JP2023070266A - 電子部品包装用カバーテープ、包装体用セットおよび包装体 - Google Patents

電子部品包装用カバーテープ、包装体用セットおよび包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】環境にやさしいリサイクルが容易な電子部品包装用カバーテープを提供する。【解決手段】本開示は、基材層と、中間層と、ヒートシール層と、をこの順に含み、上記基材層および上記中間層は、ポリオレフィン樹脂を含む、電子部品包装用カバーテープを提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、電子部品包装用カバーテープ、それを用いた包装体用セットおよび包装体に関する。
近年、IC、抵抗、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、テーピング包装され、表面実装に供せられる。テーピング包装においては、電子部品を収納する収納部を複数有するキャリアテープに電子部品を収納した後に、キャリアテープをカバーテープでヒートシールし、電子部品を保管および搬送するための包装体を得る。電子部品の実装時には、カバーテープをキャリアテープから剥離し、電子部品を自動的に取り出して基板に表面実装する。なお、カバーテープはトップテープとも称される。
キャリアテープには、貫通孔状の収納部を有し、裏面をボトムテープでシールした後、収納部に電子部品を収納し、表面がカバーテープでシールされるパンチキャリアテープ(特許文献1)や、収納部がエンボス加工により形成された凹部で構成され、表面のみがカバーテープでシールされるエンボスキャリアテープ(特許文献2)等がある。
特開平10-218281号公報 特開2011-225257号公報
上述した包装体から電子部品を取り出した後、カバーテープ、キャリアテープ、ボトムテープ等の包装材が実装機から排出される。近年、電子部品の需要の増大に伴い、包装材の排出量が大量になっている。そこで、環境問題への配慮から、リサイクルが容易な包装材が求められている。
しかしながら、従来のカバーテープは、基材層として機械的強度の強いポリエステル系樹脂を使用し、中間層としてポリオレフィン樹脂を使用している等、異なる材料が用いられており、リサイクルが容易ではなかった。そのため、使用後にリサイクルが容易であり、環境にやさしい電子部品包装用カバーテープが求められている。
また、カバーテープ、キャリアテープおよびボトムテープ等の包装材は、使用後に同じ機械で裁断され、一緒に排出される場合がある。そこで、上記包装体、および包装体を構成する包装体用セット全体としてもリサイクルが容易であることが求められている。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用後にリサイクルが容易であり、環境にやさしい電子部品包装用カバーテープ、包装体および包装体用セットを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、基材層と、中間層と、ヒートシール層と、をこの順に含み、上記基材層および上記中間層は、ポリオレフィン樹脂を含む、電子部品包装用カバーテープである。
本開示の一実施形態は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記キャリアテープの上記収納部を覆うために用いられる、電子部品包装用カバーテープと、を有する包装体用セットであって、上記キャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含み、上記包装体用セットにおけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上である、包装体用セットである。
本開示の一実施形態は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、前記キャリアテープの前記収納部を覆う電子部品包装用カバーテープと、を有する、包装体であって、上記キャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含み、上記電子部品以外の上記包装体におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上である、包装体である。
本開示は、使用後にリサイクルが容易であり、環境にやさしい電子部品包装用カバーテープを提供することができるという効果を奏する。
本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の包装体を例示する概略平面図および断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、本開示の電子部品包装用カバーテープ、包装体用セットおよび包装体について、詳細に説明する。なお、本明細書において、「電子部品包装用カバーテープ」を単に「カバーテープ」と称する場合がある。
従来の電子部品包装用カバーテープは、基材層としては、機械的強度を担保するために、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル(一般的に、厚さ12μm以上25μm以下)が用いられていた。しかしながら、このような基材層は、中間層として汎用されているポリエチレン樹脂(一般的に、30μm程度)とは材料が異なるため、カバーテープのリサイクルが困難であった。本発明者らは、カバーテープの厚みの大部分を占める基材層と中間層とが共にポリオレフィン樹脂を含むことによって、リサイクルが容易となることを見出し、本発明を完成させた。
A.電子部品包装用カバーテープ
本開示の電子部品包装用カバーテープは、基材層と、中間層と、ヒートシール層と、をこの順に含み、上記基材層および上記中間層は、ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする。
本開示のカバーテープについて、図面を参照して説明する。図1は本開示のカバーテープの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本開示のカバーテープ1は、基材層2と、中間層3と、ヒートシール層4と、をこの順に有する。本開示のカバーテープ1は、基材層2と中間層3とが、ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする。
図2(a)、(b)は本開示の電子部品包装用カバーテープを用いた包装体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA-A線断面図である。図2(a)、(b)に示すように、包装体10は、電子部品13を収納する複数の収納部12を有するキャリアテープ11と、収納部12に収納された電子部品13と、収納部12を覆うように配置されたカバーテープ1と、を備える。キャリアテープ11にはカバーテープ1がヒートシールされており、カバーテープ1のヒートシール層4の両端に所定の幅でライン状にヒートシール部4hが設けられている。また、包装体10において、キャリアテープ11は、送り穴14を有することができる。
1.ポリオレフィン樹脂
本開示のカバーテープは、基材層と中間層とが、ポリオレフィン樹脂を含む。ポリオレフィン樹脂は、重合性不飽和二重結合を有するオレフィンモノマーを重合又は共重合させてなる樹脂であり、共重合体の場合においては、樹脂を構成する全構成単位に占めるオレフィン単位が50モル%より多く100モル%以下である樹脂をいう。なお、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルは、エステル結合によって高分子化されたポリマーであるため、「ポリオレフィン樹脂」とは区別される。
本開示のカバーテープは、カバーテープ中におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、中でも、70質量%以上であることが好ましく、
特に、90質量%以上であることが好ましい。上記値以上であれば、カバーテープ全体に対するポリオレフィン樹脂の含有量が十分となり、リサイクルが容易となる。
なお、電子部品包装用カバーテープ中におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、フィルム断面をラマン分光法、もしくは赤外分光法により各層を構成する材料系を特定し、断面のSEM観察から各層の厚みから質量を算出し、ポリオレフィン層の質量の和を層全体の質量で割ることで算出される。また、層を形成する材料が混合物の場合は、ポリオレフィン樹脂系とその他化合物の質量を分けて算出される。
基材層および中間層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、(a)オレフィンモノマーの単独重合体、または、(b)2種以上のオレフィンモノマー同士の共重合体が挙げられる。本開示において、上記基材層および上記中間層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、(a)オレフィンモノマーの単独重合体であることが好ましい。
一方、ヒートシール層がポリオレフィン樹脂を含む場合、ヒートシール層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、(a)オレフィンモノマーの単独重合体、(b)2種以上のオレフィンモノマー同士の共重合体および(c)オレフィンモノマーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
オレフィンモノマーとしては、エチレン、プロピレン、また、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどのα-オレフィンや、ジエン、イソプレン、ブチレン、ブタジエンなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどが挙げられる。
本開示のカバーテープは、カバーテープ中におけるポリエチレン樹脂の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、中でも、70質量%以上であることが好ましい。上記値以上であれば、リサイクルがより容易となる。
2.各層の構成
(1)基材層
本開示における基材層は、ポリオレフィン樹脂を含み、中間層、ヒートシール層を支持する層である。
(a)材料
基材層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンを用いることが好ましい。中でも、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒法ポリエチレン等が広く使用できるが、この中でも高密度ポリエチレンが好ましい。また、本開示において、各種ポリエチレンの分類は、旧JIS K6748:1995やJIS K6899-1:2000において定義されたものを指す。
基材層に含まれるポリエチレンの密度は、例えば、0.91g/cm以上0.97g/cm以下であり、好ましくは、0.94g/cm以上0.97g/cm以下である。
また、基材層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するポリエチレンが好ましい。トータルでの二酸化炭素排出量を抑制することができるためである。
なお、植物(バイオマス)由来と石油由来の樹脂組成物は、分子量や機械的性質・熱的性質のような物性に差を生じない。そこで、これらを区別するためには、一般的にバイオマス度が用いられている。このバイオマス度では、石油由来の樹脂組成物の炭素には、14C (放射性炭素14、半減期5730年)が含まれていないことから、この14Cの濃度を加速器質量分析により測定し、樹脂組成物において、植物由来樹脂組成物の含有割合の指標にするものである。従って、植物由来の樹脂組成物を用いたフィルムであれば、そのフィルムのバイオマス度を測定すると、植物由来樹脂組成物の含有量に応じたバイオマス度が生じる。
バイオマス度を有するポリエチレンは、以下の方法で製造される。すなわち、刈り取ったサトウキビから取り出した糖液を加熱濃縮して結晶化させた粗糖と廃糖密とを遠心分離機で分離する。次いで、廃糖密を適切な濃度まで水で希釈し、酵母菌により発酵させてエタノールを生成する。そして、このバイオエタノールを加熱して触媒存在下で分子内脱水反応によりエチレンを得る。この植物由来としたエチレンを、重合触媒により重合させてポリエチレンが得られる。また、バイオマス度を有するエチレンーαーオレフィン共重合は、上記植物由来エチレンと、α-オレフィンとを、メタロセン触媒の存在下において気相重合法により共重合させることで得ることができる。
具体的には、本開示においてポリエチレンは、放射性炭素年代測定14Cによるバイオマス度が、80%~100%を有する上記ポリエチレンを用いることが好ましい。
このバイオマス度の測定方法としては、特許5799520号に記載の測定方法を採用することができる。
(b)構成
基材層は、上記ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層の単層であってもよく、2層以上の多層構成であってもよい。多層構成の場合、少なくとも1つの層が、ポリオレフィン層であれば、各層の組成は同一であっても異なっていてもよく、ポリオレフィン樹脂を含有しない層を有していてもよい。ポリオレフィン層は、上記ポリオレフィン樹脂のうち1種類または2種類以上から構成される。
また、ポリオレフィン層は、一軸延伸ポリオレフィンフィルムまたは二軸延伸ポリオレフィンフィルムであることが好ましい。すなわち、基材層は、一軸延伸ポリオレフィンフィルムまたは二軸延伸ポリオレフィンフィルムを含むことが好ましい。未延伸ポリオレフィンフィルムよりも、保存および搬送時の外力に耐え得る高い引張強度と優れた衝撃強度を得ることができるからである。また、未延伸ポリオレフィンフィルムに比べ、透明性が高く、光沢があり、厚さを薄くすることができる。一軸延伸ポリオレフィンフィルムの延伸方向は、未延伸フィルムの機械流れ方向(MD)であり、二軸延伸ポリオレフィンフィルムの延伸方向は、未延伸フィルムの機械流れ方向(MD)とこれに直交する方向(TD)である。
具体的には、一軸延伸ポリエチレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンフィルム、一軸延伸ポリプロピレンフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
また、ポリオレフィン層には、必要に応じて、例えば充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
(c)厚さ
基材層の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下とすることができ、6μm以上37μm以下であってもよく、12μm以上25μm以下であってもよい。基材層の厚さが厚すぎると、テーピング包装時の剛性が強くなりハンドリング性とコスト面でも不利である。基材層の厚さが薄すぎると、機械的強度が不十分となるおそれがある。
(d)物性
本開示のカバーテープにおいて、基材層の引張強度は、同一方向で測定される中間層の引張強度より大きいことが好ましい。後述するように、中間層は、テーピング時や剥離時に、クッション材としての機能を有するものである。基材層の引張強度が、中間層の引張強度よりも小さい場合、カバーテープが伸びやすくなり、破断が生じやすくなる。
具体的には、基材層のMD方向の引張強度は、150MPa以上であることが好ましく、180MPa以上であることがより好ましい。なお、引張強度は、JIS K7127に準拠して測定され得る、カバーテープの長さ方向の引張強度である。測定器としては、A&D社製の引張試験機 RTF-1150Hを用いることができる。なお、基材層がポリオレフィン層を含む積層体の場合、上記基材層の引張強度とは積層体全体の引張強度である。
(e)具体的態様
本開示において、基材層は、上記ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層を含むが、後述する補強層の有無によって以下の第1の態様および第2の態様に大別される。第1態様の基材層は、ポリオレフィン層のみを含み、補強層を含まない態様であり、第2態様は、ポリオレフィン層および後述する補強層を含む態様である。中でも、第1態様の基材層が好ましい。基材層に、補強層を含まないことによりポリオレフィン樹脂の含有率を高めることができ、リサイクルしやすいからである。
(第1態様の基材層)
第1態様の基材層は、ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層のみを含む。図1における基材層2は、第1態様の基材層2Aであり、ポリオレフィン層21のみを含む。ポリオレフィン層は、上述した理由から、一軸延伸ポリオレフィンフィルムまたは二軸延伸ポリオレフィンフィルムであることが好ましく、中でも、一軸延伸ポリエチレンフィルムまたは二軸延伸ポリエチレンフィルムが好ましく、特に、一軸延伸ポリエチレンフィルムであることが好ましい。
第1態様の基材層の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、20μm以上30μm以下であることがより好ましい。
(第2態様の基材層)
図3および図4に、第2態様の基材層2Bを含む、本開示のカバーテープの概略断面図を示す。図3および図4に示すように、第2態様の基材層2Bは、ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層である第1層21と、補強層である第2層22と、を含み、第1層21の厚さが、第2層22の厚さよりも厚いものである。図3では、第2態様の基材層2Bは、第1層21が中間層3側となるように配置されている。一方、図4では、第2態様の基材層2Bは、第2層22が中間層3側となるように配置されている。
(i)第1層
第2態様の基材層における第1層は、ポリオレフィン層である。ポリオレフィン層は、上述した理由から、一軸延伸ポリオレフィンフィルムまたは二軸延伸ポリオレフィンフィルムであることが好ましく、中でも、一軸延伸ポリエチレンフィルムまたは二軸延伸ポリエチレンフィルムが好ましく、特に、一軸延伸ポリエチレンフィルムであることが好ましい。
第1層の厚さは、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
(ii)第2層
第2層は、第1層よりも厚さが薄い補強層である。補強層を設けることにより、機械的強度を向上させることができる。また、第2層は第1層よりも厚さが薄いため、リサイクル性への影響を抑制することができる。第2層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド等から構成される樹脂層が挙げられる。また、環境問題への配慮から、特開2012-116082号公報に記載されているような、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分として使用したバイオマスポリエステルを用いることが好ましい。特に、バイオマスポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
第2層の厚さは、第1層よりも厚さよりも薄ければ特に限定されないが、5μm以上20μm以下であることが好ましく、6μm以上12μm以下であることがより好ましい。
なお、通常は、5μm以上とされる。上記厚さであれば、機械的強度を向上させつつリサイクル性への影響を低減することができる。
第2態様の基材層の配置方法としては、特に限定されないが、第1層が中間層側となるように配置されてもよいし(図3)、第2層が中間層側となるように配置されてもよい(図4)。第1層を中間層側とすることによって、カバーテープ表面の強度を向上させることが可能となり、運搬時等における耐傷性を向上させることができる。また、基材層の中間層側とは反対側に帯電防止コート剤を塗布する際に、耐溶剤性が向上するために好ましい。さらに、中間層をラミネートする場合に、中間層と第2態様の基材の第1層とが同種材料(ポリオレフィン樹脂材料)のため、密着性が向上するために好ましい。
(2)中間層
本開示のカバーテープは、中間層を含有する。中間層は、基材層とヒートシール層との間に設けられ、基材層とヒートシール層との密着性を向上させることができる。また、中間層により、本開示のカバーテープをキャリアテープにヒートシールする際に、クッション性を向上させることができるために、より均一にヒートシール層に熱を与えることができる。
中間層は、ポリオレフィン樹脂を含む。中間層に用いられるポリオレフィン樹脂としては、「(1)基材層」に記載のものと同様のポリオレフィン樹脂が挙げられ、中でも、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。クッション性が向上するためである。中間層に用いられるポリエチレンとしては、密度0.890g/cm~0.930g/cm未満のポリエチレンが好ましい。
中間層の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下とすることができる。
また、中間層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するポリエチレンが好ましい。二酸化炭素排出量をトータルで抑制することができるためである。上記バイオマス度を有するポリエチレンについては、上記「(1)基材層」で説明したものと同様である。
本開示における中間層は、1層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
中間層としては、フィルムを用いることができる。この場合、基材層および中間層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱溶融させたフィルムの原材料を基材層にTダイ等で押出しして、ラミロール(冷却ロール)で基材層と圧着して積層体を得る方法(押出ラミネート法)等が挙げられる。また、予め製造したフィルムを接着剤で基材層に貼り合せる方法も挙げられる。本開示においては、前者の方法が好ましい。
(3)ヒートシール層
本開示におけるヒートシール層は、中間層の一方の面側に配置される層である。ヒートシール層は、本開示のカバーテープを用いて包装体を製造する際に、キャリアテープに対してヒートシールすることにより、カバーテープとキャリアテープとが接着される。
ヒートシール層は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。一つの種類の熱可塑性樹脂を用いてもよいし複数の種類の熱可塑性樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体などを挙げることができる。中でも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。カバーテープ全体におけるポリオレフィン樹脂の含有率を高めることができ、リサイクルしやすいからである。また、キャリアテープがポリオレフィン樹脂を含む場合、ヒートシール強度が安定し、低温シールが可能となる。
ヒートシール層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、オレフィンモノマーの単独重合体、2種以上のオレフィンモノマー同士の共重合体の他に、オレフィンモノマーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
オレフィンモノマーの単独重合体、または、2種以上のオレフィンモノマー同士の共重合体としては、上述した「1.ポリオレフィン樹脂」で詳述したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。中でも、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。オレフィンモノマーとその他のモノマーとの共重合体としては、エチレン-酢酸ビニル系共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンースチレン共重合体、エチレンースチレンーアクリル酸共重合体等が挙げられるが、中でも、エチレン-酢酸ビニル系共重合体が好ましい。
また、ヒートシール層に含まれるポリオレフィン樹脂としては、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するポリエチレンが好ましい。二酸化炭素排出量をトータルで抑制することができるためである。上記バイオマス度を有するポリエチレンについては、上記「(1)基材層」で説明したものと同様である。
以下、ヒートシール層の主たる樹脂材料として、エチレン-酢酸ビニル系共重合体を含む第1態様、アクリル樹脂を含む第2態様、ポリエチレンを含む第3態様に分けて説明する。
(a)具体的態様
(第1態様のヒートシール層)
第1態様のヒートシール層は、主たる樹脂材料として、エチレン-酢酸ビニル系共重合体(EVA)を含む。ヒートシール層がEVA樹脂を含むことにより、キャリアテープに対するヒートシール性が良好になる。そのため、搬送、保管中等において意図しない剥がれの発生を抑制することができる。
エチレン-酢酸ビニル系共重合体は、少なくとも、エチレンモノマー単位と酢酸ビニルモノマー単位とを含む共重合体である。エチレン-酢酸ビニル系共重合体中のエチレンの含有量は、特に限定されないが、60質量%以上97質量%以下にでき、80質量%以上95質量%以下にできる。エチレン-酢酸ビニル系共重合体中の酢酸ビニルの含有量は、特に限定されないが、3質量%以上40質量%以下にでき、5質量%以上20質量%以下にできる。エチレン-酢酸ビニル系共重合体は、エチレンモノマー単位と酢酸ビニルモノマー単位の他に、第三のモノマー単位を含んでもよい。第三のモノマー単位は帯電防止性能を有する官能基を含んでいてもよい。
本態様のヒートシール層におけるエチレン-酢酸ビニル系共重合体の含有量は、特に限定されないが50質量%以上100質量%以下にでき、60質量%以上80質量%以下にできる。エチレン-酢酸ビニル系共重合体の含有量を増やすとヒートシール性能が向上するが、表面タック力が高くなる傾向がある。
また、本態様のEVA樹脂を含むヒートシール材料としては、メルトマスフローレート(MFR)が、5g/10分以上であることが好ましく、20g/10分以上であることがより好ましい。一方、メルトマスフローレート(MFR)は、120g/10分以下であってもよく、80g/10分以下であってもよい。なお、本明細書におけるMFRは、JIS K7210により測定した、120℃、荷重2.16kgにおける値をいう。
本態様のヒートシール層は、更にポリエチレン樹脂を含んでいてもよい。ポリエチレン樹脂を配合することで、良好なヒートシール性を保ちつつ、表面タック性を低くし、高湿熱環境下に置いた後の劣化を抑制することができる。なお、必要に応じて、エチレン-酢酸ビニル系共重合体やポリエチレン以外の他の樹脂を含んでいてもよい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン等のポリエチレンが挙げられる。高いヒートシール性を有する点において、低密度ポリエチレン(LDPE、密度0.910~0.930未満)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.910~0.925)を用いることができる。
本態様のヒートシール層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、例えば0質量%以上50質量%以下であってもよく、20質量%以上40質量%以下であってもよい。ポリエチレンの含有量を増やすとヒートシール性能が低下するが、表面タック力が低くなる傾向がある。
第1態様のヒートシール層の厚さは、特に限定されず、例えば、1μm以上40μm以下、好ましくは、2μm以上20μm以下とすることができる。
ヒートシール層の厚さが薄すぎると、シール性に劣る場合があり、また、均一な膜が得られない場合がある。ヒートシール層の厚さが厚すぎると、カバーテープの透明性が低下するおそれがあり、かつ、ヒートシール層単層での応力増加により、タックが悪化(増加)するおそれがある。
(第2態様のヒートシール層)
第2態様のヒートシール層は、主たる樹脂材料として、(メタ)アクリル樹脂を含む。(メタ)アクリル系樹脂としては、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体、エチレンースチレンー(メタ)アクリル酸共重合体、スチレンー(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。なお、上記(メタ)アクリル樹脂は、エチレン含有量が50モル%未満の、ポリオレフィン樹脂以外の共重合体である。
第2態様のヒートシール層における(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、例えば、50質量%以上100質量%以下にでき、60質量%以上80質量%以下にできる。
第2態様のヒートシール層は、(メタ)アクリル系樹脂以外の他の樹脂として、スチレン樹脂、ポリエチレンやEVAなどのポリオレフィン樹脂等を含んでもよい。
第2態様のヒートシール層の厚さは、特に限定されず、例えば、1μm以上5μm以下、好ましくは、1μm以上3μm以下とすることができる。本態様のヒートシール層の厚さが厚すぎると、リサイクル性が悪化する。本態様のヒートシール層の厚さが薄すぎると、シール性に劣る場合があり、また、均一な膜が得られない場合がある。
(第3態様のヒートシール層)
第3態様のヒートシール層は、主たる樹脂材料として、ポリエチレンを含む。第3態様のヒートシール層に含まれるポリエチレンとしては、高いヒートシール性を有する点において、低密度ポリエチレン(LDPE、密度0.890~0.930未満)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.910~0.925)を用いることができる。
中でも、低密度ポリエチレンを50%以上含んだ化合物が好ましい。
第3態様のヒートシール層におけるポリエチレンの含有量は、例えば、50質量%以上100質量%以下にでき、60質量%以上80質量%以下にできる。
第3態様のヒートシール層の厚さは、特に限定されず、例えば、5μm以上40μm以下、好ましくは、10μm以上20μm以下とすることができる。
ヒートシール層の厚さが薄すぎると、シール性に劣る場合があり、また、均一な膜が得られない場合がある。ヒートシール層の厚さが厚すぎると、カバーテープの透明性が低下するおそれがあり、かつ、ヒートシール層単層での応力増加により、タックが悪化(増加)するおそれがある。
(b)その他成分
また、第1態様~第3態様のヒートシール層は、上述した樹脂の他に、改質剤やその他ポリオレフィン系樹脂、ワックス型の低分子ポリオレフィン、帯電防止剤などの添加剤を含んでもよい。改質剤は、合成石油樹脂系粘着付与剤である石油樹脂系、クマロン樹脂系、スチレン系などや、天然樹脂系粘着付与剤であるロジン系樹脂、メチルエステル系樹脂、グリセリンエステル系樹脂、ペンタエリストールエステル系樹脂、テルペン系樹脂及びそれらの変性物、などが挙げられる。これら粘着付与剤のうち合成石油樹脂系粘着付与剤には、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂、共重合系石油樹脂などがある。これらは、単独、又は2種以上を併用して使用することができる。
帯電防止剤は金属酸化物、導電性高分子、カーボン、カーボンナノチューブ、界面活性剤などが挙げられ、単独、又は2種以上を併用して使用できる。
ヒートシール層には、必要に応じて、例えば、アンチブロッキング剤、分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。
(c)形成方法
ヒートシール層の形成方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱溶融させたフィルムの原材料を樹脂層にTダイ等で押出して、冷却ロールで樹脂層と圧着する方法(押出ラミネート法)が挙げられる。また、予め製造したフィルムを接着剤で樹脂層に貼り合せる方法も挙げられる。接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等を用いることができる。
また、ヒートシール層の他の形成方法としては、例えば、熱可塑性樹脂、帯電防止剤及びその他に添加剤等を溶媒に分散または溶解したヒートシール層用組成物を用い、中間層の基材層とは反対側に上記ヒートシール層用組成物を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記ヒートシール層用組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ-ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の塗布法が挙げられる。
(4)その他の層
(a)帯電防止層
本開示のカバーテープは、基材層の一方の面に、帯電防止層を有していてもよい。なお、帯電防止層の厚さは、通常、カバーテープの厚さに対して極薄いため、通常、リサイクル性に影響を与えない。図5に示す様に、帯電防止層5は、基材層2(図5においては第1態様の基材層2A)の中間層3側の面とは反対側の面に配置されていてもよい。
また、図6に示すように、本開示における基材層が第2態様の基材層2Bであり、第1層21が中間層側となるように配置されている場合、第2層22の第1層21側とは反対の面側に、帯電防止層5が配置されていてもよい。
また、図7に示すように、本開示における基材層が第2態様の基材層2Bであり、第2層22が中間層側となるように配置されている場合、第1層21の第2層22側とは反対の面側に、帯電防止層5が配置されていてもよい。
図5~図7に示すように、帯電防止層5は、基材層2の中間層3側の面とは反対の面側に配置され、カバーテープの最表面に位置することが好ましい。帯電防止効果がより効率的に得られるからである。また、帯電防止層の位置はこれらに限定されず、基材層の中間層側の面に配置されていてもよく、第2態様の基材層の場合には、第1層と第2層との間に配置されていてもよい。
帯電防止層は、カバーテープが帯電することを防止するための層である。帯電防止層を有することによって、キャリアテープからカバーテープを剥離する際の剥離帯電によりチップの損傷や静電気による実装不良を抑制すること、他の面との接触による静電気の発生を防止することや、静電気が帯電してカバーテープの表面へのゴミやチリ等の付着を防止することができる。
帯電防止層は、基材層に、帯電防止剤をコーティングすることにより形成することができる。帯電防止剤としては、例えば、金属酸化物、導電性高分子、高分子型界面活性剤、低分子型界面活性剤等が挙げられる。本開示においては、導電性高分子が好ましい。
導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。中でも、導電性高分子は、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびポリピロールからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。湿度に依存しない十分な帯電防止性および透明性が得られるからである。ポリチオフェンとしては、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)が好ましく用いられる。ポリアニリンとしては、例えば、スルホン化ポリアニリンが好ましく用いられる。上記導電性高分子を含む帯電防止層であれば厚みが薄くとも、低い表面抵抗率を得ることができるために好ましい。帯電防止層の厚みが薄いことで、カバーテープの光の透過率を向上させることができる。また、帯電防止層の厚みが薄いことで、カバーテープの光の吸収率を低くすることができる。そのため、カバーテープの視認性を向上させることができる。
帯電防止層中の導電性高分子の含有率は、5質量%以上、15質量%以下が好ましく、7質量%以上、12質量%以下が更に好ましい。上記の範囲よりも少ないと、帯電防止効果が発現し難い傾向になり、上記の範囲よりも多いと、分散性が悪く、密着性、光学特性、機械特性が劣る傾向がある。
高分子型界面活性剤、低分子型界面活性剤としては、それぞれ、カチオン、アニオン、ノニオン型がある。帯電防止性能、塗工性の観点からは、カチオン型高分子界面活性剤が好ましい。また、コスト、光学物性、インキ化の観点からはノニオン系低分子型界面活性剤が好ましい。
カチオン型高分子界面活性剤としては、高分子型4級アンモニウム塩が好ましい。4級アンモニウム塩のカウンターアニオンは特に限定されず、例えば、ハロゲンイオン、硫化物イオン等が用いられ、アンモニウムの1~3位まではアリール基、アルキル基が入り、特に限定されないが、溶解性の観点から炭素数6個以下が好ましい。高分子型4級アンモニウム塩の主鎖にはアクリル主鎖が透明性、基材密着性の観点から好ましい。ノニオン系低分子型界面活性剤は特に限定されないが、親油基が10~20の脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル型、エステルエーテル型、アルカノールアミド型、アルキルグリコシド型、アルキルアミン型が好ましい。
帯電防止層中の第4級アンモニウム塩ポリマーの含有率は、10質量%以上、30質量
%以下が好ましく、15質量%以上、20質量%以下が更に好ましい。上記の範囲よりも
少ないと、帯電防止効果が発現し難い傾向になり、上記の範囲よりも多いと、密着性、光
学特性、機械特性が劣る傾向がある。
金属酸化物としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ(PTO)、アルミニウムドープ酸化スズ、ニオブドープ酸化スズ、タンタルドープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、酸化スズ、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化インジウム、カドミウムドープ酸化インジウム、インジウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、マグネシウムドープ酸化亜鉛、シリコンドープ酸化亜鉛、スズドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛(AZO)及びニオブドープ酸化チタン等が挙げられ、二種以上を併用しても良い。表面抵抗率が安定する観点から、アンチモンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、リンドープ酸化スズ、酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及びアンチモン酸亜鉛が好ましい。金属酸化物の平均粒径は、例えば0.01μm以上1μm以下とすることができ、透明性の観点から、0.01μm以上0.5μm以下が好ましい。帯電防止層中の金属酸化物の含有量は、表面抵抗率が1×1010Ω/□以下となる量であることが好ましく、例えば、10質量%以上、70質量%以下である。金属酸化物の形状は球状、針状、層状のいずれでもよいが、透明性、表面抵抗率、分散性の観点から球状、針状が好ましい。
また、帯電防止層は、金、銀、ニッケル、アルミ、銅等の金属微粒子を含んでもよい。後述するように、カバーテープ中における金属含有量は、5質量%以下であることが好ましいが、帯電防止層の膜厚はカバーテープの厚さに対して極薄い(通常、0.1%以下)ため、帯電防止層に金属微粒子を含むこともできる。
帯電防止層は、通常、バインダー樹脂を含む。バインダー樹脂を含むことで、塗膜に、基材に対する密着性、光学特性、機械特性等が付与される。本開示におけるバインダー樹脂は、樹脂であれば特に限定されないが、アクリル系バインダー樹脂またはエポキシ系バインダー樹脂が挙げられる。
帯電防止層の形成方法としては、例えば、帯電防止剤等を溶媒に分散または溶解した帯電防止層用組成物を用い、基材層の一方の面側に上記帯電防止層用組成物を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記帯電防止層用組成物の塗布方法としては、例えば、エアドクター、ブレードコート、ナイフコート、ロッドコート、バーコート、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、スライドコート等の公知の塗布法が挙げられる。
帯電防止層の厚さは、例えば、0.02μm以上3μm以下とすることができる。この程度の厚さの帯電防止層とすることにより、カバーテープに帯電防止性を付与することができる。
(b)接着剤層
基材層と中間層との間、又は中間層とヒートシール層との間に、接着剤層を有していてもよい。なお、接着剤層の厚さは、通常、カバーテープの厚さに対して薄いため、通常、リサイクル性に影響を与えない。接着剤層を形成することで、基材層、中間層又はヒートシール層が接着力に乏しい場合であっても、基材層と中間層との間、又は中間層とヒートシール層との間の密着性を向上させることができる。接着剤層としては、基材層、中間層、ヒートシール層に用いられる材料に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。接着剤層は、例えば、オレフィン系、アクリル系、イソシアネート系、ウレタン系、エステル系の接着剤等のような接着性の良好な樹脂で形成することができる。
また、接着剤の塗布は、特に限定されないが、グラビアコーティング、ロールコーティング等で行うことができる。
接着剤層の厚さは、適宜調整することができるが、例えば、カバーテープに適度な剛性を与えるように、1~10g/mであり、好ましくは、2~5g/mである。1g/m以上であれば、接着強度を均一にすることができる。
3.カバーテープ
(1)ヘーズ値
本開示におけるカバーテープは、上述の各層を積層してなるカバーテープにおけるヘーズ値は、例えば60%以下であり、55%以下であることが好ましく、特には50%以下であることが好ましい。
(2)全光線透過率
本開示におけるカバーテープは、上述の各層を積層してなるカバーテープにおける全光線透過率が80%以上であることが好ましく、特には85%以上であることが好ましい。
本開示において、全光線透過率およびヘーズ値は、それぞれ、JIS-K-7361およびJIS-K-7136に準拠して、ヘーズメーターNDH 7000(日本電色工業製)で測定した値である。このような光学的特性を有するものであれば、より視認性の良いカバーテープとなる。
(3)幅及び長さ
本開示のカバーテープの幅および長さは、キャリアテープの幅および長さに応じて適宜設定することができる。例えば、カバーテープの幅は1~100mm程度であり、5.25mm~5.5mmであってもよい。また、長さは100~10000m程度である。
(4)バイオマス材料
本開示のカバーテープは、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するバイオマス由来のポリオレフィン樹脂および、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するバイオマス由来のポリエステル樹脂のうち少なくともいずれかを10重量%以上含むことが好ましく、25質量%以上含むことが更に好ましい。
例えば、本開示のカバーテープの中間層としてバイオマスポリエチレンフィルムを用いることもできるし、第2態様の基材層の第2層にバイオマスポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることができる。
(5)引張強度
本開示のカバーテープは、MD方向の引張強度が70MPa以上であることが好ましく、80MPa以上であることがより好ましい。
なお、引張強度の測定方法は、上述した「2.各層の構成 (1)基材層 (d)物性」に記載した測定方法と同様である。
(6)金属成分
コンソーシアム CEFLEX(Circular Economy for Flexible Packaging)の規定により、本開示のカバーテープ中における金属含有量は、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは3質量%以下であり、0質量%が特に好ましい。
B.包装体用セット
本開示の包装体用セットは、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記キャリアテープの上記収納部を覆うために用いられる、電子部品包装用カバーテープと、を有する包装体用セットであって、上記キャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含み、上記包装体用セットにおけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上である、ことを特徴とする。このような包装体用セットは、包装体として使用した後に、包装体用セット全体でリサイクルが容易となり、環境にやさしいものとなる。
包装体用セットにおけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。
なお、包装体用セット中におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、包装体用セット(キャリアテープ、カバーテープ、およびボトムテープ)中に含まれるポリオレフィン層の質量の和を、包装体用セットの質量で割ることで算出される。また、層を形成する材料が混合物の場合はポリオレフィン樹脂系とその他化合物の質量を分けて算出される。
1.キャリアテープ
本開示におけるキャリアテープは、電子部品を収納する複数の収納部を有する部材である。
キャリアテープとしては、複数の収納部を有するものであればよく、例えば、エンボスキャリアテープ(エンボステープとも称される。)、パンチキャリアテープ(パンチテープとも称される。)、プレスキャリアテープ(プレステープとも称される。)のいずれも用いることができる。中でも、コスト、成形性、寸法精度等の観点から、エンボスキャリアテープが好ましく用いられる。
本開示におけるキャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする。ポリオレフィン樹脂としては、上述した「A.電子部品包装用カバーテープ 1.ポリオレフィン樹脂」と同様であるため、ここでの説明は省略する。キャリアテープに用いられるポリオレフィン樹脂としては、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
更に好ましくは、ポリエチレンである。低温時の機械物性に優れているためである。
キャリアテープにおけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上が好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂以外に、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ABS樹脂等のプラスチックや、紙等を含むことができる。本開示において紙とは、セルロースを主成分とするものをいう。
キャリアテープの厚さは、キャリアテープの材質や、電子部品の厚さ等に応じて適宜選択される。例えば、キャリアテープの厚さは、30μm以上1500μm以下とすることができる。キャリアテープの厚さが厚すぎると、成形性が悪くなり、キャリアテープの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合がある。
キャリアテープは、複数の収納部を有する。収納部は、通常、キャリアテープの長手方向に所定の間隔をおいて配置される。収納部の大きさ、深さ、ピッチ等としては、電子部品の大きさ、厚さ等に応じて適宜調整される。
収納部を有するキャリアテープの形成方法としては、一般的なキャリアテープの成形方法を適用することができ、キャリアテープの種類や材質等に応じて適宜選択される。例えば、プレス成形、真空成形、圧空成形、打抜加工、圧縮加工等が挙げられる。
2.電子部品包装用カバーテープ
本開示の包装体用セットは、キャリアテープの上記収納部を覆うために用いられる、電子部品包装用カバーテープを有する。電子部品包装用カバーテープとしては、上述した「A.電子部品包装用カバーテープ」と同様のものを採用することができる。
3.ボトムテープ
また、本開示の包装体用セットは、キャリアテープがパンチキャリアテープの場合、パンチキャリアテープのカバーテープが配置される側とは反対側に配置されるボトムテープを有する。ボトムテープは、少なくとも、基材層と、ヒートシール層と、を有する。
また、ボトムテープは、ヒートシール層の基材層側の面とは反対側の面に、帯電防止層を有していてもよい。
(1)基材層
ボトムテープの基材層としては、ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。このようなポリオレフィン樹脂を含むボトムテープの基材層としては、上述した「A. 電子部品包装用カバーテープ 2.各層の構成 (1)基材層」と同様の態様、材料および厚さとすることができる。特に、ボトムテープの基材層は、二軸延伸ポリオレフィンフィルム、または、一軸延伸ポリオレフィンフィルムを有することが好ましい。中でも、二軸延伸ポリエチレンフィルム、または、一軸延伸ポリエチレンフィルムを含むことが好ましい。
(2)ヒートシール層
ボトムテープのヒートシール層としては、上述した「A. 電子部品包装用カバーテープ 2.各層の構成 (3)ヒートシール層」と同様の態様、材料および厚さとすることができる。中でも、ポリオレフィン樹脂を樹脂材料として含むことが好ましい。特に、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレンが好ましい。ボトムテープのヒートシール層には、界面活性剤、金属酸化物、導電性高分子などの帯電防止剤が混練されていてもよい。
(3)帯電防止層
ボトムテープの帯電防止層としては、上述した「A. 電子部品包装用カバーテープ 2.各層の構成 (4)その他の層 (a) 帯電防止層」と同様の材料および厚さとすることができる。
C.包装体
本開示の包装体は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記キャリアテープの前記収納部を覆う電子部品包装用カバーテープと、を有する、包装体であって、上記キャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含み、上記電子部品以外の上記包装体におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上であることを特徴とする。
本開示の包装体であれば、電子部品を取り出した後、カバーテープのリサイクルが容易となる。
図2(a)、(b)は本開示の包装体の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、図2(a)、(b)については、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本開示における包装体の、上記電子部品以外の各構成については、上記「B.包装体用セット」と同様であるので、ここでの説明は、省略する。
本開示の包装体においては、カバーテープのヒートシール層とキャリアテープとはヒートシール部で接着されている。ヒートシール部は、例えば、カバーテープのヒートシール層がキャリアテープと接する部分の一部に配置することができる。すなわち、ヒートシール層は、ヒートシール部と非ヒートシール部とを有していてもよい。これにより、キャリアテープに対するカバーテープの剥離性を良くすることができる。
本開示の包装体に用いられる電子部品としては、特に限定されず、例えば、IC、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)、液晶、圧電素子レジスタ、フィルター、水晶発振子、水晶振動子、コネクタ、スイッチ、ボリュウム、リレー等が挙げられる。ICの形式についても、特に限定されない。
本開示の包装体は、電子部品の保管および搬送のために用いられる。電子部品は、包装体の状態で保管および搬送され、実装に供される。実装時には、カバーテープを剥離し、キャリアテープの収納部に収納されている電子部品を取り出し、基板等へ実装される。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
基材層として、厚さ25μmの1軸延伸PEフィルム(大日本印刷社製 MDO-PE H-HDPE、以下MDO-PEフィルム)を準備した。MDO-PEフィルムの一方の面側に帯電防止コート剤(4級アンモニウム塩基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(製品名アクリット1SX-1090 大成ファインケミカル社製)を塗布することによって、帯電防止層(厚さ0.5μm)を形成した。MDO-PEフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075/タケラックA-3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し(厚さ0.1μm)、接着剤層を形成した。次いで、ポリエチレン樹脂(ノバテックLC600A、日本ポリエチレン社製)を溶融させて、接着剤層が形成されたMDO-PEフィルムの接着剤層表面に押出し、押出ラミネート法により、厚さ15μmの中間層を形成した。次いで、エバフレックスEV 450(EVA、三井ダウポリケミカル株式会社製)およびアルコンP125(脂環族系炭化水素樹脂、荒川化学工業社製)を87:13の配合比率(重量比)で含むヒートシール材料を溶融させて中間層表面に押出ラミネート法により製膜した。製膜後、40℃、48時間の条件でエージングを行い、厚さ15μmのヒートシール層を形成した。帯電防止層/基材層/接着剤層/中間層/ヒートシール層からなる構成の実施例1のカバーテープを作製した。
(実施例2)
基材層として、厚さ25μmの1軸延伸PEフィルム(大日本印刷社製 MDO-PE H-HDPE、以下MDO-PEフィルム)を準備した。MDO-PEフィルムの一方の面側に帯電防止コート剤(大成ファインケミカル社製 1SX-1090)を塗布することによって、帯電防止層(厚さ0.5μm)を形成した。PEフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075/タケラックA-3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し(厚さ0.1μm)、接着剤層を形成した。次いで、バイオマス由来のポリエチレンフィルム(大日本印刷社製、バイオマテックPEフィルム)を熱ラミネート法により、厚さ40μmの中間層を形成した。次いで、中間層にコロナ処理を施した。中間層のコロナ処理した面にアクリルヒートシール材料(A450A DIC社製)をグラビアコート法により塗工した。塗工後、40℃、48時間の条件でエージングを行い、厚さ2μmのヒートシール層を形成した。帯電防止層/基材層/接着剤層/中間層/ヒートシール層からなる構成の実施例2のカバーテープを作製した。
(実施例3)
第2態様の基材層の第2層として、厚さ12μmのバイオマスポリエチレンテレフタレートフィルム(大日本印刷社製 バイオマテックPET)を準備した。バイオマテックPETフィルムの一方の面側に帯電防止コート剤(中京油脂社製 U690)を塗布することによって、帯電防止層(厚さ0.04μm)を形成した。バイオマテックPETフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075/タケラックA-3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し(厚さ0.1μm)、接着剤層を形成した。次いで、第2態様の基材層の第1層として、厚さ25μmの1軸延伸PEフィルム(大日本印刷社製 MDO-PE H-HDPE)を熱ラミネート法により形成した。次いで、ポリエチレン樹脂(ノバテックLC600A、日本ポリエチレン社製)を溶融させて、MDO-PEフィルム表面に押出し、押出ラミネート法により、厚さ15μmの中間層を形成した。
次いで、中間層にコロナ処理をした。中間層のコロナ処理した面にポリオレフィンヒートシール材料(ケミパールS111(三井化学社製))をグラビアコート法により塗工した。塗工後、40℃、48時間の条件でエージングを行い、厚さ2μmのヒートシール層を形成した。帯電防止層/基材層の第2層/接着剤層/基材層の第1層/中間層/ヒートシール層からなる構成の実施例3のカバーテープを作製した。
(実施例4)
基材層として、厚さ25μmのポリエチレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製 T.U.X FCD-NP(L-LDPEフィルム)、以下PEフィルム)を準備した。PEフィルムの一方の面に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075/タケラックA-3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し(厚さ0.1μm)、接着剤層を形成した。次いで、ポリエチレン樹脂(ノバテックLC600A、日本ポリエチレン社製)を溶融させて、接着剤層の形成されたPEフィルム表面に押出し、押出ラミネート法により、厚さ15μmの中間層を形成した。次いで、エバフレックスEV 450(三井ダウポリケミカル株式会社製)およびアルコンP125(荒川化学工業社製)を87:13の配合比率(重量比)で含むヒートシール材料を溶融させて中間層表面に押出ラミネート法により製膜した。製膜後、40℃、48時間の条件でエージングを行い、厚さ15μmのヒートシール層を形成した。帯電防止層/基材層/接着剤層/中間層/ヒートシール層からなる構成の実施例4のカバーテープを作製した。
(比較例)
基材層として、厚さ25μmのPETフィルム(フタムラ化学社製 FE2002、以下PETフィルム)を準備した。PETフィルムの一方の面側に帯電防止コート剤(大成ファインケミカル社製 1SX-1090)を塗布することによって、帯電防止層(厚さ0.5μm)を形成した。PETフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075/タケラックA-3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し(厚さ0.1μm)、接着剤層を形成した。次いで、ポリエチレン樹脂(ノバテックLC600A、日本ポリエチレン社製)を溶融させて、接着剤層の形成されたPEフィルム表面に押出し、押出ラミネート法により、厚さ15μmの中間層を形成した。次いで、エバフレックスEV 450(三井ダウポリケミカル株式会社製)およびアルコンP125(荒川化学工業社製)を87:13の配合比率(重量比)で含むヒートシール材料を溶融させて中間層表面に押出ラミネート法により製膜した。製膜後、40℃、48時間の条件でエージングを行い、厚さ15μmのヒートシール層を形成した。帯電防止層/基材層/接着剤層/中間層/ヒートシール層からなる構成の比較例のカバーテープを作製した。
[ポリオレフィン樹脂含有量、ポリエチレン樹脂含有量]
上記で得られたカバーテープ中の、ポリオレフィン樹脂含有量およびポリエチレン樹脂含有量の割合(質量%)を表1および表2に示す。
[バイオマス由来材料含有量]
上記で得られたカバーテープ中の、バイオマス由来のポリオレフィン樹脂およびバイオマス由来のポリエステル樹脂の含有量の割合((質量%)を表1および表2に示す。
[引張強度]
カバーテープのMD方向の引張強度を、JIS K7127に準拠して測定した。測定器としては、A&D社製の引張試験機 RTF-1150Hを用いた。試験片はフィルムMD方向に長さ150mm、幅15mmのサイズに切出し、試験部の長さが100mmになるように装置にセットした。引張速度100mm/minで引張り、破断した点の引張強度を測定した。また、使用した基材のMD方向の引張強度も表1および表2に示す。
Figure 2023070266000002
Figure 2023070266000003
表1及び表2から、実施例1~4のカバーテープは、ポリオレフィン含有量が60質量%以上であることが確認された。一方、比較例のカバーテープは、ポリオレフィン含有量が41質量%と低いことが確認された。また、基材層に一軸延伸ポリエチレンフィルムを用いた実施例1~3のカバーテープは、実施例4に対して引張強度が高い結果となった。
1 … カバーテープ
2 … 基材層
3 … 中間層
4 … ヒートシール層
5 … 帯電防止層
10 … 包装体
11 … キャリアテープ
12 … 収納部
13 … 電子部品

Claims (20)

  1. 基材層と、中間層と、ヒートシール層と、をこの順に含み、
    前記基材層および前記中間層は、ポリオレフィン樹脂を含む、電子部品包装用カバーテープ。
  2. 前記電子部品包装用カバーテープ中における前記ポリオレフィン樹脂の含有量が、60質量%以上である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3. 前記基材層は、前記ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層を含み、前記ポリオレフィン層が、一軸延伸ポリオレフィンフィルムまたは二軸延伸ポリオレフィンフィルムである、請求項1または請求項2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4. 前記基材層および前記中間層のうち少なくともいずれかに含まれる前記ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンである、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  5. 前記基材層の引張強度は、前記中間層の引張強度より大きい、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  6. 前記基材層のMD方向の引張強度は、150MPa以上であり、前記電子部品包装用カバーテープのMD方向の引張強度は70MPa以上である、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  7. 前記基材層は、前記ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層のみを含む、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  8. 前記基材層は、前記ポリオレフィン樹脂から構成されるポリオレフィン層である第1層と、補強層である第2層と、を含み、前記第1層の厚さは、前記第2層の厚さよりも厚い、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  9. 前記基材層の前記中間層側の面とは反対の面側に配置された帯電防止層を有する、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  10. 前記ヒートシール層が、ポリオレフィン樹脂を含む、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  11. 前記ヒートシール層が、ポリエチレンおよびエチレン-酢酸ビニル系共重合体の少なくともいずれかを含む、請求項10に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  12. 前記電子部品包装用カバーテープは、バイオマス由来のポリオレフィン樹脂およびバイオマス由来のポリエステル樹脂のうち少なくとも一方を10質量%以上含む、請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  13. 前記基材層、前記中間層および前記ヒートシール層うち少なくともいずれかに含まれる前記ポリオレフィン樹脂は、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するバイオマス由来のポリエチレンである、請求項10から請求項12までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  14. 前記基材層における前記第2層は、放射性炭素年代測定14Cの測定値から算定するバイオマス度を有するバイオマス由来のポリエステル樹脂を有する、請求項8に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  15. 電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
    前記キャリアテープの前記収納部を覆うために用いられる、電子部品包装用カバーテープと、を有する包装体用セットであって、
    前記キャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含み、
    前記包装体用セットにおける前記ポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上である、包装体用セット。
  16. 前記キャリアテープがパンチキャリアテープであり、
    前記包装体用セットは、さらに、前記パンチキャリアテープの前記カバーテープ側とは反対側に配置され、前記パンチキャリアテープの前記収納部を覆うために用いられるボトムテープを有する、請求項15に記載の包装体用セット。
  17. 前記電子部品包装用カバーテープは、請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープである、請求項15または請求項16に記載の包装体用セット。
  18. 電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
    前記収納部に収納された電子部品と、
    前記キャリアテープの前記収納部を覆う電子部品包装用カバーテープと、を有する、包装体であって、
    前記キャリアテープは、ポリオレフィン樹脂を含み、
    前記電子部品以外の前記包装体における前記ポリオレフィン樹脂の含有量は、60質量%以上である、包装体。
  19. 前記キャリアテープがパンチキャリアテープであり、
    前記包装体は、さらに、前記パンチキャリアテープの前記カバーテープ側とは反対側に配置され、前記パンチキャリアテープの前記収納部を覆うボトムテープを有する、請求項18に記載の包装体。
  20. 前記電子部品包装用カバーテープは、請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープである、請求項18または請求項19に記載の包装体。
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