として×印で、表1、表2及び表3へ示した。ヒートシール条件は、各実施例のカバーテープを、キャリアテープのシートXEG47「太平化学社製、商品名」と、温度150℃、圧力20N/cm2、時間0.5秒の条件でヒートシールを行った。2.0mm幅×2列、該各長さ16mmのシールヘッドを用いて、シールヘッドの送り長さ8mmで、50ショット(400mm)のヒートシールを行った後の、25ショット(200mm)をサンプルとした。
【0081】
【発明の効果】
従来の導電性微粒子(フィラー)を練り込む方法では、層中へ均一に分散させるために、練り込む導電性フィラーの量を多く用いねばならず、コストが高い。本発明の製造方法によれば、少ない量の導電性微粒子(フィラー)、容易な製造工程で済むので、安価に優れた帯電防止積層体を製造できる。
このように製造された帯電防止積層体は、表面の導電性へ寄与する導電性フィラーを、表面付近に集結させることで、帯電防止の作用はあくまでも表面の問題であり、優れた帯電防止特性を発揮できる。しかも、導電インキの溶媒を選択することで、帯電防止特性を制御することができる。
【0082】
さらにまた、本発明の帯電防止積層体をテーピング包装用カバーテープとして用いれば、帯電防止性に優れ、また、該帯電防止性が長時間維持されるために、収納している電子部品が静電気で破壊されず、かつ、優れた透明性で、収納さえれている電子部品が容易に確認できる。また、柔軟性がよいので、キャリアテープへヒートシール性する際に、収納部が成形されて平滑性の悪いキャリアテープのシール面へ、良好にヒートシールできる。さらに、実装時にはカバーテープを構成する基材フィルムと柔軟剤層の層間で剥離せず、良好なジップアップ性とを備えているので、カバーテープはキャリアテープから安定して剥離し、電子部品は、飛び出すことがない。
さらにまた、本発明の帯電防止積層体は、ICなどのチップ型電子部品に限定されることはなく、各種の物品を収納する合成樹脂容器の密封に用いる蓋材、または、袋体としても用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカバーテープを用いたテーピング包装体の斜視図である。
【図2】 本発明の1実施例を示すカバーテープの断面図である。
【図3】 本発明の導電性フィラーの埋め込みを模式的に示すの断面図である。
【図4】 本発明の製造方法を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 カバーテープ
3 キャリアテープ
5 テーピング包装体
11基材フィルム
13接着剤層
15 柔軟剤層
17熱接着剤層
19 導電性フィラー
21 インキ
23 溶媒
Claims (15)
- (a)基材フィルムの一方の面に、熱接着性の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物による熱接着層を積層して積層体とする工程、
(b)少なくとも上記熱接着層を溶解する良溶媒及び溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒へ、導電性フィラーを分散してインキ化する工程、
(c)該インキを上記積層体の熱接着層面へ塗布して、上記熱接着層を溶解する良溶媒が上記熱接着層を溶解して上記熱接着層を液体又は粘調な溶液となし、この溶解部分の溶液状態で、上記インキ中の導電性フィラーを上記熱接着層中に沈み込ませると同時に次第に上記溶媒を乾燥し、蒸発し除去して、上記導電性フィラーを上記熱接着層へ埋め込む工程とからなることを特徴とする帯電防止積層体の製造法。 - 上記導電性フィラーが、上記熱接着層の開放表面へ露出していることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止積層体の製造方法。
- 上記導電性フィラーの含有量が、上記熱接着層の厚さ方向に変化していることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記基材フィルム層と熱接着層との間へ、柔軟材層を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記柔軟材層の熱接着層を設ける面へ、コロナ処理を行った後に、熱接着層を設けることを特徴とする請求項4に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記柔軟材層と熱接着層との間へ、プライマー層を設け、該プライマー層の厚さが0.05〜3.0μmであることを特徴とする請求項4に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記導電性フィラーを埋め込んだ熱接着層の表面抵抗値が、10 5 〜10 13 Ω/□の範囲にあり、かつ、99%電荷減衰時間が2秒以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 帯電防止積層体の全光線透過率が、75%以上であり、かつ、ヘーズ値が50%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートからなり、その厚さが12〜50μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、のいずれかまたはこれらを主成分とする樹脂からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記導電性フィラーが、酸化錫系、酸化亜鉛系、酸化インジウム系、酸化チタン系、カーボンブラック系、帯電防止型ケイ素有機化合物、または表面金属メッキ粒子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記導電性フィラーが、一次粒子の平均粒子径、0.01〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記熱接着層が、その厚さが0.05〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 上記柔軟材層が、その厚さが10〜50μmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
- 帯電防止積層体が、チップ型電子部品をテーピング包装するキャリアテ−プに、ヒートシールするカバーテープとして使用されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の帯電防止積層体の製造法。
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