JP4184756B2 - 帯電防止積層体、及び電子部品のテーピング包装用カバーテープ - Google Patents

帯電防止積層体、及び電子部品のテーピング包装用カバーテープ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテーピング包装用カバーテープに関し、さらに詳しくは、チップ型電子部品を保管から実装するまで保護するテーピング包装に使用する、収納部を連続して形成したキャリアテ−プにヒートシールする帯電防止積層体、及びテーピング包装用カバーテープに関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の背景)近年、ICチップ、コンデンサなどのチップ型電子部品は、テーピング包装され、表面実装に供せられる。テーピング包装は、電子部品を収納する凹部を連続的にエンボス成形したキャリアテープへ、電子部品を収納した後に、カバーテープでヒートシールされる。実装時には、電子部品はカバーテープを剥し自動的に取り出して、電子回路基板に表面実装するために、カバーテープは容易に剥離できなばならない。該剥離力(剥離強度、ヒートシール強度、またはピールオフ強度ともいう)が、低過ぎるとカバーテープが外れて、電子部品が脱落したり、逆に、強過ぎると、実装機でカバーテープを剥離するとキャリアテープが振動し、電子部品が収納ポケットから飛び出す問題があった。特に、剥離力の最大値と最小値との差(ジップアップという)が大きいと、キャリアテープが激しく振動する。さらに、電子部品がキャリアテープの凹部またはカバーテープと接触したり、カバーテープを剥離ときに発生する静電気により、電子部品が劣化・破壊が生ずる恐れがあった。
【0003】
(先行技術)従来、シート成形が容易なポリ塩化ビニル系樹脂やポリスチレン系樹脂からなるキャリアテープに、ポリエステルフィルム(基材)とポリエチレン変性またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱接着層(HS層ともいう)を積層したカバーテープが知られている。しかしながら、実装機でカバーテープを剥離する時の剥離力が安定せず、ジップアップ現象が発生しキャリアテープが激しく振動して、電子部品が収納ポケットから飛び出すという問題がある。
そこで、基材/中間層/熱接着層の構成とし、中間層と熱接着層との安定した剥離力を利用するもの、又は中間層のクッション性などで熱接着層がキャリアテープと安定した剥離力を得てジップアップ現象を抑制するカバーテープが知られている(例えば、特許文献1、ないし特許文献25、参照。)。
また、本出願人は、基材フィルム層、接着剤層、柔軟材層、熱接着層が順次積層されており、接着剤層が熱硬化性樹脂またはポリエチレン系樹脂で、柔軟材層が直鎖状低密度ポリエチレンで、熱接着層が熱可塑性樹脂と導電性微粒子を含み、さらにまた、前記熱接着層の導電性微粒子の含有量が、熱接着層の熱可塑性樹脂100重量部に対して、導電性微粒子150〜500重量部として、ジップアップ現象を抑制するカバーテープを、特願2001−385927号で提案している。しかしながら、上記のものでは、近年の電子部品の小型化、実装機の高速化によって、従来は支障なかった微小な剥離力の差によるわずかなジップアップでも、電子部品が飛び出したりして実装機の効率が低下するという欠点がある。そこで、ジップアップ現象を抑制するために、軟化点の低い接着剤を用いるとその粘着性のために、カバーテープ自身を巻取状態で保管しておいた時にブロッキングして巻き解せなくなるという問題がある。
このために、熱接着層へ粒子を混入させて、ブロッキングを防止するカバーテープが知られている(例えば、特許文献26、参照。)。しかしながら、ブロッキング防止性とヒートシール性を両立させるために、粒子の分散性やその制御が難しいというという欠点がある。
そこで、カバーテープの熱接着層へパターン状被覆層を設けること、また、キャリアテ−プに重ねてヒートシールする際に、ヒートシール部で熱接着層の樹脂が被覆層のパターンの隙間をすり抜けて、キャリアテ−プとヒートシールさせること、は記載されていない。さらに、このために、ヒートシール部の面積は変わらないが,実際接着している面積は少なく設けることで、ジップアップ現象が減ずることは言及も示唆もされていない。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−78768号公報
【特許文献2】
特開平5−32288号公報
【特許文献3】
特開平7−130899号公報
【特許文献4】
特開平7−172463号公報
【特許文献5】
特開平8−192886号公報
【特許文献6】
特開平8−258888号公報
【特許文献7】
特開平9−156684号公報
【特許文献8】
特開平9−201922号公報
【特許文献9】
特開平7−251860号公報
【特許文献10】
特開2000−327024号公報
【特許文献11】
特開2001−315847号公報
【特許文献12】
特開2002−12288号公報
【特許文献13】
特開平9−111207号公報
【特許文献14】
特開平9−216317号公報
【特許文献15】
特開平9−267450号公報
【特許文献16】
特開平7−96583号公報
【特許文献17】
特開平7−96584号公報
【特許文献18】
特開平7−96585号公報
【特許文献19】
特開平7−96967号公報
【特許文献20】
特開平8−295001号公報
【特許文献21】
特開平9−109319号公報
【特許文献22】
特開平9−314717号公報
【特許文献23】
特開平10−95448号公報
【特許文献24】
特開平11−115088号公報
【特許文献25】
特開2001−348561号公報
【特許文献26】
特開平07−52338号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、カバーテープ自身を巻取体で保管してもブロッキングすることがなく、キャリアテープへの安定してヒートシールでき、良好なジップアップ性を備えたテーピング包装用カバーテープを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、チップ型電子部品をテーピング包装するキャリアテ−プにヒートシールするカバーテープにおいて、該カバーテープは基材フィルム層へ少なくとも中間層、熱接着層、及びパターン状被覆層が順次積層されてなり、該カバーテープの前記パターン状被覆層面をキャリアテ−プに重ねてヒートシールする際に、前記熱接着層を構成する樹脂が前記パターン状被覆層をすり抜けて、キャリアテ−プとヒートシールするようにしたものである。本発明によれば、カバーテープを巻取体としてもブロッキングすることが少なく、小型電子部品を高速で実装してもジップアップが極めて少なく、電子部品の飛び出しや実装機の停止を防止し、効率が向上できる電子部品のテーピング包装用カバーテープが提供される。
請求項2の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記熱接着層が少なくとも熱可塑性樹脂からなり、かつ上記パターン状被覆層が導電剤であるように、請求項3の発明に係わる電子部品のテーピング包装用カバーテープは、上記熱接着層が少なくとも熱可塑性樹脂と導電剤を含み、かつ上記パターン状被覆層が耐ブロッキング性を有する材料からなるようにしたものである。本発明によれば、帯電防止性が高く、静電気で破壊しにくい電子部品のテーピング包装用カバーテープが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のカバーテープを用いたテーピング包装体の斜視図である。
(テーピング包装)まず、テーピング包装5とは、ICチップ、コンデンサなどのチップ型電子部品を、該電子部品を収納する凹部を連続的にエンボス成形したキャリアテープ3へ、電子部品を収納した後に、カバーテープ1でヒートシールされる包装体である。該包装体で、電子部品は流通、保管され、実装機と呼ばれる機械へ供給される。実装機では、カバーテープ1を剥がして、キャリアテープ3に設けた凹部に収納されている電子部品を取り出して、基板などへ実装される。
【0008】
次に、本発明のカバーテープについて説明する。
図2は、本発明の1実施例を示すカバーテープの断面図である。
図3は、本発明の他の1実施例を示すカバーテープの断面図である。
(基本構成)請求項1の本発明の積層体は、図2に示すように、基材フィルム11、必要に応じてプライマ層又は接着層13、中間層15、必要に応じて易接着層、熱接着層17A、パターン被覆層19Aがこの順に積層されている。該積層体をカバーテープとして使用すると請求項2以降のカバーテープ1となる。本発明のカバーテープ1は、基材フィルム層11へ、少なくとも中間層15、熱接着層17(17A又は17B)、及びパターン状被覆層19(19A又は19B)が順次積層されている。請求項3のカバーテープ1の熱接着層17Aは少なくとも熱可塑性樹脂をからなり、パターン状被覆層は導電剤からなる。また、図3は別の実施態様(請求項4)のカバーテープ1で、その熱接着層17Bは少なくとも熱可塑性樹脂と導電剤を含み、パターン状被覆層は耐ブロッキング性を有する材料からなる。
【0009】
(発明のポイント)
本発明のカバーテープのパターン状被覆層19面をキャリアテ−プに重ねてヒートシールする際に、前記熱接着層17を構成する樹脂が前記パターン状被覆層19をすり抜けて、キャリアテ−プとヒートシールすることを特徴とする。即ち、熱可塑性樹脂をからなる熱接着層17A又は熱可塑性樹脂と導電剤をからなる熱接着層17Bの樹脂が、導電剤からなるパターン状被覆層19A又は耐ブロッキング性を有する材料からなるパターン状被覆層19Bのパターンの隙間をすり抜けて、キャリアテ−プとヒートシールすることである。
パターン状被覆層19A又はパターン状被覆層19Bとキャリアテ−プとはヒートシールしないか、又は弱いヒートシール強度を持っていてもよく、パターンの隙間をすり抜けた熱接着層17A又は熱接着層17Bの樹脂が、キャリアテ−プとヒートシールする。パターン状被覆層19A及びパターン状被覆層19Bはヒートシール性がないか、又は弱いヒートシール強度なので、その内側層のブロッキングしやすい熱接着層17A及び熱接着層17Bの樹脂を保護し、巻取体の状態でも熱接着層と基材フィルム層11が接触しにくく、ブロッキングする可能性は著しく低くできる。
【0010】
このために、熱接着層17A及び熱接着層17Bの樹脂の選定は、キャリアテープとのヒートシール性機能を中心に選定すればよいので、剥離強度、ジップアップ性に優れる材料を選択できる。その結果、小型電子部品を高速で実装しても、ジップアップが極めて少なく、部品の飛び出しや実装機の停止を防止し、効率が向上できる。カバーテープを巻取体としてもブロッキングすることが少ない。また、中間層15は適度の柔軟性、すなわちクッション性を持たせて、電子部品を収納するポケットが成形されてヒートシール面が変形したり、反ったりしているキャリアテープ3へ、素直に密着して、安定したシールができる。
また、高速化している実装機では剥離時にカバーテープ1が切断し易いが、中間層15の強靭性によって切断が減少する。
【0011】
さらに、パターン状被覆層19Aを導電剤とするか、熱接着層17Bへ導電剤を含有させることで、帯電防止性と透明性とを維持しながら、安定した熱接着性の機能を付与できる。このようにすることで、実装機でカバーテープを剥離する時に、ジップアップが発生せず、収納されている電子部品が飛び出さないし、カバーテープも切断せず、実装機を停止することなく、稼動率が向上できる。
【0012】
(キャリアテープ)次に、本発明に用いるキャリアテープ、及びカバーテープの材料について説明する。キャリアテープ3の材料としては、通常、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどのシート成形が容易な材料が適用できる。これら樹脂の単独、および/またはこれらを主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。これらのシートは、成形性が良いことで、未延伸フィルムが好ましい。
該シートの厚さは、通常、30〜1000μm程度が適用できるが、50〜700μmが好適で、80〜300μmが最適である。これ以上の厚さでは、成形性が悪く、これ以下では、強度が不足する。該シートへは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、導電剤などの添加剤を加えても良い。
該シートを、雄雌金型によって非加熱での塑性プレス成形、加熱しての真空成形・圧空成形・真空圧空成形、またはこれらにプラグアシストを併用する成形、などの成形法で形成されている。成形性の良いポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好適である。本発明に用いるキャリアテープとしては、以上のいずれでも、適用することができる。
【0013】
また、本発明の基材フィルム層11へ、少なくとも中間層15、熱接着層17(17A又は17B)、及びパターン状被覆層19(19A又は19B)が順次積層されている本発明のカバーテープは、帯電防止積層体として、ICなどのチップ型電子部品に限らず、固形あるいは液状の各種部品、食品、液晶表示用部品及び液晶製品、注射器や医薬品などの医療関連物品、自動車用部品、工業部品などを収納する合成樹脂容器の密封に用いる蓋材として用いてもよく、袋体で密封し、流通、保管してもよい。特に静電気の影響を受け易い電子部品、削り節、医薬器具などの包装袋、容器の蓋材に好ましく使用できる。
【0014】
(基材フィルム層)カバーテープの基材フィルム11としては、保存中の外力に耐える機械的強度、製造およびテーピング包装に耐える耐熱性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリエーテルケトン、ポリエーテル‐エーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン・高衝撃ポリスチレン・AS樹脂・ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン・セルローストリアセテート・セルロースダイアセテート・ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などがある。
【0015】
該基材フィルム11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該基材フィルムは、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材フィルムの厚さは、通常、2.5〜300μm程度が適用できるが、6〜100μmが好適で、12〜50μmが最適である。これ以上の厚さでは、テーピング包装時のヒートシール温度が高くなり、コスト面も不利で、これ以下では、機械的強度が不足する。
【0016】
該基材フィルム11は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用するが、これら形状を本明細書ではフィルムと総称する。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが、コスト面および機械的強度がよ良いため好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材フィルム11へは、基材フィルム11と中間層15とを強固に接着し積層させて、カバーテープ1に基材フィルム11の機械的強度と中間層15の耐切断性とを併せ持たせるために、中間層15の積層に先立って積層面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0017】
(中間層の積層法)次に、基材フィルム11へ中間層15を積層するが、該積層法としては、ドライラミネーション法、押出ラミネション法、押出コーティング法などが適用できる。ドライラミネーション法、及び押出ラミネション法では中間層15の樹脂を一旦フィルム化した後に積層する。押出コーティング法では熱接着層15の樹脂を溶融し成膜しながら積層して行く。
【0018】
(ドライラミ法)ドライラミネーション法による積層法は、公知のドライラミネーション法、又はノンソルベントラミネーション法が適用でき、該ラミネーション法で用いる接着剤として、熱又は電離放射線で硬化する硬化性接着剤が適用できる。熱硬化接着剤としては、具体的には、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、またはこれらの変性物を主成分樹脂とし、イソシアネート類またはアミン類を用いて硬化したものが適用できる。これらを主成分樹脂と硬化剤とを、有機溶媒へ溶解または分散して接着剤組成物とする。該接着剤組成物を基材フィルム11へ、例えば、ロ−ルコ−ティング、リバースロ−ルコ−ティング、グラビアコ−ティング、グラビアリバースコ−ティングなどの公知のコーティング法で塗布し、溶剤を乾燥し、フィルム化されている中間層15を重ねて加圧した後に、温度30〜120℃に、数時間〜数日間維持することで硬化させる。また、中間層15の接着剤と接する面には、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理などの易接着処理を行っておくことが好ましい。
【0019】
(ノンソルラミ法)ラミネーション法として、ノンソルベントラミネーション法を用いる時は、基本的にはドライラミネーション法と同様であるが、接着剤組成物を有機溶媒へ溶解または分散しないで、接着剤組成物そのままを用いるが、通常、粘度が高く塗布しにくいので、必要に応じて、粘度を低下させるために、接着剤組成物を加熱加温して用いる場合もある。紫外線・電子線などの電離放射線で硬化する接着剤も適用することができる。該電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線、電子線が好適である。電離放射線で硬化する接着剤前駆体は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、および/または光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
【0020】
(押出ラミネーション法)押出法による積層法は、当業者が、エクストルージョンラミネーション(押出ラミネーション法、ポリサンド法という)、コエクストルージョンラミネーションなどとも呼ぶ方法である。押出ラミネーション法は、まず、基材フィルム11へ、通常、当業者がアンカーコート剤とよぶ接着促進剤を塗布し乾燥した後に、ポリエチレン系樹脂などの押出樹脂を押し出して積層する。熱可塑性樹脂の押出樹脂を、まず、押出機で加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大し伸張させてカーテン状に押し出す。該カーテン状の溶融した押出樹脂を基材フィルム11上のアンカーコート剤面へ流下させて、その面へ予めフィルム化しておいた中間層15を重ね合わせた後に、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、基材フィルム11/アンカーコート剤/押出樹脂/中間層15が接着し積層される。該方法を、当業者がポリサンドと呼ぶ所以である。この場合の押出樹脂層は、中間層15の1部を構成する。
【0021】
押出コーティング法は、当業者が、エクストルージョンコーティング(EC、押出コーティング法という)、コエクストルージョンコーティング(Co−EC)と呼ぶ方法で、まず、基材フィルム11へ、通常、当業者がアンカーコート剤とよぶ接着促進剤を塗布し乾燥した後に、押出樹脂を押し出して積層する。この場合には、押出樹脂として中間層15の樹脂(押出樹脂が中間層15となる)を用いて、押出機で加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大し伸張させてカーテン状に押し出す。該カーテン状の溶融した押出樹脂を基材フィルム11上のアンカーコート剤面へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、基材フィルム11/アンカーコート剤/押出樹脂=中間層15が接着し積層される。この場合の押出樹脂層(中間層15)は、成膜化と積層が同時に行われて中間層15が構成される。
【0022】
さらに、押出樹脂層を複数層とした共押出ラミネーション法でもよく、所謂、当業者がコエクストルージョンコーティング(Co‐EC)と呼ぶ方法で、まず、複数の押出機で、それぞれ別の押出樹脂を加熱し溶融させて、共押出用のTダイスへ導いて合流させてから、必要な幅方向に拡大伸張させて複数樹脂が重なったカーテン状に押し出す。または、共押出用のTダイスで、それぞれの押出樹脂層を必要な幅方向に拡大伸張させてから、カーテン状に押出す際に複数を樹脂を重ねる手法もある。複数樹脂層は、2種2層、3種3層、2種3層、3種5層などの種々の構成がとれる。そして、基材フィルム11と反対面にある樹脂面がキャリアテープとヒートシールする。
【0023】
(アンカーコート剤)なお、押出樹脂を、基材フィルムへ強固に接着させるためのアンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤などがある。該アンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング法で塗布し乾燥すれば良い。該アンカーコート剤の厚さは、通常、0.01〜10.0μm程度、好ましくは、0.1〜5.0μmである。また、アンカーコート剤の代わりに、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、オゾンガス処理などの易接着処理を施しても良い。
【0024】
(中間層の樹脂)押出コーティング法で形成し積層した中間層15は、前述した押出ラミネーション法やドライラミネーション法で積層した、予めフィルム化されていた中間層15とは積層法が異なるだけで、作用効果は同じである。積層方法は、製品のロット数量、層構成、各層の厚さなどから適宜選択すればよい。中間層15の樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度・直鎖状)・ポリプロピレン・ポリブテン1などのオレフィン系樹脂、エチレン‐プロピレン共重合体・エチレン‐ブテン共重合体などのオレフィン系共重合樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)・エチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)・エチレン‐アクリル酸エチル共重合体(EEA)・エチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)・エチレン‐アクリル酸メチル共重合体(EMA)・エチレン‐メタクリル酸共重合体(EMAA)・エチレン‐メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などのオレフィンと他のモノマーとの共重合樹脂、エチレン‐不飽和酸共重合体を金属架橋したアイオノマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸・メタクリル酸・マレイン酸・無水マレイン酸・フマ−ル酸・イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、またはエチレン‐プロピレン共重合体ゴム・エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンゴム・エチレン‐ブタジエン共重合体などのオレフィンを主成分とする弾性共重合体などの熱可塑性エラストマーなどが適用することができる。これらは、単独または2種以上の、混合体(ブレンド)あるいは複数積層体として用いても良い。
【0025】
好ましい中間層15としては、柔軟性があり、引裂き強度が高い、ポリエチレン系樹脂、およびエチレン系共重合体が適用できる。ポリエチレン(PE)には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高低密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEという)がある。また、LLDPEには、チグラー型触媒で重合されたものと、メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPEという)がある。
【0026】
低密度ポリエチレン(LDPE)は、柔軟性があるが、機械的強度が弱い。高密度ポリエチレン(HDPE)は、ある程度の機械的強度はあるが、引裂き強度が弱い。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびメタロセンLLDPE)は、低温ヒートシール性、ホットタック性、耐衝撃性、耐衝撃性、引裂強度に優れ、特にメタロセンLLDPEは分子量分布を狭く制御出来るので、低結晶化に伴うベトツキ性、融点の必要以上の低下、成形時の発煙が抑えられ、エラストマ−的性能も具備している。したがって、中間層15としては、柔軟性、ヒートシール性、引裂強度に優れるLLDPE、メタロセンLLDPEが好適である。
【0027】
(LLDPE)LLDPEは、チグラー型触媒で製造されるエチレン‐α‐オレフィン共重合体である。該LLDPEの樹脂を構成するコモノマー(α‐オレフィン)は、炭素原子数3以上、好ましくは4〜20のα‐オレフィンである。該α−オレフィンの具体例としては、プロピレン,1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1,2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐鎖モノオレフィン、さらにはスチレン等の芳香核で置換されたモノオレフィンなどがある。これらは、単独でエチレンと共重合体するのに用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭素原子数6以上のα‐オレフィン用いると、機械的強度特性が良好になり、耐衝撃性に優れ、かつ、引裂強度が著しく高くなってより好適である。
【0028】
(メタロセンLLDPE)メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)は、分子量分布を狭く制御出来るので、低結晶化に伴うベトツキ性、融点の必要以上の低下、成形時の発煙が抑えられ、エラストマ−的性能を具備しているので、より好ましい。メタロセン系触媒としては、例えばシングルサイト触媒(SSC)や幾何拘束型触媒(CGC)などがある。メタロセン系触媒とは、例えば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、ニオブ、プラチナなどの四価の遷移金属に、シクロペンタジエニル骨格を有するりリガンドが少なくとも1つ以上配位する触媒の総称である。
【0029】
これらの重合は、上記した四価の遷移金属を含むメタロセン系触媒の他に、共触媒として、例えば、メチルアルミノキサンや硼素化合物等を加えた触媒系で行っても良い。この場合、メタロセン系触媒に対するこれらの触媒の割合は、1〜100万mol倍であることが好ましい。
【0030】
メタロセンLLDPEは、エチレンと、コモノマーとして炭素数3以上のオレフィンとの共重合体である。好ましくは、エチレンと、炭素数3〜18の直鎖状、分岐状、芳香核で置換されたα−オレフィンとの共重合体である。
直鎖状モノオレフィンとしては、例えば、プロピレン,1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどがある。分岐鎖モノオレフィンとしては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1,2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテンなどがある。芳香核で置換されたモノオレフィンとしては、スチレンなどがある。また、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5‐メチル‐2‐ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2‐メチル1,4,5,8‐ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a‐オクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニルシクロヘキサンなどもある。
【0031】
これらのコモノマーは、単独または2種以上を組み合わせて、エチレンと、共重合させて共重合体とする。該共重合では、ブタジエン、イソプレン、1,4‐ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネンなどのポリエン類を共重合させても良い。該共重合体中におけるα‐オレフィン含有量は、1〜10モル%、好ましくは1.5〜7モル%である。
【0032】
メタロセンLLDPEが非架橋樹脂であるのに、柔軟性が優れている理由は、結晶部分同志を結合するポリマー鎖(タイ分子)の存在と考えられている。架橋ゴム弾性体は常温・成形時に限らず、ポリマー分子間が3次元網目構造である。このため、柔軟性は向上するが流動性を悪化させる原因となっているが、メタロセンLLDPEの場合、高温の成形温度では通常のポリエチレンと同じようにポリマー鎖は自由に運動できて、結果として流動性を悪化させない。しかしながら、常温付近では結晶成長と同時に、ポリマー結晶同志を結合させるタイ分子が生成して、結果として擬似的な架橋構造を有したプラスチックを形成し、ゴム弾性が向上するため柔軟性が得られるものと考えられる。
【0033】
中間層15の厚さとしては、10〜100μmが適用できるが、好ましくは15〜50μmである。これ以下では、被覆層19A又は19Bから突き抜け及び/又ははみ出す量が不足し、またクッション性に欠ける。これ以上では、流動性があり過ぎて、大きな面積へはみ出したり、またクッション性は過剰であり、熱伝導性が悪くシール時に過剰な熱量を要し、コスト面で無駄である。
【0034】
(中間層への易接着処理)次いで、中間層15面へ被覆層17を設けるが、中間層15面へ易接着処理をすることが望ましい。易接着処理とは、両者の接着性を向上させるためのプライマー層を設けるか、またはコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾンガス処理、フレーム処理、予熱処理、などが適用でき、プライマー層、またはコロナ放電処理が好ましい。該プライマー層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸などとの共重合体、エチレンとスチレンおよび/またはブタジエンなどとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。また、これらの樹脂に、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムなどのゴム状またはエラストマーを添加しても良い。
【0035】
(プライマ)これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを中間層15面へ公知のコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層とする。該プライマー層の厚さは、0.05〜3.0μm程度、好ましくは0.1〜2.5μmである。該コロナ処理面へ、被覆層17の組成物を塗布すると強固に接着し、しかも、厚み的にはほとんど無視できるので、カバーテープ全体としての剛性はあがることがなく、より好適である。
【0036】
(コロナ処理)コロナ放電処理は、対向電極と放電電極に高電圧を印加して、コロナ放電を起こすコロナ表面処理装置を用いて、該放電電極からのコロナ放電炎を被処理対象物に浴びせてその表面を酸化などで改質して、親水性をあげる処理方法である。本発明の中間層15面へコロナ処理を行って、該中間層15面の表面張力が0.00036N/cm程度以上、好ましくは0.0004N/cm以上とする。該中間層15面のコロナ処理面へ、被覆層17の組成物を塗布すると強固に接着し、しかも、厚み的にはほとんど無視できるので、カバーテープ全体としての剛性はあがることがなく、より好適である。また、コロナ放電処理とプライマ層とを併用してもよい。
【0037】
(熱接着層)請求項3の発明の熱接着層17Aは導電剤を含まない熱可塑性樹脂で、請求項4の発明の熱接着層17Bは導電剤を含む熱可塑性樹脂からなる層であり、必要に応じて分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。熱接着層17Aは導電剤を含まない熱可塑性樹脂であり、下記の熱接着層17Bの熱可塑性樹脂と同様の樹脂でよい。
熱接着層17A及び熱接着層17Bに用いる熱可塑性樹脂の樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などのアクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン‐アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用できる。これらの熱可塑性樹脂を、単独または複数を組み合せて使用できる。また、導電性微粒子の分散性、キャリアテープへの接着性から、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、のいずれか、またはこれらを主成分とする樹脂が好適である。
【0038】
熱接着層17Bはに含有させる導電剤としては、界面活性剤などの帯電防止剤、硫化亜鉛・硫化銅・硫化カドミウム・硫化ニッケル・硫化パラジウムなどの硫化物に導電性をもたせた導電性微粒子、硫酸バリウム、または酸化錫・酸化亜鉛・酸化インジウム・酸化チタンなどの金属酸化物、導電性カーボン微粒子、ケイ素有機化合物、若しくは表面金属メッキ微粒子などが適用できる。これらを練り混んで帯電防止処理を行う。好ましくは、酸化錫系・酸化亜鉛系・酸化インジウム系・酸化チタン系などの金属酸化物微粒子、導電性カーボン微粒子、帯電防止型ケイ素有機化合物、または表面金属メッキ粒子が好適である。金属酸化物では、アンチモンをドーピングした酸化錫、錫をドーピングした酸化インジウムが好適である。粒子径の大きい金属フィラーでは、カバーテープの透明性を低下させ、収納されている電子部品を外部から確認しにくい。また、界面活性剤は湿度依存性があり、低湿度下では十分な帯電防止効果がなく、電子部品を破壊する恐れがある。カーボン微粒子、表面金属メッキ粒子も不透明であるが、粒子径の小さいもの、透明性を維持できるできる少量、または他の透明な導電性微粒子とを併用すれば良い。このような導電性微粒子は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜10μmのものが好ましい。導電性微粒子の形状としては、針状、球状、りん片状、角状などが適用できるが、透明性から針状が好ましい。
【0039】
熱接着層17Bに含まれる導電性微粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、導電性微粒子150〜500質量部の範囲が適用でき、好ましくは、熱可塑性樹脂100質量部に対して、導電性微粒子200〜300質量部の範囲である。導電性微粒子の含有量が上記の数値未満であると、導電性微粒子を混合した効果を得られず、また上記の範囲を超えると透明性の低下や接着阻害を起こす。
【0040】
(熱接着層の形成)熱接着層17A及び熱接着層17B形成は、上記の熱可塑性樹脂、熱接着層17Bの場合には導電性微粒子、必要に応じて添加剤を、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコートなどのコーティング方法で塗布し、乾燥させて、熱接着層17A及び17Bを形成させる。
【0041】
熱接着層17A及び17Bの厚さは、0.2〜20μm程度、好ましくは0.5〜10μmである。この範囲未満ではすり抜ける量が少なくヒートシール性が充分でなく、この範囲以上では積層体の透明性を低下するばかりでなく、すり抜ける量が多くパターン被覆層の部分までヒートシールしていまうので、キャリアテープとのヒートシール強度の安定性を阻害する。
【0042】
熱接着層17Bの表面抵抗値は、22℃相対湿度60%において、105〜1012Ωの範囲内が好ましい。また、静電気特性は、23±5℃、相対湿度12±3%において、5000Vから99%減衰するまでに要する電荷減衰時間が、2秒以下と優れている。上記の表面抵抗値が1012Ωを超えると静電気の拡散効果が極端に低下し、電子部品を静電気破壊から保護することが困難となる。また、105Ω未満になると、外部からカバーテープを介して電子部品に通電することにより、電気的に破壊される危険性がある。
なお、表面抵抗値はハイレスタUP「三菱化学社製、商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定する。電荷減衰時間はSTATIC−DECAY−METER−406C「Electro−Tech−Systems社製、商品名」を用いて、23±5℃、相対湿度が12±3%の条件で、5000Vから99%の減衰に要する時間をMIL−B−81705Cに準拠して測定する。以後上記の条件下で測定した数値を記載する。
【0043】
(パターン状被覆層)次に、熱接着層17A又は17B面へ、パターン状被覆層を設ける。請求項3の発明のパターン状被覆層19Aは導電剤そのものであり、請求項4の発明のパターン被覆層19Bは耐ブロッキング性を有する材料からなる。
即ち、請求項3の発明では、基材フィルム11/プライマ層及び/又は接着層13(必要に応じて)/中間層15/熱接着層17A(導電剤なし)/パターン状被覆層19A(導電剤)である。請求項4の発明では、基材フィルム11/プライマ層及び/又は接着層13(必要に応じて)/中間層15/熱接着層17B(導電剤入り)/パターン状被覆層19B(導電剤なし、耐ブロッキング性)である。
パターン状被覆剤層19A及び19Bは、いずれも熱接着性がないので、カバーテープ自身の巻取状態でもブロッキングすることがなく、製造、保管及び流通時の取扱いが簡便でよく、一方、ヒートシール操作により熱接着層17A又は17Bがパターン状被覆剤層19A又は19Bをすり抜けて、キャリアテープへヒートシールすることができる。このために、カバーテープ自身を巻取体で保管してもブロッキングすることがなく、また、ヒートシール時にはキャリアテープへの安定してヒートシールでき、良好なジップアップ性を付与できる。相反する耐ブロッキング性とヒートシール性とを両立させることができる。
【0044】
(パターン状被覆層19A、導電剤)パターン状被覆層19A(導電剤)は、熱接着層17Aの面に導電剤をパターン状に設ける。該導電剤をとしては、前述した熱接着層17Bに含有させた導電剤と同様なものが適用できる。導電剤を熱可塑性樹脂の表面に設ける方法としては、熱接着層17A(熱可塑性樹脂)の面へ、少なくとも熱接着層17Aを溶解する溶媒へ、導電剤(導電性フィラー)を分散したインキを塗布して、該導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込むようにすればよい。
【0045】
また、上記溶媒が、上記熱接着層17Aの熱可塑性樹脂を溶解する良溶媒、及び、溶解しにくい貧溶媒を含む混合溶媒からなるようにして、該導電性フィラーの一端を熱接着層へ埋め込まり方を制御してもよい。さらに、上記導電性フィラーが、上記熱接着層17Aの熱可塑性樹脂の開放表面へ露出しているように、さらにまた、上記導電性フィラーの含有量が、上記熱接着層の厚さ方向に変化しているようにして、少量の導電性フィラーで表面の導電性を高めてもよい。
【0046】
パターン被覆層19Aの形成は、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、などの印刷方法で印刷し、乾燥させて、パターンを形成すればよい。
該パターン被覆層19Aのパターンの形状は、規則的又は不規則の任意のパターン、例えば、メッシュ状、ライン状、斜線状、或いは円形、三角形、矩形、小判形、星形などのパターン、或いは開孔部を有するものであってもよい。開孔率は1〜99%が適用できるが、電子部品の1つの収納部において接続していることが好ましい。該形成法の詳細については、本出願人が出願した特願2002−183940号公報で開示している。
【0047】
(パターン状被覆層19B、導電剤なし、耐ブロッキング性)パターン状被覆層19B(導電剤なし、耐ブロッキング性)は、の材料としては、カバーテープの基材フィルム11とブロッキングしない合成樹脂又は天然樹脂が適用でき、必要に応じて分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。該合成樹脂又は天然樹脂としては、カバーテープの基材フィルム11とブロッキングせず、熱接着層17Bへ、必要に応じてプライマ層を介して積層できるものであればいずれでもよく、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、やこれらの混合物が使用される。また、熱接着性の樹脂であっても、充填剤、可塑剤などの添加剤を加えることによって、熱接着性がなくなるか又は著しく低下するものであってもよい。
【0048】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマーなど各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物等が使用される。
【0049】
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、塗布液の状態では200000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付加等の反応により分子量が無限大となるものが好適である。また、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化または溶融しないものが好ましい。具体的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂およびこれらの混合物等である。
【0050】
耐ブロッキング性とは、本明細書では、カバーテープのみを巻き回した巻取体状態で保存又は保管しておき、その後、製造工程又はテーピング包装機で巻き解す際に、容易に巻き解せる性能をいう。ブロッキング、即ち、巻取状態ではカバーテープの表裏面が接触するので、表裏面が擬似接着又は密着状態となると、巻き解すことができなかったり、安定して巻き解すことができない。
【0051】
(被覆層19Bの形成)耐ブロッキング性のパターン被覆層19Bの形成は、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、などの印刷方法で印刷し、乾燥させて、パターンを形成すればよい。
該パターン被覆層17Bのパターンの形状は、規則的又は不規則の任意のパターン、例えば、メッシュ状、ライン状、斜線状、或いは円形、三角形、矩形、小判形、星形などのパターン、或いは開孔部を有するものであってもよい。開孔率は1〜99%が適用できるが、電子部品の1つの収納部において接続していることが好ましい。また、パターン被覆層19Bの厚さは、0.2〜20μm程度、好ましくは0.5〜10μmである。パターン被覆層19Aの塗布量は、0.1〜5.0g/m2程度、好ましくは0.2〜3.0g/m2である。
【0052】
(カバーテープ全体性能)カバーテープとしての全光線透過率は10%以上、好ましくは50%以上で、かつ、ヘーズは50%以下が好ましい。このようにすると、テーピング包装体の内部に封入されている電子部品が、目視あるいは機械によって容易に確認できる。全光線透過率が10%以下の透明性では内部の電子部品の確認が難しい。なお、ヘーズ度、および全光線透過率は、カラーコンピューターSM−44C(スガ試験機株式会社製、商品名)にて測定した数値である。
【0053】
以上説明してきたように、本発明のカバーテープ1は、好ましくは、基材フィルム層11の厚さが12〜50μmで、プライマ層13(必要に応じて)の厚さが0.05〜20μmで、中間層15の厚さが10〜50μmで、熱接着層17A、17Bの厚さが0.5〜10μmであり、さらに、中間層15と熱接着層17A、17Bの間へは易接着処理としてのコロナ処理(必要に応じて)を設け、パターン被覆層の厚さはパターン被覆層19Bの場合は0.5〜10μm、パターン被覆層19Aの場合は塗布量で0.2〜3.0g/m2の構成である。
【0054】
図4は、本発明のカバーテープのキャリアテープへのヒートシールを説明する断面図である。
図5は、図4のヒートシール部を拡大したすり抜けヒートシールを説明する断面図である。
(すり抜けヒートシール)本発明のカバーテープ1は、図4のように電子部品を収納したキャリアテープ3にヒートシールされる。キャリアテープ3は、電子部品33を収納する凹部35を有し、長さ方向に搬送用の連続した穴31を有している。カバーテープ1のパターン被覆層面を、キャリアテープ3へ重ねて連続又は間歇的に移動させながら、ヒートシール型41で加熱加圧する。
【0055】
図5はヒートシール部の拡大図であり、加熱されたヒートシール型41で加圧すると、該加熱加圧されたヒートシール型41の両端部の縁部分のカバーテープ1の熱接着層17A又は17Bは、パターン状被覆層19A又は19Bのパターンの隙間をすり抜けて、キャリアテープ3へ接着してヒートシール部53となる。また、パターン状被覆層19A又は19Bは、加熱加圧されてもキャリアテープ3へ接着しないので、非ヒートシール部55となる。ヒートシール部53は部分的でヒートシール強度が不足するように思えるがが、前述したように、熱接着層17A又は17Bの材料を、ブロッキング性を配慮することなく自在に選定することで、十分なヒートシール強度を得ることができる。
【0056】
このように、熱接着層17A又は17Bは、パターン状被覆層19A又は19Bをすり抜けて、キャリアテープ3へ十分に接着する。そして、実装機で剥離する際は、中間層15と熱接着層17A又は17Bとの層間から剥離させることで、ヒートシールの条件などによらず、安定した剥離強度が得られるのである。
【0057】
キャリアテープ3とカバーテープ1との剥離強度が0.1N/1mm巾未満になると、テーピング包装体として移送する際に、剥離して内容物が脱落する危険性がある。また、剥離強度が1.3N/1mm巾を超えると、カバーテープを剥離する際にキャリアテープ3が振動して電子部品が飛び出す恐れがある。剥離強度は中間層15と熱接着層17A又は17Bとの層間強度となるので、中間層15と熱接着層17A又は17Bと材料を所望の剥離強度となるように、かつ、熱接着層17A又は17Bはキャリアテープと十分なヒートシール強度を有するように、適宜選択すればよい。
【0058】
また、本発明のカバーテープを使用すれば、ジップアップ(剥離強度の差)は30g以下、好ましい設定では20g以下とすることができる。これ以上のジップアップではカバーテープの剥離時、キャリアテープが振動して内容物が飛び出す恐れがあり好ましくない。また、ジップアップには下限値は存在するものではないことは、ジップアップが限りなくゼロに近づくことは、剥離するときのキャリアテープが滑らかに走行し充填機の高速化ができるからである。
【0059】
剥離強度は、温度23℃、相対湿度40%の雰囲気下に於いて、PEEL−BACK−TESTER(バンガードシステムズ社製、商品名)を用いて剥離速度300mm/分、剥離角度180°で測定した値である。また、本発明によれば、剥離強度は、ヒートシール条件、例えばヒートシール温度、加熱時間、圧力などの多少の変動でも、一定で安定した剥離強度が得られ、ジップアップ性に優れるテーピング包装体が得られる。ヒートシール条件としては、例えば、加熱温度を100〜200℃、加熱時間を0.05〜2.0秒、加圧を7〜30N/cm2程度である。
【0060】
基材フィルム11のパターン状被覆層19A又は19Bの反対の面、すなわち、最外面には、必要に応じて、界面活性剤、ケイ素有機化合物、導電性カーボンブラック、金属蒸着、金属酸化物などの導電性微粒子などを用いて、帯電防止処理を施してもよい。基材フィルム11の表面にゴミ、チリなどの付着防止、あるいは他の面との接触による静電気の発生を防止することができる。
【0061】
【実施例】
(実施例1)基材フィルム11として厚さ12μmのテトロンフイルムFタイプ(ポリエチレンテレフタレート、帝人社製、商品名)を用い、該基材フィルム11へ、テトライソブチルチタネート5質量部とn‐ヘキサン95質量部からなるアンカーコート剤を、乾燥後の厚さが0.01μmとなるようにロールコーティング法で塗布し乾燥した(プライマ層13に相当する)後に、中間層15としてメタロセンLLDPE(メタロセンリニア低密度ポリエチレン)を、押出機で加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大し伸張させてカーテン状に押し出して、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持して、基材フィルム11/アンカコート剤層/中間層15の3層が接着し積層された。続いて、公知のコロナ処理機で、中間層15面へコロナ処理を行い、表面張力を0.00045N/cmとした。該コロナ処理面へ、ダイヤナールBR−83(アクリル樹脂、三菱レイヨン社製、商品名)100質量部、アンチモンドープ酸化錫(導電性微粒子、石原産業社製、50%粒子径0.32μm)150質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤750質量部を混合し分散・溶解した熱接着層17組成物インキを、乾燥後の厚さが1.0μmになるように、グラビアリバースコーティング法で、塗布し乾燥させて、熱接着層17Bを形成した。該熱接着層17B面へ、セルロースアセテートプロピオネート100質量部、溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンの等量混合溶剤)750質量部を混合し分散・溶解したパターン状被覆層組成物インキを、乾燥後の厚さが1μmになるように、175線で網点60%のグラビア版を用い、グラビア印刷法で塗布し乾燥させて、パターン状被覆層19Bを形成した。実施例1のカバーテープを得た。
【0062】
(実施例2〜5)基材フィルム層11、中間層15、易接着層、熱接着層17A、パターン状被覆層19Bとしては、表1に記載の材料、乾燥後の厚さ、含有量とし、これ例外は実施例1と同様にして、実施例2〜5のカバーテープを得た。なお、表中のEVAはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、EMAAはエチレン−メチルメタアクリル酸共重合樹脂、バイロン200は東洋紡社製のポリエステル樹脂商品名、ビニライトVMCHはUCC社製の塩酢ビ樹脂商品名、ATOはアンチモンドープ酸化スズ、ITOはスズドープ酸化インジウム、CAPはセルロースアセテートプロピオネート樹脂である。
【0063】
【表1】
Figure 0004184756
【0064】
(実施例6)
熱接着層17組成物としては、ダイヤナールBR−83(アクリル樹脂、三菱レイヨン社製、商品名)100質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤750質量部を用い、乾燥後の塗布量が1.0μmとなるように、リバースロールコーティング法で塗布し100℃で乾燥して、熱接着層17Aを形成した。該熱接着層17A面へ、下記の組成のパターン状被覆層組成物インキを用いて、乾燥後の塗布量が0.2g/m2となるように、リバースロールコーティング法で塗布し、100℃で乾燥してパターン状被覆層19Aを設ける以外は、実施例1と同様にして、実施例6のカバーテープを得た。
・パターン状被覆層組成物インキ組成物
ステンレス304、平均粒子径5μm 100質量部
メチルエチルケトン 600質量部
酢酸ブチル 250質量部
マイクロシリカ(増粘剤) 50質量部
【0065】
(実施例7〜10)中間層15、熱接着層17A組成、及びパターン状被覆層19A組成として、表2に記載の材料、乾燥後の厚さ、含有量とし、これ例外は実施例6と同様にして、実施例7〜10のカバーテープを得た。表中のIPAは、イソプロピルアルコールである。
【0066】
【表2】
Figure 0004184756
【0067】
(実施例11)基材フィルム11として厚さ12μmのエステルフイルムASタイプ(ポリエチレンテレフタレート、東洋紡績社製、商品名)を用い、中間層15として厚さ30μmの太閤FL(LL−XUMN)(二村化学社製、LLDPEフィルム商品名)両面コロナ処理品を用いる。該基材フィルム11と中間層15とを、ポリウレタン系のタケラックA−515(主成分樹脂)とタケネートA−12(硬化剤)(いずれも、武田薬品工業社製、商品名)を用いて、公知のドライラミネーション法で積層した。
続いて、中間層15面へ、バイロン200(ポリエステル樹脂、東洋紡績社製、商品名)を樹脂分が20質量%となるようにメチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤で調製して、乾燥後の厚さが0.05μmとなるようにロールコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層とした。
該プライマー層面へ、エリーテルLE3200(ポリエステル樹脂、ユニチカ社製、商品名)100質量部、針状アンチモンドープ酸化錫(導電性微粒子、石原産業社製、50%粒子径0.32μm)200質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤750質量部からなり、これらを混合し混練した熱接着層17B組成物インキを、乾燥後の厚さが1.0μmになるように、グラビアリバースコーティング法で、塗布し乾燥させた。
該熱接着層17B面へ、セルロースアセテートプロピオネート100質量部、溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンの等量混合溶剤)750質量部を混合し分散・溶解したパターン状被覆層組成物インキを、乾燥後の厚さが1.0μmになるように、一辺が0.25mmからなる市松模様の175線で版深40μmのグラビア版を用い、グラビア印刷法で塗布し乾燥させて、パターン状被覆層19Bを形成して、カバーテープを得た。
【0068】
(実施例12)基材フィルム11として厚さ12μmのテトロンフイルムFタイプ(ポリエチレンテレフタレート、帝人社製、商品名)を用い、中間層15として厚さ30μmの太閤FL−LL−XUMN(二村化学社製、LLDPEフィルム商品名)を用いる。該基材フィルム11と中間層15とを、ポリサンド法で積層する。基材フィルム11へ、テトライソブチルチタネート5質量部とn‐ヘキサン95質量部からなるアンカーコート剤を、乾燥後の厚さが0.01μmとなるようにロールコーティング法で塗布し乾燥した後に、押出樹脂としてミラソン16(低密度ポリエチレン、三井化学社製、商品名)を、押出機で加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大し伸張させてカーテン状に厚さ15μm押し出して、該押し出し、該樹脂面へ中間層15として厚さ20μmの太閤FL−LL−XUMNを供給して、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持して、基材フィルム11/押出樹脂層/中間層15の3層が接着し積層された。
続いて、公知のコロナ処理機で、中間層15面へコロナ処理を行い、表面張力を0.00045N/cmとした。
該コロナ処理面へ、ダイヤナールBR−83(アクリル樹脂、三菱レイヨン社製、商品名)100質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶剤750質量部からなり、これらを混合し混練した熱接着層17A組成物インキを、乾燥後の厚さが3.0μmになるように、グラビアリバースコーティング法で、塗布し乾燥させて、熱接着層17Aを形成した。
該熱接着層17A面へ、アンチモンドープ酸化錫(導電性微粒子、石原産業社製、50%粒子径0.32μm)150質量部、メチルエチルケトン600質量部、n−ヘキサン150質量部、イソプロピルアルコール150質量部を混合し、分散したパターン状被覆層19A組成物インキを、乾燥後の厚さが3.0g/m2になるように、一辺が0.25mmからなる市松模様の175線で版深40μmのグラビア版を用い、グラビア印刷法で塗布し乾燥させて、パターン状被覆層19Aを形成して、カバーテープを得た。
【0069】
(実施例13)パターン状被覆層のパターンとして175線で網点50%のグラビア版を用い、グラビア印刷法で塗布し乾燥させる以外は、実施例1のと同様にしてカバーテープを得た。
【0070】
(実施例14)パターン状被覆層のパターンとして175線で網点50%のグラビア版を用い、グラビア印刷法で塗布し乾燥させる以外は、実施例6のと同様にしてカバーテープを得た。
【0071】
(評価)実施例1〜10のカバーテープの評価として、表面抵抗、電荷減衰率、全光線透過率、ヘイズ、および剥離強度について、次のように測定した結果を、表1および表2へ記載した。表面抵抗はハイレスタUP「三菱化学社製、商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定し、105〜1013Ω/□を良範囲として、表1および表2へ○印で示した。電荷減衰率は、STATIC−DECAY−METER−406C「Electro−Tech−Systems社製、商品名」を用いて、23±5℃、相対湿度が12±3%の条件で、5000Vから99%の減衰に要する時間をMIL−B−81705Cに準拠して測定し、2秒以下を良範囲として、表1および表2へ○印で示した。
【0072】
全光線透過率およびヘイズは、カラーコンピュータSM−55C(スガ試験機社製、商品名)で測定し、75%以上を良範囲として、表1および表2へ○印で示した。ヘイズは、50%以下を良範囲として、表1および表2へ○印で示した。
【0073】
剥離強度は、次に示す条件でヒートシールして、温度23℃、相対湿度40%の雰囲気下に於いて、PEEL−BACK−TESTER(バンガードシステムズ社製、商品名)を用いて剥離速度300mm/分、剥離角度180°で測定した値で、10〜30g/1mm幅を良範囲として、表1および表2へ○印で示した。ヒートシール条件は、各実施例のカバーテープを、キャリアテープのシートXEG47「太平化学社製、商品名」と、温度150℃、圧力20N/cm2、時間0.5秒の条件でヒートシールを行った。2.0mm幅×2列、該各長さ16mmのシールヘッドを用いて、シールヘッドの送り長さ8mmで、50ショット(400mm)のヒートシールを行った後の、25ショット(200mm)をサンプルとした。
【0074】
実施例1〜10は、表1及び表2に示すように、すべての評価が○であった。実施例11〜12、及び実施例13〜14も、表示してないが、すべての評価が○であった。
【0075】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の電子部品のテーピング包装用カバーテープは、パターン状被覆層19A及びパターン状被覆層19Bは、カバーテープを巻取体としてもブロッキングすることがない。その内側のブロッキングし易い熱接着層17A及び熱接着層17Bの樹脂を保護し、巻取体の状態でも熱接着層と基材フィルム層11が接触しにくく、ブロッキングの可能性は著しく低くできる。このために、熱接着層17A及び熱接着層17Bの樹脂の選定は、キャリアテープとのヒートシール性機能を中心に選定すればよいので、剥離強度、ジップアップ性に優れる材料を選択できる。その結果、小型電子部品を高速で実装しても、ジップアップが極めて少なく、部品の飛び出しや実装機の停止を防止し、効率が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカバーテープを用いたテーピング包装体の斜視図である。
【図2】 本発明の1実施例を示すカバーテープの断面図である。
【図3】 本発明の他の1実施例を示すカバーテープの断面図である。
【図4】 本発明のカバーテープのキャリアテープへのヒートシールを説明する断面図である。
【図5】 図4のヒートシール部を拡大したすり抜けヒートシールを説明する断面図である。
【符号の説明】
1 カバーテープ
3 キャリアテープ
5 テーピング包装体
11 基材フィルム
13 プライマ層及び又は接着層
15 中間層
17A 熱接着層(導電剤なし)
17B 熱接着層(導電剤なし)
19A パターン状被覆層(導電剤)
19B パターン状被覆層(耐ブロッキング性)
31 穴
33 電子部品
35 凹部
41 ヒートシール型
43 ヒートシール部
53 シール部
55 非シール部

Claims (3)

  1. チップ型電子部品をテーピング包装するキャリアテ−プにヒートシールするカバーテープにおいて、該カバーテープは基材フィルム層へ少なくともプライマ層及び/又は接着層、中間層、熱接着層、及びパターン状被覆層が順次積層されてなり、該カバーテープの前記パターン状被覆層面をキャリアテ−プに重ねてヒートシールする際に、前記熱接着層を構成する樹脂が前記パターン状被覆層をすり抜けて、キャリアテ−プと接着してヒートシール部となり、パターン状被覆層とキャリアテープの界面は非ヒートシール部となることを特徴とする電子部品のテーピング包装用カバーテープ。
  2. 上記熱接着層が少なくとも熱可塑性樹脂からなり、かつ上記パターン状被覆層が導電剤であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品のテーピング包装用カバーテープ。
  3. 上記熱接着層が少なくとも熱可塑性樹脂と導電剤を含み、かつ上記パターン状被覆層が耐ブロッキング性を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品のテーピング包装用カバーテープ。
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