JP3745068B2 - カバーテープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種工業部品を収納する合成樹脂製容器、例えばキャリアテープに形成した凹部のポケット部に、半導体素子を収納し、収納部を覆いヒートシールするキャリアテープのカバーテープに関し、電子部品に実装するときその開封剥離が容易で、かつ、剥離強度が安定したカバーテープに属する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
各種工業部品を収納する合成樹脂製容器、例えばキャリアテープの素材は、通常ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどのシート成形が容易なものである。また、カバーテープは、フイルムの一方の面にヒートシーラント層を設けた積層体からなっている。
キャリアテープあるいはカバーテープは、収納されている電子部品がキャリアテープのポケット部やカバーテープとの接触、あるいはカバーテープを剥離するときに発生する静電気で、電子部品の劣化、破壊を起こさないための静電気の発生防止手段のみならず、内容物を目視できる程度の透明性をもつことを要求されている。
また、収納されている電子部品を取り出すために蓋材の剥離が容易であり、更に剥離操作中に、剥離強度のバラツキ(剥離強度の最大値と最小値との差、以後この差をジップアップと記載する。)が大きいことにより電子部品が振動したり、キャリアテープからの飛び出しを防ぐことが要求されている。
本発明は、ジップアップが小さい剥離性が安定しているものであるとともに帯電防止効果に優れたカバーテープの提供を課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のキャリアテープにヒートシールできるカバーテープにおいて、該カバーテープが二軸延伸フイルム、硬化反応型接着剤層、中間層、及び酸化錫系、酸化亜鉛系、酸化インジウム系の導電性微粒子、又は帯電防止型ケイ素有機化合物を含むヒートシラント層とを順に複合したカバーテープである。
そして、前記カバーテープのループスティフネステスタ法による初期衝撃値が4〜50gであり、スティフネス強度f(単位はグラム)と時間t(単位は分)との関係がf=−at+b(a、bは定数、tは変数)の関係式において、0≦a≦0.5及び4≦b≦50を満足するものである。更に、前記カバーテープとキャリアテープとをヒートシール後、剥離するときのジップアップが30g以下である。
【0004】
【従来の技術】
従来より、カバーテープと、キャリアテープとのヒートシールは、輸送、保管中にカバーテープが剥離して電子部品が脱落しないように、所定の強度が要求される。しかしながら、剥離強度が大き過ぎると、電子部品の実装工程でカバーテープを剥離するときに、キャリアテープが振動して電子部品がキャリアテープのポケットから飛び出す事故が発生するという問題があった。したがって、カバーテープは、キャリアテープに十分な強度でヒートシールされ、かつ電子部品を実装するときにその剥離性が良好であることが要求される。この剥離強度を、ヒートシール温度、時間、圧力などの条件で調整することは極めて困難であるという問題があった。
また、適切な剥離強度をもっていてもジップアップが大きい場合は、キャリアテープが振動し、収納した電子部品が飛び出すという問題があった。
【0005】
そして、キャリアテープのカバーテープにおける静電気の発生防止手段として、キャリアテープに導電性カーボンブラック微粒子、金属微粒子を練り込んだりこれらを含む塗布液を塗布したりすることが行われている。また、カバーテープにおける静電気発生防止の手段としては、電子部品と直接に接触するヒートシーラント層に界面活性剤などの帯電防止剤、導電性カーボンブラック微粒子、金属微粒子を練り込んだり、これらを含む塗布液を塗布したりすることが行われている。
【0006】
キャリアテープの静電気発生の防止手段として、キャリアテープに導電性カーボン微粒子、金属酸化物などの導電性微粒子、金属微粒子を練り混んだり塗布することが行われている。また、キャリアテープの静電気発生の防止手段としては、電子部品と直接接触するヒートシーラント層に界面活性剤などの帯電防止剤、金属酸化物系の導電性微粒子、金属微粒子を練り混んだり塗布することが行われている。特にヒートシーラント層に金属酸化物(酸化錫、酸化亜鉛)を導電化した微粒子を混入したものは、比較的透明性がよく利用されていた。
【0007】
しかしながら、上述のキャリアテープ及びカバーテープに含まれる帯電防止剤としての導電性カーボンブラック微粒子、金属微粒子は、シートの透明性を低下させ、収納されている電子部品を外部から確認し難いという問題があった。また、界面活性剤を塗布した場合は、界面活性剤の帯電防止性は、湿度依存性があり、低湿度の雰囲気では十分な帯電防止効果がなく、電子部品を破壊してしまうという問題点があった。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のカバーテープ1は、図1に示すように、キャリアテープとヒートシールできるカバーテープ1において、該カバーテープ1が二軸延伸フイルム2、接着剤層3、中間層5、及び酸化錫系、酸化亜鉛系酸化インジウム系の導電性微粒子又は帯電防止型ケイ素有機化合物を含むヒートシラント層6とを順に積層したものである。
【0009】
本発明の二軸延伸フイルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂より製膜された12〜50μmの一軸又は二軸延伸フイルムである。そして、接着剤層との接着強度を強固にして、かつ安定するために、接着剤層と接する側を必要に応じて予めコロナ放電処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理などの表面処理を施すこともできる。更に、界面活性剤などを練り込み帯電処理を施すこともできる。
【0010】
そして、二軸延伸フイルムと中間層との貼合は、硬化反応型接着剤層を介して形成されることが好ましい。
本発明の二液反応型又は熱硬化型の接着剤層は、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン変性ポリエステル系樹脂、ウレタン化ポリエーテル系樹脂、ビニル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル・アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリアミン系樹脂、ポリチオール系樹脂、エチレン・アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、電離放射線硬化型樹脂、各種合成ゴムなどを主成分とする。
【0011】
上記接着剤は、硬化剤としてトリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5ジイソシアネート、ポリアミンポリチオールなどを用いる。
接着剤の混合割合は、主成分を100重量部に対して硬化剤は1〜100重量部であり、硬化剤が1重量部以下では、接着剤の硬化が不足しカバーテープ全体としての剛性が不足しジップアップが大きくなる。また、硬化剤が100重量部を超えると延伸フィルムと中間層との接着強度が低下し、テープの製造工程、部品を充填した後の輸送時、部品の装着時で延伸テープが剥離することがある。
【0012】
また、電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に重合性不飽和結合、又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した組成物を用いる。例えばウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどがある。
【0013】
接着剤層の塗布は、グラビアコーティング、ロールコーティングなどその方法を問うものではない。
反応硬化型の接着剤層の厚さは、カバーテープに剛性を与える要因となり、3〜80μm(固形分、以下同様に記載する)好ましくは、5〜20μmである。3μm以下では、接着強度を均一にできず、また、80μm以上の接着剤層は、価格面で不利であるばかりでなく、剛性が強く、ヒートシール性を阻害したり、カバーテープに亀裂を生ずることもある。また、接着剤層が厚くなることで、低温でのヒートシール性が阻害されることがある。
【0014】
耐熱性の二軸延伸フイルムと、反応硬化型接着剤層の複合作用によりカバーテープをキャリアテープにヒートシールする場合に、接触するヒートシールバーによりカバーテープが熱溶融したり、熱収縮したりすることを防ぐ耐熱性を付与することができる。
そして、反応型の接着剤層の作用によりシートとしての剛性が大きくなり、剥離角度が安定して、剥離するときの最大値と最小値との範囲であるジップアップを小さくできるものと推測できる。
【0015】
二軸延伸フイルムを50μm以上に厚くすることにより剛性を大きくできるが、厚くなることによりヒートシーラント層が要求する熱量が伝達できず、ヒートシールバーの温度を高く設定する必要あある。そのため、耐熱性が劣るキャリアテープが変形や寸法変化をし、電子部品を実装するときの位置が変動する原因となる。また、12μm以下の厚さの延伸フィルムでは、剛性が低下しジップアップが大きくなり好ましくない。
カバーテープの剥離強度が適正であっても、ジップアップが大きい場合電子部品がキャリアテープから飛び出してしまい、部品を高速で安定して装着できないという問題があり、鋭意研究した結果、ジップアップは、カバーテープの剛性と関係し、カバーテープの剛性が小さいとジップアップが大きくなり、逆に剛性が一定の範囲内で大きいとジップアップが小さくなることが判明した。
【0016】
二軸延伸フイルムのヒートシーラント層と反対の面、すなわち、最外面には、必要に応じて、界面活性剤、ケイ素有機化合物、導電性カーボンブラック、金属蒸着、金属酸化物などの導電性微粒子などを用いて、帯電防止処理を施して、基材シート2の表面にゴミ、チリなどの付着防止あるいは他の面との接触による静電気の発生を防止することができる。
【0017】
本発明の剛性は、ループステイフネステスター(東洋精機(株)製)を用いて成膜方向で巾15mm、ループ長さ62mmに設定した試料を5mm押し込んだときを、t=0とし、以下3、5、10及び30分の時点でステイフネス強度fを測定し、その間に於ける最大ステイフネス強度を初期衝撃値とした。
そして、t(3≦t≦30)及び及びfから最小二乗法により回帰直線f=−at+bを求め、本発明のa及びbを算出した。
初期衝撃値が50gより大きいことは剛性が強すぎて、ジップアップが大きく、4g以下ではヒートシールのムラが剥離強度に影響し、ジップアップが大きくなると推定される。
aが大きいことは、fの変動が大きいことを意味し、ジップアップが大きくなり、また、aの小さいことは、fの変動が小さいことを意味し、限りなく0に近ずけば好ましいものである。
bが50gより大きいことは、初期衝撃値も大きい傾向にあり、剛性が強すぎて、ジップアップが大きくなる。逆にbが4g未満では初期衝撃値も小さい傾向にあり、ヒートシールのムラが剥離強度に直接影響し、ジップアップが大きくなるものである。
【0018】
本発明の中間層は、カバーテープをキャリアテープとヒートシールしたときに双方のシートを均一に密着するクッションの作用を奏する。同時に、ヒートシールしたカバーテープをキャリアテープから剥離するときに、図5、図6に示すように中間層5とヒートシーラント層6との間で層間剥離できるように、中間層5とヒートシーラント層6との接着強度を制御するものである。
中間層5は、単層構造、多層構造のいずれでもよく、熱可塑性樹脂の2種以上を組合わせることにより形成できる。
また、サーキュラダイスによるインフレ法、Tダイスによるキャスト法による通常の製膜方法で、単層あるいは多層で作成できる。
【0019】
中間層に用いる樹脂は、ホモポリマー、共重合体、ポリマーアロイのいずれのものも使用できるが、ヒートシーラント層との接着強度(剥離強度)を規制するとともに、キャリアテープとカバーテープとをヒートシールするときにクッション効果の作用をもつものから選定できる。例えば、ポリエステル、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチレン・プロピレンラバー、ポリプロピレンの他にポリエチレン、S・B共重合体、S・B共重合体水添物、及びHIPSのうち少なくともポリエチレン及びS・B共重合体を含む2種以上の樹脂によりなるポリマーアロイで形成できる。
以下、特に好ましい中間層の構成を示す。
【0020】
単層構造の中間層について記載する。中間層は、密度0.915〜0.940のE・O共重合体、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体、スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物及びHIPSのうち少なくともE・O共重合体及びS・B共重合体を含む3種以上の樹脂により形成することができる。
中間層の形成に使用するE・O共重合体は、エチレンと、例えばブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、4メチルペンテン1などとの共重合体である。このようなE・O共重合体の密度が0.915未満あるいは0.940を超える場合、S・B共重合体との組み合わせによる中間層の製膜性が低下し好ましくない。
【0021】
また、中間層を形成するS・B共重合体を構成するスチレンの量が50重量%未満であると、フイルムの粘着性が増して取扱い難くなり、90重量%を超えると低温でのヒートシーラント層との接着強度が低下することがある。
【0022】
中間層のE・O共重合体とS・B共重合体との混合比は、キャリアテープにヒートシールした後に剥離するときの剥離強度と、カバーテープの透明性とに大きく影響する。本発明では、中間層におけるE・O共重合体とS・B共重合体との混合比は、E・O共重合体30〜70重量%、S・B共重合体が70〜30重量%が好ましい。E・O共重合体が30重量%未満、S・B共重合体が70重量%を超える場合、中間層の製膜性が低下するのみならず透明性も低下し、また中間層とヒートシーラント層との接着強度が大きくなり、カバーテープの剥離強度が適性値を超えることとなり好ましくない。一方E・O共重合体が70重量%を超え、S・B共重合体が30重量%未満である場合は、中間層とヒートシーラント層との接着強度が小さく、カバーテープとしての適性な剥離強度を下回り好ましくない。
【0023】
中間層にS・B共重合体水添物及びHIPSを用いて4種の樹脂により成形する場合、上記のようなE・O共重合体30〜70重量%と、S・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物を5〜30重量部、HIPSを5〜50重量部添加することが好ましい。
【0024】
S・B共重合体水添物の添加量が30重量部を超えると、得られる中間層はブロッキングを起こしやすく好ましくない。S・B共重合体水添物として添加したものが、実際に水素添加物になっていない場合、この共重合体は、ブタジエン成分が高いため、酸化されやすく中間層の形成時に重合したゲル状物を発生しやすくなる。
また、S・B共重合体水添物に代えて非水添加物を用いた場合、製膜精度が悪く製膜不能となることがある。
【0025】
HIPSの添加量が50重量部を超えると、中間層の透明性が悪化し好ましくない。
【0026】
上記の中間層は、E・O共重合体30〜70重量%と、S・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、30重量部未満のS・B共重合体水添物のみを添加した3種の樹脂を含む樹脂組成物により形成してもよい。また、E・O共重合体30〜70重量%と、S・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、50重量部未満のHIPSのみを5〜50重量部を添加して3種の樹脂を含む樹脂組成物より形成されてもよい。
【0027】
本発明の単層構造の中間層は、上記の構成の他に、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%とスチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物から形成することができる。
この場合、使用するS・B共重合体を構成するスチレン量が50重量%未満であると、フイルムの粘着性が増して取扱い難くなり、また90重量%を超えると低温におけるヒートシーラント層のヒートシール強度(キャリアテープの剥離強度)が低下することとなり好ましくない。そして、中間層におけるE・O共重合体とS・B共重合体との混合比は、キャリアテープとカバーテープとをヒートシールした後に剥離するときの剥離強度と透明性とに大きく影響するものである。E・O共重合体が30重量%未満、S・B共重合体が70重量%を超える場合、中間層の製膜性や透明性が低下し、カバーテープも透明性を損なうことになる。また中間層とヒートシーラント層との接着強度も大き過ぎてカバーテープの剥離強度が適性値を超えることになり好ましくない。
一方、E・O共重合体が70重量%を超え、S・B共重合体が30重量%未満である場合、中間層とヒートシーラント層との接着強度が小さく、カバーテープの剥離強度が適性値を下回ることとなり好ましくない。
【0028】
本発明の単層構造の中間層を、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%とスチレン70〜30重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物90〜10重量%とからなる樹脂組成物から構成することができる。
【0029】
この場合、E・O共重合体の密度が0.915未満、あるいは0.940を超える場合、S・B共重合体水添物との組み合わせによる中間層の製膜性が低下することになり好ましくない。また、使用するS・B共重合体水添物を構成するスチレン量が10重量%未満であると、フイルムの粘着性が増してブロッキングを発生しやすく、また50重量%を超えるとヒートシラント層との接着が悪くなり、剥離強度が低下して好ましくない。水素添加物は、E・O共重合体との相溶性がよく、中間層に柔軟性と透明性とを与える。そして、中間層のE・O共重合体とS・B共重合体水添物との混合比は、キャリアテープとカバーテープとをヒートシールした後の剥離強度と、中間層の透明性とに大きく影響する。すなわち、E・O共重合体が、30重量%未満、S・B共重合体水添物が70重量%を超える場合、中間層の製膜性が悪くなり、透明性も低下する。一方、E・O共重合体が70重量%を超え、S・B共重合体水添物が30重量%未満である場合、中間層とヒートシーラント層との接着強度が弱く、カバーテープの剥離強度が適性値を下回ることがあり好ましくない。
【0030】
本発明の中間層は、ガラス転位温度が40℃以上の線状飽和ポリエステルにより形成することもできる。
ガラス転位温度が40℃以上の線状飽和ポリエステルとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、1,4シクロヘキサンジメタノールなどのアルコール成分と、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸やテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などによるポリエステルである。
具体的には、エチレングリコールとテレフタル酸、エチレングリコールとイソフタル酸及びテレフタル酸、1,4シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとテレフタル酸、プロピレングリコールとテレフタル酸やイソフタル酸などとの共縮合重合体を使用する。また、ガラス転位温度を40℃以上に設定したのは、カバーテープを使用する環境条件が40℃に至らないことに起因するものである。
【0031】
上記単層構造の中間層は、10〜100μmの厚さが好ましい。厚さが10μm未満の場合は製膜性が悪いばかりでなく、フィッシュアイ、ピンホールを発生し、ヒートシールを行うときのクッション効果を損ない、カバーテープの剥離強度が安定せず、ジップアップが安定しない要因となる。
【0032】
本発明の中間層5は、多層構造とすることができ、図2は2層構造のカバーテープ1の断面を示す概略図であり、第1樹脂層51と第2樹脂層52とから中間層5を構成するものである。
【0033】
この場合、第1樹脂層51は製膜が容易な密度が0.915〜0.940のE・O共重合体とし、第2樹脂層52は、密度が0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%とスチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30%とからなる樹脂組成物100重量部に対してスチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物5〜30重量部が添加されている樹脂組成物より形成できる。
更に第2樹脂層52は、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%と、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、5〜50重量部のHIPSを添加している樹脂組成物により形成できる。
また、第2樹脂層52は、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%とスチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物を3〜30重量部とHIPS5〜50重量部とを添加した樹脂組成物により形成することができる。
【0034】
そして、第1樹脂層及び第2樹脂層は、それぞれ5〜60μmの厚さで形成できる。
【0035】
図3は、中間層5を3層構造とした本発明のカバーテープの例を示す断面の概略図であり、中間層5は第1樹脂層51、第2樹脂層52及び第3樹脂層53とと順に積層し、そして第3樹脂層53がヒートシーラント層6と接して構成するものである。
【0036】
この場合、第1樹脂層51は、製膜が容易な密度0.915〜0.940のE・O共重合体より構成され、第2樹脂層52は、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%と、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%によりなる組成物や、第3樹脂層53とは異なる組成で、かつ、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%と、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とからなるS・B共重合体水添物5〜30重量部と、HIPS5〜50重量部とを添加した組成物により構成できる。
【0037】
第3樹脂層53は、密度が0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%とスチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対してスチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物5〜30重量部が添加されている樹脂組成物より形成できる。また、第3樹脂層53は、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%と、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、HIPS5〜50重量部が添加されている樹脂組成物により形成できる。
更に、密度0.915〜0.940のE・O共重合体30〜70重量%とスチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%とのS・B共重合体70〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対して、スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのS・B共重合体水添物5〜30重量部と、HIPS5〜50重量部とが添加されている樹脂組成物により形成することもできる。
そして、第1樹脂層51、第2樹脂層52及び第3樹脂層53は、それぞれ3〜30μmの厚さで構成でき、個々のフイルムを単独で製膜して貼合したり、共押出し成形したり、いずれか1種のフイルムにコーティングして形成することもできる。
【0038】
本発明のカバーテープのヒートシーラント層は、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、アクリル樹脂の少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂と後述する導電性微粒子などにより形成されている。2種以上の熱可塑性樹脂の組合せ例としては、ポリウレタンと塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体との混合ワニス(混合比は9:1〜4:6)、ポリエステルと塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体との混合ワニス(混合比は5:5〜9.5:0.5)、アクリル樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体との混合ワニス(混合比は5:5〜9.5:0.5)などを挙げることができる。
尚、中間層のガラス転移点が40℃未満である線状飽和ポリエステルより形成されている場合のヒートシーラント層は、ポリウレタンと塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体との混合ワニスを使用することが好ましい。
【0039】
ヒートシーラント層は、導電性カーボン微粒子、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム又は酸化チタンなどの金属酸化物や、硫酸バリウム又は、硫化亜鉛、硫化銅、硫化カドミウム、硫化ニッケル、硫化パラジウムなどの硫化物に導電性をもたせた導電性微粒子、ケイ素有機化合物を含ませることができる。このような導電性微粒子は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜10μmのものが好ましい。この場合ヒートシーラント層の熱可塑性樹脂と導電性微粒子との混合比は、10:1〜100の範囲であることが好ましい。
導電性微粒子の比率が上記の数値未満であると、導電性微粒子を混合した効果を得られず、また上記の範囲を超えると透明性の低下及び接着阻害を起こして好ましくない。
【0040】
上記のヒートシーラント層は、その表面抵抗率が、22℃、相対湿度40%(以下表面抵抗率はこの条件で測定した数値を記載する)において105 〜1012Ω/□であり、また23±5℃、相対湿度12±3%において、5000Vから99%減衰するまでに要する時間(以下電荷減衰時間はこの条件で測定した数値を記載する)が2秒以下という優れた静電気特性をもつ。上記の表面抵抗率が、1012Ω/□を超えると、静電気拡散効果が極端に悪くなり、電子部品を静電気破壊から保護することが困難となる。また105 Ω/□未満となると、外部からカバーテープを介して電子部品に通電する可能性があり、電子部品が電気的に破壊される危険がある。一方、静電気により発生する電荷の拡散速度の目安である電荷減衰時間が2秒を超える場合は、静電気拡散効果が極端に悪くなり電子部品を静電気破壊から保護することが困難となる。
尚、上記の表面抵抗率及び電荷減衰時間は、米国の軍規格であるMIL−B−81705Cに準拠して測定した。
また、ヒートシーラント層には必要に応じて分散安定剤、ブロキング防止剤などを含ませることもできる。
【0041】
カバーテープ1は、中間層5にヒートシーラント層6を設けることにより、キャリアテープ11にヒートシールされたカバーテープ1を剥離するとき図6に示すように、中間層5とヒートシーラント層6との層間で生ずる好ましい形の剥離形態である。すなわち、図4の斜視図及び図5の断面図に示したキャリアテープ11にヒートシール部10を設けたカバーテープ1は剥離するとき、図6に示すように中間層5とヒートシーラント層6との間で層間剥離することがジップアップが少ない好ましい形態である。
尚、今回は、剥離した状態において、中間層5とヒートシーラント層6との間の剥離形態を層間剥離とした。それは、単に剥離後、中間層5とヒートシーラント層6とがそれぞれ異分子を確認できなかったにすぎず、今後分析手法の発達により極微量の化合物や分子を確認できるようになれば、今回、層間剥離と判断した場合においても、中間層5若しくはヒートシーラント層6の凝集破壊に剥離したと判断することも考えられる。しかし、今回は便宜上、通常の分析限界以上の異分子が残留していない場合を層間剥離とした。
【0042】
キャリアテープとカバーテープとの剥離強度が10g/1mm巾未満になるとカバーテープをヒートシールした後のキャリアテープを移送する際に、キャリアテープ11とヒートシーラント層6との界面で剥離し、内容物が脱落する危険性がある。また、剥離強度が80g/1mm巾を超えると、カバーテープを剥離する際にキャリアテープ11が振動して内容物が飛び出す恐れがある。
また、ジップアップは30g以下が好ましい。ジップアップが30g以上であると、カバーテープの剥離時、キャリアテープが振動して内容物が飛び出す恐れがあり好ましくない。また、ジップアップには下限値は存在するものではないことは、ジップアップが限りなくゼロに近づくことは、剥離するときのキャリアテープが滑らかに走行し充填機の高速化ができるからである。
【0043】
剥離強度は23℃相対湿度40%の雰囲気下に於いて、剥離速度300mm/分、180°剥離の値である。また、上記の中間層及びヒートシーラント層との性質、種類によっては、層間剥離を起こさせるか、又はヒートシーラント層内における凝集破壊を起こさせるかはヒートシール条件の制御により適宜選択できることもある。すなわち、ヒートシール時の温度を高く、加熱時間を長く、圧力を強くして、キャリアテープとカバーテープとを完全融着することによって中間層とヒートシーラント層との間で層間剥離することができる。逆に、ヒートシール時の温度を低くしたり、加熱時間を短くしたり、圧力を弱くしたりすることによって、キャリアテープとカバーテープとを不完全な融着状態に止めれば、ヒートシーラント層とキャリアテープとの間に於ける界面剥離(本明細書においては、ヒートシーラント層とキャリアテープとの間に起こる剥離を意味し、中間層とヒートシーラント層との間に起こる層間剥離とは用語面から区別する。以下同様)と、30g以下のジップアップを達成できるが、作業工程としては、極めてヒートシール条件が限定され不安定なものである。
【0044】
上記のように、中間層とヒートシーラント層との間における層間剥離は、加熱、加圧を十分に行うことにより達成できる。例えば、加熱温度を130〜200℃、加熱時間を0.3〜2.0秒、加圧を0.7〜3.0kgf/cm2 程度である。180度剥離による層間の剥離強度は、ヒートシーラント層とキャリアテープとの剥離強度より弱いものであり、したがって、加熱を十分に行うことにより中間層とヒートシーラント層との間の層間剥離を達成することができる。
【0045】
本発明のカバーテープは、中間層とヒートシーラント層との間で剥離するものであるから、ヒートシール条件により大きく変化するものではない。したがって、カバーテープとキャリアテープとのヒートシールは十分に加熱して行うことができ、安定したヒートシールと剥離強度を得ることができる。
【0046】
本発明のカバーテープの使用対象となるキャリアテープの材質は、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル(A−PET、PEN、PET−G)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ABSなどである。そして、これらに帯電防止対策として、導電性カーボンブラック微粒子、金属微粒子、金属酸化物に導電性をもたせた導電性微粒子、ケイ素有機化合物あるいは界面活性剤を練り込んだり、これらを含むものを塗布したりするものがある。またポリスチレン系又はABS系樹脂シートの片面あるいは両面にカーボンブラックを含むポリスチレン系又はABS系樹脂を共押出しにより一体に積層した多層シートや、プラスチックシートの表面に導電性高分子を形成したものが挙げられる。
あるいは、導電性処理として、プラスチックシートの表面に導電性高分子を形成させたものも挙げることができる。
【0047】
次に具体的実施例を示して本発明のカバーテープを更に詳細に説明する。
【0048】
(実験例1)
表1及び表3に示すように、二軸延伸フイルム2としてテトロンフイルムFタイプ〔帝人株式会社製 商品名〕厚さが6、12、16、25、50及び75μmと、エチレン・αオレフィン共重合体〔ウルトゼックス3550 三井石油化学工業株式会社製 商品名〕40重量%とスチレン・ブタジエンブロック共重合体〔アサフレックス810〔旭化成工業株式会社製 商品名〕60重量%とをブレンドし、通常のインフレーション法により作成した。次いで、厚さ8、10、30、50、90及び120μmの中間層5とを、表1及び表3に示す成分の接着剤を構成してドライラミネーションにより複合した。
・接着剤成分
主成分:ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン変性ポリエステル系、ウレタン化ポリエーテル系、変性エーテルポリエステル系、ビニル共重合体系、エチレン・酢酸ビニル系、酢酸ビニル系、アクリル系、アクリル系共重合体樹脂、エポキシ樹脂。
硬化剤:イソシアネート系、アミン系。
次いで、上記中間層5にグラビアリバースにより下記の〔ヒートシーラント層用組成物1〕を溶剤に溶解、塗布してヒートシーラント層6を2μm(固形分)の厚さで設けた。
【0049】
上記の実験例1のカバーテープ(試料1〜29並びに比較試料1〜10)それぞれについて、下記条件で測定したステイフネス強度、初期衝撃値、並びにf=−at+b式に基づき、t及びfから最小自乗法を用いて算出した本発明の数値a及びbを表1及び表3に示す。
ループ長さ62mmに設定した試料を5mm押し込んだときを、t=0とし、以下3、5、10及び30分の時点でステイフネス強度fを測定し、その間に於ける最大ステイフネス強度を初期衝撃値とした。
【0050】
実験例1の各カバーテープ(試料1〜29並びに比較試料1〜9)についてキャリアテープのシートXEG47「太平化学株式会社製 商品名」と、下記の条件でヒートシールを行った。
・剥離強度
〔サンプルの採取方法〕
シール条件▲1▼:温度150℃、圧力2.0kgf /cm2 、時間0.5秒、
シール条件▲2▼:温度120℃、圧力2.5kgf /cm2 、時間0.5秒、
シールヘッド:巾0.5mm×2、長さ16mm、送り長さ8mm、
採取サンプル:50ショット(400mm)採取後、25ショット(200mm)をサンプルとする。
テンシロン万能試験機HTH−100「東洋ボールドウィン株式会社製 商品名」を用いて180度剥離、剥離速度を300mm/minで剥離強度を測定する。
各試料について200mmの長さを測定した剥離強度の最大値と最小値との差をジップアップとした。
それぞれのヒートシール条件による実施例の剥離強度、ジップアップ及び剥離形態を表2に、また、比較例の結果を表4に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
(実験例2)
図1に示すように、厚さ12μmの二軸延伸フイルム2として〔二軸延伸ポリエステルフイルム:エスペット6140東洋紡株式会社製 商品名〕と、下記の表5に示す構成の中間層5とを、タケラックA515と硬化剤としてタケネートA−50〔武田薬品工業株式会社製 商品名〕とよりなる接着剤層3を設けてドライラミネーションで複合した。
一方、中間層の構成材料としての次のものを表5に示す組成で用いて単層の厚さ30μmの中間層5を作成した。
▲1▼E・O共重合体:ウルトゼックス3550〔三井石油化学工業株式会社製商品名〕密度=0.925。
▲2▼S・B共重合体:アサフレックス810〔旭化成工業株式会社製 商品名〕スチレン70〜90重量%とブタジエン30〜10重量%。
▲3▼S・B共重合体水添物:タフテックH1041〔旭化成工業株式会社製 商品名〕スチレン20〜50重量%とブタジエン80〜50重量%。
▲4▼HIPS:スタイロン475D〔旭化成工業株式会社製 商品名〕。
次いで、上記中間層5にグラビアリバースにより下記の〔ヒートシーラント層用組成物2〕を溶剤に溶解、塗布してヒートシーラント層6を2μm(固形分)の厚さで設け、表5に示す実施例の試料31〜46及び比較試料31〜36を作成した。
〔ヒートシーラント層用組成物 2〕
・ポリウレタン ニッポラン5120 30.0重量部
「日本ポリウレタン工業株式会社製 商品名」
・塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体 ビニライトVAGH 7.5重量部
「ユニオンカーバイド社製 商品名」
・導電性微粒子T−1 62.5重量部
「三菱マテリアル株式会社製 商品名」
【0056】
【表5】
【0057】
上記の各カバーテープ(実施例の試料31〜46及び比較試料31〜36)について下記の方法で、表面抵抗率、電荷減衰時間を測定した結果及び導電性ポリ塩化ビニル基材XEG47「太平化学株式会社株製 商品名」とヒートシールしたものの剥離強度と剥離形態を表6実験例2の特性に示す。
・表面抵抗率:ハイレスタIP「三菱化学株式会社製 商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定する。
・電荷減衰時間:STATIC DECAY METER−406C「Electro−Tech Systems,Inc.製 商品名」を用いて、23±5℃、相対湿度が12±3%の条件で、5000Vから99%の減衰に要する時間をMIL−B−81705Cに準拠して測定する。
・剥離強度:
下記の条件で、ヒートシールして、テンシロン万能試験機HTH−100「東洋ボールドウィン株式会社製 商品名」を用いて180度剥離、剥離速度を300mm/minで剥離強度を測定する。
〔サンプルの採取方法〕
シール条件 :温度150℃、圧力2.0kgf /cm2 、時間0.5秒、
シールヘッド:巾0.5mm×2、長さ16mm、送り長さ8mm、
採取サンプル:50ショット(400mm)採取後、25ショット(200mm)をサンプルとする。
【0058】
【表6】
【0059】
本発明のカバーテープは、ヒートシーラント層とキャリアテープとを十分に加熱シールして、中間層とヒートシーラント層との間で剥離することができる。
図1に示すカバーテープ1の剥離動作について、図4〜図6を参照にして説明する。ポケット部12を設けたキャリアテープ11に図4に示すカバーテープ1を、その両端部に所定の巾で斜線部で示してあるライン状のヒートシール部10を設ける。
この状態でカバーテープ1のヒートシーラント層6とキャリアテープ11とのヒートシール強度は10〜80g/1mm巾である。次いでカバーテープ1をキャリアテープ11から剥離するとライン状のヒートシール部10においては、中間層5とヒートシーラント層6との間で剥離する。
すなわち、本発明のカバーテープは、キャリアテープ11に対し高いヒートシール性をもつとともに剥離するときには容易に剥離できるという相反する性能を兼ね備えているものである。
また二軸延伸フイルムと中間層とを接着する接着剤層を厚くしたり、接着剤層成分中の硬化剤の比率を高くしたり、中間層を設けたりすることによりコシ(フイルムなどを屈曲させたときの復元力を意味し、その復元力が大きいものほど腰が強いと評価されるものである)が強く、そして中間層はヒートシール時のクッション効果をも奏するこができ、安定した剥離強度をもちジップアップを小さくすることができる。
【0060】
【発明の効果】
ニ軸延伸フイルムと中間層とを硬化型接着剤で貼合して形成したカバーテープは、ループスティフネステスタ法による初期衝撃値が4〜50gとし、スティフネス強度f(単位はグラム)と時間t(単位は分)との関係がf=−at+b(a、bは定数、tは変数)の関係式において、0≦a≦0.5及び4≦b≦50をとすることで、上記カバーテープとキャリアテープとをヒートシール後、剥離するときの強度の上限値と下限値との差が30g以下とすることができて、ジップアップが少なく、中間層に設けたヒートシーラント層は、キャリアテープと剥離するとき、中間層とヒートシーラント層との間で安定して剥離する効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカバーテープの断面を表す概念図である。
【図2】2層よりなる中間層を設けたカバーテープの断面を表す概念図である。
【図3】3層よりなる中間層を設けたカバーテープの断面を表す概念図である。
【図4】キャリアテープとカバーテープの密封状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のカバーテープとキャリアテープとをヒートシールした状態の断面を示す概念図である。
【図6】カバーテープをキャリアテープより剥離した状態の断面を示す概念図である。
【符号の説明】
1 キャリアテープ
2 二軸延伸フイルム
3 接着剤層
5 中間層
51 第1樹脂層
52 第2樹脂層
53 第3樹脂層
6 ヒートシーラント層
10 ヒートシール部
11 キャリアテープ
12 ポケット
Claims (1)
- キャリアテープにヒートシールできるカバーテープにおいて、該カバーテープが二軸延伸フイルム、硬化反応型接着剤層、中間層、及び酸化錫系、酸化亜鉛系、酸化インジウム系の導電性微粒子又は帯電防止型ケイ素有機化合物を含むヒートシラント層とを順に積層したものであり、かつ、ループスティフネステスタ法による初期衝撃値が4〜50gであり、スティフネス強度f(単位はグラム)と時間t(単位は分)との関係がf=−at+b(a、bは定数、tは変数)の関係式において、0≦a≦0.5及び4≦b≦50を満足するものであることを特徴とするカバーテープ。
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