JP2017140008A - 青果物の鮮度保持用に好適な防曇性に優れた包装容器、及びそれを用いた包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
当該包装容器は、防曇性に優れるとともに、青果物の鮮度保持用に好適であり、カット野菜等の鮮度保持用に特に好適である。
例えば特許文献1には、青果物を密封した高分子フイルムよりなる青果物入り包装体において、前記包装体が(A)有孔高分子フイルムと(B)無孔高分子フィルムにより構成されており、前記(A)、(B)の少なくとも一方のフィルム特性が25℃、相対湿度75%の条件下で測定した水蒸気透過率が前記包装体の有効表面積を基準にして50〜800gm-2d-1であり、前記(A)の開孔面積比率は前記包装体の有効表面積に対し3×10-6〜7×10-4%であることを特徴とする青果物入り包装体が記載されており、より具体的には、(A)有孔高分子フィルムとして、厚さ35μmの延伸ポリプロピレンからなり、平均孔径30μmの孔を95個あけたもの、平均孔径が60μmの孔を9個開けたもの等が使用されている。
結露中では雑菌等が繁殖しやすく、悪臭や内容物の腐敗をもたらすおそれがある。そこで、結露を防止するために包装体を構成する高分子フィルムに所定の界面活性作用を有する化合物を所定量配合、塗布等することが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
そこで、雑菌等の繁殖を一層効果的に抑制し、カット野菜等の、雑菌の影響を受けやすい内容物の鮮度保持に適した包装容器が強く望まれていた。
本発明者は、鋭意検討の結果、包装容器を構成する高分子フィルム中に設けられた特定の大きさ、断面形状の開口部と、当該高分子フィルムの包装容器内部側の表面の少なくとも一部に存在する特定量の特定の化合物とを組み合わせることで、内容物の鮮度保持に適切な酸素濃度等の雰囲気を保持しながら、雑菌等の繁殖を抑制することが可能であり、従来技術では実現できなかった高い鮮度保持機能を有する包装容器を実現できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
[1]
高分子フィルムを含んでなる包装容器であって、22℃、40%RHでの酸素透過度が500から50000cc/m2/day/atmであり、該高分子フィルムが少なくとも1の開口部を有し、該開口部の長さが0.5〜7mmであり、該開口部の長さのうち少なくとも0.5mmにわたって幅が10μm未満である部分が存在し、高分子フィルムの包装容器の内部側の表面の少なくとも一部にパルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレートおよびジグリセリンモノラウレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が0.002〜0.5g/m2存在する、上記包装容器、である。
[2]
更に前記高分子フィルムの包装容器の外部側の表面の少なくとも一部にパルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレートおよびジグリセリンモノラウレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が0.002〜0.5g/m2存在する、[1]に記載の包装容器。
[3]
前記高分子フィルムが、前記化合物を合計で0.001〜3質量%含有する、[1]又は2]に記載の包装容器。
[4]
前記高分子フィルムの少なくとも一方の表面の濡れ指数が35dyn以上である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の包装容器。
[5]
前記高分子フィルムが、さらにミリスチルジエタノールアミンモノステアレートおよびステアリルジエタノールアミンモノステアレートの少なくとも一方を含む、[1]から[4]のいずれか一項に記載の包装容器。
[6]
前記高分子フィルムが、前記包装容器の内側の面から厚さ方向に向けて、全体の厚みに対して50から90%の範囲に前記化合物が含まれるものである、[1]から[5]のいずれか一項に記載の包装容器。
[7]
前記高分子フィルムが2層以上からなり、前記包装容器の内側に位置する層にのみ前記化合物が含まれる、[1]から[6]のいずれか一項に記載の包装容器。
[8]
前記開口部が少なくとも1のスリット状の形状の部分を有する、[1]から[7]のいずれか一項に記載の包装容器。
[9]
前記開口部が2のスリット状の形状の部分を有し、該2のスリット状の形状の部分が互いに交差している、[8]に記載の包装容器。
[10]
前記高分子フィルムが少なくとも一方向に配向している、[1]から[9]のいずれか一項に記載の包装容器。
[11]
前記開口部を構成する前記スリット状の形状の部分の少なくとも1つの長さ方向が、前記高分子フィルムの結晶の配向方向に対して30°以上150°以下で配置されている、[10]に記載の包装容器。
[12]
前記高分子フィルムが、ポリエチレン系フィルム層を含む、[1]から[11]のいずれか一項に記載の包装容器。
[13]
前記包装容器の内側の面から厚さ方向に向けて、前記ポリエチレン系フィルム層の密度が大きくなる、[12]に記載の包装容器。
[14]
前記開口部を形成するスリット形状で最大の長さを有する長さ方向が、前記高分子フィルムの製造時の長手方向に対して30°以上150°以下で配置されており、かつ、複数の該開口部が、該長手方向に間隔を置いて設けられている、[8]から[9]、及び[11]のいずれか一項に記載の包装容器。
[15]
前記高分子フィルムの厚みが、10から100μmである、[1]から[14]のいずれか一項に記載の包装容器。
[16]
前記高分子フィルムが、延伸ポリプロピレンフィルム、又は延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体である、[1]から[11]及び[14]のいずれか一項に記載の包装容器。
[17]
青果物の鮮度保持用に用いられる、[1]から[16]のいずれか一項に記載の包装容器。
[18]
青果物を、[1]から[17]のいずれか一項に記載の包装容器に収納してなる、青果物鮮度保持用包装体。
本発明の包装容器に青果物を収納することで、従来技術では実現できなかった高い鮮度保持機能を有する青果物鮮度保持用包装体を実現することができる。
本発明は、高分子フィルムを含んでなる包装容器であって、酸素透過度が500から50000cc/m2/day/atmであり、該高分子フィルムが少なくとも1の開口部を有し、該開口部の長さが0.5〜7mmであり、該開口部の長さのうち少なくとも0.5mmにわたって幅が10μm未満である部分が存在し、高分子フィルムの包装容器の内部側の表面の少なくとも一部にパルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレートおよびジグリセリンモノラウレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が0.002〜0.5g/m2存在する、上記包装容器である。
まず、次の方法で内寸220mm×240mmの袋を形成する。
1枚のフィルムをほぼ均等に2つ折りにし約5mm幅で、インパルスシーラー(富士インパルス社製、品番Fi−200−10WK)で加熱条件の目盛を3に設定してヒートシールを行い、当該ヒートシール辺がほぼ中央にくるようにヒートシール辺とほぼ垂直をなす辺の一方の全体を、他方の辺の一方の連通部となる端部約2cmを除く全体をヒートシールして、内寸220mm×240mmの袋を形成する。
次に前記連通部から窒素ガスを注入し、袋内が飽和状態になれば袋内のガスを連通部からほぼすべて排出する。この操作を5回繰り返した後、窒素ガスを注入して袋内を窒素ガスで飽和させて連通部を前記インパルスシーラーで同様の条件でヒートシールする。窒素ガスを飽和させた袋を22℃、相対湿度40%の空気中(1気圧、酸素濃度:21%、窒素濃度:79%)の室内に6時間放置する。
次にサンプリング針チューブで約20ccサンプリングして食品包装用ジルコニア酸素濃度計(東レエンジニアリング社製、型番LC−750F)にて袋中の酸素濃度を測定する。さらに、袋中の気体の体積を測定し、下記の式から酸素透過度を算出する。
(式) 酸素透過度=内部酸素濃度変化(%)/100×体積(cm3)×24×60/時間(360分)×10000cm2/面積(1232cm2)/0.21(酸素の分圧)
従って、上記包装容器は、全部又は収納部等の主要部が可撓性の高分子フィルムで構成された可撓性の包装容器、いわゆる包装袋であってもよく、可撓性の高分子フィルムとコーティング紙等のそれ以外の可撓性の部材を組み合わせた可撓性の包装容器であってもよく、あるいは可撓性の高分子フィルムと剛直な部材とを組み合わせた包装容器、例えば、蓋材としての高分子フィルムと、トレー、カップ等の剛直な部材とを組み合わせた形態のものであってもよい。
なお、このような包装袋は、その平面視での形状は円形、三角形、四角形、四角形以上の多角形でもよいが、加工性や取扱いの容易さの観点から長方形をなすことが好ましい。
開口部が1つのスリット状の形状の部分から構成されている場合であって、2以上の開口部が設けられる場合には、スリット状の形状の部分の長さ方向が例えば互いに垂直なるように等任意の角度で設けることができるが、ハンドリング性等の観点からスリット状の形状の部分の長さ方向が互いに略平行になるように設けることが好ましい。
また、開口部が2以上のスリット状の形状の部分を組み合わせて構成されている場合には、各々のスリット状の形状の部分を例えば、2つのスリット状の形状の部分を「十」や「X」のように互いに交差させるように設けてもよいし、3以上のスリット状の形状の部分を互いに一点で交差させるように設けてもよい。また、例えば、「T」のようにスリット状の形状の部分どうしを交差させずに互いに異なった長さ方向で、連続するように設けてもよい。この様なスリット状の形状の開口部を有することで、上記高分子フィルムを含んでなる包装容器は、22℃、40%RHでの酸素透過度が、青果物等の内容物の鮮度保持に適した、500から50000cc/m2/day/atmの範囲内、より好ましくは1000から5000cc/m2/day/atmの範囲内となる一方で、外部からの異物、例えば微細な無機物、花粉、雑菌等や雑菌等を含んだ浮遊物が包装容器内に侵入することを効果的に抑制することが可能となる。さらに、開口部を形成するスリット状の形状の部分の幅を10μm未満とすることで、最大径10μm以上の空気中の異物等の侵入を防止することができる。
上記スリット状の開口部を形成するスリット状の形状の連続する略直線部分の最大の長さは、通気性を確保する観点から、0.5〜7mmであり、好ましくは0.7〜7mmであり、より好ましくは0.8〜5mmであり、さらに好ましくは1.0〜3.0mmであり、特に好ましくは1.0〜2.0mmである。一方、上記スリット状の開口部の幅は、前記外部からの異物の侵入を防止する観点から、10μm未満であることが好ましく、より好ましくは7μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは3μm以下である。スリット状の開口部の長さが0.5mm未満では必要なガス透過性を有しない可能性があり、7mm以上では空気中の異物等が侵入する可能性がある。
なお、スリット状の開口部の幅の下限については22℃、40%RHでの酸素透過度が500から50000cc/m2/day/atmの範囲内を維持できれば特に限定はされない。
高分子フィルムを構成する高分子は、一般に主鎖方向とそれに垂直な方向とで構造、性質等が大きく異なるため、製造条件等の影響で特定の方向に配向し易い。特に、その強度等を向上させるために製造工程において延伸を行った高分子フィルムは、延伸の方向に配向することが多く、一般に結晶の主鎖方向と延伸方向とが揃う様に配向する傾向がある。
一方、横延伸においては、例えばテンターによる延伸の場合は、高分子フィルムの製造時の長手方向とは垂直の方向に延伸が行われるので、高分子フィルムの長手方向と配向方向とは直行する。
したがって、これらの構成の高分子フィルムは、フィルムの配向方向との関係に応じて、フィルム製造又は加工の際のローラーの一部に、開口部の長さ方向が上記角度が30°以上、150°以下になるように刃を設けることで効率良く製造することが可能である。
開口部の間隔は必要とされる開口部の数によるので特に制限は無いが、製造上の効率等、フィルムの強度等の観点からは、2〜200mm程度であることが好ましい。
なお、個々の開口部を構成するスリット状の形状の部分の大きさとスリット状の形状の部分の数、開口部の個数は、包装容器全体の酸素透過度が適切な限りにおいて、適宜設定、変更可能であり、その際には、高分子フィルムの有効面積に占める開口部の数が指針となる。例えば2mmの長さのスリット状の形状の部分を「X」状に交差させた開口部であって、閉じた状態では光学顕微鏡(オリンパス社製、型式SZH−131)にて倍率4倍による観察では貫通口としての幅は視認することができないものを設ける場合、200mm×200mmの包装容器に対して1つ存在するごとに約1000cc/m2/day/atmの酸素透過度を上げる効果があり、この様な知見に基づき必要とされる包装容器全体の酸素透過度からスリット開口部の数を決めることが好ましい。
包装容器の酸素透過度が上記の範囲にあるとき、当該包装容器に青果物等を収納してなる鮮度保持用包装体の内部の酸素濃度は、収納される青果物等の条件にもよるが、葉物野菜には、好ましくは0.5〜5体積%と、青果物の鮮度保持に適した値となるので好ましい。一般に酸素濃度0.5体積%未満では野菜にアルコール臭が発生し、5体積%以上では褐変が大きいとされる。
特定化合物が、高分子フィルムの少なくとも一方の表面に0.002〜0.5g/m2存在することで、高分子フィルムの表面での結露による雑菌等の繁殖が抑制され、高い抗菌性を有する高分子フィルムが得られる。該高分子フィルムは、抗菌性の観点から、特定化合物を0.001〜3質量%含有することが好ましい。また、該高分子フィルムは、抗菌性の観点から、JISZ2801に準じた抗菌試験を、大腸菌を用いて行う時、高分子フィルムの表面の状態を保つためにアルコールによる拭き取りを行わない条件下において、24時間後の高分子フィルムの少なくとも一方の表面の生菌数が1/100倍以下であることが好ましい。
この様な特定の大きさ、形状の開口部と、特定量の特定化合物との組み合わせが高い鮮度保持機能を実現するメカニズムは必ずしも明らかではないが、開口部の幅が10μm未満である部分を有することにより外部からの異物の侵入を防止され、かつ、特定量の界面活性作用を有する特定化合物が存在することで、結露、水滴による雑菌等の繁殖が有効に防止されることと何らかの関連があるのでは無いかと推定される。すなわち、有機物及び雑菌を一定量以上含み得る外部からの異物と、結露により生じた水滴とが組み合わさることで、雑菌が特に繁殖し易い環境が実現され得るところ、その各要素である異物の侵入の可能性と、結露による雑菌等の繁殖の可能性とを極限まで低減することで、従来技術の予測を超えた高い鮮度保持機能が実現されるものと推定される。
ステアリルジエタノールアミン;18個;51℃
パルミチルジエタノールアミン;16個;28℃
ミリスチルジエタノールアミン;14個;22〜23℃
ラウリルジエタノールアミン;12個;常温で液体。
高分子フィルムの表面における特定化合物の量は、コート法により表面に特定化合物を付与する場合は、特定化合物のコート量から算出した値である。特定化合物が高分子フィルム内に配合されている場合には、高分子フィルムの表面における特定化合物の量は、高分子フィルムの表面を、ジクロロメタンを用いて洗浄し、洗浄液を回収し、濃縮して定容した後、シリル化し、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)を用いて定量した値である。
本発明の包装容器を構成する高分子フィルムは、ポリエチレングリコール(PEG)を0.001〜1質量%の割合で含有することが、特定化合物のブリードアウトの促進の観点から好ましい。該割合は0.010〜0.500質量%がより好ましく、0.030〜0.400質量%がさらに好ましく、0.040〜0.300質量%が特に好ましい。ポリエチレングリコール(PEG)の重量平均分子量は特に限定されないが、成形時の加熱による特定化合物の揮発の抑制の観点から、50,000以上であることが好ましい。特定化合物による鮮度保持性および抗菌性をより効果的に発現させる観点から、ポリエチレングリコール(PEG)は特定化合物が存在する層中に含まれることが好ましい。
前記プロピレン系重合体としては、ポリプロピレンの名称で製造、販売されているプロピレン単独重合体(ホモPPとも呼ばれている)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(ランダムPPとも呼ばれている)、プロピレン単独重合体と、低結晶性または非晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体との混合物(ブロックPPとも呼ばれている)などのプロピレンを主成分とする結晶性の重合体が挙げられる。また、プロピレン系重合体は、分子量が異なるプロピレン単独重合体の混合物であってもよく、プロピレン単独重合体と、プロピレンとエチレン又は炭素数4から10のα−オレフィンとのランダム共重合体との混合物であってもよい。
本発明の延伸ポリプロピレンフィルムは少なくとも一方向に延伸されたフィルムから構成されていてもよいし、延伸ポリプロピレンフィルム自体が少なくとも一方向に延伸されていてもよい。また、延伸ポリプロピレンフィルムとして二軸延伸フィルムを得る場合には、例えば逐次、あるいは同時二軸延伸することにより容易に製造することも可能である。本発明の延伸ポリプロピレンフィルムとして二軸延伸フィルムを得る場合には、通常、縦方向に5〜8倍延伸し、続いて横方向にテンター機構を用いて8〜10倍延伸し、フィルムの厚さを最終的に20〜40μmとする方法、あるいは、縦方向及び横方向に夫々5〜10倍(面倍率で25〜100倍)延伸することにより製造することができる。
前記エチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体、エチレンを主要モノマーとし、それと炭素数3から8のα−オレフィンの少なくとも1種類以上との共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、そのケン化物及びアイオノマーが挙げられる。具体的には、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体などのエチレンを主要モノマーとし、これと炭素数3から8のα−オレフィンの少なくとも1種類以上との共重合体が挙げられる。これらの共重合体中のα−オレフィンの割合は、1〜15モル%であることが好ましい。
本発明で好適に用いられるポリエチレン系フィルムは、前記エチレン系重合体を含むフィルムである。本発明のポリエチレン系フィルムは種々の公知の成型方法を用いることができるが、エクストルーダーによる押出によるキャスト成型が、生産効率の観点から好ましい。
ナイロン6、ナイロン66等からなるポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルからなるフィルム、ポリカーボネートフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィン及びポリL乳酸、ポリD乳酸、またはポリL乳酸とポリD乳酸を精密に配位したステレオコンプレックス晶ポリ乳酸からなる一軸あるいは二軸延伸フィルムである。
本発明の延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体は上記ポリエチレン系フィルムの層と延伸フィルムの層を積層して得られる。ポリエチレン系フィルムは一方向または二方向に延伸されていてもよいが、包装袋の機械的強度の安定性の観点から、無延伸フィルムであることが好ましい。
予め作製された延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとを接着剤により貼着させるドライラミネーションを行うが、ここで接着剤を塗布する延伸フィルム表面にはコロナ処理をしておくことが接着安定性の観点から好ましい。具体的には、コロナ処理後のフィルム表面の表面張力が接着安定性の観点から、35mN/m以上が好ましく、40mN/m以上がより好ましい。
この場合、延伸プロピレンフィルム単体で用いる場合は、その厚さが10〜100μmであることが好ましく、延伸ポリプロピレンフィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体を用いる場合には、前者の厚さが10〜50μm、後者の厚さが10〜120μmであることが好ましい。
この実施形態において包装容器に収納され鮮度保持される青果物には特に制限は無いが、例えばバナナ、マンゴー、ウメ、リンゴ、イチゴ、ミカン、ブドウ、和梨、西洋梨のような果実類、ダイコン、ニンジン、ナガイモ、ゴボウのような根菜類、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、エダマメ、オクラのような果菜類、緑豆モヤシ、大豆モヤシ、トウミョウのような芽物類、シイタケ、シメジ、エリンギ、マイタケ、マツタケのような菌茸類(キノコ類)、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ、キャベツ、レタス、アスパラガスのような葉茎菜類、キク、ユリ、カーネーション等の花卉または苗が挙げることができる。
従って、青果物は収穫されたままのものであってもよく、外葉等を除去したいわゆる前処理済みのものであってもよく、カット済みのいわゆるカット野菜であってもよい。また、青果物は、洗浄、冷却、脱水等の処理のいずれか又は全てを行ったものであってもよく、またこれらの処理のいずれも行わないものであってもよい。
以下、本実施形態の青果物鮮度保持用包装体の製造方法を、カット野菜の鮮度保持用包装体を例に説明する。
また、カット幅が狭いほど、切断面積が増加し、鮮度保持がより困難になるため、鮮度保持の観点からは、需要の形態に適合する限りにおいてカット幅が広い方が好ましい。
更に、カット野菜に当初から雑菌が多く付着していると、鮮度保持がより困難になるため、カット野菜をよく洗浄するなどして、雑菌の付着をできるだけ低減することが好ましい。洗浄は、雑菌の付着を低減するばかりか、活性の高い酵素等を含み変色等の原因となりうる細胞液等を除去する効果もあるため、鮮度保持のために特に有効である。
加えて、洗浄後にカット野菜表面に付着した水分を十分に除去することが、鮮度保持のために重要である。洗浄後静置して水切りを行っても、カット野菜表面にはなお多くの水が付着している場合が多いので、遠心脱水機等を用いて水分を除去することが有効である。
また、流通の過程での効率向上やスペース節約、特定の気体の排除等の観点からも、包装容器の封止後に脱気を行うことが好ましい。
上述の様に、本発明の包装容器を構成する高分子フィルム中の開口部はスリット状の断面形状を有するので、機械的圧力をかける等の比較的簡便な手段で、スリットの中央部の幅を拡げて気体透過性を顕著に増大させることが可能であり、これにより包装体を比較的容易にかつ短時間で脱気することが可能である。
例えば、青果物に加えて、吸湿剤、及び/又は抗菌剤が包装容器中に収納されていてもよい。
吸湿剤には特に限定は無く、吸湿効果または調湿効果を有する公知又は市販の材料を使用することができる。吸湿剤として好適に用いられるものとしては、例えば、活性炭、シリカゲル、アルミナゲル、シリカアルミナゲル、無水硫酸マグネシウム、ゼオライト、合成ゼオライト、酸化カルシウム、塩化カルシウム、及び、焼ミョウバン、又はこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でも、青果物への影響や食品である青果物等の近くで使用することに関する懸念の比較的少ない活性炭を用いることが特に好ましい。活性炭は粉末状、粒状どちらでも何ら差し支えなく、原料はヤシ殻、おがくず、木炭、竹炭、褐炭、泥炭、ほね、石油ピッチなどどんなものでも差し支えない。また活性炭は不織布、セロファン、紙などなどで使用単位毎に包装してあることが望ましいが、活性炭自体が繊維状になったものでも差し支えない。活性炭の包材としては、合成樹脂からなる不織布のように、ヒートシール性を有するものが好ましいが、水蒸気透過性を有しかつ活性炭がこぼれないもので有れば、紙、天然繊維などでも何ら問題ない。
(フィルム開口部の形状)
光学顕微鏡(オリンパス社製、型式SZH−131)により4倍の条件で、フィルム中に設けられた開口部の形状を観察し、開口部の長さ及び幅を測定した。
(酸素透過度)
まず、次の方法で内寸220mm×240mmの袋を形成した。
1枚のフィルムをほぼ均等に2つ折りにし約5mm幅で、インパルスシーラー(富士インパルス社製、品番Fi−200−10WK)で加熱条件の目盛を3に設定してヒートシールを行い、当該ヒートシール辺がほぼ中央にくるようにヒートシール辺とほぼ垂直をなす辺の一方の全体を、他方の辺の一方の連通部となる端部約2cmを除く全体をヒートシールして、内寸220mm×240mmの袋を形成した。
次に前記連通部から窒素ガスを注入し、袋内が飽和状態になってから袋内のガスを連通部からほぼすべて排出した。この操作を5回繰り返した後、窒素ガスを注入して袋内を窒素ガスで飽和させて連通部を前記インパルスシーラーで同様の条件でヒートシールした。窒素ガスを飽和させた袋を22℃、相対湿度40%の空気中(1気圧、酸素濃度:21%、窒素濃度:79%)の室内に6時間放置した。
次にサンプリング針チューブで袋内のガスを約20ccサンプリングして食品包装用ジルコニア酸素濃度計(東レエンジニアリング社製、型番LC−750F)にて袋中の酸素濃度を測定した。さらに、袋中の気体の体積を測定し、下記の式から酸素透過度を算出した。
(式)酸素透過度=内部酸素濃度変化(%)/100×体積(cm3)×24×60/時間(360分)×10000cm2/面積(1232cm2)/0.21(酸素の分圧)
(特定化合物の存在量)
高分子フィルムの表面を、ジクロロメタンを用いて洗浄し、洗浄液を回収し、濃縮して定容した後、シリル化し、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)を用いて定量した。
JISZ2801に準じて抗菌試験を、大腸菌(Escherichia coli)を用いて行った。但し、鮮度保持フィルムの表面の状態を保つためにアルコールによるふき取りは行わなかった。
1/500普通ブイヨン培地に大腸菌(Escherichia coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、サルモネラ菌(Salmonella)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)をそれぞれ規定数量(JIS試験で0.4cc用いたブイヨン)入れて評価対象である4cm角の高分子フィルム表面に滴下して、ポリエチレンフィルムとの間に挟み込んだ。35℃で24時間経過した後に高分子フィルム表面を洗浄し、上記普通ブイヨン培地を含む洗浄液を回収し、それを、普通寒天培地を用いて培養してコロニーの数をカウントした。
即ち、顕微鏡下で菌の個数をカウントすることは困難なため、コロニーの数を、目視によりカウントし、その1グラム(g)あたりのコロニーの数を生菌数CFU(colony forming unit)(単位[個/g])とした。また2枚の特定化合物が配合されていないポリエチレンフィルムの間に挟み込んだサンプルをコントロール(Control)として、比較の基準とした。
(臭い)
包装体の封を開けた時に顔を近づけて内部のにおいを嗅いでn=3で官能評価した。
判定基準は以下のとおりである。
なし:臭わない。
少しあり:少し臭う
あり:臭う
かなりある:かなり臭う
すごくある:すごく臭う
(褐変)
包装体の封を開けて、内容物を並べ、断面を中心に全体的な褐変部分の面積を目視にてn=3で評価した。
判定基準は以下のとおりである。
大きい:褐変面積が大きい
小さい:褐変面積が小さい
(賞味期限)
上記(抗菌試験)に記載の方法と同様にして生菌数を測定した。
生菌数が105を超えた日に賞味期限を過ぎたと判断し、105未満が確認できた最終日を賞味期限とした。
以下のプロピレン系重合体の原料を用いて3層の延伸フィルム(表面層/中間層/裏面層)を作成した。
(1−1)中間層
中間層の材料には、プロピレン単独重合体(融点(Tm)=160℃、MFR=3g/10分(株式会社プライムポリマー社製))を用いた。
(1−2)表面層及び裏面層
表面層及び裏面層の材料には、プロピレン・エチレンランダム共重合体(融点(Tm)=138℃、MFR=7g/10分(株式会社プライムポリマー社製))を用いた。
前記材料を用いた裏面層/中間層/表面層の三層フィルムを二軸延伸機で連続成形し、多層延伸フィルムからなる鮮度保持フィルムを製造した。更に、コロナ面の濡れ指数が38dynとなるように、裏面層の表面に対しコロナ処理を行った。
ステアリルジエタノールアミンをはじめとする化合物は中間層の原料に予め配合した。すなわち、中間層にはステアリルジエタノールアミンを含む下記の化合物がそれぞれ表1に示される割合で配合された上記プロピレン単独重合体を用いた。なお、その配合には下記の化合物(いずれも、理研ビタミン株式会社製(製品名リケマールシリーズ)の試薬)のイソプロピルアルコール溶液を利用してマスターバッチを調製して、それを利用した。
マスターバッチの組成
ステアリルジエタノールアミン 1.6質量%
ステアリルジエタノールアミンモノステアレート 4.0質量%
グリセリンモノステアレート 2.0質量%。
得られた3層の延伸フィルム(表面層/中間層/裏面層)は、層厚み比が5/90/5であり、全層の厚さは30μmであった。また、延伸条件は以下のとおりであった。
延伸温度
縦延伸:100℃
横延伸:165℃
ヒートセット温度:165℃
ヒートセット時間:10秒。
得られた3層の延伸フィルムの表面層の表面には、ステアリルジエタノールアミンが0.005g/m2存在していた。この三層の延伸フィルムの評価結果を表1に示す。
製造例2及び3はステアリルジエタノールアミン等の量を表1のとおり変更した他は、製造例1と同様にして行った。
表1に示す結果から明らかなようにフィルム表面にステアリルジエタノールアミンが0.002mg/m2を超える量で存在する製造例1の高分子フィルムのみが、大腸菌に対する抗菌性能を発揮し、即ちcontrolに比して1/100以下の24時間後の菌数を実現することができた。
本製造例1について更に黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオについもて評価を行ったところ、同じく表1に示す高い抗菌性を確認することができた。
以下、上記実験で得られた抗菌性のあるフィルム(製造例1)をフィルムA、抗菌性のまったく確認できなかったフィルム(製造例3)をフィルムBとして、これらを用いて包装容器を作製した。
ロール上に設けた金属製の刃(ロールの軸方向:2mmピッチ、ロールの周方向:2mm幅、刃長さ:30μm)を用いて、厚さ30μmのフィルムA、又はBに、2mm間隔でスリット状の開口部を形成した。
その後、当該フィルムA、又はBと、上記スリット状の開口部が形成されていない同一厚みのフィルムA、又はBとを重ね合わせて、3辺をヒートシールで封止のうえ切断して、1辺が未封止の包装袋(220mm×240mm、内寸の面積:1232cm2)を作製した。
包装袋1袋当たり120個のスリット状の開口部が形成された。開口部の形状は、ほぼ直線形であり、長さ(ロールの軸方向)2mm、であり、光学顕微鏡(倍率4倍)で観察したがスリット状開口部の貫通口の幅は視認することはできなかった。但し、スリット状の開口部全体にいきわたるように赤色浸透液(三菱ガス化学株式会社製、商品名:エージレスシールチェックスプレー)を包装容器内に注入後、インパルスシーラーで加熱条件の目盛を3に設定し、約5mm幅でヒートシールして、紙(コクヨ PPC用紙 共用紙 A4)を押しあてたところ、幅2mmのスリットに沿ってインクが転写したことから、スリット部が貫通していることが確認できた。ここで、前記インクの転写による貫通確認ができたものを「○」、できなかったものを「×」とした。以下同様とする。
同じ刃を用いてバッチで包装袋あたりのスリット数が1個、5個のサンプル袋を形成した。
酸素透過度の測定結果は下表2のとおりであり、スリット数を変えることで広範な酸素透過度が簡易な設備で得られることが分かる。参考例として、スリットを有さないサンプル袋について同様の評価を行った結果を併せて表2に示す。
またフィルムA、Bにスリット処理したフィルムを用いた包装容器一個あたりのスリット数を付記し、以下では、A−0、A−1、A−5、A−120、B−0、B−1、B−5、B−120と称する。
(2−1)中間層
中間層の材料には、ステアリルジエタノールアミンが0.1質量%(1000ppm)配合された、エチレン・1−ヘキセン共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(三井化学株式会社製、密度:0.920g/cm3、MFR:4.0g/10分、融点:117.3℃、重量平均分子量(Mw):71,700、分子量分布(Mw/Mn):2.48)を用いた。
(2−2)表面層及び裏面層
裏面層の材料には、下記(a)が0.1質量%(1000ppm)、及び下記(b)が0.1質量%(1000ppm)配合された前記LLDPEを用いた。また、表面層の材料には、下記(a)が0.1質量%(1000ppm)、下記(b)が0.1質量%(1000ppm)、及びステアリルジエタノールアミンが0.1質量%(1000ppm)配合された前記LLDPEを用いた。
(a)シリカ(富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア730(平均粒径3μm)
(b)エルカ酸アミド(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名:ATMERSA1753)。
前記材料を用いて、表面層/中間層/裏面層の3層フィルムをキャスト法により溶融成形した。成形条件は以下の通りである。
成形条件
押出機のダイス温度:200℃
チル温度:50℃。
3層フィルムの厚さの比率は表面層/中間層/裏面層=1/3/1であり、全体の厚みは30μmであった。得られた3層フィルムの裏面層の表面をコロナ処理した。コロナ処理された表面の濡れ指数が38dyn以上であることを、和光純薬株式会社製の濡れ張力試験用混合液NO.38.0を用いて確認した。この3層フィルムを用いて、大腸菌についての抗菌試験とヘイズの測定を行った(製造例4)。このフィルムをフィルムCとした。結果を表2に示す。
表面層にステアリルジエタノールアミンを配合しない以外はフィルムCと同様に行った(製造例5)。このフィルムをフィルムDとした。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、内容物が接触する表面層の表面にステアリルジエタノールアミンが5×10−3g/m2の割合で存在している製造例4は、大腸菌に対して優れた抗菌性を示した。
実施例1及び比較例1で作製したスリット数が0、1、5、120の包装容器に次亜塩素酸処理(100ppm、5分)により菌数を低減したカットレタス100gを封入し、ヒートシール後5℃の冷暗所で保管した。0、1、5、及び7日目に酸素濃度及びカットレタス中の生菌数を測定した。窒素充填しているため初期酸素濃度は0.1%以下であり、その後フィルムのガス透過とレタスによる呼吸の結果により変化した。7日目に開封し、内容物の観察をおこなった。その結果、スリット数に応じて包装袋内部の酸素濃度が変わり、また抗菌性能有無に応じて、生菌数の増加に見られた。
結果を表4に示す。レタスは酸素濃度が0.5〜1.0%で保管された包装形態の方が褐変が小さく、菌数の増加が抑えられていた。その中でも実施例1で作製した抗菌性のフィルムを用いた包装容器の方が菌数増加が小さかった。一般に菌数管理基準は105以下としており、実施例1で作製した包装容器の方が賞味期限が延びた。
・接着剤 ウレタン系アルコール型ドライラミネート用接着剤
東洋インキ製 AD−393/CAT−EP1
・溶剤 イソプロピルアルコール(IPA)
・配合比 AD393/EP−1/イソプロピルアルコール(IPA)=15/1/11(固形分濃度:30%)
・乾燥条件 70℃×1分
・塗布量 3g/m2
上記ラミフィルムの抗菌試験結果は下表5のとおりであった。
実施例1の30μmのOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムに代えて20μmのOPPと30μmのポリエチレンの積層フィルムEF又はEG(総厚み50μm)を用いて、スリット加工の刃長さも同じく50μmとして包装容器作製を行った。その結果、得られた包装容器の酸素透過を下表6に示す。
内容物としてレタスに代えてアスパラガスを用い、上記包装容器内に収納して包装体を作製した。アスパラガスをラミ構成としたのはレタスに比べてかさあたりの重量が大きく、OPPでは破袋するおそれがあったからである。レタスの呼吸量がCO2換算10−20mg/kg/hであるのに対してアスパラガスは約5倍のCO2換算100−120mg/kg/hとなる。そのため窒素充填しないで空気雰囲気で充填した。
その結果、下表7に示すように、先のレタスとは大きく異なる結果となった。
酸素濃度が0.5%以下では臭いが悪くなり、菌数の増加、ひいては賞味期限が短縮化が見られた。
アスパラガスは褐変も起きないので、スリット加工により最適な酸素濃度0.5%以上とすることで臭い、褐変、一般生菌数と言った鮮度が保たれた。更に抗菌性のフィルムと組み合わせた方が臭い、褐変、一般生菌数と言った鮮度が良かった。
Claims (18)
- 高分子フィルムを含んでなる包装容器であって、22℃、40%RHでの酸素透過度が500から50000cc/m2/day/atmであり、該高分子フィルムが少なくとも1の開口部を有し、該開口部の長さが0.5〜7mmであり、該開口部の長さのうち少なくとも0.5mmにわたって幅が10μm未満である部分が存在し、高分子フィルムの包装容器の内部側の表面の少なくとも一部にパルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレートおよびジグリセリンモノラウレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が0.002〜0.5g/m2存在する、上記包装容器。
- 更に前記高分子フィルムの包装容器の外部側の表面の少なくとも一部にパルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレートおよびジグリセリンモノラウレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が0.002〜0.5g/m2存在する、請求項1に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが、前記化合物を合計で0.001〜3質量%含有する、請求項1又は2に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムの少なくとも一方の表面の濡れ指数が35dyn以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが、さらにミリスチルジエタノールアミンモノステアレートおよびステアリルジエタノールアミンモノステアレートの少なくとも一方を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが、前記包装容器の内側の面から厚さ方向に向けて、全体の厚みに対して50から90%の範囲に前記化合物が含まれるものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが2層以上からなり、前記包装容器の内側に位置する層にのみ前記化合物が含まれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記開口部が少なくとも1のスリット状の形状の部分を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記開口部が2のスリット状の形状の部分を有し、該2のスリット状の形状の部分が互いに交差している、請求項8に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが少なくとも一方向に配向している、請求項1から9のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記開口部を構成する前記スリット状の形状の部分の少なくとも1つの長さ方向が、前記高分子フィルムの結晶の配向方向に対して30°以上150°以下で配置されている、請求項10に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが、ポリエチレン系フィルム層を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記包装容器の内側の面から厚さ方向に向けて、前記ポリエチレン系フィルム層の密度が大きくなる、請求項12に記載の包装容器。
- 前記開口部を形成するスリット形状で最大の長さを有する長さ方向が、前記高分子フィルムの製造時の長手方向に対して30°以上150°以下で配置されており、かつ、複数の該開口部が、該長手方向に間隔を置いて設けられている、請求項8から9、及び11のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムの厚みが、10から100μmである、請求項1から14のいずれか一項に記載の包装容器。
- 前記高分子フィルムが、延伸ポリプロピレンフィルム、又は延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体である、請求項1から11及び14のいずれか一項に記載の包装容器。
- 青果物の鮮度保持用に用いられる、請求項1から16のいずれか一項に記載の包装容器。
- 青果物を、請求項1から17のいずれか一項に記載の包装容器に収納してなる、青果物鮮度保持用包装体。
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