JP7010346B1 - 青果物鮮度保持袋、青果物包装体および青果物の鮮度保持方法 - Google Patents

青果物鮮度保持袋、青果物包装体および青果物の鮮度保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バックシーリングテープにより閉じられた際に、良好な鮮度保持効果が得られる青果物鮮度保持袋を提供すること。【解決手段】青果物鮮度保持袋は、樹脂フィルムを用いて形成され、当該青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をしたとき、(1)伸び率10~50%に降伏点を有し、(2)引張弾性率が300~2000MPaであり、開口部がバックシーリングテープにより閉じられるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、青果物鮮度保持袋、青果物包装体および青果物の鮮度保持方法に関する。より具体的には、青果物鮮度保持袋、その袋により青果物を包装した青果物入りの包装体、および、その袋を用いた青果物の鮮度保持方法に関する。
従来、野菜、果物などの青果物の多くは袋体に詰められ、その多くは青果物が飛び出さないよう開口部が綴じられた状態で販売されている。このような青果物を詰めた包装体の開口部を綴じる方法としては、例えば、粘着性を有するバッグシーリングテープや輪ゴム等を用いて綴じることが知られている。
一方、野菜、果物等の青果物は、収穫された後も呼吸作用を持続している。このため、収穫後の貯蔵、流通または保存中に、青果物自身の呼吸によりエネルギーを消費し鮮度劣化を引き起こす。そこで、青果物の鮮度保持方法としては、青果物の呼吸を適度に抑制して鮮度を保持する方法が知られている。このような青果物の鮮度保持に使用される包装袋は、MA(Modified Atmosphere)包装として知られている。
例えば、特許文献1には、テープなどを用いなくても袋体の開口部をねじるだけで青果物を収納できる鮮度保持用包装袋が開示されている。具体的には、特許文献1に開示される包装袋の曲げ剛性は、縦方向、横方向ともに、0.02gf・cm/cm以上0.18gf・cm/cm以下である。
特開2018-177243号公報
しかしながら、特許文献1に開示される鮮度保持包装袋の開口部をバックシールした場合、鮮度保持効果の点で改善の余地があることが判明した。そこで、本発明者らは、新たにバックシーリングテープ用の鮮度保持包装袋の開発に着目し、鮮度保持包装袋を構成する樹脂フィルムの剛性を適切に制御することが有効である知見を得た。さらに検討をしたところ、鮮度保持包装袋が引張試験において適度な伸び率において降伏点を有すること、および引張弾性率を特定することで、バックシール部の隙間が大きくなりすぎて外気が包装袋内に流入しやすくなることを抑制し、その結果、MA包装機能を活かした良好な鮮度保持効果(MA効果)が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
樹脂フィルムからなる青果物鮮度保持袋であって、
当該青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をしたとき、
(1)伸び率1530%に降伏点を有し、
(2)引張弾性率が4001000MPaであり、
前記樹脂フィルムは、ポリアミド樹脂を含むフィルムを有し、
当該青果物鮮度保持袋の23℃、60%RHの雰囲気下における酸素透過量が2cc/m ・day・atm以上、1000cc/m ・day・atm以下であり、
開口部がバックシーリングテープにより閉じられるように構成された、青果物鮮度保持袋が提供される。
また、本発明によれば、
上記の青果物鮮度保持袋から内部に青果物を収容し、当該青果物鮮度保持袋の開口部がバックシーリングテープで閉じられた、青果物包装体が提供される。
また、本発明によれば、
上記の青果物鮮度保持袋の内部に青果物を収容し、当該青果物鮮度保持袋の開口部をバックシーリングテープで閉じて青果物を保存する、青果物の鮮度保持方法が提供される。
本発明によれば、バックシーリングテープにより閉じられた際に、良好な鮮度保持効果が得られる青果物鮮度保持袋が提供される。
実施例1の青果物鮮度保持袋の引張試験結果を示す図である。 比較例2の青果物鮮度保持袋の引張試験結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
<青果物鮮度保持袋>
本実施形態の青果物鮮度保持袋は、樹脂フィルムを用いて形成され、当該青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をしたとき、
(1)伸び率10~50%に降伏点を有し、
(2)引張弾性率が300~2000MPaである。
さらに、本実施形態の青果物鮮度保持袋は、その開口部を水平方向に約540度ねじった後、バックシーリングテープにより閉じられるように構成されている。これにより、バックシーリングにより青果物鮮度保持袋の開口部が適切に閉じられるようになり、良好な鮮度保持効果が得られる。また、本実施形態の青果物鮮度保持袋は、バックシーリングの際にねじりや引張などの応力に対しても適度な強度を有するため、強い強度で開口部を閉じることができ、鮮度保持効果が安定的に得られる。
なお、青果物鮮度保持袋の開口部とは、いわゆる袋口であり、青果物を出し入れするための開口を意図し、後述の貫通孔とは異なるものである。
バックシーリングテープは、一般的に、一方の面が粘着面であり、テープの長さ方向両端を粘着面同士で互いに固定するとともに、テープの両端以外の領域の粘着面にて袋口を結束すること(合掌貼り)により、袋の開口部をシールするように使用されるものである。また、バックシーリングテープの材質としては、例えば、ポリプロピレンフィルム製やセロファン製のものが挙げられる。本実施形態の青果物鮮度保持袋は、公知のバックシーリングテープを用いることができる。
[引張試験]
本実施形態の青果物鮮度保持袋は、青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をしたとき、以下の(1)、(2)を満たす。
(1)伸び率10~50%に降伏点を有する。
(2)引張弾性率が300~2000MPaである。
すなわち、本実施形態の青果物鮮度保持袋は、上記引張試験において、伸び率10~50%の間に、応力-ひずみ曲線(S-Sカーブ)を有する。言い換えると伸び率10~50%の間に、応力が歪とともに急激に低下する(下降伏)、または下降伏が起こらず傾きが小さくなる現象が起こることで降伏点を有するものの、降伏した後でも、破断は生じず、応力が増加もしくはほぼ一定値で推移する特性を有する。これにより、バックシーリング時の引張荷重に対し柔軟に変形しつつも良好な耐久性が得られるようになり、適切にバックシールされるため、本実施形態の鮮度保持包装袋による鮮度保持効果が安定的かつ効果的に発揮できるようになると推測される。
引張試験は、JIS K 7127の1号ダンベル試験片とし、当該ダンベル試験片について機械強度測定器を用いて、23℃で、引っ張り速度を2mm/分として行われる。
また、底辺に平行な方向とは、青果物鮮度保持袋の開口部(袋口)を上向きとしたとき、下側となる辺または辺を含む領域(底面)と平行であり、通常、水平方向となる。
上記(1)において、降伏点は、好ましくは伸び率12~48%にあり、より好ましくは伸び率14~46%にあり、更に好ましくは15~30%にある。
上記(2)において、引張弾性率は、好ましくは320~1800MPaであり、より好ましくは340~1500MPaであり、更に好ましくは400~1000MPaである。
これにより、鮮度保持効果が安定的に得られるとともに、バックシーリングの際にねじりや引張などの応力に対しても適度な強度を有し、耐破袋性を向上できる。
さらに、本実施形態の青果物鮮度保持袋は、当該引張試験において、以下の(3)を満たすことが好ましい。
(3)降伏点応力が12~100MPaである。
これにより、青果物鮮度保持袋の伸び性と剛性のバランスが良好になり、鮮度保持効果が一層得られやすくなる。
上記(3)において降伏点応力は、好ましくは15~95MPaにあり、より好ましくは18~90MPaにある。これにより、バックシーリング後の経時でのネジリ戻りにより、閉じられた開口部に空間(隙間)ができ外気(酸素)が流入することを抑制できる。
本実施形態の青果物鮮度保持袋が、上記(1)~(3)を満たすようにするためには、樹脂フィルムの材料の選択や層構造の組み合わせ、材料に応じた樹脂フィルムの製造方法を工夫する等して実現することができる。例えば、樹脂フィルムに延伸処理を施してもよい。
また、本実施形態の青果物鮮度保持袋は、青果物を収容してバックシーリングした後、20℃で保管したとき、24時間後の袋内酸素濃度(%)が、20%未満であることが好ましく、19%以下であることがより好ましく、18%以下であることがさらに好ましい。
これにより、青果物の呼吸を低く抑え、良好な鮮度保持効果が得られるようになる。
[樹脂フィルム]
(原材料)
樹脂フィルムは、青果物を外部から視認できる観点から、透明または半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。また、青果物を特定する目的などの印刷が施されたものであってもよい。
樹脂フィルムを構成する合成樹脂は、青果物の包装に用いることができるものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。
例えば、各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ乳酸などのポリエステル樹脂などが挙げられる。これらはホモポリマーであってもよく、2種類以上のコポリマーであってもよく、これらホモポリマーやコポリマーを2種類以上含むものであってもよい。
上記各種ポリエチレンおよびエチレン共重合体の具体例としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン-直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-α-オレフィンコポリマーなどのコポリマーあるいはアイオノマーなどが挙げられる。これらは1種または2種以上含んだものでもよく、これらと他の樹脂とを混合したものであってもよい。
上記ポリアミド樹脂としては、ナイロンが挙げられる。ナイロンは、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン6・T、ナイロン6・I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ポリメタキシリレンアジパミド(MXDナイロン)、等を、単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12およびナイロン66の単独または二種以上の組み合わせが好ましく、ナイロン6およびナイロン66の単独または二種以上の組み合わせがさらに好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)は、通常、エチレンと、若干量のα-オレフィンとの共重合体である。α-オレフィンの種類は特に限定されない。典型的なα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-1、1-オクテンなどの、炭素数3~10のα-オレフィンを挙げることができる。
例えば、青果物鮮度保持袋に包装される青果物が重量物である場合、無延伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、無延伸ナイロン、延伸ナイロン、延伸ポリエステルなどのフィルムに対し、ポリエチレンをドライラミネーション、押し出しラミネーション、共押し出しにより多層フィルムとしたものを用いることが好ましい。
また、合成樹脂フィルムに、延伸処理やアニーリングなどを施してもよく、さらに、シーラント層を設けたものでもよい。なかでも、延伸処理を施すことにより、合成樹脂フィルムの剛性、耐ピンホール性、水蒸気・酸素バリア性、および見栄えを向上できる。例えば、延伸ナイロン、延伸ポリ乳酸、延伸ポリスチレンであることが好ましい。
樹脂フィルムは、必要に応じて、防曇剤、アンチブロッキング剤、熱安定剤、滑剤、耐衝撃改良剤、加工助剤、静電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐侯劣化防止剤、充填剤、顔料などの添加剤を樹脂フィルムの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
上記防曇剤の具体例としては、グリセリンラウレート、ジグリセリンラウレート、デカグリセリンラウレート、グリセリンモノステアレート、ソルビタンステアレート等が挙げられる。
上記アンチブロッキング剤としては、シリカ、アルミナ、アルミナシリケート、および珪藻土等の微粒子無機化合物;ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、および架橋ポリメチルメタクリレート等の微粒子状有機化合物等が挙げられる。なかでも、鮮度保持効果を保持する観点から、微粒子無機化合物が好ましく、シリカがより好ましい。
樹脂フィルムを得る方法は特に限定されない。樹脂フィルムを得る方法の例としては、押出、インフレーション、カレンダーリング等の公知の方法が挙げられる。
樹脂フィルムは、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
(多層フィルム)
樹脂フィルムの機能性を高める観点から、多層であることが好ましい。多層とすることで、樹脂フィルムの表面層に滑り性等の機能を付加することができ、これにより、樹脂フィルムのハンドリング性を良好にし、伸び性と剛性のバランスに優れた青果物鮮度保持袋を安定的に得られるようになる。その結果、バックシーリングによっても鮮度保持効果が良好に得られる包装袋が得られやすくなる。また、例えば、樹脂フィルムを二層または三層構造とし、アンチブロッキング剤を含む層を少なくとも一方の表面層とすることで、滑り性を得ることができる。
樹脂フィルムが多層の場合、各層のベースとなる樹脂は、互いに同じであってもよく、異なるものであってもよい。層間の良好な密着性を得る観点からは、各層は同じ樹脂を用いていることが好適である。
樹脂フィルムが多層の場合、各層の厚みは、互いに同じであってもよく、異なるものであってもよい。例えば、三層構造の場合、中間層の厚みを最も高くし、表面層の厚みを低くしてもよい。表面層は、樹脂フィルム全体厚に対して、10~20%であることが好ましく、12~17%であることがより好ましい。これにより、柔軟性と剛性のバランスを良好にし、バックシーリング用の良好なMA包装が得られる。
多層フィルムを得る方法としては、ドライラミネーション、押出ラミネーション、共押出、塗布などの公知の方法を適宜用いることができる。層間の密着性を向上したり、層厚みを制御する観点からは、共押出とすることが好適である。
(透湿度)
樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける透湿度は50~400g/(m・24h)であることが好ましく、100~350g/(m・24h)であることがより好ましく、120~320g/(m・24h)であることがさらに好ましい。
樹脂フィルムの透湿度を上記下限値以上とすることにより、カビの発生を抑制しやすくなる。
一方、樹脂フィルムの透湿度を上記上限値以上とすることにより青果物の萎れ、変色、発芽を抑制しやすくなる。
なお「萎れ」とは、青果物の表面にくぼみやしわが発生した状態を意味する。
透湿度は、JIS Z0208(カップ法)に準拠した方法によって測定することができる。
本発明において、樹脂フィルムの透湿度は、樹脂フィルムの材料の選択、フィルムの製造方法、フィルムの層構造、貫通孔の有無及び貫通孔の平均径などを制御することによって、調整することができる。
(酸素透過量)
樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過量は、青果物の呼吸を保持し、食味を良好にする観点から、好ましくは5cc/m・day・atm以上であり、より好ましくは10cc/m・day・atm以上であり、さらに好ましは30cc/m・day・atm以上である。
一方、樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過量は、青果物の萎れ・変色を抑制する観点から、好ましくは2000cc/m・day・atm以下であり、より好ましくは1000cc/m・day・atm以下であり、さらに好ましくは500cc/m・day・atm以下である。
酸素透過量は、たとえば、窒素を充填させた直後の包装袋と、窒素を充填させてから一定時間放置した後の包装袋のそれぞれに関し、包装袋内の酸素濃度を測定し、その酸素濃度勾配から算出することができる。
また、本発明において、樹脂フィルムの酸素透過量は、樹脂フィルムの材料の選択、フィルムの製造方法、フィルムの層構造、貫通孔の有無及び貫通孔の平均径などを制御することによって、調整することができる。
本発明の青果物鮮度保持袋は、さらに以下の要件を満たすことで、カビ発生、萎れの発生の抑制効果、および鮮度保持効果をより一層高めることができる。
[厚み]
青果物鮮度保持袋の厚みは、好ましくは10~70μm、より好ましくは15~50μmであり、さらに好ましくは18~45μmである。青果物鮮度保持袋の厚みを上記下限値以上とすることにより、青果物鮮度保持袋の強度を高めやすい。青果物鮮度保持袋の厚みを上記上限値以上とすることにより、青果物鮮度保持袋の柔軟性(しなやかさ)を保つことができ、良好な密封性が得られやすくなる。
[貫通孔]
青果物鮮度保持袋は、貫通孔が形成されていてもよい。これにより、透湿度、酸素透過量を容易に調整できる。これにより、青果物の鮮度を効果的に保持しつつ、カビ発生、および萎れ、変色の発生を抑制できるようになる。
貫通孔の平面形状としては、たとえば、円形、多角形、またはスリットであってもよい。円形とは、真円形に限定されず、略円形を含むものである。また、円形以外にも、半円形や三日月形状であってもよい。多角形とは、三角形、四角形、および五角形等の三つ以上の線分によって囲まれた形状であればよい。スリットとは、青果物鮮度保持袋を構成する合成樹脂フィルムを貫通している切り込み、細隙であって、直線、曲線、L字型、×印などであってもよく、その長さ等も特に限定されない。
貫通孔の平均直径は10μm~200μmであることが好ましく、20~100μmであることがより好ましく、40~80μmであることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることにより、透湿度、酸素透過量が向上し、カビ発生を抑制しやすくなる。一方、上記上限値以下とすることにより、異物の侵入を防ぎつつMA効果を維持でき、青果物の萎れ・軸枯れ等を抑制できる。
なお、貫通孔の平均直径は、貫通孔の開孔面積から貫通孔を正円として算出される。
青果物鮮度保持袋が複数の孔を有する場合、製造のしやすさの観点から、全ての貫通孔の直径が、上記数値範囲に収まっていることが好ましいが、一部の貫通孔の直径が10~200μmの範囲外であっても構わない。
上記の貫通孔の形成方法は、特に限定されず、公知の手法を採用することができる。かかる公知の手法としては、たとえば、レーザー加工法、熱針を含む針加工法、ロールカッターなどの金型を利用した方法等が挙げられる。
また、青果物鮮度保持袋の青果物1kgあたりの総開孔面積は、0.1mm/kg以上、5.4×10mm/kg以下であることが好ましく、0.2mm/kg以上、2.0×10mm/kg以下がより好ましい。上記下限値以上とすることにより、カビ発生を抑制するとともに、結露の発生を抑制できる。一方、上記上限値以下とすることにより、青果物の鮮度を良好に保持し、萎れ・軸枯れの発生を抑制できる。
なお、上記総開孔面積とは、青果物鮮度保持袋の青果物を出し入れするための開口部の面積を含まない。
[大きさ]
本実施形態の青果物鮮度保持袋は、典型的には四角形(長方形、正方形等)の袋状である。また、底部にマチを有するものであってもよい。
あくまで一例であるが、青果物鮮度保持袋の大きさは、一般消費者向けの青果物の包装用途では、100mm×100mm~250mm×350mm程度の大きさとすることができる。
また、本実施形態における青果物鮮度保持袋の内表面積は、包装される青果物の形状、大きさ、取扱性等に応じて、適宜、設定することができる。例えば、青果物100gあたりの青果物鮮度保持袋の内表面積を、100cm以上5000cm以下としてもよいし、300cm以上700cm以下としてもよい。
[青果物]
包装対象の青果物は特に限定されない。青果物は、例えば、花菜類、果菜類、茎菜類、根菜類および葉菜類からなる群より選ばれる少なくともいずれかであることができる。
花菜類として具体的には、ブロッコリー、カリフラワー、食用菊、フキノトウ、ミョウガ、アブラナ(菜の花)などを挙げることができる。
果菜類として具体的には、ナス、トマト、ピーマン、パプリカ、トウガラシ、シシトウガラシ、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ(キワノ)、シロウリ、ツルレイシ(ゴーヤ、ニガウリ)、トウガン、ヘチマ、ユウガオ、オクラなどを挙げることができる。
茎菜類として具体的には、アスパラガス、ウド、コールラビ、ザーサイ、タケノコ、ヨウサイ(クウシンサイ)、ルバーブなどを挙げることができる。
根菜類として具体的には、カブ、ダイコン、ハツカダイコン、クワイ、ゴボウ、ヤーコン、チョロギ、ショウガ、パースニップ、セロリアック、ニンジン、レンコン、ビート、ユリ根、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ(大和芋)、ヤマノイモなどを挙げることができる。
葉菜類として具体的には、アイスプラント、エンダイブ(キクヂシャ)、カラシナ、オランダガラシ(クレソン)、キャベツ、メキャベツ、ケール(ハゴロモカンラン)、コマツナ、コリアンダー(パクチー)、サイシン、シマツナソ(モロヘイヤ)、シュンギク、セリ、セロリ、タアサイ、タカナ、チンゲンサイ、ツルムラサキ、ノザワナ、ハクサイ、パセリ(オランダゼリ)、フダンソウ(スイスチャード)、ホウレンソウ、ミズナ、ミブナ、ミツバ、ルッコラ、レタス(チシャ)、アサツキ、エシャロット、タマネギ、チャイブ、ニラ、ニンニク、ネギ、ラッキョウ、リーキ、ワケギなどを挙げることができる。
なかでも、果菜類、根菜類、葉菜類が好ましく、サツマイモ、ジャガイモ、トマト、温州みかん、シイタケ、玉ねぎ、にんじんであることがより好ましい。
<青果物包装体および青果物鮮度保持方法>
上述の青果物鮮度保持袋を用いて青果物を包装することで、青果物包装体を得ることができる。また、上述の青果物鮮度保持袋用いて青果物を包装することで、青果物の鮮度劣化を抑制することができる。
青果物の包装は、バックシーリングテープにより行う。バックシールには、適当なバックシーリング用の装置を用いて行うことができる。
袋内に収容される青果物の量は、袋の大きさや青果物の種類などにより様々であってよい。一般消費者向けの青果物においては、一例としては50~1000g、好ましくは100~800gである。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
[1]
樹脂フィルムを用いて形成された青果物鮮度保持袋であって、
当該青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をしたとき、
(1)伸び率10~50%に降伏点を有し、
(2)引張弾性率が300~2000MPaであり、
開口部がバックシーリングテープにより閉じられるように構成された、青果物鮮度保持袋。
[2]
前記引張試験において、
(3)降伏点応力が12~100MPaである、[1]に記載の青果物鮮度保持袋。
[3]
当該青果物鮮度保持袋の40℃、90%RHにおける透湿度は50~350g/(m ・24h)である、[1]または[2]に記載の青果物鮮度保持袋。
[4]
前記樹脂フィルムの厚みは、10~50μmである、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の青果物鮮度保持袋。
[5]
前記樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むフィルム、および/または延伸された当該フィルムを備える、[1]乃至[4]いずれか一つに記載の青果物鮮度保持袋。
[6]
当該青果物鮮度保持袋の23℃、60%RHの雰囲気下における酸素透過量が2cc/m ・day・atm以上、50000cc/m ・day・atm以下である、[1]乃至[5]いずれか一つに記載の青果物鮮度保持袋。
[7]
前記樹脂フィルムは、多層構造である、[1]乃至[5]いずれか一つに記載の青果物鮮度保持袋。
[8]
[1]乃至[7]いずれか一つに記載の青果物鮮度保持袋から内部に青果物を収容し、当該青果物鮮度保持袋の開口部がバックシーリングテープで閉じられた、青果物包装体。
[9]
前記青果物は、花菜類、果菜類、茎菜類、根菜類および葉菜類からなる群より選ばれる1種または2種以上である、[8]に記載の青果物包装体。
[10]
[1]乃至[7]いずれか一つに記載の青果物鮮度保持袋の内部に青果物を収容し、当該青果物鮮度保持袋の開口部をバックシーリングテープで閉じて青果物を保存する、青果物の鮮度保持方法。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
第1層、および第3層の原料として、95重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製「UBEナイロン 1030B2」)と5重量部のアンチブロッキング剤(シリカ含有ナイロン6樹脂、宇部興産社製、「UBEナイロン 1015FDM1」)をドライブレンドしたものを用いた。
第2層の原料として、ナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製、「UBEナイロン 1030B2」)を用いた。
第1層から第3層の各原料を用い、Tダイ共押出製膜法により、表1に示す厚みの多層樹脂フィルムを得た。
<実施例2>
表1に示す層比率(総厚み)となるように調整した以外は、実施例1と同様にして多層樹脂フィルムを得た。
<実施例3>
表1に示す層比率(総厚み)となるように調整した以外は、実施例1と同様にして多層樹脂フィルムを得た。
<実施例4>
第1層の原料として、95重量部のナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製、「UBEナイロン 1030B2」)と5重量部のアンチブロッキング剤(シリカ含有ナイロン6樹脂、宇部興産社製、「UBEナイロン 1015FDM1」)をドライブレンドしたものを用いた。
第2層の原料として、ナイロン6樹脂(宇部興産株式会社製、「UBEナイロン 1030B2」)を用いた。
第3層の原料として、100重量部のエチレン-ビニルアルコール共重合体(クラレ社製「E173B」)を用いた。
第1層から第3層の各原料を用い、Tダイ共押出製膜法により、表1に示す厚みの多層樹脂フィルムを得た。
<比較例1>
第1層、第2層の原料として、ポリプロピレンフィルム(ホモタイプ、日本ポリプロ株式会社製「ノバテックpp FB3B」)を用いた。
第3層の原料として、ポリプロピレンフィルム(ランダムタイプ、日本ポリプロ株式会社製「ウィンテック WFX4TA」)を用いた。
第1層から第3層の各原料を用い、Tダイ共押出製膜法により、表1に示す厚みの多層樹脂フィルムを得た。
<比較例2>
第1層として、延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製「AF-642」)を準備し、表1に示す厚みの樹脂フィルムを得た。
<比較例3>
第1層として、延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製、「エンブレム ON」)を準備した。
第2層として、エチレン-ビニルアルコール樹脂(日本合成社製 、「ソアノール16DX」(固形分16%))を準備した。
第1層上に接着層(1液水性型ポリブタジエン系接着剤、日本曹達社製、チタボンド「T180E」)をドライ膜厚で0.03μm塗布(グラビアコート:乾燥温度100℃、乾燥時間10秒)し、第2層をドライ膜厚で0.8μm塗工(グラビアコート:乾燥温度100℃、乾燥時間10秒)し、表1に示す厚みの多層樹脂フィルムを得た。
<比較例4>
第1層として、延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製「AF-642」)を準備し、パンチ穴(直径5mm)を8個設け、表1に示す厚みの樹脂フィルムを得た。
<青果物鮮度保持袋の製造>
以下手順により、各実施例および各比較例の青果物鮮度保持袋を製造した。
同じサイズにカットした樹脂フィルムを2枚用意し、四隅が一致するように重ねた。次に、インパルスシーラーを用いて、三方(両サイドおよび底)にヒートシール加工を施し、青果物鮮度保持袋(200mm×300mm)を得た。
インパルスシーラーとしては、富士インパルス社製、P-300を用いた。ヒートシール加工は、溶断シール方式、目盛り最大の条件で行った。これにより溶断シール部分を形成した。
なお、比較例4の樹脂フィルムを用いた青果物鮮度保持袋は、8個のパンチ穴を有するよう製袋した。
<評価・測定>
得られた各樹脂フィルムまたは青果物鮮度保持袋について、以下の評価・測定を行った。結果を表1に示す。
[引張試験]
青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をした。詳細には、青果物鮮度保持袋からJIS K 7127の1号ダンベル試験片を作成し、当該ダンベル試験片を機械強度測定器(エー・アンド・ディー社製、テンシロン万能材料試験機RTF-1250)を用いて、23℃で、引っ張り速度を2mm/分として行った。
引張試験結果から、(1)降伏点における伸び率(%)、(2)引張弾性率(MPa)、(3)降伏点応力(MPa)を求めた。なお、降伏点の応力は、降伏点がSSカーブから上降伏点が明確な場合はその前後の応力の最大値から、降伏点が不明確な場合は、SSカーブにおける変曲点前後の点から引いた2本の接線の交点から求めた。
また、図1に実施例1の引張試験で得られた引張曲線、図2に比較例2の引張試験で得られた引張曲線をそれぞれ示す。
なお、伸び率(%)は、標線間40mmを起点として伸びた長さに基づいて求めた。
[40℃、90%RHにおける透湿度g/(m・24h)]
樹脂フィルムを用いて、JIS Z 0208(40℃、90%RH)に準拠して測定した。
[23℃、60%RHにおける酸素透過量(cc/m・day・atm)]
(1)窒素ガスの封入
樹脂フィルムを用いて袋を形成し、当該袋をヒートシール等で密封した後、アスピレーター等を用いて袋を脱気した。脱気は、袋の両面が貼りつくまで行った。次に、この袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純度99.9%以上)を充填した。窒素ガスの注入量は、袋サイズに合わせ、注入した窒素ガスによって袋を構成するフィルムにテンションがかからず、かつ僅かにゆるんでいる範囲で極力多く入れ、当該白硬注射筒の目盛りを用いて測定した。なお、窒素ガスの脱気および注入は、例えば、注射針を袋に突き刺して行った。注射針を刺す際は、袋を構成するフィルムに両面テープを貼り、この上にさらにポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付けた。また、注射針を抜いた後は、速やかにPPテープで針孔を塞いだ。袋に貼るテープは、4.5cm以下の面積に収まるようにした。
また、袋を構成するフィルムが微細孔フィルムの場合は、テープで当該微細孔を塞がないようにした。
(2)初期酸素濃度測定
窒素ガス充填直後(t=0)の袋内の初期酸素濃度(C0)を測定した。袋内のガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(TCD)で袋内の初期酸素濃度(C0)を求めた。C0は0.2%以下であり、これを超える場合は、作業をやり直した。酸素濃度測定のためのサンプリングガスは、10cc以下とした。ガスクロマトグラフィーに注入する場合は、1cc程度の一定量を注入した。また、標準ガス(酸素約1%と約10%を含む2点以上)の測定も同量のガスを注入して行い、検量線を作成した。
(3)袋の保管
初期酸素濃度を測定した袋は、23℃、60%RH(恒温恒湿庫)で保管した。このとき、袋の上に物が載ったり、恒温恒湿庫のファンの風が袋に直撃しないように静置した。
(4)保管中の袋内酸素濃度の測定及び酸素透過速度の計算
袋内酸素濃度の測定は、窒素ガス充填直後と3時間以上経過後に酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内で2点以上の合計3~5点測定し、経過時間t(hr)と袋内酸素濃度間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要がある。相関係数が成り立たない場合は再試験を行った。袋を構成するフィルムの酸素透過速度が大きすぎて袋内酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、フィルムの一部を酸素透過速度が測定しているフィルムより小さく既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行えばよい。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと貼り合わせた部分は除き、求められた酸素透過速度より既知のフィルム部分の酸素透過速度を差し引いたものが測定フィルムの酸素透過速度とした。
酸素透過速度は、経過時間が長いほうの値を用いて以下の計算式(1)を計算した。
F=1.143×(Ct-C0)×V/t (1)
但し、F:酸素透過速度(cc/袋・day・atm)
Ct:窒素ガス充填後t時間後における袋内酸素濃度(%)
C0:窒素ガス充填直後の袋内酸素濃度(%)
V:充填した窒素ガスの量(cc)
t:ガス充填時からの経過時間(hr)
Figure 0007010346000002
<評価>
得られた各青果物鮮度保持袋について、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
[鮮度保持性]
1)各青果物鮮度保持袋に、表3に示す穴をレーザー加工にて、設けた。用意した袋内にそれぞれ、サツマイモ、ジャガイモ、トマト、温州みかん、シイタケ、玉ねぎ、にんじんを表3に示す重量(g)入れ、開口部をバックシーリングテープにより閉じることで密封した(各10袋用意した)。これを表3に示す保管温度、保管期間で保管試験を行った。また、上記野菜類を袋内に密封した後、24時間後に袋内酸素濃度(%)の測定を実施し、結果を表2に示した。袋内酸素濃度の測定は、MOCON Europe社製(旧Dansensor社)Check Pointを用いて行った。
・表2に示すように、実施例の各青果物鮮度保持袋については袋内酸素濃度(%)が、MA効果が正常に発現できる範囲で制御されていた。一方、比較例の各青果物鮮度保持袋は一部袋内酸素濃度(%)が十分に制御されておらず、やや外気に近い(高い)袋内酸素濃度(%)となっていた。なお比較例4の青果物鮮度保持袋は、パンチ穴を有するためにMA包装の対象外であった。そのため、表2に示される袋内酸素濃度(%)の数値は、外気と同様の酸素濃度を示していた。
2)保管試験後のサツマイモ、ジャガイモ、トマト、温州みかん、シイタケ、玉ねぎ、にんじんそれぞれについて、カビの発生率、萎れ、変色、発芽について、以下の評価基準に従い、熟練した技術者が評価した。結果は10袋の平均値を示している。
・カビ発生率:カビが発生した野菜類が見つかった袋(個数)率(%)
・萎れ:4段階の官能評価(4: 萎れがみられない(新鮮) 3:やや萎れがみられる(購買限界) 2:萎れが目立つ(消費限界) 1:腐敗している)
・変色:4段階の官能評価(4:変色がみられない(新鮮) 3:やや変色がみられる(購買限界) 2:変色が目立つ(消費限界) 1:腐敗している)
・発芽:4段階の官能評価(4: 発芽がみられない(新鮮) 3:やや発芽がみられる(購買限界) 2: 発芽が目立つ(消費限界) 1:腐敗している)
[耐破袋性]
まず、各実施例および比較例の各袋に、100mLの窒素ガスを封入し、開口部をヒートシールして、窒素ガス入りの袋を作製した。ヒートシールの条件は各袋で全て同じとした。
その後、窒素ガス入りの膨らんだ袋を、評価者に手で押してもらい、簡単に開封してしまうかどうかを評価した。
窒素ガス入りの袋は、各実施例および比較例において10袋ずつ作製し、熟練した技術者10名に評価してもらった。簡単に開封したと答えた人が2人未満の場合は〇(良好)、2人以上の場合は×(不良)とした。
Figure 0007010346000003
Figure 0007010346000004

Claims (9)

  1. 樹脂フィルムからなる青果物鮮度保持袋であって、
    当該青果物鮮度保持袋の底辺に平行な方向において、23℃、速度2mm/分の条件で引張試験をしたとき、
    (1)伸び率1530%に降伏点を有し、
    (2)引張弾性率が4001000MPaであり、
    前記樹脂フィルムは、ポリアミド樹脂を含むフィルムを有し、
    当該青果物鮮度保持袋の23℃、60%RHの雰囲気下における酸素透過量が2cc/m ・day・atm以上、1000cc/m ・day・atm以下であり、
    開口部がバックシーリングテープにより閉じられるように構成された、青果物鮮度保持袋。
  2. 前記引張試験において、
    (3)降伏点応力が1890MPaである、請求項1に記載の青果物鮮度保持袋。
  3. 当該青果物鮮度保持袋の40℃、90%RHにおける透湿度は50~350g/(m・24h)である、請求項1または2に記載の青果物鮮度保持袋。
  4. 前記樹脂フィルムの厚みは、10~50μmである、請求項1乃至3いずれか一項に記載の青果物鮮度保持袋。
  5. 前記樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、およびポリエステル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むフィルム、および/または延伸された当該フィルムをさらに備える、請求項1乃至4いずれか一項に記載の青果物鮮度保持袋。
  6. 前記樹脂フィルムは、多層構造である、請求項1乃至5いずれか一項に記載の青果物鮮度保持袋。
  7. 請求項1乃至いずれか一項に記載の青果物鮮度保持袋から内部に青果物を収容し、当該青果物鮮度保持袋の開口部がバックシーリングテープで閉じられた、青果物包装体。
  8. 前記青果物は、花菜類、果菜類、茎菜類、根菜類および葉菜類からなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項に記載の青果物包装体。
  9. 請求項1乃至いずれか一項に記載の青果物鮮度保持袋の内部に青果物を収容し、当該青果物鮮度保持袋の開口部をバックシーリングテープで閉じて青果物を保存する、青果物の鮮度保持方法。
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