JP2007039087A - 包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 300g以上の重量物を包装する高分子フィルムの袋であり、前記高分子フィルムの厚みが10〜200μmであり、前記袋は、袋底部が前記高分子フィルムを折り返したものであり、袋側縁部が2〜15mm幅のヒートシール処理された後溶断シールされたものである包装袋であり、袋底部の強度及び袋側縁部の平均シール強度が、15N/15mm以上である包装袋である。
【選択図】 図1
Description
重いものを包装する場合、液状物を包装する場合、包装袋が内容物の重さにより破れない、液状物の場合はピンホールなどにより内容物が漏れないということが重要である。また、青果物を包装袋により包装する後述のMA包装においては、包装内のガス濃度を精度良くコントロールする必要があることから、ピンホール等の発生が問題になることがある。フィルムより包装袋を形成する際、フィルム同士を接着、融着させることにより袋状に形成していくが、特にその貼り合せ部及びその近傍において、包装袋の破れやピンホールが発生することが多い。
この技術は青果物を適切なガス透過量を有するフィルムで密封包装することで、青果物自身の呼吸とフィルムを通して供給される酸素および排出される炭酸ガスのバランスにより、包装内を青果物の呼吸が適度に抑制される条件にし、青果物の疲弊、追熟、萎れあるいは栄養素、味、香り等の変化を防止する技術である。
類似の技術でCA(Controled Atmosphere)貯蔵というものがあるが、こちらが設備自体に鮮度保持に適した環境を作る機能を持たせた大掛かりな貯蔵庫であるのに対し、MA包装は適切な包装材と青果物自身の呼吸で包装内の環境を作り上げるところが異なっている。
更に好ましい態様としては、袋底部の強度及び袋側縁部の平均シール強度が、15N/15mm以上であり、ヒートシール処理時の熱盤温度が100〜180℃であり、 溶断シール時の熱刃温度が300〜480℃であり、包装する内容物が青果物である包装袋である。
更に好ましい形態としては、ヒートシール処理のシール幅が、4〜30mmであり、袋底部の強度及び袋側縁部の平均シール強度が、15N/15mm以上であり、ヒートシール処理時の熱盤温度が100〜180℃であり、溶断シール時の熱刃温度が300〜480℃であり、包装する内容物が青果物である包装袋の製造方法である。
延伸ポリプロピレン、未延伸ポリプロピレン、ポリエチレンはその代表的なものと言える。なかでもヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルムが好ましく、防曇二軸延伸ポリプロピレンも好ましい。
図1は自動製袋機の一例の概略図を示す。図1には、少なくとも本発明に関連して必要な箇所しか図示していないので、自動製袋機の機能として必要なものは当然含まれていて良い。図1では、フィルムを連続的に繰り出した後、半折して袋底部を形成する。その後、フィルムの繰り出し方向とは直角に袋側縁部となる部分をヒートシールにて形成する熱盤を有し、ヒートシール部分を溶断シールにて分離する溶断刃を有し、包装袋状とする。フィルムを半折する部分及びヒートシール部分の間隔は袋の大きさに応じて決定すれば良い。ヒートシールされた部分を溶断シールする位置は、ヒートシール部の中央が好ましいが、ヒートシールの効果が大きく損なわれない範囲で偏っていても良い。
包装袋は、必要なら袋加工の際にジッパーの取り付けなどの加工が施される。
当然のことながら部分的にシールするような機構をさらにもうけてもかまわない。
開けやすくするためヒートシール部にノッチをもうけてもかまわないが、この場合にはノッチがヒートシール部分にかからないようにすることが必要である。ここで重要なことは、ヒートシール部分を完全に接着させることである。これにより密封性を確保する。
加熱方法は特に問わないが、抵抗加熱が適している。
また、フィルムを半折する際には、フィルムに癖をつけるために適切な条件にて、部分的に加圧したり、加熱しても差支えない。
袋側縁部は溶断シールの特徴である強度の強さと三方シール袋のもつ密封性の良さの両方を兼ね備えた特性を有する。
これにより、重量物を包装しても破袋しにくく、包装内の雰囲気を精度よく調整することが可能となる。ここで言う重量物に明確な定義はないが、300gを越える場合には従来包装では問題が発生する頻度が高い。
このように孔の形状は何でもかまわないが、目立ちにくく、フィルムの強度低下を起こしにくいという観点から円形に近い形状はより好ましい。
1袋あたりの総開孔面積は、3.5mm2未満が好ましい。これより高いとあまり鮮度保持効果は期待できなくなる。より好ましくは、総開孔面積が0.001〜0.7mm2である。この範囲であると包装袋内は適度な低酸素濃度、高炭酸ガス濃度となり、青果物の鮮度保持に効果があり貯蔵に好ましく、異臭が発生したり、腐敗が始まる可能性が低い。
厚み40μmのグンゼ株式会社製延伸ポリプロピレンフィルム(シルファン MV2)を用いて、図1の方式の自動製袋機を用いて製袋した。
原反幅1,000mmのものを半折し、ヒートシール盤温度140℃、シール幅6mmでヒートシールした後、ヒートシール部分の中央を溶断刃温度400℃で溶断シールし、袋サイズ160×500mm(袋側部のシール幅3mm)の袋とした。
3,000袋問題なく製袋が行えた。抜き取りで20袋、この袋に空気を入れて膨らませ密封シールした後、水中で押さえシール部の密封状態を確認したが、気泡等の発生はなくシール部の漏れは見られなかった。袋に長いも800g1本を入れ、開口部はシール幅10mmのヒートシールで密封した。このような包装を20パック作製し、室温で1週間保存したが良好であった。
《比較例1》
厚み40μmのグンゼ株式会社製延伸ポリプロピレンフィルム(シルファン MV2)を用いて、三方シール製袋機を用いて製袋した。
原反幅1,000mmのものを半切し、袋側部のシール温度140℃、シール幅20mmでヒートシールし中央を常温にてカットした。3,000袋問題なく製袋が行えた。抜き取りで20袋、この袋に空気を入れて膨らませ密封シールした後、水中で押さえシール部の密封状態を確認したが、気泡等の発生はなくシール部の漏れは見られなかった。
実施例1と同様の長いもを入れて包装したが、注意しないと破袋するため作業性が悪かった。保存性は実施例1と同様に良好であった。
《比較例2》
厚み40μmのグンゼ株式会社製延伸ポリプロピレンフィルム(シルファン MV2)を用いて、溶断シール製袋機を用いて製袋した。
原反幅1,000mmのものを半折し、溶断刃温度400℃で溶断シールし、袋サイズ160×500mmの袋とした。この際、袋側部のヒートシールは行っていない。3,000袋問題なく製袋が行えた。抜き取りで20袋、この袋に空気を入れて膨らませ密封シールした後、水中で押さえシール部の漏れを確認したところ、12袋で溶断シール部より数箇所気泡の発生が認められた。
実施例1と同様の長いも800g1本を入れ、開口部はシール幅10mmのヒートシールで密封した。包装作業性は実施例1と同様に問題がなかったが、室温で1週間保存すると10パックで長いもの切断面に変色が発生した。
《比較例3》
厚み40μmのグンゼ株式会社製延伸ポリプロピレンフィルム(シルファン MV2)を用いて、図1の方式の自動製袋機を用いて製袋した。
原反幅1,000mmのものを半折し、ヒートシール盤温度140℃、シール幅2mmでヒートシールした後、ヒートシール部分の中央を溶断刃温度400℃で溶断シールし、袋サイズ160×500mm(袋側部のシール幅1mm)の袋とした。
実施例と同様に3,000枚製袋しようとしたが、シール部分において、溶断刃のあたる位置がシール部分よりずれるため、連続して生産を行うことができなかった。
東セロ株式会社製の厚み20μm延伸ポリプロピレンフィルム(OP U−1)と厚み25μmの同社製低密度ポリエチレンフィルムTUX−TNFとをドライラミネートしたフィルムを作製し用いた。(総厚み45μm)
図1の方式の自動製袋機を用いて製袋した。
原反幅1,000mmのものを半折し、ヒートシール盤温度130℃、シール幅20mmでヒートシールした後、ヒートシール部分の中央を溶断刃温度415℃で溶断シールし、袋サイズ160×500mm(袋側部のシール幅10mm)の袋とした。
3,000袋問題なく製袋が行えた。抜き取りで20袋、この袋に空気を入れて膨らませ密封シールした後、水中で押さえシール部の密封状態を確認したが、気泡等の発生はなくシール部の漏れは見られなかった。袋に長いも800g1本を入れ、開口部はシール幅10mmのヒートシールで密封した。このような包装を20パック作製し、室温で1週間保存したが良好であった。
2 ヒートシール盤
3 ロールフィルム
4 冷却盤
5 ヒートシール部分
6 包装袋
Claims (11)
- 300g以上の重量物を包装する高分子フィルムの袋であり、前記高分子フィルムの厚みが10〜200μmであり、前記袋は、袋底部が前記高分子フィルムを折り返したものであり、袋側縁部が2〜15mm幅のヒートシール処理された後溶断シールされたものであることを特徴とする包装袋。
- 袋底部の強度及び袋側縁部の平均シール強度が、15N/15mm以上である請求項1に記載の包装袋。
- ヒートシール処理時の熱盤温度が100〜180℃である請求項1又は2に記載の包装袋。
- 溶断シール時の熱刃温度が300〜480℃である請求項1〜3のいずれかに記載の包装袋。
- 包装する内容物が青果物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装袋。
- 300g以上の重量物を包装する高分子フィルムの袋であり、前記高分子フィルムの厚みが10〜200μmであり、前記袋は、前記高分子フィルムを折り返して袋底部とする工程、ヒートシール処理を行った後溶断シールにより袋側縁部を形成する工程を含むことを特徴とする包装袋の製造方法。
- ヒートシール処理のシール幅が、4〜30mmである請求項6に記載の包装袋の製造方法。
- 袋底部の強度及び袋側縁部の平均シール強度が、15N/15mm以上である請求項6又は7に記載の包装袋の製造方法。
- ヒートシール処理時の熱盤温度が100〜180℃である請求項6、7又は8に記載の包装袋の製造方法。
- 溶断シール時の熱刃温度が300〜480℃である請求項6〜9のいずれかに記載の包装袋の製造方法。
- 包装する内容物が青果物であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の包装袋の製造方法。
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